図面 (/)

技術 自動変速機の変速比制御装置

出願人 日産自動車株式会社
発明者 高橋宏
出願日 1994年3月1日 (26年5ヶ月経過) 出願番号 1994-031441
公開日 1995年9月12日 (24年11ヶ月経過) 公開番号 1995-239022
状態 特許登録済
技術分野 伝動装置(歯車、巻掛、摩擦)の制御 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御
主要キーワード 移動平均化処理 高負荷走行状態 操作変化量 空力抵抗 負荷走行状態 変速ギア比 変速ギア位置 制御目的
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年9月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

目的

アクセル操作速度により変速制御に参照されるアクセル操作量情報補正する自動変速機変速比制御装置において、登坂路平坦路等の走行状態にかかわらずドライバ加速期待高レベル応答する変速により運転性の向上を図ること。

構成

走行負荷推定する走行負荷推定手段eと、走行負荷が大きいほどアクセル操作速度に対するアクセル操作補正量を大きな補正量に設定するアクセル操作補正量設定手段fと、アクセル操作量検出手段bからのアクセル操作量検出値とアクセル操作補正量設定手段fにより設定されたアクセル操作補正量により補正アクセル操作量を算出する補正アクセル操作量算出手段gとを設けた構成とした。

概要

背景

従来、自動変速機変速比制御装置としては、例えば、特開平5−26338号公報に記載のものが知られている。

上記従来公報には、スロットル弁開度の変化量をパラメータとして検出し、このスロットル弁開度の変化量に対応する補正値を求め、その補正値の時間的変化により運転者加速要求推定して、変速判断を行っている自動変速機の変速制御装置が示されている。

すなわち、図6に示すように、スロットル弁操作変化量演算装置101にはスロットル弁開度センサの出力(スロットル弁開度)が入力され、この演算装置101で演算されたスロットル弁操作変化量はスロットル弁開度補正装置102に入力される。そして、この補正装置102で補正されたスロットル弁開度は、車速とともに自動変速機コントローラ103に入力され、ここで、自動変速機を何速にするべきかが決定され、その信号は自動変速機本体104に出力される。

概要

アクセル操作速度により変速制御に参照されるアクセル操作量情報を補正する自動変速機の変速比制御装置において、登坂路平坦路等の走行状態にかかわらずドライバ加速期待高レベル応答する変速により運転性の向上を図ること。

走行負荷を推定する走行負荷推定手段eと、走行負荷が大きいほどアクセル操作速度に対するアクセル操作補正量を大きな補正量に設定するアクセル操作補正量設定手段fと、アクセル操作量検出手段bからのアクセル操作量検出値とアクセル操作補正量設定手段fにより設定されたアクセル操作補正量により補正アクセル操作量を算出する補正アクセル操作量算出手段gとを設けた構成とした。

目的

本発明は、上記のような問題に着目してなされたもので、第1の目的とするところは、アクセル操作速度により変速制御に参照されるアクセル操作量情報を補正する自動変速機の変速比制御装置において、登坂路や平坦路等の走行状態にかかわらずドライバの加速期待に高レベルで応答する変速により運転性の向上を図ることにある。

第2の目的とするところは、第1の目的に加え、走行状態を観測する走行負荷の推定精度を高めることで、より適切にアクセル操作補正量の設定を行なうことにある。

第3の目的は、第2の目的に加え、アクセル操作補正量を演算処理にて得ることで、メモリ少数補正量マップを用意する場合に比べきめ細かなアクセル操作補正量の設定とし、メモリに多数の補正量マップを用意する場合に比べシステムコストを有利にすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

車速を検出する車速検出手段と、アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、車速情報とアクセル操作量情報に対する変速ギア比が予め設定されている変速パターンと、アクセル操作速度を算出するアクセル操作速度算出手段と、走行負荷推定する走行負荷推定手段と、前記走行負荷が大きいほどアクセル操作速度に対するアクセル操作補正量を大きな補正量に設定するアクセル操作補正量設定手段と、前記アクセル操作量検出手段からのアクセル操作量検出値と前記アクセル操作補正量設定手段により設定されたアクセル操作補正量により補正アクセル操作量を算出する補正アクセル操作量算出手段と、前記車速検出手段からの車速情報と前記補正アクセル操作量算出手段からの補正アクセル操作量情報とを前記変速パターンと対比して変速ギア比を決定する変速ギア比決定手段と、を備えていることを特徴とする自動変速機変速比制御装置

