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技術 液晶表示装置

出願人 株式会社東芝
発明者 久武雄三佐藤摩希子大山毅石川正仁羽藤仁
出願日 1994年6月3日 (25年9ヶ月経過) 出願番号 1994-121634
公開日 1995年12月22日 (24年2ヶ月経過) 公開番号 1995-333611
状態 未査定
技術分野 液晶1(応用、原理) 液晶3(基板、絶縁膜及び配向部材) 液晶3-2(配向部材)
主要キーワード 振動方位 維持状態 水平配列 特有性 方位性 プリズムビームスプリッタ 非導電体 垂直配列
関連する未来課題
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この項目の情報は公開日時点(1995年12月22日)のものです。
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図面 (9)

構成

画素内で上下基板11、12の電極13、14を複数のストライプ状に形成して、液晶層20に斜め電界印加液晶分子配列を乱して光散乱を生ぜしめる液晶表示素子と、液晶分子Mの配列を規制する配向処理方向FまたはRに直線偏光方位を合わせて液晶表示素子に光を入射する直線偏光装置30とからなる。

効果

散乱性が高く、駆動電圧の低い、明るくコントラスト比の高い階調性に優れた液晶表示装置が得られる。

概要

背景

近年、液晶表示素子(以下LCDと略称)はワードプロセッサパーソナルコンピューター投影形TV、小型TVなどに広く利用されている。

これらのLCDを光制御の観点から分類すると、明暗の変化を液晶分子偏光効果偏光子を組み合わせにより生じさせるものと、液晶相転移を利用し、光の散乱と透過により生じさせるもの、及び染料を添加し、染料の可視光吸収量を制御し、色の濃淡変化により生じさせるるもの等に分けられる。

前者の偏光効果と偏光子を組み合わせたLCDは、例えば90°捻れ分子配列をもつツイテッドマティック(TN)型液晶であり、原理的に薄い液晶層厚低電圧偏光制御できることから、早い応答速度、低消費電力にて、高いコントラスト比を示し、時計電卓、単純マトリクス駆動や、スイッチング素子を各画素ごとに具備したアクティブマトリクス駆動で、また、カラーフィルターと組み合わせて、フルカラーの表示の液晶TVなどに応用されている。

しかし、これら偏光効果と偏光子を組み合わせたLCDは、原理上偏光板を用いることから素子光透過率が著しく低く、また分子配列の方位性により見る角度・方位によって表示色やコントラスト比が大きく変化するといった視角依存性を持ち冷陰極線管(CRT)の表示性能を完全に越えるまでにはいたらない。

一方、後者の液晶の相転移を利用したもの、および染料の可視光吸収量を制御したLCDは、例えば、ヘリカル構造の分子配列をもつコレステリック相からホメオトロピック分子配列のネマティック相への相転移を電場印加で生じさせるPC形液晶およびこれに染料を添加してなるWhite−Taylor型GH液晶であり、偏光子を用いず、原理的に偏光効果を用いないことから、明るく、広い視認角を示し、自動車機器や、投影形表示器などに応用されている。

しかし、充分な光の散乱を得るには、液晶層厚を充分厚くしたり、散乱を生じさせるヘリカル強度を強めたりする必要があり、高い駆動電圧を要し、応答速度も極めて遅いといった問題点をもっているため表示量(画素数)の多い表示素子への応用は困難とされていた。また、印加電圧の増加に伴い、透過率が急激に変化するために階調性をもたらすことも困難とされていた。さらに、その印加電圧−透過率特性ヒステリシスがあり、マルチプレクス駆動することが困難など実用的に問題があった。

