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技術 高Cr鋼帯の製造方法

出願人 JFEエンジニアリング株式会社
発明者 升田貞和三宅勝木村幸雄
出願日 1993年12月21日 (27年1ヶ月経過) 出願番号 1993-345246
公開日 1995年7月18日 (25年7ヶ月経過) 公開番号 1995-178415
状態 特許登録済
技術分野 円筒・平面研削 金属圧延一般 圧延ロール・圧延スタンド・圧延機の駆動
主要キーワード 軸方向表面 ピット状欠陥 油膜厚 製品鋼帯 可逆式 スピネル酸化物 電解酸洗処理 中性塩電解
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年7月18日)のものです。
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図面 (9)

目的

高Cr熱延鋼帯を、タンデムミルのような大径の圧延ロールにより連続的に圧延して高Cr鋼帯を製造するに際し、表面欠陥が生ぜず、ロール摩耗に起因する問題や生産性の悪化が生ずることなく、表面性状の優れた高Cr鋼帯を製造する。

構成

高Crスラブ熱間圧延して熱延鋼帯を調製し、次いで、熱延鋼帯を焼鈍酸洗した後、冷間圧延して高Cr冷延鋼帯を製造するに際し、高Crスラブの熱間圧延を、軸方向の表面粗さ(Ra)が1〜4μm の範囲内の圧延ロールを使用して行う。

概要

背景

Cr鋼帯は、通常、高Crスラブ熱間圧延して熱延鋼帯を調製し、次いで、得られた熱延鋼帯を焼鈍しそして酸洗した後、これを冷間圧延することによって製造される。熱延鋼帯の冷間圧延は、ゼンジミアミルに代表される、ワークロールの直径が 100mm以下の小径ロール可逆式圧延機により、圧延油として鉱物油を供給しながら、複数パス圧延することにより行われている。

高Cr鋼帯は、特に、製品表面性状の優れていることが要求されている。従って、冷間圧延後の鋼帯の表面粗さを低減して、その表面光沢度を高める必要がある。小径ロールの可逆式圧延機によって冷間圧延を行えば、上述した要求に応え得る表面性状の優れた鋼帯を製造することができるが、この方法の場合の冷間圧延効率は、連続圧延の場合に比べて低い。

そこで、生産性向上の観点から、近時、高Cr熱延鋼帯を、タンデムミルに代表される大径の圧延ロールによって冷間圧延することが行われている。このようなタンデムミルによって冷間圧延を行えば、水溶性圧延油の使用によって冷却能が高められるので、高速での冷間圧延が可能になり、生産性を飛躍的に向上させることができる。

しかしながら、タンデムミルによる連続圧延には、次のような問題がある。一般に、熱間圧延時における圧延ロールの軸方向表面粗さ(Ra)は、0.15〜0.20μm 程度である。従って、このような表面粗さの圧延ロールによって熱間圧延された鋼帯の表面には、ワークロールの表面凹凸転写され、その最表層は、冷却過程で生じた2次スケールによって覆われている。特に、高Cr鋼帯の場合には、その機械的性質を確保するために、熱間圧延後においても焼鈍を施し、次いで、酸洗工程において、2次スケールおよび焼鈍時に生成した酸化スケールの除去を行っている。

高Cr鋼帯の表面に生成するスケールは、普通鋼帯の表面に生成するスケールに比べてその量は少ないが、Cr203 およびCr, Mn, Feを含むスピネル酸化物主体とした緻密な被膜であるために、普通鋼帯や低合金鋼帯の場合のように、酸洗液中に浸漬するだけでは、これを除去することができない。そこで、高Cr鋼帯の場合には、一般に、硫酸電解硝酸電解中性塩電解等の電解酸洗によってスケールを除去することが行われている。

