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技術 眼科測定装置

出願人 興和株式会社
発明者 廣野泰亮上田謙吉
出願日 1993年12月24日 (26年10ヶ月経過) 出願番号 1993-326490
公開日 1995年7月18日 (25年4ヶ月経過) 公開番号 1995-178052
状態 特許登録済
技術分野 眼の診断装置
主要キーワード 系列データ数 受光強度データ 測定ウィンドウ 出射ノズル 白濁水 生体特性 ガルバノメータスキャナ 外枠部分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年7月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

目的

検眼前房中でレーザ光を空間的に走査して、生体分子からの散乱光受光生体特性を測定する場合、測定可能領域を増大し、測定時間を短縮し、測定精度を向上すべくアライメント判定を行なえるようにする。

構成

ガルバノミラー4、5により被検眼20の前房中でレーザー光源1のレーザ光を走査し、被検眼方向からの反射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度の空間的な分布情報を取得し、この受光強度の空間的な分布情報を所定の判定基準に基づき解析することにより装置と被検眼20のアライメント状態を判定する。

概要

背景

従来、人眼前房内にレーザ光照射し、その反射散乱光受光して光学的アライメントの状態を判断してから、測定を行なう眼科測定装置として、フレアーメーターが知られている。

フレアーメーターの測定では前房内タンパク質濃度(フレアー濃度)の測定を行なう。前房内のフレアー濃度は、前房内で一様であるとの前提の上で、空間的に1点の前房内タンパク質濃度が測定できればよい。したがって、測定前のアライメントも空間的に1次元の状態だけわかれば十分であった。

しかし、前房内に浮遊している細胞数密度やタンパク質濃度の空間的な分布など、生体特性を表わす指標となり得る物理量が空間分布を持つような場合、これを測定しようとしたとき、レーザ光は、空間的に2次元以上で走査されなければならない。したがって、測定前に行なわれるアライメントにおいても、レーザ光を2次元的に走査することによってなされなければならない。

一方、従来の眼科測定装置のアライメントは、1次元的なアライメント情報得手段であり、かつ測定に最適な測定部位を選択するためのアライメント状態判断機能であった。

例えば、非接触式眼圧計アライメント方法は、角膜曲率中心角膜頂点を結ぶ角膜軸線観察光学系光軸との一致調整、及び角膜曲率中心から流体出射ノズル先端までの距離の調整を行ない、正確な眼圧値の測定に最適な位置を提供するためのものである。

また、屈折計におけるアライメント方式においても、網膜上に2本の参照光を一点に結像させることによって、屈折率の測定に最適な位置を提供するためのアライメント装置である。

概要

検眼前房中でレーザ光を空間的に走査して、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定する場合、測定可能領域を増大し、測定時間を短縮し、測定精度を向上すべくアライメント判定を行なえるようにする。

ガルバノミラー4、5により被検眼20の前房中でレーザー光源1のレーザ光を走査し、被検眼方向からの反射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度の空間的な分布情報を取得し、この受光強度の空間的な分布情報を所定の判定基準に基づき解析することにより装置と被検眼20のアライメント状態を判定する。

目的

本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、被検眼前房中でレーザ光を空間的に走査して、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定する場合、測定可能領域を増大し、測定時間を短縮し、測定精度を向上すべくアライメント判定を行なえる眼科装置を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

検眼前房中でレーザ光を空間的に走査して、生体分子からの散乱光受光生体特性を測定するとともに、装置と被検眼のアライメント状態を判定する機能を有する眼科測定装置において、被検眼前房中でレーザ光を走査し、被検眼方向からの反射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度の空間的な分布情報を取得し、この受光強度の空間的な分布状況を所定の判定基準に基づき解析することにより装置と被検眼のアライメント状態を判定する手段を有することを特徴とする眼科測定装置。

請求項2

前記所定の判定基準は測定可能な領域をできるだけ広く確保できるように、測定に最適なアライメント探すのではなく、測定の信頼性を保証できない程度、アライメントがずれている場合を排除すべく作成されることを特徴とする請求項1に記載の眼科測定装置。

