図面 (/)

技術 距離継電方式

出願人 富士電機株式会社
発明者 戸井雅則中野年康
出願日 1994年7月5日 (26年5ヶ月経過) 出願番号 1994-153962
公開日 1996年1月23日 (24年11ヶ月経過) 公開番号 1996-023626
状態 特許登録済
技術分野 非常保護回路装置(複入力保護リレー他)
主要キーワード 立ち上がり検出器 オフディレイタイマ 位相判別 オンディレイタイマ ベクトル外積 方向要素 ノット回路 故障判別
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年1月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

目的

系統至近故障動作遅れなく、安定に検出可能とする。

構成

距離継電器1に不足電圧継電器(UV)2,過電流継電器(OC)3および方向継電器(D要素)4を付加し、UV2およびOC3の同時出力によってアンドゲート5Aが成立する至近故障時には、D要素4からの出力をフリップフロップ10に記憶し、その出力信号Bを至近故障判別信号としてオアゲート9を介して出力する。

概要

背景

一般に、このような距離継電器においては、インピーダンス「0」オームが動作,不動作の境界となるが、その特性例としては図6(a)のようなモー特性や、図6(b),(c)のような四辺形特性などが良く知られている。例えば、モー特性は次の(1)式で示される。
{Z(・)・I(・)−V(・)}V(・)>ε …(1)
なお、Z(・):距離継電器の整定値複素数
I(・):故障相電流
V(・):故障相の電圧
ε :定数
であり、(・)を付して複素数またはベクトル量を示し、以下同様とする。

このように、距離継電器は電力系統の電圧V(・)と電流I(・)とからインピーダンスを測定するが、例えば図7にF1,F2で示すような、距離継電器設置点または系統母線近傍の故障(以下、至近故障ともいう)では、V(・)=0となるため0オームインピーダンスとなり、従来の距離継電器ではF1とF2の区別ができないという難点を有していた。

このため、従来は距離継電器にいわゆる記憶(メモリ)機能を付加するなどして対処している。このメモリ機能とは、電圧V(・)の位相は故障の発生前後では余り変化しない点に着目し、上記(1)式の電圧V(・)に対し、n(整数サイクル前の電圧V’(・)を加算する、次の(2)式を用いる方法である。
{Z(・)・I(・)−V(・)}{V(・)+kV’(・)}>ε
(k:定数) …(2)
なお、上記nはV’(・)が故障発生前(つまり、系統健全時)の電圧になるように選ばれる値で、継電器フィルタ等の遅れを考慮して決められる。

至近故障時にはV(・)=0ボルトであるが、上記(2)式によれば、
V(・)+kV’(・)=kV’(・)
となり、結局(2)式は次の(3)式と等価になる。
Z(・)・I(・)*kV’(・)>ε …(3)

すなわち、Z(・)・I(・)とkV’(・)のベクトル内積を判断することになるが、この値は至近故障時に流れる電流の方向によって(3)式の判定結果が異なることから、故障分別が可能となる。例えば、図7においてF1故障では電流iAが流れ、F2故障では電流iBがそれぞれ流れ、両者の極性が互いに異なることから、故障を分別することができるわけである。

概要

系統至近故障を動作遅れなく、安定に検出可能とする。

距離継電器1に不足電圧継電器(UV)2,過電流継電器(OC)3および方向継電器(D要素)4を付加し、UV2およびOC3の同時出力によってアンドゲート5Aが成立する至近故障時には、D要素4からの出力をフリップフロップ10に記憶し、その出力信号Bを至近故障判別信号としてオアゲート9を介して出力する。

目的

その対策としては上記(b)項と同じくオンディレイタイマを付加する方法があるが、やはり動作遅れが生じる。なお、図10は図9の場合に、継電器が見るインピーダンスの例を示し、Zaは過渡変化終了時のインピーダンス(定格電圧負荷電流)を示している。したがって、この発明の課題は時間遅れを生じることなく系統至近距離の故障を安定に検出可能とすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

電力系統電流電圧からインピーダンスを計算し、故障点までの距離を求めて系統の保護を図る距離継電器に対し、系統故障生前の電圧と故障中の電流との位相差加算する機能を持ち、故障内外部判定を行なう方向継電器と、系統至近故障か否かを検出する至近故障検出手段と、至近故障時に前記方向継電器の出力を一時記憶する記憶手段と、この記憶手段の出力または前記距離継電器出力のいずれかを選択的に出力する出力手段とを設けたことを特徴とする距離継電方式

