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技術 列車の駆動制御装置および列車の走行抵抗学習装置

出願人 株式会社東芝
発明者 水谷麻美
出願日 1994年5月18日 (26年7ヶ月経過) 出願番号 1994-103173
公開日 1995年12月8日 (25年0ヶ月経過) 公開番号 1995-322414
状態 特許登録済
技術分野 フィードバック制御一般 車両の電気的な推進・制動 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 学習スイッチ 学習式 加算電流値 上乗り 駆動変動 勾配係数 列車重量 二乗演算
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年12月8日)のものです。
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図面 (11)

構成

速度指令部1は列車5の速度指令値Vc を出力する。減算部8は速度指令値Vc と位置速度検出部6で検出された列車5の実速度Vを入力し、速度指令値Vc と実速度Vとの速度差Vd を演算する。速度制御部2は速度差Vd を入力とし、この速度差Vd をとするような電流指令値ImFB を演算する。補償値演算部7は、位置速度検出部6で検出された実速度Vと位置Xに基づいて走行抵抗Fd を求め、この走行抵抗Fd に相当する電流補償値ImFFを演算する。加算部9は電流補償値ImFF と電指令値ImFB を加算して補償電流指令値Im を得る。この補償電流指令値Im に基づいて電流供給部3から電動機4に電流が供給される。

効果

走行抵抗による列車の変動を抑制し、乗心地の改善を図ることができる。

概要

背景

従来の技術として、列車自動運転させる場合、速度指令と列車の実速度とを一致させるようにフィドバック制御により電流指令値演算し、この電流指令値を列車駆動用電動機に供給して駆動する方法があった。図8は従来の列車の駆動制御装置の構成図である。

図8において41は列車の速度指令部、42は速度制御部、43は電流供給部、44は列車駆動用の電動機、45は列車、46は位置速度検出部、47は減算部である。速度指令部41は速度指令Vc を出力する。減算部47では速度指令Vc と位置速度検出部46で検出されフィ—ドバックされた列車の実速度Vとの差を演算し、速度制御部42では、この差を増幅して電流指令値Im を演算する。電流供給部43は電流指令値Im に従って電動機44に電流を供給し電動機44の駆動力FX により列車45を走行させる。このとき、空気抵抗摩擦などの走行抵抗Fd がトンネルT内(以下、トンネル区間という)とそうでない区間(以下、明かり区間という)では異なることから、たとえばトンネルT内に列車45が入ったときあるいは、抜けたときには、列車45の速度や加速度に変動がおきる。

図9、図10に列車45に加わる走行抵抗によって変動する列車速度、加速度の一例を示す。図9(a)は列車の加速度変化、図9(b)は列車の速度変化、図9(c)は空気抵抗係数の変化を示したものである。空気抵抗は速度のほぼ二乗に比例するとされている。一方トンネル区間と明かり区間とでは空気抵抗係数が異なるので、列車45がトンネルT内に突入した時または抜けた時では空気抵抗が不連続に変化し、図9(a)、図9(b)に示したような速度、加速度に変動がおこる。

図10に勾配による走行抵抗の変化を示す。図10(a)は列車の加速度変化、図10(b)は列車の速度変化、図10(c)は勾配係数の関係を示す図である。坂では、列車の重量Mと勾配係数によって、その抵抗値が決まる。例えばY%の傾斜(傾斜角度θ)の坂ではFg =M・g・ sinθの力を、登り坂であれば下向きに受ける。このとき速度、加速度は図10(a)、図10(b)に示したように変動を受ける。

概要

速度指令部1は列車5の速度指令値Vc を出力する。減算部8は速度指令値Vc と位置速度検出部6で検出された列車5の実速度Vを入力し、速度指令値Vc と実速度Vとの速度差Vd を演算する。速度制御部2は速度差Vd を入力とし、この速度差Vd をとするような電流指令値ImFB を演算する。補償値演算部7は、位置速度検出部6で検出された実速度Vと位置Xに基づいて走行抵抗Fd を求め、この走行抵抗Fd に相当する電流補償値ImFFを演算する。加算部9は電流補償値ImFF と電指令値ImFB を加算して補償電流指令値Im を得る。この補償電流指令値Im に基づいて電流供給部3から電動機4に電流が供給される。

走行抵抗による列車の変動を抑制し、乗心地の改善を図ることができる。

目的

そこで本発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、走行抵抗分を電流指令値に対して補償することで走行抵抗の外乱による列車の駆動変動分を抑制する列車の駆動制御装置を提供することを目的とする。又走行抵抗を随時学習する列車の走行抵抗学習装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

列車の位置と速度を検出する位置速度検出手段と、前記列車の速度指令値を出力する速度指令手段と、前記位置速度検出手段で検出された速度検出値と前記速度指令手段から出力された速度指令値とから電流指令値演算する速度制御手段と、前記位置速度検出手段で検出された位置から路線状況の変化を認識し、この路線状況の変化と前記速度検出値に応じて定まる走行抵抗分の電流補償値を演算する補償値演算手段と、前記速度制御手段で演算された電流指令値と、前記補償値演算手段で演算された電流補償値とを加算し、この加算電流値電動機に供給する電流供給手段とを有する列車の駆動制御装置

