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技術 デラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法

出願人 住友化学株式会社
発明者 藤井丈志鈴木靖朗安保孝佐賀裕司
出願日 1993年12月27日 (26年2ヶ月経過) 出願番号 1993-331576
公開日 1995年7月25日 (24年8ヶ月経過) 公開番号 1995-188548
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物
主要キーワード X線回折法 溶媒抽出分 安価な充填剤 自動車ホイール 一般物性 金属ウィスカー 射出成型品 ヨウ素量
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目的

構成

(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂1〜100重量%、(B)アルケニル芳香族系樹脂0〜99重量%からなる混合物5〜95重量部に対して、(C)エチレンα−オレフィン系共重合体ゴムに対し、アルケニル芳香族化合物および必要に応じて不飽和単量体グラフトしたグラフト物5〜95重量部、および(D)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム 0〜40重量部よりなる前記成分(A)〜(D)の混合物100重量部に対し、(E)ラジカル開始剤を0.01〜5重量部加えることを特徴とする、デラミの改良されたポリフェニレンエーテル熱可塑性樹脂組成物

概要

背景

ポリフェニレンエーテル系樹脂は、耐熱性機械的性質など優れた性質を有するエンジニアリングプラスチックの一つである。該ポリフェニレンエーテル系樹脂は、既に先行技術文献、例えば米国特許第3306874号公報、同第3306875号公報、同第3573257号公報等に開示されている。

ポリフェニレンエーテル系樹脂は、上記のような優れた性質を有する反面、成形加工性が悪い、耐衝撃性が低い等の欠点を有している。かかる欠点を改良するために、種々の方法が提案されている。成形性を良くするためにポリフェニレンエーテル系樹脂に相溶性のあるスチレンホモポリマーを配合する方法が、また耐衝撃性を改良するためにゴムを配合、分散する方法が周知である。特にゴムで変性されたスチレンコポリマーは成形加工性ならびに、耐衝撃性を同時に改良できる点において効果的である。特にスチレンをグラフト共重合したポリブタジエンゴム(以下BR−HIPSと略称する)が一般的に用いられている。例えば米国特許第3383435号公報はポリフェニレンエーテル系樹脂/BR−HIPSを開示している。

しかしながら、ポリブタジエンゴム(以下BRと略称する。)は重合体主鎖中に不飽和結合が存在するために熱および光に対して不安定であり、その結果BR−HIPSをポリフェニレンエーテル系樹脂に配合した場合には、その樹脂組成物熱安定性光安定性および耐候性も実用上満足すべきものとはならない。

スチレンをグラフト重合したEPDM(以下EPDM−HIPSと略称する。)をポリフェニレンエーテル系樹脂に配合し、耐衝撃性、熱安定性、光安定性および耐候性に優れた組成物が多く提案されている。例えば、特公昭47−43174号公報、同47−43290号公報、米国特許第3943191号、同第3959211号、同第3974235号、同第4127558号、同第4152316号、同第4101505号、同第4101503号、同第4101504号各公報および特開昭58−111854号公報に開示されている。

耐衝撃性をさらに改良する目的でEPDM−HIPSと他の衝撃改良剤を加える組成物が提案されている。他の衝撃改良剤として例えば米国特許第4373045号公報にはエチレン−プロピレン共重合体ゴム(以下EPMと略称する。)が、開示されている。

またスチレンをグラフトしたエチレンα−オレフィン共重合体ゴム(以下EPM−HIPSと略称する。)を他の耐衝撃性改良剤とともにポリフェニレンエーテル系樹脂に配合し、耐衝撃性、熱安定性、光安定性および耐候性に優れた組成物も多く提案されている。例えば、他の耐衝撃性改良剤として特開昭57ー139140号、同60−36550号各公報にはBR−HIPSが、特開昭59−140257号公報には水添スチレンブタジエンスチレントリブロック共重合体もしくはこれとBR−HIPSとの併用系が開示されている。また、スチレンをグラフトしたポリフェニレンエーテル系樹脂にEPDM−HIPSを配合した耐衝撃性、熱安定性、光安定性および耐候性に優れた組成物が提案されており、例えば特公昭53−39698号、同55−44026号各公報に開示されている。

以上のように耐衝撃性、耐候性に優れた組成物については従来から数多く提案されているが、ゴム成分によって耐衝撃性が改良されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、その射出成形品において表面に傷を付けたところからスキン層が容易に剥がれていく(以下デラミと略称する)といった欠点を有する。デラミは商品としての外観および性能を著しく損なうという点において大きな問題である。

