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技術 バレイショマイクロチューバーの生産方法

出願人 日本たばこ産業株式会社
発明者 岡一郎キャロラインスルイス
出願日 1994年11月30日 (26年0ヶ月経過) 出願番号 1994-321407
公開日 1995年7月11日 (25年5ヶ月経過) 公開番号 1995-170869
状態 特許登録済
技術分野 植物の育種及び培養による繁殖
主要キーワード 種いも 短日処理 大型容器 小型容器 通気条件 発売元 生産数 通気条件下
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この項目の情報は公開日時点(1995年7月11日)のものです。
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目的

圃場で直接栽培することができる大型のマイクロチューバーを効率よく生産することができるバレイショマイクロチューバーの生産方法を提供すること。

構成

糖濃度の高い培地中でバレイショ植物を日長条件下で約1週間ないし約4週間培養する工程と、次いで該植物を暗黒下でマイクロチューバーが生産されるまで培養する工程を含む、バレイショマイクロチューバーの生産方法を提供した。

概要

背景

従来より広く行われているバレイショマイクロチューバー生産する第1の従来法は、無菌植物体を増殖する工程と、次いでマイクロチューバーを形成、肥大させる工程とを含む。

第2の従来法は、特開平3−35738に記載されており、ここには下記工程を含むバレイショマイクロチューバーの生産方法が記載されている。
(A)バレイショを組織培養し、茎葉を有する無菌植物体を生産する(照度:1000〜100000ルクスで6〜24時間/日、20〜30℃)。
(B)低温(10〜30℃)かつ短日条件下光照射(1000〜100000ルクス、12時間以下)して該植物体を培養し、該植物体の頂芽または腋芽塊茎化する状態に誘導する。
(C)塊茎化誘導した植物体の頂芽あるいは腋芽を暗黒かつ低温条件(10〜30℃)下で塊茎化する。

第2の従来法においては、無菌植物の増殖と塊茎形成・肥大の2つの工程の間に低温かつ短日条件下で頂芽あるいは腋芽の塊茎化を誘導する工程が加えられている。この工程は、おそらく、低温や短日条件下で塊茎形成が誘導されるというバレイショの一般的な性質や文献を考慮に入れて挿入されたものと思われる。

従って、第2の従来法では、マイクロチューバーは、工程A:無菌植物体の増殖、工程B:頂芽又は腋芽の塊茎化誘導及び工程C:マイクロチューバーの形成・肥大、という3つの工程により効率よく生産される。

第2の従来法のもう1つの特徴は、工程Cを暗黒かつ低温条件下で行うことである。一般的にはマイクロチューバーの形成・肥大は「暗黒」または「短日」条件下で行われる。低温条件が必須である理由は不明であるが、おそらく塊茎形成が低温において促進されるからであろう。

茎葉増殖工程の後の短日処理により塊茎誘導が促進され、塊茎形成数が増加することは確かと思われるが、次の理由により圃場への直接栽培が可能な大型の(0.5g以上)マイクロチューバーの生産効率は低く、実用的な技術ではない。

すなわち、第2の従来法においては、茎葉増殖工程に続き、茎葉増殖工程と同じ培地を用いて低温かつ短日条件下で塊茎を誘導する。この培地は糖濃度が低く、高い糖濃度を有する培地と交換した直後にバレイショ植物を暗黒条件下で培養し、塊茎を形成している。このように、茎葉増殖が盛んなステージで糖濃度の低い培地で低温かつ短日条件下で培養しているので、茎葉の増殖を多くは望めず、総塊茎数は多くなっても大型のマイクロチューバーの数は極めて少ない。

茎葉増殖及び塊茎化誘導は寒天培地を用いて小型容器(0.3〜0.6リットル)内で行っているので大型容器を使用した液体通気培養に比べて茎葉の増殖効率は低く、実用的なマイクロチューバー生産は望めない。

特開平3−35738号に記載された方法(上記第2の従来法)においては、工程B、Cは、それぞれ「低温かつ短日条件下」及び「暗黒かつ低温条件下」で培養するものであり、いずれも「低温条件下」で培養することが必須条件である。しかしながら、上記公開公報に記載されている2つの実施例の温度条件はいずれもバレイショの組織培養の場合では一般的な温度条件で、しかもマイクロチューバーの生産においても公知の事実に含まれる温度の範囲である。