請求項2

請求項1に記載の列車の駆動制御装置において、前記補償値演算手段に設けられ、前記位置速度検出手段で検出された位置に応じて空気抵抗係数切換え切換手段と、前記補償値演算手段に設けられ、前記速度検出値の二乗と前記空気抵抗係数との積から空気抵抗を演算する空気抵抗演算手段と、前記補償値演算手段に設けられ、前記位置速度検出手段で検出された位置に応じて勾配係数を設定し、この勾配係数と与め設定される勾配抵抗係数との積から勾配抵抗を演算する勾配抵抗演算手段と、前記補償値演算手段に設けられ、前記空気抵抗と前記勾配抵抗の和から前記走行抵抗を演算する加算手段とを有する列車の駆動制御装置。

請求項3

列車の位置と速度を検出する位置速度検出手段と、前記列車の速度指令値と加速度指令値とを出力する速度指令手段と、前記位置速度検出手段で検出された速度検出値と前記速度指令手段から出力された速度指令値とから電流指令値を演算する速度制御手段と、前記位置速度検出手段で検出された位置から路線状況の変化を認識し、この路線状況の変化と前記速度検出値と前記電流指令値を用いて走行抵抗を構成する各係数を学習し、この学習した走行抵抗を構成する各係数を用いて補償電流指令値を演算する学習手段と、この学習手段で演算された補償電流指令値を電動機に供給する電流供給手段とを有する列車の駆動制御装置。

請求項4

請求項3に記載の列車の駆動制御装置において、前記学習手段に設けられ、前記電流指令値をにする前記走行抵抗を構成する各係数を学習する係数学習手段と、前記学習手段に設けられ、前記係数学習手段で学習された各係数と前記速度指令手段から出力された前記速度指令値と前記加速度指令値とから前記補償電流指令値を演算する補償値演算手段とを有する列車の駆動制御装置。

請求項5

請求項3に記載の列車の駆動制御装置において、前記学習手段に設けられ、前記路線状況の変化と前記速度検出値に応じて定まる走行抵抗分の電流補償値と前記電流指令値との差を零にする前記走行抵抗を構成する各係数を学習する係数学習手段と、前記学習手段に設けられ、前記係数学習手段で学習された各係数と前記速度指令手段から出力された前記速度指令値と前記加速度指令値とから前記補償電流指令値を演算する補償値演算手段とを有する列車の駆動制御装置。

請求項6

列車の位置と速度を検出する位置速度検出手段と、前記列車の速度指令値と加速度指令値とを出力する速度指令手段と、前記位置速度検出手段で検出された速度検出値と前記速度指令手段から出力された速度指令値とから電流指令値を演算する速度制御手段と、前記電流指令値を零にする走行抵抗を構成する各係数を学習する係数学習手段と、この係数学習手段で学習された各係数と前記速度指令手段から出力された前記速度指令値と前記加速度指令値とから補償電流指令値を演算する補償値演算手段とを有する列車の走行抵抗学習装置

請求項7

列車の位置と速度を検出する位置速度検出手段と、前記列車の速度指令値と加速度指令値とを出力する速度指令手段と、前記位置速度検出手段で検出された速度検出値と前記速度指令手段から出力された速度指令値とから電流指令値を演算する速度制御手段と、路線状況の変化と前記速度検出値に応じて定まる走行抵抗分の電流補償値と前記電流指令値との差を零にする走行抵抗を構成する各係数を学習する係数学習手段と、この係数学習手段で学習された各係数と前記速度指令手段から出力された前記速度指令値と前記加速度指令値とから前記補償電流指令値を演算する補償値演算手段とを有する列車の走行抵抗学習装置。

技術分野

0001

本発明は走行抵抗の変化による列車駆動変動分の影響を抑制し、走行抵抗を随時学習する列車の駆動制御装置および列車の走行抵抗学習装置に関する。

背景技術

0002

従来の技術として、列車を自動運転させる場合、速度指令と列車の実速度とを一致させるようにフィドバック制御により電流指令値演算し、この電流指令値を列車駆動用電動機に供給して駆動する方法があった。図8は従来の列車の駆動制御装置の構成図である。

0003

図8において41は列車の速度指令部、42は速度制御部、43は電流供給部、44は列車駆動用の電動機、45は列車、46は位置速度検出部、47は減算部である。速度指令部41は速度指令Vc を出力する。減算部47では速度指令Vc と位置速度検出部46で検出されフィ—ドバックされた列車の実速度Vとの差を演算し、速度制御部42では、この差を増幅して電流指令値Im を演算する。電流供給部43は電流指令値Im に従って電動機44に電流を供給し電動機44の駆動力FX により列車45を走行させる。このとき、空気抵抗摩擦などの走行抵抗Fd がトンネルT内(以下、トンネル区間という)とそうでない区間(以下、明かり区間という)では異なることから、たとえばトンネルT内に列車45が入ったときあるいは、抜けたときには、列車45の速度や加速度に変動がおきる。

0004

図9、図10に列車45に加わる走行抵抗によって変動する列車速度、加速度の一例を示す。図9(a)は列車の加速度変化図9(b)は列車の速度変化図9(c)は空気抵抗係数の変化を示したものである。空気抵抗は速度のほぼ二乗に比例するとされている。一方トンネル区間と明かり区間とでは空気抵抗係数が異なるので、列車45がトンネルT内に突入した時または抜けた時では空気抵抗が不連続に変化し、図9(a)、図9(b)に示したような速度、加速度に変動がおこる。