請求項2

前記方向継電器を省略し、前記記憶手段に距離継電器出力を導入することを特徴とする請求項1に記載の距離継電方式。

請求項3

前記系統至近故障が除去されてインピーダンスが0から大きな値に急変するとき、前記距離継電器が過渡的に動作しないよう、系統至近故障除去後の一定の時間はその動作をロックするためのロック手段を付加することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の距離継電方式。

技術分野

0001

この発明は、例えば故障点までのインピーダンスを測定し系統の保護を図る、いわゆる距離継電方式に関する。

背景技術

0002

一般に、このような距離継電器においては、インピーダンス「0」オームが動作,不動作の境界となるが、その特性例としては図6(a)のようなモー特性や、図6(b),(c)のような四辺形特性などが良く知られている。例えば、モー特性は次の(1)式で示される。
{Z(・)・I(・)−V(・)}V(・)>ε …(1)
なお、Z(・):距離継電器の整定値複素数
I(・):故障相電流
V(・):故障相の電圧
ε :定数
であり、(・)を付して複素数またはベクトル量を示し、以下同様とする。

0003

このように、距離継電器は電力系統の電圧V(・)と電流I(・)とからインピーダンスを測定するが、例えば図7にF1,F2で示すような、距離継電器設置点または系統母線近傍の故障(以下、至近故障ともいう)では、V(・)=0となるため0オームインピーダンスとなり、従来の距離継電器ではF1とF2の区別ができないという難点を有していた。

0004

このため、従来は距離継電器にいわゆる記憶(メモリ)機能を付加するなどして対処している。このメモリ機能とは、電圧V(・)の位相は故障の発生前後では余り変化しない点に着目し、上記(1)式の電圧V(・)に対し、n(整数サイクル前の電圧V’(・)を加算する、次の(2)式を用いる方法である。
{Z(・)・I(・)−V(・)}{V(・)+kV’(・)}>ε
(k:定数) …(2)
なお、上記nはV’(・)が故障発生前(つまり、系統健全時)の電圧になるように選ばれる値で、継電器フィルタ等の遅れを考慮して決められる。

0005

至近故障時にはV(・)=0ボルトであるが、上記(2)式によれば、
V(・)+kV’(・)=kV’(・)
となり、結局(2)式は次の(3)式と等価になる。
Z(・)・I(・)*kV’(・)>ε …(3)

0006

すなわち、Z(・)・I(・)とkV’(・)のベクトル内積を判断することになるが、この値は至近故障時に流れる電流の方向によって(3)式の判定結果が異なることから、故障分別が可能となる。例えば、図7においてF1故障では電流iAが流れ、F2故障では電流iBがそれぞれ流れ、両者の極性が互いに異なることから、故障を分別することができるわけである。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、上記のメモリ方式では、下記の問題がある。
(a)至近故障がnサイクル以上継続する場合は、(2)式のV’(・)項も0ボルトに過渡変化し、方向判別ができなくなる。結果的には、距離継電器が復帰(F1)したり、一過性ながら誤動作(F2)するおそれがある。

0008

(b)故障発生直後は、継電器に内蔵されているフィルタ出力の電流,電圧波形の過渡変化により、継電器の見るインピーダンスが例えば図8に示すように変化して行くが、この過程で、F2故障時に過渡的に距離継電器が動作判定する場合がある。その対策としては、継電器にオンディレイタイマを付加し、一過性の継電器誤動作を防止する方法があるが、これには継電器の動作遅れが生じる。

0009

(c)例えば、図9に示すように、遮断器(CB)がオフで系統が無電圧状態より、CBの投入によって電圧を印加された場合、電圧は0ボルト状態から上昇する。このとき、図示のように系統に大きな負荷電流(重潮流)iLが流れると、継電器は内部のフィルタ等に起因する電流,電圧波形の歪みによって動作判定をするおそれがある。

0010

その対策としては上記(b)項と同じくオンディレイタイマを付加する方法があるが、やはり動作遅れが生じる。なお、図10図9の場合に、継電器が見るインピーダンスの例を示し、Zaは過渡変化終了時のインピーダンス(定格電圧/負荷電流)を示している。したがって、この発明の課題は時間遅れを生じることなく系統至近距離の故障を安定に検出可能とすることにある。