概要

圃場で直接栽培することができる大型のマイクロチューバーを効率よく生産することができるバレイショマイクロチューバーの生産方法を提供すること。

糖濃度の高い培地中でバレイショ植物を日長条件下で約1週間ないし約4週間培養する工程と、次いで該植物を暗黒下でマイクロチューバーが生産されるまで培養する工程を含む、バレイショマイクロチューバーの生産方法を提供した。

目的

本発明の目的は、圃場で直接栽培することができる大型のマイクロチューバーを効率よく生産することができるバレイショマイクロチューバーの生産方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

糖濃度の高い培地バレイショ植物を日長条件下で約1週間ないし約4週間培養する工程と、次いで該植物を暗黒下でマイクロチューバー生産されるまで培養する工程を含む、バレイショマイクロチューバーの生産方法

請求項2

前記糖は、ショ糖グルコースフラクトース及びマルトースから成る群より選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の方法。

請求項3

前記糖はショ糖である請求項2記載の方法。

請求項4

前記高い糖濃度は6〜10%w/vである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

前記糖濃度の高い培地は、8%w/vのショ糖を含む請求項1ないし4のいずれか1項記載の方法。

請求項6

前記培地は、8%w/vショ糖を含むムラシゲ・スクーグ培地pH5.8、8%w/vショ糖を含むホワイト培地pH5.8又は8%w/vショ糖を含むリンスマイヤー・スクーグ培地pH5.8である請求項5記載の方法。

請求項7

前記培地は、8%w/vショ糖を含むムラシゲ・スクーグ培地pH5.8である請求項6記載の方法。

請求項8

前記日長条件は、前記バレイショ植物を1日当たり約6時間ないし約12時間光照射する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

前記日長条件は、前記バレイショ植物を1日当たり約12時間ないし約24時間光照射する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

前記バレイショを前記日長条件下で約1週間培養して小さなマイクロチューバーを生産する請求項8記載の方法。

請求項11

前記バレイショを前記日長条件下で約2週間培養して大きなマイクロチューバーを生産する請求項9記載の方法。

請求項12

前記日長条件下での培養は、3000ないし10000ルクス照度下で18〜25℃の温度下で、0.02ないし0.5リットル/リットル・分の通気条件下で行われる請求項1ないし11のいずれか1項記載の方法。

請求項13

前記日長条件下での培養は、4000ないし6000ルクスの照度下で18〜22℃の温度下で、0.2ないし0.4リットル/リットル・分の通気条件下で行われる請求項12記載の方法。

請求項14

前記バレイショ植物の前記暗黒下での培養は3ないし10週間行われる請求項1ないし13のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

前記暗黒下での培養は、18〜25℃の温度下で、0.02ないし0.5リットル/リットル・分の通気条件下で行われる請求項14記載の方法。

請求項16

前記暗黒下での培養は、18〜22℃の温度下で、0.02ないし0.5リットル/リットル・分の通気条件下で行われる請求項15記載の方法。

技術分野

(i)暗黒条件下に移す前の植物体は第2の従来法のものと比べて茎数は多く、葉はやや小さいものの厚く、茎葉は良く充実していた。

背景技術

0001

本発明は、圃場で直接栽培できる大型のマイクロチューバー小塊)を効率的に生産することができるバレイショマイクロチューバーの生産方法に関する。

0002

従来より広く行われているバレイショマイクロチューバーを生産する第1の従来法は、無菌植物体を増殖する工程と、次いでマイクロチューバーを形成、肥大させる工程とを含む。

0003

第2の従来法は、特開平3−35738に記載されており、ここには下記工程を含むバレイショマイクロチューバーの生産方法が記載されている。
(A)バレイショを組織培養し、茎葉を有する無菌植物体を生産する(照度:1000〜100000ルクスで6〜24時間/日、20〜30℃)。
(B)低温(10〜30℃)かつ短日条件下光照射(1000〜100000ルクス、12時間以下)して該植物体を培養し、該植物体の頂芽または腋芽塊茎化する状態に誘導する。
(C)塊茎化誘導した植物体の頂芽あるいは腋芽を暗黒かつ低温条件(10〜30℃)下で塊茎化する。

0004

第2の従来法においては、無菌植物の増殖と塊茎形成・肥大の2つの工程の間に低温かつ短日条件下で頂芽あるいは腋芽の塊茎化を誘導する工程が加えられている。この工程は、おそらく、低温や短日条件下で塊茎形成が誘導されるというバレイショの一般的な性質や文献を考慮に入れて挿入されたものと思われる。