また、図8に示す様に上下基板1、2で挟んだ有機高分子3中に液晶4を球状に保持したNCAP形LCDは散乱モードの液晶表示素子であり、偏光板をもちいないため、明るく、広い視認性を示し、自動車機器や、投影型表示器などに応用されている。しかしながら、外部から印加した電圧は有機高分子3と液晶4とに分圧され、液晶には印加電圧の一部しか印加されず、実用的には動作電圧が高まり問題であった。また、充分な光の散乱を得るには、液晶厚を充分厚くする必要があり、応答速度も極めて遅いといった問題点をもっているため表示量(画素数)の多い表示素子への応用は困難とされていた。さらに、その印加電圧−透過率特性にヒステリシスがあり、マルチプレクス駆動することが困難など実用的に問題があった。これと同様の動作原理で動作する網目状有機高分子中に液晶を保持した高分子分散形LCDにおいても、同様の問題があった。

概要

一画素内で上下基板11、12の電極13、14を複数のストライプ状に形成して、液晶層20に斜め電界を印加し液晶分子配列を乱して光散乱を生ぜしめる液晶表示素子と、液晶分子Mの配列を規制する配向処理方向FまたはRに直線偏光の方位を合わせて液晶表示素子に光を入射する直線偏光装置30とからなる。

散乱性が高く、駆動電圧の低い、明るくコントラスト比の高い階調性に優れた液晶表示装置が得られる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

相対向する領域を一画素として複数の画素を形成するための第1の電極を有する第1の基板および第2の電極を有する第2の基板とこれら基板間に挟持されたネマティック液晶液晶層とからなる液晶表示素子と、前記第1の電極および第2の電極間電圧印加する電圧源とを具備して前記液晶表示素子に入射する入射光光散乱制御する液晶表示装置において、前記液晶表示素子は前記第1の電極が一画素内に導電体部と非導電体部を有し、前記第2の電極が一画素内に導電体部と非導電体部を有し、前記第1の電極の導電体部が前記第2の電極の非導電体部の少なくとも一部に面するように対向しており、前記第2の電極の導電体部が第1の電極の非導電体部少なくともの一部に面するように対向しており、前記第1の電極上に所定の方向に液晶分子配向処理された第1の配向膜を有し、前記第2の電極上に所定の方向に液晶分子配向処理された第2の配向膜を有し、前記電圧源から前記電極に電圧が印加されない状態において、前記液晶層の液晶分子が前記第1および第2の配向膜の配向処理に応じた配列をしており、前記液晶表示素子の前記第1の基板か前記第2の基板のいずれか一方に直線偏光光を入射する偏光装置を有し、前記直線偏光光の振動面が前記液晶表示素子の入射光側の基板の配向膜の液晶分子配向処理の方向と実質的に平行になるようにしたものであることを特徴とする液晶表示装置

請求項2

第1の電極および第2の電極の導電体部がストライプ形状であり、非導電体部がスリット状である請求項1記載の液晶表示装置

請求項3

第1の配向膜の液晶分子配向処理方向と第2の配向膜の液晶分子配向処理方向により液晶層の液晶分子をスプレイ配列してなる請求項1記載の液晶表示装置

請求項4

第1の配向膜の液晶分子配向処理方向と第2の配向膜の液晶分子配向処理方向により液晶層の液晶分子をベンド配列してなる請求項1記載の液晶表示装置

請求項5

偏光装置が同じ非偏光光を相互に直交する偏光光に分離し得られる分離偏光光を一定の直線偏光光に合成して液晶表示素子に入射するものである請求項1記載の液晶表示装置

請求項6

偏光装置の直線偏光光の偏光度が80%以上である請求項1または請求項5記載の液晶表示装置

技術分野

0001

本発明は、光散乱制御型液表示素子を用いた液晶表示装置に係わる。

背景技術

0002

近年、液晶表示素子(以下LCDと略称)はワードプロセッサパーソナルコンピューター投影形TV、小型TVなどに広く利用されている。

0003

これらのLCDを光制御の観点から分類すると、明暗の変化を液晶分子偏光効果偏光子を組み合わせにより生じさせるものと、液晶相転移を利用し、光の散乱と透過により生じさせるもの、及び染料を添加し、染料の可視光吸収量を制御し、色の濃淡変化により生じさせるるもの等に分けられる。

