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技術 渦流室式ディーゼル機関の燃焼室

出願人 日産自動車株式会社
発明者 川島純一
出願日 1994年5月19日 (26年6ヶ月経過) 出願番号 1994-105620
公開日 1995年11月28日 (24年11ヶ月経過) 公開番号 1995-310552
状態 未査定
技術分野 内燃機関燃焼法
主要キーワード 淀み領域 火炎噴流 拡大流路 シリンダ径方向 ガス噴流 シャープエッジ シリンダ軸 渦流室
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年11月28日)のものです。
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図面 (12)

目的

渦流室ディーゼル機関燃焼室において、渦流室から副噴孔を介して主燃焼室に供給される燃料の割合を適正化するとともに、渦流室と主燃焼室における空気利用率を高める。

構成

主噴孔4よりシリンダ径方向内側に位置して主燃焼室6と渦流室1を連通する副噴孔5を備える渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、副噴孔5にその流路断面積が主燃焼室6の中心方向に向かって拡がる流路拡大部5Bを備える。

概要

背景

従来の渦流室ディーゼル機関燃焼室として、例えば図9、図10に示すようなものがある(特開昭61−171821号公報、実開昭52−117706号公報、参照)。

これについて説明すると、シリンダヘッド101の下面とピストン125の頂面との間に主燃焼室115画成される。シリンダヘッド101に略球形の渦流室103が画成される。主燃焼室115と渦流室106は、主噴孔117と比較的小径の副噴孔119を介して連通している。

主噴孔117は渦流室103の接線方向に開口し、ピストン125が上昇する圧縮行程で主燃焼室115で圧縮される空気の大部分は主噴孔117を通って渦流室103に押し込まれ、渦流室103に縦方向旋回する渦流生起する。

燃焼は、ピストン125が上死点に至る手前で、燃料噴射弁107より燃料噴射供給されることにより開始される。この渦流室103での燃焼開始に伴い、膨張ガスと一部の未燃焼燃料とが副噴孔119と主噴孔117を通って主燃焼室115へと噴出し、ピストン125の頂面に窪むトレンチ部129に案内されて左右のキャビティ部127へと流れ込み、キャビティ部127内で旋回しながら主燃焼室115内の空気と混合しながら燃焼する。上記圧縮行程において、渦流室103に生起される渦流に対して燃料噴射弁107から噴射供給される燃料が、図11に斜線を入れて示すように、副噴孔119が開口する近傍の領域に滞留し、燃焼行程で副噴孔119から主燃焼室115に未燃焼燃料が噴出することを促進し、渦流室103における燃焼量の割合を適正にするようになっている。

概要

渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、渦流室から副噴孔を介して主燃焼室に供給される燃料の割合を適正化するとともに、渦流室と主燃焼室における空気利用率を高める。

主噴孔4よりシリンダ径方向内側に位置して主燃焼室6と渦流室1を連通する副噴孔5を備える渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、副噴孔5にその流路断面積が主燃焼室6の中心方向に向かって拡がる流路拡大部5Bを備える。

目的

本発明は上記の問題点に着目し、渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、渦流室から副噴孔を介して主燃焼室に供給される燃料の割合を適正化するとともに、渦流室と主燃焼室における空気利用率を高めることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

シリンダヘッドピストンの間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、渦流室に臨んで設置される燃料噴射弁と、主燃焼室の周辺部に開口して渦流室と連通する主噴孔と、主噴孔よりシリンダ径方向内側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副噴孔と、を備える渦流室式ディーゼル機関燃焼室において、副噴孔にその流路断面積が主燃焼室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部を備えたことを特徴とする渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。

請求項2

シリンダ軸に対する流路拡大部の傾斜角度を、主噴孔の傾斜角度以上に設定したことを特徴とする請求項1記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。

請求項3

流路拡大部の断面形をシリンダ径方向内側に向けて膨らむ扇形に形成したことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。

