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技術 静電吸着された被処理基板の離脱機構を持つプラズマ処理装置および静電吸着された被処理基板の離脱方法

出願人 キヤノンアネルバ株式会社東京エレクトロン株式会社
発明者 真白すぴか長田智明
出願日 1995年1月13日 (25年5ヶ月経過) 出願番号 1995-004240
公開日 1995年10月13日 (24年8ヶ月経過) 公開番号 1995-263531
状態 特許登録済
技術分野 プラズマの発生及び取扱い 工作機械の治具 物理蒸着 半導体のドライエッチング ウエハ等の容器,移送,固着,位置決め等 ウエハ等の容器、移送、固着、位置決め等 特殊な電動機、発電機 超音波モータ、圧電モータ、静電モータ
主要キーワード 円形台 ひろげる 電極保持体 直流電位差 離脱機構 利用面積 持ち上げの 離脱力
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

目的

静電吸着電極から被処理基板を迅速、確実且つ安全に離脱出来る機構を備えたプラズマ処理装置および被処理基板の離脱方法を提供することを目的としている。

構成

静電吸着クランプ機構を備えたプラズマ処理装置において、真空槽10に静電吸着電極面から突出可能なリフトピン9と、空気、希ガス無機ガス、もしくは窒素酸素水素イオウ塩素またはフッ素原子のうち少なくとも1種を含むガスの1つ又は複数の混合ガス導入機構1を備え、混合ガスの圧力を所定の圧力に保持するための圧力制御系7、7a、7bを有する装置である。被処理基板5を離脱する際、リフトピン9で離脱力を与えると共に、前記混合ガスの圧力を所定の圧力(0.1〜500Pa)に維持する。

概要

背景

減圧下で半導体ウエハ等の被処理基板表面加工処理を行なうプラズマ処理装置においては、プラズマから被処理基板が受ける熱を効率良く奪い、被処理基板が温度上昇により不可逆的なダメージを受けることを防止するため、被処理基板を支持する電極の温度の上昇を防止する温調機構と、被処理基板と電極との熱伝導の効率を上げる手段を備える必要がある。被処理基板と電極との熱伝導の効率を上げる手段としては、被処理基板の上から機械的に力を電極に向けて加えて固定する、所謂メカニカルクランプ機構や、電極上に誘電体を介して被処理基板を置き、前記電極と被処理基板との間に直流電圧印加したり、プラズマにより被処理基板に誘起される自己バイアス電圧により、静電吸着による固定を行なう静電吸着クランプ機構により被処理基板と電極との間隔を狭め、接触面積を増加させる方法や、これらの機構に加えて、被処理基板と電極との間隙をHe等のガスで満たし、対流を発生させる方法が知られている。

しかしながら、最近は被処理基板が大型化する傾向にある上、基板の有効利用面積の拡大の要請が高まっているため、メカニカルクランプではより小さくかつ少数クランプ用爪を基板の縁部に近いところで使って基板を電極に押し付けなくてはならず、基板のひずみが発生し、また被処理基板と電極との熱伝導の向上にガスを併用する場合にはガス圧を所望の値に保持出来ないなどの不都合があった。また、クランプのための爪と被処理基板との機械的接触や、クランプのための爪に付着した反応生成物剥離などによりパーティクルが発生しやすくなるという問題がある。

これに対し静電吸着による被処理基板の固定方法はプラズマを乱すことなく被処理基板の全面に亘って均等な力で固定することが出来、本質的に大型の被処理基板に適した固定方法である。

しかしながら、静電吸着クランプ機構を用いる場合、被処理基板と静電吸着電極との間に介在する誘電体内の残留電荷により生ずる電位差のために、プラズマ処理終了後も吸着力が減少せず、被処理基板を迅速、確実且つ安全に離脱することが困難である。

従来、静電吸着された被処理基板を離脱する方法としては、大別して次の2種がある。

(1)機械的手段による離脱機構
(1−1)静電吸着電極表面からピンもしくはピストン等の機械的離脱力付与手段を突出させる方法。
(1−2)高圧力のガスを静電吸着電極内部に設けた導入管より、被処理基板と静電吸着電極との間隙に導入し、ガス圧の膨張力をもって離脱力を付与する方法。
(2)電気的手段による離脱機構
(2−1) 静電吸着電極と被処理基板に印加する電圧極性反転することにより、両者に介在する絶縁物の残留電荷を消去させて吸着力の消滅を図る方法。
(2−2) 静電吸着電極と被処理基板の電位を接地電位にし、吸着力の消滅を図る方法。
(2−3) 被処理基板が半導体ウエハの場合には、プラズマが存在する状態で直流電圧をゼロにしてプラズマを介して残留電荷を消失させる方法。

概要

静電吸着電極から被処理基板を迅速、確実且つ安全に離脱出来る機構を備えたプラズマ処理装置および被処理基板の離脱方法を提供することを目的としている。

静電吸着クランプ機構を備えたプラズマ処理装置において、真空槽10に静電吸着電極面から突出可能なリフトピン9と、空気、希ガス無機ガス、もしくは窒素酸素水素イオウ塩素またはフッ素原子のうち少なくとも1種を含むガスの1つ又は複数の混合ガス導入機構1を備え、混合ガスの圧力を所定の圧力に保持するための圧力制御系7、7a、7bを有する装置である。被処理基板5を離脱する際、リフトピン9で離脱力を与えると共に、前記混合ガスの圧力を所定の圧力(0.1〜500Pa)に維持する。

目的

以上の如くの問題点に鑑みてなされた本発明は、静電吸着電極から被処理基板を迅速、確実且つ安全に離脱出来る機構を備えたプラズマ処理装置および被処理基板の離脱方法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
7件

