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技術 核燃料要素

出願人 日本核燃料開発株式会社
発明者 石本慎二梁井康一油田良一天谷政樹
出願日 1994年3月9日 (26年11ヶ月経過) 出願番号 1994-038295
公開日 1995年9月19日 (25年4ヶ月経過) 公開番号 1995-244180
状態 未査定
技術分野 原子炉燃料及び部品の製造 重金属無機化合物(II)
主要キーワード 水素ゲッタ ガス放出率 比較線 ウランイオン 機械的相互作用 拡散挙動 平均イオン半径 核燃料被覆管
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図面 (3)

目的

核燃料被覆管の破損事故時おいて、従来よりも安全な、核燃料要素を得る。

構成

核燃料ペレット1における酸素原子の数と金属原子の数との比が2.00〜2.25の範囲内にあるように、核燃料ペレット1に4価のウランよりも低原子価の金属の酸化物を固溶し、また、核燃料ペレット1の表面温度における酸素ポテンシャルが−250kJ/mol以上に、核燃料ペレット1の中心部における酸素ポテンシャルが−300kJ/mol以下に、それぞれ維持できるようなガス2を、ジルコニウムを主成分とする核燃料被覆管3に封入してある。

概要

背景

軽水炉では、二酸化ウランからなる核燃料ペレット、又は二酸化ウランに可燃性毒物として酸化ガドリニウムを添加した核燃料ペレットを、ジルコニウムを主成分とする核燃料被覆管封入した核燃料要素が多く用いられている。

従来、核燃料ペレットと核燃料被覆管との相互作用PCI)による核燃料要素の破損が問題視されている。PCI破損は、核燃料ペレットと核燃料被覆管との機械的相互作用PCMI)に加え、化学的相互作用(PCCI)で生じた応力腐食割れ(SCC)によって発生すると考えられている。(以下、これを一次破損と略称する。)一次破損では、ピンホール状割れ、Xマーク状の割れ、又は軸方向につながる割れが観察されているが、このような割れが核燃料被覆管を貫通した場合には、冷却水が核燃料被覆管内に侵入して、核燃料被覆管の内面水素化、及び核燃料ペレットの酸化膨張などが発生する。(以下、これを二次破損と略称する。)二次破損を回避するには、核燃料ペレット及び核燃料被覆管の両方に対して、酸化及び腐食の発生を防止する必要がある。しかし従来では、一次破損対策重点がおかれていた。

すなわち、核燃料被覆管の内面の水素化、及び過剰の酸化を防止するため、核燃料要素のプレナム部に水素ゲッタ等を用いる方法が特開昭48−80992号公報などに開示され、また、核燃料被覆管の内面を酸化させて酸化物を形成する方法が特開昭54−42599号公報などに開示されている。

更に、核燃料被覆管の内面を酸化物でコーティングする方法、及び腐食の原因となる元素ゲッタとなる物質を核燃料ペレットに添加する方法が、特開昭55−151291号公報、及び特開昭56−14187号公報などに開示されている。

また、核燃料ペレットの酸素原子の数とウラン原子の数との比(=O/U)を2より大きくした核燃料ペレットを用い、運転時に過剰の酸素を放出させ、核燃料被覆管の内面に酸化膜を形成させる方法が、特開昭53−76299号公報などに開示されている。

また、核燃料ペレットのO/Uを2.15〜2.25とし、封入ガスとして炭酸ガスを用い、運転時に核燃料被覆管の内面に酸化膜を形成させ、かつ運転時に核燃料ペレットのO/Uを2.15〜2.25に維持する方法が、特開昭55−152494号公報に開示されている。

また、2価及び3価の低原子価の金属の酸化物を二酸化ウランに添加する方法が、特開昭55−87993号公報に開示されている。

更に、二酸化ウランに酸化カルシウムを添加し、O/Uを2より大きくした核燃料ペレットが特開昭55−143488号公報に開示されている。

概要

核燃料被覆管の破損事故時おいて、従来よりも安全な、核燃料要素を得る。

核燃料ペレット1における酸素原子の数と金属原子の数との比が2.00〜2.25の範囲内にあるように、核燃料ペレット1に4価のウランよりも低原子価の金属の酸化物を固溶し、また、核燃料ペレット1の表面温度における酸素ポテンシャルが−250kJ/mol以上に、核燃料ペレット1の中心部における酸素ポテンシャルが−300kJ/mol以下に、それぞれ維持できるようなガス2を、ジルコニウムを主成分とする核燃料被覆管3に封入してある。

