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技術 無機多孔質体の製造方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 中村昌照
出願日 1994年1月21日 (26年11ヶ月経過) 出願番号 1994-005265
公開日 1995年8月8日 (25年4ヶ月経過) 公開番号 1995-206541
状態 特許登録済
技術分野 多孔質人造石または多孔質セラミック製品 触媒 触媒
主要キーワード 構造転移 非熱処理 無機多孔体 高温触媒 無機多孔質体 Ar中 アルコール交換反応 配位能
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年8月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

目的

高温においても高い非表面積を有する多孔体を提供する。

構成

金属アルコキシドを、エーテル性酸素を有するアルコールと混合し、金属アルコキシドを部分加水分解する工程、次いでこの部分加水分解されたアルコキシド非酸化性雰囲気下において熱処理を行う工程からなることを特徴とする、無機多孔質体の製造方法。

概要

背景

触媒作用は、触媒表面原子反応分子との反応で始まる。そこで触媒物質比表面積を大きくすることにより触媒物質単位重量あたり活性が増大する。従って、この表面積を拡げるため、担体が用いられている。現在実用化されている固体触媒の多くは、担体に活性成分分散担持させた担持触媒である。この担体としては、現在、1000℃以上の高温において耐性を有するセラミックスが使用されている。

このセラミックスは、種々の金属酸化物粉末を混合し、成形、そして焼成することにより製造されている。しかしながら、この方法では、出発材料粉末自体の比表面積が低いため、高温焼成によりさらに比表面積が低下してしまう。

より比表面積の高いセラミックスを製造するために、金属の酸化物加水分解重合させ、ゾルを形成し、さらに反応を進ませてゲル化し、形成された多孔質のゲルを焼成する、いわゆるゾル・ゲル法が用いられた。しかしながら、ゾル・ゲル法によって製造されたアルミナは、1000℃以上の高温においてγ-Al2O3からα-Al2O3へ構造転移し、それに伴い粒成長が起こり、比表面積が低下し、微細孔消失してしまう。このα化を防止するため、例えば希土類元素を添加すること等が試みられたが、満足な結果は得られなかった。

特開平4−6180号公報において、アルミニウムアルコキシド改質剤及びシリコンアルコキシドを混合しアルミナ前駆体を形成し、これを加水分解し、有機溶媒中で乾燥し、次いで加熱処理する工程からなるアルミナ系多孔質セラミックスの製造方法が開示された。また、特開平5−51277 号公報において、アルコキシシランを加水分解し、これを有機溶媒の存在下で有機処理し、次いで乾燥する工程からなる無機多孔体の製造方法が開示された。しかしながら、これらの方法により得られた担体も、高温においては必ずしも満足な結果は得られなかった。

概要

高温においても高い非表面積を有する多孔体を提供する。

金属アルコキシドを、エーテル性酸素を有するアルコールと混合し、金属アルコキシドを部分加水分解する工程、次いでこの部分加水分解されたアルコキシド非酸化性雰囲気下において熱処理を行う工程からなることを特徴とする、無機多孔質体の製造方法。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

金属アルコキシドを、エーテル性酸素を有するアルコールと混合し、金属アルコキシドを部分加水分解する工程、次いでこの部分加水分解されたアルコキシド非酸化性雰囲気下において熱処理を行う工程からなることを特徴とする、無機多孔質体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、無機多孔質体の製造方法に関し、更に詳細に述べるならば、本発明は、高温触媒担体に適する高温下においても高い比表面積を有する無機多孔質体の製造方法に関する。

背景技術

0002

触媒作用は、触媒表面原子反応分子との反応で始まる。そこで触媒物質の比表面積を大きくすることにより触媒物質単位重量あたり活性が増大する。従って、この表面積を拡げるため、担体が用いられている。現在実用化されている固体触媒の多くは、担体に活性成分分散担持させた担持触媒である。この担体としては、現在、1000℃以上の高温において耐性を有するセラミックスが使用されている。

0003

このセラミックスは、種々の金属酸化物粉末を混合し、成形、そして焼成することにより製造されている。しかしながら、この方法では、出発材料粉末自体の比表面積が低いため、高温焼成によりさらに比表面積が低下してしまう。