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請求項1

電極上に誘電体を介して被処理基板を置き、前記電極と被処理基板との間の直流電位差による静電吸着によって被処理基板の固定を行なう静電吸着クランプ機構を備え、減圧下で被処理基板の加工処理を行なうプラズマ処理装置において、被処理基板の離脱動作が行なわれるチャンバーに、静電吸着電極面から突出可能なピンもしくはピストン等の機械離脱力付与手段と、空気、希ガス無機ガスもしくは窒素酸素水素イオウ塩素またはフッ素原子のうち少なくとも1種を含む混合ガス被処理基板周辺に供給する為のガス導入機構とを備えると共に、被処理基板の離脱動作が行なわれるチャンバー内の圧力を所定の圧力に保持するための圧力制御系を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。

請求項2

機械的離脱力付与手段、ガス導入機構および圧力制御系に対するシーケンサを更に備えている請求項1記載のプラズマ処理装置。

請求項3

静電吸着による固定は、電極と被処理基板との間に印加した直流電圧又は、電極と、被処理基板の置かれた真空槽内に発生させたプラズマによる被処理基板の自己バイアスにより生じる電位差で静電吸着させて固定を行なうことを特徴とする請求項1または2記載のプラズマ処理装置。

請求項4

ガス導入機構は、被処理基板の加工処理を行なうプラズマ処理プロセスガスの導入機構と共通又は別個とした請求項1または2記載のプラズマ処理装置。

請求項5

機械的離脱力付与手段は、静電吸着電極の吸着面内の、被処理基板の縁部以外の位置に設けてある請求項1または2記載のプラズマ処理装置。

請求項6

機械的離脱力付与手段は、静電吸着電極の吸着面内の円周に沿って、等間隔で突没自在に設けた複数のピンで構成した請求項1または2記載のプラズマ処理装置。

請求項7

機械的離脱力付与手段は、静電吸着電極の吸着面内に、吸着面と面一で、突没自在に設けた円形台で構成した請求項1または2記載のプラズマ処理装置。

請求項8

機械的離脱力付与手段は、ピンまたは円形台の吸着面から突出する高さを調節する駆動機構を有する請求項6または7記載のプラズマ処理装置。

請求項9

静電吸着電極に静電吸着により固定された被処理基板を離脱する方法であって、前記被処理基板に静電吸着電極の吸着面から突出可能なピンもしくはピストン等の機械的離脱力付与手段を用いて離脱力を与えると共に、被処理基板の近傍において、空気、希ガス、無機ガスもしくは窒素、酸素、水素、イオウ、塩素またはフッ素原子のうち少なくとも1種を含むガスの所定圧力雰囲気を維持することを特徴とする被処理基板の離脱方法

請求項10

静電吸着電極に静電吸着された被処理基板を離脱する方法であって、前記被処理基板と静電吸着電極の吸着面の間に微間隙を形成することによって、被処理基板の近傍で放電を発生させた後、被処理基板を静電吸着電極から引き離すことを特徴とする被処理基板の離脱方法。

請求項11

微間隙の形成は、基板周辺の雰囲気中に存在するガスの圧力を所定圧力に設定した後に行う請求項10記載の被処理基板の離脱方法。

請求項12

微間隙を形成した後、被処理基板周辺の雰囲気中に存在するガスの圧力を所定圧力に設定する請求項10記載の被処理基板の離脱方法。

請求項13

被処理基板と吸着面の間に形成する微間隙は、約0.1mmから約1mmの微間隙とする請求項10乃至12のいずれか1項記載の被処理基板の離脱方法。

請求項14

被処理基板周辺の雰囲気中に存在するガスの圧力は、0.1Paから500Paの圧力にする請求項9乃至13のいずれか1項記載の被処理基板の離脱方法。

請求項15

被処理基板と静電吸着電極間で発生させる放電は、DC放電とした請求項9乃至14のいずれか1項記載の被処理基板の離脱方法。

請求項16

被処理基板の静電吸着電極からの引き離しは、被処理基板と静電吸着電極との電位差が、放電を維持するのに必要とする電位以下になったときに行う請求項9乃至15のいずれか1項記載の被処理基板の離脱方法。

請求項17

直径8インチの被処理基板の表面電位が220V以下となったときに、被処理基板の静電吸着電極からの引き離しを行う請求項16記載の被処理基板の離脱方法。

請求項18

被処理基板周辺の雰囲気中に、窒素ガスを流量200sccmで導入し、圧力を20Paに設定する請求項9乃至17のいずれか1項記載の被処理基板の離脱方法。

請求項19

被処理基板周辺の雰囲気中に存在するガスは、被処理基板離脱前に被処理基板を処理するガスとする請求項9乃至17のいずれか1項記載の被処理基板の離脱方法。

請求項20

被処理基板を処理するガスは、CF4 ガスとO2 ガスの混合ガスとする請求項19記載の被処理基板の離脱方法。

請求項21

被処理基板を処理するガスは、CF4 ガスとCHF3 ガスの混合ガスとする請求項19記載の被処理基板の離脱方法。

請求項22

微間隙の形成は、吸着面から基板へ向けてピン又は円形台を突出させて行う請求項10乃至12のいずれか1項記載の被処理基板の離脱方法。

請求項23

ピン又は円形台の突出高さは、被処理基板が破損しない程度の高さとする請求項22記載の被処理基板の離脱方法。

請求項24

ピン又は円形台の突出高さは、約0.1mmから約1mmの高さとする請求項23記載の被処理基板の離脱方法。

技術分野

0001

本発明は、半導体製造装置等に応用されるプラズマ処理装置に関する。より詳細には静電吸着電極から被処理基板を迅速、確実且つ安全に離脱出来る機構を備えたプラズマ処理装置および被処理基板の離脱方法に関する。