0004

前者の偏光効果と偏光子を組み合わせたLCDは、例えば90°捻れ分子配列をもつツイテッドマティック(TN)型液晶であり、原理的に薄い液晶層厚低電圧偏光制御できることから、早い応答速度、低消費電力にて、高いコントラスト比を示し、時計電卓、単純マトリクス駆動や、スイッチング素子を各画素ごとに具備したアクティブマトリクス駆動で、また、カラーフィルターと組み合わせて、フルカラーの表示の液晶TVなどに応用されている。

0005

しかし、これら偏光効果と偏光子を組み合わせたLCDは、原理上偏光板を用いることから素子光透過率が著しく低く、また分子配列の方位性により見る角度・方位によって表示色やコントラスト比が大きく変化するといった視角依存性を持ち冷陰極線管(CRT)の表示性能を完全に越えるまでにはいたらない。

0006

一方、後者の液晶の相転移を利用したもの、および染料の可視光吸収量を制御したLCDは、例えば、ヘリカル構造の分子配列をもつコレステリック相からホメオトロピック分子配列のネマティック相への相転移を電場印加で生じさせるPC形液晶およびこれに染料を添加してなるWhite−Taylor型GH液晶であり、偏光子を用いず、原理的に偏光効果を用いないことから、明るく、広い視認角を示し、自動車機器や、投影形表示器などに応用されている。

0007

しかし、充分な光の散乱を得るには、液晶層厚を充分厚くしたり、散乱を生じさせるヘリカル強度を強めたりする必要があり、高い駆動電圧を要し、応答速度も極めて遅いといった問題点をもっているため表示量(画素数)の多い表示素子への応用は困難とされていた。また、印加電圧の増加に伴い、透過率が急激に変化するために階調性をもたらすことも困難とされていた。さらに、その印加電圧−透過率特性ヒステリシスがあり、マルチプレクス駆動することが困難など実用的に問題があった。

0008

また、図8に示す様に上下基板1、2で挟んだ有機高分子3中に液晶4を球状に保持したNCAP形LCDは散乱モードの液晶表示素子であり、偏光板をもちいないため、明るく、広い視認性を示し、自動車機器や、投影型表示器などに応用されている。しかしながら、外部から印加した電圧は有機高分子3と液晶4とに分圧され、液晶には印加電圧の一部しか印加されず、実用的には動作電圧が高まり問題であった。また、充分な光の散乱を得るには、液晶厚を充分厚くする必要があり、応答速度も極めて遅いといった問題点をもっているため表示量(画素数)の多い表示素子への応用は困難とされていた。さらに、その印加電圧−透過率特性にヒステリシスがあり、マルチプレクス駆動することが困難など実用的に問題があった。これと同様の動作原理で動作する網目状有機高分子中に液晶を保持した高分子分散形LCDにおいても、同様の問題があった。

発明が解決しようとする課題

0009

上述したように、現在、液晶表示素子は透過率が低く、視角依存性を持つか、高い駆動電圧を要し、応答速度も遅いといった問題点をもっていた。

0010

こうした背景のもとで、発明者等は先願の特願平5−184273号において、対向して複数の画素を形成する電極をそれぞれ有する2枚の基板間にネマティック液晶からなる液晶層を狭持し、前記両基板の電極が画素ごとに、最も広い幅が50μm以下である微細な領域を単位とした導電体部と非導電体部(無導電体部)からなり、両基板間で一方の電極の導電体部と他方の電極の非導電体部の少なくとも一部が対向して配置されてなることを特徴とした液晶表示素子を提案した。

0011

この液晶表示素子は各画素の電極形状および配置の特有性から基板平面方向電界成分をもたせ、すなわち液晶層内に斜め電界を生じるようにしており、このため各画素内において斜め電界の方向が2以上となり、その電界境界部に積極的に分子配列の乱れを形成して光散乱状態を得て高いコントラスト比を達成するものであり、前述した諸々の問題点を解決し得るものである。

