図面 (/)
目的
構成
概要
背景
対象物の二値画像を得るためには、二値化のためのしきい値が設定される。このしきい値を一定にすると、対象物を照明するための照明の照度が変化したときに適正な二値画像が得られなくなる。
このため、たとえば特開平5−67202号公報に示されるように、対象物のしきい値が適正な場合、過大な場合、過小な場合の二値画像条件をあらかじめ設定しておき、対象物の画像を初期しきい値によって二値化して二値画像を得、この二値画像と前記二値画像条件とを比較してしきい値を補正し、これによってしきい値を適正なものに順次更新してゆく方法がある。
また、たとえば特開昭62−61185号公報に示されるように、しきい値にもとづいて二値画像面積を求め、この面積の変化を二次微分することによって得られた極性反転点におけるしきい値を平均することによって適正なしきい値を求める方法や、たとえば特開平2−55953号公報に示されるように、画像の濃度ヒストグラムをしきい値によって二つの階級に分け、これらの階級間の分散および分散の比が最大となる濃度値、差分値が極小となる濃度値をしきい値の上限および下限とし、この下限から上限までの範囲内において面積変化が最小となるものを適正なしきい値とする方法がある。
これらによれば、しきい値が一定とされているものと比べて、より適正な二値画像が得られる。
概要
対象物の形状に対する限定を緩和し、処理時間の短縮を図ることのできる画像処理方法を提供する。
対象物からの反射光を映像信号に変換し、しきい値にもとづいて前記映像信号を二値画像に変換する画像処理方法において、前記しきい値と前記対象物を載置する照明面における平均照度との関係から一次式の傾きを算出し、この傾きに前記平均照度を乗じたものに前記一次式のy切片を加えたものを前記二値画像の適正しきい値とすることを特徴とする。
目的
この発明は、このような実情を背景としてなされたもので、対象物の形状に対する限定を緩和し、処理時間の短縮を図ることのできる画像処理方法を提供することを目的としている。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
背景技術
0003
このため、たとえば特開平5−67202号公報に示されるように、対象物のしきい値が適正な場合、過大な場合、過小な場合の二値画像条件をあらかじめ設定しておき、対象物の画像を初期しきい値によって二値化して二値画像を得、この二値画像と前記二値画像条件とを比較してしきい値を補正し、これによってしきい値を適正なものに順次更新してゆく方法がある。
0004
また、たとえば特開昭62−61185号公報に示されるように、しきい値にもとづいて二値画像面積を求め、この面積の変化を二次微分することによって得られた極性反転点におけるしきい値を平均することによって適正なしきい値を求める方法や、たとえば特開平2−55953号公報に示されるように、画像の濃度ヒストグラムをしきい値によって二つの階級に分け、これらの階級間の分散および分散の比が最大となる濃度値、差分値が極小となる濃度値をしきい値の上限および下限とし、この下限から上限までの範囲内において面積変化が最小となるものを適正なしきい値とする方法がある。
0005
これらによれば、しきい値が一定とされているものと比べて、より適正な二値画像が得られる。
発明が解決しようとする課題
0006
しかしながら、特開平5−67202号公報に示される方法では、対象物の形状が限定されるため、汎用性に欠けるという欠点がある。また、特開平2−55953号公報に示される方法にも言えることだが、しきい値を変化させながら何度か二値画像を生成する必要があり、処理時間がかかるという欠点がある。
0007
特開平2−55953号公報に示される方法では、複雑な数値演算を必要とするため、やはり処理時間がかかるという欠点がある。
課題を解決するための手段
0009
この発明は、上記の目的を達成するため、対象物からの反射光を映像信号に変換し、しきい値にもとづいて前記映像信号を二値画像に変換する画像処理方法において、前記しきい値と前記対象物を載置する照明面における平均照度との関係から一次式の傾きを算出し、この傾きに前記平均照度を乗じたものに前記一次式のy切片を加えたものを前記二値画像の適正しきい値とすることを特徴としている。
0010
この発明の画像処理方法によれば、映像信号を二値画像に変換するためのしきい値は、前記対象物が載置される照明面における平均照度に比例する。したがって、この比例関係を表す一次式の傾きに前記平均照度を乗じたものに前記一次式のy切片を加えたものを二値画像の適正しきい値とすることができる。
0011
以下、この発明を、図面に示す実施例にもとづいて説明する。
0012
図2に示す装置は、この発明を適用する画像処理検査装置1で、対象物2の画像を撮像するカメラ3と、対象物2を照明するための照明装置4と、対象物2を載置、移動させるハンドリング装置5と、カメラ3で得られた画像を処理する画像処理部6とから大略構成されている。
0015
画像処理部6は、カメラ3のCCD素子から出力される映像信号をアナログ・デジタル変換するAD変換部6aと、取り込んだ画像を記憶する画像メモリ6bと、画像処理をおこなう画像演算部6cとから構成されている。