請求項4

シリンダヘッドとピストンの間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、渦流室に臨んで設置される燃料噴射弁と、主燃焼室の周辺部に開口して渦流室と連通する主噴孔と、主噴孔よりシリンダの径方向内側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副噴孔と、を備える渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、主噴孔と副噴孔を仕切隔壁を備え、隔壁の下端部に副噴孔と主噴孔を結ぶ割れ防止切欠き部を形成し、副噴孔にその流路断面積が主燃焼室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部を形成し、流路拡大部の流路断面積が増大し始める上端部を割れ防止切欠き部より上方の渦流室側に配置したことを特徴とする渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。

請求項5

シリンダヘッドとピストンの間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、渦流室に臨んで設置される燃料噴射弁と、主燃焼室の周辺部に開口して渦流室と連通する主噴孔と、主噴孔よりシリンダの径方向内側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副噴孔と、を備える渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、副噴孔にその流路断面積が渦流室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部を形成し、ピストンの頂面に副噴孔の流路拡大部に対向してV字形に窪むガイド溝を形成するとともに、ガイド溝の先方両側に拡がるキャビティ部を凹設したことを特徴とする渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。

請求項6

シリンダヘッドとピストンの間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、渦流室に臨んで設置される燃料噴射弁と、主燃焼室の周辺部に開口して渦流室と連通する主噴孔と、主噴孔よりシリンダの径方向内側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副噴孔と、を備える渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、副噴孔にその流路断面積が渦流室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部を形成し、流路拡大部の断面形をシリンダ径方向内側に向けて窪むV字形に形成し、ピストンの頂面にガイド溝の先方両側に拡がるキャビティ部を凹設したことを特徴とする渦流室式ディーゼル機関の燃焼室。

技術分野

0001

本発明は、渦流室ディーゼル機関燃焼室の改良に関するものである。

背景技術

0002

従来の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室として、例えば図9図10に示すようなものがある(特開昭61−171821号公報、実開昭52−117706号公報、参照)。

0003

これについて説明すると、シリンダヘッド101の下面とピストン125の頂面との間に主燃焼室115画成される。シリンダヘッド101に略球形の渦流室103が画成される。主燃焼室115と渦流室106は、主噴孔117と比較的小径の副噴孔119を介して連通している。

0004

主噴孔117は渦流室103の接線方向に開口し、ピストン125が上昇する圧縮行程で主燃焼室115で圧縮される空気の大部分は主噴孔117を通って渦流室103に押し込まれ、渦流室103に縦方向旋回する渦流生起する。

0005

燃焼は、ピストン125が上死点に至る手前で、燃料噴射弁107より燃料噴射供給されることにより開始される。この渦流室103での燃焼開始に伴い、膨張ガスと一部の未燃焼燃料とが副噴孔119と主噴孔117を通って主燃焼室115へと噴出し、ピストン125の頂面に窪むトレンチ部129に案内されて左右のキャビティ部127へと流れ込み、キャビティ部127内で旋回しながら主燃焼室115内の空気と混合しながら燃焼する。上記圧縮行程において、渦流室103に生起される渦流に対して燃料噴射弁107から噴射供給される燃料が、図11斜線を入れて示すように、副噴孔119が開口する近傍の領域に滞留し、燃焼行程で副噴孔119から主燃焼室115に未燃焼燃料が噴出することを促進し、渦流室103における燃焼量の割合を適正にするようになっている。

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、このような従来の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室構造にあっては、上記燃焼行程において、未燃焼燃料を含む膨張ガスが副噴孔119を通って主燃焼室115へと噴出するとき、副噴孔119の主燃焼室115に対する開口部がピストン125によって絞られるため、図11に斜線を入れて示すように、副噴孔119から噴出した燃料分が主燃焼室115へ拡散することが阻害される。このため、副噴孔119を通って主燃焼室115に流出した未燃焼燃料分が主噴孔112を通って主燃焼室115に流出した火炎に囲まれて燃焼することができず、スモーク発生の原因になる。

0007

また、副噴孔119の主燃焼室115に対する開口部がピストン125によって絞られることによって、副噴孔119を通して主燃焼室115に導かれる燃料量を十分に確保することが難しいため、副噴孔119を通って主燃焼室115に噴出する燃料の割合が低下する。こため、渦流室103で燃焼が集中して行われることになって、NOx、スモーク、HCの排出量が増加するという問題点が生じる。