0012

すなわち、この液晶表示素子によれば、電極への電圧印加制御により素子を透過する光を透過と散乱のいずれかに制御することができる。

0013

しかしながら、発明者等は、この液晶表示素子は光散乱方向と直交した方位に振動する入射光に対しては殆ど散乱を示さないことを見出した。このため光散乱強度をより高めるには入射する光に工夫を要する。

0014

そこで本発明では、この問題を解決する液晶表示装置を得るもので、より優れた表示性能を得る新規な液晶表示装置を得ることを目的としている。

課題を解決するための手段

0015

本発明は、相対向する領域を一画素として複数の画素を形成するための第1の電極を有する第1の基板および第2の電極を有する第2の基板とこれら基板間に挟持されたネマティック液晶の液晶層とからなる液晶表示素子と、前記第1の電極および第2の電極間に電圧を印加する電圧源とを具備して前記液晶表示素子に入射する入射光を光散乱制御する液晶表示装置において、前記液晶表示素子は前記第1の電極が一画素内に導電体部と非導電体部を有し、前記第2の電極が一画素内に導電体部と非導電体部を有し、前記第1の電極の導電体部が前記第2の電極の非導電体部の少なくとも一部に面するように対向しており、前記第2の電極の導電体部が第1の電極の非導電体部少なくともの一部に面するように対向しており、前記第1の電極上に所定の方向に液晶分子配向処理された第1の配向膜を有し、前記第2の電極上に所定の方向に液晶分子配向処理された第2の配向膜を有し、前記電圧源から前記電極に電圧が印加されない状態において、前記液晶層の液晶分子が前記第1および第2の配向膜の配向処理に応じた配列をしており、前記液晶表示素子の前記第1の基板か前記第2の基板のいずれか一方に直線偏光光を入射する偏光装置を有し、前記直線偏光光の振動面偏光軸)が前記液晶表示素子の入射光側の基板の配向膜の液晶分子配向処理の方向と実質的に平行になるようにしたものであることを特徴とする液晶表示装置を得るものである。

0016

さらに、第1の電極および第2の電極の導電体部がストライプ形状であり、非導電体部がスリット状である液晶表示装置を得るものである。

0017

さらに、第1の配向膜の液晶分子配向処理方向と第2の配向膜の液晶分子配向処理方向により液晶層の液晶分子をスプレイ配列してなる液晶表示装置を得るものである。

0018

さらに、第1の配向膜の液晶分子配向処理方向と第2の配向膜の液晶分子配向処理方向により液晶層の液晶分子をベンド配列してなる液晶表示装置を得るものである。

0019

さらに、偏光装置が同じ非偏光光を相互に直交する偏光光に分離し得られる分離偏光光を一定の直線偏光光に合成して液晶表示素子に入射するものである液晶表示装置を得るものである。

0020

さらに、偏光装置の直線偏光光の偏光度が80%以上である液晶表示装置を得るものである。

0021

本発明は、上記目的を達成するものであり以下その達成原理及び手法について説明する。

0022

本発明に用いる液晶表示素子の電極は、第1の基板の第1の電極が一画素内に導電体部と非導電体部を有し、第2の基板の記第2の電極が一画素内に導電体部と非導電体部を有し、第1の電極の導電体部が第2の電極の非導電体部の少なくとも一部に面するように対向しており、第2の電極の導電体部が第1の電極の非導電体部少なくともの一部に面するように対向している。

0023

すなわち、これら電極間に電圧を印加すると、基板面に平行な電界成分をもつ電界である斜め電界が液晶層内に形成される。

0024

第1および第2の電極の導電体部と非導電体部の対面配置によって、傾き方向が相互に逆となる2方向の斜め電界が生じ、これら電界に沿って再配列する液晶分子は電界の境界領域で分子配列が乱れる。このためこの領域を通過する光は散乱状態になる。一画素内で多くの分子配列の乱れが生じるようにすることで、画素ごとに光透過と光散乱を制御することができて、高コントラスト比表示画像を得ることが可能になる。