課題を解決するための手段

0011

このような課題を解決するため、請求項1の発明では、電力系統の電流,電圧からインピーダンスを計算し、故障点までの距離を求めて系統の保護を図る距離継電器に対し、系統故障発生前の電圧と故障中の電流との位相差を加算する機能を持ち、故障の内外部判定を行なう方向継電器と、系統至近故障か否かを検出する至近故障検出手段と、至近故障時に前記方向継電器の出力を一時記憶する記憶手段と、この記憶手段の出力または前記距離継電器出力のいずれかを選択的に出力する出力手段とを設けたことを特徴としている。

0012

請求項1の発明では、前記方向継電器を省略し、前記記憶手段に距離継電器出力を導入することができる(請求項2の発明)。さらに、請求項1,2の発明では、前記系統至近故障が除去されてインピーダンスが0から大きな値に急変するとき、前記距離継電器が過渡的に動作しないよう、系統至近故障除去後の一定の時間はその動作をロックするためのロック手段を付加することができる(請求項3の発明)。

0013

系統のインピーダンスを見て動作判定を行なう距離継電器に対し、系統故障前の電圧を用いて位相判別を行なう方向要素を付加することで、系統至近故障時の誤不動作を回避する。また、方向要素の代わりに距離継電器の出力だけを用いることにより、構成の簡略化を図る。また、系統至近故障が除去されてインピーダンスが0から大きな値に急変するとき、前記距離継電器が過渡的に動作しないよう、系統至近故障除去後の一定の時間はその動作をロックすることで、不要動作を回避する。

0014

図1はこの発明の実施例を示す全体構成図である。同図において、1は距離継電器、2は不足電圧継電器(UV要素)、3は過電流継電器(OC要素)、4は方向継電器(D要素)、5A〜5Cはアンドゲート、6は立ち上がり検出器、7はオフディレイタイマ、8はインバータノット回路)、9はオアゲート、10はフリップフロップである。また、距離継電器はここでは、A/D変換器マイクロプロセッサなどからなるディジタル形を想定している。

0015

UV要素2は距離継電器1の動作判定精度が保てなくなる電圧以下で動作し、OC要素3は距離継電器1の動作判定精度が保てる最小電流値以上で動作する。(なお、OC要素3は、系統故障時に予想される最小電流でも動作するような特性(整定)を持つものとする)。D要素4は電圧と電流のベクトル内積(または外積)をとり、その符号判定正負判定)により動作判定を行なう。

0016

各継電器要素の特性例を図2に示す。同図(a)はUV要素、(b)はOC要素、(c)はD要素の各特性で、ハッチング部分が動作域である。なお、(d)は距離継電器D1とD2とを合成した例で、回路的には例えば図3のように表現することができる。

0017

また、図6(a)の如き特性を持つ距離継電器に対する方向要素の特性としては、図4(a)の如く0オーム近傍の特性境界線を接線とする特性とする。これを、数式にて示すと次式のようになる。
Σ{V’(・)*ΔIθ(・)}>0 …(4)
ここで、V’(・)はnサイクル前の電圧で、(2),(3)式で使用したものと同じで、演算子「*」にてベクトル外積を示すものとする。

0018

ΔIθ(・)は、電流I(・)を角度θだけ位相を進ませたものである。電流I(・)としては、現在値とnサイクル前の値の変化幅をとることができる。この電流I(・)をθ位相進みとすることで、図4(a)に示す方向要素のθの位相傾斜が実現され、変化幅をとることで系統における常時潮流の影響を防ぐことができる。

0019

上記(4)式でI(・)と同時刻の電圧V(・)を使わず、nサイクル前のV’(・)を使用するようにしたのは、故障の方向判別が正確にできるからである(図7のF1,F2の故障分別ができる)。また、(4)式のΣはその左辺括弧{}内の演算を或る一定の時間繰り返し実行し、その加算値をとることを意味している。このように、加算値をとることで、至近故障発生時に電流に含まれる高調波に起因するD要素の動作精度の低下を軽減することができる。