しかしながら、軸方向表面粗さ(Ra)が0.15〜0.20μm の圧延ロールによって熱間圧延された高Cr熱延鋼帯に対し、上述した電解酸洗処理を施すと、図7に鋼帯表面断面模式図で示すように、スケールが除去されるのみならず、鋼帯1の表面凹凸部も酸洗により浸食される結果、その表面に酸洗ピット2と呼ばれる凹みが発生し、酸洗後の鋼帯表面肌は非常に荒れたものになる。

上述した、表面に酸洗ピット2が発生した高Cr熱延鋼帯に対し冷間圧延を施すと、酸洗ピット2に圧延油がトラップされるため、圧延ロールと酸洗ピットとの間に封入された圧延油内に、静水圧的に応力が発生する。その結果、冷間圧延されても酸洗ピット2は潰されず、図8に表面断面模式図で示すように、鋼帯1の表面にオイルピット3と呼ばれている凹みが残る。

このように、鋼帯の表面に発生したオイルピットは、高Cr冷延鋼帯の表面光沢度および表面粗さを著しく阻害し、重大な欠陥になる。特に、タンデムミルによる連続冷間圧延の場合には、その特徴である、大径の圧延ロール、高速圧延、1パス毎圧下率が大等のために、圧延ロールと鋼帯との間に生成する油膜が厚くなる結果、オイルピットが残存しやすい。

なお、前述したゼンジミアミルに代表される可逆式圧延機により複数パスで冷間圧延する場合には、小径の圧延ロールで低速で圧延され且つ1バス毎の圧下率が小さい等の理由から、圧延ロールと鋼帯間の油膜厚さが小さく、従って、オイルピットの少ない表面光沢の優れた高Cr鋼帯を製造することができる。

上述した、高Cr熱延鋼帯を、タンデムミルに代表される大径の圧延ロールにより冷間圧延する場合に生ずる問題を解決する手段について、従来から種々研究されており、例えば、次のような技術が提案されている。
特開平2-59101 号
焼鈍および酸洗処理された高Cr熱延鋼帯を冷間圧延するに際し、その最終スタンド前までの圧延ロールの表面粗さを、Rz≧Ra×10、Ra≦0.2 μm に限定し、そして、最終パスの表面粗さRaを、0.15μm 以下に限定する(以下、先行技術1という)。

特開平1-107907号
高Cr熱延鋼帯に対して、中間焼鈍および酸洗処理を行った後、5%超の圧下率によって無潤滑圧延する予備処理を施す(以下、先行技術2という)。
特開平2-169108号
酸洗された高Cr熱延鋼帯に対し、交差した溝を有する圧延ロールによって、5%を超える圧下率により圧延する予備処理を施す(以下、先行技術3という)。

概要

高Cr熱延鋼帯を、タンデムミルのような大径の圧延ロールにより連続的に圧延して高Cr鋼帯を製造するに際し、表面欠陥が生ぜず、ロール摩耗に起因する問題や生産性の悪化が生ずることなく、表面性状の優れた高Cr鋼帯を製造する。

高Crスラブを熱間圧延して熱延鋼帯を調製し、次いで、熱延鋼帯を焼鈍し酸洗した後、冷間圧延して高Cr冷延鋼帯を製造するに際し、高Crスラブの熱間圧延を、軸方向の表面粗さ(Ra)が1〜4μm の範囲内の圧延ロールを使用して行う。

目的

従って、この発明の目的は、上述した問題を解決し、高Cr熱延鋼帯を、タンデムミルに代表される大径の圧延ロールにより連続的に冷間圧延して高Cr鋼帯を製造するに際し、製品表面にピットのような欠陥が生ぜず、ロール摩耗に起因する問題や、製造工程の増加による生産性の悪化等が生ずることなく、表面光沢度の高い表面性状の優れた高Cr鋼帯を製造するための方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

高Crスラブ熱間圧延して熱延鋼帯を調製し、次いで、前記熱延鋼帯を焼鈍しそして酸洗した後、これを冷間圧延して高Cr冷延鋼帯を製造するに際し、前記高Crスラブの熱間圧延を、軸方向の表面粗さ(Ra)が1〜4μmの範囲内である圧延ロールを使用して行うことを特徴とする、高Cr鋼帯の製造方法。