背景技術

0002

減圧下で半導体ウエハ等の被処理基板の表面加工処理を行なうプラズマ処理装置においては、プラズマから被処理基板が受ける熱を効率良く奪い、被処理基板が温度上昇により不可逆的なダメージを受けることを防止するため、被処理基板を支持する電極の温度の上昇を防止する温調機構と、被処理基板と電極との熱伝導の効率を上げる手段を備える必要がある。被処理基板と電極との熱伝導の効率を上げる手段としては、被処理基板の上から機械的に力を電極に向けて加えて固定する、所謂メカニカルクランプ機構や、電極上に誘電体を介して被処理基板を置き、前記電極と被処理基板との間に直流電圧印加したり、プラズマにより被処理基板に誘起される自己バイアス電圧により、静電吸着による固定を行なう静電吸着クランプ機構により被処理基板と電極との間隔を狭め、接触面積を増加させる方法や、これらの機構に加えて、被処理基板と電極との間隙をHe等のガスで満たし、対流を発生させる方法が知られている。

0003

しかしながら、最近は被処理基板が大型化する傾向にある上、基板の有効利用面積の拡大の要請が高まっているため、メカニカルクランプではより小さくかつ少数クランプ用爪を基板の縁部に近いところで使って基板を電極に押し付けなくてはならず、基板のひずみが発生し、また被処理基板と電極との熱伝導の向上にガスを併用する場合にはガス圧を所望の値に保持出来ないなどの不都合があった。また、クランプのための爪と被処理基板との機械的接触や、クランプのための爪に付着した反応生成物剥離などによりパーティクルが発生しやすくなるという問題がある。

0004

これに対し静電吸着による被処理基板の固定方法はプラズマを乱すことなく被処理基板の全面に亘って均等な力で固定することが出来、本質的に大型の被処理基板に適した固定方法である。

0005

しかしながら、静電吸着クランプ機構を用いる場合、被処理基板と静電吸着電極との間に介在する誘電体内の残留電荷により生ずる電位差のために、プラズマ処理終了後も吸着力が減少せず、被処理基板を迅速、確実且つ安全に離脱することが困難である。

0006

従来、静電吸着された被処理基板を離脱する方法としては、大別して次の2種がある。

0007

(1)機械的手段による離脱機構
(1−1)静電吸着電極表面からピンもしくはピストン等の機械的離脱力付与手段を突出させる方法。
(1−2)高圧力のガスを静電吸着電極内部に設けた導入管より、被処理基板と静電吸着電極との間隙に導入し、ガス圧の膨張力をもって離脱力を付与する方法。
(2)電気的手段による離脱機構
(2−1) 静電吸着電極と被処理基板に印加する電圧極性反転することにより、両者に介在する絶縁物の残留電荷を消去させて吸着力の消滅を図る方法。
(2−2) 静電吸着電極と被処理基板の電位を接地電位にし、吸着力の消滅を図る方法。
(2−3) 被処理基板が半導体ウエハの場合には、プラズマが存在する状態で直流電圧をゼロにしてプラズマを介して残留電荷を消失させる方法。

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、上記の各種従来技術には、いずれも原理的もしくは実用上次のような問題があった。

0009

(1)機械的手段による強制的離脱による問題点
(1−1)静電吸着電極表面から突出可能なピンもしくはピストン等の機械的離脱力付与手段を突出させる方法は、残留電荷による吸着力が被処理基板全面に均等に作用している状態で被処理基板の一部に離脱する力を無理に加える。この為、その力が加えられた部分で、被処理基板の変形や破壊を招く可能性が大きい。
(1−2) また、機械的離脱機構と被処理基板とが接触摩擦されることによるパーティクルの発生という問題もある。
(1−3)ガス圧の膨張力により被処理基板を離脱させる場合、被処理基板が、例えばシリコンウエハのように軽い被処理基板においては、離脱の瞬間、ウエハが吹き上げられ、著しくはウエハの破損に至る難点があった。

0010

(2)電気的手段による残留電荷消去の問題点
(2−1)印加電圧極性反転により絶縁体中の残留電荷を消去させようとする場合、ただ1回の極性反転によって残留電荷を過不足なしの完全消去状態とすることは実際上困難である。これを克服するため、印加電圧の極性を繰返し反転させつつ、徐々にその値を小さくしてゆき、最終的にゼロにするというプロセスが不可避であった。このためこの極性反転法のみによるならば、離脱を行うために必ず数十秒以上の長時間を要する。
(2−2)静電吸着電極と被処理基板をともに接地する方法は、被処理基板の裏面に誘電体の薄膜、例えば、SiO2 膜が存在する場合、その誘電体膜の残留電荷を完全になくすまでの時定数が非常に大きく、実用的でない。
(2−3)プラズマが存在する状態で直流電圧をゼロにしてプラズマを介して残留電荷を消失させる方法は、吸着力の減少により被処理基板と静電吸着電極との熱伝導が悪化し、被処理基板の温度上昇を招くおそれがある。また、直流電圧をゼロにしてプラズマの存在する時間の設定が不適切であると、残留電荷が多く残っていたり、被処理基板に生ずる自己バイアスにより再度帯電したりして、吸着力を充分に下げることができない。

0011

以上の如くの問題点に鑑みてなされた本発明は、静電吸着電極から被処理基板を迅速、確実且つ安全に離脱出来る機構を備えたプラズマ処理装置および被処理基板の離脱方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、前記問題点を解決するために、電極上に誘電体を介して被処理基板を置き、前記電極と被処理基板との間の直流電位差による静電吸着によって被処理基板の固定を行なう静電吸着クランプ機構を備え、減圧下で被処理基板の加工処理を行なうプラズマ処理装置において、被処理基板の離脱動作が行なわれるチャンバーに、静電吸着電極面から突出可能なピンもしくはピストン等の機械的離脱力付与手段と、空気、希ガス無機ガスもしくは窒素酸素水素イオウ塩素またはフッ素原子のうち少なくとも1種を含む混合ガス被処理基板周辺に供給する為のガス導入機構とを備えると共に、被処理基板の離脱動作が行なわれるチャンバー内の圧力を所定の圧力に保持するための圧力制御系を備えたことを特徴とする。