概要

スキン層の剥離強度に優れたポリフェニレン系熱可塑性樹脂組成物を製造する。

(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂1〜100重量%、(B)アルケニル芳香族系樹脂0〜99重量%からなる混合物5〜95重量部に対して、(C)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムに対し、アルケニル芳香族化合物および必要に応じて不飽和単量体でグラフトしたグラフト物5〜95重量部、および(D)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム 0〜40重量部よりなる前記成分(A)〜(D)の混合物100重量部に対し、(E)ラジカル開始剤を0.01〜5重量部加えることを特徴とする、デラミの改良されたポリフェニレンエーテル熱可塑性樹脂組成物

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂1〜100重量%(B)アルケニル芳香族系樹脂0〜99重量%からなる混合物5〜95重量部に対して(C)エチレンα−オレフィン系共重合体ゴムに対しアルケニル芳香族化合物および必要に応じて不飽和単量体グラフトしたグラフト物5〜95重量部(D) エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム 0〜40重量部よりなる上記成分(A)〜(D)の混合物100重量部に対し(E)ラジカル開始剤を0.01〜5重量部加えることを特徴とする、デラミの改良されたポリフェニレンエーテル熱可塑性樹脂組成物

請求項2

(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂1〜100重量%(B)アルケニル芳香族系樹脂0〜99重量%からなる混合物5〜95重量部に対して(C)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムに対しアルケニル芳香族化合物および必要に応じて不飽和単量体でグラフトしたグラフト物5〜95重量部(D) エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム 0〜40重量部よりなる上記成分(A)〜(D)の熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し(E)成分を0.01〜5重量部加え、反応させることを特徴とする、デラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

請求項3

請求項2において(A)成分の一部もしくは全部、(B)成分の一部もしくは全部、(C)成分および(D)成分を予め溶融混練し、溶融混練下に(E)成分、(A)成分の一部と(E)成分、(B)成分の一部と(E)成分、または(A)成分の一部と(B)成分の一部および(E)成分とを添加しさらに溶融混練することを特徴とするデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

請求項4

(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂がポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテルである請求項1記載のデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物。

請求項5

(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂がポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルである請求項2または3記載のデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

請求項6

(B)アルケニル芳香族系樹脂が、スチレンが78重量%以上のスチレン−アルキルメタアクリレート共重合体、スチレンが78重量%以上のスチレン−アクリロニトリル共重合体ポリスチレンポリブタジエン変性ポリスチレンおよびスチレン−ブタジエンゴム変性ポリスチレンから選ばれる少なくとも一つである請求項1記載のデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物。

請求項7

(B)アルケニル芳香族系樹脂が、スチレンが78重量%以上のスチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、スチレンが78重量%以上のスチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリスチレン、ポリブタジエン変性ポリスチレンおよびスチレン−ブタジエンゴム変性ポリスチレンから選ばれる少なくとも一つである請求項2または3記載のデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

請求項8

(C)グラフト物において、アルケニル芳香族化合物がスチレン、不飽和単量体がアルキル(メタ)アクリレートおよびアクリロニトリルから選ばれる少なくとも一つ、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムが結晶化度が15%未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムおよびエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも一つである請求項1記載のデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物。

請求項9

(C)グラフト物において、アルケニル芳香族化合物がスチレン、不飽和単量体がアルキル(メタ)アクリレートおよびアクリロニトリルから選ばれる少なくとも一つ、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムが結晶化度が15%未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムおよびエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも一つである請求項2または3記載のデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

請求項10

(D)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムが結晶化度が15%未満であるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、結晶化度が15%未満であるエチレン−α−オレフィン非共役ジエン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも一つである請求項1記載のデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物。

請求項11

(D)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムが結晶化度が15%未満であるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、結晶化度が15%未満であるエチレン−α−オレフィン非共役ジエン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも一つである請求項2または3記載のデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、スキン層剥離(以下デラミと省略)強度に優れたポリフェニレンエーテル熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

ポリフェニレンエーテル系樹脂は、耐熱性機械的性質など優れた性質を有するエンジニアリングプラスチックの一つである。該ポリフェニレンエーテル系樹脂は、既に先行技術文献、例えば米国特許第3306874号公報、同第3306875号公報、同第3573257号公報等に開示されている。

0003

ポリフェニレンエーテル系樹脂は、上記のような優れた性質を有する反面、成形加工性が悪い、耐衝撃性が低い等の欠点を有している。かかる欠点を改良するために、種々の方法が提案されている。成形性を良くするためにポリフェニレンエーテル系樹脂に相溶性のあるスチレンホモポリマーを配合する方法が、また耐衝撃性を改良するためにゴムを配合、分散する方法が周知である。特にゴムで変性されたスチレンコポリマーは成形加工性ならびに、耐衝撃性を同時に改良できる点において効果的である。特にスチレンをグラフト共重合したポリブタジエンゴム(以下BR−HIPSと略称する)が一般的に用いられている。例えば米国特許第3383435号公報はポリフェニレンエーテル系樹脂/BR−HIPSを開示している。