請求項2

前記軸方向の表面粗さ(Ra)が1〜4μm の範囲内である圧延ロールを使用した熱間圧延を、可逆式圧延の場合には、その最終パスにおいて15%超の圧下率によって行い、そして、連続式圧延の場合には、その最終スタンドまたは最終スタンドおよび最終スタンドより1つ上流側のスタンドにおいて15%超の圧下率によって行う、請求項1記載の方法。

請求項3

圧延スタンド内に設けられたロール研削装置によって、前記圧延ロールの表面を研削し、その表面粗さ(Ra)を1〜4μm の範囲内に保持する、請求項1または2記載の方法。

技術分野

0001

この発明は、表面性状の優れた高Cr鋼帯を製造するための方法に関するものである。

背景技術

0002

高Cr鋼帯は、通常、高Crスラブ熱間圧延して熱延鋼帯を調製し、次いで、得られた熱延鋼帯を焼鈍しそして酸洗した後、これを冷間圧延することによって製造される。熱延鋼帯の冷間圧延は、ゼンジミアミルに代表される、ワークロールの直径が 100mm以下の小径ロール可逆式圧延機により、圧延油として鉱物油を供給しながら、複数パス圧延することにより行われている。

0003

高Cr鋼帯は、特に、製品表面性状の優れていることが要求されている。従って、冷間圧延後の鋼帯の表面粗さを低減して、その表面光沢度を高める必要がある。小径ロールの可逆式圧延機によって冷間圧延を行えば、上述した要求に応え得る表面性状の優れた鋼帯を製造することができるが、この方法の場合の冷間圧延効率は、連続圧延の場合に比べて低い。

0004

そこで、生産性向上の観点から、近時、高Cr熱延鋼帯を、タンデムミルに代表される大径の圧延ロールによって冷間圧延することが行われている。このようなタンデムミルによって冷間圧延を行えば、水溶性圧延油の使用によって冷却能が高められるので、高速での冷間圧延が可能になり、生産性を飛躍的に向上させることができる。

0005

しかしながら、タンデムミルによる連続圧延には、次のような問題がある。一般に、熱間圧延時における圧延ロールの軸方向表面粗さ(Ra)は、0.15〜0.20μm 程度である。従って、このような表面粗さの圧延ロールによって熱間圧延された鋼帯の表面には、ワークロールの表面凹凸転写され、その最表層は、冷却過程で生じた2次スケールによって覆われている。特に、高Cr鋼帯の場合には、その機械的性質を確保するために、熱間圧延後においても焼鈍を施し、次いで、酸洗工程において、2次スケールおよび焼鈍時に生成した酸化スケールの除去を行っている。

0006

高Cr鋼帯の表面に生成するスケールは、普通鋼帯の表面に生成するスケールに比べてその量は少ないが、Cr203 およびCr, Mn, Feを含むスピネル酸化物主体とした緻密な被膜であるために、普通鋼帯や低合金鋼帯の場合のように、酸洗液中に浸漬するだけでは、これを除去することができない。そこで、高Cr鋼帯の場合には、一般に、硫酸電解硝酸電解中性塩電解等の電解酸洗によってスケールを除去することが行われている。

0007

しかしながら、軸方向表面粗さ(Ra)が0.15〜0.20μm の圧延ロールによって熱間圧延された高Cr熱延鋼帯に対し、上述した電解酸洗処理を施すと、図7鋼帯表面断面模式図で示すように、スケールが除去されるのみならず、鋼帯1の表面凹凸部も酸洗により浸食される結果、その表面に酸洗ピット2と呼ばれる凹みが発生し、酸洗後の鋼帯表面肌は非常に荒れたものになる。