0008

この対策として、副噴孔119の開口径を大きく設定すると、上記圧縮行程において主燃焼室115から副噴孔119を通って渦流室103に押し込まれる空気流勢力が高まり、渦流室103に生起される渦流の勢力が弱められ、渦流室103における燃焼性が悪化するという問題点が生じる。

0009

本発明は上記の問題点に着目し、渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、渦流室から副噴孔を介して主燃焼室に供給される燃料の割合を適正化するとともに、渦流室と主燃焼室における空気利用率を高めることを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

請求項1記載の発明は、シリンダヘッドとピストンの間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、渦流室に臨んで設置される燃料噴射弁と、主燃焼室の周辺部に開口して渦流室と連通する主噴孔と、主噴孔よりシリンダ径方向内側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副噴孔とを備える渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、副噴孔にその流路断面積が主燃焼室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部を備える。

0011

請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、シリンダ軸に対する流路拡大部の傾斜角度を、主噴孔の傾斜角度以上に設定する。

0012

請求項3記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の発明において、流路拡大部は、シリンダ径方向内側に向けて扇形に膨らむ断面を持つ。

0013

請求項4記載の発明は、シリンダヘッドとピストンの間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、渦流室に臨んで設置される燃料噴射弁と、主燃焼室の周辺部に開口して渦流室と連通する主噴孔と、主噴孔よりシリンダの径方向内側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副噴孔とを備える渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、主噴孔と副噴孔を仕切隔壁を備え、隔壁の下端部に副噴孔と主噴孔を結ぶ割れ防止切欠き部を形成し、副噴孔にその流路断面積が主燃焼室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部を形成し、流路拡大部の流路断面積が増大し始める上端部を割れ防止切欠き部より上方の渦流室側に配置する。

0014

請求項5記載の発明は、シリンダヘッドとピストンの間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、渦流室に臨んで設置される燃料噴射弁と、主燃焼室の周辺部に開口して渦流室と連通する主噴孔と、主噴孔よりシリンダの径方向内側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副噴孔とを備える渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、副噴孔にその流路断面積が渦流室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部を形成し、ピストンの頂面に副噴孔の流路拡大部に対向してV字形に窪むガイド溝を形成するとともに、ガイド溝の先方両側に拡がるキャビティ部を凹設する。

0015

請求項6記載の発明は、シリンダヘッドとピストンの間に画成される主燃焼室と、シリンダヘッド側に画成される渦流室と、渦流室に臨んで設置される燃料噴射弁と、主燃焼室の周辺部に開口して渦流室と連通する主噴孔と、主噴孔よりシリンダの径方向内側に位置して主燃焼室と渦流室を連通する副噴孔とを備える渦流室式ディーゼル機関の燃焼室において、副噴孔にその流路断面積が渦流室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部を形成し、流路拡大部の断面形をシリンダ径方向内側に向けて窪むV字形に形成し、ピストンの頂面にガイド溝の先方両側に拡がるキャビティ部を凹設する。

0016

請求項1記載の発明において、ピストンが上昇する圧縮行程で主燃焼室で圧縮される空気の大部分は、主噴孔を通って渦流室に押し込まれ、渦流室に渦流を生起する。

0017

燃焼は、ピストンが上死点に至る手前で、燃料噴射弁から燃料が噴射供給されることにより開始される。この渦流室での燃焼開始に伴い、膨張ガスと一部の噴射燃料とが副噴孔および主噴孔を通って主燃焼室へと噴出し、主燃焼室内の空気と混合しながら燃焼する。副噴孔にはその途中から主燃焼室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部が形成されているため、上記燃焼行程において副噴孔を通って主燃焼室へと噴出する噴流に対して十分な流路断面積が確保され、この噴流が副噴孔の主燃焼室に対する出口部でピストンによって絞られることがなく、未燃焼燃料を含む膨張ガスが副噴口から主燃焼室へと速やかに拡散して、主燃焼室における空気利用率を高め、NOx、スモーク、HCの排出量を低減することができる。