0004

しかしながら、ポリブタジエンゴム(以下BRと略称する。)は重合体主鎖中に不飽和結合が存在するために熱および光に対して不安定であり、その結果BR−HIPSをポリフェニレンエーテル系樹脂に配合した場合には、その樹脂組成物熱安定性光安定性および耐候性も実用上満足すべきものとはならない。

0005

スチレンをグラフト重合したEPDM(以下EPDM−HIPSと略称する。)をポリフェニレンエーテル系樹脂に配合し、耐衝撃性、熱安定性、光安定性および耐候性に優れた組成物が多く提案されている。例えば、特公昭47−43174号公報、同47−43290号公報、米国特許第3943191号、同第3959211号、同第3974235号、同第4127558号、同第4152316号、同第4101505号、同第4101503号、同第4101504号各公報および特開昭58−111854号公報に開示されている。

0006

耐衝撃性をさらに改良する目的でEPDM−HIPSと他の衝撃改良剤を加える組成物が提案されている。他の衝撃改良剤として例えば米国特許第4373045号公報にはエチレン−プロピレン共重合体ゴム(以下EPMと略称する。)が、開示されている。

0007

またスチレンをグラフトしたエチレンα−オレフィン共重合体ゴム(以下EPM−HIPSと略称する。)を他の耐衝撃性改良剤とともにポリフェニレンエーテル系樹脂に配合し、耐衝撃性、熱安定性、光安定性および耐候性に優れた組成物も多く提案されている。例えば、他の耐衝撃性改良剤として特開昭57ー139140号、同60−36550号各公報にはBR−HIPSが、特開昭59−140257号公報には水添スチレンブタジエンスチレントリブロック共重合体もしくはこれとBR−HIPSとの併用系が開示されている。また、スチレンをグラフトしたポリフェニレンエーテル系樹脂にEPDM−HIPSを配合した耐衝撃性、熱安定性、光安定性および耐候性に優れた組成物が提案されており、例えば特公昭53−39698号、同55−44026号各公報に開示されている。

0008

以上のように耐衝撃性、耐候性に優れた組成物については従来から数多く提案されているが、ゴム成分によって耐衝撃性が改良されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、その射出成形品において表面に傷を付けたところからスキン層が容易に剥がれていく(以下デラミと略称する)といった欠点を有する。デラミは商品としての外観および性能を著しく損なうという点において大きな問題である。

発明が解決しようとする課題

0009

以上、ポリフェニレンエーテル系樹脂の耐衝撃性改良に関する発明が多数提案されているが、デラミの改良についてまで言及するには至っていない。そこで本発明者等は耐衝撃性が良好で、且つデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を供することを目的として鋭意検討した結果、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムにアルケニル芳香族単量体と必要に応じて不飽和単量体をグラフトしたグラフト物耐衝撃改良剤として、ポリフェニレンエーテル系樹脂に配合し、それにラジカル開始剤を加えることによって、デラミが著しく改良されることを見出し本発明に至った。

課題を解決するための手段

0010

すなわち、本発明は、
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂1〜100重量%
(B)アルケニル芳香族系樹脂0〜99重量%
からなる混合物95〜5重量部に対して
(C)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムに対しアルケニル芳香族化合物および必要に応じて不飽和単量体でグラフトしたグラフト物5〜95重量部
(D) エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム 0〜40重量部
よりなる上記成分(A)〜(D)の混合物100重量部に対し
(E)ラジカル開始剤を0.01〜5重量部加えることを特徴とするデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物に関するものである。また上記成分(A)〜(D)の混合物からなる熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し(E)成分を0.01〜5重量部加え、反応させることを特徴とする、デラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関するものである。
さらに(A)成分の一部もしくは全部、(B)成分の一部もしくは全部、(C)成分および(D)成分を予め溶融混練し、溶融混練下に(E)成分、(A)成分の一部と(E)成分、(B)成分の一部と(E)成分、または(A)成分の一部と(B)成分の一部および(E)成分とを添加しさらに溶融混練することを特徴とするデラミの改良されたポリフェニレンエーテル系熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関するものである。

0011

本発明で使用する(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、次の繰返単位(I)または(I)及び(II)からなる単独重合体または共重合体である:
ID=000002HE=045 WI=088 LX=0610 LY=0550
ここで、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 は同一でも異なってもよく、各々がt−ブチル基を除く炭素数1〜4のアルキル基アリール基ハロゲン原子または水素原子等の1価の残基を表わすが、R3 とR5 は同時に水素原子であってはならない。

0012

ポリフェニレンエーテル系樹脂は、単独重合体と共重合体との混合物、または前記重合体とアルケニル芳香族化合物とのグラフト共重合体であってもよい。ポリフェニレンエーテル系樹脂の単独重合体としては次のものが挙げられる。
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、およびポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル。ポリフェニレンエーテル系樹脂の共重合体はο−クレゾールまたは一般式(III)で表わされる2,3,6−トリメチルフェノール等のアルキル置換フェノールと共重合して得られた主としてポリフェニレンエーテル構造からなるポリフェニレンエテル共重合体群を含む。