請求項2

請求項1記載の自動変速機の変速比制御装置において、前記走行負荷推定手段は、駆動力加速抵抗転がり抵抗空力抵抗勾配抵抗の関係において、重量増加に伴う加速抵抗の増加分と勾配抵抗とを合わせた値をその時刻での走行負荷として算出し、この走行負荷の移動平均化処理により得られる走行負荷移動平均値を算出する手段であることを特徴とする自動変速機の変速比制御装置。

請求項3

請求項2記載の自動変速機の変速比制御装置において、前記アクセル操作補正量設定手段は、k=α・R(t)・Δθ(t)ただし、α:実験により求められた定数R(t):走行負荷移動平均値Δθ(t):アクセル操作速度の式を用いた演算によりアクセル操作補正量kを設定する手段であることを特徴とする自動変速機の変速比制御装置。

技術分野

の式を用いた演算によりアクセル操作補正量kを設定する手段としたため、上記効果に加え、アクセル操作補正量を演算処理にて得ることで、メモリ少数補正量マップを用意する場合に比べきめ細かなアクセル操作補正量の設定とすることができ、メモリに多数の補正量マップを用意する場合に比べシステムコストを有利にすることができるという効果が得られる。

背景技術

0001

本発明は、運転者加速意図を反映した変速比制御を行なう自動変速機変速比制御装置に関する。

0002

従来、自動変速機の変速比制御装置としては、例えば、特開平5−26338号公報に記載のものが知られている。

0003

上記従来公報には、スロットル弁開度の変化量をパラメータとして検出し、このスロットル弁開度の変化量に対応する補正値を求め、その補正値の時間的変化により運転者の加速要求推定して、変速判断を行っている自動変速機の変速制御装置が示されている。

発明が解決しようとする課題

0004

すなわち、図6に示すように、スロットル弁操作変化量演算装置101にはスロットル弁開度センサの出力(スロットル弁開度)が入力され、この演算装置101で演算されたスロットル弁操作変化量はスロットル弁開度補正装置102に入力される。そして、この補正装置102で補正されたスロットル弁開度は、車速とともに自動変速機コントローラ103に入力され、ここで、自動変速機を何速にするべきかが決定され、その信号は自動変速機本体104に出力される。

0005

しかしながら、このような従来の自動変速機の変速比制御装置にあっては、下記のような問題が存在していることが否めない。

0006

すなわち、ドライバが車両を運転する際、前後の車両の位置関係や前方の道路状況(前方がコーナであるとか、道幅が広くなっているとかの状況)、道路視界、また、時間的に過去の運転状況(例えば、今まで高速道路走行していたとか、渋滞路を走行していた等の運転履歴に関する情報)等の多数の情報がドライバに作用しているため、一概にスロットル弁開度の変化量のみでドライバの加速要求を検出することは難しい。例えば、高速登坂路長時間走行後、一般の平坦道路に出た場合、特に加速要求もないのに、つい、アクセルペダル登坂走行時のように素早く大きく操作し、その結果としてドライバの加速要求を検出しても、真にドライバの加速要求を検出しているものではない。すなわち、ドライバの加速要求を正確に検出するためには、アクセル操作速度のみならず走行状態を認識しなければ、精度良く加速要求を検出できない。

0007

例えば、平坦路走行状態を前提として、アクセル操作速度によりドライバの加速要求をみるように設定した場合、走行負荷の大きな登坂路ではダウンシフト感度が低く、ドライバの加速要求に敏感に応えられないものとなってしまう。

0008

逆に、登坂路走行状態を前提として、アクセル操作速度によりドライバの加速要求をみるように設定した場合、走行負荷の小さな平坦路ではダウンシフト感度が高すぎて不必要なダウンシフトが行われることになる。

0009

よって、ドライバの加速要求をアクセル操作速度もしくはスロットル弁開度変化量から一律に判断することはできず、走行状態を無視して加速要求を一律にアクセル操作速度もしくはスロットル弁開度変化量から判断すると、走行状態のよっては運転性を損ねる結果となる。