0008

上述した、表面に酸洗ピット2が発生した高Cr熱延鋼帯に対し冷間圧延を施すと、酸洗ピット2に圧延油がトラップされるため、圧延ロールと酸洗ピットとの間に封入された圧延油内に、静水圧的に応力が発生する。その結果、冷間圧延されても酸洗ピット2は潰されず、図8に表面断面模式図で示すように、鋼帯1の表面にオイルピット3と呼ばれている凹みが残る。

0009

このように、鋼帯の表面に発生したオイルピットは、高Cr冷延鋼帯の表面光沢度および表面粗さを著しく阻害し、重大な欠陥になる。特に、タンデムミルによる連続冷間圧延の場合には、その特徴である、大径の圧延ロール、高速圧延、1パス毎圧下率が大等のために、圧延ロールと鋼帯との間に生成する油膜が厚くなる結果、オイルピットが残存しやすい。

0010

なお、前述したゼンジミアミルに代表される可逆式圧延機により複数パスで冷間圧延する場合には、小径の圧延ロールで低速で圧延され且つ1バス毎の圧下率が小さい等の理由から、圧延ロールと鋼帯間の油膜厚さが小さく、従って、オイルピットの少ない表面光沢の優れた高Cr鋼帯を製造することができる。

0011

上述した、高Cr熱延鋼帯を、タンデムミルに代表される大径の圧延ロールにより冷間圧延する場合に生ずる問題を解決する手段について、従来から種々研究されており、例えば、次のような技術が提案されている。
特開平2-59101 号
焼鈍および酸洗処理された高Cr熱延鋼帯を冷間圧延するに際し、その最終スタンド前までの圧延ロールの表面粗さを、Rz≧Ra×10、Ra≦0.2 μm に限定し、そして、最終パスの表面粗さRaを、0.15μm 以下に限定する(以下、先行技術1という)。

0012

特開平1-107907号
高Cr熱延鋼帯に対して、中間焼鈍および酸洗処理を行った後、5%超の圧下率によって無潤滑圧延する予備処理を施す(以下、先行技術2という)。
特開平2-169108号
酸洗された高Cr熱延鋼帯に対し、交差した溝を有する圧延ロールによって、5%を超える圧下率により圧延する予備処理を施す(以下、先行技術3という)。

発明が解決しようとする課題

0013

先行技術1には、次のような問題がある。高Cr鋼帯は普通鋼帯に比べて変形抵抗が高く且つ圧延ロールと鋼帯との面圧が非常に大きいために、圧延ロールに摩耗が発生しやすい。タンデム圧延のように生産性高く圧延する場合には、多くの鋼帯を、ロール組替えなしに連続圧延することが重要であるが、このように連続圧延すると、ロールの摩耗によって、所期ロール表面粗さを維持することが困難になる。

0014

先行技術2は、無潤滑圧延によって酸洗肌を改善するものであるが、高Cr鋼は、一般に焼付きやすい鋼種であるために、先行技術2の方法では、焼付きによって鋼帯の表面性状が悪化することが容易に想像される。また、先行技術3の場合には、多くの鋼帯を連続圧延するに際し、摩耗によって圧延ロールの溝を維持することが困難になり、且つ、予備処理によって製造工程が増加する結果、生産性および生産コストの増大を招く問題が生ずる。

0015

従って、この発明の目的は、上述した問題を解決し、高Cr熱延鋼帯を、タンデムミルに代表される大径の圧延ロールにより連続的に冷間圧延して高Cr鋼帯を製造するに際し、製品表面にピットのような欠陥が生ぜず、ロール摩耗に起因する問題や、製造工程の増加による生産性の悪化等が生ずることなく、表面光沢度の高い表面性状の優れた高Cr鋼帯を製造するための方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0016

