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図面 (10)

目的

大型のクロミック素子を安価にかつ確実に製造可能とする。

構成・作用

溶質としてのWO3 ・aNb2 O5 ・bH2 O2 ・cH2 O(但し、a、b、cは正数)が100重量部であり、水が20重量部以上120重量部以下であり、有機溶媒としてのn−プロパノールが80重量部以上800重量部以下の過酸化ポリタングステン酸溶液を用いる。n−プロパノールは塗膜表面エネルギーを低下させるため、還元発色層3のムラ剥離を有効に防止する。そして、水と相溶性のあるn−プロパノールは溶質が水に溶解されることを阻害せず、塗膜の加熱処理により蒸発される。

概要

背景

クロミック素子、例えばEC素子として、図1に示すように、第1透明基板1上に第1透明電極層2、還元発色層3、電解質層4、酸化発色層5、第2透明電極層6及び第2透明基板7が順次積層されたものが知られている。このEC素子は、第1電極層2と第2電極層6との間に所定のしきい値以上の電流印加することにより、第1、2電極層2、6と還元、酸化発色層3、5との界面近傍酸化還元反応が行われ、可逆的な着消変化が得られる。

このEC素子において、還元発色層3としては酸化タングステン(WO3 )が採用されうるが、このWO3 からなる還元発色層3を形成する還元発色層形成工程としては、一般的なスパッタリング法又は蒸着法の乾式法、「応用物理」第61巻第3号(1992)(第266〜269頁)及び特開昭61−123691号公報記載の過酸化ポリタングステン酸溶液によって塗膜を形成するスピンコーティング法、同様の過酸化ポリタングステン酸溶液によって塗膜を形成するディップコーティング法を用いたものものが知られている。また、EC素子における他の還元発色層形成工程として、特開昭56−38379号公報、特開昭61−36292号公報、特開昭62−112132号公報のように、Wの有機化合物を含む溶液を用いたものものも知られている。

概要

大型のクロミック素子を安価にかつ確実に製造可能とする。

溶質としてのWO3 ・aNb2 O5 ・bH2 O2 ・cH2 O(但し、a、b、cは正数)が100重量部であり、水が20重量部以上120重量部以下であり、有機溶媒としてのn−プロパノールが80重量部以上800重量部以下の過酸化ポリタングステン酸溶液を用いる。n−プロパノールは塗膜の表面エネルギーを低下させるため、還元発色層3のムラ剥離を有効に防止する。そして、水と相溶性のあるn−プロパノールは溶質が水に溶解されることを阻害せず、塗膜の加熱処理により蒸発される。

目的

本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、大型のクロミック素子を安価にかつ確実に製造可能とすることを解決すべき課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

W、Nb、Mo及びVの少なくとも一種酸化物粉末からなる溶質と、該溶質を分散保持する水と、水と相溶性のある有機溶媒と、からなることを特徴とするクロミック素子発色層組成物

請求項2

溶質としてのWO3 ・aNb2 O5 ・bH2 O2 ・cH2 O(但し、a、b、cは正数)が100重量部であり、水が120重量部以下であり、有機溶媒としてのプロパノールが80重量部以上の過酸化ポリタングステン酸溶液であることを特徴とする請求項1記載のクロミック素子の発色層用組成物。

請求項3

溶質としてのWO3 ・aNb2 O5 ・bH2 O2 ・cH2 O(但し、a、b、cは零又正数)が100重量部であり、水が20重量部以上120重量部以下であり、有機溶媒としてのプロパノールが80重量部以上800重量部以下の過酸化ポリタングステン酸溶液であることを特徴とする請求項2記載のクロミック素子の発色層用組成物。

技術分野

0001

本発明は、クロミック素子発色層組成物に関する。この組成物は、例えば、エレクトロクロミック(EC)素子還元発色層を形成する発色層形成工程に用いることができる。

背景技術

0002

クロミック素子、例えばEC素子として、図1に示すように、第1透明基板1上に第1透明電極層2、還元発色層3、電解質層4、酸化発色層5、第2透明電極層6及び第2透明基板7が順次積層されたものが知られている。このEC素子は、第1電極層2と第2電極層6との間に所定のしきい値以上の電流印加することにより、第1、2電極層2、6と還元、酸化発色層3、5との界面近傍酸化還元反応が行われ、可逆的な着消変化が得られる。