0016
対象物2は、図3に示すように、円盤2aと筒2bとから構成され、筒2bから円盤2aにわたって貫通孔2cが形成されている。画像処理検査装置1は、この貫通孔2cの形状の良否の検査をおこなうものである。なお、カメラ3と対象物2との距離は、図4に示すように、貫通孔2cが撮像画面7にできるだけ大きく撮像されるように設定されている。
0017
このような構成の画像処理検査装置1に適用する画像処理方法の原理は、図5に示すように、対象物2をカメラ3で撮像した場合、対象物2のある点の輝度と、撮像画面の対応する点の照明濃度とが比例関係にあることによる。この点に着目すれば、拡散面4aを備え表面の輝度が一様とされた照明装置4の前(上)に対象物2を設置し、透過照明方式によって対象物2の画像を得る場合、適正しきい値THは、式のようになる。
0018
TH=a・Avg…
ここで、Avgは、照明濃度であり、aは、ある照明濃度Avg0において適正なしきい値がTH0で与えられたときに、式で与えられる定数である。
0019
a=TH0/Avg0…
ところで、実際には、カメラ3の映像信号の出力には、対象物2の照明濃度が0であっても出力される暗電流や、対象物2の輪郭部分における回折、照明光の回り込みによる対象物2の表面の濃度変化、カメラ3のCCD素子のブルーミング現象などによって、式では適正なしきい値が得られないことが多い。
0022
まず、ある任意の照明濃度において、対象物2を所定の位置にセットする(ステップS1)。そして、適正な二値画像I0が得られるためのしきい値を設定する(ステップS2)。
0023
つぎに、二値画像I0における貫通孔2cの内周まわりの面積S0を計測して記憶する。そして、照明濃度を変化させて(ステップS4)、カメラ3によって画像を取り込む(ステップS5)。このとき、平均照明濃度AvgがステップS6によって計測される。
0024
この平均照明濃度Avgのもとで、対象物2を、再び所定の位置にセットし直し(ステップS7)、しきい値を一旦0として(ステップS8)画像を取り込む(ステップS9)。そして、二値画像を得て(ステップS10)、この二値画像における貫通孔2cの内周まわりの面積Sを計測する(ステップS11)。
0025
このようにして得られた面積Sと前記面積S0との大小をステップS12で比較し、S≧S0の場合には、対象物2の貫通孔2cの面積S0と適正なしきい値における面積Sとが最も近くなるしきい値THと、その一つ手前のしきい値TH1とを選出する(ステップS13および14)。
0026
S<S0の場合には、THをTHLOWとし、SをSLOWとして(ステップS15)、適正なしきい値THSを式によって求める(ステップS16)。
0027
THS=(SLOW−S0)/(SLOW−SHI)+THLOW…
ここで、SHIは、ステップS13において更新されてゆく面積である。
0028
以上のステップを、数回〜数十回繰り返し(ステップS17)、平均照明濃度と適正なしきい値との対応したデータ群が得られる(ステップS18)。このようにして得られたデータ群から、最小自乗法によって、前記式における定数a、bを求めることができる(ステップS19)。つまり、平均照明濃度としきい値との関係を一次式によって近似することができる。
0029
なお、定数a、bは、あらかじめのテストによって設定されるため、暗電流やブルーミングなどがある場合であっても、それらによるノイズをすでに含んでいるため、精度の高いしきい値を設定することができる。また、対象物2は、所定の位置に精度よく固定されているので、照明光の回り込みによる対象物2の表面の照明濃度変化の再現性も良好なものとなり、しきい値の精度に影響を与えるものとはならない。
0030
以上の方法によって得られた結果を図6および図7に示す。図6は、式によって得られた一次式を示し、図7は、この一次式にもとづいて設定された可変なしきい値にもとづく二値画像の面積分布を示している。
0031
このように、映像信号を二値画像に変換するためのしきい値が、対象物が載置される照明面における平均照度に比例することにもとづいて、この比例関係を表す一次式の傾きに前記平均照度を乗じたものに前記一次式のy切片を加えたものを二値画像の適正しきい値とすることができる。
発明の効果
0032
以上説明したように、この発明によれば、対象物の形状に対する限定を緩和し、処理時間の短縮を図ることのできる画像処理方法を提供することができるという効果がある。
図面の簡単な説明
0033
図1この発明の実施例に係る画像処理方法の要部を構成するフローチャートである。
図2同画像処理方法を適用する画像処理検査装置の概略図である。
図3同画像処理方法により検査される対象物の概略図である。
図4同対象物の画像の一例である。
図5理想的な適正しきい値を示す一次式のグラフである。
図6適正しきい値を設定するための一次式のグラフである。
図7検査結果をプロットしたグラフである。
--
0034
2対象物
3CCDカメラ
6画像処理部
技術視点だけで見ていませんか?
この技術の活用可能性がある分野
分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成