0010

本発明は、上記のような問題に着目してなされたもので、第1の目的とするところは、アクセル操作速度により変速制御に参照されるアクセル操作量情報を補正する自動変速機の変速比制御装置において、登坂路や平坦路等の走行状態にかかわらずドライバの加速期待高レベル応答する変速により運転性の向上を図ることにある。

0011

第2の目的とするところは、第1の目的に加え、走行状態を観測する走行負荷の推定精度を高めることで、より適切にアクセル操作補正量の設定を行なうことにある。

課題を解決するための手段

0012

第3の目的は、第2の目的に加え、アクセル操作補正量を演算処理にて得ることで、メモリに少数の補正量マップを用意する場合に比べきめ細かなアクセル操作補正量の設定とし、メモリに多数の補正量マップを用意する場合に比べシステムコストを有利にすることにある。

0013

上記第1の目的を達成するために請求項1記載の第1の発明の自動変速機の変速比制御装置では、図1クレーム対応図に示すように、車速を検出する車速検出手段aと、アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段bと、車速情報とアクセル操作量情報に対する変速ギア比が予め設定されている変速パターンcと、アクセル操作速度を算出するアクセル操作速度算出手段dと、走行負荷を推定する走行負荷推定手段eと、前記走行負荷が大きいほどアクセル操作速度に対するアクセル操作補正量を大きな補正量に設定するアクセル操作補正量設定手段fと、前記アクセル操作量検出手段bからのアクセル操作量検出値と前記アクセル操作補正量設定手段fにより設定されたアクセル操作補正量により補正アクセル操作量を算出する補正アクセル操作量算出手段gと、前記車速検出手段aからの車速情報と前記補正アクセル操作量算出手段gからの補正アクセル操作量情報とを前記変速パターンcと対比して変速ギア比を決定する変速ギア比決定手段hと、を備えていることを特徴とする。

0014

上記第2の目的を達成するために請求項2記載の第2の発明の自動変速機の変速比制御装置では、請求項1記載の自動変速機の変速比制御装置において、前記走行負荷推定手段eは、駆動力加速抵抗転がり抵抗空力抵抗勾配抵抗の関係において、重量増加に伴う加速抵抗の増加分と勾配抵抗とを合わせた値をその時刻での走行負荷として算出し、この走行負荷の移動平均化処理により得られる走行負荷移動平均値を算出する手段であることを特徴とする。

0015

上記第3の目的を達成するために請求項3記載の第3の発明の自動変速機の変速比制御装置では、請求項2記載の自動変速機の変速比制御装置において、前記アクセル操作補正量設定手段fは、
k=α・R(t)・Δθ(t)
ただし、α:実験により求められた定数
R(t):走行負荷移動平均値
Δθ(t):アクセル操作速度
の式を用いた演算によりアクセル操作補正量kを設定する手段であることを特徴とする。

0016

第1の発明の作用を説明する。

0017

走行時には、変速ギア比決定手段hにおいて、車速検出手段aからの車速情報と補正アクセル操作量算出手段gからの補正アクセル操作量情報とを、車速情報とアクセル操作量情報に対する変速ギア比が予め設定されている変速パターンcと対比して変速ギア比が決定され、決定された変速ギア比とする変速制御が行なわれる。

0018

この変速時における補正アクセル操作量の算出は、アクセル操作速度算出手段dにおいて、アクセル操作速度が算出され、走行負荷推定手段eにおいて、走行負荷が推定され、アクセル操作補正量設定手段fにおいて、走行負荷が大きいほどアクセル操作速度に対するアクセル操作補正量が大きな補正量に設定される。そして、補正アクセル操作量算出手段gにおいて、アクセル操作量検出手段bからのアクセル操作量検出値とアクセル操作補正量設定手段fにより設定されたアクセル操作補正量により補正アクセル操作量が算出される。

0019

したがって、走行負荷が大きいほど、つまり、登坂路走行状態であるほど、アクセル操作速度に対するアクセル操作補正量が大きな補正量に設定されることになる。このように、走行負荷の大きさにより走行状態が観測され、例えば、上記のような登坂路走行時の場合には、加速要求に基づき速い踏み込み速度でアクセル操作を行なうとこのアクセル操作に敏感に応答してダウンシフトが実行される。また、走行負荷が小さな平坦路走行の場合には、アクセル操作速度に対するアクセル操作補正量が小さく抑えられることで、加速要求がなく安易に速い踏み込み速度でアクセル操作を行なってもダウンシフトされず、不必要な変速が回避される。