0003

このEC素子において、還元発色層3としては酸化タングステン(WO3 )が採用されうるが、このWO3 からなる還元発色層3を形成する還元発色層形成工程としては、一般的なスパッタリング法又は蒸着法の乾式法、「応用物理」第61巻第3号(1992)(第266〜269頁)及び特開昭61−123691号公報記載の過酸化ポリタングステン酸溶液によって塗膜を形成するスピンコーティング法、同様の過酸化ポリタングステン酸溶液によって塗膜を形成するディップコーティング法を用いたものものが知られている。また、EC素子における他の還元発色層形成工程として、特開昭56−38379号公報、特開昭61−36292号公報、特開昭62−112132号公報のように、Wの有機化合物を含む溶液を用いたものものも知られている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、スパッタリング法又は蒸着法の乾式法を実行するならば、大面積のEC素子を得るために大型の真空装置等を要し、製造コストの高騰を生じてしまう。特に、スパッタリング法を実行するならば、基板の温度が上昇してしまうため、ガラス製の基板は採用できるが、樹脂製の基板を採用することができず、EC素子の軽量性等が阻害されてしまう。

0005

したがって、大型のEC素子を安価に製造するためには、ディップコーティング法を実行することが実用上有効であると考えられる。また、ディップコーティング法の他、印刷法スプレー法、スピンコーティング法等の湿式法も実用上有効であると考えられる。しかしながら、本発明者らの試験結果によれば、湿式法のディップコーティング法では、引き上げ後に塗膜が波立つように流動し、そのまま乾燥することにより還元発色層にムラが生じたりする。特に、過酸化ポリタングステン酸溶液をディップコーティング法に供するならば、浸漬時及び引き上げ時に、含有する過酸化水素分解反応による酸素の発生と、溶存した酸素の放出とにより、塗膜に気泡が生じ、そのまま乾燥することにより還元発色層にやはりムラが生じたりする。この還元発色層のムラは、目視でも確認できるとともにEC素子の着色時に透過率のムラを生じるため、品質上問題となる。

0006

また、引き上げ直後には均一な塗膜を形成しうるものの、後工程で塗膜に熱処理を施すことにより、還元発色層にクラック、ひいては剥離を生じたりする。このクラックや剥離は、EC素子の電解質層と第1電極層との接触を招き、第1電極層の劣化や溶解により、やはり品質上問題となる。このため、大型のEC素子を製造するならば還元発色層のムラや剥離が特に目立ち実用性が大きく阻害される。

0007

また、Wの有機化合物を含む溶液の湿式法では、有機化合物の調製が面倒であるという欠点がある。かかる不具合は、EC素子に限られず、サーモクロミック素子フォトクロミック素子等、W、Nb、Mo及びVの少なくとも一種酸化物粉末からなる発色層をもつ他のクロミック素子にも当てはまる

0008

本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、大型のクロミック素子を安価にかつ確実に製造可能とすることを解決すべき課題とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、有機溶媒が塗膜の表面エネルギーを低下させて塗膜のムラや剥離を有効に防止できることを発見した。また、有機溶媒は、過酸化水素の分解反応による酸素の発生と溶存した酸素の放出とを抑制できることも発見した。そして、この有機溶媒は、W、Nb、Mo及びVの少なくとも一種の酸化物粉末からなる溶質が水に溶解されることから水との相溶性が必要であり、かつ塗膜の加熱処理により蒸発する。こうして、本発明を完成させるに至った。

0010

すなわち、請求項1のクロミック素子の発色層用組成物は、W、Nb、Mo及びVの少なくとも一種の酸化物粉末からなる溶質と、該溶質を分散保持する水と、水と相溶性のある有機溶媒と、からなることを特徴とする。水と相溶性のある有機溶媒としては、メタノールエタノールプロパノールエトキシエタノール、ジメチルホルムアミド等を採用することができる。

0011

請求項2の組成物は、請求項1記載の組成物において、溶質としてのWO3 ・aNb2 O5 ・bH2 O2 ・cH2 O(但し、a、b、cは正数)が100重量部であり、水が120重量部以下であり、有機溶媒としてのプロパノールが80重量部以上の過酸化ポリタングステン酸溶液であることを特徴とする。請求項3の組成物は、請求項2記載の組成物において、溶質としてのWO3 ・aNb2 O5 ・bH2 O2 ・cH2 O(但し、a、b、cは零又正数)が100重量部であり、水が20重量部以上120重量部以下であり、有機溶媒としてのプロパノールが80重量部以上800重量部以下の過酸化ポリタングステン酸溶液であることを特徴とする。

