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技術 自動二輪車のフロントフォーク

出願人 スズキ株式会社
発明者 粕谷泰治
出願日 1994年1月25日 (27年2ヶ月経過) 出願番号 1994-006489
公開日 1995年8月8日 (25年7ヶ月経過) 公開番号 1995-205868
状態 未査定
技術分野 車軸懸架装置及びサイドカー 流体緩衝装置 流体減衰装置
主要キーワード 段階位置 シリンダパイプ 軸方向沿い ハンドルクランプ クッションスプリング 両ストッパ フォークチューブ ストローク調整
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年8月8日)のものです。
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図面 (7)

目的

フォークチューブ伸縮ストローク可変させて車高を調整可能にするとともに、クッションスプリング反力を選択可能にして車高調整後も本来設計されているサスペンション性能操縦性を維持できるようにする。

構成

フォークチューブ20の伸縮ストロークを可変させるストローク可変手段Bをストッパ機構44に設け、クッションスプリング42の反力を調整可能にするスプリング反力調整手段Aを設けた。上記ストローク可変手段Bはアウター側ストッパ45またはインナー側ストッパ46の少なくとも一方の固定位置をフォークチューブ20の軸方向沿いに移動できるように構成され、上記スプリング反力調整手段Aはクッションスプリング42の端部に介装されるスペーサ43とされる。

概要

背景

図6は、一般的な自動二輪車フロントフォークを示す斜視図である。このフロントフォーク100 は、伸縮可能な左右一対フォークチューブ101 が、アッパーブラケット102 とロアーブラケット103 とにクランプされて平行に固定されている。上記両ブラケット102 ,103 間にはステアリングコラム104 が固定され、このステアリングコラム104 が自動二輪車の車体フレーム前頭部回動自在に枢着される。また、左右のフォークチューブ101 の下部に設けられた車軸クランプ105 に前輪車軸が固定される。一方、アッパーブラケット102 の上面に設けられた一対のハンドルクランプ106 には、フロントフォーク100 を左右に操向する図示しないハンドルバーが固定される。

フォークチューブ101 は、それぞれアウターチューブ107 の内径部にインナーチューブ108 が上方から伸縮自在に挿入され、内蔵されたクッションスプリングによってインナーチューブ108 がアウターチューブ107 から伸びる方向に付勢されるように構成されている。ここで、フォークチューブ101 はストロークSの長さに亘って伸縮可能とされ、自動二輪車の走行時に上下揺動する前輪のショックを吸収できるようになっている。

上記ストロークSは、市街地等を走行する自動二輪車のフロントフォークの場合には小さめに設定され、不整地等を走行可能な自動二輪車のフロントフォークの場合には大きめに設定される。しかし、ストロークSを大きく取って不整地における走破性を向上させると、必然的に自動二輪車の車高、即ち着座シート高が高くなって足着き性が悪くなり、市街地等において乗車しにくいものとなる。

そこで、フォークチューブの伸縮ストロークが大きな自動二輪車で市街地を走行する場合には、前記クッションスプリングを反力の弱いものに交換し、ライダー乗車時における車体の沈み込み量を大きくするか、または前記アッパーブラケット102 とロアーブラケット103 のクランプを緩めてインナーチューブ108 の上端をアッパーブラケット102 よりも上方に突出させて再び固定し、インナーチューブ108 の突出分だけ相対的に車高を下げて足着き性を良くした上で走行していた。

概要

フォークチューブの伸縮ストロークを可変させて車高を調整可能にするとともに、クッションスプリングの反力を選択可能にして車高調整後も本来設計されているサスペンション性能操縦性を維持できるようにする。

フォークチューブ20の伸縮ストロークを可変させるストローク可変手段Bをストッパ機構44に設け、クッションスプリング42の反力を調整可能にするスプリング反力調整手段Aを設けた。上記ストローク可変手段Bはアウター側ストッパ45またはインナー側ストッパ46の少なくとも一方の固定位置をフォークチューブ20の軸方向沿いに移動できるように構成され、上記スプリング反力調整手段Aはクッションスプリング42の端部に介装されるスペーサ43とされる。

目的

本発明は、上記問題点を解決するべくなされたもので、フォークチューブの伸縮ストロークを可変させて車高を調整可能にし、しかも、その車高に適合するクッションスプリング反力を選択可能にし、車高調整後も本来設計されているサスペンション性能や操縦性を維持することのできる自動二輪車のフロントフォークを提供することを目的とする。