0005

従って、第2の従来法では、マイクロチューバーは、工程A:無菌植物体の増殖、工程B:頂芽又は腋芽の塊茎化誘導及び工程C:マイクロチューバーの形成・肥大、という3つの工程により効率よく生産される。

0006

第2の従来法のもう1つの特徴は、工程Cを暗黒かつ低温条件下で行うことである。一般的にはマイクロチューバーの形成・肥大は「暗黒」または「短日」条件下で行われる。低温条件が必須である理由は不明であるが、おそらく塊茎形成が低温において促進されるからであろう。

0007

茎葉増殖工程の後の短日処理により塊茎誘導が促進され、塊茎形成数が増加することは確かと思われるが、次の理由により圃場への直接栽培が可能な大型の(0.5g以上)マイクロチューバーの生産効率は低く、実用的な技術ではない。

0008

すなわち、第2の従来法においては、茎葉増殖工程に続き、茎葉増殖工程と同じ培地を用いて低温かつ短日条件下で塊茎を誘導する。この培地は糖濃度が低く、高い糖濃度を有する培地と交換した直後にバレイショ植物を暗黒条件下で培養し、塊茎を形成している。このように、茎葉増殖が盛んなステージで糖濃度の低い培地で低温かつ短日条件下で培養しているので、茎葉の増殖を多くは望めず、総塊茎数は多くなっても大型のマイクロチューバーの数は極めて少ない。

0009

茎葉増殖及び塊茎化誘導は寒天培地を用いて小型容器(0.3〜0.6リットル)内で行っているので大型容器を使用した液体通気培養に比べて茎葉の増殖効率は低く、実用的なマイクロチューバー生産は望めない。

発明が解決しようとする課題

0010

特開平3−35738号に記載された方法(上記第2の従来法)においては、工程B、Cは、それぞれ「低温かつ短日条件下」及び「暗黒かつ低温条件下」で培養するものであり、いずれも「低温条件下」で培養することが必須条件である。しかしながら、上記公開公報に記載されている2つの実施例の温度条件はいずれもバレイショの組織培養の場合では一般的な温度条件で、しかもマイクロチューバーの生産においても公知の事実に含まれる温度の範囲である。

課題を解決するための手段

0011

本発明の目的は、圃場で直接栽培することができる大型のマイクロチューバーを効率よく生産することができるバレイショマイクロチューバーの生産方法を提供することである。

0012

本願発明者らは、鋭意研究の結果、バレイショ植物を暗黒下で培養して塊茎形成する前に植物を約1週間ないし約4週間糖濃度の高い培地で培養することにより上記目的を達成することができることを見出し本発明を完成した。

0013

すなわち、本発明は、糖濃度の高い培地でバレイショ植物を日長条件下で約1週間ないし約4週間培養する工程と、次いで該植物を暗黒下でマイクロチューバーが生産されるまで培養する工程を含む、バレイショマイクロチューバーの生産方法を提供する。

0014

以下、本発明を詳細に説明する。

0015

以下の記載は当業者が本発明を容易に実施できるように記載するものである。もっとも、本発明の精神及び範囲から逸脱しない修飾及び変形が当業者により可能であるので、以下の記載は、本発明を不当に限定するように解釈してはならない。

0016

本明細書において、「日長条件」とは短日条件及び長日条件の両方を含む。

0017

本明細書において、「短日条件」とは、1日24時間のうち、好ましくは約6時間ないし約12時間、さらに好ましくは約7時間ないし約10時間、最も好ましくは約8時間光を照射することを意味する。

0018

本明細書において、「長日条件」とは、1日24時間のうち、好ましくは約12時間ないし約24時間、さらに好ましくは約14時間ないし約20時間、最も好ましくは約16時間光を照射することを意味する。

0019

工程(1) :植物の増殖
公知の方法(例えばHussey et al. (1981) Ann. Bot. 48:787-796)で育成したバレイショ無菌を腋芽と葉を有する単節(2節以上でもよい)に切断し、例えば表1に示した培養器に入れ、好ましくは18〜25℃、さらに好ましくは18〜22℃、好ましくは照度3000〜10000ルクス、さらに好ましくは4000〜6000ルクス、12〜24時間日長条件下(すなわち、長日条件)、液体通気培養により茎葉を増殖する。培地はムラシゲ・スクーグ培地(Murashigeet al. (1962) Physiol. Plant. 15:473-497、以下「MS培地」ということがある)に2%ショ糖を加えた培地、pH5.8であってよい。この培地を以下、「茎葉増殖培地」と呼ぶ。ホワイト培地(White's Medium, White (1963) The Cultivation of Animal and Plant Cells)、リンスマイヤー・スクーグ培地(Linsmayer and Skoog's Medium, Lynsmayer and Skoog (1965) Physiol. Plant. 18)及び他の標準的な植物組織培養培地をMS培地に代えて用いることができる。培地中の糖(炭素源)としては、ショ糖に代えてグルコースフラクトースマルトース等を用いることができる。糖濃度は好ましくは0.5〜5%、さらに好ましくは2〜3%であり、pHは好ましくは4〜8、さらに好ましくは5.5〜6.5である。

