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技術 スピン偏極電子線源特性X線解析装置

出願人 株式会社アプコ
発明者 溝口正
出願日 1993年12月28日 (26年1ヶ月経過) 出願番号 1993-336326
公開日 1995年8月1日 (24年6ヶ月経過) 公開番号 1995-198631
状態 未査定
技術分野 放射線を利用した材料分析
主要キーワード パルス計数器 非対称因子 微小部位 スピン偏 ミクロ領域 レーザー光発生器 計数パルス 計測制御装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年8月1日)のものです。
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図面 (3)

目的

本発明は、スピン偏極電子線を試料照射して発生させた特性X線解析し、磁気偏極度などを測定するスピン偏極電子源特性X線解析装置に関し、磁化した試料表面の磁化方向と平行にスピン偏極したスピン偏極電子線および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線を照射したときの特性X線の強度Xpおよび強度Xaをそれぞれ測定し、これら両者をもとに微小領域に含まれる元素の磁気偏極度や電子線の偏極度を測定することを目的とする。

構成

ある方向および逆方向にスピン偏極させたスピン偏極電子線(K)を磁性体である試料(D)にそれぞれ照射して発生させた特性X線(L)の強度をそれぞれ求め、これら求めた両者の強度をもとに当該試料(D)に含まれる元素の磁気偏極度を測定するように構成する。

概要

背景

従来、電子線を試料照射して当該試料から発生する特性X線スペクトルを測定する物理分析法は、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)として確立し、定性組成分析や定量組成分析として一般に用いられている。

概要

本発明は、スピン偏極電子線を試料に照射して発生させた特性X線を解析し、磁気偏極度などを測定するスピン偏極電子源特性X線解析装置に関し、磁化した試料表面の磁化方向と平行にスピン偏極したスピン偏極電子線および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線を照射したときの特性X線の強度Xpおよび強度Xaをそれぞれ測定し、これら両者をもとに微小領域に含まれる元素の磁気偏極度や電子線の偏極度を測定することを目的とする。

ある方向および逆方向にスピン偏極させたスピン偏極電子線(K)を磁性体である試料(D)にそれぞれ照射して発生させた特性X線(L)の強度をそれぞれ求め、これら求めた両者の強度をもとに当該試料(D)に含まれる元素の磁気偏極度を測定するように構成する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

ある方向および逆方向にスピン偏極させたスピン偏極電子線(K)を磁性体である試料(D)にそれぞれ照射して発生させた特性X線(L)の強度をそれぞれ求め、これら求めた両者の強度をもとに当該試料(D)に含まれる元素磁気偏極度を測定するように構成したことを特徴とするスピン偏極電子線源特性X線解析装置

請求項2

上記ある方向および逆方向のスピン偏極として、上記試料(D)の磁性原子スピンの方向に平行および逆方向としたことを特徴とする請求項1記載のスピン偏極電子線源特性X線解析装置。

請求項3

上記試料(D)に含まれる元素の磁気偏極度mを下式によって測定することを特徴とする請求項1および請求項2記載のスピン偏極電子線源特性X線解析装置。ID=000003HE=015 WI=050 LX=0350 LY=1100ここで、Xp:スピン偏極したスピン偏極電子線(K)の方向が上記試料(D)の磁化方向と同一の場合の特性X線(L)の強度Xa:スピン偏極したスピン偏極電子線(K)の方向が上記試料(D)の磁化方向と逆の場合の特性X線(L)の強度p:スピン偏極度装置固有定数)A:非対称因子(磁性体である試料(D)に含まれる元素に固有な定数)m:磁気偏極度(磁性体である試料(D)に含まれる元素がその試料中で持つ定数)

請求項4

上記非対称因子Aおよび磁気偏極度mが既知の試料(D)を用いて、電子線のスピン偏極度pを測定することを特徴とする請求項1から請求項3記載のスピン偏極電子線源特性X線解析装置。

請求項5

周り円偏光光線(J)および左周りの円偏光光線(J)を照射して上記ある方向および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線(K)をそれぞれ発生する光電子発生源(A)を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4記載のスピン偏極電子線源特性X線解析装置。

技術分野

0001

本発明は、スピン偏極電子線を試料照射して発生させた特性X線解析し、磁気偏極度などを測定するスピン偏極電子線源特性X線解析装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、電子線を試料に照射して当該試料から発生する特性X線のスペクトルを測定する物理分析法は、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)として確立し、定性組成分析や定量組成分析として一般に用いられている。