0020

第2の発明の作用を説明する。

0021

走行負荷を推定するにあたって、走行負荷推定手段eにおいて、駆動力=加速抵抗+転がり抵抗+空力抵抗+勾配抵抗の関係において、重量増加に伴う加速抵抗の増加分と勾配抵抗とを合わせた値がその時刻での走行負荷として算出され、この走行負荷の移動平均化処理により得られる走行負荷移動平均値が走行負荷として推定される値となる。

0022

したがって、走行状態を観測する走行負荷に時間的変化が考慮され、例えば、長く登坂路が続く場合にのみ走行負荷移動平均値が大きくなるというように、路面凹凸等による一時的な走行負荷の増減の影響が排除される。

0023

第3の発明の作用を説明する。

0024

アクセル操作補正量を設定するにあたって、アクセル操作補正量設定手段fにおいて、
k=α・R(t)・Δθ(t)
の式を用いた演算処理によりアクセル操作補正量kが設定される。

0025

したがって、演算処理によりアクセル操作補正量kを設定するようにしていることで、例えば、アクセル操作速度に対するアクセル操作補正量マップを2つ用意する場合に比べてアクセル操作補正量kの設定がきめ細かくなるし、走行負荷の大きさに応じて多数補正量マップを用意する場合に比べてメモリ容量を削減できる分、システムコスト的に有利となる。

0026

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

0027

まず、構成を説明する。

0028

図2は本発明実施例の自動変速機の変速比制御装置が適用された変速比制御システム図である。

0029

図2において、1は自動変速機、2はコントロールバルブユニット、3,4はシフトソレノイド、5は車速センサ(車速検出手段aに相当)、6はスロットル弁開度センサ(アクセル操作量検出手段bに相当)、7はATコントローラ、8はエンジン回転センサ、9は前後加速度センサである。

0030

前記ATコントローラ7の変速制御系機能ブロックにより示すと、変速パターン7a(変速パターンcに相当)と、スロットル弁操作速度算出部7b(アクセル操作速度算出手段dに相当)と、走行負荷推定部7c(走行負荷推定手段eに相当)と、補正量設定部7d(アクセル操作補正量設定手段fに相当)と、補正スロットル弁開度算出部7e(補正アクセル操作量算出手段gに相当)と、変速ギア比決定部7f(変速ギア比決定手段hに相当)とを備えている。

0031

前記変速パターン7aは、図5に示すように、車速V(t)と補正スロットル弁開度θ* (t)に対するギア位置変速線より仕切られているパターンで、ATコントローラ7の記憶回路に予め設定されている。

0032

前記スロットル弁操作速度算出部7bでは、今の時刻tにおけるスロットル弁開度θ(t)と差分間隔δ前のスロットル弁開度θ(t−δ)との差分値によりスロットル弁操作速度Δθ(t)を算出される。

0033

前記走行負荷推定部7cでは、駆動力=加速抵抗+転がり抵抗+空力抵抗+勾配抵抗の関係において、重量増加に伴う加速抵抗の増加分と勾配抵抗とを合わせた値がその時刻tでの走行負荷r(t)として算出され、この走行負荷r(t)の移動平均化処理により走行負荷移動平均値R(t)が算出される。

0034

前記補正量設定部7dでは、走行負荷移動平均値R(t)とスロットル弁操作速度Δθ(t)と実験により求められた定数αとを用いてスロットル弁開度補正量kが演算処理により設定される。

0035

前記補正スロットル弁開度算出部7eでは、スロットル弁開度センサ6からのスロットル弁開度θ(t)と、補正量設定部7dからのスロットル弁開度補正量kとの加算により補正スロットル弁開度θ* (t)が算出される。

0036

前記変速ギア比決定部7fでは、前記車速センサ5からの車速V(t)と前記補正スロットル弁開度算出部7eからの補正スロットル弁開度θ* (t)とを変速パターン7aと対比して変速ギア位置を決定し、決定した変速ギア位置が得られる制御指令が前記シフトソレノイド3,4に出力される。

0037

次に、作用を説明する。

0038

[補正スロットル弁開度算出処理図3はATコントローラ7で行なわれる補正スロットル弁開度算出処理作動の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する。