0025

電圧無印加状態では、配向膜の配向処理にしたがって液晶分子が一様に配向する。本発明では、第1の電極上に所定の方向に液晶分子配向処理された第1の配向膜を有し、第2の電極上に所定の方向に液晶分子配向処理された第2の配向膜を有する。

0026

電圧無印加状態の液晶分子配列はスプレイ配列またはベンド配列であることが望ましい。

0027

スプレイ配列を図7(a)に示す。図は上基板11の配向膜15のラビング処理方向Fと下基板12の配向膜16のラビング処理方向Rを同方向とした場合で、正の誘電方性をもつネマティック液晶のねじれがない状態を示しており、両基板の液晶分子Mのプレチルト角α0 が交差するために、液晶分子配列が一方に広がった構造になる。なお、ラビング処理方向F、Rを交差するように両基板を配置させた場合は、液晶分子は交差角に応じてねじれ配列となる。

0028

また、ベント配列を図7(b)に示す。上下基板11、12の配向膜15、16に垂直配向膜を用い、これら膜をラビング処理し、その方向F、Rを一致されるように基板を組み合わせると、負の誘電異方性のネマティック液晶の液晶分子Mは図のように配向膜付近で処理方向F、Rに僅かに傾いた液晶配列部分と液晶層中央部の垂直方向配列部分の組み合わせになる。

0029

スプレイ配列、ベンド配列ともに、基板間に基板面方向に成分をもつ斜め電界を印加すると、液晶分子が電界方向に沿って再配列しやすく、近接する領域で方向の異なる斜め電界が発生すると、境界部に液晶分子の乱れが生じて、透過する光を散乱する。

0030

本発明に用いる液晶表示素子は代表的には前述の特願平5−184273号に開示した液晶表示素子である。

0031

本発明の液晶表示素子の分子配列構造の一例の概略を図1に示す。図示の分子配列構造は、いわゆるスプレイ配列およびそれに捩じれを加えた分子配列であり、なおかつ上下基板11、12表面における液晶分子Mのプレチルト角が上下でほぼ等しいことを特徴としている。こうした、分子配列では電界の印加の仕方によってはその分子チルト方向が図示するごとく、2方向MFMRとなる。これは電圧を印加しない状態での液晶分子配列が液晶層20の上半分と下半分で対称な形をしていることによっている。つまり、液晶分子のチルト方向が2以上の自由度を持っていることによる。よって、電極13、14に電圧を印加した際にのみ図1(c)に示すように斜め電界eが発生し、分子Mのチルト方向の境界部(図中DL)にディスクリネーションラインウォール)を発生させることができ、入射光を散乱させる機能を得ることができるわけである。このように液晶分子のチルト方向が2以上の自由度を持たせるには図1(c)のスプレイ分子配列構造の他、例えば、前記したベント配列すなわち液晶組成物として負の誘電異方性を持つネマティック液晶組成物を用い、液晶分子配列を上下基板におけるプレチルト角が90°である完全な垂直配列としても同様の効果を得ることができる。この場合、液晶分子のチルトダウン方向の自由度が2以上となる。

0032

いずれにせよ、このように液晶分子が電圧を印加していない状態で実効的に一様な分子配列であり、液晶分子のチルトアップ方向、もしくはチルトダウン方向の自由度が2以上である液晶分子配列に対し、斜め電界が微細な領域毎に相反する2方向以上に印加されるように考慮した電極であれば、前述した問題を解決した優れた表示性能を得ることができる。

0033

この液晶表示素子の表示原理について、さらに詳細に説明する。図2はこの液晶表示素子の光学的な説明図である。また、図3は液晶表示素子に電圧を印加した状態における液晶分子配列の詳細な模式図である。この液晶表示素子は、前述したように電圧を印加しない状態では、例えばほぼ水平配列からなる分子配列を形成しており、光学的には図2(a)に示すように一軸性光学媒体となる。すなわち、図中の回転楕円体Lは液晶の隣接領域の屈折率の異方性を示す屈折率楕円を表しており、基板平面方向に平行な最大屈折率ne を軸としてその垂直方向が最小屈折率no である場合を示している。この状態で液晶層に入射する光lは直進(透過)する。