0013

機械的離脱力付与手段、ガス導入機構および圧力制御系に対するシーケンサを更に備えるのが、動作の自動化の点で望ましい。

0014

機械的離脱力付与手段は、静電吸着電極の吸着面内の、被処理基板の縁部以外と対向する位置に設けるのが好ましい。この機械的離脱力付与手段は、たとえば、前記吸着面内の、円周に沿って、等間隔で、突没自在に設けた複数のピンで構成する。また、別な例として、吸着面内に、吸着面と面一で、突没自在に設けた円形台で構成する。

0015

さらに、好ましくは、機械的離脱力付与手段に、ピンまたは円形台の吸着面から突出する高さを調節する駆動機構を設ける。

0016

また、本発明の静電吸着された被処理基板の離脱方法は、前記の如くのプラズマ処理装置において、静電吸着電極に静電吸着により固定された被処理基板を離脱する方法であって、前記被処理基板に静電吸着電極の吸着面から突出可能なピンもしくはピストン等の機械的離脱力付与手段を用いて離脱力を与えると共に、被処理基板の近傍において空気、希ガス、無機ガスもしくは窒素、酸素、水素、イオウ、塩素またはフッ素原子のうち少なくとも1種を含む混合ガスの所定圧力雰囲気を維持することを特徴としている。

0017

また、静電吸着により電極に固定された被処理基板と静電吸着電極の吸着面との間に微間隙を形成することで、その微間隙の形成により被処理基板と静電吸着電極との間の電位差を増大させ、被処理基板周辺の雰囲気中に存在するガス(以下「雰囲気ガス」と呼ぶ)を放電用ガスとして、被処理基板近傍で放電を発生させる。その放電により帯電したガス粒子が、帯電した被処理基板を除電する。そして、この除電後に被処理基板を静電吸着電極から引き離すことを特徴としている。

0018

被処理基板の近傍で放電を発生させるために、被処理基板と静電吸着電極間の電位差が放電開始電圧以上となるように、その微間隙を設定し、さらにパッセン法則に従って、その雰囲気ガスの圧力を設定する。微間隙を設定した後圧力を設定する場合と、圧力を設定した後、微間隙を設定する場合がある。

0019

前記微間隙の間隔は、約0.1mm以上から約1mm以下に設定することが好ましい。

0020

この微間隙の間隔の範囲内で、雰囲気ガスの圧力は、0.1Paから500Paに設定することが好ましい。

0021

被処理基板と静電吸着電極間に生じる電位差は、その微間隙の間隔に比例する。被処理基板近傍に発生する放電は、DC放電である。

0022

放電後、被処理基板と静電吸着電極との電位差が放電維持電位以下になったときに、被処理基板を静電吸着電極から引き離す。たとえば、8インチの被処理基板でその表面電位が220V以下となったときに被処理基板を静電吸着電極から引き離す。

0023

雰囲気ガスとして好ましくは、流量200sccm、圧力20Paで窒素ガスを導入する。

0024

または、雰囲気ガスは、被処理基板を処理するガスとする。たとえば、被処理基板を処理するガスをCF4 +O2 、または、CF4 +CHF3 とする。

0025

被処理基板と静電吸着電極との間に微間隙を形成するために、静電吸着電極面からピンが突出する。

0026

このピンの高さは、被処理基板が破損しない程度の高さに調整する。好ましくは、ピンの高さを、約0.1mm以上から約1mm以下に設定する。

0027

本発明にとって、被処理基板の近傍でDC放電を発生させることがもっとも重要な役割をはたす。このDC放電によって帯電した気体分子が、帯電した被処理基板を除電する。

0028

このDC放電を発生させる条件は、アースに対する被処理基板の電位差Φs、被処理基板近傍のアースされた部品、たとえば対向電極または真空容器の壁面と被処理基板との距離Dおよび被処理基板周辺に存在するガスの圧力Pとによって定められる。より詳細には、アースに対する被処理基板の電位差Φs が、パッセンの法則(またはパッセンの曲線(Paschen´s law))に従って、圧力と距離との積(P*D)で定められる放電開始電圧(Vs=f(P*D))と同じかまたはそれ以上のとき(Φs ≧Vs)に、被処理基板と基板近傍のアースされた部品との間にDC放電が発生する。

0029

さらに、本発明にとって、帯電した被処理基板と静電吸着用電極との間隔(微間隙)によって、被処理基板と静電吸着電極間の電位差を増加させることも、DC放電を発生させるうえで重要な役割をはたす。このような電位差が増加する現象は、理論的に、以下のように説明できる。アースに対する被処理基板の電位差Φs と静電吸着用電極の電位差Φd 間の電位差V=Φs −Φdは被処理基板の残留電荷の電気量Qと、
V=Q/C (a)
の関係がある。ここで、Cは静電容量を示す。一方、静電容量Cは、
C=εS/d (b)
で示される。ここで、εは被処理基板と静電吸着電極間の誘電率、Sは被処理基板の面積、dは被処理基板と静電吸着電極との間隔(微間隙)を示す。(b)式を(a)式に代入すると、
V=Qd/εS=kd (c)(kは定数
となる。ここで、被処理基板の残留電荷の電気量は、被処理基板が接地でもされなければ減ることはないので、Qは一定とみなすことができる。εは定数、Sも一定とみなすことができるので、結局、被処理基板と静電吸着電極間の電位差Vは、被処理基板と静電吸着電極との間隔d(図3参照)に比例するといえる。したがって、被処理基板と静電吸着電極との間隔dがひろがると、被処理基板と静電吸着電極間の電位差Vが大きくなる。