0012

請求項1記載の組成物では、W、Nb、Mo及びVの少なくとも一種の酸化物粉末からなる溶質と、この溶質を分散保持する水とを含む組成物中に、水と相溶性のある有機溶媒を含有させている。有機溶媒は塗膜の表面エネルギーを低下させるため、発色層のムラや剥離を有効に防止する。そして、水と相溶性のある有機溶媒は溶質が水に溶解されることを阻害せず、塗膜の加熱処理により蒸発される。

0013

請求項2、3記載の組成物は過酸化ポリタングステン酸溶液である。この過酸化ポリタングステン酸溶液では、含有する過酸化水素により気泡が生じやすいが、水と相溶性のある有機溶媒は、過酸化水素の分解反応による酸素の発生と溶存した酸素の放出とを抑制できる。請求項2記載の過酸化ポリタングステン酸溶液は、溶質としてのWO3 ・aNb2 O5 ・bH2 O2 ・cH2 O(但し、a、b、cは零又正数)が100重量部であり、水が120重量部以下であり、有機溶媒としてのプロパノールが80重量部以上である。かかる範囲において、発色層のムラや剥離が有効に防止されることが判明している。請求項3記載の過酸化ポリタングステン酸溶液は、溶質としてのWO3 ・aNb2 O5 ・bH2 O2 ・cH2 O(但し、a、b、cは零又正数)が100重量部であり、水が20重量部以上120重量部以下であり、有機溶媒としてのプロパノールが80重量部以上800重量部以下である。かかる範囲において、発色層のムラや剥離がより有効に防止されることが判明している。

0014

(実施例)クロミック素子として、図1に示すEC素子を例にとり、実施例の還元発色層用組成物を用いてEC素子を製造した。このEC素子は還元発色層用組成物に特徴を有するため、外観上従来のものと同一であり、図1に示すものと同一符号を付して説明する。

0015

まず、還元発色層用組成物(過酸化ポリタングステン酸溶液)を得る。すなわち、タングステン粉末0.18モル炭化ニオブ粉末0.015モルを15%過酸化水素水200mlに溶解する。さらに、この溶液を減圧乾燥させることにより、WO3 ・0.041Nb2 O5 ・0.6H2 O2 ・3H2 Oの粉末(以下、IPA粉末という。)を合成する。次いで、IPA粉末を純水に溶解させることにより、IPA粉末を含有する溶液を得る。この溶液は、溶質としてのIPA粉末100重量部に対し、水が24重量部である。

0016

この溶液をn−プロパノール希釈し、IPA粉末を含有する過酸化ポリタングステン酸溶液を得る。この過酸化ポリタングステン酸溶液は、溶質としてのIPA粉末100重量部に対し、水が24重量部、n−プロパノールが230重量部である。このEC素子は、次の製造方法により形成される。すなわち、まず第1、2透明基板1、7としてPET製透明樹脂フィルム(5cm×5cm)を採用する。各第1、2透明基板1、7の表面にITO(インジウムティオキサイド(In2 O3 ・SnO2 ))を蒸着し、ITOにより第1、2電極層2、6を構成する。こうして、第1透明基板1と第1電極層2とにより複数枚の第1ITOフィルムを得、第2透明基板7と第2電極層6とにより複数枚の第2ITOフィルムを得る。

0017

そして、上記過酸化ポリタングステン酸溶液中に第1ITOフィルムを浸漬し、0〜10cm/minの引き上げ速度縦方向に引き上げる。こうして、ディップコーティング法により塗膜を形成する。このとき、塗膜には、引き上げ後の波立つような流動がなかった。この後、塗膜を形成した第1ITOフィルムを120℃×1時間加熱処理することにより、塗膜から水分を除去し、第1電極層2上にWO3 ・0.041Nb2 O5 からなる還元発色層3を形成する。この還元発色層3にはムラがなく、クラックや剥離が生じなかった。

0018

この第1ITOフィルムをLiCF3 SO3 ・プロピレンカーボネート(PC)溶液中に浸漬し、WO3 ・0.041Nb2 O5 中にLiイオン注入する。一方、アルカリ洗浄した第2ITOフィルムにおける第2電極層6上に、電解合成法により、プルシアンブルー(Fe2+〔Fe3+(CN)63- 〕)膜を析出させ、プルシアンブルー膜により酸化発色層5を構成する。