0034

これに電圧を印加すると分子配列MAは図3に示すように、スプレイ配列のほぼ水平な配列の領域aから、垂直にチルトした領域bに連続的に分子配列MAが変化した領域を形成し、かつ斜め電界eが、方向が交互になるよう印加されているため分子配列MAもそのチルト方向が交互に平面的に対向する形状をとっている。

0035

これにセルに垂直な方向の光を入射した場合を考える。液晶分子、液晶層には屈折率、誘電率に異方性があるので、液晶層内で生じる光学現象は光の振動方向によって異なる。電圧無印加時の液晶分子配列方位の振動方向の光を入射させた場合、屈折率や屈折率楕円Lは断面的にみて、図3(b1)、(c1)に示すようになる。マクロ的に見れば、図3(b1)のごとく、液晶の最大屈折率ne (液晶分子がセル平面方向に配列している領域)と最小屈折率no (液晶分子がセル法線方向に配列している領域)が交互に配列した構成となっている。

0036

このため、回折格子現象(光の回り込み)が生じて、セルに垂直な方向に入射した光lは、その進行方向がl0 、le に曲がる。つまりは光の散乱現象を得る。また、ミクロ的に見れば、図3(c1)のごとく、液晶分子(およそ図示した分子形状のごとく屈折率楕円特性を示す)はセル平面方向での配列からセル法線方向での配列に連続的に変化した構成をなしている。よって、屈折レンズが形成され、セルに垂直な法線方向zに入射した光lは、セル法線方向からずれていき(法線方向での旋光)、その進行方向が曲がる。つまりは前記回折格子現象とは別の作用にて、さらなる光の散乱現象を得る。このようにして、本発明に係わる液晶表示素子は光の散乱現象を得ることができるが、前記電圧無印加時の液晶分子配列方位の振動方向と直交した方位の光を入射させた場合には、僅かな散乱効果しか得られない。

0037

図3(b2)(マクロ的に見た屈折率分布)、(c2)(ミクロ的に見た屈折率分布)に、この電圧無印加時の液晶分子配列方位の振動方向と直交した方位の光を入射させた場合の屈折率や屈折率楕円を、図3(b1)、(c1)と同様に示す。図から明らかなようにこの方位に対する屈折率は面内に等方n0 である。よって、前記2つの光散乱現象は生じない。

0038

以上から、本発明の液晶表示素子は、入射する光の振動方位が電圧無印加時の液晶分子配列方位の振動方向に偏っていればいるほど、すなわち実質的に平行であれば全入射光に対する光の散乱度合いを高めることができる。実用的なコントラスト比(5:1以上)を得るには、前記2つの光散乱現象が生じない光成分を20%以下に抑える必要があり、これを実現するには入射させる光の偏光度合いを80%以上として、その偏光方向(偏光軸または振動面)を電圧無印加時の液晶分子配列方位の振動方向とすればよいこととなる。具体的には入射光側の基板の配向膜の配向処理方向であり、偏光方向をこの配向処理方向に対して±10°以内に収めるようにする。

0039

ここで入射させる光を偏光度80%以上に光とする手段としては、光源そのものが偏光度80%以上でることが理想的となるが、それ以外にも偏光度80%以上の偏光板を用いても同様の効果が得られるし、また、プリズムを用いて非偏光の光源の光を分光した後、偏光方向だ同一方向となるよう再度合成してセルに入射させる手段を取ってもよい。この分離合成光の場合、前記偏光板を用いる手段よりも光の利用効率が向上する(偏光板では光の吸収があるため)。また、プリズムと同様の効果は選択反射現象を得るコレステリック液晶セルもしくはこれと同様の光学効果を得る高分子液晶フィルムと1/4波長板を用いても得られる。この場合は前記プリズムを用いる方式と比較して部材コストが低減できる。