請求項3

アライメント判定においては、被検眼前房内の目的の測定範囲と同一の範囲内でレーザ光を二次元的に走査し、被検眼前房内からの散乱光を二次元的に配置した複数個測定点において受光し、複数個の測定点におけるバックグラウンドノイズ信号強度を調べ、さらに受光点全体のバックグラウンドノイズの様子を調ベることによって、アライメントの状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の眼科測定装置。

請求項4

空間的なアライメント状態を決定するためのバックグラウンド光強度を経時的に取得し、時系列に得た複数個のバックグラウンド光強度中の所定のバックグラウンド光強度の割合に応じてバックグラウンドノイズの強度を代表する代表値を算出し、この代表値を前記所定の判定基準として用いてアライメント状態を判断することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の眼科測定装置。

請求項5

レーザ光が被検者睫毛に当たったり、被検者が瞬きをしたことによって生じるバックグラウンドノイズを除去するために、時系列的に得た前記バックグラウンド代表値最大値がある一定値を越えないよう前記所定の判定基準が定められることを特徴とする請求項4に記載の眼科測定装置。

請求項6

複数個の点におけるバックグラウンド代表値間の偏差が、ある一定値を越えないことを確認することによって、測定の信頼性を保証すべく前記所定の判定基準が定められることを特徴とする請求項4に記載の眼科測定装置。

請求項7

外乱光または眼内組織からの反射/拡散光の有無の程度を判断するため、前記複数の測定点で時系列的に取得した受光強度の標準偏差を、あらかじめ規定した基準値と比較することによって、アライメントの状態を判定すべく前記所定の判定基準が定められることを特徴とする請求項3に記載の眼科測定装置。

請求項8

前記複数個の測定点で獲得された時系列データの標準偏差をあらかじめ規定した基準値と比較することによって、時系列的に取得した受光強度データ中に浮遊細胞からの散乱光信号が含まれているかどうかを判定すべく前記所定の判定基準が定められることを特徴とする請求項3に記載の眼科測定装置。

請求項9

浮遊細胞からの信号が多すぎ、バックグラウンド信号との分離が困難である場合、前記複数個の測定点で獲得された時系列データの標準偏差をアライメント状態の判断に用いないよう前記所定の判定基準が定められることを特徴とする請求項8に記載の眼科測定装置。

請求項10

前述の各判定基準に基づく全ての判断から、アライメント状態を表すランク情報を生成し、このランク情報に基づきアライメント状態を判定するとともに、生成されたランク情報ないしアライメント状態を検者報知する手段を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1頂に記載の眼科測定装置。

請求項11

最終的に生成されたアライメントのランク情報に応じて、観察光学系内に設けた表示手段の表示状態を変化させることによって、生成されたランク情報ないしアライメント判定結果を検者に報知することを特徴とする請求項10に記載の眼科測定装置。

請求項12

音声情報により生成されたアライメントのランク情報ないしアライメント判定結果を検者に報知することを特徴とする請求項10に記載の眼科測定装置。

請求項13

アライメント状態の判定ないし報知を行なうか否かを選択する手段を設けたことを特徴とする請求項10に記載の眼科測定装置。

請求項14

アライメント判定結果が測定の信頼性が保証できない程度となった場合、測定を禁止することを特徴とする請求項1〜13までのいずれか1項に記載の眼科測定装置。

技術分野

0001

本発明は眼科測定装置、特に被検眼前房中にレーザ光入射し、これを空間的に走査して、生体分子からの散乱光受光生体特性を測定するとともに、装置と被検眼のアライメント状態を判定する機能を有する眼科測定装置に関する。

背景技術

0002

従来、人眼の前房内にレーザ光を照射し、その反射/散乱光を受光して光学的アライメントの状態を判断してから、測定を行なう眼科測定装置として、フレアーメーターが知られている。

0003

フレアーメーターの測定では前房内タンパク質濃度(フレアー濃度)の測定を行なう。前房内のフレアー濃度は、前房内で一様であるとの前提の上で、空間的に1点の前房内タンパク質濃度が測定できればよい。したがって、測定前のアライメントも空間的に1次元の状態だけわかれば十分であった。