また、フロントフォークの重量増や構造の複雑化を招くことなく車高の調整が可能な自動二輪車のフロントフォークを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

左右一対フォークチューブが、それぞれアウターチューブと、上記アウターチューブの内径部に伸縮自在に挿入されるインナーチューブと、上記インナーチューブをアウターチューブから伸ばす方向に付勢するクッションスプリングと、フォークチューブの伸縮ストロークを決定するストッパ機構とを備えて構成された自動二輪車フロントフォークにおいて、上記ストッパ機構にフォークチューブの伸縮ストロークを可変させるストローク可変手段を設けるとともに、上記クッションスプリングの反力を調整可能にするスプリング反力調整手段を設けたことを特徴とする自動二輪車のフロントフォーク。

請求項2

上記ストッパ機構は、アウターチューブ側に設けられたアウター側ストッパと、インナーチューブ側に設けられてフォークチューブの最伸時に上記アウター側ストッパに当接するインナー側ストッパとを備えて構成され、上記アウター側ストッパまたはインナー側ストッパの少なくとも一方の固定位置を、フォークチューブの軸方向沿いに移動できるように前記ストローク可変手段を構成した請求項1に記載の自動二輪車のフロントフォーク。

請求項3

前記スプリング反力調整手段を、クッションスプリングの端部に介装されてクッションスプリングの長さを調整可能にするスペーサとし、このスペーサを前記ストローク可変手段として上記アウター側ストッパとインナー側ストッパとの間に装着可能にした請求項1に記載の自動二輪車のフロントフォーク。

技術分野

0001

本発明は、自動二輪車フロントフォークに関する。

背景技術

0002

図6は、一般的な自動二輪車のフロントフォークを示す斜視図である。このフロントフォーク100 は、伸縮可能な左右一対フォークチューブ101 が、アッパーブラケット102 とロアーブラケット103 とにクランプされて平行に固定されている。上記両ブラケット102 ,103 間にはステアリングコラム104 が固定され、このステアリングコラム104 が自動二輪車の車体フレーム前頭部回動自在に枢着される。また、左右のフォークチューブ101 の下部に設けられた車軸クランプ105 に前輪車軸が固定される。一方、アッパーブラケット102 の上面に設けられた一対のハンドルクランプ106 には、フロントフォーク100 を左右に操向する図示しないハンドルバーが固定される。

0003

フォークチューブ101 は、それぞれアウターチューブ107 の内径部にインナーチューブ108 が上方から伸縮自在に挿入され、内蔵されたクッションスプリングによってインナーチューブ108 がアウターチューブ107 から伸びる方向に付勢されるように構成されている。ここで、フォークチューブ101 はストロークSの長さに亘って伸縮可能とされ、自動二輪車の走行時に上下揺動する前輪のショックを吸収できるようになっている。

0004

上記ストロークSは、市街地等を走行する自動二輪車のフロントフォークの場合には小さめに設定され、不整地等を走行可能な自動二輪車のフロントフォークの場合には大きめに設定される。しかし、ストロークSを大きく取って不整地における走破性を向上させると、必然的に自動二輪車の車高、即ち着座シート高が高くなって足着き性が悪くなり、市街地等において乗車しにくいものとなる。

0005

そこで、フォークチューブの伸縮ストロークが大きな自動二輪車で市街地を走行する場合には、前記クッションスプリングを反力の弱いものに交換し、ライダー乗車時における車体の沈み込み量を大きくするか、または前記アッパーブラケット102 とロアーブラケット103 のクランプを緩めてインナーチューブ108 の上端をアッパーブラケット102 よりも上方に突出させて再び固定し、インナーチューブ108 の突出分だけ相対的に車高を下げて足着き性を良くした上で走行していた。

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上述の如くクッションスプリングを反力の弱いものに交換した場合には、フォークチューブ101 が縮んだ時の反力が不足し、サスペンション性能が低下するとともに、本来設計されていた自動二輪車の操縦性が損なわれてしまうおそれがある。

0007

また、インナーチューブ108 の上端をアッパーブラケット102 よりも上方に突出させて車高を下げても、フォークチューブ101 の伸縮ストロークSは不変であるため、フォークチューブ101 の最圧時(フォークチューブ101 が最も縮んだ状態の時)に前輪がフロントフェンダロアブラケット103 等に干渉する懸念がある。

