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技術 半導体装置の製造方法,半導体結晶表面のクリーニング方法,及び半導体装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 杵築弘隆
出願日 1994年3月25日 (26年9ヶ月経過) 出願番号 1994-055531
公開日 1995年10月13日 (25年2ヶ月経過) 公開番号 1995-263355
状態 特許登録済
技術分野 ナノ構造物 バイポーラトランジスタ 半導体のドライエッチング 本体に特徴のある半導体装置 気相成長(金属層を除く) 半導体レーザ 半導体レーザ
主要キーワード 独立チャンバ 低温処理後 キヤップ アルミ酸化物 複合プロセス 新デバイス 変成層 ブレイクスルー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年10月13日)のものです。
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図面 (15)

目的

再成長界面の不純物を低減できる半導体装置の製造方法,及び半導体結晶表面の不純物をより簡便かつ確実に除去できる半導体結晶表面のクリーニング方法を提供するとともに、上記半導体装置の製造方法、及び上記クリーニング方法を用いて形成された半導体装置を提供するを提供することを目的とする。

構成

AlGaAs層2上にGaAsキャップ3層をあらかじめ形成したものを、チャンバ内に載置して450℃以下の温度に保持し、HClガス水素ガス,AsH3ガスからなる混合ガスを供給して表面の酸化膜を除去したあと、外気と触れない状態を保持した状態で、GaAsキャップ層3およびAlGaAs層2をAlGaAs層2が露出するようドライエッチングし、さらに、外気と触れない状態を保持した状態で、AlGaAs層2上にGaAs層4を再結晶成長した。

概要

背景

近年、半導体レーザヘテロジャンクションバイポーラトランジスタHBT)に代表される化合物半導体デバイスが、高度情報社会支えキーデバイスして著しい発展とげている。これら化合物半導体デバイスの開発トレンドは、微細化、複雑化、複合化の方向に進んでおり、ドライエッチングによる微細構造の作製と、エピタキシャル成長を組み合わせた複合プロセスは、近い将来化合物半導体デバイス製造現場において必須のキーテクノロジーとなることが予測されている。また、高集積化の一途をたどるSi−LSIの分野においても複合プロセスを用いたスーパークリーンテクノロジや、あらたなブレイクスルーを目指した新デバイス構造の研究が精力的に行われている。

これらドライエッチングとエピタキシャル成長を組み合わせた複合プロセス、即ち、結晶の一部を選択的にエッチングし、そこに改めて周りの結晶とは電気的,光学的に異なるエピタキシャル層成長を行うプロセスにおいては、再成長界面の清浄度をいかに制御し、クリーンな状態に保つことができるかという問題が最も重要な課題として残されている。特にAlを構成元素として含む化合物半導体、たとえばAlGaAsにおいては、空気に暴露させることにより表面は容易に酸化され、一度酸化されたAlGaAs表面のクリーニングを行うことは極めて困難である。従って、これら酸化したAlGaAs結晶上へのエピタキシャル再成長においては高品質な結晶を得ることが困難であり、再成長半導体層の電気的、光学的特性は著しく劣化する結果となっている。

上述の状況に鑑み、本発明の発明者らはこれまでにドライエッチングとエピタキシャル成長を組み合わせた複合プロセスに関して様々な検討を加え、再成長界面の清浄度に関する理解を進めるとともに、改善手段を提供してきた。たとえば本発明の発明者らは、ジャーナルオブクリスタルグロース第134巻(1993年)pp35-42 (Journal of Crystal Growth 134 (1993)35-42 )にAlGaAs上にGaAsキャップ層を設けて750℃でHClガスエッチングを行ったのち、エピタキシャル再成長を行う方法を開示している。即ち、この方法はAlGaAs表面の酸化を極力抑制する目的で、AlGaAs上にGaAsキャップ層を設けておき、GaAsキャップ層から750℃の温度でHClガスエッチングを開始し、AlGaAs層に達するまでエッチングした後に、同一チャンバ内で再成長を行うことにより、再成長界面への酸化物蓄積を防ぐものである。酸化したAlGaAs表面に対して750℃の温度でHClガスエッチングを行った場合、エッチング後の表面に酸化物が残留し、エッチング後、同一チャンバ内でMOCVDによる再成長を行ったにもかかわらず、再成長GaAs層結晶品質は劣悪なものとなるが、上記の方法によれば、酸化したAlGaAs層に対してエッチングを開始した場合と比較して、1/5以下に改善でき、再成長GaAs層の結晶品質も大きく改善できる。また、このエッチングの際に使用されるAsH3 流量の最適化も再成長界面改善に重要であることも指摘している。

しかし、これらの方法では、再成長界面の残留不純物を完全に排除することはできなかった。これは、GaAsキャップ層上の酸化物が750℃という高温でのHClガスエッチングでは完全に除去できず、結果としてエッチング後の表面に酸化物が残留してしまうからである。

従って、上述したジャーナルオブクリスタルグロース第134巻(1993年)pp35−42において、以上の検討結果より明らかにしているように、HClガスエッチングしたAlGaAs上へ同一チャンバー内において良好なエピタキシャル成長を行う際には、あらかじめAlGaAs上にGaAsキャップ層を設けておくことが不可欠であるが、GaAsキャップ層の採用だけでは不十分であり、エッチングに先だってGaAsキャップ層の表面クリーニングを行うことが不可欠である。即ち、ただ単にドライエッチングとエピタキシャル成長とを組み合わせたプロセスを、同一チャンバ内で連続して行うか、もしくは互いのチャンバを接続して空気に露出されることなく搬送できるシステムを用いて行うだけでは、再成長界面の清浄度を一定レベル以上に保つことはきわめて困難であり、適切な表面クリーニング方法の併用が不可欠であるということである。

図11は、本発明の発明者らによる特願平5−44869に記載された、上記のような問題点を解決するための従来の半導体装置の製造方法を示す図であり、図において、1はGaAs基板,2はAlGaAs基板,3はGaAsキャップ層,4は再成長GaAs層,5は再成長界面,6はGaAsキャップ層3上に形成された酸化膜、8はSiN膜パターン、9は硫黄膜である。

次に従来の半導体装置の製造方法について説明する。まず、GaAs基板1上に厚さ2μmのAlGaAs層2と、厚さ0.1μmのGaAsキャップ層3をMOCVD法により成長する。つぎに、上記サンプルを一度チャンバより取り出し、空気中で数日間保管する。この保管の間にサンプルのGaAs層11表面には僅かながら酸化膜12が形成される。この状態を図11(a) に示す。次に図11(b) に示すように、サンプル表面上に所望形状のSiN膜パターン21を形成する。次に上記サンプルを硫化アンモニウム溶液に浸漬して処理する。ここでは、硫化アンモニウム溶液として(NH4 )2 S溶液を用い、60℃で3時間浸漬した。この工程によりGaAs層3の表面の酸化膜6のうち、SiN膜パターン8で覆われていない部分はエッチング除去され、図11(c) に示すように、硫黄膜13が形成される。次にMOCVDのチャンバにウエハをセットし、水素雰囲気中において450℃の温度で30分間熱処理した。次にアルシン(AsH3 )とHClとH2 の混合ガスを用いて、図11(d) に示すように、SiN膜パターン21をエッチングマスクとして深さ1μmのエッチングを行い、引き続いて同一チャンバ内でGaAs層1を成長して、図11(e) に示すような半導体装置を得る。

このような従来の方法においては、GaAsキャップ層3の表面を硫化アンモニウム処理することにより、表面酸化膜6を除去するとともに、硫黄膜9を形成することにより、新たな表面酸化を抑制するようにした後、HClエッチングにより該硫黄膜9,GaAsキャップ層3,及びAlGaAs層2の一部を除去し、GaAs層4を再結晶成長させるので、再成長界面に酸素偏析はみられず、再成長界面5の清浄度を向上させるとともに、再成長GaAs層4の結晶品質を向上させることができる。

また、Japanese Journal of Applied Physics Vol.28,No.1,January,1989,pp.L7-L9 に、Kondo らによる水素ガスを用いたECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマにより、300℃でGaAs表面のクリーニングを行う従来の方法が記載されている。このクリーニング方法は、GaAs表面をクリーニングする方法としては非常に有効なものである。

概要

再成長界面の不純物を低減できる半導体装置の製造方法,及び半導体結晶表面の不純物をより簡便かつ確実に除去できる半導体結晶表面のクリーニング方法を提供するとともに、上記半導体装置の製造方法、及び上記クリーニング方法を用いて形成された半導体装置を提供するを提供することを目的とする。

AlGaAs層2上にGaAsキャップ3層をあらかじめ形成したものを、チャンバ内に載置して450℃以下の温度に保持し、HClガス,水素ガス,AsH3ガスからなる混合ガスを供給して表面の酸化膜を除去したあと、外気と触れない状態を保持した状態で、GaAsキャップ層3およびAlGaAs層2をAlGaAs層2が露出するようドライエッチングし、さらに、外気と触れない状態を保持した状態で、AlGaAs層2上にGaAs層4を再結晶成長した。

目的

この発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、再成長界面の不純物を容易に低減できる半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。

また、この発明は半導体結晶表面の酸化膜等の不純物をより簡便かつ確実に除去できる半導体結晶表面のクリーニング方法を提供することを目的としている。さらに、再成長界面の不純物を低減させた半導体装置を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
6件

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請求項1

下地半導体層上に、Alを構成元素として含む化合物半導体よりなる半導体層,及びAlを構成元素として含まない化合物半導体からなる保護層を連続して結晶成長により形成する工程と、上記Alを含まない保護層及び上記Alを含む半導体層を450℃以下の温度に保持し、上記保護層,及び上記Alを含む半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記保護層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去する工程と、上記雰囲気を、上記保護層が外気に触れないよう上記保護層,及び上記Alを含む半導体層、あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層をドライエッチングする雰囲気に変え、上記保護層,及び上記Alを含む半導体層、あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層を、上記保護層の上記酸化膜が除去された面からその深さ方向に上記Alを含む半導体層,あるいは上記下地半導体層に達するようにドライエッチングする工程と、上記ドライエッチング用雰囲気を、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変えて、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面に、他の半導体層を結晶成長させる工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項2