0019

また、ポリエチレンオキシド(PEO)に支持塩(LiCF3 SO4 )を溶解させるとともに光重合開始剤(2.2−ジメトキシ−2−フェルアセトフェノン)を溶解させた電解質用溶液を用意し、第2ITOフィルム上の酸化発色層5上にこの電解質用溶液を塗布する。そして、第1ITOフィルム上の還元発色層3と第2ITOフィルム上の電解質用溶液とをはりあわせ、紫外線(UV)を照射することにより電解質用溶液を硬化させ、電解質用溶液により電解質層4を構成する。

0020

こうして得られるEC素子では、優れた可逆的な着消変化が得られることが確認された。したがって、実施例の還元発色層用組成物(過酸化ポリタングステン酸溶液)によれば、ディップコーティング法における還元発色層のムラや剥離の発生を有効に防止することができるため、大型のEC素子を安価にかつ確実に製造することが可能になる。
(試験1)還元発色層用組成物(過酸化ポリタングステン酸溶液)における最適な組成範囲を求めた。

0021

まず、実施例と同様に、IPA粉末を合成する。このIPA粉末を純水に溶解させることにより、重量部で、表1の組成をもつ各溶液A〜Gを得る。

0022

ID=000003HE=085 WI=048 LX=0360 LY=1300
溶液Aを表2に示すX重量部のn−プロパノールで希釈し、過酸化ポリタングステン酸溶液1〜10を得る。各過酸化ポリタングステン酸溶液1〜10をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の状態との関係を表2に併せて示す。但し、他の条件は実施例と同一である(以下、同様。)。また、△印は還元発色層にはじきを生じたことを示し、▲印は還元発色層にムラを生じたことを示し、×印は還元発色層に剥離が生じたことを示す(以下、同様。)。そして、一部の過酸化ポリタングステン酸溶液をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の膜厚(μm)との関係を図2に示す。

0023

ID=000004HE=125 WI=067 LX=1165 LY=0400
溶液Bを表3に示すX重量部のn−プロパノールで希釈し、過酸化ポリタングステン酸溶液11〜17を得る。各過酸化ポリタングステン酸溶液11〜17をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の状態との関係を表3に併せて示す。また、一部の過酸化ポリタングステン酸溶液をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の膜厚(μm)との関係を図3に示す。

0024

ID=000005HE=095 WI=067 LX=0265 LY=0300
溶液Cを表4に示すX重量部のn−プロパノールで希釈し、過酸化ポリタングステン酸溶液18〜27を得る。各過酸化ポリタングステン酸溶液18〜27をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の状態との関係を表4に併せて示す。また、一部の過酸化ポリタングステン酸溶液をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の膜厚(μm)との関係を図4に示す。

0025

ID=000006HE=125 WI=067 LX=1165 LY=0300
溶液Dを表5に示すX重量部のn−プロパノールで希釈し、過酸化ポリタングステン酸溶液28〜37を得る。各過酸化ポリタングステン酸溶液28〜37をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の状態との関係を表5に併せて示す。また、一部の過酸化ポリタングステン酸溶液をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の膜厚(μm)との関係を図5に示す。

0026

ID=000007HE=125 WI=067 LX=0265 LY=0300
溶液Eを表6に示すX重量部のn−プロパノールで希釈し、過酸化ポリタングステン酸溶液38〜47を得る。各過酸化ポリタングステン酸溶液38〜47をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の状態との関係を表6に併せて示す。また、一部の過酸化ポリタングステン酸溶液をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の膜厚(μm)との関係を図6に示す。

0027

ID=000008HE=125 WI=067 LX=1165 LY=0300
溶液Fを表7に示すX重量部のn−プロパノールで希釈し、過酸化ポリタングステン酸溶液48〜57を得る。各過酸化ポリタングステン酸溶液48〜57をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の状態との関係を表7に併せて示す。また、一部の過酸化ポリタングステン酸溶液をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の膜厚(μm)との関係を図7に示す。