0040

なお、用いる液晶表示素子は、液晶層の分子配列が前述のスプレイ配列や、またはベンド配列にすると斜め電界の液晶分子応答性がよく電圧制御が容易であるが、ユニフォーム配列の場合でも斜め電界の発生を強めることで制御が可能である。

0041

以下本発明の実施例を詳細に説明する。

0042

(実施例1)図4(a)に示すような構造からなる上基板11として非画素部全域クロムからなるブラックマトリクスを形成し、各画素に屈曲ストライプパターンの非導電体部13bと導電体部13aからなるITOの共通電極13を形成したガラス基板を用い、下基板12として導電体部14aと非導電体部14bを屈曲ストライプパターンとした、TFTからなるスイッチング素子付きガラス基板を用いた。図4(b)は上電極13のパターン一画素分を示し、ストライプ延長方向に直交する方向の導電体部13a幅は5μm、導電体部の山−山間幅は10μm、非導電体部13bの幅は10μmである。すなわち、一画素領域内に複数のストライプが存在する。ストライプ幅は50μm以下であることが望ましい。

0043

図4(c)は下電極14の一画素のパターンを示しており、導電体部の幅は5μm、非導電体部の幅は10μmである。上下基板を対向させた状態で、上電極の導電体部13aと下電極の非導電体部14bが対面し、下電極の導電体部14aと上電極の非導電体部13bが対面する。

0044

こうした基板を用いて、配向膜15、16(商品名SE−7120、日産化学工業製)(プレチルト角測定値6゜)を形成し、図に示す方向F、Rにラビング処理を施したのち、下基板側に基板間隙剤として液晶層20の層厚が7.5μmとなるよう微粒子(商品名ミクロパ−ルSP、積水ファインケミカル製)(粒径7.5μm)を分散密度100個/mm2 となるよう乾式散布法にて散布して、上下基板を封止しセルとした。セルの基板間に誘電異方性が正の液晶(商品名ZLI−3926、メルクジャパン製)(Δn=0.2030)を充填して形成される液晶層20を挟持して本実施例の液晶表示素子を得た。ここで、液晶層厚を厚くし、液晶組成物のΔnを大きくしたのは、光散乱状態における光散乱性を高めるためである。

0045

このようにして得られた本実施例の液晶表示素子10の、セルの入射光側の下基板12側にセルのラビング方向Rと2°の角度をなす方位に透過軸を有した偏光板30(図1(b))を配置し、本実施例の液晶表示装置を得た。

0046

この液晶表示装置に下基板のTFT21を介して電圧を印加して電気光学特性(透過率−印加電圧曲線)を測定した。透過率−印加電圧曲線を求めるために、液晶表示装置にHe-Neレーザー光を入射させ、透過率を測定した。光のスポット径は2mmで、透過したレーザー光は液晶表示装置から距離20cmのところにあるフォトダイオードにより検出した。図6に0Vから徐々に印加電圧を4Vまで増加、4Vから徐々に0Vまで減少させていったときの透過率−印加電圧曲線を示す。電圧を印加していない状態(0V印加)では透過率約45%であった。また、印加電圧3.1V−3.9Vでは最小透過率0.2%と、良好な散乱状態が得られた。また、図から明らかなように電気光学特性にヒステリシスは全くなかった。また、印加電圧3.1Vおよび0Vで応答速度を測定したところ立上がり6msec、立ち下がり18msecと極めて速い値を得た。

0047

次に下基板のTFT21を介して電圧を印加して、前述したウォ−ルDLの維持状態偏光顕微鏡による分子配列観察及び透過率測定による光散乱状態測定によって調べた。本実施例においては印加電圧3.1Vを印加しつづけた場合、1時間経過しても初期のウォ−ル配列を維持していることが確認された。