0030

さらに、被処理基板と静電吸着電極との間隔dがひろがることは、アースに対する被処理基板の電位差Φs が大きくなることを意味する。静電吸着電極の残留電荷Qから発生する電場E(=V/d=Q/εS=一定)は、被処理基板と静電吸着電極間の間隔dがひろがると、大きくなるといえる。
E=V/(D−d) (d)
(Dは真空容器の壁面と静電吸着電極の吸着面の間の距離と考える。)であり、前記(c)式を代入すると
E=kd/(D−d) (e)
となるからである。また、アースに対する被処理基板の電位差Φs は、電位差Vが大きくなれば、大きくなるとも言える。

0031

以上の観点から、たとえばピンを静電吸着電極の吸着面から突き上げて被処理基板を持ち上げる場合、被処理基板が持ち上がっていく過程で、アースに対する被処理基板の電位差Φs が、被処理基板と被処理基板近傍のどこかのアースされた部品との距離D(たとえば、被処理基板と対向電極との距離)と、被処理基板周辺の雰囲気ガスの圧力Pで定まる放電開始電圧Vsに達する。そのときに被処理基板と被処理基板近傍の部品との間にDC放電が発生するといえる。被処理基板近傍のどこで放電が発生するかは、被処理基板が持ち上がっていく過程(電位差V、すなわち基板の電位Φs が増加する過程)で、被処理基板と被処理基板近傍のアースされた部品の間の空間のうちで、最初にパッセンの法則に従った雰囲気にある空間で発生する。

0032

しかし、被処理基板と静電吸着用電極との間隔を無制限にひろげることはできない。被処理基板と静電吸着電極との間隔をひろげようとすると、被処理基板が変形または破壊するからである。間隔をひろげるためには、離脱するための力をより大きく加える必要がある。残留電荷による吸着力が被処理基板全面に均等に作用している状態で、大きな力が部分的に加えられると、その力が加えられた部分で容易に被処理基板がしなるかまたは折れる。したがって、被処理基板が変形または破壊しない程度に被処理基板と静電吸着電極との間隔を設定しなければならない。被処理基板と静電吸着電極とに微間隙を形成する程度で、被処理基板と静電吸着電極を離すのがもっともよい。この基板離脱方法を実施する離脱機構には、被処理基板を破損しないで被処理基板と静電吸着電極との間に微間隙を形成する程度にピンの突き出しの高さを調整する駆動機構を備えるのが望ましい。さらに、ピンが被処理基板の縁部以外の部分で持ち上げるように配置されていなければならない。発明者らは、被処理基板の縁部をもちげようとすると被処理基板の縁部が欠けたり、被処理基板が傾いて上がることが基板離脱の実験で知りえたからである。

0033

被処理基板と静電吸着電極との間が、微間隙を形成する程度の距離しか設定できないので、被処理基板の電位差の増大には上限があるといえる。被処理基板と静電吸着電極の距離、すなわち被処理基板の電位のみを調節することでDC放電の発生を操作するのが、実用上、困難な場合がある。このような場合に、DC放電の発生を操作するには、パッセンの法則にしたがって、被処理基板周辺に存在するガスの圧力を制御することがもっとも簡単といえる。被処理基板周辺に存在するガスとは、被処理基板近傍でDC放電を発生させる雰囲気を形成できるガスであればなんでもよい。たとえば、窒素、酸素、水素、イオウ、塩素またはフッ素原子のうち少なくとも1種を含む混合ガス等、処理用ガス基板処理後に残った残留ガス、または、残留ガスを追い出すためのパ−ジガスでもよい。ガスの圧力を制御する観点から、真空容器に導入されるガス、すなわち処理用ガスまたはパージガスを使用するのがもっともよい。

0034

発明者らは、静電吸着のために静電吸着電極に印加する電圧と無関係に、8インチ半導体ウエハと静電吸着電極間が約0.1mmでは、アースに対するウエハの電位差は約4,000V、約1mmでは約40,000Vであることを発見した。また、この電位差の範囲で、N2ガスの圧力を0.1Paから500Paに設定するとDC放電が発生することを発見した。後述するように、発明者らは、この圧力範囲で10秒以内に被処理基板を離脱することができた。しかも、被処理基板の残留電荷が完全には消失されない段階でも、被処理基板の表面電位が放電維持電位以下であれば、ピンで引続き徐々に被処理基板を持ち上げることにより、静電吸着電極の吸着面から被処理基板を引き離すことができた。発明者らは、8インチの半導体ウエハの表面電位が220Vに達したときに静電吸着電極から引き離すという条件で2,500枚の半導体ウエハを連続して離脱しても、半導体ウエハに損傷なく、正確に離脱ができたことを確認した。表1は、リアクティブイオンエッチング装置中で静電吸着電極に−1000Vの直流電圧を印加して静電吸着電極の吸着面に固定した半導体ウエハにエッチング処理をしたあとに3通りの方法で基板を離脱したときの基板の表面電位をしめす。直流電圧印可停止後、(1)静電吸着電極の吸着面からピンを突き出して半導体ウエハを持ち上げる瞬間に、窒素ガスをウエハの置かれた真空容器内に導入し、圧力20Paに保持したまま、半導体ウエハを静電吸着電極から離脱させた方法、(2)真空容器内の圧力が0.05Paの状態で、ピンによる半導体ウエハの持ち上げのみで強制的に静電吸着電極から離脱させた方法、(3)ピンで半導体ウエハを持ち上げる前に、半導体ウエハの置かれた真空容器内に窒素ガスを導入して圧力を20Paに設定し1分間放置後、窒素ガスを排気してから(0.05Pa)ピンで半導体ウエハを持ち上げて電極から離脱させた方法について半導体ウエハの表面電位を比較したものである。各場合とも、表面電位測定時の半導体ウエハの位置は、静電吸着電極の吸着面から10mmである。ここで、半導体ウエハの表面電位は、トレック社の静電気測定表面電位計モデル344(TREK Inc. Electrostaticvoltmeter model 344)を用いて測定した。ちなみに、直流電圧印加停止後、半導体ウエハが静電吸着電極に載置されたままでの半導体ウエハの表面電位は、370Vであった。