0020

容器当たりの培養節数(培養する移植体片の数)、培地量、通気量は容器の大きさにより異なり、好ましい範囲を下記表1に示す。移植片の数は培地1リットル当たり通常1〜30個であり、好ましくは10〜20個である。1リットル容器当たりの培地量は通常0.1〜0.5リットルであり、好ましくは0.2〜0.3リットルである。通気量は通常0.02〜0.5リットル/リットル・分であり、好ましくは0.2〜0.4リットル/リットル・分である。

0021

0022

通気は容器底面付近液体培地中に行うことが好ましい。

0023

通常、培養3〜6週間で植物体は容器の高さの約80%に達する。

0024

工程(2) :塊茎化誘導工程
上述の工程において、植物体が容器の高さの約80%(約50%以上であれば問題ない)に達したに残存している培地を捨て、糖濃度6〜10%(w/v)、好ましくは7〜9%(w/v)、最も好ましくは8%(w/v)の糖を含む培地(以下、「塊茎形成培地」と呼ぶ」)を、好ましくは表1に示す量加える。この培地に含まれる糖として有用なものの例としてショ糖、グルコース、フラクトース及びマルトースが挙げられる。培地は、上記工程(1) で述べたいずれの培地をも用いることができる。次いで、植物体を1〜4週間、短日条件下又は長日条件下で培養する。小さいマイクロチューバーを数多くとりたい場合は短日条件下で1週間程度、大きなマイクロチューバーをとりたい場合には長日条件下で約2週間培養することが好ましい。光の照度、温度、培地量及び通気量は茎葉増殖工程(1) で述べた条件を採用することができる。

0025

工程(3) :塊茎の形成・肥大工程
上記工程(2) の後、植物体を3〜10週間、好ましくは5〜9週間、暗黒下で培養する。培養条件は、暗黒下で培養するということを除けば工程(2) と同様でよい。この培養後、マイクロチューバーを収穫する。

0026

工程(2) において、短日条件を採用した場合には、暗黒下での培養開始数日後に塊茎形成が観察される。工程(2) において、長日条件を採用した場合には、暗黒下での培養開始1〜2週間後に塊茎形成が観察される。暗黒下での培養開始後4〜5週間で個々の塊茎はかなり肥大し、その後の肥大は緩慢となる。マイクロチューバーの収穫は暗黒条件下での培養開始後5週間目頃から可能であるが、成熟したマイクロチューバーを得るためには少なくとも茎葉の一部が枯凋してから収穫することが望ましい。

0027

本発明と従来技術との相違点
本発明の方法の1つの特徴は、日長条件下で植物に高糖濃度の培地を効率よく吸収させ、茎葉に栄養を十分吸収、蓄積させてその後の暗黒条件下でマイクロチューバーが効率良く生産されるようにしたことである。

0028

上記した第2の従来法においては、「低温かつ短日条件下」で塊茎形成が促進されることに注目し、茎葉増殖後に「低温かつ短日条件下」で塊茎化を誘導し、その後ショ糖濃度の高い培地に交換し、暗黒条件下で塊茎を形成・肥大させる。この方法では、「短日条件下で塊茎形成を誘導する」という発想のみで、「茎葉増殖を促進する」という意図はない。

0029

上記第1及び第2の従来法では、塊茎形成用の糖濃度の高い培地に交換した後直ちに暗黒条件下で塊茎形成を行う。しかしながら、暗黒条件下では植物体の培地の吸収は緩慢であり、折角与えた栄養豊富な培地は植物体に効率良く吸収されない。

0030

本発明ではこの点を改良しようとするものであり、3段階(工程)法という点では上記第2の従来法と同じであるが、単に短日条件下で塊茎形成を誘導するというものではなく、糖濃度の高い培地に交換した後も日長条件下で1〜4週間培養し、与えた栄養価の高い培地を植物体に効率良く吸収させ、茎葉に十分に養分を蓄えて充実させた後に暗黒条件下で塊茎を形成させることにより、マイクロチューバーを効率良く生産するというものである。