0005

図10に勾配による走行抵抗の変化を示す。図10(a)は列車の加速度変化、図10(b)は列車の速度変化、図10(c)は勾配係数の関係を示す図である。坂では、列車の重量Mと勾配係数によって、その抵抗値が決まる。例えばY%の傾斜(傾斜角度θ)の坂ではFg =M・g・ sinθの力を、登り坂であれば下向きに受ける。このとき速度、加速度は図10(a)、図10(b)に示したように変動を受ける。

発明が解決しようとする課題

0006

上述したように列車の速度、加速度はトンネル区間と明かり区間では、空気抵抗係数の変化により変動する。又坂の勾配によっても登り坂の場合列車は進行方向と逆向きの力Fg を受けるため速度、加速度に変動がおこる。列車の実速度は位置速度検出部で検出され、その実速度を速度指令部から出力される速度指令値追従させるように速度制御部で制御が行われるが、トンネル区間と明かり区間、又は平坦な場所と勾配のある場所とでは、空気抵抗や坂の勾配による抵抗のちがいが外乱として列車に働くため、速度指令値と実速度との差に急激な変化が生じてしまう。この変化が列車の走行上乗り心地に悪影響を引きおこす原因となっていた。

0007

そこで本発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、走行抵抗分を電流指令値に対して補償することで走行抵抗の外乱による列車の駆動変動分を抑制する列車の駆動制御装置を提供することを目的とする。又走行抵抗を随時学習する列車の走行抵抗学習装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上述した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、列車の位置と速度を検出する位置速度検出手段と、列車の速度指令値を出力する速度指令手段と、位置速度検出手段で検出された速度検出値と速度指令手段から出力された速度指令値とから電流指令値を演算する速度制御手段と、位置速度検出手段で検出された位置から路線状況の変化を認識し、この路線状況の変化と速度検出値に応じて定まる走行抵抗分の電流補償値を演算する補償値演算手段と、速度制御手段で演算された電流指令値と、補償値演算手段で演算された電流補償値とを加算し、この加算電流値を電動機に供給する電流供給手段とを有してなる。

0009

又請求項2に記載の発明は、請求項1の発明に加えて、補償値演算手段に設けられ、位置速度検出手段で検出された位置に応じて空気抵抗係数を切換え切換手段と、補償値演算手段に設けられ、速度検出値の二乗と空気抵抗係数との積から空気抵抗を演算する空気抵抗演算手段と、補償値演算手段に設けられ、位置速度検出手段で検出された位置に応じて勾配係数を設定し、この勾配係数と与め設定される勾配抵抗係数との積から勾配抵抗を演算する勾配抵抗演算手段と、補償値演算手段に設けられ、空気抵抗と勾配抵抗の和から走行抵抗を演算する加算手段とを有してなる。

0010

又請求項3に記載の発明は、列車の位置と速度を検出する位置速度検出手段と、列車の速度指令値と加速度指令値とを出力する速度指令手段と、位置速度検出手段で検出された速度検出値と速度指令手段から出力された速度指令値とから電流指令値を演算する速度制御手段と、位置速度検出手段で検出された位置から路線状況の変化を認識し、この路線状況の変化と速度検出値と電流指令値を用いて走行抵抗を構成する各係数を学習し、この学習した走行抵抗を構成する各係数を用いて補償電流指令値を演算する学習手段と、この学習手段で演算された補償電流指令値を電動機に供給する電流供給手段とを有してなる。

0011

又請求項4に記載の発明は、請求項3の発明に加えて、学習手段に設けられ、電流指令値をにする走行抵抗を構成する各係数を学習する係数学習手段と、学習手段に設けられ、係数学習手段で学習された各係数と速度指令手段から出力された速度指令値と加速度指令値とから補償電流指令値を演算する補償値演算手段とを有してなる。

0012

又請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明に加えて、学習手段に設けられ、路線状況の変化と速度検出値に応じて定まる走行抵抗分の電流補償値と電流指令値との差を零にする走行抵抗を構成する各係数を学習する係数学習手段と、学習手段に設けられ、係数学習手段で学習された各係数と速度指令手段から出力された速度指令値と加速度指令値とから補償電流指令値を演算する補償値演算手段とを有してなる。

0013

又請求項6に記載の発明は、列車の位置と速度を検出する位置速度検出手段と、列車の速度指令値と加速度指令値とを出力する速度指令手段と、位置速度検出手段で検出された速度検出値と速度指令手段から出力された速度指令値とから電流指令値を演算する速度制御手段と、電流指令値を零にする走行抵抗を構成する各係数を学習する係数学習手段と、この係数学習手段で学習された各係数と速度指令手段から出力された速度指令値と加速度指令値とから補償電流指令値を演算する補償値演算手段とを有してなる。

0014

又請求項7に記載の発明は、列車の位置と速度を検出する位置速度検出手段と、列車の速度指令値と加速度指令値とを出力する速度指令手段と、位置速度検出手段で検出された速度検出値と速度指令手段から出力された速度指令値とから電流指令値を演算する速度制御手段と、路線状況の変化と速度検出値に応じて定まる走行抵抗分の電流補償値と電流指令値との差を零にする走行抵抗を構成する各係数を学習する係数学習手段と、この係数学習手段で学習された各係数と速度指令手段から出力された速度指令値と加速度指令値とから補償電流指令値を演算する補償値演算手段とを有してなる。