発明が解決しようとする課題

0003

しかし、電子源として非偏極電子を用いるので、試料中の原子磁気モーメントに関する情報は、全く得られない。

0004

一方、電子ビーム自身のスピン偏極度を測定する手段として、モット散乱検出器がある。これは、100Kev程度の高電圧を用いなければならないため、放電に対する対策が大がかりなものとなり高価である。他のスピン偏極度の測定法も提案されているが、いずれも試料の表面状態に極めて敏感でしかも超高真空を必要とすることなどから取り扱いが難しいという問題がある。

0005

このため、下記の問題を解決することが望まれている。
(1)試料中に含まれている原子の種類を特定した上でその磁気偏極度に関する情報を得る。

0006

(2)スピン偏極電子線のスピン偏極度を測定する。本発明は、これらの問題を解決するため、磁化した試料表面の磁化方向と平行にスピン偏極したスピン偏極電子線および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線を照射したときの特性X線の強度Xpおよび強度Xaをそれぞれ測定し、これら両者をもとに微小領域に含まれる元素の磁気偏極度や電子線のスピン偏極度を測定することを目的としている。

課題を解決するための手段

0007

図1は、本発明の原理構成図を示す。図1において、光電子発生源Aは、ある方向および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線Kを発生するものであって、例えば円偏光光線(右、左周り)Jを照射してスピン偏極したスピン偏極電子線Kを発生するものである。

0008

静電レンズBは、光電子発生源Aから放射されたスピン偏極電子線Kを試料Dの表面に結像するものである。偏向器Cは、スピン偏極電子線Kを偏向して試料D上の任意の部位に照射するためのものである。

0009

試料Dは、磁性体の試料であって、微小部位に含まれる元素の磁気偏極度の測定対象の試料である。磁化用電磁石または永久磁石D’は、試料Dに磁束を印加するものであって、ここではコイル電流を流して一定方向および逆方向の磁束を試料Dに供給するものである。

0010

X線検出器Eは、試料Dから放射された特性X線を検出するものである。円偏光発生装置Fは、右周りおよび左周りの円偏光光線Jを発生するものである。

0011

計測制御装置Gは、円偏光発生装置Fを制御して円偏光光線Jを発生させたり、X線検出器Eによって検出した特性X線の強度を計数したりなどし、試料Dの磁気偏極度などを算出するものである。

0012

超高真空排気装置Hは、図中で囲んだ容器を超高真空に排気する排気装置である。円偏光光線Jは、円偏光発生装置Fによって発生された右周りあるいは左周りの円偏光光線である。

0013

スピン偏極電子線Kは、右周りあるいは左周りの円偏光光線Jを光電子発生源Aに照射してある方向あるいは逆方向にスピン偏極して発生されたスピン偏極電子線である。

0014

本発明は、図1に示すように、光電子発生源Aがある方向および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線Kを発生し、静電レンズBによって加速および集束して試料Dにスピン偏極電子線Kを照射すると共に偏向器Cによって任意の試料Dの部位を照射し、この部位から放射された特性X線をX線検出器Eが検出し、これら検出した信号を計測制御装置が計測してその強さを求めて磁気偏極度を算出するようにしている。

0015

この際、ある方向および逆方向のスピン偏極として、試料Dの磁性原子スピンの方向に平行および逆方向とし、そのときの特性X線の強度を検出して磁気偏極度を算出するようにしている。

0016

また、試料Dに含まれる元素の磁気偏極度mを下式によって測定するようにしている。
ID=000004HE=015 WI=050 LX=0350 LY=1550
ここで、
Xp:スピン偏極したスピン偏極電子線Kの電子スピンの方向が上記試料Dの磁性原子のスピン方向と同一の場合の特性X線Lの強度
Xa:スピン偏極したスピン偏極電子線Kの電子スピンの方向が上記試料Dの磁性原子のスピン方向と逆の場合の特性X線Lの強度
p:スピン偏極度(装置固有定数
A:非対称因子(磁性体である試料Dに含まれるの元素に固有な定数)
m:磁気偏極度(磁性体である試料Dに含まれる元素がその試料中で持つ定数)
また、非対称因子Aおよび磁気偏極度mが既知の試料Dを用いて、電子線のスピン偏極度pを測定するようにしている。

0017

また、右周りの円偏光光線Jおよび左周りの円偏光光線Jを光電子発生源Aに照射して上記ある方向および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線Kをそれぞれ発生するようにしている。