目的

本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであり、核燃料被覆管の破損事故時において、従来よりも安全な、核燃料要素を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

核分裂性物質を含む酸化物からなる核燃料ペレットを、ジルコニウムを主成分とする核燃料被覆管封入してなる核燃料要素において、前記核燃料ペレットには4価のウランよりも低原子価の金属の酸化物が固溶され、前記核燃料ペレットにおける酸素原子の数と金属原子の数との比が全体平均として2.00〜2.25の範囲内にあり、前記核燃料被覆管にはガスが封入され、前記核燃料ペレットの表面温度における酸素ポテンシャルが−250kJ/mol以上に、前記核燃料ペレットの中心温度における酸素ポテンシャルが−300kJ/mol以下に、それぞれ維持されていることを特徴とする核燃料要素。

請求項2

前記核燃料ペレットにおける前記4価のウランを除く他のウランイオン及び低原子価イオン平均イオン半径が、前記4価のウランの平均イオン半径よりも小さくなるように、前記核燃料ペレットにおける、前記核燃料ペレットに固溶される前記低原子価の金属の酸化物の濃度と、酸素原子の数と金属原子の数との比とを組み合わせてある請求項1記載の核燃料要素。

技術分野

0001

本発明は、核分裂性物質を含む酸化物からなる核燃料ペレットを、ジルコニウムを主成分とする核燃料被覆管封入してなる核燃料要素に関する。

背景技術

0002

軽水炉では、二酸化ウランからなる核燃料ペレット、又は二酸化ウランに可燃性毒物として酸化ガドリニウムを添加した核燃料ペレットを、ジルコニウムを主成分とする核燃料被覆管に封入した核燃料要素が多く用いられている。

0003

従来、核燃料ペレットと核燃料被覆管との相互作用PCI)による核燃料要素の破損が問題視されている。PCI破損は、核燃料ペレットと核燃料被覆管との機械的相互作用PCMI)に加え、化学的相互作用(PCCI)で生じた応力腐食割れ(SCC)によって発生すると考えられている。(以下、これを一次破損と略称する。)一次破損では、ピンホール状割れ、Xマーク状の割れ、又は軸方向につながる割れが観察されているが、このような割れが核燃料被覆管を貫通した場合には、冷却水が核燃料被覆管内に侵入して、核燃料被覆管の内面水素化、及び核燃料ペレットの酸化膨張などが発生する。(以下、これを二次破損と略称する。)二次破損を回避するには、核燃料ペレット及び核燃料被覆管の両方に対して、酸化及び腐食の発生を防止する必要がある。しかし従来では、一次破損対策重点がおかれていた。

0004

すなわち、核燃料被覆管の内面の水素化、及び過剰の酸化を防止するため、核燃料要素のプレナム部に水素ゲッタ等を用いる方法が特開昭48−80992号公報などに開示され、また、核燃料被覆管の内面を酸化させて酸化物を形成する方法が特開昭54−42599号公報などに開示されている。

0005

更に、核燃料被覆管の内面を酸化物でコーティングする方法、及び腐食の原因となる元素ゲッタとなる物質を核燃料ペレットに添加する方法が、特開昭55−151291号公報、及び特開昭56−14187号公報などに開示されている。

0006

また、核燃料ペレットの酸素原子の数とウラン原子の数との比(=O/U)を2より大きくした核燃料ペレットを用い、運転時に過剰の酸素を放出させ、核燃料被覆管の内面に酸化膜を形成させる方法が、特開昭53−76299号公報などに開示されている。

0007

また、核燃料ペレットのO/Uを2.15〜2.25とし、封入ガスとして炭酸ガスを用い、運転時に核燃料被覆管の内面に酸化膜を形成させ、かつ運転時に核燃料ペレットのO/Uを2.15〜2.25に維持する方法が、特開昭55−152494号公報に開示されている。