請求項1記載の半導体装置の製造方法において、上記Alを含む半導体層は、AlGaAsであり、上記保護層はGaAsであり、上記ハロゲン系ガスを含むガスは、HClガス水素ガス,及びアルシン(AsH3 )ガスからなる混合ガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項3

請求項1記載の半導体装置の製造方法において、上記保護層はIII −V族化合物半導体からなり、上記ハロゲン系ガスを含むガスは、上記保護層を構成するV族元素を構成元素として含むガスを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項4

請求項1記載の半導体装置の製造方法において、上記ハロゲン系ガスはHClガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項5

請求項1記載の半導体装置の製造方法において、上記保護層,及び上記Alを含む半導体層、あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層のドライエッチングは、ガスエッチングであり、該ガスエッチングに用いられるガスは、上記ハロゲン系ガスを含むガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項6

請求項1記載の半導体装置の製造方法において、上記Alを含む半導体層は、Alを構成元素として含む層を含む複数の層により構成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項7

第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、該第1の半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去する工程と、上記雰囲気を、上記第1の半導体が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変えて、上記第1の半導体層の上記酸化膜が除去された結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長させる工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項8

第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、該第1の半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去する工程と、上記雰囲気を、上記第1の半導体層が外気に触れないよう上記第1の半導体層をドライエッチングする雰囲気に変えて、上記第1の半導体層を上記酸化膜が除去された面からその深さ方向にドライエッチングする工程と、上記ドライエッチング用雰囲気を、上記第1の半導体層が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変えて、上記ドライエッチングにより露出した上記第1の半導体層の結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長させる工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項9

請求項7または8に記載の半導体装置の製造方法において、上記第1の半導体層はIII −V族化合物半導体からなり、上記ハロゲン系ガスを含むガスは、上記第1の半導体層を構成するV族元素を構成元素として含むガスを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項10

請求項7または8に記載の半導体装置の製造方法において、上記ハロゲン系ガスはHClガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項11

請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、上記第1の半導体層のドライエッチングはガスエッチングであり、該ガスエッチングに使用されるガスは、上記ハロゲン系ガスを含むガスと同一成分のガスであることを特徴とする半導体装置の製造方法。

請求項12

下地半導体層上に結晶成長により連続的に形成したAlを含む化合物半導体からなる半導体層,及びAlを構成元素として含まない化合物半導体からなる保護層を、450℃以下の温度に保持し、上記保護層,及び上記Alを含む半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記保護層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去し、上記雰囲気を、上記保護層が外気に触れないよう上記保護層,及び上記Alを含む半導体層,あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層をドライエッチングする雰囲気に変えて、上記保護層,及び上記Alを含む半導体層、あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層を、上記保護層の上記酸化膜が除去された面からその深さ方向に上記Alを含む半導体層,あるいは下地半導体層に達するようにドライエッチングし、上記ドライエッチング用雰囲気を、上記エッチングにより露出した半導体層の結晶表面が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変えて、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面に、他の半導体層を結晶成長してなることを特徴とする半導体装置。

請求項13

請求項12記載の半導体装置の製造方法において、上記Alを含む半導体層は、Alを構成元素として含む層を含む複数の層により構成されていることを特徴とする半導体装置。

請求項14

第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、該第1の半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去し、上記雰囲気を、上記第1の半導体層が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変えて、上記第1の半導体層の上記酸化膜が除去された結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長させてなることを特徴とする半導体装置。

請求項15

第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、該第1の半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去し、上記雰囲気を、上記第1の半導体層が外気に触れないよう上記第1の半導体層をドライエッチングする雰囲気に変えて、上記第1の半導体層を上記酸化膜が除去された面からその深さ方向にドライエッチングし、上記ドライエッチング用雰囲気を、上記第1の半導体層が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変えて、上記ドライエッチングにより露出した上記第1の半導体の結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長させてなることを特徴とする半導体装置。

請求項16

半導体層を450℃以下の温度に保持し、該半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置して、上記半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去することを特徴とする半導体結晶表面のクリーニング方法

請求項17

請求項16記載の半導体結晶表面のクリーニング方法において、上記半導体層はIII −V族化合物半導体からなり、上記ハロゲン系ガスを含むガスは、上記半導体層を構成するV族元素を構成元素として含むガスを含むことを特徴とする半導体結晶表面のクリーニング方法。

請求項18

請求項16記載の半導体結晶表面のクリーニング方法において、上記ハロゲン系ガスは、HClガスであることを特徴とする半導体結晶表面のクリーニング方法。

請求項19

半導体層を450℃以下の温度に保持し、該半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去してなることを特徴とする半導体装置。

技術分野

0001

この発明は半導体装置の製造方法、半導体結晶表面のクリーニング方法、及び半導体装置に関し、特にドライエッチング工程とエピタキシャル成長工程とを含む複合プロセス、及び半導体結晶表面の酸化膜のクリーニング方法、並びに上記複合プロセス及び上記クリーニング方法を用いて形成された半導体装置に関するものである。

背景技術

0002

近年、半導体レーザヘテロジャンクションバイポーラトランジスタHBT)に代表される化合物半導体デバイスが、高度情報社会支えキーデバイスして著しい発展とげている。これら化合物半導体デバイスの開発トレンドは、微細化、複雑化、複合化の方向に進んでおり、ドライエッチングによる微細構造の作製と、エピタキシャル成長を組み合わせた複合プロセスは、近い将来化合物半導体デバイス製造現場において必須のキーテクノロジーとなることが予測されている。また、高集積化の一途をたどるSi−LSIの分野においても複合プロセスを用いたスーパークリーンテクノロジや、あらたなブレイクスルーを目指した新デバイス構造の研究が精力的に行われている。

0003

これらドライエッチングとエピタキシャル成長を組み合わせた複合プロセス、即ち、結晶の一部を選択的にエッチングし、そこに改めて周りの結晶とは電気的,光学的に異なるエピタキシャル層成長を行うプロセスにおいては、再成長界面の清浄度をいかに制御し、クリーンな状態に保つことができるかという問題が最も重要な課題として残されている。特にAlを構成元素として含む化合物半導体、たとえばAlGaAsにおいては、空気に暴露させることにより表面は容易に酸化され、一度酸化されたAlGaAs表面のクリーニングを行うことは極めて困難である。従って、これら酸化したAlGaAs結晶上へのエピタキシャル再成長においては高品質な結晶を得ることが困難であり、再成長半導体層の電気的、光学的特性は著しく劣化する結果となっている。

0004

上述の状況に鑑み、本発明の発明者らはこれまでにドライエッチングとエピタキシャル成長を組み合わせた複合プロセスに関して様々な検討を加え、再成長界面の清浄度に関する理解を進めるとともに、改善手段を提供してきた。たとえば本発明の発明者らは、ジャーナルオブクリスタルグロース第134巻(1993年)pp35-42 (Journal of Crystal Growth 134 (1993)35-42 )にAlGaAs上にGaAsキャップ層を設けて750℃でHClガスエッチングを行ったのち、エピタキシャル再成長を行う方法を開示している。即ち、この方法はAlGaAs表面の酸化を極力抑制する目的で、AlGaAs上にGaAsキャップ層を設けておき、GaAsキャップ層から750℃の温度でHClガスエッチングを開始し、AlGaAs層に達するまでエッチングした後に、同一チャンバ内で再成長を行うことにより、再成長界面への酸化物蓄積を防ぐものである。酸化したAlGaAs表面に対して750℃の温度でHClガスエッチングを行った場合、エッチング後の表面に酸化物が残留し、エッチング後、同一チャンバ内でMOCVDによる再成長を行ったにもかかわらず、再成長GaAs層結晶品質は劣悪なものとなるが、上記の方法によれば、酸化したAlGaAs層に対してエッチングを開始した場合と比較して、1/5以下に改善でき、再成長GaAs層の結晶品質も大きく改善できる。また、このエッチングの際に使用されるAsH3 流量の最適化も再成長界面改善に重要であることも指摘している。

0005

しかし、これらの方法では、再成長界面の残留不純物を完全に排除することはできなかった。これは、GaAsキャップ層上の酸化物が750℃という高温でのHClガスエッチングでは完全に除去できず、結果としてエッチング後の表面に酸化物が残留してしまうからである。

0006

従って、上述したジャーナルオブクリスタルグロース第134巻(1993年)pp35−42において、以上の検討結果より明らかにしているように、HClガスエッチングしたAlGaAs上へ同一チャンバー内において良好なエピタキシャル成長を行う際には、あらかじめAlGaAs上にGaAsキャップ層を設けておくことが不可欠であるが、GaAsキャップ層の採用だけでは不十分であり、エッチングに先だってGaAsキャップ層の表面クリーニングを行うことが不可欠である。即ち、ただ単にドライエッチングとエピタキシャル成長とを組み合わせたプロセスを、同一チャンバ内で連続して行うか、もしくは互いのチャンバを接続して空気に露出されることなく搬送できるシステムを用いて行うだけでは、再成長界面の清浄度を一定レベル以上に保つことはきわめて困難であり、適切な表面クリーニング方法の併用が不可欠であるということである。

0007

図11は、本発明の発明者らによる特願平5−44869に記載された、上記のような問題点を解決するための従来の半導体装置の製造方法を示す図であり、図において、1はGaAs基板,2はAlGaAs基板,3はGaAsキャップ層,4は再成長GaAs層,5は再成長界面,6はGaAsキャップ層3上に形成された酸化膜、8はSiN膜パターン、9は硫黄膜である。