0004

より比表面積の高いセラミックスを製造するために、金属の酸化物加水分解重合させ、ゾルを形成し、さらに反応を進ませてゲル化し、形成された多孔質のゲルを焼成する、いわゆるゾル・ゲル法が用いられた。しかしながら、ゾル・ゲル法によって製造されたアルミナは、1000℃以上の高温においてγ-Al2O3からα-Al2O3へ構造転移し、それに伴い粒成長が起こり、比表面積が低下し、微細孔消失してしまう。このα化を防止するため、例えば希土類元素を添加すること等が試みられたが、満足な結果は得られなかった。

0005

特開平4−6180号公報において、アルミニウムアルコキシド改質剤及びシリコンアルコキシドを混合しアルミナ前駆体を形成し、これを加水分解し、有機溶媒中で乾燥し、次いで加熱処理する工程からなるアルミナ系多孔質セラミックスの製造方法が開示された。また、特開平5−51277 号公報において、アルコキシシランを加水分解し、これを有機溶媒の存在下で有機処理し、次いで乾燥する工程からなる無機多孔体の製造方法が開示された。しかしながら、これらの方法により得られた担体も、高温においては必ずしも満足な結果は得られなかった。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、従来の無機多孔質体の有する上記欠点を解消し、高温においても高い比表面積を有する担体の製造に有用な無機多孔質体の製造方法を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ゾル・ゲル法において用いられる溶媒として特定のアルコールを用いることにより、高温においても高い比表面積を有する無機多孔質体が得られることを見出し、本発明を完成した。

0008

すなわち、本発明の無機多孔質体の製造方法は、金属アルコキシドを、エーテル性酸素を有するアルコールと混合し、金属アルコキシドを部分加水分解する工程、次いでこの部分加水分解されたアルコキシド非酸化性雰囲気下において熱処理を行う工程からなることを特徴とするものである。

0009

本発明において用いられる金属アルコキシドは、一般式M(OR)x で表されるものであり、ここでMは金属を表し、Rはアルキル基を表し、そしてxは金属Mによってきまる整数である。金属としては特に制限はなく、例えばナトリウムカリウムマグネシウムカルシウムアルミニウムチタンストロンチウムイットリウムジルコニウム珪素、鉄等を使用することができる。アルキル基としては、メチルエチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、等を用いることができる。従って、金属アルコキシドとしては、例えば、Ti(OCH3)4 、Ti(OOC2 H5)4 、Ti(OC3 H7)4 、Ti(OC4 H9)4 、Fe(OCH3)3 、Fe(OOC2 H5)3 、Fe(OC3 H7)3 、Fe(OC4 H9)3 、Al(OCH3)3 、Al(OOC2 H5)3 、Al(OC3 H7)3 、Al(OC4 H9)3 等が例示される。

0010

本発明において、まず、上記金属アルコキシドをエーテル性の酸素を有するアルコールと混合する。エーテル性の酸素を有するアルコールとは、下式
R1 OR2 OH
で表されるアルコールであり、ここでR1 及びR2 はアルキルであり、好ましくは炭素数3以下のアルキルである。好ましいエーテル性の酸素を有するアルコールとしては、2−メトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシエタノールトリエチレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。

0011

金属アルコキシドと混合するエーテル性の酸素を有するアルコールの量は、金属アルコキシドに対し十分量であればよい。その量は金属アルコキシドの金属によって異なり、金属が3価である場合、6モル以上、金属が4価である場合、8モル以上のアルコールを用いることが好ましい。アルコールを十分量加えることにより、このアルコールはアルコキシド中心金属に十分配位する。その結果、金属アルコキシドは完全にアルコール中に溶解する。

0012

こうして得られた混合溶液に水、好ましくはイオン交換水を加え部分加水分解を行う。部分加水分解法は特に制限はなく、常法によって行ってよい。例えば、上記の混合溶液に水を直接加えることにより、又は加圧容器から吹き出す水蒸気に上記混合溶液を接触させることにより部分加水分解を行う。ゾル・ゲル法における金属アルコキシドの加水分解は下式
M(OR)x + nH2 O → M(OH)n (OR)x-n + nROH
で示されるように進行する。本発明の方法において、x>nであることが必要であり、すなわち、金属Mと結合しているOR基のすべてが加水分解されないことが必要である。例えば、金属Mが4価である場合、加える水の量は2モル以下であることが必要であり、1モル以下であることが最も好ましい。このように完全に加水分解せず、部分加水分解とすることにより、有機物が残ることになる。