0018

また、上記燃焼行程において未燃焼燃料を含む膨張ガスが副噴孔の主燃焼室に対する出口部でピストンによって絞られることがなく主燃焼室に噴出することにより、渦流室と主燃焼室における燃焼量の割合を最適化することができる。

0019

さらに、副噴孔にはその途中から主燃焼室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部が形成されているため、副噴孔の開口径に対する設定自由度を大きくし、副噴孔の開口径を十分に小さく設定することが可能となる。この結果、副噴孔を通って渦流室に押し込まれる空気流によって、渦流室に生起される渦流とは逆方向に旋回しようとする勢力を小さく抑え、渦流室における燃料と空気の混合を促進し、燃焼性を高められる。

0020

請求項2記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、シリンダ軸に対する副噴孔の流路拡大部の傾斜角度を、主噴孔の傾斜角度以上に設定したため、副噴孔を通って主燃焼室へと噴出する燃料分を多く含む噴流は、流路拡大部に沿ってシリンダ中心方向に円滑に導かれ、主噴孔からの火炎噴流に囲まれて大量のスモークを発生させることを抑制できる。

0021

請求項3記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、副噴孔の流路拡大部を、シリンダの径方向内側に向けて扇形に膨らむ断面形に形成したため、副噴孔から流路拡大部を経て主燃焼室へ噴出する燃料を主燃焼室の広い範囲に拡散させることができる。

0022

請求項4記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、副噴孔の流路拡大部の上端部を隔壁の割れ防止切欠き部より上方の渦流室側に配置したため、燃焼行程において副噴孔を通って主燃焼室へと噴出する噴流に対して割れ防止切欠き部が流路拡大部より先に流路を拡大することがない。このため、副噴孔を通って主燃焼室へと噴出する燃料分を多く含む噴流は、流路拡大部に沿ってシリンダ中心方向に速やかに導かれ、主噴孔からの火炎噴流に囲まれて大量のスモークを発生させることを抑制できる。

0023

なお、副噴孔には高温燃焼ガスと比較的低温の燃料が交互に通過するため、温度勾配が大きく、また繰り返し応力が発生しやすい。そのため、副噴孔と主噴孔を仕切る隔壁に熱容量の小さいシャープエッジ部を設けると、このシャープエッジ部を起点して隔壁に亀裂が発生する可能性がある。割れ防止切欠き部によって隔壁のシャープエッジ部が削除されることにより、隔壁に亀裂が発生することを防止できる。

0024

請求項5記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、ピストンの頂面に副噴孔の流路拡大部に対向してV字形に窪むガイド溝を形成したため、燃焼行程において未燃焼燃料を含む膨張ガスが副噴孔を通って主燃焼室へと噴出する噴流に対して十分な流路断面積が確保され、この噴流が副噴孔の主燃焼室に対する出口部でピストンによって絞られることがなく、主燃焼室へと円滑に拡散する。

0025

また、ガイド溝は左右の各キャビティ部に向けて分岐しているため、副噴孔から主燃焼室へ噴出する燃料を多く含む噴流が、キャビティ部に拡散することを促し、主燃焼室における空気利用率を高めて、NOx、スモーク、HCの排出量を低減することができる。

0026

請求項6記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、副噴孔の流路拡大部の断面形をシリンダ径方向内側に向けて窪むV字形に形成し、ピストンの頂面にガイド溝の先方両側に拡がるキャビティ部を凹設したため、副噴孔から流路拡大部を経て主燃焼室へ噴出する燃料がキャビティ部に拡散することを促し、主燃焼室における空気利用率を高めてNOx、スモーク、HCの排出量を低減することができる。

0027

以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。

0028

図1において、2はシリンダヘッド、11はシリンダブロック、12はピストンである。シリンダヘッド2の下面とピストン12の頂面13との間に主燃焼室6が画成される。シリンダヘッド2とその下面から嵌合したセラミックホットプラグ3との間に略球形の渦流室1が画成される。渦流室1には図示しない燃料噴射弁とグロープラグがその上部に臨むように配設されている。