0013

ID=000003HE=030 WI=055 LX=0325 LY=2450
ここで、R3 、R4 、R5 およびR6 の各々はt−ブチル基を除く炭素数1〜4のアルキル基、アリ−ル基、ハロゲン原子または水素原子等の1価の残基を表わすが、R3 とR5 は同時に水素原子であってはならない。好ましいポリフェニレンエーテル系樹脂はポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルである。

0014

本発明で使用される(B)アルケニル芳香族系樹脂は当業者に周知のものであり、芳香族ビニル化合物から誘導された下記の一般式の繰返単位を有する重合体または共重合体である:
ID=000004HE=030 WI=041 LX=1295 LY=1450
ここで、Rは水素、低級アルキルまたはハロゲン;Yは水素、ビニル、ハロゲン、アミノ基、水酸基または低級アルキル;そしてnは0または1〜5の整数である。

0015

本発明で“低級アルキル”という用語は炭素数1〜6のアルキルを意味する。アルケニル芳香族系樹脂の例に、ポリスチレンポリクロロスチレンのような単独重合体、例えばポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴムウレタンゴム天然ゴム等の下記の(C)に用いられるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを除く天然または合成ゴム変性ポリスチレン;アルケニル芳香族化合物と共重合可能な不飽和単量体を共重合したスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体等のスチレン−アクリレート共重合体スチレン共重合体、前記のゴム変性スチレン共重合体、およびこれらの混合物がある。アルケニル芳香族樹脂は任意の量の混合でよい。

0016

本発明で使用されるグラフト物(C)は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムに対し、アルケニル芳香族化合物および必要に応じて不飽和単量体をグラフト重合して得られる。当該グラフト共重合体においてエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムが10重量%未満では耐衝撃性の改良効果が小さく、90重量%を越えるとグラフトアルケニル芳香族化合物の量が少なくなりポリフェニレンエーテル系樹脂と相溶性が悪く耐衝撃性が改良されない。不飽和単量体の量がアルケニル芳香族化合物と不飽和単量体の合計量の0.23倍を越えると(A)との相溶性が悪く耐衝撃性が改良されない。

0017

ここで用いられるアルケニル芳香族単量体は下記一般式で示される化合物であり、1種だけに限らず2種以上を併用することも出来る。
ID=000005HE=030 WI=041 LX=0395 LY=0900
ここで、Rは水素、低級アルキルまたはハロゲン;Yは水素、ビニル、ハロゲン、アミノ基、水酸基または低級アルキル;そしてnは0または1〜5の整数である。具体例として、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレンビニルトルエンジビニルベンゼン等がある。特にスチレンが好ましい。

0018

不飽和単量体はアルケニル芳香族化合物と共重合可能な化合物である。例えば、高分子データハンドブック基礎編第444〜459頁(高分子学会編、1986年、培風刊)に挙げられている。不飽和単量体の具体例としてはアクリル酸メタクリル酸等の不飽和カルボン酸;メチル(メタアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の前記酸のアルキルエステル誘導体フマル酸マレイン酸無水マレイン酸イタコン酸等のジカルボン酸または酸無水物、マレイン酸のモノまたはジエチルエステル、N−フェニルマレイミド、N,N' −メタフェニレンビスマレイミド等の前記ジカルボン酸または酸無水物の誘導体;アクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド;グリシジル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸のグリシジル誘導体酢酸ビニルアクリロニトリル、メタアクリロニトリルのようなシアン化ビニル化合物等を含む。エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは、結晶化度が15%未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。

0019

エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム中のα-オレフィン成分含有量は結晶化度が15%未満である限り特に限定されないが、通常、15〜85重量%である。121℃でのムーニー粘度についても特に限定されない。耐衝撃性の観点からは好ましくは40以上、更に好ましくは50以上である。またグラフト物が分散不良をおこすほど121℃でのムーニー粘度の高いものを用いることは好ましくない。121℃でのムーニー粘度は好ましくは120以下である。

0020

α−オレフィン成分としては、プロピレンブテン−1ペンテン−1等のモノα−オレフィンがあげられる。第3成分の非共役ジエンとしてエチリデンノルボルネンジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等があげられる。エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの具体例としてはエチレン/プロピレンコポリマーゴム、エチレン−ブテン−1コポリマーゴム、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネンターポリマーゴム、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエンターポリマーゴム等が挙げられる。

0021

このようなエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムは例えば特公昭43−13052号、特開平2−77410号公報等で開示されている方法、即ちバナジウム化合物有機アルミニウム化合物、必要によりハロゲン化エステル化合物からなるチーグラーナッタ触媒系を用いて炭化水素のような不活性有機溶媒中でエチレンとα−オレフィン、必要によりさらに第3成分として非共役ジエンを共重合させる事によって得ることが出来る。

