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技術 イオン注入により生ずるGaAs基板の損傷の評価方法

出願人 古河電気工業株式会社
発明者 中村芳雄岩瀬扶佐子
出願日 1994年5月11日 (26年6ヶ月経過) 出願番号 1994-123076
公開日 1995年11月21日 (25年0ヶ月経過) 公開番号 1995-307369
状態 未査定
技術分野 結晶、結晶のための後処理 半導体等の試験・測定
主要キーワード 陽電子線 到達確率 二次電子収率 損傷評価 陽電子消滅法 半絶縁性GaAs基板 過剰電子 二次電子放出量
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この項目の情報は公開日時点(1995年11月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

目的

GaAs基板イオン注入をおこなった場合に生ずる損傷の程度を簡便に評価する方法を提供する。

構成

p型GaAs結晶層を表面に有するGaAs基板にイオン注入し、注入方向断面の二次電子像を観察し、二次電子量の低下からイオン注入時の損傷を評価する。

概要

背景

GaAs基板へのイオン注入技術は、例えば、半絶縁性GaAs基板へSi、S、Zn、Mgなどの不純物注入して電気的な活性層を形成し、この基板を利用して電界効果トランジスタホール素子などの電子デバイスを製造するのに用いられる。このとき、注入したイオン活性化させるためには、イオン注入後熱処理により、イオン注入時に生じた損傷を除去している。また、イオン注入時に生じたダメージを積極的に利用して、基板上に作製したデバイス絶縁分離をおこなうこともある。例えば、O、B、HなどのイオンをGaAs結晶層に注入し、そのときできる損傷層を用いて絶縁分離をおこなっている。従って、イオン注入技術の応用において、イオン注入時に生じた損傷を評価する技術は非常に重要である。

ところで、従来のイオン注入時に基板内に生じる損傷の評価は、透過電子顕微鏡TEM)によるイオン注入領域格子像直接観察や、ラザフォードバックスキタリング(RBS)法による格子原子乱れの観察、あるいは、陽電子消滅法による基板表面近傍格子欠陥分布の測定などにより行われている。

概要

GaAs基板にイオン注入をおこなった場合に生ずる損傷の程度を簡便に評価する方法を提供する。

p型GaAs結晶層を表面に有するGaAs基板にイオン注入し、注入方向断面の二次電子像を観察し、二次電子量の低下からイオン注入時の損傷を評価する。

目的

前述のTEMによる直接観察では、試料薄片化など試料作製熟練度が要求される上、観察および解析に多大の時間を要する。また、RBS法や陽電子消滅法を利用する際には、α線陽電子線加速器が必要になるが、この加速器は一般に容易に利用できるものではない。従って、損傷評価重要性は認識されているものの、特に損傷の深さ、程度などを考慮せずにデバイスを作製しなければならないという問題があった。本発明の目的は、GaAs基板へのイオン注入時に基板内に生じる損傷の深さ、程度を簡便に評価する方法を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

p型GaAs結晶層を表面に有するGaAs基板イオン注入し、注入方向断面の二次電子像を観察し、二次電子量の低下からイオン注入により生ずる損傷を評価することを特徴とするイオン注入により生ずるGaAs基板の損傷の評価方法

技術分野

0001

本発明は、GaAs基板へのイオン注入技術において、イオン注入時に基板内に生じる損傷を評価する方法に関するものである。

背景技術

0002

GaAs基板へのイオン注入技術は、例えば、半絶縁性GaAs基板へSi、S、Zn、Mgなどの不純物注入して電気的な活性層を形成し、この基板を利用して電界効果トランジスタホール素子などの電子デバイスを製造するのに用いられる。このとき、注入したイオン活性化させるためには、イオン注入後熱処理により、イオン注入時に生じた損傷を除去している。また、イオン注入時に生じたダメージを積極的に利用して、基板上に作製したデバイス絶縁分離をおこなうこともある。例えば、O、B、HなどのイオンをGaAs結晶層に注入し、そのときできる損傷層を用いて絶縁分離をおこなっている。従って、イオン注入技術の応用において、イオン注入時に生じた損傷を評価する技術は非常に重要である。

0003

ところで、従来のイオン注入時に基板内に生じる損傷の評価は、透過電子顕微鏡TEM)によるイオン注入領域格子像直接観察や、ラザフォードバックスキタリング(RBS)法による格子原子乱れの観察、あるいは、陽電子消滅法による基板表面近傍格子欠陥分布の測定などにより行われている。

発明が解決しようとする課題

0004

前述のTEMによる直接観察では、試料薄片化など試料作製熟練度が要求される上、観察および解析に多大の時間を要する。また、RBS法や陽電子消滅法を利用する際には、α線陽電子線加速器が必要になるが、この加速器は一般に容易に利用できるものではない。従って、損傷評価重要性は認識されているものの、特に損傷の深さ、程度などを考慮せずにデバイスを作製しなければならないという問題があった。本発明の目的は、GaAs基板へのイオン注入時に基板内に生じる損傷の深さ、程度を簡便に評価する方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0005

本発明は上記問題点を解決したイオン注入により生ずるGaAs基板の損傷の評価方法を提供するもので、p型GaAs結晶層を表面に有するGaAs基板にイオン注入し、注入方向断面の二次電子像を観察し、二次電子量の低下からイオン注入時の損傷を評価することを特徴とするものである。