0029

主燃焼室6と渦流室1は、1つの主噴孔4と比較的小径をした2つの副噴孔5とを介して連通している。主噴孔4は主燃焼室6の周辺部に開口して渦流室1と連通し、副噴孔5は主噴孔4よりシリンダの径方向内側に配置される。

0030

主噴孔4はシリンダ軸に対して所定角度で傾斜して形成される。主噴孔4は略球状をした渦流室1に対してその接線方向に開口し、ピストン12が上昇する圧縮行程で主燃焼室6で圧縮される空気の大部分は、主噴孔4を通って渦流室1に押し込まれ、渦流室1に渦流を生起する。主噴孔4は主燃焼室6側の開口部4Bが渦流室1側の開口部4Aよりややシリンダ中心よりに開口し、燃焼行程で渦流室1から主噴孔4を通って噴出するガス噴流を主燃焼室6の中央方向に導くようになっている。

0031

副噴孔5の渦流室1側の開口部5Aは渦流室1の内壁における燃料噴射弁の燃料噴射方向に対向する部位に開口している。副噴孔5は略球形をした渦流室1に対して凹状に窪む淀み領域に連通するとともに、燃料噴射弁の燃料噴射方向に配置される。これにより、燃焼行程で多くの未燃焼燃料が副噴孔5を通って主燃焼室6に噴出する。

0032

副噴孔5は主燃焼室6側の開口部が渦流室1側の開口部5Aよりややシリンダ中心よりに開口し、燃焼行程で渦流室1から副噴孔5を通って噴出するガス噴流を主燃焼室6の中央方向に導くようになっている。

0033

渦流室1、主噴孔4、副噴孔5は、それぞれシリンダ中心線Cについて対称的に形成される。

0034

副噴孔5のシリンダ軸に対する傾斜角度は、主噴孔4のシリンダ軸に対する傾斜角度より小さく形成される。これにより副噴孔5と主噴孔4の間に介在するホットプラグ3の隔壁31は楔状の断面を持って形成される。

0035

ホットプラグ3の隔壁31の下端部に副噴孔5と主噴孔4を結ぶ割れ防止切欠き部32が形成される。割れ防止切欠き部32は隔壁31の楔状にったシャープエッジ部を削除して形成される。

0036

副噴孔5には高温の燃焼ガスと比較的低温の燃料が交互に通過するため、温度勾配が大きく、また繰り返し応力が発生しやすい。そのため、副噴孔5と主噴孔4を仕切る隔壁31に熱容量の小さいシャープエッジ部を設けると、このシャープエッジ部を起点して隔壁31に亀裂が発生する可能性がある。割れ防止切欠き部32によって隔壁31のシャープエッジ部が削除されることにより、隔壁31に亀裂が発生することを防止できる。

0037

副噴孔5にはその途中からシリンダの中心方向に向かって拡がる流路拡大部5Bが形成される。流路拡大部5Bは、図5概念的に示すように、副噴孔5の途中からその流路断面積が漸次拡大して形成される。

0038

図2にも示すように、流路拡大部5Bは、平面状をした左右一対側壁部33と、各側壁部33を円弧状の断面を持って結ぶガイド壁部34によって画成される。ガイド壁部37の断面はシリンダ径方向内側に向けて円弧状に窪む曲線に形成される。各側壁部33の断面はシリンダ中心線Cに対して同一角度で傾斜する直線状に形成される。すなわち、流路拡大部5Bはシリンダ径方向内側に向けて膨らむ扇形の断面を持ち、シリンダ中心線Cについて対称的に形成される。

0039

ガイド壁部34のシリンダ軸に対する傾斜角度は、主噴孔4のシリンダ軸に対する傾斜角度より大きく形成される。これにより、流路拡大部5Bはシリンダの中心方向に向かって拡がる。

0040

この実施例では、シリンダ軸とこれに直交するシリンダ中心線Cをそれぞれ含む平面上において、ガイド壁部34に沿った線分L34は、主噴孔4の中心線O4と略平行に配置される。すなわち、ガイド壁部34のシリンダ軸に対する傾斜角度は、主噴孔4のシリンダ軸に対する傾斜角度と略同一になっているが、後述するように主噴孔4のシリンダ軸に対する傾斜角度より大きく設定することが望ましい。