0015

請求項1又は請求項2に記載の発明では、速度制御手段により列車の実速度を速度指令値に追従させるように電流指令値が演算される。また補償値演算手段では、路線状況によって変化する走行抵抗分を補償するための電流補償値を演算し、この電流補償値を電流指令値に加算した加算電流値が電流供給手段から電動機に供給され、列車を走行させる。列車がトンネルにさしかかるとき、トンネル区間と明かり区間では空気抵抗による抵抗値が異なるため、切換手段により空気抵抗係数を切換えて出力する。また、列車が坂にさしかかったときもトンネルの時と同様に勾配による抵抗が坂によって異なるため、勾配抵抗演算手段により勾配抵抗に相当する走行抵抗値を位置によって切り換えて出力する。

0016

このように、走行抵抗値に相当する電流値補償電流値として電流指令値に反映させることで、トンネル、坂などによる走行抵抗の変化により、列車に及ぼす変動を防ぐことのできる列車の駆動制御装置を提供することができる。

0017

又請求項3乃至請求項5に記載の発明では、速度制御手段により列車の実速度を速度指令値に追従させるように電流指令値が演算される。列車の速度と加速度と位置と電流指令値を用いて、学習手段により列車の走行抵抗を構成する各係数を学習し、この学習した各係数を用いて補償電流指令値を出力する。

0018

このように、走行抵抗値に相当する補償電流値を電流指令値に反映させることで、トンネル、坂などによる走行抵抗の変化により、列車に及ぼす変動を防ぐことのできる列車の駆動制御装置を提供することができる。

0019

又請求項6又は請求項7に記載の発明では、電流指令と速度制御から出力されるフィ—ドバック電流指令の差が、あるいは当該フィ—ドバック電流指令そのものが零になるように電流指令の構成要素である、前記各項の係数をニュ—ラルネットワ—クの手法で学習していく。この結果、列車の走行抵抗と重量が求められるような列車の走行抵抗学習装置を提供することができる。

0020

本発明の一実施例を図面を参照し詳細に説明する。図1図2は請求項1、請求項2に記載の発明の一実施例を示す図で、図1は列車の駆動制御装置の構成図、図2は補償値演算部の構成図である。

0021

図1において1は速度指令部、2は速度制御部、3は電流供給部、4は列車駆動用の電動機、5は列車、6は位置速度検出部、7は補償値演算部、8は減算部、9は加算部である。速度指令部1、速度制御部2、電流供給部3、電動機4、位置速度検出部6、補償値演算部7、減算部8、加算部9は列車5に搭載されるものであるが、外部の中央制御装置などに設置される場合もある。

0022

速度指令部1は列車5の速度指令値Vc を出力する。減算部8はこの速度指令値Vc と位置速度検出部6で検出された列車5の実速度Vを入力し、速度指令値Vc と実速度Vとの速度差Vd を演算する。列車5の実速度Vは位置速度検出部6で検出されるが、位置速度検出部6としては例えば列車5に搭載された電動機4の回転数を検出する回転数検出器である。この電動機4の回転数から列車5の実速度V、列車5の走行距離(位置)Xを検出する。又列車5が磁気浮上式鉄道の様に電動機4が回転する働きをしないものでは、位置速度検出部6として地上側に設置された地上コイルを検出するセンサを列車5に設け、地上コイルの検出数により列車5の走行距離(位置)Xを求め、更に走行距離を微分することにより列車5の実速度Vを演算する。速度制御部2は、減算部8で演算された速度差Vd を入力とし、この速度差Vd を零とするような電動機4に供給する電流指令値ImFB を比例制御又はPI制御により演算する。電動機4はこの電流指令値ImFB による電流が供給されると列車5を推力FX で走行させるが、列車5には空気抵抗と勾配による抵抗などの走行抵抗Fd がかかるため列車5全体の推力はFX −Fd となる。そこで補償値演算部7では、位置速度検出部6で検出された実速度Vと位置Xに基づいて与め記憶されている走行抵抗Fd を検索し、この走行抵抗Fd に相当する電流補償値ImFFを演算する。そして加算部9で電流補償値ImFF と電流指令値ImFB を加算して補償電流指令値Im を得る。この補償電流指令値Im に基づいて電流供給部3は電動機4に電流を供給する。つまり電動機4は補償電流指令値Im による電流が供給されると列車5を推力FX +Fd で走行させることになり、列車5にかかる走行抵抗Fd により列車5全体の推力はFX となる。

0023

次に補償値演算部7の構成を図2を用いて説明する。補償値演算部7では走行抵抗Fd のうち空気抵抗FV と勾配抵抗Fg を位置速度検出部6で検出された実速度Vと位置Xに基づいて演算する。空気抵抗FV は速度のほぼ二乗に比例するとされている。二乗演算部71では実速度Vを入力とし実速度Vの二乗値を演算する。又区間記憶部72は位置速度検出部6で検出された位置Xを入力する。区間記憶部72には明かり区間Lかトンネル区間Tであるかを示す区間情報が位置Xに基づいて与め記憶されていて、位置Xが入力されるとその位置Xに基づいて区間情報L(以下、明かり区間Lという)又は区間情報T(以下、トンネル区間Tという)を出力する。空気抵抗係数切換部73は、区間記憶部72から出力される明かり区間L又はトンネル区間Tに基づいて空気抵抗係数を切換える。空気抵抗係数は図3に示す様に明かり区間Lとトンネル区間Tとでは異なる。従って空気抵抗係数切換部73により空気抵抗係数を空気抵抗係数(K1)74aと空気抵抗係数(K2)74bとに切換える。つまり区間記憶部72により現在走行している区間が明かり区間Lとされた場合には、空気抵抗係数切換部73により空気抵抗係数(K1)74aが接続され、実速度Vの二乗値と空気抵抗係数(K1)74aの積が空気抵抗FV として出力される。又区間記憶部72により現在走行している区間がトンネル区間Tとされた場合には、空気抵抗係数切換部73により空気抵抗係数(K2)74bが接続され、実速度Vの二乗値と空気抵抗係数(K2)74bの積が空気抵抗FV として出力される。従って空気抵抗FV は明かり区間走行中はFV =K1V2、トンネル区間走行中はFV =K2V2 として計算される。一方位置速度検出部6で検出された位置Xは勾配記憶部75に入力される。勾配記憶部75には位置Xに応じてその位置Xの勾配Y%が与め記憶されていて、位置Xが入力されるとその位置Xに応じて勾配Yを出力する。勾配係数変換部76は勾配記憶部75から出力される勾配Yから、勾配係数 sinθを次の(1)式に基づいて演算する。