0018

従って、磁化した試料Dの表面の磁化方向と平行にスピン偏極したスピン偏極電子線Kおよび逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線Kを照射したときの特性X線の強度Xpおよび強度Xaをそれぞれ測定し、これら両者をもとに微小領域に含まれる元素の磁気偏極度mやスピン偏極電子線Kのスピン偏極度pを測定することが可能となる。

0019

次に、図2を用いて本発明の実施例の構成および動作を順次詳細に説明する。図2は、本発明の1実施例構成図を示す。

0020

図2の(a)は、全体構成図を示す。図2の(a)において、レーザー光発生器12は、レーザー光線21を発生させるものである。

0021

直線偏光器11は、レーザー光線21を直線偏光光線22にするものである。1/4波長板10は、直線偏光光線22を円偏光光線23にするものである。この際に、1/4波長板10の回転方向によって、Aに示すように右周りの円偏光光線23あるいはBに示すように左周りの円偏光光線23にすることができる。

0022

レーザー光線取り入れウィンドウ8は、円偏光光線23を真空容器1内に取り込むためのウィンドウである。この取り込んだ円偏光光線23は、GaAs光電子発生源2を照射する。

0023

GaAs光電子発生源2は、円偏光光線23を照射してスピン偏極電子線24を発生するものである。この際、Aの右周り円偏光光線23が照射された場合、A’の右向きのスピン偏極電子線24を発生する。Bの左周り円偏光光線23が照射された場合、B’の左向きのスピン偏極電子線24を発生する。

0024

加速静電レンズ3は、GaAs光電子発生源2から発生されたスピン偏極電子線24を加速すると共に試料5の表面に微小スポットとして集束するものである。特性X線を発生させるのに必要なエネルギーまでの加速は、この加速静電レンズおよび試料に加えられた電位によってなされる。発生されたスピン偏極電子線24のスピンの向きA’あるいはB’は、試料5に到達する迄保存される。

0025

静電偏向器4は、加速静電レンズ3を出射したスピン円偏極電子線24を偏向して試料5上のC点に結像させるものである。試料5は、微小領域に含まれる元素の磁気偏極度を測定する対象の試料である。この試料5は、スピン偏極電子線24のスピンの方向と同一の方向を持つ磁束、あるいは逆方向を持つ磁束を印加するように、試料励磁コイル7およびヨーク6を図示のように構成している。磁束の向きは、試料励磁コイル7に流す励磁電流の向きによって、任意の励磁方向を選択できる。試料励磁コイル7に電流を流すと、磁束の流れは、コイル内磁性体−ヨーク−試料−ヨーク−コイル内磁性体と閉ループを描き、この磁束が試料5の元素の磁気偏極度の向き(A’’’あるいはB’’’)を定める。ここで、既述した、1/4波長板によって、試料5上に到達したスピン偏極電子線24のスピンの向きA’’あるいはB’’の任意に設定できる。これらによって、
(A) スピン偏極電子線24のスピンの向きと、試料5の元素のスピンの向きとを同じ方向にすることができる(A’’とA’’’、あるいはB’’とB’’’の組み合わせの場合)。

0026

(B)スピン偏極電子線24のスピンの向きと、試料5の元素のスピンの向きとを逆方向にすることができる(A’’とB’’’、あるいはB’’とA’’’の組み合わせの場合)。

0027

特性X線26は、スピン偏極電子線24を照射した試料5から放射された特性X線である。X線取り出しウィンドウ9は、真空容器1から真空外に特性X線26を取り出すウィンドウである。X線検出器13を真空容器1内に配置する場合には、X線取り出しウィンドウ9は、不要である。

0028

X線検出器13は、特性X線を検出するものであって、例えば半導体検出器であるSSDである。このX線検出器13によって一定時間内に発生する特性X線26の個数を計測してX線計測パルス信号を生成するものである。

0029

パルス計測器14は、X線計測パルス信号を入力として、一定時間内のパルス数を計測するものである。ここでは、X線計測パルス信号27を計測したパルス数信号28を、
上記(A)の場合、Xp個
上記(B)の場合、Xa個
とする。

0030

計数値メモリ15は、パルス数信号28を記憶するものであって、上記(A)のパルス数信号Xpおよび(B)のパルス数信号Xaを記憶するものである。計数値演算回路および表示器16は、計数値メモリ15に記憶したパルス数信号Xpおよびパルス数信号Xaを下式に代入し、その結果や磁気偏極度mなどを表示するものである。