0013

この加水分解によりゾルが得られ、このゾルを必要により遠心分離もしくは濾過により分離し、また必要により乾燥(例えば 120〜130 ℃において4〜5時間)を行い、粉末が得られる。この粉末を非酸化雰囲気、すなわち不活性雰囲気(例えばアルゴン)もしくは真空中又は還元雰囲気において約 400℃以上、好ましくは700 〜1200℃において焼成し、熱処理を施すことにより、本発明の無機多孔体が得られる。この熱処理により、アルコキシド金属に配位した有機物は分解し、炭素化する。酸化雰囲気において焼成すると、有機基燃焼してしまい、炭素化が得られない。

0014

本発明の方法により製造した無機多孔体は、ゾル・ゲル法ゆえのミクロ空孔を有している。さらに、金属アルコキシドの加水分解を部分加水分解に止めることにより有機物が残存し、また金属アルコキシドを溶解する溶媒としてエーテル性の酸素を有するアルコールを用いることにより、このエーテル性の酸素を有するアルコールが有する非共有電子対由来する配位能のため、このアルコールが中心金属に配位し、結果としてゲル中に金属原子化学結合を有する有機物が残存する。このゲルを非酸化雰囲気下において焼成することにより、この有機物が炭素化し、炭素もしくは炭化物として得られる無機多孔体に均一に分散し残存する。従来のゾル・ゲル法により製造した多孔体は高温になるほどその非表面積が低下したが、本発明により製造した多孔体は、上記の残存している炭素のため、ミクロな空孔が保持され、熱処理時に生ずる第2相粒子表面への析出等により、さらに非表面積が向上する。

0015

本発明を下記実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。

0016

実施例1
テトライソプロポキシド1mol に対し、2−メトキシエタノール10mol を溶媒及び配位子として加え、常温・常圧下において十分に攪拌した。得られた溶液を85℃において1.5 時間、乾燥雰囲気下還流し、アルコール交換反応を行った。この溶液を室温まで冷却後、攪拌しながら1mol の水(1mol の2−メトキシエタノールで希釈したもの)を徐々に滴下し、部分加水分解を行った。滴下終了後、4時間攪拌し、縮重合より線分子生成を促進し、ゾルの熟成を行った。このゾルを溶媒の沸点直下(120 〜130 ℃)において油浴濃縮・乾燥を行った。こうして得られた白黄色粉末80g をAr中で、昇温速度30K/min 、700 〜900 ℃で1時間の保持を行った。得られた多孔体についてN2吸着法によりその比表面積を測定した。この結果を図1に示す。700 ℃での熱処理により得られた多孔体の比表面積に比較し、800 ℃での熱処理により得られた多孔体の比表面積はその約3倍の増加を示し、900 ℃での熱処理により得られた多孔体の比表面積はその約5倍の増加を示した。

0017

比較例1
テトライソプロポキシチタン1mol に対し、イソプロパノール10mol を加え、常温・常圧下において十分に攪拌した。次いで4mol の水を徐々に滴下し、加水分解、縮重合を行った。得られた粉末を80℃において加熱乾燥し、回収した。これを実施例1と同様にして熱処理を行い、比表面積を測定した。この結果を図2に示す。この方法により得られた多孔体は、900 ℃処理品において、700 ℃処理品に比較し、その比表面積が20〜25%低下し、また非熱処理品に対し90%の非表面積の低下が確認された。

発明の効果

0018

本発明の方法において、ゾル・ゲル法における溶媒としてエーテル性の酸素を有するアルコールを用いることにより、このエーテル性の酸素が有する非共有電子対に由来する金属アルコキシドの中心金属への配位能が高いため、部分加水分解及び穏やかな乾燥条件により配位子としてゲル中に残留する。この残留した有機物は高温下においても炭素もしくは炭化物として残留し、これらの作用により、マイクロポアの高温下迄の保持及び熱処理時のガスとの反応により生ずる相の粒子表面への析出等の挙動が起こり、このため非表面積が高くなる。

図面の簡単な説明

0019

図1実施例1における得られた多孔体の非表面積と熱処理温度の関係を示すグラフである。
図2比較例における得られた多孔体の非表面積と熱処理温度の関係を示すグラフである。

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