0024

ID=000003HE=015 WI=072 LX=0240 LY=2650
そして、勾配係数変換部76で演算された勾配係数 sinθと勾配抵抗係数(K3)77の積が勾配抵抗Fg として出力される。なお勾配抵抗係数(K3)77は列車5の重量Mと重力加速度gとの積である。加算部78は空気抵抗FV と勾配Fg を入力して和である走行抵抗Fd を演算する。この様に位置速度検出部6で検出された位置Xから路線状況である走行区間と勾配を求め、この路線状況と実速度Vから走行抵抗Fd を演算し、変換係数79を介すことにより走行抵抗Fd 分の電流補償値ImFFを求める。

0025

従って走行抵抗Fd に相当する電流補償値ImFFを電流指令値ImFB に加算し、さらに走行抵抗相当の電流補償値ImFF を演算する時、路線条件によって不連続に変化する走行抵抗Fd を可変することにより、変動のない列車の駆動制御を行うことができる。

0026

図4図5は請求項3、請求項4に記載の発明の一実施例を示す図で、図4は列車の駆動制御装置の構成図、図5はニュ—ラルネットワ—ク学習部の構成図である。

0027

図4において11は速度指令部、12は速度制御部、13は電流供給部、14は列車駆動用の電動機、15は列車、16は位置速度検出部、17はニュ—ラルネットワ—ク学習部(以下、NN学習部という)、18は減算部である。速度指令部11、速度制御部12、電流供給部13、電動機14、位置速度検出部16、NN学習部17、減算部18は列車15に搭載されるものであるが、外部に設置される場合もある。速度指令部11は列車15の速度指令値Vc と加速度指令値ac を出力する。減算部18は速度指令値Vc と位置速度検出部16で検出された列車15の実速度Vを入力し、速度指令値Vc と実速度Vとの速度差Vd を演算する。速度制御部12では比例制御又はPI制御が行われ、速度差Vd を零とするような電流指令値ImFB が演算される。電動機14は電流指令値ImFB による電流が供給されると列車15を推力FX で走行させるが、列車15には走行抵抗Fd がかかるため、列車15全体の推力はFX −Fdとなる。そこでNN学習部17では電流指令値ImFB に対して走行抵抗Fd に相当する電流補償値ImFFを演算し、補償電流指令値Im を電流供給部13に対して出力する。電流供給部13は電動機14に補償電流指令値Im に基づいた電流を供給する。つまり電動機14は補償電流指令値Im による電流が供給されると列車5全体の推力はFX となる。

0028

次にNN学習部17の構成を図5を用いて説明する。走行抵抗Fd は速度に依存し、更に図3に示されるようにトンネル区間Tと明かり区間Lとでは走行抵抗のうち空気抵抗の係数が異なる。又走行抵抗Fd のうち勾配抵抗は列車重量によって変動する。つまり、走行抵抗Fd は速度が一定であっても列車15がトンネルTに入るときに不連続に変化するものであり、変動は列車15の実速度Vに影響し、ひいては変換器13への電流指令値ImFB にも影響する。この電流指令値ImFB の変化を用いてNN学習部17において列車15の走行抵抗のうち空気抵抗の係数と列車重量の学習を行う。列車15の空気抵抗係数や列車重量を学習することで、列車15の走行中に空気抵抗係数や列車重量の初期値と実際の値が異なっていた場合、特に列車重量は乗客乗降によって変動があるので、NN学習部17により空気抵抗係数や列車重量を真値に近い一定値に近づけ、NN学習部17で演算される電流補償値ImFFをより正確なものとしていく。

0029

図5において 171は後述する結合係数W1,W2,W3の学習を行う結合係数学習部、 172は電流補償値ImFFを演算する補償値演算部、 173は電流指令値ImFB と電流補償値ImFF の和である補償電流指令値Im を演算する加算部である。