0041

流路拡大部5Bはその流路断面積が増大し始める上端部5Cが、割れ防止切欠き部32より上方の渦流室1側に配置される。すなわち、流路拡大部5Bを画成する各側壁部33およびガイド壁部34の上端部は割れ防止切欠き部32より上方の渦流室1側に配置されている。

0042

一方、図4に示すように、ピストン12の中心付近の領域から略円形に拡がる左右のキャビティ部(燃焼室)22が形成される。左右のキャビティ部22は図示しない吸・排気弁に対するピストン12の干渉を避けるバルブリセスの機能も果たす。

0043

図3にも示すように、ピストン頂面13には、主噴孔4および副噴孔5の直下からシリンダの中心方向に直線状に延びるトレンチ部24が凹状に窪んで形成される。トレンチ部24はシリンダ中心線Cに沿って主噴孔4からシリンダ中心方向にかけて次第に浅くなっている。

0044

ピストン頂面13には、トレンチ部24と左右のキャビティ部22を円弧状に湾曲して画成する外郭部26が形成される。

0045

トレンチ部24と左右のキャビティ部22は、主噴孔4および副噴孔5と共通のシリンダ中心線Cについて対称的に形成される。

0046

ピストン頂面13には、副噴孔5の流路拡大部5Bに対向してV字形に窪むガイド溝25が形成される。ガイド溝25はトレンチ部24とキャビティ部22の各底面に対して凹状に窪んで形成される。

0047

ガイド溝25はシリンダ中心線Cについて対称的に形成され、副噴孔5の流路拡大部5Bの直下から左右のキャビティ部22に延びる。

0048

すなわち、ガイド溝25はピストンの頂面13に副噴孔5の流路拡大部5Bに対向してV字形に凹設され、左右のキャビティ部22はガイド溝25の先方両側に広がっている。

0049

以上のように構成され、次に作用について説明する。

0050

ピストン12が上昇する圧縮行程で主燃焼室6で圧縮される空気の大部分は、主噴孔4を通って渦流室1に押し込まれ、渦流室1に渦流を生起する。副噴孔5を通って渦流室1に押し込まれる空気流は、渦流室1に生起される渦流とは逆方向に旋回しようとする勢力を持つ。

0051

副噴孔5にはその途中から主燃焼室6の中心方向に向かって拡がる流路拡大部5Bが形成されているため、副噴孔5の開口径に対する設定自由度を大きくし、副噴孔5の開口径を十分に小さく設定することが可能となる。この結果、副噴孔5を通って渦流室1に押し込まれる空気流によって、渦流室1に生起される渦流とは逆方向に旋回しようとする勢力を小さく抑え、渦流室1における燃料と空気の混合を促進し、燃焼性を高められる。

0052

また、副噴孔5の開口径に対する設定自由度を大きくすることにより、上記燃焼行程で渦流室1に滞留する未燃焼燃料が副噴孔5から主燃焼室6に噴出することにより、渦流室1と主燃焼室6における燃焼量の割合を最適化することができる。

0053

燃焼は、ピストン12が上死点に至る手前で、燃料噴射弁から燃料が噴射供給されることにより開始される。この渦流室1での燃焼開始に伴い、膨張ガスと一部の噴射燃料とが副噴孔5および主噴孔4を通って主燃焼室6へと噴出し、主燃焼室6内の空気と混合しながら燃焼する。副噴孔5から主燃焼室6へ噴出する燃料を含む火炎噴流は、図4に矢印で示すようにガイド溝25に案内されて左右のキャビティ部22へと流れ込み、キャビティ部22に拡散しながら燃焼する。

0054

主噴孔4から主燃焼室6へ噴出する燃料を含む火炎噴流は、トレンチ部24に案内されて左右のキャビティ部22へと流れ込み、キャビティ部22内で旋回流を生起する。

0055

副噴孔5にはその途中からシリンダの中心方向に向かって拡がる流路拡大部5Bが形成されているとともに、流路拡大部5Bに対向して窪むガイド溝25が形成されているため、上記燃焼行程において副噴孔5を通って主燃焼室6へと噴出する噴流に対して十分な流路断面積が確保され、この未燃焼燃料を含む膨張ガスが副噴孔5の主燃焼室6に対する開口部がピストン12によって絞られることがなく、主燃焼室6へと速やかに拡散する。