0004

しかし、前房内に浮遊している細胞数密度やタンパク質濃度の空間的な分布など、生体特性を表わす指標となり得る物理量が空間分布を持つような場合、これを測定しようとしたとき、レーザ光は、空間的に2次元以上で走査されなければならない。したがって、測定前に行なわれるアライメントにおいても、レーザ光を2次元的に走査することによってなされなければならない。

0005

一方、従来の眼科測定装置のアライメントは、1次元的なアライメント情報得手段であり、かつ測定に最適な測定部位を選択するためのアライメント状態判断機能であった。

0006

例えば、非接触式眼圧計アライメント方法は、角膜曲率中心角膜頂点を結ぶ角膜軸線観察光学系光軸との一致調整、及び角膜曲率中心から流体出射ノズル先端までの距離の調整を行ない、正確な眼圧値の測定に最適な位置を提供するためのものである。

0007

また、屈折計におけるアライメント方式においても、網膜上に2本の参照光を一点に結像させることによって、屈折率の測定に最適な位置を提供するためのアライメント装置である。

発明が解決しようとする課題

0008

前房内に浮遊している細胞数密度やタンパク質濃度の空間的な分布など、生体特性を表わす指標となり得る物理量が空間分布を持っており、このような分布情報の測定に最適な場所を探すためのアライメントには、上記の従来のようなアライメント機構は適しておらず、被検眼中で確保できる(測定可能と判断される)測定可能範囲が狭くなってしまう問題がある。

0009

また、測定可能と判断される測定範囲が著しく制限されてしまうため、アライメントを取るのに非常に時間がかかる。

0010

さらに、患眼の状態によってはアライメント良好な場所がさらに制限され、このため、アライメントを合わせるのにさらに時間を要する。その結果、測定時間が長くなり、検者被検者ともに肉体的/精神的苦痛を強いられることになる。

0011

本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、被検眼前房中でレーザ光を空間的に走査して、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定する場合、測定可能領域を増大し、測定時間を短縮し、測定精度を向上すべくアライメント判定を行なえる眼科装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

以上の課題を解決するために、本発明では、被検眼前房中でレーザ光を空間的に走査して、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定するとともに、装置と被検眼のアライメント状態を判定する機能を有する眼科測定装置において、被検眼前房中でレーザ光を走査し、被検眼方向からの反射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、この受光強度の空間的な分布情報を取得し、この受光強度の空間的な分布情報を所定の判定基準に基づき解析することにより、装置と被検眼のアライメント状態を判定する手段を有する構成を採用した。

0013

上記構成によれば、従来の1次元的なアライメント情報に基づく判定とは異なり、被検眼方向からの反射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度の空間的な分布情報を取得し、この受光強度の空間的な分布情報を所定の判定基準に基づき解析することにより、装置と被検眼のアライメント状態を判定するために、被検眼前房中でレーザ光を空間的に走査し生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定する場合に最適なアライメント判定が可能となる。

0014

<装置の基本構成図1を用いて本発明の提案する測定装置の測定系を説明する。レーザー光源1から放出されたレーザ光は、レンズ2とレンズ3によって拡大、整形され、ガルバノミラー4と5によって二次元的に走査されながら、プリズム6を介し、レンズ7によって被検眼20の前房内に集光される。検者は光学系全体を不図示のジョイスティックなどの操作手段により操作することによって被検眼前房内の任意の場所に集光点を持ってくることができるようになっている。

0015

レーザー光を照射された前房内の生体物質(例えば蛋白分子浮遊細胞など)からの散乱光はレンズ8によって集光され、平行光束とされた後、ハーフミラー9によって光路が分割され、一方はレンズ16、17を介して検者が観察できるようになっている。

0016

ハーフミラーによって光路が分割されたもう一方の光はレンズ10によって視野限定のための受光マスク12a上に結像され、受光マスク12aを通過した散乱光が光電子増倍管13で受光され、電気信号に変換される。この電気信号は、光子計数法によってデジタル化され、演算装置14によって解析される。後述のアライメント判定は、全てこの演算装置14によって受光強度の空間あるいは時間的な分布を解析することによって行われる。以下では、受光強度はフォトンカウント値を用いる。