0035

0036

(1)の方法で離脱させた半導体ウエハの表面電位は、(2)および(3)の方法で離脱させた半導体ウエハの表面電位に比べて非常に小さい。このことは、半導体ウエハ近傍でDC放電が発生したことで、半導体ウエハに帯電した静電気量がかなり失っているといえる。たぶん、半導体ウエハと静電吸着電極の距離と窒素ガスの圧力から、半導体ウエハとアースされた部品、たとえば、対向電極または真空容器の壁面との間で放電が発生していると推測できる。そして放電により帯電したガス分子が、帯電していた半導体ウエハを除電したことを示している。(2)の方法で離脱された半導体ウエハの表面電位から半導体ウエハにかなりの静電気量が残っているといえる。(3)の方法で離脱された半導体ウエハの表面電位は(2)の方法での表面電位とほとんど同じである。単に真空容器にガスを導入して排出しただけでは、帯電した半導体ウエハの電荷を十分に除電できないことを示している。なお、(2)および(3)の方法で離脱された半導体ウエハの表面電位は、半導体ウエハが静電吸着電極に載置されたままでの表面電位(370V)および(c)式から予想される電位よりも低くなっている。これは、浮遊電気容量の影響だといえる。

0037

これらの結果から、静電吸着電極から半導体ウエハを引き離す際に、被処理基板近傍を放電発生の雰囲気とするために真空容器にガス(雰囲気ガス)を充てんしておくこと或いは充てんすることが重要であるといえる。したがって、本発明の離脱方法を実施する基板離脱機構には、雰囲気ガスの導入、ピンの突出、圧力調整を順次稼働させるためのシーケンサを備えておくことが望ましい。

0038

表2は、リアクティブイオンエッチング装置中で静電吸着電極に−1000Vの直流電圧を印加することにより固定した半導体ウエハにエッチング処理をした後に、ピンで半導体ウエハを持ち上げる瞬間に窒素ガスを半導体ウエハの置かれたチャンバー内に導入し、(1)0.05Pa、(2)0.1Pa、(3)10Pa、(4)50Pa、(5)500Pa、(6)600Paの圧力で真空容器内を充てんした場合に、表面電位が100V以下になるのに要する時間を示したものである。静電吸着電極の吸着面から突き出したピンの高さは、約0.1mmから約1mmであった。

0039

0040

圧力が0.1〜500Paで、いずれも10秒以内で100V以下に達している。つまり、被処理基板と静電吸着電極との間隔が約0.1mmから約1mmのもと0.1〜500Paの圧力範囲で、半導体ウエハと静電吸着電極との間で雰囲気ガス(N2ガス)が放電が発生したことをしめしている。

0041

図1は本発明の第1実施例の構成図を示す。図中、1は真空槽10内にガスを導入する系のガスパイプ、2は静電吸着電極、3は静電吸着電極2の表面を覆った誘電体シート、4は静電吸着電極2に直流電圧を印加するための直流電源、5はイオンエッチングなどを行うための被処理基板、6は電極保持体、7は自動圧力制御機構(Auto Pressure Controller)、7aは流量制御弁、7bは排気系(図はターボモレキュラーポンプロータリーポンプで構成した例を示す。)、8はプラズマ源、9は静電吸着電極2内に埋設されたリフトピンを示す。リフトピン9は軸受11a、11bで支持された駆動軸13を介して、駆動部材13aの昇降により誘電体シート3の表面から突出、没入するようになっている。12はフレームで、駆動部材13aを昇降させる駆動機構(図示していない)が設置してある。

0042

図1において、被処理基板5をエッチング加工する場合、被処理基板5を図示されない搬送手段を用いて誘電体シート3を介して静電吸着電極2上に設置し、次に直流電源4より静電吸着電極2に直流電圧を印加する。同時に真空槽10にガス導入系のガスパイプ1より塩素ガスを導入し、自動圧力制御機構7により所定の圧力(約0.5Pa)にする。次いで、プラズマ源8によりプラズマを発生させる。プラズマにより静電吸着電極2、直流電源4を含む直流回路が形成され、被処理基板5は静電吸着電極2に固定されると共に、被処理基板5の表面がエッチング加工される。処理終了後、ガスパイプ1より窒素ガスを導入し、自動圧力制御機構7で圧力制御(約2Pa)を行ないつつ、プラズマ源8および直流電源4をOFFとし、静電吸着電極2内に埋設されたリフトピン9を誘電体シート3の表面から0.5mm程度突出させる。被処理基板5が静電吸着電極2より離脱しはじめたら、リフトピン9を更に突出させ、被処理基板5を完全に離脱させる。リフトピン9の突出開始から離脱完了までに要する時間は、約3秒であった。

0043

図2は本発明の第2実施例の構成図、詳しくは平行平板型反応性イオンエッチングRIE)装置に本発明を応用した場合の構成図である。14が高周波電源、15が接地電極であり、他の部分は図1の実施例と同様の構成である。