0048

(比較例1)実施例1同様の液晶表示セルを用い偏光板を用いないで、実施例1同様の評価を行ったところ、最小透過率は0.4%と実施例1より高い値となった。

0049

(実施例2)図1に示すように電極13として波型ストライプの導電体部13aを有する形状を用い、上下基板11、12間で導電体部13a、14aと非導電体部13b、14bとが、互いに対向している部分(図1(b)のFEやREの部分)の間に上下基板とも導電体部となって重なっているところを設けた電極配置としている。すなわち上下基板の電極構造配置の断面形状がFE・RE・EE・FE・EE・RE・EE・FE・EE・…という順序で配列している。なお、図4同符号の部分は同様不分を示す。

0050

この電極構造の他は実施例1同様の構造とした液晶表示セルを用いてセルの入射光側12側に下基板のラビング方向R(図1(c))の方位に透過軸を有した偏光板30を配置し、本発明の液晶表示装置を得た。実施例1同様諸特性を測定したところ、図5に示すように、最小透過率は0.1%以下と実施例1より優れた散乱特性であった。また、それ以外の特性は、実施例1とほぼ同等の優れた結果を得た。

0051

(実施例3)図6に示すように、実施例1同様の液晶表示セル(素子)10を用いてセルの入射光側にセルの入射光側配向膜のラビング方向の方位に直線偏光した光lP を入射させるようプリズムビームスプリッタ31および完全反射ミラー32、33およびダイクロイックミラー34を図示のよう配置して本実施例の液晶表示装置を得た。 すなわち、ハロゲンランプ光源35から発生した光は凸レンズ36で平行集束されプリズムビームスプリッタ31に入射する。光はこのスプリッタ透過光である一定方向の直線偏光lp と反射光であるlP に直交する方向の偏光lS に分離される。偏光lp はダイクロイックミラー34を透過してセル10に入射する。一方、偏光lS はミラー32、33およびダイクロイックミラー34で反射されて、光lP と同方位の偏光となり、光lP に合成されてセル10に入射する。

0052

電源37によりセル10に電圧を印加し、実施例1同様諸特性を測定したところ、図5に示すように、最小透過率は0.1%と実施例2同等の優れた散乱特性であることがわかった。また、最大透過率液晶セルに用いたガラス製の2枚の基板の総合透過率81%にほぼ等しい80%の極めて明るい透過率であることがわかった。また、それ以外の特性は、実施例1とほぼ同等の優れた結果を得た。

発明の効果

0053

本発明によれば、散乱性が高く、駆動電圧の低い、明るくコントラスト比の高い階調性に優れた液晶表示装置が得られる。

0054

これら本発明による液晶表示装置は、TFT駆動による大表示容量ディスプレーに適し、また、優れた散乱特性が得られることから投影型ディスプレーへの応用に適している。

図面の簡単な説明

0055

図1本発明の一実施例を示すもので、(a)は電極パターンを示す斜視図、(b)は(a)のX−X´線上の素子の断面図、(c)は電圧印加状態の液晶分子の様子とウォールの発生を示す図、
図2本発明の作用を説明するもので、(a)は液晶分子の屈折率楕円を示す図、(b1)、(b2)はマクロ的に見た液晶層の屈折率の概要を説明する図、(c1)、(c2)はミクロ的に見た液晶層の光に対する屈折の様子を説明する図、
図3本発明に用いる液晶表示素子の電極構成及び電圧印加時の分子配列構成の一例を説明する図。
図4本発明の他の実施例の液晶表示装置で、(a)は装置の断面図、(b)は上電極の一画素分の電極パターンの平面図、(c)は下電極の一画素分の電極パターンの平面図、
図5本発明の実施例の透過率−印加電圧曲線図、
図6本発明の他の実施例の液晶表示装置の概略図、
図7本発明に用いるスプレイ配列、ベンド配列を説明する略図、
図8従来技術のカプセル型高分子分散型液晶表示素子を示す図。

--

0056

10…液晶表示素子
11…上基板
12…下基板
13、14…電極
15、16…配向膜
21…電源
30…偏光板
F、R…液晶分子配向処理方向

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