0008

次に従来の半導体装置の製造方法について説明する。まず、GaAs基板1上に厚さ2μmのAlGaAs層2と、厚さ0.1μmのGaAsキャップ層3をMOCVD法により成長する。つぎに、上記サンプルを一度チャンバより取り出し、空気中で数日間保管する。この保管の間にサンプルのGaAs層11表面には僅かながら酸化膜12が形成される。この状態を図11(a) に示す。次に図11(b) に示すように、サンプル表面上に所望形状のSiN膜パターン21を形成する。次に上記サンプルを硫化アンモニウム溶液に浸漬して処理する。ここでは、硫化アンモニウム溶液として(NH4 )2 S溶液を用い、60℃で3時間浸漬した。この工程によりGaAs層3の表面の酸化膜6のうち、SiN膜パターン8で覆われていない部分はエッチング除去され、図11(c) に示すように、硫黄膜13が形成される。次にMOCVDのチャンバにウエハをセットし、水素雰囲気中において450℃の温度で30分間熱処理した。次にアルシン(AsH3 )とHClとH2 の混合ガスを用いて、図11(d) に示すように、SiN膜パターン21をエッチングマスクとして深さ1μmのエッチングを行い、引き続いて同一チャンバ内でGaAs層1を成長して、図11(e) に示すような半導体装置を得る。

0009

このような従来の方法においては、GaAsキャップ層3の表面を硫化アンモニウム処理することにより、表面酸化膜6を除去するとともに、硫黄膜9を形成することにより、新たな表面酸化を抑制するようにした後、HClエッチングにより該硫黄膜9,GaAsキャップ層3,及びAlGaAs層2の一部を除去し、GaAs層4を再結晶成長させるので、再成長界面に酸素偏析はみられず、再成長界面5の清浄度を向上させるとともに、再成長GaAs層4の結晶品質を向上させることができる。

0010

また、Japanese Journal of Applied Physics Vol.28,No.1,January,1989,pp.L7-L9 に、Kondo らによる水素ガスを用いたECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマにより、300℃でGaAs表面のクリーニングを行う従来の方法が記載されている。このクリーニング方法は、GaAs表面をクリーニングする方法としては非常に有効なものである。

発明が解決しようとする課題

0011

以上のように、従来のドライエッチングと再結晶成長の複合プロセスとしては、硫化アンモニウム処理,もしくはECRプラズマ処理により半導体層の表面の酸化膜等の不純物をクリーニングする工程を組み合わせる方法が考えられていた。しかし、硫化アンモニウム処理は再現性を確保するために熟練が必要であり、量産プロセスに適用しにくいこと、また硫化アンモニウム溶液の純度も安定していないため、良好な効果を安定して得ることが困難であるなどの問題があった。

0012

また、ECRプラズマ処理を利用するためには、ECRプラズマチャンバエピタキシャル成長装置とを組み合わせた特殊な装置を構築する必要があり、一般の量産装置にこの技術を適用するのは容易でない等の問題があった。

0013

この発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、再成長界面の不純物を容易に低減できる半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。

0014

また、この発明は半導体結晶表面の酸化膜等の不純物をより簡便かつ確実に除去できる半導体結晶表面のクリーニング方法を提供することを目的としている。さらに、再成長界面の不純物を低減させた半導体装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0015

この発明に係る半導体装置の製造方法は、下地半導体層上に、Alを構成元素として含む化合物半導体よりなる半導体層,及びAlを構成元素として含まない化合物半導体からなる保護層を連続して結晶成長により形成し、上記Alを含まない保護層及びAlを含む半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記保護層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、上記雰囲気を上記保護層が外気に触れないように上記保護層,及び上記Alを含まない半導体層、あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層をドライエッチングする雰囲気に変え、上記保護層,及びAlを含む半導体層、あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層を、上記保護層の上記酸化膜が除去された面からその深さ方向に上記Alを含む半導体層,あるいは上記下地半導体層に達するようにドライエッチングし、さらに、上記ドライエッチング用雰囲気を、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変え、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面に、他の半導体層を結晶成長させるようにしたものである。

0016

また、上記半導体装置の製造方法において、上記Alを含む半導体層をAlGaAsとし、上記保護層をGaAsとし、上記ハロゲン系ガスを含むガスとして、HClガス,水素ガス,及びAsH3 ガスからなる混合ガスを用いるようにしたものである。

0017

また、上記半導体装置の製造方法において、上記保護層はIII −V族化合物半導体からなり、上記ハロゲン系ガスを含むガスは、上記保護層を構成するV族元素を構成元素として含むガスを含むものである。また、上記半導体装置の製造方法において、上記ハロゲン系ガスとしてHClガスを用いたものである。

0018

また、上記半導体装置の製造方法において、上記保護層及び上記Alを含む半導体層、あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層のドライエッチングはガスエッチングであり、このガスエッチングに使用するガスを、上記ハロゲン系ガスを含むガスと同一成分のガスとしたものである。また、上記半導体装置の製造方法において、上記Alを含む半導体層は、Alを構成元素として含む層を含む複数の層により構成されているものである。

0019

また、この発明に係る半導体装置の製造方法は、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、この酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、上記雰囲気を、上記第1の半導体が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変えて、上記第1の半導体層の上記酸化膜が除去された結晶表面に、第2の半導体を結晶成長させるようにしたものである。

0020

また、この発明に係る半導体装置の製造方法は、第1の半導体を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置して、上記第1の半導体の結晶表面に自然形成された酸化膜を、この酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去し、その後、上記雰囲気を、上記第1の半導体が外気に触れないようドライエッチング用雰囲気に変え、上記第1の半導体を上記酸化膜が除去された面からその深さ方向にドライエッチングし、さらに、上記ドライエッチング用雰囲気を、上記第1の半導体が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変え、上記ドライエッチングにより露出した上記第1の半導体結晶表面に、上記第2の半導体を結晶成長させるようにしたものである。

0021

また、上記半導体装置の製造方法において、上記第1の半導体層はIII −V族化合物半導体からなり、上記ハロゲン系ガスを含むガスは、上記第1の半導体層を構成するV族元素を構成元素として含むガスを含むものである。また、上記半導体装置の製造方法において、上記ハロゲン系ガスとしてHClガスを用いるものである。

0022

また、上記半導体装置の製造方法において、上記第1の半導体層のドライエッチングはガスエッチングであり、このガスエッチングに使用するガスを、上記ハロゲン系ガスを含むガスと同一成分のガスとしたものである。

0023

また、この発明に係る半導体装置は、下地半導体層上に結晶成長により連続的に形成したAlを含む化合物半導体からなる半導体層,及びAlを構成元素として含まない化合物半導体からなる保護層を、450℃以下の温度に保持し、上記保護層及び上記Alを含む半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記保護層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、上記雰囲気を、上記保護層が外気に触れないよう上記保護層,及び上記Alを含む半導体層、あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層をドライエッチングする雰囲気に変えて、上記保護層,及び上記Alを含む半導体層、あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層を、上記保護層の上記酸化膜が除去された面からその深さ方向に上記Alを含む半導体層,あるいは上記下地半導体層に達するようにドライエッチングし、さらに上記ドライエッチング用雰囲気を、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変えて、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面に、他の半導体層を結晶成長してなるものである。

0024

また、上記Alを含む半導体層は、Alを構成元素として含む複数の層により構成されているものである。

0025

また、この発明に係る半導体装置は、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、上記雰囲気を、上記第1の半導体層が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変えて、上記第1の半導体層の上記酸化膜が除去された結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長してなるものである。

0026

また、この発明に係る半導体装置は、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、上記雰囲気を、上記第1の半導体層が外気に触れないよう上記第1の半導体層をドライエッチングする雰囲気に変えて、上記第1の半導体層を上記酸化膜が除去された面からその深さ方向にドライエッチングし、さらに上記ドライエッチング用雰囲気を、上記第1の半導体層が外気に触れないよう結晶成長用雰囲気に変えて、上記ドライエッチングにより露出した上記第1の半導体層の結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長してなるものである。

0027

また、この発明に係る半導体結晶表面のクリーニング方法は、半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置して、上記半導体の結晶表面に自然形成された酸化膜を、この酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去するものである。

0028

また、上記半導体結晶表面のクリーニング方法において、上記半導体層はIII−V族化合物半導体からなり、上記ハロゲン系ガスを含むガスは、上記半導体層を構成するV族元素を構成元素として含むガスを含むものである。また、上記半導体結晶表面のクリーニング方法において、上記ハロゲン系ガスとしてHClガスを用いるものである。

0029

また、この発明に係る半導体装置は、半導体層を450℃以下の温度に保持し、該半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去してなるものである。

0030

この発明に係る半導体装置の製造方法においては、下地半導体層上にAlを構成元素として含む化合物半導体よりなる半導体層,及びAlを構成元素として含まない化合物半導体からなる保護層を連続して形成し、上記保護層及び上記Alを含む半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置し、上記保護層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気に触れない状態を保持したまま、上記保護層及びAlを含む半導体層,あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層を上記保護層表面から、上記Alを含む半導体層,あるいは上記下地半導体層に達するようドライエッチングし、さらに、外気に触れない状態を保持したまま、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面に、他の半導体層を結晶成長させるようにしたから、ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面を清浄な状態とした後に、半導体を結晶成長させることができ、再成長界面の清浄性に優れたものとし、かつ再成長層結晶性を向上させることができる。

0031

また、上記Alを含む半導体層をAlGaAsとし、上記保護層をGaAsとし、上記ハロゲン系ガスを含むガスとして、HClガス,水素ガス,及びAsH3 ガスからなる混合ガスを用いるようにしたから、ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面を清浄な状態とした後に、他の半導体層を結晶成長させることができ、再成長界面の清浄性に優れたものとし、かつ再成長層である他の半導体層の結晶性を向上させることができる。

0032

また、上記保護層をIII −V族化合物半導体とし、上記ハロゲン系ガスを含むガスとして、上記保護層を構成するV族元素を構成元素に含むガスを含むものを用いるようにしたから、上記保護層表面から酸化膜を除去する際の該保護層結晶表面からのV族元素の脱離を調整することができ、より再成長界面の清浄性に優れたものとし、かつ再成長層である他の半導体の結晶性を向上させることができる。