0008

また、2価及び3価の低原子価の金属の酸化物を二酸化ウランに添加する方法が、特開昭55−87993号公報に開示されている。

0009

更に、二酸化ウランに酸化カルシウムを添加し、O/Uを2より大きくした核燃料ペレットが特開昭55−143488号公報に開示されている。

発明が解決しようとする課題

0010

しかし、上述の公知例において、特開昭48−80992号公報、特開昭54−42599号公報、特開昭55−151291号公報、及び特開昭56−14187号公報などの場合は、二次破損に対しては特別に考慮されておらず、核燃料ペレットの破損時における核燃料ペレットの酸化及び膨張防止対策については述べられていない。

0011

特開昭53−76299号公報などの場合は、核燃料被覆管の内面に酸化膜を形成した後は、核燃料ペレットのO/Uはほぼ2となり、核燃料ペレットは、従来の核燃料ペレットと同様の動作を示すことになる。

0012

特開昭55−152494号公報の場合は、二酸化ウランからなる核燃料ペレットの酸素ポテンシャルは、O/Uの増加に伴い、高くなる。したがって、O/Uの高い核燃料ペレットは、O/Uが2である従来の核燃料ペレットに比べて耐酸化性を有し、二次破損に対しても有効である。しかしその反面、O/Uの高い、二酸化ウランからなる核燃料ペレットでは、高次酸化ウラン(U4O9等)が析出し、体積が膨張したり、クラックが形成されたりする。

0013

特開昭55−87993号公報の場合は、低原子価の金属イオンを固溶して、核分裂生成ガス拡散速度を低下させ、核分裂生成ガス(FPガス)の放出率を低減することを目的としているが、近年、照射下では、照射によって拡散が加速され、低原子価の酸化物の固溶効果が失われることが明らかになってきている。

0014

また、酸素原子の数と金属原子の数との比(=O/M)が同じである核燃料ペレットでは、低原子価の酸化物の固溶量の増加に伴い、酸素ポテンシャルが高くなることがわかっており、低原子価の酸化物を固溶する方法は、耐酸化性という点で効果がある。しかし、通常の燃料運転条件では、低原子価の酸化物を固溶した二酸化ウランからなる核燃料ペレットは還元され、酸素ポテンシャルは低下し、二次破損初期の耐酸化性の効果は低減することになる。

0015

特開昭55−143488号公報の場合は、通常の燃料運転条件で還元され、酸素ポテンシャルが低下してしまうか、又は核燃料ペレットの全体のO/Uが高いときには特に核燃料ペレット中心部分におけるFPガスの拡散が促進され、FPガス放出率を高めてしまうことになる。更に、非核燃料物質の添加により核分裂性物質密度は低下し、燃料サイクルコストが増加することになる。

0016

本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであり、核燃料被覆管の破損事故時において、従来よりも安全な、核燃料要素を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

上記目的は、次のようにして達成することができる。

0018

(1)核分裂性物質を含む酸化物からなる核燃料ペレットを、ジルコニウムを主成分とする核燃料被覆管に封入してなる核燃料要素において、核燃料ペレットには4価のウランよりも低原子価の金属の酸化物が固溶され、核燃料ペレットにおける酸素原子の数と金属原子の数との比が全体平均として2.00〜2.25の範囲内にあり、核燃料被覆管にはガスが封入され、核燃料ペレットの表面温度における酸素ポテンシャルが−250kJ/mol以上に、核燃料ペレットの中心温度における酸素ポテンシャルが−300kJ/mol以下に、それぞれ維持されていること。

0019

(2)(1)において、核燃料ペレットにおける4価のウランを除く他のウランイオン及び低原子価イオン平均イオン半径が、4価のウランの平均イオン半径よりも小さくなるように、核燃料ペレットにおける、核燃料ペレットに固溶される低原子価の金属の酸化物の濃度と、酸素原子の数と金属原子の数との比とを組み合わせてあること。

0020

本発明では、核分裂性物質を含む酸化物よりなる核燃料ペレットを、ジルコニウムを主成分とする核燃料被覆管に封入してなる核燃料要素において、耐酸化性を有する核燃料ペレットを用い、その効果が照射下でも維持できるようなガスを核燃料ペレット内に封入してある。