0039

ステップ31では、スロットル弁操作速度Δθ(t)が今の時刻tにおけるスロットル弁開度θ(t)と差分間隔δ前のスロットル弁開度θ(t−δ)との差分値を求める下記の式により算出される。

0040

Δθ(t)=θ(t)−θ(t−δ)
ステップ32では、駆動力=加速抵抗+転がり抵抗+空力抵抗+勾配抵抗の関係において、後述する演算手法にしたがって、重量増加に伴う加速抵抗の増加分と勾配抵抗とを合わせた値が、その時刻tでの走行負荷r(t)として算出され、走行負荷r(t)の移動平均化処理(1次フィルタ処理)により走行負荷移動平均値R(t)が算出される。

0041

ステップ33では、走行負荷移動平均値R(t)とスロットル弁操作速度Δθ(t)と実験により求められた定数αとを用い、下記の式によりスロットル弁開度補正量kが算出される。

0042

k=α・R(t)・Δθ(t)
ステップ34では、スロットル弁開度センサ6からのスロットル弁開度θ(t)と、補正量設定部7dからのスロットル弁開度補正量kとを加算する下記の式により補正スロットル弁開度θ* (t)が算出される。

0043

θ* (t)=θ(t)+k
ステップ35では、ステップ34で求められた補正スロットル弁開度θ* (t)が変速ギア比決定部7fに出力される。

0044

[走行負荷の推定]駆動力=加速抵抗+転がり抵抗+空力抵抗+勾配抵抗の関係において、駆動力は、エンジン性能マップにおいて、エンジン回転数N(t)と上記スロットル弁開度θ(t)により求められる。また、転がり抵抗と空力抵抗との和は、データマップとして持ち、時刻tの車速V(t)により求められる。さらに加速抵抗は、車両の前後加速度XG(t)とギア比により求められる。これにより、重量増加に伴う加速抵抗の増加分と勾配抵抗とを合わせた値が、その時刻tでの走行負荷r(t)として算出される。

0045

次に、走行負荷r(t)は移動平均化手段によって以下のような1次フィルタ処理され、走行負荷移動平均値R(t)が算出される。

0046

R(t)={(n−1)R(t−δ)+r(t)}/n
このように、走行負荷の推定を走行負荷移動平均値R(t)の算出により行なっていることで、走行負荷移動平均値R(t)が大きい値を示す時には、走行負荷が大きい場合であり、登坂路を連続的に走行していることになり、一方、走行負荷移動平均値R(t)が小さい値を示す時には、走行負荷が小さい場合であり、平坦路や下り坂を走行していることになる。

0047

つまり、走行状態を観測するのに随時検出される走行負荷r(t)をもちいるのではなく、走行負荷の時間的変化が考慮される走行負荷移動平均値R(t)を用いるようにしていることで、路面凹凸等による一時的な走行負荷の増減の影響が排除され、例えば、登坂路の連続的走行状態等を確実に推定できる。

0048

これは、スロットル弁の操作速度に応じて与えるスロットル弁開度の補正量を、走行負荷推定値により修正し走行状態に応じてドライバの変速期待に沿った変速を達成するという本発明の制御において、制御目的を達成する上できわめて重要なことである。

0049

[スロットル弁開度補正量の設定]上記のように推定される走行負荷をパラメータに含んで、スロットル弁の操作速度とドライバの加速要求の強さの関係を表すと図4に示すようになる。

0050

この図4の特性は、ドライバにいろいろな道路を走行してもらい、加速要求んお強さをインタビューで(例えば、1から5までの5段階)数値化し、この時のスロットル弁操作速度をプロットして実験的に得たものである。

0051

この結果、スロットル弁操作速度が同じである場合、走行負荷が大であるほどドライバの加速要求が強くでることが明らかとなった。

0052

したがって、走行負荷が大きい場合は、ドライバのわずかなスロットル弁操作速度でもドライバの加速要求を敏感に検出し、ダウンシフト等の処理をとったほうが運転性が向上する。一方、走行負荷が小さい場合は、大きくスロットル弁操作速度が変化した時にドライバの加速要求を検出し、ダウンシフトしたほうが、不用意なダウンシフトや頻繁な変速を防止し、運転性を高める上で効果的である。そこで、スロットル弁開度補正量kは、走行負荷移動平均値R(t)とスロットル弁操作速度Δθ(t)と実験により求められた定数αとを用いた下記の式により算出される。