0033

また、上記保護層と上記Alを含む半導体層,あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層のドライエッチングとしてガスエッチングを用い、このガスエッチングに使用するガスを、上記ハロゲン系ガスを含むガスと同一成分のガスとしたから、上記保護層の結晶表面の酸化膜を除去する工程から上記保護層と上記Alを含む半導体層,あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層のドライエッチング工程へと移行する際に、ガスを切り換える操作が不要となり、作業効率を向上させることができる。

0034

また、この発明に係る半導体装置の製造方法においては、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持した後、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置して、第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、この酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気に触れない状態を保持したまま、上記第1の半導体層の結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長させるようにしたから、上記第1の半導体層の結晶表面を清浄な状態とした後に、第2の半導体層を結晶成長させることができ、再成長界面の清浄性に優れたものとし、かつ再成長層である第2の半導体層の結晶性を向上させることができる。

0035

また、この発明に係る半導体装置の製造方法においては、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持した後、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置して、第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、この酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気に触れない状態を保持したまま、上記第1の半導体層を上記酸化膜が除去された面からその深さ方向にドライエッチングし、さらに外気と触れない状態を保持したまま、このドライエッチングにより露出した上記第1の半導体層の結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長させるようにしたから、ドライエッチング後の第1の半導体層の結晶表面を清浄な状態とした後に、第2の半導体層を結晶成長させることができ、再成長界面の清浄性に優れたものとし、かつ再成長層である第2の半導体層の結晶性を向上させることができる。

0036

また、上記第1の半導体層をIII −V族化合物半導体とし、上記ハロゲン系ガスを含むガスとして、上記第1の半導体層を構成するV族元素を構成元素に含むガスを含むものを用いるようにしたから、上記第1の半導体層の表面の酸化膜を除去する際の上記第1の半導体層の結晶表面からのV族元素の脱離を調整することができ、より再成長界面の清浄性に優れたものとし、かつ再成長層である第2の半導体層の結晶性を向上させることができる。

0037

また、上記第1の半導体層のドライエッチングとしてガスエッチングを用い、このガスエッチングに使用するガスを、上記ハロゲン系ガスを含むガスと同一成分のガスとしたから、上記第1の半導体層の結晶表面の酸化膜を除去する工程から上記第1の半導体層のドライエッチング工程へと移行する際に、ガスを切り換える操作が不要となり、作業効率を向上させることができる。

0038

また、この発明に係る半導体装置においては、下地半導体層上に結晶成長により連続的に形成したAlを含む化合物半導体からなる半導体層,及びAlを構成元素として含まない化合物半導体からなる保護層を、450℃以下の温度に保持し、上記保護層及び上記Alを含む半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記保護層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気と触れない状態を保持したまま、上記保護層,及び上記Alを含む半導体層,あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層を、上記保護層の上記酸化膜が除去された面からその深さ方向に上記Alを含む半導体層,あるいは上記下地半導体層に達するようにドライエッチングし、さらに外気と触れない状態を保持したまま、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面に、他の半導体層を結晶成長してなるものとしたから、再成長界面の清浄性に優れ、かつ、再成長層の結晶性に優れた半導体装置を提供できる。

0039

また、この発明に係る半導体装置においては、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気に触れない状態を保持したまま、上記第1の半導体層の上記酸化膜が除去された結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長してなるものとしたから、再成長界面の清浄性に優れ、かつ、再成長層の結晶性に優れた半導体装置を提供できる。

0040

また、この発明に係る半導体装置においては、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気に触れない状態を保持したまま、上記第1の半導体層を上記酸化膜が除去された面からその深さ方向にドライエッチングし、さらに外気に触れない状態を保持したまま、上記ドライエッチングにより露出した上記第1の半導体の結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長してなるものとしたから、再成長界面の清浄性に優れ、かつ、再成長層の結晶性に優れた半導体装置を提供できる。

0041

また、この発明に係る半導体結晶表面のクリーニング方法においては、半導体層を450℃以下の温度に保持した後、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置し、上記半導体の結晶表面に自然形成された酸化膜を、この酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去するようにしたから、不純物の少ない清浄性に優れた半導体結晶表面を提供することができる。

0042

また、上記半導体層をIII −V族化合物半導体とし、上記ハロゲン系ガスを含むガスとして、上記第1の半導体層を構成するV族元素を構成元素に含むガスを含むものを用いるようにしたから、上記半導体層の結晶表面の酸化膜を除去する際の上記第1の半導体層の結晶表面からのV族元素の脱離を調整することができ、より結晶性に優れた半導体結晶表面を提供することができる。

0043

また、この発明に係る半導体装置においては、半導体層を450℃以下の温度に保持し、該半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去してなるものとしたから、再成長界面の清浄性に優れ、かつ、再成長層の結晶性に優れた半導体装置を提供できる。

0044

実施例1.以下、この発明の第1の実施例による半導体装置の製造方法について説明する。本実施例1においては、最表面層キャップ層(保護層)である半導体層表面に、低温によるHCl処理を行ったあと、ドライエッチング及び、エピタキシャル成長を連続的に行うようにしたものである。

0045

図2図9,及び図10はこの発明の第1の実施例において再成長界面への不純物の蓄積を排除する効果を説明するために行った実験のサンプル構成を示したものである。図2は、この発明の第1の実施例による複合プロセスを用いて作製したサンプルAを示した図であり、図において、1はGaAs基板,2はAlGaAs層,3はGaAsキャップ層,4はGaAs再成長層,5は再成長界面,6はGaAsキャップ層3の表面に形成された酸化膜である。図9は従来のドライエッチングとエピタキシャル成長を組み合わせた複合プロセスにおいて作製したサンプルBを示した図であり、図において、図2と同一符号は同一または相当する部分を示しており、7は酸化膜6により再成長界面5に形成される酸化変成層である。また、図10は従来の他のドライエッチングとエピタキシャル成長とを組み合わせた複合プロセスにおいて作成したサンプルCを示した図であり、図において、図2と同一符号は同一又は相当する部分を示しており、6aは AlGaAs層2の表面に形成された酸化層である。なお、上図中において点線で囲われている工程はMOCVD(metal organic chemical vapor deposition)装置内で連続して行われる工程であることを示している。

0046

また、図3はサンプルAの作成工程におけるMOCVD装置内における成長シーケンスの一例を示す図であり、図8はサンプルB,Cの作成工程におけるMOCVD装置内における成長シーケンスの一例を示す図である。

0047

次に、各サンプルの作製方法を簡単に説明する。まず、サンプルAの作成方法図2について説明する。GaAs基板1上に厚さ2μmのAlx Ga1-x As(x=0.48)層2、厚さ0.1μmのGaAsキャップ層3をMOCVD(有機金属気相成長)法を用いて連続的に成長させる(図2(a))。つぎに、このサンプルを一度、大気中に取り出し、水洗し、乾燥する。この段階でサンプルのGaAsキャップ層3表面に、厚さが数オングストローム〜十オングストロームの酸化膜6が形成される。この後、このサンプルを再度MOCVD装置にセットし、まず、サンプルを水素ガスとAsH3ガス雰囲気中で350℃の温度まで昇温する。350℃の温度で保持しながら、水素ガス、アルシン(AsH3 )ガスとともにHClガスを導入して100分間処理を行い、GaAsキャップ層3表面の酸化膜6等を除去する(図2(b))。このキャップ層3表面の酸化膜6等の除去は、HCl等のハロゲンを構成元素とするガス(以下ハロゲン系ガスとする)が上記酸化膜に対して、連続的に吸着と脱離を繰り返すことにより行われる。この工程を低温HCl処理と呼ぶ。なお、この低温HCl処理の温度は450℃以下の温度であればよい。この低温HCl処理を施すことによりGaAsキャップ層3表面の酸化膜6を完全に除去する。この低温HCl処理は、水素流量:2.5slm(リットル毎分)、AsH3 (20%)流量:10sccm(cc毎分)、HCl(10%)流量:40sccmの条件により行った。ここで、AsH3 は、低温HCl処理を行う際の、GaAsキャップ層の表面からのAsの脱離を調節するために加えられたもので、その他のガスとしてターシャリブチルアルシン(C4H9 AsH2 )等のAsを構成元素としたガスを加えるようにしても良い。本実施例においては、AsH3 /HCl比は0.5であり、上述した特開平5−44869に開示されているように、この値はHClガスエッチングで表面状態を良好なものとする場合において、最適化された流量比である。この低温HCl処理により酸化膜6が完全に除去された後は、HClガスによりGaAsキャップ層がエッチングされ、本実施例の処理時間では約100オングストロームエッチングされる。

0048

次に、低温HCl処理を行ったサンプルを750℃の温度まで昇温し、水素、AsH3 、HClの各流量を低温HCl処理と同様の条件として通常のHClガスエッチングの手法を用いてサンプルにエッチングを施す(図2(c))。このHClガスエッチングにより約0.8μmエッチングして、AlGaAs層2の途中に達する深さまでエッチングする。

0049

その後、エッチングが完了したサンプルの上にMOCVDの手法を用いてGaAs層4を再成長してサンプルAを得る(図2(d))。なお、低温HCl処理からGaAs層の再成長までの工程は同一チャンバー内において連続して行われ、その成長シーケンスは図3のようになる。

0050

次に、サンプルBの作製方法について説明する。まず、2μmの厚さのGaAs基板1上にAlx Ga1-x As(x=0.48)層2、厚さ0.1μmのGaAsキャップ層をMOCVD法を用いて連続的に成長させる(図9(a))。次に、このサンプルを一度、大気中に取り出し、水洗、乾燥工程を施す。この段階でGaAsキャップ層3表面に酸化膜6が形成される。この後、上記サンプルを再びMOCVD装置内にセットし、750℃の温度まで昇温し、HClガスエッチングの手法を用いてエッチングを施す(図9(b))。このガスエッチングの水素、AsH3 、HClの各流量は上記サンプルAの場合と同様とする。上記条件により約0.8μmエッチングした。このとき、エッチング後のAlGaAs層2の表面には、酸化膜6の一部が残っている。