0008

他方、フォークチューブ101 内部の油圧作動部を外部から制御可能にして車高を上げ下げすることも行われているが、この場合にはフロントフォークの重量が増加するばかりでなく、フロントフォーク100 の構造が複雑化して自動二輪車の価格が高くなるという難点がある。

0009

本発明は、上記問題点を解決するべくなされたもので、フォークチューブの伸縮ストロークを可変させて車高を調整可能にし、しかも、その車高に適合するクッションスプリング反力を選択可能にし、車高調整後も本来設計されているサスペンション性能や操縦性を維持することのできる自動二輪車のフロントフォークを提供することを目的とする。

0010

また、フロントフォークの重量増や構造の複雑化を招くことなく車高の調整が可能な自動二輪車のフロントフォークを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記目的を達成するため、本発明に係る自動二輪車のフロントフォークは、請求項1に記載したように、左右一対のフォークチューブが、それぞれアウターチューブと、上記アウターチューブの内径部に伸縮自在に挿入されるインナーチューブと、上記インナーチューブをアウターチューブから伸ばす方向に付勢するクッションスプリングと、フォークチューブの伸縮ストロークを決定するストッパ機構とを備えて構成された自動二輪車のフロントフォークにおいて、上記ストッパ機構にフォークチューブの伸縮ストロークを可変させるストローク可変手段を設けるとともに、上記クッションスプリングの反力を調整可能にするスプリング反力調整手段を設けた。

0012

好ましくは、請求項2に記載したように、上記ストッパ機構をアウターチューブ側に設けられたアウター側ストッパと、インナーチューブ側に設けられてフォークチューブの最伸時に上記アウター側ストッパに当接するインナー側ストッパとを備えて構成し、上記アウター側ストッパまたはインナー側ストッパの少なくとも一方の固定位置を、フォークチューブの軸方向沿いに移動できるように前記ストローク可変手段を構成する。

0013

さらに、請求項3に記載したように、前記スプリング反力調整手段を、クッションスプリングの端部に介装されてクッションスプリングの長さを調整可能にするスペーサとし、このスペーサを前記ストローク可変手段として上記アウター側ストッパとインナー側ストッパとの間に装着可能にした。

0014

自動二輪車のフロントフォークを請求項1に記載したように構成した場合、ストローク可変手段によりフォークチューブの伸縮ストロークを変化させて自動二輪車の車高を調整できるとともに、前記スプリング反力調整手段によりクッションスプリングの反力を調整後の車高に適合するよう調整することができる。したがって、車高調整後も本来設計されているサスペンション性能や操縦性を維持することができ、前輪がフロントフェンダ等に干渉する懸念もなくなる。

0015

また、ストローク可変手段を請求項2に記載したように構成すれば、アウター側ストッパまたはインナー側ストッパの内のどちらか一方の固定位置を移動することでフォークチューブの伸縮ストロークが変化し、自動二輪車の車高が変わる。このストローク可変手段は非常に簡素に構成できるため、フロントフォークの簡素化ならびに軽量化に大きく貢献することができる。

0016

さらに、請求項3に記載したようにフロントフォークを構成した場合、スプリング反力調整手段としてクッションスプリングの端部に介装されていたスペーサを、そのままストローク可変手段としてアウター側ストッパとインナー側ストッパとの間に装着すれば、フォークチューブの伸縮ストロークが短くなって自動二輪車の車高が下がり、同時にクッションスプリングの長さが長くなって本来の反力が得られるため、車高調整後も本来設計されたサスペンション性能や操縦性が損なわれない。しかも、上記スペーサがストローク可変手段およびスプリング反力調整手段として兼用されるので、フロントフォークの構造を非常に簡素化することができ、軽量化にも一層貢献することができる。

0017

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るフロントフォークが適用された自動二輪車の一例を示す左側面図である。この自動二輪車1は不整地を走行可能なモトクロッサータイプのもので、その前輪2と後輪3のサスペンションストロークが大きくとられている。

0018

車体フレーム4の前頭部には上記前輪2を支持するフロントフォーク5がハンドルバー6やフロントフェンダ7等とともに左右回動自在に枢着され、車体フレーム4の中央下部に架設されたピボット軸8には後輪3を支持するスイングアーム9が上下回動自在に軸支されている。

0019

車体フレーム4の前方下部にはエンジン11が搭載されており、その動力チェーン12によって後輪3に伝達される。なお、エンジン11の後部にはキャブレタ13およびエアクリーナ14が接続され、エンジン11の上方には燃料タンク15が設置され、その後方に着座シート16が載置されている。