0017

LEDなどによる光源19による枠状の測定ウィンドウの像をレンズ18で、受光マスク12aと共役な位置に結像させることによって、検者に測定ウィンドウを提供し、検者は自分の測定しようとしている前房内の位置関係を知ることができる。

0018

この光源19は、後述のアライメント状態の判定結果の表示に使用することもできる。たとえば、アライメント状態を表すランク情報(後述)に応じてこの光源19の点灯状態を変えることによってアライメントの状態を検者に知らせることができる。この場合、たとえば測定ウィンドウを点滅させ、その点滅周期を変化させてもよいし、発光色を変化させても良く、また、後述のようにアライメントの状態を報知する文字情報を表示してもよい。

0019

ガルバノミラー4は前房内におけるレーザ光の水平走査に寄与し、ガルバノミラー5は垂直走査に寄与する。

0020

測定時、それぞれのガルバノミラーは図2に示されている信号で制御される。図2から明らかなように、レーザービームが測定のために垂直に走査されている間は水平方向は停止し、一回の垂直走査にともなう測定が終了した後、水平走査が行われ、その間にレーザービームの垂直方向の位置は初期状態に設定される。

0021

測定時、レーザビームLは図3のような走査を行う。図3においてVは垂直走査軸、Hは水平走査軸を示しており、ここでは測定範囲は1mm×1mmの大きさになっている。このようなレーザビームの走査を行ったとき、図1の光学系において、光軸に対して直角の方向から観察し、受光マスク12aによつて光軸方向の視野を限定すると、三次元的な測定範囲を規定することができる。

0022

一方、アライメント判定時には、図2制御信号波形を調節することによって図4に示すような走査を行う。ここでは、たとえば測定範囲中で9個の測定点(図中の1〜9の○印)を設定している。図3図4の比較から明らかなように、アライメント時には測定時の1、16、32本目の走査のみを行い、測定体積の中心(5)と外枠部分(1〜4、6〜9)を走査しているのがわかる。

0023

図3のような操作方式で、前眼部炎症を起こしている人眼の前房中を測定すると、前房中に存在する蛋白分子や浮遊細胞などにレーザ光が照射され、散乱光を発する(図8)。この散乱光を図1で示した光学系で受光すると、図5に示すような散乱光強度の時系列データが得られる。アルブミングロブリンなどの蛋白分子(図5下)に比べて、直径が非常に大きい前房内浮遊細胞(セル)からの散乱光は、スパイク状の散乱光として観察される(図5上)。

0024

このように、被検眼前房中でレーザ光を空間的に走査して、受光強度の空間的な分布情報を取得することにより、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定することができる。

0025

このような測定を行う場合のアライメント判定では、空間的に走査を行う以上、従来の1次元的なアライメント判定とは異なる判定基準を用いる必要がある。

0026

従来よりも測定可能な範囲を増大し、測定時間を短縮し、測定精度を向上するために、本発明では、下記のように最低限測定可能でなければならない条件を考慮した。

0027

<アライメント判定の手順>本発明で提案するアライメント状態判定のフローチャート図6図7に示す。図6はアライメント時のメインルーチン図7はアライメント状態の判定で用いられるサブルーチンである。

0028

これらのフローチャートは上記図1中の演算装置14にて実行される。以下、これらのフローチャートに沿って本発明の実施例を説明する。

0029

検者がジョイスティックに設けられているスイッチを押すことによって、アライメント状態の判定が開始される(図6のステップS1)。

0030

まず、アライメントを判定するために駆動される各種素子パラメータ初期化される。アライメント時には、図1中の2つのガルバノミラー4と5を、図2走査制御信号によって、レーザービームを図4のように走査する。このとき、図4中の○印を付した部分1〜9にレーザー光が来たときに図1中12bの光電子増倍管直前シャッターを開き、時系列を測定する。以後、この○印部分のことを「ブロック」と呼ぶことにする。便宜上、これらのブロックに図4に示すように1から9までの番号をつけることにする。