0051

さらに、エッチングが完了したサンプルの上にMOCVDの手法を用いてGaAs層4を再成長する(図9(c))。この再成長の際に、再成長界面5には上記酸化膜6から酸化変性層7が形成される。なお、HClガスエッチングとGaAs層4を再成長させる各工程は、同一チャンバ内において連続して行われ、その成長シークエンス図8に示すようになる。

0052

次に、サンプルCの製造方法について説明する。まず、GaAs基板1上に厚さ2μmのAlx Ga1-x As(x=0.48)層2をMOCVD法を用いて成長する(図10(a))。次に、このサンプルを一度、大気中に取り出し、水洗、乾燥工程を施す。この段階でAlGaAs層表面に酸化膜6aが形成される。その後、上記サンプルを再びMOCVD装置内にセットし、750℃の温度まで昇温し、HClガスエッチングの手法を用いてエッチングを施す(図10(b))。水素、AsH3 、HClの各流量は各流量はサンプルAの場合と同様である。上記条件により約0.8μmエッチングした。このとき、酸化膜6aはほとんどエッチングされず、AlGaAs層2のみがエッチングされ、エッチング後のAlGaAs層6表面には酸化膜6aが残っている。

0053

さらに、エッチングが完了したサンプル上にMOCVDの手法を用いてGaAs4を再成長した(図10(c))。なお、HClガスエッチングとGaAs層4を再成長させる各工程は、同一チャンバー内において連続して行われ、その成長シークエンスは上記サンプルBと同様に図8に示すようになる。

0054

次に、以上のようにして作製した各サンプルのAlGaAs2の再成長界面5における不純物(酸素,炭素)等の分析結果について説明する。ここでは、上記サンプルの不純物の分析をSIMSの手法を用いて行い、また、再成長GaAs層4の転位密度溶融KOHによるエッチピット観察の手法を用いて評価した。

0055

図1は再成長界面5の不純物分析結果を示す図であり、図1(a) は炭素の分析結果を,また、図1(b) は酸素の分析結果を示したものである。図に示されるように、サンプルB,サンプルCでは再成長界面5に酸素,炭素が蓄積されており、再成長界面5はいわゆる”汚れた”状態となっている。さらにこの二つのサンプルの転位密度を評価したところ、サンプルCが5×108 個/cm2 と極めて結晶品質が劣化していた。サンプルBの場合にはGaAsキャップ層の効果により、サンプルCに比べて改善されており、転位密度は4×104 個/cm2 まで低減されていた。しかし、半導体デバイスにおいては転位密度は104 個/cm2 以下に制御する必要があるとされている。従って、4×104 個/cm2 という転位密度の結晶は高性能な特性の要求される半導体デバイスに利用するには不十分であり、応用範囲は極めて狭い分野に限られるものである。

0056

一方、この発明の第1の実施例により作製されたサンプルAでは、再成長界面5に不純物は検出されず、極めて清浄な状態が保たれていることが確認できた。また、転位密度を評価した結果、1×103 個/cm2 と極めて高品質な結晶が得られていることがわかった。GaAs基板の転位密度が約500個/cm2 であり、MOCVD法により連続成長で形成したエピタキシャル成長層の転位密度が約1×103 個/cm2 であることから、上記の値はエッチング後の再成長により作製したサンプルとしては極めて高品質であり、再成長界面の清浄度、再成長結晶層の結晶品質ともに連続成長で作製したサンプルと比較して遜色がないことが示された。上記結果は極めて酸化しやすいAl組成が0.48と高いAlGaAs上の再成長において、はじめて実現された結果である。

0057

この発明の第1の実施例において、再成長界面に不純物が蓄積されず、高品質な再成長結晶層が得られた理由は以下のように解釈される。即ち、従来のドライエッチングと結晶再成長を組み合わせた複合プロセスでは、およそ450℃以上の温度に昇温することにより、例えば、Kondo et al.,19th Inte'l Symp. onGaAsand Related Compounds(1992:Karuizawa)に記載されているように、半導体層表面の酸化膜は、Al2 O3 ,Ga2 O3 等の極めて強固かつ不揮発性化合物変質し、半導体層表面に固着されてしまい、除去不可能な状態となる。このような状態でエッチングを開始しても、図9(a) 及び図10(a) に示すように、表面に固着した酸化物6及び6aは除去されず、この酸化物6及び6aの下の半導体層のみがエッチングにより除去され、エッチングが進行しても図9(b) ,図10(b) に示すように、表面に酸化物6,6aが残留してしまう。特にサンプルCのように、AlGaAs層2を表面とする構造においては、酸化物6aが一旦Alと化合すると極めて強固な結合を持つアルミ酸化物となり、これが再成長層の結晶品質を劣化させる原因となる。また、サンプルBにおいて充分な結果が得られなかった理由は、GaAsキャップ層3表面の酸化膜6がHClガスエッチングを行う際の高温により、エッチングされにくい強固な化合物となるため、HClガスエッチング後も残留し、この化合物中の酸素がAlGaAs層2表面の酸化を引き起こし、再成長界面5近傍に酸化変性層7を形成したためであると考えられる。つまり、HClガスエッチングが進みAlGaAs層2が露呈されてもAlGaAsが酸化されないようにするためには、HClガスエッチング開始前にGaAsキャップ層3表面の酸化膜6、即ち酸素を完全に除去する必要がある。

0058

しかし、本実施例においてはサンプルAに示すように、低温HCl処理を行うことにより、GaAsキャップ層3表面の酸化膜6を強固な化合物に変質させる前に容易に除去できる。そして、この低温HCl処理によりキャップ層3表面の酸化膜6を完全に除去した後、HClガスエッチング工程を行うようにしたから、HClガスエッチング後のAlGaAs層2表面を不純物等のない清浄な状態とすることができ、結晶性に優れた再結晶成長を行うことができ、優れた再成長界面5を得ることができる。即ち、上述したように、450℃以上の温度に昇温すると、GaAs酸化膜は強固な結合状態を有する化合物に変質してしまうので、450℃以下の温度で適度な表面クリーニングを施すことでGaAsキャップ層表面の酸化膜を除去でき、再成長界面を良好なものとすることができる。

0059

このような本実施例においては、AlGaAs層2表面にGaAsキャップ層3を形成し、外気から遮断した状態で、HClガス,AsH3 ,水素ガスを供給しながら、450℃以下の温度で保持して上記キャップ層上の酸化膜を除去した後、HClガスを用いたドライエッチングを行い上記キャップ層3の表面から、上記AlGaAs層2に達するまでエッチングし、さらに結晶再成長を行うようにしたから、再成長層の結晶性、及び再成長界面の清浄度を連続成長で形成した界面と同等のレベルまで容易に向上させることができる効果がある。これによりリーク電流の発生を抑えた、良好な素子特性を有する半導体装置を容易に提供することができる。

0060

また、清浄度に優れた再成長界面を形成することができるから、半導体装置の活性領域上に再成長界面を設けることも可能となり、半導体装置の製造プロセス設計の自由度を大きく広げられる効果がある。

0061

なお、上記実施例1では再結晶成長を行う層の材料としてAlGaAsを用い、キャップ層の材料としてGaAsを用いた場合について述べたが、本発明はSi,Ge,及びIII −V族化合物等の他の半導体材料を用いた場合についても適用でき、同様の効果を奏する。また、キャップ層を形成する工程を省略するようにしても良い。ただし、上述のように、再結晶成長を行う層として、Al等の酸化しやすい構成元素を含む材料を用いた場合には、酸化膜の除去が容易ではないため、Al等を含まない層をキャップ層としてあらかじめ付加しておくことでより完全なプロセスとすることができる。また、上記実施例においては低温HCl処理を行う際に、Asの過剰脱離による表面荒れを防ぐ目的でAsH3ガスを供給するようにしたが、他のIII −V族化合物半導体材料に本発明を適用する場合、低温HCl処理を行う材料に合わせて、V族元素の脱離を調整するためのガスを加えるようにする。例えば、InPGaP等のリンを構成元素として含む半導体材料に適用する場合には、ホスフィン(PH3 ),ターシャリブチルホスフィン(C4 H9 PH2 )等を、また、GaN等の窒素を構成元素として半導体材料に適用する場合には、アンモニア(NH3 )等を供給することにより上記実施例と同様の効果を奏する。

0062

また、上記実施例1では再結晶成長を行う層としてAlGaAs層を用いた場合について説明したが、AlGaAs層の代わりに、例えば、Alを構成元素として含む層を含む量子井戸構造層や,歪超格子層等の積層構造からなる層を用いるようにしても良く、上記実施例と同様の効果を奏する。

0063

さらに、上記実施例1では再結晶成長を行う面をAlGaAs層の結晶表面としたが、例えば、Alを構成元素として含む層を下地半導体層上に形成した場合において、上記Alを構成元素として含む層上にAlを含まない保護層を設けておき、この表面にHCl処理を行った後、上記下地半導体層に達するようにドライエッチングを行い、このエッチングにより露出した下地半導体層の結晶表面に所定の半導体層を再結晶成長させるようにしても、上記Alを構成元素として含む層をエッチングする際のAlの強固な酸化物の生成を防ぐことができ、ドライエッチング後の結晶表面への不純物の蓄積を大幅に減少させることができるから、再成長界面の不純物を少なくすることができるとともに、結晶性に優れた再結晶成長層を得ることができる。

0064

また、上記実施例1において、低温HCl処理を行う前に半導体層表面にマスクパターンを形成し、該マスクパターンを利用して、選択的な低温HCl処理,ドライエッチング,及び再結晶成長を行うようにしてもよく、上記実施例と同様の効果を奏する。