0030

補償値演算部 172では走行抵抗Fd のうち空気抵抗FV と勾配抵抗Fg 及び加速度指令値ac に基づいて列車5に働く力(以下、加速度抵抗という)Fa を演算する。空気抵抗FV は速度のほぼ二乗に比例するとされている。二乗演算部 174では速度指令部11から出力された速度指令値Vc を入力とし速度指令値Vc の二乗値を演算する。又区間記憶部 175は位置速度検出部16で検出された位置Xを入力する。区間記憶部 175は明かり区間Lかトンネル区間Tであるかを示す区間情報が位置Xに基づいて与め記憶されていて、位置Xが入力されるとその位置Xに基づいて区間情報L(以下、明かり区間Lという)又は区間情報T(以下、トンネル区間Tという)を出力する。結合係数切換部 176は、区間記憶部72から出力される明かり区間L又はトンネル区間Tに基づいて結合係数を切換える。区間記憶部 175により現在走行している区間が明かり区間Lとされた場合には、結合係数切換部 176により結合係数(W1)177aが接続され、速度指令値Vc の二乗値と結合係数(W1)177aの積が空気抵抗FV として出力される。又区間記憶部175により現在走行している区間がトンネル区間Tとされた場合には、結合係数切換部 176により結合係数(W2)177bが接続され、速度指令値Vc の二乗値と結合係数(W2)177bの積が空気抵抗FV として出力される。従って空気抵抗FV は明かり区間走行中はFV =W1Vc 2 、トンネル区間走行中はFV =W2Vc 2 として計算される。一方位置速度検出部16で検出された位置Xは勾配記憶部178に入力される。勾配記憶部 178には位置Xに応じてその位置Xの勾配Y%が与め記憶されていて、位置Xが入力されるとその位置Xに応じて勾配Yを出力する。勾配係数変換部 179は勾配記憶部 178から出力される勾配Yから、勾配係数sinθを(1)式に基づいて演算する。乗算部 180は勾配係数変換部 179で演算された勾配係数 sinθと重力加速度gを入力し、それらの積g・ sinθを演算する。

0031

そして、乗算部 180で演算されたg・ sinθと結合係数(W3)177cの積が勾配抵抗Fg として出力される。又、速度指令部11から出力される加速度指令値ac と結合係数(W3)177cの積が加速度抵抗Fa として出力される。そして加算部 181は空気抵抗FV と勾配抵抗Fg と加速度抵抗Fa を入力して和である走行抵抗Fd を演算する。この走行抵抗Fd は変換係数(Ki)182 を介すことにより走行抵抗Fd 分の電流補償値ImFFに変換される。そして電流補償値ImFF と電流指令値ImFB は加算部 173で加算されて補償電流指令値Im が得られる。今補償電流指令値Im が明かり区間Lでは

0032

Im =(W1・V2 +W3・a+W3・g・ sinθ)・Ki …(2)
トンネル区間Tでは

0033

Im =(W2・V2 +W3・a+W3・g・ sinθ)・Ki …(3)
で構成されているとする。結合係数学習部 171では各結合係数W1,W2,W3を学習する。速度指令部11から出力された速度指令値Vc ,加速度指令値ac を用いて補償値演算部 172で演算される電流補償値ImFFと電流指令値ImFB との和である補償電流指令値Im に基づいて電流供給部13が電動機14に電流を供給して列車15を駆動したとき、結合係数W1,W2,W3の値が真の値をとっていれば位置速度検出部16で検出される実速度Vは速度指令部11から出力される速度指令値Vc にほぼ追従し、速度制御部12の出力である電流指令値ImFB はほぼ零となる。つまり(2)式又は(3)式により演算される補償電流指令値Im により電動機14は制御されて列車15は駆動する。電流指令値ImFB が零とならない時は結合係数W1,W2,W3が真の値をとっていないため、結合係数学習部 171では位置速度検出部16で検出された実速度Vと電流指令値ImFB を入力し、電流指令値ImFB の二乗平均値Jが減少する向きへ、各結合係数W1,W2,W3を学習する。評価関数の勾配は、

0034

ID=000004HE=010 WI=094 LX=0580 LY=2550
となり、学習式

0035

Wi(K+1)=Wi(K)+Kd・δZi、i=1,2,3 …(5)
ここでZiは変数でありZ1 =V2 、Z2 =V2 、Z3 =a=dV/dtである。又Kdはゲインである。

0036

この(5)式を繰り返すことにより、結合係数W1,W2,W3が一定値に収束していく。この結合係数がすなわち、列車の走行抵抗の係数となる。空気抵抗FV は速度のほぼ二乗に比例するとされている。トンネルなど位置によって空気抵抗FV の係数が異なると判断される所では、列車15がその位置にきたとき走行抵抗の学習のスイッチを切り替え、W1,W2の係数の学習をそれぞれ行うことで、例えばトンネル区間Tと明かり区間Lの走行抵抗の係数の学習をそれぞれ行うことができる。切り換えの判断は結合係数学習部 171に入力される位置Xによって行われる。

0037

又勾配抵抗Fg は列車15の重量Mに対して、M・g・ sinθの値をとるため、列車15の実速度Vを微分して得られる加速度aを用いて(5)式の学習を行い、得られた結合係数W3が列車15の重量Mに相当することになる。

0038

以上のように走行抵抗の各係数の学習を行いながら、学習値を用いて電流供給部への補償電流指令値Im を出力することで、走行抵抗の各係数の初期値が真の値からはずれた場合にも、学習を行うことでほぼ真の値に収束させることができる。また、特に乗客や荷物の乗降で列車重量が変化したときにも、列車重量に相当する結合係数を演算しその結合係数に基づいて電流値を補償することで、変動のない列車の駆動制御を実現させることができる。

0039

次に図6を用いて請求項5に記載の発明の一実施例を説明する。図6はニュ—ラルネットワ—ク学習部の構成図である。図6において 183は結合係数学習部、 184は電流補償値ImFFを演算する補償値演算部、 185は出力切換部、 186は電流指令値ImFB と電流補償値ImFF の差を演算する減算部、 187は減算部 186の出力に応じて出力切換部 185,後述する各切換部の切換を指示する切換指令部である。