0031

上記、9ブロックで得られる時系列データよりバックグラウンド代表値を取り出し、これらの代表値を用いてアライメントの良否を判断する。バックグラウンド代表値として、得られた時系列の平均値を採用するのが最も理想的であるが、平均値計算には時間がかかりすぎ、アライメント状態の判断が実時間で表示できなくなってしまう。そこで、バックグラウンドの大きさを表す代表値として以下のような値を採用することにした。

0032

9ブロックから得られる時系列は、(1)バックグラウンドと(2)セルの散乱光の成分からなっている。セル1個の信号には15〜20個分のデータが必要なので、バックグラウンドを表すデータを取り出すには、1〜9の各ブロックで、少なくとも60個の時系列データを取れば十分である。また、データはゆらぎを持つため、バックグラウンドが低い場合、例えば
{0、1、5、3、2、0、0、3、…}
なる時系列が得られると考えられる。この時、単に時系列データ中の最低値を取っただけでは9個のバックグラウンド代表値が全部0になってしまい、バックグラウンドの状態が代表値に反映されない恐れがあるので、得られる60個の時系列データのうち、(i)0の個数が時系列データ数の40%以上あるときは、バックグラウンド代表値は0、(ii)0の個数が時系列データ数の40%未満のときには、バックグラウンド代表値は0を除く、時系列中最小値とした。

0033

上記のような方法で、バックグラウンドの高低、セルの有無に関係なく、各ブロックの時系列からバックグラウンド代表値を決定することができる。

0034

この代表値は1回のデータ採取後に各々算出され、メモリに記憶されるが、この処理を10回繰り返し(ステップS2)、10回分の値が集まると、10回分の値を積分する。この各ブロックの10回分のバックグラウンド代表値の積分を行ない(S3)この積分値

0035

0036

を使ってアライメントの良否を判断する。

0037

上記xiからアライメント状態の判定に用いる測定量を取得する。これらはxjの最大値をxmax、各xjの差分値のうち最大値をΔxとして取得する(ステップS6)。

0038

また、各ブロックで取得された時系列データの標準偏差σijを10回分足し合わせた値

0039

0040

の最大値σmaxも取得しておく(ステップS4)。

0041

これらの値を使ってアライメント状態判定のサブルーチン(ステップS7)でアライメント状態の判定が行われる。図7にステップS7の内容を詳細に示す。

0042

まず、ステップS21で、レーザー光が被検者の睫毛に当たっている場合や被検者が瞬目を行っている場合を除くために、xmaxが基準となるフォトンカウントを越えた場合を除く。この基準となるフォトンカウント値は、以下のようにして決定されている。

0043

被検者が瞬目をした場合、上記測定法で測定されるフォトンカウント値の大きさは395[フォトンカウント/msec]以下であることを実験によって確認した。

0044

一方、本発明を採用する眼科測定装置では、虹彩色に限らず、健常眼は必ず測定できなければならない。また、白内障に対するIOL挿入手術の術前、術後経過を診断する用途を考え、白内障患眼も測定できなければならない。白内障眼では、レーザービームが白濁した水晶体に入射する。この時、水晶体からの反射光図8のように反射/拡散されるため、前房中に設定されている測定ウィンドウの面積の大きさによって、この水晶体の反射/拡散光の影響の度合いが異なる。

0045

上述の白内障眼の前房部にレーザを入射し、その側方散乱光を測定し、1サンプリング時間あたりのフォトンカウントを調べた結果、図8のように、白内障術前眼では白濁水晶体からの反射光の影響で、バックグラウンドノイズが高くなっていた。

0046

これらの結果から、上記アライメント状態判定のうち、xmaxの判定基準フォトンカウント値を395[フォトンカウント/msec]以下とすればよいと判断した。

0047

すなわち、ステップS21では、9個の値xiの最大値xmaxを調べ基準値xmaxと比較した結果を表すためにアライメント状態のレベルを表す指標rank1を準備し、
xmax>p0のときrank1=5
xmax≦p0のときrank1=0
とする。

0048

次に、ステップS22において、9箇所のブロックで測定される散乱光強度時系列中に眼内組織等からの反射/拡散光が測定に影響を与えない程度しか存在しないことをチェックする。