0065

さらに、上記実施例1では、低温HCl処理、HClガスエッチング、エピタキシャル再成長の複合プロセスを同一チャンバ内で連続して行った場合について説明したが、本発明は、上記プロセス間において半導体層が大気に触れないようにすれば良い。即ち、上記の各工程が専用の独立チャンバを有し、それぞれのチャンバが接続され、上記チャンバ内を真空とした状態で、または水素雰囲気下で、あるいは不活性ガス雰囲気下で、チャンバ間をウエハが搬送されるシステムを用い、上記の各工程を大気に触れないように行うようにしてもよい。例えば図5に示すような低温HCl処理、HClガスエッチングを同一チャンバにおいて行った後、ウエハが大気に触れないように結晶成長用チャンバに搬送し、ウエハ上に再結晶成長を行う成長シーケンス等により、ウエハに上述した複合プロセスを行うようにしても、上記実施例と同様の効果を奏する。

0066

また、上記実施例1では、酸化膜を除去するための低温処理の工程において、HClガスを用いた場合について説明したが、本発明は他のエッチングガスとして、例えば、HCl,Cl2 等の塩素系ガス、または、HBr,CH3 Br等の臭素系ガス、あるいはCH3 I等のヨウ素系ガス等のハロゲン系ガスを用いた場合についても適用でき、上記実施例1と同様の効果を奏する。

0067

さらに、上記実施例1では、酸化膜除去のための低温処理の工程と、該低温処理後のガスエッチングの工程をともに同一のガスを用いて行うようにしたが、異なるガスを用いるようにしてもよい。ただし、同一のガスを用いた方が、ガスの切換等の工程が不要となり、製造工程が容易になる点で好ましい。

0068

また、低温処理後のドライエッチングとして、ガスエッチングの代わりに、その他のドライエッチングとしてプラズマエッチングイオンビームエッチング等を用いるようにしてもよく、上記実施例1と同様の効果を奏する。

0069

さらに、上記実施例1では、再結晶成長の方法として、MOCVD法を用いた場合について説明したが、他の再結晶成長方法として、例えばCVD(化学気相成長法),MBE(分子線成長法),GSMBE(ガスソース分子線成長法),CBE(ケミカルビーム成長法)等を用いても上記実施例1と同様の効果を得られる。

0070

実施例2.次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例2は、上記第1の実施例の低温HCl処理の後、高温によるガスエッチング行うことなく、結晶再結晶を行うようにしたものである。上記第1の実施例においては、低温HCl処理と、高温によるHClガスエッチングと、結晶再成長の工程を組み合わせた複合プロセスについて説明したが、以下に上記実施例1において、高温によるHClガスエッチングを用いた理由について説明する。

0071

図6はGaAsに対してHClガスエッチングを行った時の、エッチング速度とエッチング温度との関係を示した図である。図に示すように、エッチング速度は温度の増加とともに指数関数的に増加する。これは、エッチングガスと半導体との化学反応が温度の上昇とともに促進されるためである。低温HCl処理に適した450℃以下の温度ではエッチング速度は極めて遅く、上図6から10オングストローム/min以下のエッチング速度しか得られないことがわかる。従って所望のエッチング深さ(例えば1μm程度)を得るためには長時間の処理が必要であり、低温によるHClガスを用いた表面処理を半導体層をエッチングする目的で使用することは実用的ではない。従って、上記実施例においては、低温によるHClガスを用いた表面処理を行う目的を、表面の酸化膜を除去するための表面クリーニングに限定し、該処理の後に引き続いてエッチング速度の早いHClガスを用いた750℃の温度によるエッチングを行うようにしたものである。

0072

しかし、半導体デバイスの製造工程においては、エッチング深さは数十〜100オングストロームでよい場合もある。また、上述したように、強固な結合を形成するAl等を構成元素としない半導体層においては、キャップ層を形成する必要がなく、キャップ層を除去する工程が不要な場合がある。このような場合には、エッチングレートの高い高温でのエッチングは特に必要なく、低温HCl処理により酸化膜を除去した後に、半導体層の表面を上記低温HCl処理と同様の温度で、かつ同様のガスを使用してエッチングすることにより所望のエッチングを行うことも可能である。つまり、必要なエッチング深さに応じてHClガスエッチングの処理温度使い分けることが可能である。

0073

したがって、外気から遮断した状態において、半導体層表面に対して上記実施例1において説明した低温HCl処理を行った後、該低温HCl処理と同様の条件で半導体層をエッチングし、その後、再結晶成長させることにより、半導体層の再成長界面となる面の不純物を除去した後、ガスを切り換えることなく上記半導体層をエッチングし、その後再結晶成長を行うことができるから、再成長界面が清浄で、再成長層の結晶性に優れた半導体装置を容易に提供できる。

0074

なお、低温HCl処理を行った後のドライエッチングが不要の場合は、このドライエッチングを行わないようにしてもよい。すなわち、上記低温HCl処理後に再結晶成長を行うようにしても、上記実施例2と同様の効果を奏する。

0075

実施例3.以下に本発明の第3の実施例による、上記実施例1及び2において示した低温HCl処理を含む複合プロセスを用いたヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ(HBT)の製造方法について説明する。

0076

図7は本発明の第3の実施例によるヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ(HBT)の製造方法の主要工程を示す断面構造図であり、図において、10はS.I.GaAs基板,11はn+ −GaAs層,12はn−GaAs層,13はp+ −AlGaAsベース層,14はp+ −GaAsキャップ層,15はSiN膜,16はp+ −GaAs外部ベース層,17はp+ −InGaAsコンタクト層,18はSiO膜,19はn−AlGaAsエミッタ層,20はn+ −InGaAsコンタクト層,21はSiN膜,22は開口部,23はリセス,24はSiN膜,25はn+ −GaAsコレクタ層,26はn+ −InGaAsコンタクト層,27はコレクタ電極,28はベース電極,29はエミッタ電極である。

0077

次に本実施例3のHBTの製造方法について説明する。まず、図7(a) に示すように、半絶縁性のGaAs基板10上に、n+ −GaAs層11,n−GaAs層12,p+ −AlGaAsベース層13,p+ −GaAsキャップ層14をMOCVDの手法を用いて順次成長させる。このエピタキシャル成長させたウェハ上に、SiN膜15を形成した後、該SiN膜15のエミッタ層となる部分だけをパターニングにより残すようにして他の部分を除去する。なお、p+ −AlGaAsベース層13は、n−GaAs層12側がGaAsとなり、p+ −GaAsキャップ層14側がAl0.1 Ga0.9 AsとなるようにAl組成をグレーデッドに変化させて形成している。次に、図7(b) に示すように、SiN膜15を選択マスクとして、p+ −GaAs外部ベース層16、p+ −InGaAsコンタクト層17を選択成長する。このとき、低温HCl処理を施した後、選択的に再結晶成長させることにより、p+ −GaAsキャップ層14表面はクリーニングされ、再成長界面は、連続成長を行った場合と同等レベルの状態を維持することができる。

0078

その後、図7(c) に示すように、SiO膜18を形成した後、SiN膜15を除去してエミッタとなる部分を開口する。さらに、図7(d) に示すように、n−AlGaAsエミッタ層19,n+ −InGaAsコンタクト層20をこの発明の第1の実施例に示した方法を用いて選択成長する。すなわち、選択成長に先だって、低温HCl処理、HClガスエッチングによりp+ −GaAsキャップ層14のエッチング除去を行い、p+ −AlGaAsベース層13を露呈させた後、n−AlGaAsエミッタ層19,n+ −InGaAsコンタクト層20を選択的に再成長する。上記手法を用いない場合には、p+ −AlGaAsベース層とn−AlGaAsエミッタ層の再成長界面には多量の酸化物が残留する結果となり、結果としてHBTの特性を著しく悪化させる原因となる。

0079

次に、図7(e) に示すように、SiN膜21を形成し、図7(f) に示すように、SiN膜21のコレクタ層を形成する部分に開口部22を形成する。その後、図7(g) に示すように、SiN膜21を選択マスクとしてn+ −GaAs層11に達するまでエッチングにより除去してリセス24を形成する。その後、図7(h) に示すように、全面にSiN膜24を形成した後、リセス23内のコレクタ層を成長する部分のみを開口させる。さらに、図7(i) に示すように、n+ −GaAsコレクタ層25,n+ −InGaAsコンタクト層26を選択成長する。このとき、上記第1の実施例において示したように、低温HCl処理を施した後、選択的に再成長を行うことによりn+ −GaAs層11表面はクリーニングされ、再成長界面は、連続成長と同等レベルの状態を維持することができる。

0080

その後、図7(j) に示すように、二重に形成したSiN膜21,24のうち、コレクタ層25の側壁近傍のSiN膜24のみを残し、残りの部分を除去する。さらに、SiO膜18のベース電極を形成する部分を開口させる。なお、上述のプロセスにおいて、絶縁膜としてSiNとSiOを使い分けた理由は、絶縁膜の選択除去を容易にするためである。その後、図7(k) に示すように、エミッタ電極29,ベース電極28,コレクタ電極27を形成する。

0081

以上のように、HBTの製造工程は3回の選択再成長を含んで構成されており、特にエミッタ層19の再成長の際に、エミッタ層19とベース層16の界面に酸素等の不純物が存在すると、リーク電流の増加につながり、正常なトランジスタ動作が得られないなどの不都合が生じる。

0082

しかし、本実施例に示すように、これらの選択再成長を含むプロセスに上記第1の実施例において示した低温HCl処理工程を含む複合プロセスを利用することにより、再成長層の結晶性、及び再成長界面の清浄度を連続成長で形成した成長層及び界面と同等のレベルまで向上させることができるから、リーク電流の発生を抑えた、良好な素子特性を備えた高性能なHBTを提供することができる。

0083

実施例4.以下に本発明の第4の実施例による、上記実施例1及び2において示した低温HCl処理を含む複合プロセスを用いた埋め込みリッジ型半導体レーザの製造方法について説明する。

0084

図12は本実施例4の埋め込みリッジ型レーザの製造工程を示す模式図であり、図において、31はn−GaAs層,32はn−AlGaAs層,33は活性層で、Alの比率を変えた複数のAlGaAs層により量子井戸構造となっている。34はp−AlGaAs層,35はp−GaAsキヤップ層,36はSiN膜,37はn−GaAs電流ブロック層,38はp−GaAsキャップ層,39はp−GaAsコンタクト層である。