0053

k=α・R(t)・Δθ(t)
そして、変速制御に用いられる補正スロットル弁開度θ* (t)は、スロットル弁開度センサ6からのスロットル弁開度θ(t)に、このスロットル弁開度補正量kを加算することで得られる。

0054

つまり、走行負荷移動平均値R(t)が大きくなると、スロットル弁開度補正量kが大きな値となり、補正スロットル弁開度θ* (t)は大きく増加する。また、走行負荷移動平均値R(t)が小さくなると、スロットル弁開度補正量kが小さな値となり、補正スロットル弁開度θ* (t)はほとんど増加しないし、さらに、下り坂が続くような走行で、走行負荷移動平均値R(t)が負の値になると、スロットル弁開度補正量kも負の値となり、補正スロットル弁開度θ* (t)は逆に減少する。

0055

このように、演算処理にてアクセル操作補正量kを設定するようにしていることで、例えば、スロットル弁操作速度に対するスロットル弁開度補正量マップを2つ等のように少数用意する場合に比べてスロットル弁開度補正量kの設定がきめ細かくなるし、走行負荷の大きさに応じて多数補正量マップを用意する場合に比べてメモリ容量を削減できる分、システムコスト的に有利となる。

0056

高負荷走行状態でのダウンシフト制御]登坂路が続くような高負荷走行状態でアクセル踏み込み操作を行なうと、図3の補正スロットル弁開度算出処理において、走行負荷移動平均値R(t)が大きくなることで、上記のように、補正スロットル弁開度θ* (t)は、実際のスロットル弁開度θ(t)に対し大きく増加する。

0057

したがって、図5に示すように、補正を受けないスロットル弁開度θ(t)では変速線を横切ることなく変速されないが、補正を受けた補正スロットル弁開度θ* (t)では変速線を横切ることでダウンシフト変速が実行されることになり、ドライバの加速期待に応答良く応えることができる。

0058

[低負荷走行状態でのダウンシフト制御]平坦路や下り坂が続くような低負荷走行状態でアクセル踏み込み操作を行なうと、図3の補正スロットル弁開度算出処理において、走行負荷移動平均値R(t)が小さな値あるいは負の値となることで、上記のように、補正スロットル弁開度θ* (t)は、実際のスロットル弁開度θ(t)に対しわずかに増加するか逆に減少する。

0059

したがって、図5に示すように、補正を受けた補正スロットル弁開度θ* (t)であっても変速線を横切ることなく、ドライバの意志に反したダウンシフトは実行されないことになる。

0060

つまり、実際のスロットル弁開度θ(t)が変速線を横切るような大きな踏み込み操作を行なわない限り、不要なダウンシフトは行なわれない。

0061

次に、効果を説明する。

0062

(1)走行負荷移動平均値R(t)の大きさにより走行状態を観測し、走行負荷移動平均値R(t)が大きいほどスロットル弁操作速度Δθ(t)に対するスロットル弁開度補正量kを大きな値で与え、実際のスロットル弁開度θ(t)にこのスロットル弁開度補正量kを加算した補正スロットル弁開度θ* (t)を変速制御で参照するスロットル弁開度情報として用いる装置としたため、登坂路や平坦路等の走行状態にかかわらずドライバの加速期待に高レベルで応答する変速により運転性の向上を図ることができる。

0063

(2)走行負荷を推定するにあたって、駆動力=加速抵抗+転がり抵抗+空力抵抗+勾配抵抗の関係において、重量増加に伴う加速抵抗の増加分と勾配抵抗とを合わせた値をその時刻tでの走行負荷r(t)として算出し、この走行負荷r(t)の移動平均化処理により得られる走行負荷移動平均値R(t)を走行負荷推定値とする装置としたため、走行状態を観測する走行負荷の推定精度を高めることで、より適切にスロットル弁開度補正量kの設定を行なうことができる。

0064

(3)スロットル弁開度補正量kを設定するにあたって、
k=α・R(t)・Δθ(t)
ただし、α:実験により求められた定数
R(t):走行負荷移動平均値
Δθ(t):スロットル弁操作速度
の式を用いた演算によりスロットル弁開度補正量kを設定する装置としたため、メモリに少数の補正量マップを用意する場合に比べきめ細かなスロットル弁開度補正量kの設定とすることができ、メモリに多数の補正量マップを用意する場合に比べシステムコストを有利にすることができる。