0021

すなわち、核燃料ペレットにおけるO/Mが2.00〜2.25の範囲内にあるように、核燃料ペレットに4価のウランよりも低原子価の金属の酸化物を固溶し、更に、核燃料被覆管内にガスを封入し、核燃料ペレットの表面温度における酸素ポテンシャルが−250kJ/mol以上に、核燃料ペレットの中心温度における酸素ポテンシャルが−300kJ/mol以下に、それぞれ維持できるようにしてある。

0022

したがって、従来の核燃料ペレットに比べ、特に核燃料ペレットの表面近傍において高酸素ポテンシャルを維持することができ、非核燃料物質の添加による核分裂性物質密度の低下を防止又は抑制することができる。

0023

すなわち、二次破損が生じた場合でも、酸化の進行速度が遅いか、酸化の反応量が少ないか、又は酸化しないため、従来の核燃料ペレットに比べて、核燃料ペレットの健全性を保つことができる。更に、照射中でも耐酸化性を維持することができる。特に、核燃料ペレット表面近傍における耐酸化性が強化され、かつそれが維持され、核燃料ペレットの中心部分におけるFPガスの拡散速度を従来通りに維持することができる。

0024

また、固溶する低原子価の酸化物の濃度と、O/Mとの組合わせを選ぶことにより、核燃料ペレットにおける4価のウランを除く他のウランイオン及び低原子価イオンの平均イオン半径が、4価のウランのイオン半径よりも小さくなるようにしてある。

0025

したがって、核燃料ペレットの格子定数は小さくなり、単位体積あたりの金属原子数を増加させることができるので、非核燃料物質である低原子価の金属の固溶による核分裂密度の低下を防止又は抑制することができる。

0026

本発明の一実施例を、図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施例である核燃料要素の要部縦断面図である。

0027

本実施例では、核燃料ペレット1には、O/Mが2.00〜2.25の範囲内にあるように、4価のウランよりも低原子価の金属の酸化物を固溶してあり、また、核燃料ペレット1の表面温度における酸素ポテンシャルが−250kJ/mol以上に、核燃料ペレット1の中心部における酸素ポテンシャルが−300kJ/mol以下にそれぞれなるようなガス2を、ジルコニウムを主成分とする核燃料被覆管3に封入している。

0028

このような構成になる核燃料要素に二次破損が生じた場合は、核燃料ペレット1は高酸素ポテンシャルの下にさらされるが、核燃料ペレット1は、照射中でも、核燃料ペレット1の表面では高酸素ポテンシャルを維持し、核燃料ペレット1の酸化の進行速度が遅いか、酸化の反応量が少ないか、又は酸化しないため、従来の核燃料ペレットに比べて核燃料ペレット1の健全性を維持し、安全性を高めることができる。

0029

本実施例では、核燃料ペレット1に固溶する低原子価の酸化物として、二酸化ウランに固溶する2価及び3価の金属のうちの少なくとも一つの酸化物を用いた。すなわち、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム酸化イットリウム酸化ランタン酸化ネオジム酸化サマリウム酸化ユーロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム酸化エルビウム酸化ツリウム酸化イッテルビウム酸化ルテチウムのうちの少なくとも一つを用いた。

0030

このうち、熱中性子吸収断面積が二酸化ウランと同程度か、又は二酸化ウランより小さなものが、核燃料ペレット1の中性子経済上での効果を示し、それらには、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化ツリウムがある。また、酸化ガドリニウムは、反応度制御用の可燃性毒物として広く用いられ、近年、酸化ガドリニウムの添加量が増大する傾向にある。

0031

なお、核燃料ペレット1における低原子価の酸化物の固溶量、及びO/Mの増加に伴い、核燃料ペレット1の酸素ポテンシャルは高くなるが、低原子価の酸化物の過剰の固溶は、核分裂性物質密度の低下を招くことになる。

0032

本実施例では、核燃料ペレット1における4価のウランを除く他のウランイオン、及び低原子価イオンの平均イオン半径が、4価のウランのイオン半径よりも小さくなるように、低原子価の酸化物の固溶量とO/Mとを組み合わせた。