0085

次に製造方法について説明する。まず、図12(a) に示すように、n−GaAs基板31上にn−AlGaAs層32,量子井戸構造の活性層33,p−AlGaAs層34,p−GaAsキャップ層35を順次結晶成長させた後、キャップ層35上にSiN膜36を形成し、これをストライプ上にパターニングする。

0086

次に、図12(b) に示すように、SiN膜36をマスクとして、上記第1の実施例おいて示したように、チャンバ内で、450℃以下の温度に保持しながら、HClガス,AsH3 ,水素ガスを供給して、キャップ層35上に自然形成された酸化膜をクリーニングし、その後、上記チャンバと同一のチャンバ内において、約750℃の温度で、HClガス,AsH3ガス,水素ガスを供給しながら、キャップ層35およびp−AlGaAs層34をドライエッチングしてリッジを形成する。さらに、上記チャンバと同一のチャンバ内において、MOCVDにより電流ブロック層37,p−GaAsキャップ層38を再成長させ、最後にSiN膜36を除去した後、コンタクト層39を形成する。

0087

従来の埋め込みリッジ型レーザは、450℃以上のドライエッチングによりキャップ層35およびp−AlGaAs層34をエッチングしてリッジを形成した後、これを埋め込むように電流ブロック層37を選択再成長させることにより形成されていた。そのため、電流ブロック層37の再成長界面が不純物により汚れたり、電流ブロック層37の結晶性が悪くなり、リーク電流が発生してしまう等の問題があった。しかし、本実施例4に示す半導体レーザの製造方法によれば、電流ブロック層37の再成長界面を清浄なものとすることができ、かつ電流ブロック層37の結晶性を向上させることができるから、すぐれた特性の埋め込みリッジ型レーザを得られる効果がある。

0088

実施例5.以下に本発明の第5の実施例による、上記実施例1及び2において示した低温HCl処理を含む複合プロセスを用いた埋め込みリッジ型半導体レーザの製造方法について説明する。

0089

図13は本発明の第5の実施例による埋め込みリッジ型半導体レーザの製造方法を示す工程図であり、図において、図12と同一符号は同一または相当する部分を示しており、40は高抵抗GaAs電流ブロック層である。

0090

次に製造方法について説明する。まず、図13(a) に示すように、n−GaAs基板31上にn−AlGaAs層32,量子井戸構造の活性層33,p−AlGaAs層34,p−GaAsキャップ層35を順次結晶成長させた後、p−GaAsキャップ層35上にSiN膜36を形成し、これをストライプ上にパターニングする。

0091

次に、図12(b) に示すように、SiN膜36をマスクとして、上記第1の実施例おいて示したように、チャンバ内で、450℃以下の温度に保持しながら、HClガス,AsH3 ,水素ガスを供給して、キャップ層35上に自然形成された酸化膜をクリーニングし、その後、上記チャンバと同一のチャンバ内において、約750℃の温度で、HClガス,AsH3ガス,水素ガスを供給しながら、キャップ層35,p−AlGaAs層34,AlGaAs量子井戸活性層33,およびn−AlGaAs層32上部をドライエッチングしてリッジを形成する。さらに、上記チャンバと同一のチャンバ内において、上記エッチングにより露出したn−AlGaAs層32上にMOCVDにより高抵抗GaAs電流ブロック層40,p−GaAsキャップ層38を再成長させ、最後にSiN膜36を除去した後、コンタクト層39を形成する。

0092

本実施例5に示す埋め込みリッジ型半導体レーザにおいても、キャップ層35表面に低温HCl処理を行った後、キャップ層35,及びp−AlGaAs層34をドライエッチングし、さらにAlGaAs量子井戸活性層33,及びn−AlGaAs層32上部をエッチングして、そのエッチングにより露出した面上に高抵抗電流ブロック層40を形成するようにしたから、p−AlGaAs層34,AlGaAs量子井戸活性層33を、その構成元素であるAlを強固な酸化物に変化させることなくエッチングすることができるため、高抵抗電流ブロック層40の再成長界面を清浄なものとすることができ、かつ電流ブロック層40の結晶性を向上させることができ、すぐれた特性の埋め込みリッジ型レーザを得られる効果がある。

0093

なお、上記実施例1及び2に述べたプロセスは、下地となる結晶と再結晶成長層との界面を清浄な状態に保つことが必要な半導体デバイスの製造方法として広く利用できるものであり、特定のデバイスに限定して利用されるものではない。したがって、本実施例5,および上記実施例3,4においては、上記実施例1及び2に述べた複合プロセスを埋め込みリッジ型レーザ,及びHBTの製造方法に利用した場合について示したが、本発明は他の半導体デバイスにも適用することができ、通常の再成長工程を用いて製造された半導体デバイスと比較して高性能化を容易に実現できる。

0094

実施例6.次に、本発明の第6の実施例について説明する。上記第1の実施例においては、GaAsキャップ層表面に対して、低温HCl処理を行った後、HClガスエッチングにより、上記GaAsキャップ層表面から、AlGaAs層に達するようドライエッチングし、その後再結晶成長を行うようにした場合について説明したが、本実施例6においては、上記低温HCl処理と同様の処理、即ち、半導体をハロゲン系ガスを含むガスが供給された雰囲気下で、450℃以下の温度に保持することにより、半導体の結晶表面に自然形成される酸化膜を、該酸化膜と、上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離反応により除去する処理を単独で使用して、半導体結晶表面のクリーニングを行うようにしてもよい。例えば、GaAs基板に対して、該基板を450℃以下の温度に保持し、HClガス,水素ガス,AsH3 ガスからなる混合ガスを供給する処理を行うことにより、酸化膜が除去され、清浄な結晶表面を備えたGaAs基板を得ることができる。

0095

このような実施例の半導体結晶表面のクリーニング方法によれば、半導体結晶表面の酸化膜を450℃以上の高温により強固な化合物に変質させることなく、ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着および脱離反応により、酸化膜を除去することができるから、結晶表面が清浄な半導体を容易に提供できる効果がある。

0096

実施例7.以下に、本発明の第7の実施例について説明する。本実施例7はパターニングした絶縁膜を用い、上記第1の実施例において説明した半導体装置の製造方法を利用して、半導体層の選択再成長を行うようにしたものである。

0097

図14は本発明の第7の実施例による半導体装置の製造方法を示す図であり、図において、図2と同一符号は同一部分を示しており、50は絶縁膜であり、この絶縁膜50の材料としては、SiN等の通常の選択エッチングにマスクとして用いられる材料を用いる。51は該絶縁膜50に形成された開口部である。なお、図中点線により囲まれている工程は、MOCVD装置内において連続的に行われている工程であることを示している。

0098

次に、製造方法について説明する。GaAs基板1上に厚さ2μmのAlx Ga1-x As(x=0.48)層2、厚さ0.1μmのGaAsキャップ層3をMOCVD(有機金属気相成長)法を用いて連続的に成長させた後、さらに、該GaAsキャップ層3上にSiN膜50を形成する(図14(a))。つぎに、上記基板1をMOCVD装置より取り出し、SiN膜50上にフォトレジスト(図示せず)を形成し、該フォトレジストに露光によりパターニングを行った後、これをマスクとしてSiN膜50に開口部51を形成し、フォトレジストを除去する。この時、開口部51に露出したGaAsキャップ層3表面には外気との反応により、厚さが数オングストローム〜十オングストロームの酸化膜6が形成される(図14(b))。この後、上記基板1を再度MOCVD装置にセットし、まず、上記基板1を水素ガスとAsH3ガス雰囲気中で350℃の温度まで昇温する。350℃の温度で保持しながら、水素ガス、アルシン(AsH3 )ガスとともにHClガスを導入して50〜100分間処理を行い、GaAsキャップ層3表面の酸化膜6等を除去する(図14(c))。このキャップ層3表面の酸化膜6等の除去は、HCl等のハロゲン系ガスが上記酸化膜に対して、連続的に吸着と脱離を繰り返すことにより行われる。この低温HCl処理を施すことによりGaAsキャップ層3表面の酸化膜6を完全に除去する。この低温HCl処理は、水素流量:2.5slm(リットル毎分)、AsH3 (20%)流量:10sccm(cc毎分)、HCl(10%)流量:40sccmの条件により行う。この低温HCl処理により酸化膜6が完全に除去された後は、HClガスによりGaAsキャップ層3がエッチングされ、本実施例の処理時間では約100オングストロームエッチングされる。

0099

次に、低温HCl処理を行ったサンプルを750℃の温度まで昇温し、水素、AsH3 、HClの各流量を低温HCl処理と同様の条件として通常のHClガスエッチングの手法を用いて、上記絶縁膜50をマスクとしてGaAsキャップ層3,およびAlGaAs層2にエッチングを施す(図14(d))。このHClガスエッチングにより約0.8μmエッチングして、AlGaAs層2の途中に達する深さまでエッチングする。

0100

その後、上記エッチングが完了して露出したAlGaAs層2上に、上記絶縁膜51をマスクとして、MOCVDの手法を用いてGaAs層4を選択再成長した後、絶縁膜51を除去して、図14(e) に示す半導体装置を得る。

0101

本実施例においては、AlGaAs層2上に形成された保護層であるGaAsキャップ層3の表面に所望のパターニングを行った絶縁膜50を形成し、これをマスクとして、上記第1の実施例において示した低温HCl処理とドライエッチングと結晶再成長を組み合わせた複合プロセスを行うようにしたから、AlGaAs層2上に半導体層4を選択再成長させることができるとともに、その選択再成長界面を清浄なものとし、かつ再成長半導体層4の結晶性を向上させることができる。これにより再成長界面におけるリーク電流の発生等の特性の劣化を防止し、かつ、再成長層の電気的,光学的特性を向上させることができるから、微細な構造の半導体装置に適用することにより、特性に優れた半導体装置を得ることができる。さらに、従来よりも微細な構造の半導体装置を提供することができる効果がある。