0020

UV2の出力とOC3の出力とはアンドゲート5Aに導かれ、その出力(信号A)により距離継電器1の動作不定状態、すなわち系統至近故障を検出する。信号Aの立ち上がり検出器6で検出され、その検出出力はアンドゲート5BにてD要素4の出力とアンドを取られ、その出力はフリップフロップ10のセット入力となり、D要素4による方向判別結果が保持される。

0021

信号Aがローのときは、系統故障回復(自然消滅またはしゃ断)を検出し、D要素4による出力を阻止するため、信号Aのインバータ8の出力である信号A’によってリセット優先のフリップフロップ10がリセットされ、その出力Bはローとなる。距離継電器1の出力は、UV2が系統電圧低下を検出したとき、信号Cをハイとしてアンドゲート5Cを閉じることから無効とされる。また、距離継電器1は系統電圧回復時の一過性の動作に対処するために、UV2の後段にオフディレイタイマ7を設け、これにより系統電圧が回復した後の一定時間だけ、距離継電器1の出力をロックするようにしている。

0022

以上の動作を示すのが、図5である。同図は、時刻t1で至近故障が発生し、その後時刻t2で系統故障が回復して電圧,電流が(イ),(ロ)のように変化した場合の例を示している。同(ハ)は従来の場合の距離継電器出力、(ニ)はOC要素の出力、(ホ)はUV要素の出力、(ヘ)は立ち上がり検出器の出力、(ト)はD要素の出力、(チ)は信号C、(リ)は信号A’、(ヌ)は信号Bおよび(ル)はこの発明の場合の距離継電器の出力を示している。

0023

なお、図1の実施例ではアンドゲート5Bに、方向要素4の出力を導入するようにしているが、図1から方向要素4を省略して距離継電器1の出力を導入するようにしても良い。こうすることで、構成の簡略化を図ることが可能となる。

発明の効果

0024

この発明によれば、系統のインピーダンスを見て動作判定を行なう距離継電器に対し、系統故障前の電圧を用いて位相判別を行なう方向要素を付加するようにしたので、系統至近故障時の誤不動作を回避することが可能となる利点が得られる。このとき、方向要素の代わりに距離継電器の出力のみを利用すれば、構成を簡略化することができる。また、系統至近故障が除去されてインピーダンスが0から大きな値に急変するとき、一定の時間は距離継電器が動作しないようロックするようにしたので、不要動作を回避することが可能となる。

図面の簡単な説明

0025

図1この発明の実施例を示す構成図である。
図2図1で用いられる各種継電器の特性例を説明するための説明図である。
図3成形方向要素の例を示すブロック図である。
図4方向要素の動作領域を説明するための説明図である。
図5図1の動作を説明するための波形図である。
図6距離継電器の一般的な特性例を示す特性図である。
図7至近故障を説明するための説明図である。
図8至近故障時に距離継電器にて算出されるインピーダンス軌跡例を説明するための説明図である。
図9無電圧状態より電圧印加する場合の例を説明するための説明図である。
図10図9の場合に距離継電器の見るインピーダンス軌跡例を説明するための説明図である。

--

0026

1…距離継電器、2…不足電圧継電器(UV)、3…過電流継電器(OC)、4…方向継電器(D)、5A〜5C…アンドゲート、6…立ち上がり検出器、7…オフディレイタイマ、8…インバータ(ノット回路)、9…オアゲート、10…フリップフロップ。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 三菱電機株式会社の「 距離リレー」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】単相再閉路方式の電力保護システムに適用される距離リレーにおいて、1相欠相中に健全相で1線地絡故障が生じた場合でも正しく動作する距離リレーを提供する。【解決手段】距離リレーにおいて、メモリ回路8... 詳細

  • 株式会社和田電業社の「 装置及びプログラム」が 公開されました。( 2020/10/22)

    【課題】電力回路が正常な状態、絶縁が劣化した状態、地絡が発生した状態、対地静電容量が変化した状態のいずれであっても、その状態を監視することのできる装置及びプログラムを提供する。【解決手段】本発明によれ... 詳細

  • ゲマスイッツランドゲーエムベーハーの「 スパーク放電に対する保護のための制御回路」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題】スパーク放電に対する静電スプレーコーティングの保護用に最適に適合し得る制御回路を提供する。【解決手段】本発明の制御回路は、高電圧電源を自動的に遮断するための1つの遮断装置と、この高電圧電源の異... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