0033

その結果、核燃料ペレット1の格子定数は小さくなり、単位体積あたりの金属原子数を増加させることができた。特に、酸化物が、金属イオンのイオン半径と4価のウランのイオン半径との差が4価のウランのイオン半径、及び5価のウランのイオン半径よりも小さな低原子価の場合に、核燃料物質密度の低下の防止及び抑制に効果的であった。

0034

また、O/Mの過剰の増加は、高次のウラン酸化物の生成を招くことになり、低原子価の酸化物を固溶した核燃料ペレットにおける二酸化ウランは、純粋な二酸化ウランに比べて、比較的広いO/Mで蛍石型結晶構造を有すると考えられ、O/Mが2.25を超えた場合には、二酸化ウランと同様に高次の酸化物を形成する可能性がある。

0035

したがって、O/Mは2.25以下であることが望ましく、また、従来の二酸化ウランからなる核燃料ペレットのO/Uがほぼ2であり、同じO/Mをもつ場合は、低原子価の酸化物を固溶した二酸化ウランからなる核燃料ペレットのほうが、酸素ポテンシャルは高い。したがって、低原子価の酸化物を固溶した核燃料ペレットはO/Mが2以上で、従来の核燃料ペレットよりも耐酸化性を示すことになる。

0036

次に、本実施例における核燃料ペレットの製造方法について説明する。すなわち、核燃料ペレットにおけるO/Mが2.00〜2.25の範囲内にあるように、核燃料ペレットに4価のウランよりも低原子価の金属の酸化物を固溶する。次いで、この低原子価の酸化物粉末二酸化ウラン粉末とを混合した後、これを成形する。更に、この成形したものを、酸素ポテンシャルが−400kJ/mol以上となる雰囲気中で焼結した後、核燃料ペレットのO/Mが2.00〜2.25となるような酸素ポテンシャル下で焼鈍する。すなわち、このようにして、所要の核燃料ペレットを製造した。

0037

通常、低原子価の酸化物を固溶した核燃料ペレットにおける二酸化ウランの焼結速度は、純粋の二酸化ウランの焼結速度より遅いが、上述のように酸化物粉末と混合する際、本実施例では、焼結助剤として酸化アルミニウム酸化ケイ素との両方を含む混合粉末又は化合物粉末を少量添加した。その結果、低原子価の酸化物の固溶性が向上し、核燃料ペレット内に低原子価の金属が均一に固溶され、かつ、結晶粒径の大きな核燃料ペレットが得られた。

0038

図2は、核燃料ペレットの酸素ポテンシャルに関する本実施例と従来との比較線図であり、横軸に核燃料ペレットの温度、縦軸に酸素ポテンシャルを、それぞれとっている。

0039

本実施例の核燃料ペレットの酸素ポテンシャル4は、従来の二酸化ウランからなる核燃料ペレットの酸素ポテンシャル5における温度依存性勾配とは、逆の向きの勾配をもち、かつ核燃料ペレットの全体平均で高く、特に、核燃料ペレットの表面近傍で著しく高くなっている。

0040

二次破損が生じた場合、核燃料被覆管内に冷却水が侵入し、核燃料ペレットの表面で高圧水蒸気が生成すると考えられる。すなわち、水蒸気は、平衡下では、

0041

2H2+O2=2H2O ……………………………………(1)
の反応における平衡濃度をもつ。二次破損で生じた水蒸気により核燃料ペレットが酸化した場合には、酸化反応において同時に生成される水素がジルコニウムと反応し、破損を更に拡大するものと考えられる。

0042

従来の二酸化ウランからなる核燃料ペレットの酸素ポテンシャル5は、水蒸気/水素が1のときの水素−酸素−水蒸気ガスの酸素ポテンシャル6よりも低くなるので、従来の核燃料ペレットはこのガスで酸化することになる。

0043

一方、本実施例の核燃料ペレットの酸素ポテンシャル4は、水蒸気/水素が1のときの水素−酸素−水蒸気ガスの酸素ポテンシャル6よりも高温となる中心部分を除く、核燃料ペレットのほぼ全体にわたって高くなるので、核燃料ペレットの表面の酸化を防止することができる。