0022

上記のアルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウムセスキクロライドトリアルキルアルミニウムジアルキルアルミニウムモノクロライド、あるいはこれらの混合物が用いられ、またバナジウム化合物としては、オキシ三塩化バナジウム四塩化バナジウムあるいは VO(OR8)q X3-q(0<q≦3、R8 は炭素数1〜10で表わされる直鎖、分岐又は環状の炭化水素)で示されるバナデート化合物等を用いることができる。

0023

エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムへのアルケニル芳香族化合物および必要により不飽和単量体のグラフト方法は、本発明で実施している方法に限定されず、公知の如何なる方法、即ち、乳化重合法塊状重合法(特公昭42−662号公報、USP 3435096号公報)、溶液重合法(USP 3538190号公報,USP 3538191号公報)および懸濁重合法(特公昭49−10831号公報、特公昭57−40166号公報、特公昭62−10565号公報)も採用できる。非共役ジエンを含まないエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの場合には水性懸濁液中で任意量フリーラジカル開始剤および分散剤の存在下にアルケニル芳香族化合物および必要により不飽和単量体を、グラフト共重合する懸濁重合方法が特に好ましい。

0026

このようにして製造された(C)グラフト物は、アルケニル芳香族化合物および必要により不飽和単量体がエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムに真にグラフトしたグラフト共重合体、アルケニル芳香族化合物と不飽和単量体の共重合体および未グラフトのエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの3成分から構成される。グラフト物中の3成分は例えば実施例に示す溶媒分別法等でその量比が決定される。(D)エチレン−α−オレフィン系共重合ゴムとしては、(C)のグラフト物のベースゴムとして用いられるものを挙げることができる。(D)成分の量は少ない方がデラミに関しては良好である。

0027

本発明で使用される(E)ラジカル開始剤として公知のものが使用できる。例えば、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4,4)−トリメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物、メチルエチルケトンパーオキサイドシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイドクメンハイドロパーオキサイドジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルオキシピバレート、t−ブチル−オキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジt−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ポリスチレンパーオキサイドなど各種有機過酸化物が挙げられる。

0028

本発明の熱可塑性樹脂組成物において、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂が1〜100重量%、好ましくは10〜90重量%、(B)アルケニル芳香族系樹脂が99〜0重量%、好ましくは90〜10重量%からなる混合物95〜5重量部、好ましくは93〜7重量部に対して(C)グラフト物は5〜95重量部、好ましくは7〜93重量部、(D)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム0〜40重量部好ましくは2〜35重量部、(E)ラジカル開始剤は(A)〜(D)成分の合計100重量部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜3重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部含まれる。熱可塑性樹脂組成物において、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂が1重量%未満では組成物の耐熱性が十分でない。また(C)グラフト物が5重量部未満では組成物の耐衝撃性が十分でなく、95重量部を越えると耐熱性および剛性が十分ではない。(D)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムが40重量部を越えると耐熱性および剛性が十分でない。(E)ラジカル開始剤が0.01重量部未満ではデラミの改良効果が得られず、また5重量部を越えると耐衝撃性が低下するので好ましくない。

0029

本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造法としては溶液ブレンド、溶融混練等、各々の方法が採用可能であるが溶融混練が好ましい。溶融混練の方法としてはラジカル開始剤をのぞく上記各成分をヘンシェルミキサースーパーミキサーリボンブレンダー、Vブレンダー等の樹脂同士あるいは樹脂を液体または固体添加物とを混合するために用いる混合手段により、均一な混合物となした後、該混合物をバンバリーミキサープラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸または二軸押出機等の混練手段を用いて溶融混練し熱可塑性樹脂組成物を製造する。また(E)ラジカル開始剤を除いて混練した組成物に(E)ラジカル開始剤を配合し再度同様の溶融混練手段を用いて混練することによって反応させる方法が用いられる。また複数のフィード口を有する押出機で行う場合、シリンダーに沿って1種以上の各成分を順次フィードしても良いが、(E)ラジカル開始剤は(A)〜(D)成分が混練され溶融した後、吐出側のフィード口から投入しさらに溶融混練する方法が用いられる。

0030

本発明の実施にあたって、本発明による熱可塑性樹脂組成物に(D)エチレン−プロピレン共重合体ゴム以外の室温で弾性体である天然および合成の重合体を加えることが可能である。例えばポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムスチレン系ブロック共重合体ゴムとしてスチレン−ブタジエン2つ以上のブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレン2つ以上のブロック共重合体ゴム、水添スチレン−ブタジエン2つ以上のブロック共重合体ゴム、および水添スチレン−イソプレン2つ以上のブロック共重合体ゴム、ポリウレタンゴム等、あるいはこれらの混合物が用いられる。また、他の酸もしくはエポキシなどを含む官能性単量体により変性した変性ゴムを用いてもよい。