0040

まず補償値演算部 184を説明する。二乗演算部 188は実速度Vを入力とし実速度Vの二乗値を演算する。二乗演算部 189は速度指令値Vc を入力とし速度指令値Vc の二乗値を演算する。微分値演算部 190は実速度Vを入力とし実速度Vの微分値である加速度aを演算する。区間記憶部 191は位置Xを入力とし与め記憶されている位置Xに対する区間情報を検索し、明かり区間L又はトンネル区間Tを出力する。

0041

又位置Xは勾配記憶部 192に入力される。勾配記憶部 192には位置Xに応じてその位置Xの勾配Y%が与め記憶されていて、位置Xが入力されるとその位置Xに応じて勾配Yを出力する。勾配係数変換部 193は勾配記憶部 192から出力される勾配Yから、勾配係数 sinθを(1)式に基づいて演算する。乗算部 194は勾配係数 sinθと重力加速度gを入力し、それらの積g・ sinθを演算する。

0042

二乗演算部 188, 189の各々の出力は結合係数切換部 195に入力される。結合係数切換部 195は区間記憶部 191から出力される明かり区間Lとトンネル区間Tに応じて、又後述する切換指令部 187からの出力に応じて入出力の切換を行うものである。又微分値演算部 190の出力と加速度指令値ac は加速度切換部 196に入力される。加速度切換部 196は切換指令部 187から出力に応じて入力の切換を行う。結合係数切換部 195、加速度切換部 196の出力は結合係数(W1)197a、(W2)197b、(W3)197cを介して空気抵抗FV 、加速度抵抗Fa に変換される。又乗算部 194の出力g・ sinθも結合係数(W3)197cを介すことにより勾配抵抗Fg に変換される。そして加算部 198は空気抵抗FV と勾配抵抗Fg と加速度抵抗Fa を入力して和である走行抵抗Fd を演算する。この走行抵抗Fd は変換係数(Ki)199 を介すことにより走行抵抗Fd 分の電流補償値ImFFに変換される。出力切換部 185は切換指令部 187の切換指示により電流補償値ImFFを減算部 186へ入力し、又は電流補償値ImFF を補償電流指令値Im として出力する。

0043

切換指令部 187は各結合係数W1,W2,W3を学習する際に信号「1」を結合係数切換部 195、加速度切換部 196、出力切換部 185に出力する。今電流指令値ImFB が明かり区間Lでは

0044

ImFB =(W1・V2 +W3・a+W3・g・ sinθ)・Ki …(6)
トンネル区間Tでは

0045

ImFB =(W2・V2 +W3・a+W3・g・ sinθ)・Ki …(7)
で構成されているとする。結合係数学習部 183では各結合係数W1,W2,W3を学習する。位置速度検出部16で検出された実速度V、この実速度Vを微分値演算部 190で微分して得られた加速度aを用いて補償値演算部 184で演算される電流補償値ImFFは、結合係数W1,W2,W3の値が真の値をとっていれば電流指令値ImFB と電流補償値ImFF は等しい値になる。従って減算部 186の出力は零となる。この場合結合係数W1,W2,W3の値が真の値をとっているため、各結合係数W1,W2,W3の学習を終了し、切換指令部 187は信号「2」を係数切換部 195、加速度切換部 196、出力切換部 185に入力する。すると学習された各結合係数W1,W2,W3と速度指令部11から出力された速度指令値Vc 、加速度指令値ac を用いて補償値演算部 184で演算される電流補償値ImFF が補償電指令値Im として電流供給部13に出力されることになる。この様に学習と補償電流指令値Im の演算を切換指令部 187により交互に行っていく。もし電流指令値ImFB と電流補償値ImFF とが等しい値とならなければ、減算部 186の出力はImFB −ImFF となり、結合係数学習部 183では電流指令値ImFB と電流補償値ImFF との差ImFB −ImFF の二乗平均値Jが減少する向きへ、各結合係数W1,W2,W3を学習する。評価関数の勾配は、

0046

ID=000005HE=010 WI=094 LX=0580 LY=0600
となり、学習式は(5)式と同様である。次に切換指令部 187は信号「2」を係数切換部 195、加速度切換部 196、出力切換部 185に入力する。すると学習された各結合係数W1,W2,W3と速度指令部11から出力された速度指令値Vc 、加速度指令値ac を用いて補償値演算部 184で演算される電流補償値ImFFが補償電指令値Im として電流供給部13に出力されることになる。この様に学習と補償電流指令値Im の演算を切換指令部 187により交互に行っていく。すると学習の際は(5)式を繰り返すことになるので、結合係数W1,W2,W3が一定値に収束していく。この結合係数がすなわち、列車の走行抵抗の係数となる。

0047

空気抵抗FV は速度のほぼ二乗に比例するとされている。トンネルなどの位置によって空気抵抗FV の係数が異なると判断される所では、列車15がその位置にきたとき走行抵抗の学習スイッチを切り替え、W1,W2の係数の学習をそれぞれ行うことで、例えばトンネル区間Tと明かり区間Lの走行抵抗の係数の学習をそれぞれ行うことができる。切り換えの判断は結合係数学習部 183に入力される位置Xによって行われる。又勾配抵抗Fg は列車15の重量Mに対して、M・g・sinθの値をとるため、列車15の実速度Vを微分して得られる加速度aを用いて(5)式の学習を行い、得られた結合係数W3が列車の重量Mに相当することになる。