0020

さて、前記フロントフォーク5は、伸縮可能な左右一対のフォークチューブ20がアッパーブラケット21とロアブラケット22によって平行に固定されたもので、左右のフォークチューブ20の下部に設けられた車軸クランプ23に前輪2の車軸が固定される。したがって、自動二輪車1の走行時に上下揺動する前輪2のショックがフォークチューブ20の伸縮によって吸収される。

0021

図2(A) ,(B) は、本発明の第一実施例を示すフォークチューブ20の縦断面図である。なお、この図はフォークチューブ20が最も伸びた状態を示している。フォークチューブ20は、アウターチューブ24と、このアウターチューブ24の内径部に上方から伸縮自在に挿入されるインナーチューブ25とを備えており、上記アウターチューブ24の内側にはシリンダパイプ26が固定され、インナーチューブ25の内側にはインナーロッド27が固定され、上記インナーロッド27が上記シリンダパイプ26に上方から挿入されている。なお、インナーチューブ25の上端はキャップ28により閉塞される。

0022

上記アウターチューブ24上端の内周部にはオイルシール31が設けられ、インナーチューブ25下端の外周部にはオイルシール32が設けられていて、これらのオイルシール30,31によって両チューブ24,25間の摺動部が液密シールされる。

0023

シリンダパイプ26の上端は拡径されてスプリング受け33が形成され、その外周に設けられたオイルシール34がインナーチューブ25の内周面との間を液密にシールしている。一方、インナーロッド27の下端にはピストン35が設けられ、このピストン35に環装されたオイルシール36がシリンダパイプ26の内周面との間を液密にシールしている。

0024

アウターチューブ24とインナーチューブ25とシリンダパイプ26の内部には、それぞれ油室37,38,39が画成されており、前記キャップ28が取り外されて一定量のオイルがフォークチューブ20内に注ぎ込まれる。また、アウターチューブ24の下部には、上記油室38,39間のオイルの流れを制御する弁機構41が設けられている。

0025

自動二輪車1の走行時に前輪2が路面の凹凸に突き上げられ、インナーチューブ25がアウターチューブ24内に押し込まれると、インナーロッド27下端のピストン35が油室38内のオイルを圧縮し、油室38内のオイルは油室39側に流動する。その際、オイルの流れが前記弁機構41によって絞られるため、その流動抵抗によって減衰力が発生し、前輪2の揺動ショックが緩衝される。

0026

インナーチューブ25上端のキャップ28と、シリンダパイプ26上端のスプリング受け33との間にはクッションスプリング42が弾装されている。このクッションスプリング42はインナーチューブ25をアウターチューブ24から伸ばす方向に付勢し、縮められたフォークチューブ20を伸ばす働きをする。なお、クッションスプリング42の上端(下端でもよい)には、スプリング反力調整手段Aとなる管状のスペーサ43が着脱可能に介装されている。

0027

さらに、フォークチューブ20内には、フォークチューブ20の伸縮ストロークを決定するストッパ機構44が設けられている。このストッパ機構44は、アウターチューブ24側、例えばシリンダパイプ26に設けられたアウター側ストッパ45と、インナーチューブ25側に設けられたインナー側ストッパ46と、リバウンドスプリング47とを備えて構成されている。

0028

上記アウター側ストッパ45は、例えば筒状に形成されてシリンダパイプ26の周面に固定され、上記インナー側ストッパ46は、例えばインナーチューブ25下端の内径を一段狭めることによって形成されている。

0029

前記クッションスプリング42の反力によってアウターチューブ24が押し下げられると、アウター側ストッパ45がリバウンドスプリング47を介してインナー側ストッパ46に当接し、フォークチューブ20がそれ以上伸びなくなる。リバウンドスプリング47は、上記両ストッパ45,46が当接する際の衝撃を緩和し、破損を阻止する。

0030

フォークチューブ20の伸縮ストロークは、ストッパ機構44に設けられているストローク可変手段Bによって可変することができる。このストローク可変手段Bは、アウター側ストッパ45またはインナー側ストッパ46の少なくとも一方の固定位置を、フォークチューブ20の軸方向沿いに移動可能にすることによって構成される。