0056

流路拡大部5Bのガイド壁部34のシリンダ軸に対する傾斜角度を、主噴孔4のシリンダ軸に対する傾斜角度より大きく設定したことにより、副噴孔5を通って主燃焼室6に噴出する噴流が主噴孔4を通って主燃焼室1に噴出する噴流に干渉することが抑制され、主燃焼室6へと円滑に拡散する。

0057

拡大流路部5Bのガイド壁部34は主燃焼室6の中央部に向けて扇形に広がっているため、副噴孔5から流路拡大部5Bを経て主燃焼室6へ噴出する燃料を主燃焼室6の広い範囲に拡散させることができる。

0058

流路拡大部5Bの上端部5Cが割れ防止切欠き部32より上方の渦流室1側に配置されることより、副噴孔5を通って主燃焼室6へと噴出する噴流に対して割れ防止切欠き部32が流路拡大部5Bより先に流路を拡大することがない。このため、副噴孔5を通って主燃焼室6へと噴出する燃料分を多く含む噴流は、図6に斜線を入れて示すように、流路拡大部5Bに沿ってシリンダ中心方向に導かれる。

0059

このように副噴孔5を通って主燃焼室6に噴出する噴流が主噴孔4を通って主燃焼室1に噴出する噴流に干渉することが抑制されるため、副噴孔5を通って主燃焼室6に流出した未燃焼燃料分が主噴孔4からの火炎噴流に囲まれて燃焼することを抑制し、燃料噴射量の多い高負荷領域においても、スモーク発生量を十分に低減することができる。

0060

これに対して、図11に示すように、流路拡大部5Bの上端部5Cが割れ防止切欠き部32より下方の主燃焼室6側に配置された場合、上記燃焼行程において、主燃焼室6へと噴出する燃料分を多く含む噴流は、図11に斜線を入れて示すように、割れ防止切欠き部32を介してシリンダの径方向外側に導かれ、主燃焼室6へと拡散することが抑えられ、主燃焼室6の空気利用率の低下を招くのである。

0061

副噴孔5から主燃焼室6へ噴出する燃料を含む火炎噴流は、左右のキャビティ部22へ拡散する一方、主噴孔4から主燃焼室6へ噴出する燃料を含む火炎噴流は、トレンチ部24に案内されて左右のキャビティ部22へと流れ込み、キャビティ部22内で旋回流を生起する。

0062

ガイド溝25は左右の各キャビティ部22の中央部に向けて分岐しているため、副噴孔5から主燃焼室6へ噴出する燃料を多く含む噴流が、図7に矢印で示すように、左右のキャビティ部22へと流れ込みことを促し、主燃焼室6における空気利用率を高めて、NOx、スモーク、HCの排出量を低減することができる。

0063

次に、図8に示す他の実施例について説明する。なお、図1図4との対応部分には同一符号を用いて説明する。

0064

副噴孔5の流路拡大部5Bは、平面状をした一対の側壁部33と、各側壁部33を結ぶガイド壁部37によって画成される。

0065

ガイド壁部37の断面はシリンダの径方向外側に窪む曲線に形成される。各側壁部33の断面はシリンダ中心線Cに対して同一角度で傾斜する直線に形成される。すなわち、流路拡大部5Bはシリンダ径方向内側に向けて窪むV字形の断面を持ち、シリンダ中心線Cについて対称的に形成される。

0066

この場合、ガイド壁部37は左右の各キャビティ部22の中央部に向けてV字形に分岐しているため、副噴孔5から流路拡大部5Bを経て主燃焼室6へ噴出する燃料を多く含む噴流が左右のキャビティ部22に流れ込みことを促し、キャビティ部22に生起される旋回流によって空気との混合が十分に行われ、主燃焼室6における空気利用率を高めてNOx、スモーク、HCの排出量を低減することができる。