0048

以上のように走行抵抗係数の学習を行いながら、学習値を用いて電流供給部への補償電流指令値を出力することで、走行抵抗の各係数の初期値が真の値からはずれた場合でも、学習を行うことでほぼ真の値に収束させることができる。特に乗客や荷物の乗降で列車重量が変化たときにも、列車重量に相当する結合係数を演算しその結合係数に基づいて電流値を補償することで、変動のない列車の駆動制御を実現させることができる。

0049

図7は請求項6に記載の発明の一実施例を示す走行抵抗学習装置の構成図である。図7において21は結合係数学習部、22は電流補償値ImFFを演算する補償値演算部、23は電流指令値ImFB と電流補償値ImFF の差を演算する減算部である。

0050

まず補償値演算部22を説明する。二乗演算部24は実速度Vを入力とし実速度Vの二乗値を演算する。微分値演算部33は実速度Vを入力とし実速度Vの微分値である加速度aを演算する。区間記憶部25は位置Xを入力とし与め記憶されている位置Xに対する区間情報を検索し、明かり区間L又はトンネル区間Tを出力する。

0051

又位置Xは勾配記憶部27に入力される。勾配記憶部27には位置Xに応じてその位置Xの勾配Y%が与め記憶されていて、位置Xが入力されるとその位置Xに応じて勾配Yを出力する。勾配係数変換部28は勾配記憶部27から出力される勾配Yから、勾配係数 sinθを(1)式に基づいて演算する。乗算部29は勾配係数 sinθと重力加速度gを入力し、それらの積g・ sinθを演算する。

0052

二乗演算部24の出力は結合係数切換部26に入力される。結合係数切換部26は区間記憶部25から出力される明かり区間Lとトンネル区間Tに応じて出力の切換を行うものである。結合係数切換部26の出力は結合係数(W1)30a 、(W2)30b を介して空気抵抗FV に変換され、微分値演算部33の出力aは結合係数(W3)を介して加速度抵抗Fa に変換される。又乗算部29の出力g・ sinθも結合係数(W3)30c を介すことにより勾配抵抗Fg に変換される。そして加算部 198は空気抵抗FV と勾配抵抗Fg と加速度抵抗Fa を入力して和である走行抵抗Fd を演算する。この走行抵抗Fd は変換係数(Ki)199 を介すことにより走行抵抗Fd 分の電流補償値ImFFに変換される。

0053

今電流指令値ImFB が明かり区間Lでは(6)式、トンネル区間Tでは(7)式で構成されているとする。結合係数学習部21では各結合係数W1,W2,W3を学習する。実速度V、この実速度Vを微分値演算部33で微分して得られた加速度aを用いて補償値演算部22で演算される電流補償値ImFFは、結合係数W1,W2,W3の値が真の値をとっていれば電流指令値ImFB と電流補償値ImFF は等しい値になる。従って減算部23の出力は零となる。もし電流指令値ImFB と電流補償値ImFF とが等しい値とならなければ、減算部23の出力はImFB −ImFFとなり、結合係数学習部21では電流指令値ImFB と電流補償値ImFF との差ImFB −ImFF の二乗平均値Jが減少する向きへ、各結合係数W1,W2,W3を学習する。評価関数の勾配は、(8)式となり、Kdをゲインとする学習式は(5)式と同様である。(5)式を繰り返すことにより、各結合係数W1,W2,W3が一定値に収束していく。この結合係数がすなわち、列車の走行抵抗の係数となり、上記の方法により走行抵抗の係数の学習を行う。

0054

以上のように走行抵抗係数の学習を行うことで、その結果を列車の速度制御の補正走行特性の検討などに用いることができる。又、走行抵抗学習装置としては本実施例に限られず、図5に示した駆動制御装置のNN学習部と同様の構成として、列車の速度指令値と加速度指令値を用いて学習を行っても同様の効果を得ることができる。

発明の効果

0055

以上説明したように、請求項1又は請求項2に記載の発明によれば、列車がうける走行抵抗分の電流を電流指令値に対して補正することにより、列車の駆動変動を抑制することができ、乗心地の改善を図ることができる。又請求項3乃至請求項5に記載の発明によれば、更に走行抵抗の演算に用いる各係数を随時学習する機能を設けることにより、走行抵抗分の電流をより正確に演算することができる。又請求項6又は請求項7に記載の発明によれば、走行抵抗の各係数を随時学習することができ、その学習結果を列車の電流指令値の補正や走行特性の検討などに応用することができる。

図面の簡単な説明

0056

図1請求項1又は請求項2に記載の発明の一実施例を示す列車の駆動制御装置の構成図である。
図2図1の補償値演算部の一実施例を示す図である。
図3空気抵抗係数の特性図である。
図4請求項3乃至請求項5に記載の発明の一実施例を示す列車の駆動制御装置の構成図である。
図5図4のNN学習部の一実施例を示す図である。
図6図4のNN学習部の他の実施例を示す図である。
図7請求項6に記載の発明の一実施例を示す列車の走行抵抗学習装置の構成図である。
図8従来の列車の駆動制御装置の構成図である。
図9列車に加わる走行抵抗と列車速度,加速度の特性を示す図である。
図10勾配による走行抵抗の変化を示す図である。

--

0057

1、11…速度指令部
2、12…速度制御部
3、13…電流供給部
4、14…電動機
5、15…列車
6、16…位置速度検出部
7…補償値演算部
17…NN学習部
171 、183 、21…結合係数学習部
172 、184 、22…補償値演算部

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