0031

Xp−Xa
───── = p・A・m (式1)
Xp+Xa
ここで、
Xp:スピン偏極電子線15のスピンの方向が、試料5の磁化方向に一致する場合の特性X線の数である。

0032

Xa:スピン偏極電子線15のスピンの方向が、試料5の磁化方向と逆方向の場合の特性X線の数である。
p:スピン偏極度(GaAs光電子発生源2に固有な定数)
A:非対称因子(試料5に含まれる元素に固有の定数)
m:磁気偏極度(試料5に含まれる元素がその試料中で持つ定数)を表す。

0033

図2の(b)は、試料付近の部分図を示す。これは、左側から試料5にスピン偏極電子線25を照射し、下方向に特性X線26を放射する様子を示す。ここで、 スピン偏極電子線25のスピンがA’’の右向あるいはスピンがB’’の左向きで試料5を照射する。試料5の元素の磁気偏極度mの方向をA’’’あるいはB’’’とする。

0034

スピン偏極電子線25のスピンの向きと、試料5の元素の磁気偏極度mの向きとが一致する場合に発生した特性X線の個数をXpとし、試料5の元素の磁気偏極度mの向きとが逆の場合に発生した特性X線の個数をXaとする。そして、既述した(式1)に代入して試料5の微小領域に含まれる元素の磁気偏極度mなどを算出する。

0035

次に、動作を説明する。
(1)レーザー光発生器12によってレーザー光線21を発生し、直線偏光器11によって直線偏光光線22にする。この直線偏光光線22を1/4波長板10の回転方向によってAの右周りの円偏光光線23あるいはBの左周りの円偏光光線23にする。このAの右周りの円偏光光線23あるいはBの左周りの円偏光光線23をレーザー光取り入れウィンドウ8を通して真空容器1に入射させ、GaAs光電子発生源2を照射する。

0036

(2) Aの右周りの円偏光光線23あるいはBの左周りの円偏光光線23によって照射されたGaAs光電子発生源2は、A’の右向きのスピンを有するスピン偏極電子線24あるいはB’の左向きのスピンを有するスピン偏極電子線24を発生し、これは加速静電レンズ3によって加速されると共に集束し、静電偏向器4によって試料5上に結像する。ここで、GaAs光電子発生源2は、スピン偏極電子線24を発生するGaAs結晶で、表面を清浄にした後にCs(セシウム)とO(酸素)とを微量つけ、適当なエネルギの円偏光光線23を照射し、スピン偏極電子線24を発生させる。

0037

(3)スピン偏極電子線24によって照射された試料5は、試料励磁コイル7およびヨーク8によって磁束が供給されて磁化されている。この際、スピン偏極電子線24を試料5面に低角で入射させて磁化方向とほぼ平行あるいは逆方向となるようにする。スピン偏極電子線24の回転方向は、1/4波長板10を回転させる回転方向によって右向きあるいは左向きに任意に変えることができる。

0038

(3)試料5から発生した特性X線26は、X線取り出しウィンドウ9、例えばBe板のウィンドウを通って真空容器1外に取り出す。この取り出した特性X線26をX線検出器13によって測定する。この際、一定間隔で円偏光光線23の向きを右向きおよび左向きを交互に逆転させてスピン偏光電子線24のスピンを反転させ、それぞれのときの特性X線のパルス数信号Xp、Xaを計測する。これら測定したパルス数信号Xp、Xaを(式1)に代入し、p(スピン偏極度)およびA(非対称因子)を予め求めておいた値を代入して磁気偏極度mを算出する。

0039

尚、スピン偏極度pの判ったGaAs光電子発生源2を用いて測定を行えば、試料5中の元素を特性X線の波長で特定した上で、その元素(原子)の磁気偏極度mと非対称因子Aの積を求めることができる。磁気偏極度mが既知である試料5により非対称因子Aを求めておけば、種々の環境下でのその原子の磁気偏極度mを測定することができる。

0040

また、非対称因子Aおよび磁気偏極度mが既知の標準の試料5を用いれば、スピン偏極電子線24のスピン偏極度pを測定することができる。この手法では、10〜20Kevという手加速電圧を用いればよいので、装置は扱い易く、しかも標準試料の表面状態に敏感ではないので、安定した測定を行うことが可能となる。