0031

本発明の実施にあたって、本発明による熱可塑性樹脂組成物に他の結晶化度が15%以上の結晶性オレフィン重合体を加えることが可能である。具体的には、例えば、ポリプロピレン高密度ポリエチレン低密度ポリエチレン直鎖状低密度ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフィン自身の重合体;優位量のオレフィンとこれに共重合可能なビニル単量体(例えば、アクリル酸エステル類メタクリル酸エステル類、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート等)との共重合体を挙げることができる。共重合は、ランダム共重合ブロック共重合、グラフト共重合、いずれも可能である。これらは単独でも、2種以上の混合物としても用いることができる。これらのポリオレフィンのうち、ポリエチレンおよびポリプロピレンが好ましく、特に好ましいものはポリプロピレンおよびプロピレン−エチレンのランダム共重合体およびブロック共重合体である。これらのポリオレフィンは、当業者に公知の方法、例えば、「エンサイクロペディアオブポリマーサイエンスアンドテクノロジィ」 (ENCYCLOPEDIAOF POLYMERSCIENCE AND TECHNOLOGY) 第6巻、275頁(1967年刊)および第11巻、597頁(1969年刊)〔ジョン・ウイリ・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons. Inc.) 〕に記載の方法で製造される。

0032

本発明の実施にあたって、本発明による熱可塑性樹脂組成物に他の高分子化合物助剤を加えることも可能である。他の高分子化合物としては、例えば、ポリ塩化ビニルポリメチルメタクリレートポリ酢酸ビニルポリビニルピリジンポリビニルカルバゾールポリアクリルアミドポリアクリロニトリルなどの重合体、ポリカーボネートポリスルホンポリエーテルスルホンポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリアリーレンエステル(例えば、ユニチカ(株)のUポリマー)、ポリフェニレンスルフィド、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミドポリアセタールなどの縮合系高分子化合物;更には、シリコーン樹脂フッ素樹脂ポリイミドポリアミドイミドフェノール樹脂アルキッド樹脂不飽和ポリエステル樹脂ダボン樹脂などの各種熱硬化性樹脂も挙げられる。上記の他の高分子化合物の中で、好ましいものは、ポリエステルまたはポリアミドである。

0033

本発明において熱可塑性樹脂組成物を得るために、強化用機能付与あるいは増量(コストダウン)等を目的に充填剤を配合して用いることができる。充填剤としては、ガラス繊維カーボン繊維ポリアミド繊維アルミニウムステンレスなどの金属繊維および金属ウィスカーなどの繊維、シリカアルミナ炭酸カルシウムタルクマイカクレーカオリン硫酸マグネシウムウォラストナイトカーボンブラック、TiO2、ZnO および Sb2O3のような無機充填剤を用いることができる。 いずれの充填剤も強化用として使用できる。カーボン繊維、金属繊維、カーボンブラック等の充填剤は表面固有抵抗体積固有抵抗を低下させ、本発明の熱可塑性樹脂組成物に導電性を付与することができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物よりも安価な充填剤であれば、増量剤として用いコストダウンが可能である。本発明の熱可塑性樹脂組成物の剛性、耐熱性の改良を目的とする場合は、充填剤としては、ガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどの無機系充填剤またはカーボン繊維を用いることが特に好ましい。

0034

本発明の熱可塑性樹脂組成物において、更に、 Sb2O3、ハロゲン化合物およびリン酸エステルなどの難燃剤または難燃助剤、その他滑剤核剤トリフェニルフォスフェートおよびフタル酸エステルなどの可塑剤染料顔料帯電防止剤酸化防止剤耐候性付与剤等を添加した複合材として使うことが好ましい態様の一つである。

0035

以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例によりその範囲を限定されるものではない。次に実施例における各成分の構造分析方法および組成物の物性評価方法を示す。

0036

エチレン−α−オレフィン系ゴムの構造分析方法
(1)プロピレン含量およびブテン−1含量
プレスシートを作成し測定した赤外吸収スペクトルに現れるエチル(-C2H5 )、メチル(-CH3) およびメチレン(-CH2-)の特性吸収吸光度を用いて、検量線法により求めた。
(2)ヨウ素価
非共役ジエンを定量する方法として用いた。JIS K3331に規定された方法により100gポリマーあたり消費されたヨウ素量(g)として求めた。
(3)ムーニー粘度
JIS K6300に規定された方法により測定した。測定温度は121℃である。
(4)結晶化度
S.L.Aggarwalらが Journal of Polymer Science, 18 巻, 17-26 頁(1955)に報告したX線回折法により測定した。