この発明は、上述した問題を解決するためになされたものであって、高Crスラブを熱間圧延して熱延鋼帯を調製し、次いで、前記熱延鋼帯を焼鈍しそして酸洗した後、これを冷間圧延して高Cr冷延鋼帯を製造するに際し、前記高Crスラブの熱間圧延を、軸方向の表面粗さ(Ra)が1〜4μm の範囲内である圧延ロールを使用して行うことに特徴を有するものであり、そして、前記軸方向の表面粗さ(Ra)が1〜4μm の範囲内である圧延ロールを使用した熱間圧延を、可逆式圧延の場合には、その最終パスにおいて15%超の圧下率によって行い、そして、連続式圧延の場合には、その最終スタンドまたは最終スタンドおよび最終スタンドより1つ上流側のスタンドにおいて15%超の圧下率によって行うことに特徴を有するものである。

0017

この発明の方法においては、軸方向の表面粗さ(Ra)が1〜4μm である、通常よりも非常に大きい粗さを有する圧延ロールによって熱間圧延される結果、圧延ロール表面の凹凸が鋼帯に転写され、通常の圧延ロールの場合に比べて非常に大きい凹凸が、熱延鋼帯の表面に形成される。このような大きい凹凸が形成された熱延鋼帯に対し酸洗処理を施すと、凹部の一部が酸洗液によって浸食されるが、図5に鋼帯表面の断面模式図で示すように、鋼帯1の表面に形成された酸洗ピット2の大きさは表面凹凸と比較して非常に小さい。

0018

このような、酸洗ピット2に小さい熱延鋼帯を冷間圧延すると、最初の数パスで表面凹凸は潰されるが、その際、通常の表面粗さの圧延ロールで熱間圧延した場合と異なり、酸洗ピット2内への圧延油の封入は極めて僅かであって、図6に鋼帯表面の断面模式図で示すように、冷延鋼帯1の表面に形成されたオイルピット3の大きさは極めて小さい。従って、表面光沢および表面粗さの優れた冷延鋼帯を製造することができる。

0019

高Crスラブに対する熱間圧延時の圧延ロールの軸方向表面粗さ(Ra)は、1〜4μm の範囲内に限定すべきである。熱間圧延ロールの軸方向表面粗さ(Ra)が1μm 未満では、圧延によって転写される熱延鋼帯表面の凹凸が小さく、所期の目的を達成することはできない。一方、軸方向表面粗さ(Ra)が4μm を超えると、熱延鋼帯の表面に形成された凹凸が大きくなり過ぎ、冷間圧延によって凹凸を潰すことができず、従って、冷延鋼帯の表面性状が劣化する問題が生ずる。

0020

上述した、軸方向の表面粗さ(Ra)が1〜4μm の範囲内の圧延ロールを使用して行う熱間圧延は、熱間圧延時におけるすべてのパスにおいて行う必要はなく、可逆式圧延の場合にはその最終パスでのみで行い、また、連続式圧延の場合には、その最終スタンドまたは最終スタンドおよび最終スタンドより1つ上流側のスタンドにおいてのみ行えばよい。そのときの圧下率は15%超であることが必要であり、圧下率が15%未満では、圧延によって転写される熱延鋼帯表面の凹凸が小さく、所期の目的を達成することはできない。

0021

SUS 304 等のステンレス鋼は変形抵抗が高いために、熱間圧延時における圧延ロールと鋼帯との間の面圧が非常に大きく、そのために、圧延ロールの摩耗が急速に進展しやすい。圧延ロールが摩耗すると、熱延鋼帯の表面粗さが小さくなる結果、冷間圧延後の表面性状に及ぼす酸洗ピットの影響が大になる。そこで、これを防止するために、熱間圧延スタンド内ロール研削装置を設け、このロール研削装置によって圧延ロールの表面を研削し、その表面粗さ(Ra)を1〜4μmの範囲内に保持するようにすることが好ましい。

0022

次に、この発明の方法を、実施例により比較例と共に図面を参照しながら説明する。ステンレス鋼スラブ(SUS 304)を、この発明の方法により下記条件で熱間圧延し、得られた熱延鋼帯を焼鈍し酸洗した後、冷間圧延(スキンパス圧延)し、次いで、焼鈍、酸洗して、幅1300mm, 厚さ1.5 mmの冷延鋼帯(SUS 304 2B) を調製した。
a.熱間圧延機:7スタンドのタンデム圧延機
b.最終スタンドの圧延ロール軸方向の表面粗さ(Ra):2μm
c.最終スタンドの圧下率:18 %