0041

以上によって、右向きあるは左向きのスピン偏極電子線24を試料5上に照射してそのときに放射された特性X線の強度を測定し、スピン偏極電子線15のスピンの方向と試料5の磁化方向とが一致する場合の特性X線の強度をXpとし、スピン偏極電子線15のスピンの方向と試料5の磁化方向とが逆の場合の特性X線の強度をXaとして計測し、これらを(式1)に代入し、pAmの積を算出し、p(スピン偏極度)およびA(非対称因子)を予め求めておけば、試料5上の微小領域に含まれる元素の磁気偏極度mを測定することが可能となる。

0042

上述した実施例の他に、下記のようであってもよい。
(1)GaAsをスピン偏極電子線源として用いるとき、照射する右または左周り円偏光のエネルギーはEgより大きく(光電子励起可能とするため)、Eg+δよりも小さく(スピン偏極させるため)する。

0043

ただし、EgはGaAsの伝導帯の準位でΓ6と価電子帯の準位Γ8のエネルギー差であり、δは価電子帯Γ8とその下の価電子帯Γ7の間のエネルギー差である。
(2)スピン偏極電子線の進行方向を静電偏向によって変えても、そのスピンの方向は変化しないので、試料の磁化方向に平行または反平行のスピン方向を保ったまま、試料面に対して任意の角度で電子線を入射することができる(図1図2参照)。また、磁場で電子線を曲げた場合は、その進行方向に従ってスピンの方向も回転する。従って、静電偏向と磁場偏向とを組み合わせ、電子線の進行方向を不変に保てばスピンの方向のみを任意の方向に向けることができるので、任意の方向から任意のスピン方向を持ったスピン偏極電子線を試料に入射させることが可能となる。
(3) 試料に入射するスピン偏極電子線の運動エネルギーは試料に含まれる元素の特性X線を発生させるのに十分なだけの大きさが必要である。これを得るためにには、GaAs電子源と試料の間に十分な電位差をかけて加速すればよい。装置チェンバーの電位を0電位(グランドレベル)とし、
(a)電子源を負、試料をゼロ電位にした場合、試料の扱いが簡単となる。

0044

(b)電子線源をゼロ電位に近くし、試料を正とすれば、電子線源であるGaAsが正イオンでたたかれてダメージを受ける度合いが減り、光電子放出寿命が延びる利点がある。

0045

(c)本装置のGaAs電子源を除いて、スピン偏極度を測定したい他の電子線源につないでスピン偏極度測定器として用いる場合は、入射電子線の運動エネルギーに応じて、、試料の電位を任意の適当な値に設定する。
(4)GaAs光電子発生源の代わりに、他の電子線源からの電子線を入射させて、その電子線のスピン偏極度pを測定するスピン偏極検出装置として用いるようにしてもよい。

発明の効果

0046

以上説明したように、本発明によれば、磁化した試料の表面の磁化方向と平行にスピン偏極したスピン偏極電子線および逆方向にスピン偏極したスピン偏極電子線を照射したときの特性X線の強度Xpおよび強度Xaをそれぞれ測定し、これら両者をもとに試料の微小領域に含まれる元素の磁気偏極度mや電子線のスピン偏極度pを測定することができる。これらにより、従来なかった上述の全く新しい原理により、ミクロ領域の各元素の磁気偏極度を測定することが可能となった。また、電子線のスピン偏極度を測定する上述の新しい原理によるスピン検出器として用いることができる。

図面の簡単な説明

0047

図1本発明の原理構成図である。
図2本発明の1実施例構成図である。

--

0048

A:光電子発生源
B:静電レンズ
C:偏向器
D:試料
D’:磁化用電磁石
E:X線検出器
F:円偏光発生装置
G:計測制御装置
H:超高真空排気装置
J:円偏光光線
K:スピン偏極電子線
L:特性X線
1:真空容器
2:GaAs光電子発生源
3:加速静電レンズ
4:静電偏光器
5:試料
6:ヨーク
7:試料励磁コイル
8:レーザー光取り入れウィンドウ
9:X線取り出しウィンドウ
10:1/4波長板
11:直線偏光器
12:レーザー光発生器
13:X線検出器
14:パルス計数器
15:計数値メモリ
16:計数値演算回路及び表示器
21:レーザー光線
22:直線偏光光線
23:円偏光光線
24:スピン偏極電子線
25:偏光されたスピン偏極電子線
26:特性X線
27:X線計数パルス信号
28:パルス数信号
29:パルス数信号Xp
30:パルス数信号Xa

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