0049

図1で示した光学系で測定を行うと、図5に示されている散乱光強度の時系列が得られる。アルブミンやグロブリンなどの蛋白分子に比べて、直径が非常に大きい前房内浮遊細胞からの散乱光は、スパイク状の散乱光として観察される。

0050

このようなフォトンカウンティング信号の特長は信号強度標準偏差がその平均値の平方根の大きさになるということである。

0051

0052

ここで、avgは平均値、σは標準偏差である。

0053

バックグラウンドは角膜・虹彩からの反射光、散乱光から成り立っている。測定される時系列データを調べた結果、角膜・虹彩からの反射光、散乱光信号の標準偏差がフレアーの散乱光信号の標準偏差に比べて高くなる。

0054

したがって、散乱光強度の標準偏差がその平均値の平方根の値から著しくずれた場合には、何らかの異常なノイズ信号重畳していると考えられる。そこで、各ブロックの時系列の標準偏差の値を基準値と比較することによって、角膜・虹彩からの反射/散乱光の、測定される信号全体に対する割合を調べる方法を採用した。

0055

そこで、アライメント状態のレベルを表す視標、rank2を準備し、上記σmaxによって、
0 < σmax≦SD0→rank2=0
SD0< σmax≦SD1 →rank2=1
SD1< σmax≦SD2 →rank2=2
SD2< σmax≦SD3 →rank2=3
SD3< σmax≦SD4 →rank2=4
SD4< σmax≦SD5 →rank2=5
SD5< σmax≦SDcell→rank2=0
のように分類する。

0056

但し、浮遊細胞数密度の高い場合、対象とする時系列中にセルピーク信号が入っている可能性が高いので、これだけでは細胞数密度の多い場合にrank2が0にならないと考え、σmaxがSDcell以上の値のときは、時系列中にセル信号が入っていると判断してrank2=0とするようにした。

0057

ステップS23はバックグラウンド値均一性の判定に関するチェックである。バックグラウンドがある程度の勾配を持っていても測定は可能である。この勾配の程度を、各ブロックのバックグラウンド代表値xiの差の最大値Δxiで表わした。Δxiが
0≦Δx≦Δp0
のとき、
rank3=0
とすれば、バックグラウンドの均一性を保証し、正しいセル認識が行なわれる。以下、Δxの大きさによって、
Δp0≦Δxi≦Δp1→rank3=1
Δp1≦Δxi≦Δp2→rank3=2
Δp2≦Δxi≦Δp3→rank3=3
Δp3≦Δxi≦Δp4→rank3=4
Δp4≦Δxi →rank3=5


とした。

0058

そして、ステップS21〜23で得たrank1、rank2、rank3の和
rankfinal=rank1+rank2+rank3
を、最終的なアライメント状態のレベルを表す指標rankfinalとする(ステップS24)。

0059

rankfinal値=0の時、アライメントが合っていることになり、rankfinalの値によって測定が可能かどうかを判断し、図7に示したサブルーチンから図6のメインルーチンに戻る。その後、アライメント状態を示すrankfinal値の大きさに対応させて図1中の光源19の点灯状態を変化させることによってアライメント状態を検者に報知する。なお、測定時(非アライメント時)には、rankfinal値を5にしてメインルーチンに復帰する。

0060

アライメント状態のレベルの表示は検眼鏡内に投影された光学的な指標の点灯状態を変化することによって行なう。例えば、図1中の光源19を点滅させておき、rankfinalの値に応じた点滅周期で指標を点滅させるとか、視標の発光色を変化させる(図6のステップS8)。

0061

この時点で、測定のため検者によってジョイスティックのボタンが押されるのを待つ(S9)。検者によってジョイスティックのボタンが押されたとき、rankfinal値が0ならば、測定を行えるが(S10、S11)、rankfinal値が0でないならば、測定を禁止するとともに(S10、S12)再度アライメント状態の判定のためのパラメータ取得のための処理が繰り返される。ステップS13は測定結果の解析、表示処理を示している。