0037

組成物の物性評価
(1)アイゾット衝撃強度
JIS K7110に規定された方法による。試験片の厚みは3.2 mm であり、ノッチ付き衝撃強度を評価した。測定は23℃で行った。
(2)加熱変形温度
JIS K7207に規定された方法による。ファイバーストレスは18.6kg/cm2 で測定する。
(3)デラミの観測
自動車ホイールカバー射出成形品をギロチンカッター射出成型品の流れ方向に平行に切断し、切断面でスキン層が剥離しているかを観察し、剥離していない場合は少し剥離させ、その部分を引張ることでそこから容易に剥離が進行するかどうかを評価した。

0038

極限粘度評価方法
ベローデ型粘度計を用いて溶液濃度0.1、0.2および0.5 g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、即ち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。

0039

グラフト物の分別方法
グラフト重合で得られたグラフト物は、未グラフトスチレン単独重合体、スチレン−メチルメタクリレート(MMA)またはアクリロニトリル(ACN)共重合樹脂(以下free−XSと略す)、未グラフトEPR(以下free−EPRと略す)、真にグラフトしたスチレングラフト重合体、スチレン−メチルメタクリレートまたはアクリロニトリル−EPRグラフト共重合体(以下XS−g−EPRと略す)の三成分から構成されている。これら構成成分を以下の方法で分別した。ここでEPRは、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを意味する。グラフト物粒子80gを東洋精機(株)製ラボテストミルR−100型により220℃、ローター回転数80rpmで4分間練ったものを、5mm角細断し、内5gをメチルエチルケトン300mlに80℃〜83℃の温度で4時間浸漬し、グラフト結合していないfree−XSを抽出した。抽出残渣は乾燥後2mm角に細断したものを3g、200mlのヘキサンに室温で40〜48間浸漬し、グラフト結合していないfree−EPRを抽出した。以上の方法によりfree−XS、free−EPRおよびXS−g−EPRの量を求めた。また、free−XSの極限粘度を、30℃、トルエン溶液の条件下で求めた。

0040

グラフト物の組成分析方法
溶媒として重クロロホルムを用い0.8重量%の溶液とし、35℃で250MHz でプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルを測定した。スチレンのフェニルプロトン、アルキルメタクリレートの−O−RのRプロトン、アクリロニトリルの−CH−CNのプロトンの吸収を用い、NMRのピーク強度から計算により組成分析を行った。

0041

参考例1〔グラフト物I〕
攪拌機を備えた100lオートクレーブに分散剤として旭電化株式会社製プルロニックF68を50gを溶解した純水44l及び3〜6mm角に細断したプロピレン含量44重量%、ムーニー粘度63、結晶化度0%であるエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネンゴム(住友化学株式会社製、商品名:エスプレンE502)を2.5kg仕込み攪拌して懸濁させた。次いで単量体としてスチレン、メチルメタクリレートを表1に示す割合で、単量体の合計100重量部に対し重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレートを3重量部、及び重禁剤としてP−ベンゾキノンを0.06重量部加え、室温から1分間に約1℃の割合で110℃まで昇温し、そのまま30分間温度を110℃に保ち、1段目重合反応を行った。重合後一旦室温まで冷却した後、表1に示す割合で再び単量体と、単量体100重量部に対し開始剤を3重量部、重禁剤を0.06重量部加え、1段目同様昇温し2段目の重合を行った。得られたグラフト物を各々G−EPDM−1、2とする。ただしG−EPDM−1では連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーをゴム100重量部に対し0.5重量部加えている。生成した粒状のグラフト物は水洗後乾燥し、回収率から得られたグラフト重合粒子中のゴム含量を求めた(表1)。

0042

参考例2(グラフト物II)
単量体としてスチレンとメチルメタクリレートを表2に示す割合で加え、2段目の重合をしなかった以外は参考例1と同じ方法で1段目のみグラフト重合を行った。得られたグラフト物をG−EPDM−3、4、5とする。表2にグラフト物中のゴム含量を併記する。

0043

参考例3(グラフト物III )
単量体としてスチレンとアクリロニトリルを表3に示す割合で加えた以外は参考例1と同じ方法でグラフト重合を行った。得られたグラフト物をG−EPDM−6とする。表3にグラフト物中のゴム含量を併記する。

0044

参考例4(グラフト物IV)
プロピレン含量50.4重量%、ムーニ粘度64、結晶化度0%であるエチレン−プロピレン共重合ゴム(以下EPMと省略)と、ブテン含量17.5重量%、ムーニー粘度52、結晶化度12%であるエチレン−ブテン−1共重合体ゴム(以下EBMと略す)各々を重量%でEPM/EBM=50/50、30/70のブレンド比で、バンバリーミキサーにより混練したブレンドゴムを各々EBP−1,EBP−2とする。