0006

本発明は、p型GaAs結晶は二次電子放出が大きいこと、およびイオン注入により生ずる損傷により、結晶破壊されてp型GaAsがp型でなくなることを利用して、走査電子顕微鏡(SEM)により損傷の深さ方向の分布を観察することからなる。ところで、二次電子放出は、
1)一次電子照射による過剰電子発生効率
2)生じた過剰電子が表面まで到達する確率
3)表面から真空中に放出される効率
によって定まる。1)の発生効率は材料に依存し、GaAsであれば、p型、n型、半絶縁性のいずれでも大きな差はない。2)の確率は、一次電子の照射エネルギーに主に依存するので、一次電子エネルギーを一定にすれば、p型、n型、半絶縁性GaAsでやはり差はない。また、3)の効率は、過剰電子が真空中に放出される表面の状態に大きく依存する。

0007

GaAsでは、禁制帯のほぼ中央付近表面準位が多数存在し、表面近傍フェルミレベルピンニングする。即ち、表面近傍のフェルミレベルの位置は変わらないが、内部のフェルミレベルは、p型、n型の程度により変化する。このために、p型GaAs基板1のバンド構造は、図1に示すように、禁制帯のほぼ中央付近に表面準位6が多数存在し、表面近傍で伝導帯3が下方に曲がるため、GaAs基板1内で発生した過剰電子7が表面に到達して、真空2側へ放出される効率が高くなり、二次電子8の放出量が大きくなる。4は価電子帯、5はフェルミレベルである。

0008

このようなp型GaAs基板1に、イオン注入をおこなうと、注入により生ずる損傷により、p型が崩れ、バンド構造は点線のように変化し、表面近傍での伝導帯3aおよび価電子帯4aの下方への曲がりが小さくなり、二次電子放出効率が著しく低下する。また、GaAs基板1内に生じた格子欠陥により、過剰電子の発生効率や、表面への到達確率も低下する。従って、p型GaAs基板1にイオン注入し、注入方向の断面をSEMにより観察すると、損傷の生じた領域では、損傷の生じない領域に比較して少ない二次電子放出量が観察される。この現象を利用すると、イオン注入によりp型GaAs基板に導入された損傷の深さと程度を簡便に観察することができる。なお、p型GaAs結晶において、正孔濃度はできるだけ低い方が、イオン注入時にp型がくずれやすくなり、損傷の検出感度が高い。

0009

ところで、p型GaAs基板と同等の条件でGaAs基板一般にイオン注入をおこなうと、GaAs基板一般にはp型GaAs基板と同等の損傷が生ずる。そこで、上述のようにp型GaAs基板における損傷の観察をおこなうことで、GaAs基板一般についても損傷の評価をおこなうことができる。

0010

以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。本実施例では、半絶縁性GaAs基板の上に、炭素ドープのp型GaAs層(正孔濃度:1×1018cm-3)をエピタキシャル成長し、このp型GaAs層にシリコンイオンを150keVの注入エネルギーで、3×1014cm-2注入した。注入後、基板をへき開し、SEMによりイオン注入方向の断面の二次電子像を観察した。

0011

図2は、上記GaAs基板のイオン注入前の断面の二次電子像の写真模写図であり、写真の明暗を示している。図2からわかるように、p型GaAs層9部分が半絶縁性GaAs基板10よりも明るくなっている。このことは、p型GaAs層9の二次電子収率が半絶縁性GaAs基板10よりも大きいことを示している。11は真空部である。図3は、上記GaAs基板のイオン注入後の断面の二次電子像の写真の模写図であり、p型GaAs層9表面の二次電子収率が小さくなっている(写真が暗い)ことがわかる。このことは、イオン注入によりp型GaAs層9が損傷を受け、伝導型が変化していることを表している。この二次電子像から、イオン注入時に生ずる損傷の表面からの深さが簡便にわかる。本実施例では、損傷は基板表面から約0.6μmの深さまでの領域Aに発生していることがわかる。また、表面近傍約0.1μmの深さまでの領域Bが特に暗く、この領域Bに特に大きな損傷が存在することがわかる。なお、図3において、表面近傍が特に明るくなっている領域Cがあるが、これはエッジ効果によるもので、本発明で述べている現象とは無関係のものである。なお、損傷の程度を評価することは、二次電子像の明暗を定量化することにより可能である。

発明の効果

0012

以上説明したように本発明によれば、p型GaAs結晶層を表面に有するGaAs基板にイオン注入し、注入方向の断面の二次電子像を観察し、二次電子量の低下からイオン注入時の損傷を評価するため、p型GaAs結晶の損傷の程度を簡便に評価できるとともに、同等の条件でGaAs基板一般にイオン注入をおこなった場合の損傷の程度も、簡便に評価することができるという優れた効果がある。

図面の簡単な説明

0013

図1p型GaAs基板表面近傍のバンド構造を示す図である。
図2本発明にかかるイオン注入により生ずるGaAs基板の損傷の評価方法の一実施例における、イオン注入前のGaAs基板の断面の二次電子像写真の模写図である。
図3上記GaAs基板のイオン注入後の断面の二次電子像写真の模写図である。

--

0014

1基板
2、11真空
3、3a伝導帯
4、4a価電子帯
5フェルミレベル
6表面準位
7過剰電子
8二次電子
9 p型GaAs層
10 GaAs基板

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