0044

図2において、被処理基板5を加工する場合、被処理基板5を図示されない搬送手段を用いて誘電体膜3を介して静電吸着電極2上に設置し、次に直流電源4より静電吸着電極2に直流電圧を印加する。同時に真空槽10にガス導入系を構成したガスパイプ1よりプロセスガス(CF4 +O2 )を導入し、自動圧力制御機構7により所定の圧力(約10Pa)にする。次いで、高周波電源14より静電吸着電極2に高周波電力を供給し、静電吸着電極2と接地電極15との間に反応性ガスプラズマを発生させる。プラズマにより静電吸着電極2、直流電源4を含む直流回路が形成され、被処理基板5は静電吸着電極2に固定されると共に、被処理基板5の表面がエッチング加工される。処理終了後も引続きガスパイプ1より前記プロセスガスを導入し、自動圧力制御機構で圧力制御(約10Pa)を行ないつつ、高周波電源14および直流電源4をOFFし、静電吸着電極2内に埋設されたリフトピン9を誘電体シート3の表面から0.5mm程度突出させる。被処理基板5が静電吸着電極2より離脱しはじめたら、リフトピン9を更に突出させ、被処理基板5を完全に離脱させる。この場合のリフトピン9の突出開始から離脱完了までに要する時間は約2秒であった。

0045

前記エッチング処理の終了後、導入するガスをアルゴン切換えて、真空槽10内の圧力を10Paに維持した状態で、前記と同様の離脱動作を行ったところ、リフトピン9の突出開始から離脱完了までの時間を約1秒とすることができた。

0046

尚、上記の各実施例では、真空槽10を被処理基板5の加工処理部を構成するチャンバーと、被処理基板の離脱動作が行なわれるチャンバーに共用しているが、これらを別個として、被処理基板5を電極2と共に、離脱動作が行なわれる別のチャンバーに移送し、該部で離脱操作を行う構成とすることもできる。

0047

また、ガスパイプ1はプロセスガスの導入系と被処理基板5の離脱の際に導入するガスの導入系を共通としたが、別個とすることもできる。更には、離脱の際に導入するガスの導入系を、チャンバーのベント用として設けられる空気又は窒素ガスの導入系と共通にすることもできる。第1実施例のように、プロセスガスと離脱時のガスが異なる場合、別個の導入系とした方が操作性は良くなるであろう。

0048

図3は第3実施例の構成図を示す。詳しくはマルチチャンバエッチングシステム(ANELVA−4100)の平行平板反応性エッチング処理用モジュ−ル化されたチャンバ(真空容器)に組み込まれた基板離脱機構の図である。前記の実施例と同様に、1は真空槽10内にガスを導入するパイプ、1a、1bはバルブ、20はエッチングガス供給源、21は雰囲気ガス供給用源を示す。2は静電吸着電極、3は静電吸着電極2の表面を覆った誘電体シ−トで基板の吸着面を構成している。4は静電吸着電極2に直流電圧を印加するための直流電源、5は8インチの半導体ウエハ(被処理基板)、6は保持体、14が高周波電源、15が接地電極を示す。7は自動圧力制御機構(Auto Pressure Controller)、7aは排気用バルブ、7bはターボモレキュラーポンプとロータリーポンプで構成した排気系を示す。自動圧力制御機構7は、バルブ7aの開口の度合いを調整して真空容器内の圧力を調整する。9は静電吸着電極2内に設置されたリフトピンを示す。4つのリフトピンで半導体ウエハ5を持ち上げるもので、被処理基板に機械的離脱力を付与する手段を構成している。4つのリフトピンは、図4に示されるように半導体ウエハ5の直径よりも短い円の円周上に等間隔で設けられている(第1、第2実施例も同様である。)。リフトピン9は軸受11a、11bで支持された駆動軸13に連結されており、駆動部材13aの昇降により誘電体シ−ト3の表面から突出、没入するようになっている。12は真空槽10の底部に設置したフレームで、駆動部材13aを昇降させる駆動機構22が設置される。駆動機構22は、半導体ウエハ5と静電吸着電極2間に微間隙を形成する際に、リフトピン9の吸着面から突き出す高さを、半導体ウエハ5を破損しない程度の高さに調整できる構成としてある。具体的には、リフトピン9の突き出す高さを0.1mmから1mm程度に調整可能としてある。23は、シ−ケンサを示す。シ−ケンサ23は、バルブ1a、1bの開閉、自動圧力制御機構7の起動および駆動機構23の起動を制御する。

0049

前記の平行平板形反応性エッチング処理用にモジュ−ル化されたチャンバに組み込まれた基板離脱機構を用いた基板離脱動作を説明する。

0050

半導体ウエハ5を図示されない搬送ロボットを用いて、静電吸着電極2を覆った誘電体シ−ト3でなる吸着面上に載置する。次に直流電源4より静電吸着電極2に直流電圧(例えば−1000V)を印加する。バルブ1aを開いて真空槽10にパイプ1よりエッチングガス(CF4 +O2 )を導入する。エッチングガスの圧力を自動圧力制御機構7により約10Paに設定する。次いで、高周波電源14より静電吸着電極2に高周波電力を供給し、静電吸着電極2と接地電極15との間に反応性プラズマを発生させる。プラズマにより静電吸着電極2、直流電源4を含む直流回路が形成され、半導体ウエハ5は静電吸着電極2に固定されると共に、半導体ウエハ5の表面がエッチングされる。所定時間の経過後、高周波電源14および直流電源4をOFFにしてエッチング処理を終了する。処理終了後も引続きバルブ1aを開いたまま、ガスパイプ1よりエッチングガスCF4 +O2 (90/10sccm)を導入しながら、シ−ケンサ23が駆動機構を起動させて、静電吸着電極2内に埋設されたリフトピン9を誘電体シ−ト3の表面から0.5mm程度突出させる。その一方で、シ−ケンサ23が自動圧力制御機構7を起動させてエッチングガスの圧力を約10Paに設定させる。放電による除電作用の結果、半導体ウエハ5が静電吸着電極2より離脱しはじめたら、リフトピン9を更に突出させ、半導体ウエハ5を完全に離脱させる。この場合のリフトピン9の突出開始から離脱完了まで約2秒を要した。この実施例でも、離脱の際に半導体ウエハ5と静電吸着電極2で放電を発生させるための雰囲気ガスとしては第2実施例と同様に、エッチングガスを使用したものである。