0028

ID=000009HE=125 WI=067 LX=0265 LY=0300
溶液Gを表8に示すX重量部のn−プロパノールで希釈し、過酸化ポリタングステン酸溶液58〜67を得る。各過酸化ポリタングステン酸溶液58〜67をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の状態との関係を表8に併せて示す。また、一部の過酸化ポリタングステン酸溶液をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の膜厚(μm)との関係を図8に示す。

0029

ID=000010HE=125 WI=067 LX=1165 LY=0300
表2〜8及び図2〜8より、過酸化ポリタングステン酸溶液は、IPA粉末が100重量部であり、水が120重量部以下であり、有機溶媒としてのn−プロパノールが80重量部以上であれば、還元発色層のムラや剥離を有効に防止できることがわかる。また、過酸化ポリタングステン酸溶液は、IPA粉末が100重量部であり、水が20重量部以上120重量部以下であり、有機溶媒としてのn−プロパノールが80重量部以上800重量部以下であれば、還元発色層のムラや剥離をより有効に防止できることがわかる。
(試験2)還元発色層用組成物(過酸化ポリタングステン酸溶液)における他の有機溶媒について検討した。

0030

まず、実施例と同様に、IPA粉末を合成する。このIPA粉末を純水に溶解させることにより、重量部で、上記表1の組成をもつ溶液Bを得る。溶液Bを表9に示すX重量部の2−エトキシエタノールで希釈し、過酸化ポリタングステン酸溶液68〜77を得る。各過酸化ポリタングステン酸溶液68〜77をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の状態との関係を表9に併せて示す。また、一部の過酸化ポリタングステン酸溶液をディップコーティング法に供した場合の引き上げ速度(cm/min)と還元発色層の膜厚(μm)との関係を図9に示す。

0031

ID=000011HE=125 WI=067 LX=0265 LY=0350
表9及び図9より、有機溶媒として、2−エトキシエタノールを採用できることがわかる。

0032

また、他の有機溶媒として、ジメチルホルムアミドを採用することも可能ではあるが、発明者らの試験結果によれば、ジメチルホルムアミドを採用した組成物では数時間でIPA粉末の沈澱が生じたため、使用が困難であった。なお、上記実施例及び試験1、2では、湿式法のうちディップコーティング法で組成物の塗布を行ったが、本発明の組成物は他の湿式法にも適用可能である。但し、湿式法のうちスピンコーティング法を実行する場合は、製造コストの高騰を伴うことなく可能であるのは、30cm四方程度の基板を回転させる場合であり、より大型のEC素子を安価に製造することは一般に困難である。

0033

また、上記実施例及び試験1、2では、クロミック素子のうちEC素子を例にとって説明したが、本発明の組成物は、EC素子に限られず、サーモクロミック素子、フォトクロミック素子等、W、Nb、Mo及びVの少なくとも一種の酸化物粉末からなる還元発色層をもつ他のクロミック素子にも適用可能である。

発明の効果

0034

以上詳述したように、請求項1〜3のクロミック素子の発色層用組成物では、各請求項記載の構成を採用しているため、ディップコーティング法等の湿式法における発色層のムラや剥離の発生を有効に防止することができる。

0035

したがって、この組成物を採用すれば、ディップコーティング法等の湿式法の実用性が高まり、大型のクロミック素子を安価にかつ確実に製造することが可能になる。

図面の簡単な説明

0036

図1EC素子の模式断面図である。
図2n−プロパノールを用いた溶液Aに係り、引き上げ速度と膜厚との関係を示すグラフである。
図3n−プロパノールを用いた溶液Bに係り、引き上げ速度と膜厚との関係を示すグラフである。
図4n−プロパノールを用いた溶液Cに係り、引き上げ速度と膜厚との関係を示すグラフである。
図5n−プロパノールを用いた溶液Dに係り、引き上げ速度と膜厚との関係を示すグラフである。
図6n−プロパノールを用いた溶液Eに係り、引き上げ速度と膜厚との関係を示すグラフである。
図7n−プロパノールを用いた溶液Fに係り、引き上げ速度と膜厚との関係を示すグラフである。
図8n−プロパノールを用いた溶液Gに係り、引き上げ速度と膜厚との関係を示すグラフである。
図92−エトキシエタノールを用いた溶液Bに係り、引き上げ速度と膜厚との関係を示すグラフである。

--

0037

1…第1透明基板2…第1透明電極層 3…還元発色層
4…電解質層5…酸化発色層6…第2透明電極層
7…第2透明基板

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