0031

例えば図3に示すように、上記ストローク可変手段Bはシリンダパイプ26の周面に一定間隔刻設された数本の溝50と、これらの溝50に環装される2本のCリング51,52によって構成されており、アウター側ストッパ45は上記Cリング51,52間に両端を保持されてシリンダパイプ26に固定される。このため、Cリング51,52の位置を他の溝50に組み替えれば、アウター側ストッパ45の固定位置を45aの位置まで段階的に変更することができる。

0032

図2(A) の状態では、アウター側ストッパ45の固定位置が段階位置の最上部に設定されており、フォークチューブ20の伸縮ストローク、即ちフォークチューブ20が最も伸びた時の長さが最大となっている。このため、自動二輪車1の車高は最も高くなる。一方、図2(B) あるいは図3の状態では、アウター側ストッパ45の固定位置が段階位置の最下部に設定されているため、フォークチューブ20の伸縮ストロークがLだけ縮んで最小となり、自動二輪車1の車高は最も低くなる。

0033

このようにアウター側ストッパ45の固定位置を下げた場合、その分だけクッションスプリング42が圧縮されて反力が強くなってしまうため、前記スペーサ43を取り払うことによってクッションスプリング42の長さを伸ばし、その反力を元の状態に戻す。こうすれば、フォークチューブ20の伸縮ストロークが変化してもクッションスプリング42の反力が不変であるため、本来設計されているサスペンション性能や操縦性が損なわれない。

0034

なお、本実施例ではスペーサ43の長さがアウター側ストッパ45の固定位置の最大移動量(即ちL)と同長にされているが、この長さに限らず数種類の長さのスペーサ43を用意すれば、伸縮ストロークや走行路面、あるいはライダーの体重等に合わせてクッションスプリング42の反力を容易に変更可能となり、きめ細かなサスペンションセッティングを施すことができる。

0035

また、スペーサ43の代わりに、インナーチューブ25上端のキャップ28の捩じ込み量に応じてクッションスプリング42の長さを変化させるようにしてもよい。なお、フォークチューブ20内に注入されるオイルの量は、各車高に合わせて設定される。

0036

ところで、図4はストローク可変手段Bの別な実施例を示している。この例では、シリンダパイプ26の周面に形成されたねじ部55がストローク可変手段Bとされており、このねじ部55にアウター側ストッパ56とロックナット57が螺合される。したがって、アウター側ストッパ56の固定位置を上記ねじ部55に沿って無段階に移動できるようになっている。そして、上記ロックナット57を締め込んでアウター側ストッパ56を固定する。

0037

なお、本実施例のストローク可変手段Bはアウター側ストッパ45または56の固定位置を可変させるものであるが、例えばインナー側ストッパ46をインナーチューブ25に対し別体に形成し、その固定位置を可変させるようにしてもよい。あるいは、アウターインナー両方のストッパの固定位置を可変させてもよい。

0038

以上のようにフロントフォーク5を構成した場合、ストローク可変手段Bによりフォークチューブ20の伸縮ストロークを変化させて自動二輪車1の車高を調整可能であるとともに、スプリング反力調整手段Aによりクッションスプリング42の反力を調整後の車高に適合するよう調整することができるので、車高調整後も本来設計されているサスペンション性能や操縦性を維持することができ、しかもフォークチューブ20の最圧時における前輪2の位置が車高調整によって変化しないため、前輪2がフロントフェンダ7等に干渉する懸念がない。

0039

また、ストローク可変手段Bは、図3のようにシリンダパイプ26に刻設されているCリング用の溝50を増設するか、あるいは図4のようにシリンダパイプ26にねじ部55を設けるなどの手法によって非常に簡単に設けることができるので、フロントフォーク5の複雑化や重量増を招くおそれが一切ない。

0040

さて、図5(A) ,(B) は、本発明の第二実施例を示すフォークチューブ20の縦断面図である。この実施例の場合、アウター側ストッパ45の固定位置はシリンダパイプ26上の一か所に限定されている。そして、ストローク可変手段Aとしてクッションスプリング42の端部に介装されている管状のスペーサ58が、そのままストローク可変手段Cとしてアウター側ストッパ45とインナー側ストッパ46との間に装着可能になっている。上記スペーサ58は、その外径がインナーチューブ25の内径に合わせられ、内径がシリンダパイプ26の外径に合わせられている。

0041

図5(A) の状態では、スペーサ58がストローク可変手段Aとしてクッションスプリング42の端部に介装されている。一方、ストッパ機構44を構成するアウター側ストッパ45とインナー側ストッパ46の相対位置は、図2(A) の状態と同様であり、フォークチューブ20の伸縮ストロークは最大となっている。