発明の効果

0067

以上説明したように請求項1記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、副噴孔にその流路断面積が主燃焼室の中心方向に向かって拡がる流路拡大部を備えたため、燃焼行程において未燃焼燃料を含む膨張ガスが副噴孔を通って主燃焼室へと噴出する噴流に対して十分な流路断面積が確保され、この噴流が副噴孔の主燃焼室に対する出口部でピストンによって絞られることがなく、主燃焼室へと円滑に拡散して主燃焼室における空気利用率を高め、NOx、スモーク、HCの排出量を低減することができる。

0068

また、副噴孔の開口径に対する設定自由度を大きくし、渦流室に生起される渦流の勢力を十分に確保するとともに、渦流室と主燃焼室における燃焼量の割合を最適化することができる。

0069

請求項2記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、シリンダ軸に対する流路拡大部の傾斜角度を、主噴孔の傾斜角度以上に設定したため、副噴孔を通って主燃焼室へと噴出する燃料分を多く含む噴流は、流路拡大部に沿ってシリンダ中心方向に円滑に導かれ、主噴孔からの火炎噴流に囲まれて大量のスモークを発生させることを抑制できる。

0070

請求項3記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、副噴孔の流路拡大部を、シリンダの径方向内側に向けて扇形に膨らむ断面形に形成したため、副噴孔から流路拡大部を経て主燃焼室へ噴出する燃料を主燃焼室の広い範囲に拡散させることができる。

0071

請求項4記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、副噴孔の流路拡大部の上端部を隔壁の割れ防止切欠き部より上方の渦流室側に配置したため、燃焼行程において副噴孔を通って主燃焼室へと噴出する噴流に対して割れ防止切欠き部が流路拡大部より先に流路を拡大することがない。このため、副噴孔を通って主燃焼室へと噴出する燃料分を多く含む噴流は、流路拡大部に沿ってシリンダ中心方向に速やかに導かれ、主噴孔からの火炎噴流に囲まれて大量のスモークを発生させることを抑制できる。

0072

請求項5記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、ピストンの頂面に副噴孔の流路拡大部に対向してV字形に窪むガイド溝を形成したため、燃焼行程において未燃焼燃料を含む膨張ガスが副噴孔を通って主燃焼室へと噴出する噴流に対して十分な流路断面積が確保され、この噴流が副噴孔の主燃焼室に対する出口部でピストンによって絞られることがなく、主燃焼室へと円滑に拡散する。

0073

また、ガイド溝は左右の各キャビティ部に向けて分岐しているため、副噴孔から主燃焼室へ噴出する燃料を多く含む噴流が、キャビティ部に拡散することを促し、主燃焼室における空気利用率を高めて、NOx、スモーク、HCの排出量を低減することができる。

0074

請求項6記載の渦流室式ディーゼル機関の燃焼室は、副噴孔の流路拡大部の断面形をシリンダ径方向内側に向けて窪むV字形に形成し、ピストンの頂面にガイド溝の先方両側に拡がるキャビティ部を凹設したため、副噴孔から流路拡大部を経て主燃焼室へ噴出する燃料がキャビティ部に拡散することを促し、主燃焼室における空気利用率を高めてNOx、スモーク、HCの排出量を低減することができる。

図面の簡単な説明

0075

図1本発明の実施例を示すエンジンの断面図。
図2同じくホットプラグを下から見た平面図。
図3同じくピストンの断面図。
図4同じくピストンを上から見た平面図。
図5同じく副噴孔を概念的に示す斜視図。
図6同じく燃料の流れる様子を示す説明図。
図7同じく副噴孔からの噴流が流れる様子を示す説明図。
図8他の実施例を示すホットプラグを下から見た平面図。
図9従来例を示すエンジンの断面図。
図10同じくピストンを上から見た平面図。
図11同じく燃料の流れる様子を示す説明図。

--

0076

1渦流室
2シリンダヘッド
3ホットプラグ
4 主噴孔
5 副噴孔
5B流路拡大部
5C上端部
6主燃焼室
12ピストン
13ピストン頂面
22キャビティ部
24トレンチ部
25ガイド溝
32割れ防止切欠き部
33側壁部
34ガイド壁部
37 ガイド壁部

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