0051

第4実施例として、図3の機構において、エッチングガスおよび雰囲気ガスともにCF4 +CHF3 (150/50sccm)を用いた。雰囲気ガスの圧力を20Paに設定して、第3実施例と同じ離脱動作を行ったところ、リフトピン9の突出開始から離脱完了までに約1秒を要した。

0052

第5実施例として、第3実施例でのエッチング処理の終了後、シ−ケンサ23によりバルブ1aを閉めてから、バルブ1bを開けてアルゴンガス(雰囲気ガス)(200sccm)を真空容器10内に導入した。その導入と同時にシ−ケンサ23が駆動機構を起動させて、リフトピン9を0.5mm程度突出させる。その一方で、シ−ケンサ23が自動圧力制御機構7を起動させてアルゴンガスの圧力を約10Paに設定した。リフトピン9の突出開始から離脱完了までが約1秒を要した。

0053

第6実施例として、第3実施例でのエッチング処理の終了後、雰囲気ガスとしてN2 (200sccm)を用いた。雰囲気ガスの圧力を20Paに設定して、第3実施例と同じ離脱動作を行ったところ、リフトピン9の突出開始から離脱完了までが約1秒を要した。

0054

第7実施例としてANELVA−4100のヘリコン波エッチング処理用にモジュ−ル化されたチャンバ(ヘリコン波プラズマ発生装置が搭載されている)に組み込まれた基板離脱機構での基板離脱動作を説明する。ここで、基板離脱機構は、図3における平行平板形反応性エッチング処理用にモジュ−ル化されたチャンバに組み込まれた基板離脱機構と全く同じである。ヘリコン波プラズマ発生装置は、米国特許4,990,229および5,122,251に記載されている。エッチングガスとして塩素ガスをチャンバに導入し、ヘリコン波プラズマを発生させてエッチング処理を行う。ヘリコン波プラズマ発生装置および直流電源4をOFFにして処理を終了する。その後、雰囲気ガスとして窒素ガス(200sccm)をチャンバ内に導入し、自動圧力制御機構7で約2Paに設定する。それと同時に、静電吸着電極2内に埋設されたリフトピン9を誘電体シ−ト3の表面から0.5mm程度突出させる。半導体ウエハ5が電極2より離脱しはじめたら、リフトピン9を更に突出させ、半導体ウエハ5を完全に離脱させる。リフトピン9の突出開始から離脱完了までに要する時間は、約3秒であった。

0055

離脱の際に充てんするガスを空気としてもよい。この場合、真空容器(チャンバー)10に別途設けたベント用バルブ(図示していない)を開けて空気をチャンバ内に導入する。

0056

上記各実施例ではプラズマエッチング処理の場合を説明したが、被処理基板を静電吸着するようにした、プラズマCVD装置スパッタリング装置プラズマアッシング装置においても本発明の基板離脱機構を組み込んだプラズマ処理装置を構成できるとともに本発明の離脱方法が実施可能である。また、各実施例では、被処理基板(半導体ウエハ)の周辺の雰囲気中に存在するガスの圧力を設定した後に、微間隙、即ち被処理基板と静電吸着電極間の間隔を形成したが、微間隙を形成した後に、雰囲気ガスの圧力を、放電開始圧力に調整するようにすることも可能である。

0057

図5は、機械的離脱力付与手段の別の実施例で、吸着面を構成した誘電体シート3の中央部に、円形台24を設けたものである。円形台24は、駆動軸13と連結されて突没自在としてあり、没入時には、上面が吸着面と面一となるようにしてある。この円形台24による機械的離脱力付与手段によっても、被処理基板と吸着面の間に微間隙を形成することが可能であり、前記実施例と同様にして、被処理基板の離脱を行うことができる。

0058

被処理基板5の離脱の際、導入したガスの圧力は2Pa、10Pa、および20Paの場合について説明したが、およそ0.1Pa〜500Paの範囲で実用上十分な残留電荷の消失効果を得ることができる。圧力を高くするに従って消失速度が速まり、離脱時間の短縮効果があるが、圧力が高くなりすぎると残留電荷の消失効果は再び減じる。

発明の効果

0059

以上に説明したように、本発明によれば、減圧下で被処理基板を静電吸着により電極に固定して被処理基板の加工を行うような装置において、静電吸着電極からの被処理基板の離脱を迅速かつ容易に行わしめる効果がある。また、残留する静電吸着力が原因として起こる基板の損傷を避けることができる。

図面の簡単な説明

0060

図1本発明の第1実施例の構成図である。
図2本発明の第2実施例の構成図である。
図3本発明の第3実施例の構成図である。
図4機械的離脱力付与手段を構成したピンの配置関係を示す上面図である。
図5機械的離脱力付与手段の別の実施例の一部断面図である。

--

0061

1ガスパイプ
2静電吸着電極
3誘電体シート
4直流電源
5被処理基板
6電極保持体
7 自動圧力制御機構
7a流量制御弁
7b排気系
8プラズマ源
9リフトピン
10真空槽
11a、11b軸受
12フレーム
13駆動軸
13a駆動部材
14高周波電源
15接地電極
20エッチングガス供給源
21雰囲気ガス供給源
22駆動機構
23シーケンサ
24 円形台

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