0042

また、図5(B) の状態では、スペーサ58がストローク可変手段Cとしてアウター側ストッパ45とインナー側ストッパ46との間に装着されている。このため、フォークチューブ20の最伸時にはアウター側ストッパ45がスペーサ58とリバウンドスプリング47を介してインナー側ストッパ46に当接し、スペーサ58の長さの分(L)だけフォークチューブ20の伸縮ストロークが短くなって自動二輪車1の車高が低くなる。同時に、スペーサ58の長さの分だけクッションスプリング42の長さが伸びため、クッションスプリング42の反力が図5(A) の状態と変わらなくなり、本来設計されているサスペンション性能や操縦性が維持される。

0043

この実施例によれば、スペーサ58がスプリング反力調整手段Aとストローク調整手段Bとを兼用するため、上記両手段A,Bを非常に簡素化でき、フロントフォーク5の構造簡素化および軽量化に一層貢献することができる。しかも、フロントフォーク5の組立が従来と同様であり、組立の複雑化によるコストアップもない。

0044

なお、本実施例のフロントフォーク5は、アッパーブラケット21とロアブラケット22にインナーチューブ25が固定された正立型のものであるが、アッパーブラケット21とロアブラケット22にアウターチューブ24が固定される倒立型のフロントフォークにも本発明を適用することができる。

発明の効果

0045

以上説明したように、本発明に係る自動二輪車のフロントフォークは、フォークチューブの伸縮ストロークを決定するストッパ機構に、フォークチューブの伸縮ストロークを可変させるストローク可変手段を設けるとともに、クッションスプリングの反力を調整可能にするスプリング反力調整手段を設けたものである。

0046

このため、上記ストローク可変手段によりフォークチューブの伸縮ストロークを変化させて車高を調整できるとともに、上記スプリング反力調整手段によりクッションスプリングの反力を調整後の車高に適合するよう調整することができる。したがって、車高調整後も本来設計されているサスペンション性能や操縦性を維持することができ、前輪がフロントフェンダ等に干渉する懸念もなくなる。

0047

また、本発明に係る自動二輪車のフロントフォークは、上記ストッパ機構を構成するアウター側ストッパまたはインナー側ストッパの少なくとも一方の固定位置をフォークチューブの軸方向沿いに移動できるように前記ストローク可変手段を構成したので、ストローク可変手段を非常に簡素な構成とすることができ、フロントフォークの簡素化および軽量化に大きく貢献することができる。

0048

さらに、本発明に係る自動二輪車のフロントフォークは、前記スプリング反力調整手段を、クッションスプリングの端部に介装されてクッションスプリングの長さを調整可能にするスペーサとし、このスペーサを前記ストローク可変手段として上記アウター側ストッパとインナー側ストッパとの間に装着可能にしたので、上記スペーサがスプリング反力調整手段とストローク可変手段とに兼用される。したがって、フロントフォークの構造を非常に簡素化することができ、軽量化にも一層貢献することができる。

図面の簡単な説明

0049

図1本発明が適用された自動二輪車の一例を示す左側面図。
図2本発明の第一実施例を示すフロントフォークの縦断面図で、(A) はフォークチューブの伸縮ストロークが伸ばされた状態を示す図、(B) はフォークチューブの伸縮ストロークが縮められた状態を示す図。
図3ストッパ機構ならびにストローク可変手段を拡大した縦断面図。
図4ストローク可変手段の別な実施例を示す縦断面図。
図5本発明の第二実施例を示すフロントフォークの縦断面図で、(A) はフォークチューブの伸縮ストロークが伸ばされた状態を示す図、(B) はフォークチューブの伸縮ストロークが縮められた状態を示す図。
図6従来の技術を示すフロントフォークの斜視図。

--

0050

1自動二輪車
2前輪
5フロントフォーク
20フォークチューブ
24アウターチューブ
25インナーチューブ
26シリンダパイプ
27インナーロッド
28キャップ
42クッションスプリング
43スペーサ
44ストッパ機構
45,56アウター側ストッパ
46インナー側ストッパ
47リバウンドスプリング
50ストローク可変手段を構成する溝
51,52 ストローク可変手段を構成するCリング
55 ストローク可変手段としてのねじ部
Aスプリング反力調整手段
B,C ストローク可変手段

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