0044

また、本実施例の核燃料ペレットの酸素ポテンシャル4は、水蒸気/水素が107のときの水素−酸素−水蒸気ガスの酸素ポテンシャル7よりも核燃料ペレットの表面近傍で高くなるので、高圧の水蒸気が生成した場合でも核燃料ペレットの表面の酸化を防止することができる。

0045

核燃料ペレットの表面の酸素ポテンシャルが−200kJ/mol以上であれば、水蒸気/水素が108のガスにさらされても核燃料ペレットの表面は酸化しない。一方、O/Uが2.00の二酸化ウランからなる核燃料ペレットの中心部の酸素ポテンシャルは−400〜−300kJ/molとなる。したがって、少なくとも従来と同程度のFPガスの拡散挙動を示すには、核燃料ペレットの中心部の酸素ポテンシャルは−300kJ/mol以下である必要がある。

0046

核燃料ペレットの表面の酸素ポテンシャルを−250kJ/mol以上にし、核燃料ペレットの中心部の酸素ポテンシャルを−300kJ/mol以下にするガスとしては、一酸化炭素ヘリウムとの混合ガスがある。また、一酸化炭素及び一酸化珪素の各ガスのうちの少なくとも一つと、酸素、窒素硫黄リン、及びそれらの酸化ガスのうちの少なくとも一つとからなるガスをあげることができる。

0047

また、一酸化炭素及び一酸化珪素の各ガスのうちの少なくとも一つを用いるかわりに、炭素グラファイト)又は珪素固体粉末を、核燃料ペレットの表面に付着させるか、もしくは内部に分散させ、封入ガスとして酸素ガス等を用いることができる。例えば、炭素(固体)、珪素(固体)、窒素ガス及び酸素ガスを用い、次のような平衡、すなわち、

0048

C+0.5Si+0.25N2+O2=CO+0.5SiO+0.5NO…(2)
成立させると、核燃料ペレットの表面近傍における酸素ポテンシャルは約−200kJ/mol、核燃料ペレット中心部における酸素ポテンシャルは約−350〜−400kJ/molとなる。

0049

更に、核燃料被覆管としては、次のような構成のものが望ましく、本実施例では、そのなかから選択した。すなわち、それらは、(1)ジルコニウム合金からなる核燃料被覆管の内面に酸化ジルコニウム薄膜を生成させたもの、(2)ジルコニウム合金からなる核燃料被覆管の内面に酸化ジルコニウムの薄膜をコーティングしたもの、(3)ジルコニウム合金からなる核燃料被覆管の内面にジルコニウム金属のライナー層を設け、その表面を酸化させたもの、(4)ジルコニウム合金からなる核燃料被覆管の内面にジルコニウム金属のライナー層を設け、その表面に酸化ジルコニウムをコーティングしたもの、(5)ジルコニウム合金からなる核燃料被覆管、又はジルコニウム合金からなる核燃料被覆管の内面にライナー層を設けたジルコニウム合金からなる核燃料被覆管の内面に、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム及び酸化ケイ素などの高低酸素ポテンシャル下で化学的に安定な酸化物をコーティングしたもの、である。

0050

また、内面にジルコニウム酸化物を固溶する核燃料被覆管では、酸素の拡散係数を小さくする元素、例えばリン等をジルコニウム酸化物に添加して、耐酸化性を、より向上させることができる。

発明の効果

0051

本発明によれば、核燃料ペレットの酸化の防止又は抑制が可能となるので、核燃料被覆管の破損時において、従来よりも安全な、核燃料要素を得ることができる。

図面の簡単な説明

0052

図1本発明の一実施例の核燃料要素の要部縦断面図である。
図2本発明の一実施例と従来との核燃料ペレットの酸素ポテンシャルに関する比較線図である。

--

0053

1…核燃料ペレット、2…ガス、3…核燃料被覆管、4…本発明の一実施例における核燃料ペレットの酸素ポテンシャル、5…従来の二酸化ウランからなる核燃料ペレットの酸素ポテンシャル、6…水蒸気/水素が1のときの水素−酸素−水蒸気ガスの酸素ポテンシャル、7…水蒸気/水素比が107のときの水素−酸素−水蒸気ガスの酸素ポテンシャル。

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