0102

なお、本実施例においても、上記第1の実施例と同様に、再結晶成長の基となる層としてはAlGaAs層の代わりに、Si,Ge,及びIII −V族化合物等の他の半導体材料からなる層を用い、再結晶成長層としてGaAs層の代わりに他の半導体材料からなる層を用いた場合についても適用でき、上記実施例7と同様の効果を奏する。

発明の効果

0103

以上のようにこの発明に係る半導体装置の製造方法によれば、下地半導体層上にAlを構成元素として含む化合物半導体よりなる半導体層,及びAlを構成元素として含まない化合物半導体からなる保護層を連続して形成し、上記保護層及び上記Alを含む半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置し、上記保護層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気に触れない状態を保持したまま、上記保護層及びAlを含む半導体層、あるいは上記保護層,Alを含む半導体層,及び下地半導体層を上記保護層表面から、上記Alを含む半導体層,あるいは上記下地半導体層に達するようドライエッチングし、さらに、外気に触れない状態を保持したまま、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面に、他の半導体層を結晶成長させるようにしたから、再成長界面への不純物の蓄積を排除し、かつ連続成長と比較して遜色のない結晶性を備えた再成長層が得られ、デバイス特性飛躍的に向上させた半導体装置が提供できる効果がある。

0104

また、上記Alを含む半導体層をAlGaAsとし、上記保護層をGaAsとし、上記ハロゲン系ガスを含むガスとして、HClガス,水素ガス,及びAsH3 ガスからなる混合ガスを用いるようにしたから、再成長界面への不純物の蓄積を排除し、かつ連続成長と比較して遜色のない結晶性を備えた再成長層が得られ、デバイス特性を飛躍的に向上させた半導体装置が提供できる効果がある。

0105

また、上記保護層をIII −V族化合物半導体とし、上記ハロゲン系ガスを含むガスとして、上記保護層を構成するV族元素を構成元素に含むガスを含むものを用いるようにしたから、上記保護層表面から酸化膜を除去する際の該保護層結晶表面からのV族元素の脱離を調整することができ、より再成長界面の清浄性、及び再成長層の結晶性に優れた半導体装置を提供できる効果がある。

0106

また、上記保護層と上記Alを含む半導体層、あるいは上記保護層,上記Alを含む半導体層,及び上記下地半導体層のドライエッチングとしてガスエッチングを用い、このガスエッチングに使用するガスを、上記ハロゲン系ガスを含むガスと同一成分のガスとしたから、上記保護層の結晶表面の酸化膜を除去する工程から上記保護層と上記Alを含む半導体層,あるいは上記保護層,Alを含む半導体層,及び下地半導体層のドライエッチング工程へと移行する際に、ガスを切り換える操作が不要となり、作業効率を向上させることができる効果がある。

0107

また、この発明に係る半導体装置の製造方法によれば、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持した後、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置して、第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、この酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気に触れない状態を保持したまま、上記第1の半導体層の結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長させるようにしたから、再成長界面への不純物の蓄積を排除し、かつ連続成長と比較して遜色のない結晶性を備えた再成長層が得られ、デバイス特性を飛躍的に向上させた半導体装置が提供できる効果がある。

0108

また、この発明に係る半導体装置の製造方法によれば、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持した後、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置して、第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、この酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気に触れない状態を保持したまま、上記第1の半導体層を上記酸化膜が除去された面からその深さ方向にドライエッチングし、さらに外気と触れない状態を保持したまま、このドライエッチングにより露出した上記第1の半導体層の結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長させるようにしたから、再成長界面への不純物の蓄積を排除し、かつ連続成長と比較して遜色のない結晶性を備えた再成長層が得られ、デバイス特性を飛躍的に向上させた半導体装置が提供できる効果がある。

0109

また、上記第1の半導体層をIII −V族化合物半導体とし、上記ハロゲン系ガスを含むガスとして、上記第1の半導体層を構成するV族元素を構成元素に含むガスを含むものを用いるようにしたから、上記第1の半導体層の表面の酸化膜を除去する際の上記第1の半導体層の結晶表面からのV族元素の脱離を調整することができ、より再成長界面の清浄性,及び再成長層の結晶性に優れた半導体装置を提供できる効果がある。

0110

また、上記第1の半導体層のドライエッチングとしてガスエッチングを用い、このガスエッチングに使用するガスを、上記ハロゲン系ガスを含むガスと同一成分のガスとしたから、上記第1の半導体層の結晶表面の酸化膜を除去する工程から上記第1の半導体層のドライエッチング工程へと移行する際に、ガスを切り換える操作が不要となり、作業効率を向上させることができる。

0111

また、この発明に係る半導体装置によれば、下地半導体層上に結晶成長により連続的に形成したAlを含む化合物半導体からなる半導体層,及びAlを構成元素として含まない化合物半導体からなる保護層を、450℃以下の温度に保持し、上記保護層及び上記Alを含む半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記保護層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気と触れない状態を保持したまま、上記保護層,及び上記Alを含む半導体層,あるいは上記保護層,Alを含む半導体層,及び下地半導体層を、上記保護層の上記酸化膜が除去された面からその深さ方向に上記Alを含む半導体層,あるいは上記下地半導体層に達するようにドライエッチングし、さらに外気と触れない状態を保持したまま、上記ドライエッチングにより露出した半導体層の結晶表面に、他の半導体層を結晶成長してなるものとしたから、再成長界面の清浄性に優れ、かつ、再成長層の結晶性に優れた半導体装置を提供できる効果がある。

0112

また、この発明に係る半導体装置によれば、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気に触れない状態を保持したまま、上記第1の半導体層の上記酸化膜が除去された結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長してなるものとしたから、再成長界面の清浄性に優れ、かつ、再成長層の結晶性に優れた半導体装置を提供できる効果がある。

0113

また、この発明に係る半導体装置によれば、第1の半導体層を450℃以下の温度に保持し、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記第1の半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去した後、外気に触れない状態を保持したまま、上記第1の半導体層を上記酸化膜が除去された面からその深さ方向にドライエッチングし、さらに外気に触れない状態を保持したまま、上記ドライエッチングにより露出した上記第1の半導体の結晶表面に、第2の半導体層を結晶成長してなるものとしたから、再成長界面の清浄性に優れ、かつ、再成長層の結晶性に優れた半導体装置を提供できる効果がある。

0114

また、この発明に係る半導体結晶表面のクリーニング方法によれば、半導体層を450℃以下の温度に保持した後、これをハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置し、上記半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、この酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去するようにしたから、不純物の少ない清浄性に優れた半導体結晶表面を提供することができる効果がある。

0115

また、上記半導体層をIII −V族化合物半導体とし、上記ハロゲン系ガスを含むガスとして、上記第1の半導体層を構成するV族元素を構成元素に含むガスを含むものを用いるようにしたから、上記半導体層の結晶表面の酸化膜を除去する際の上記第1の半導体層の結晶表面からのV族元素の脱離を調整することができ、より結晶性に優れた半導体結晶表面を提供することができる効果がある。

0116

また、この発明に係る半導体装置によれば、半導体層を450℃以下の温度に保持し、該半導体層をハロゲン系ガスを含むガスを供給した雰囲気下に配置することにより、上記半導体層の結晶表面に自然形成された酸化膜を、該酸化膜と上記ハロゲン系ガスを構成する元素との吸着及び脱離の連続的な反応により除去してなるものとしたから、再成長界面の清浄性に優れ、かつ、再成長層の結晶性に優れた半導体装置を提供できる効果がある。

図面の簡単な説明

0117

図1この発明の第1の実施例の効果を説明するためのSIMS分析結果を示した図である。
図2この発明の第1の実施例による半導体装置の製造方法を説明するための図である。
図3この発明の第1の実施例における成長シーケンスの一例を示す図である。
図4この発明の第2の実施例における成長シーケンスの一例を示す図である。
図5この発明の第1の実施例における、低温HCl処理,HClガスエッチング後、ウエハを他のチャンバに搬送して再結晶成長を行う場合の成長シーケンスの一例を示す図である。
図6この発明の第2の実施例におけるGaAs層に対するエッチング速度とエッチング温度との関係を示すグラフである。
図7この発明の第3の実施例におけるヘテロジャンクションバイポーラトランジスタの製造工程を示す断面構造図である。
図8従来のドライエッチングとエピタキシャル成長を組み合わせた複合プロセスの成長シーケンスを示した図である。
図9従来の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
図10従来の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
図11従来の他の半導体装置の製造方法を説明するための図である。
図12この発明の第4の実施例による埋め込みリッジ型半導体レーザの製造方法を示す断面図である。
図13この発明の第5の実施例による埋め込みリッジ型半導体レーザの製造方法を示す断面図である。
図14この発明の第7の実施例による半導体装置の製造方法を示す断面図である。

--

0118

1GaAs基板
2AlGaAs層
3GaAsキャップ層
4GaAs再成長層
5再成長界面
6酸化膜
6a 酸化膜
7酸化変性層
8SiN膜
9硫黄膜
10 S.I.GaAs基板
11 n+ −GaAs層
12 n−GaAs層
13 p+ −AlGaAsベース層
14 p+ −GaAsキャップ層
15 SiN膜
16 p+ −GaAs外部ベース層
17 p+ −InGaAsコンタクト層
18SiO膜
19 n−AlGaAsエミッタ層
20,26 n+ −InGaAsコンタクト層
21,24,36 SiN膜
22 開口部
23リセス
25 n+ −GaAsコレクタ層
27コレクタ電極
28ベース電極
29エミッタ電極
31 n−GaAs基板
32 n−AlGaAs層
33活性層(量子井戸構造)
34 p−AlGaAs層
35 p−GaAsキャップ層
37 n−GaAs電流ブロック層
38 p−GaAsキャップ層
39 p−GaAsコンタクト層
40高抵抗GaAs電流ブロック層
50絶縁膜
51 開口部

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