0062

上記のように、アライメント終了後、検者はジョイスティックのボタンを押すことによって測定を開始する。アライメント良好の場合でも、測定中に被検者が測定中に瞬きをしたり、動いたりする場合を想定して、測定後、各走査のバックグラウンド値(但しこのバックグラウンド値は測定で得られたもの)が上記p0以上であったら、正確な測定が行われなかったと判断して、検眼鏡内あるいは表示ディスプレイにその旨を表示し、測定がうまく行かなかったことを検者に知らせる。これにより、アライメント後アクシデントにも対処できる。

0063

上記説明では、通常アライメントのrankfinal=0にならないと測定ができないようになっているが、臨床上、バックグラウンドが高い被検眼では、幾何学的に正しい部位であってもアライメントのrankfinal=0の条件を満たせず、アライメント状態を示す指標はrankfinal≠0の状態を保持してしまう。このような被検者に対しても参考的に測定が行なえるように、図7のアライメント判定サブルーチンには次のような機能を付加してある。

0064

アライメント時、表示ディスプレイのファンクションキーを押せば(S25、S26)、アライメントの良否によらず、rankfinalを強制的に0として(S27)測定が行なえるようにした。但し解析は正確さに欠ける(誤差30%以上)ので、その旨を表示し、正確なデータと区別するようにした。

0065

また、この機能は、1回の測定を可能にし、1回測定を終えるとアライメント状態の判定を行ない、状態が悪い場合は測定を禁止する通常の状態に戻る。

発明の効果

0066

本発明によれば、被検眼前房中でレーザ光を空間的に走査して、被検眼前房方向からの反射ないし散乱光あるいは外乱光を受光し、受光強度の空間的な分布情報を獲得し、この受光強度の空間的な分布情報を所定の判定基準に基づき解析することにより測定の信頼性に影響を与えるような場合だけを排除するよう装置と被検眼のアライメント状態を判定するようにしているので、できるだけ広い領域で測定が可能になった。

0067

また、アライメント状態をランク分けして、そのランクを検者に知らせるため、アライメントが合わせやすくなり、判定にかかる時間を短縮できる。さらに、検者/被検者にかかる肉体的苦痛を軽減できるようになった。

図面の簡単な説明

0068

図1本発明による眼科測定装置の実施例の全体構成を示す光学経路図である。
図2本発明におけるガルバノメータスキャナーを駆動するための信号を示した説明図である。
図3本発明における測定時のレーザー走査方式を示した説明図である。
図4本発明におけるアライメント判定時のレーザ走査方式を示した説明図である。
図5本発明において測定される散乱光信号強度信号の概略図である。
図6本発明におけるアライメント状態の判定のためのメインルーチンを示したフローチャートである。
図7本発明におけるアライメント状態の判定のためのサブルーチンを示したフローチャートである。
図8白内障眼モデルを示した説明図である。

--

0069

1レーザー光源
整形レンズ
4ガルバノミラー
5 ガルバノミラー
9ハーフミラー
12a受光マスク
12bフォトマルシャッター
13光電子増倍管
14演算装置
15検眼鏡レンズ
16 検眼鏡レンズ
19LED光源
20 被検眼

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  • 学校法人神奈川大学の「 色覚検査装置」が 公開されました。( 2019/06/24)

    【課題】検査中に被検者が観察する場所を切り替えるような煩雑な作業を行うことなく、検査精度の誤差を軽減することを課題とする。【解決手段】混色光Y’(R+G)と参照光Yとを対比して色覚異常を判定する色覚検... 詳細

  • 株式会社QDレーザの「 網膜走査型視力検査装置、網膜走査型視力検査システム、網膜走査型視力検査方法」が 公開されました。( 2019/06/24)

    【課題】網膜の視力を簡便に測定する。【解決手段】光線を出射する光源部と、画像を表示する表示部と、視標の画像を含む検査用画像データと、検査用画像データと対応付けられた光線の出力値と、を含む検査条件情報を... 詳細

  • 株式会社ニデックの「 眼科撮影装置」が 公開されました。( 2019/06/24)

    【課題】複数の光学系のうち2つ以上が機能または性能を良好に発揮できる眼科装置を提供すること。【解決手段】 眼科装置1は、OCT光学系100と、対物光学系をOCT光学系100と共用する前眼部撮影光学系... 詳細

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