0045

表4に示す処方でベースゴムとして各々EPM、EBP−1、EBP−2、EBMを用いた他は参考例1と同じ方法でグラフト重合を行った。得られたグラフト物をG−EPM−1、G−EBP−1、G−EBP−2、G−EBM−1とする。表4にグラフト物中のゴム含量を示す。

0046

グラフト物の組成分析
溶媒抽出分析、およびNMRによって測定したグラフト物の構造解析結果を表5に示す。
ID=000010HE=050 WI=108 LX=0510 LY=0300

0047

0048

0049

0050

0051

実施例1
クロロホルム溶液中温度30℃で測定した極限粘度が0.46dl/gであるポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル(以下PPEと略す)(H46、日本ポリエーテル(株)製)とポリスチレン(E183N、住友化学工業(株)製、以下PSと略称する。)、及びグラフト物を表6に示す割合で配合したものを、二軸混練機((株)日本製鋼所製 TEX−44)の第1投入口より投入しさらに、ダイスと第1投入口の中間に設けた第二投入口より、表6に示す割合で配合したPPEとラジカル開始剤として1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼンを炭酸カルシウムに担持したもの、濃度40%品(パーガドックス14/40C 化薬ヌーリー(株)製、以下POと略称する。)とを添加、シリンダー温度を260℃に設定し、回転数300rpmで溶融混練を行い熱可塑性樹脂塑性物を得た。得られた組成物について、シリンダー温度280℃、金型温度80Cで自社設計のホイールカバー金型を取り付けた射出成形機(東機械(株)製 IS650E−54A)により成形し、得られたホイールカバー成形品を切断し、その断面を観てスキン層が剥離しているかどうかを評価した。また一般物性は射出成形機(東芝機械(株)製、IS150E)を用い、シリンダー温度260℃、金型温度50℃で射出成形した試験片で評価を行った。配合比、デラミ及び物性の評価結果を表6に示した。

0052

比較例1
ラジカル開始剤を添加しなかった以外は実施例1と同様に混練、成形、評価を行った。配合比、デラミ及び物性の評価結果を表6に示した。

0053

実施例2
実施例1において第2投入口から供給する分を第一投入口から投入する分と予め配合して第一投入口から投入し、混練を行った以外は実施例1と同様に成形、評価を行った。配合比、デラミ及び物性の評価結果を表6に示した。

0054

〔表6〕
ID=000006HE=085 WI=118 LX=0460 LY=0300

0055

実施例3
ラジカル開始剤を添加せずに比較例2と同様に第1回目の混練を行い、得られた組成物100重量部に対しPOを0.7重量部配合し再度同条件で第2回目の混練を行い熱可塑性樹脂組成物を得た。成形、評価は実施例1と同じ方法で行った。配合比、デラミ及び物性の評価結果を表7に示した。

0056

比較例2
ラジカル開始剤を添加しなかった以外は実施例3と同様に混練、成形、評価を行った。配合比、デラミ及び物性の評価結果を表7に示した。

0057

〔表7〕
ID=000007HE=075 WI=128 LX=0410 LY=1450

0058

実施例4、5、6、7、8
グラフト物として各々G−EPDM−2、3、4、5、6を用い、表8に示す配合比にした以外は実施例1と同様に混練、成形、評価を行った。配合比、デラミ及び物性の評価結果を表8に示した。

0059

比較例3、4、5、6、7
POを使用せず配合比を表8のようにした以外は比較例1と同様に混練、成形、評価を行った。配合比、デラミ及び物性の評価結果を表8に示した。

0060

〔表8〕
ID=000008HE=135 WI=124 LX=0430 LY=0300

0061

実施例9、10、11、12
グラフト物として各々G−EPM−1、G−EBP−1、2、G−EBM−1を用い、表9に示す配合比にした以外は実施例1と同様に混練、成形、評価を行った。配合比、デラミ及び物性の評価結果を表9に示した。

0062

比較例8、9、10、11
ラジカル開始剤を添加せず表9に示す配合比にした以外は実施例9と同様に混練、成形、評価を行った配合比、デラミ及び物性の評価結果を表9に示した。

0063

〔表9〕
ID=000009HE=105 WI=132 LX=0390 LY=0300

0064

実施例13
配合比を表10のようにした以外は実施例1と同様に混練、成形、評価を行った。 配合比、デラミ及び物性の評価結果を表10に示した。

0065

比較例12
配合比を表10のようにした以外は比較例1と同様に混練、成形、評価を行った。 配合比、デラミ及び物性の評価結果を表10に示した。

0066

0067

実施例14
G-EPDM-4について大量分別を行い抽出したグラフト共重合体(ST-g-EPR)のみを用いて表11に示す割合で配合した以外は実施例1と同様に混練、成形、評価を行った。デラミ及び物性の評価結果を表11に示した。

0068

発明の効果

0069

以上述べたように、本発明によれば、デラミの起きないポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を製造することができる。

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