0065

以上、実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があっても本発明に含まれる。

0066

例えば、実施例では、演算処理によりスロットル弁開度補正量kを設定する例を示したが、走行負荷移動平均値R(t)を平坦路基準の所定値と比較し、複数設定されている補正量マップの中からの選択によりスロットル弁開度補正量kを設定するような例としても良い。

0067

また、走行負荷移動平均値R(t)がある値よりも小さい時には、スロットル弁開度補正量をゼロとし、補正をやめるようにしても良い。

0068

実施例では有段の自動変速機への適用例を示したが、車速とアクセル開度により変速比が決定される無段変速機の変速制御装置にも本発明を適用することができる。

0069

請求項1記載の第1の発明にあっては、アクセル操作速度により変速制御に参照されるアクセル操作量情報を補正する自動変速機の変速比制御装置において、走行負荷を推定する走行負荷推定手段と、走行負荷が大きいほどアクセル操作速度に対するアクセル操作補正量を大きな補正量に設定するアクセル操作補正量設定手段と、アクセル操作量検出手段からのアクセル操作量検出値とアクセル操作補正量設定手段により設定されたアクセル操作補正量により補正アクセル操作量を算出する補正アクセル操作量算出手段とを備えた装置としたため、登坂路や平坦路等の走行状態にかかわらずドライバの加速期待に高レベルで応答する変速により運転性の向上を図ることができるという効果が得られる。

0070

請求項2記載の第2の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の変速比制御装置において、走行負荷推定手段は、駆動力=加速抵抗+転がり抵抗+空力抵抗+勾配抵抗の関係において、重量増加に伴う加速抵抗の増加分と勾配抵抗とを合わせた値をその時刻での走行負荷として算出し、この走行負荷の移動平均化処理により得られる走行負荷移動平均値を算出する手段としたため、上記効果に加え、走行状態を観測する走行負荷の推定精度を高めることで、より適切にアクセル操作補正量の設定を行なうことができるという効果が得られる。

図面の簡単な説明

0071

請求項3記載の第3の発明にあっては、請求項2記載の自動変速機の変速比制御装置において、アクセル操作補正量設定手段は、
k=α・R(t)・Δθ(t)
ただし、α:実験により求められた定数
R(t):走行負荷移動平均値
Δθ(t):アクセル操作速度

--

0072

図1本発明の自動変速機の変速比制御装置を示すクレーム対応図である。
図2実施例の自動変速機の変速比制御装置が適用された変速比制御システム図である。
図3実施例装置のATコントローラで行なわれる補正スロットル弁開度算出処理作動の流れを示すフローチャートである。
図4実施例装置で走行負荷により補正量を変更設定するにあたって行なった実験結果によるドライバの加速要求強さ特性図である。
図5実施例装置のスロットル弁開度補正による変速作用を説明する変速マップ図である。
図6従来の自動変速機の変速制御装置を示す概略ブロック図である。

0073

a車速検出手段
bアクセル操作量検出手段
c変速パターン
dアクセル操作速度算出手段
e走行負荷推定手段
f アクセル操作補正量設定手段
g補正アクセル操作量算出手段
h変速ギア比決定手段

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社クボタの「 作業車」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】走行中に設定ダイヤルを操作することによる走行速度の急激な変化を抑制することを目的とする。【解決手段】一定の操作範囲内で操作されて、走行速度を変更する変速操作具13と、動力源8からの動力を変速し... 詳細

  • 本田技研工業株式会社の「 車両制御装置、車両及び車両制御方法」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】車両の走行性能が過度に制限されるのを抑制し得るとともに、ベルトの破断を抑制し得る車両制御装置、車両及び車両制御方法を提供する。【解決手段】車両制御装置20は、駆動プーリ28の回転と従動プーリ3... 詳細

  • 株式会社SUBARUの「 変速制御装置」が 公開されました。( 2020/06/04)

    【課題】有段変速モードを適切に実行する。【解決手段】エンジンに連結される無段変速機を制御する変速モードとして、無段変速機の変速比を無段階に制御する無段変速モードと、無段変速機の変速比を段階的に制御する... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