0023

比較のために、上記熱間圧延を、従来の条件即ち各スタンドの圧延ロール軸方向の表面粗さ(Ra)が0.16μm のタンデム圧延機により、各スタンドの圧下率が%の条件によって行い、次いで、冷間圧延した後、焼鈍、酸洗して、上記と同じ寸法の冷延鋼帯(SUS 304 2B) を調製した。

0024

図1は、上記本発明方法により調製された冷延鋼帯の表面粗さを測定したチャート図であり、図2は、上記従来方法により調製された冷延鋼帯の表面粗さを測定したチャート図である。図1図2とを比較すれば明らかなように、図2の従来方法により調製された冷延鋼帯の表面には、随所に大きな凹部ピークが存在していた。この凹部ピークは、冷間圧延時に発生したオイルピットがそのまま製品鋼帯の表面に残存することにより生じたものである。これに対し、図1の本発明方法により調製された冷延鋼帯の表面凹凸は小さく、顕微鏡による観察でも、ピット状欠陥は極めて少なかった。

0025

図3は、本発明の効果の一例を示すグラフである。図3において、縦軸は、冷延鋼帯の表面粗さを示し、そして、横軸は、熱間圧延最終パスにおける圧延ロール(WR)の表面粗さである。図3から明らかなように、熱間圧延最終パスにおいて表面粗さ(Ra)が1〜4μm の圧延ロールを使用した場合には、冷延鋼帯の表面粗さを顕著に改善することができた。

0026

上記本発明方法により調製された冷延鋼帯および従来方法により調製された冷延鋼帯の各々の表面光沢度(Gs)および表面粗さ(Ra)を、下記により測定し、その結果を、図4に示した。
表面光沢度(Gs):入射角度20度で反射光強度を測定し、JIS 28741 の方法3に従って、圧延方向粗さとこれに直角な方向の粗さとを測定し得られた測定値を平均することにより求める。
表面粗さ(Ra) :圧延方向と直角な方向の中心線平均粗さを測定することによ求める。

0027

図4において、白丸印は本発明方法により調製された冷延鋼帯であり、黒丸印は、従来方法により調製された冷延鋼帯である。図4から明らかなように、本発明方法により調製された冷延鋼帯は、従来方法により調製された冷延鋼帯に比べて、その表面粗さのバラツキの範囲が小さく、且つ、表面光沢に優れていた。

発明の効果

0028

以上述べたように、この発明によれば、タンデムミルに代表される大径の圧延ロールにより連続的に冷間圧延して高Cr鋼帯を製造するに際し、製品表面にピットのような欠陥が生ぜず、ロール摩耗に起因する問題や、製造工程の増加による生産性の悪化等が生ずることなく、表面光沢度の高い表面性状の優れた高Cr鋼帯を製造することができる、工業上有用な効果がもたらされる。

図面の簡単な説明

0029

図1本発明方法により調製された冷延鋼帯の表面粗さを測定したチャート図である。
図2従来方法により調製された冷延鋼帯の表面粗さを測定したチャート図である。
図3冷延鋼帯の表面粗さと熱間圧延最終パスにおける圧延ロール(WR)表面粗さとの関係を示すグラフである。
図4本発明方法により調製された冷延鋼帯および従来方法により調製された冷延鋼帯の各々の表面光沢度(Gs)および表面粗さ(Ra)を示すグラフである。
図5本発明方法により調製された熱延鋼帯表面の断面模式図である。
図6本発明方法により調製された冷延鋼帯表面の断面模式図である。
図7従来方法により調製された熱延鋼帯表面の断面模式図である。
図8従来方法により調製された冷延鋼帯表面の断面模式図である。

--

0030

1鋼帯、
2酸洗ピット、
3オイルピット。

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