0031

つまり、養分の吸収効率が低い暗黒条件下で培養する前に、養分の吸収効率が良い明条件下で塊茎の形成・肥大に必要なエネルギーをなるべく多く茎葉に蓄積させ、その後暗黒条件下でこのエネルギーを用いて効率良く塊茎を形成・肥大させようとするものである。

0032

(1)容器当たり総塊茎数の増加及び大型の塊茎数の増加
短日処理後高糖濃度の培地に交換し暗黒条件下で塊茎の形成を計った第1及び第2の従来法に比べて、本発明の方法では明らかにマイクロチューバーの生産効率は高かった(表2)。

0033

第2の従来法では、0.1g以下の小さなマイクロチューバーを含む総マイクロチューバー数は第1の従来法よりも多かったが、0.1g以上のマイクロチューバーの数では両者は同等であり、0.5g以上のマイクロチューバーの数では第2の従来法は第1の従来法よりもかなり少なかった。0.5g以上のマイクロチューバーの生産数が低いので、第2の従来法は効率的な方法ではない。0.5g以上のマイクロチューバーが望まれるのは、0.5g以上であれば直接圃場に植え付けても普通の種いもと比べて萌芽や生育が大きく遅れることはなく、普通の種いもと同様な方法で栽培することができるのに対し、0.5g未満では直接圃場に植え付けた場合、萌芽や生育がかなり遅いからである。

0034

塊茎化誘導工程において8時間日長処理条件を採用した本発明の実施例においては、上記第1及び第2の従来法より0.1g以上のマイクロチューバーの生産効率は著しく高くなり、総マイクロチューバー生産数の増加に大きな効果が認められた。また、0.5g以上のマイクロチューバーの増加にも効果があった。

0035

塊茎化誘導工程において16時間日長処理条件を採用した本発明の実施例においては、上記第1及び第2の従来法に比べて0.5g以上あるいは1g以上の大きなマイクロチューバーの生産数の増加に大きな効果が認められた。また,0.1g以上のマイクロチューバー生産数の増加にも効果があった。

0036

(2)成熟したマイクロチューバーの生産
塊茎化誘導工程において、光照射下(例えば5000ルクス)で培養することにより茎葉が充実してマイクロチューバー生産数が増加するのみならず、培地が植物体に速く吸収されるため、塊茎肥大期後半の茎葉の黄変及び枯凋が従来法に比べて速く進み、従って貯蔵と圃場栽培に好ましい成熟した良質のマイクロチューバーが得られる。

0037

以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

0038

実施例1
培地交換前及び交換後の日長処理がマイクロチューバー生産に及ぼす効果の検討
公知の方法(Hussey et al. (1981) Ann. Bot. 48:787-796)で育成した無菌植物体(品種:Russet Burbank, Tissue-Grown Corporationで保存管理していたものより増殖)を単節に切断し、8節ずつを茎葉増殖培地0.6リットルを含む直径13cm、高さ18cmの容量約2リットルのガラス瓶発売元:Carolina Biological Supply Company、以下、「2L容器」と記す)に入れ、20℃、照度5000ルクス、16時間日長、0.35〜0.4L/分の通気条件で培養した。

0039

培養開始約4週間後に植物は平均15cmの長さにまで生長していた。

0040

次いで、以下のa)ないしd)の工程のいずれか1つを行った。
a)培養4週間後に残存培地を取り除き、塊茎形成培地0.7リットルを加え、20℃、照度5000ルクス、8時間日長、0.35〜0.4L/分の通気条件で18日間培養(本発明)。
b)培養4週間後に上記a)と同様に培地を交換し、20℃、照度5000ルクス、16時間日長、0.35〜0.4L/分の通気条件で25日間培養(本発明)。
c)培養4週間後に日長のみを8時間に変えた条件下でさらに17日間培養した後残存培地を取り除き、塊茎形成培地0.7リットルを加える(第2の従来法)。
d)上記条件下でさらに7週間培養を続けた後、培地を交換(第1の従来法)。

0041

上記a)ないしd)のいずれか1つに記載の工程の後、植物を暗黒条件下、20℃で、0.35〜0.4リットル/分の通気量で培養して塊茎形成を図り、暗黒条件下に移してから約9週間目に塊茎を収穫した。その結果を表2に示した。

0042

0043

第1の従来法(対照区)に比べて、工程a)(すなわち、培地交換後、8時間日長処理)を採用した本発明方法では、容器当たりの0.1g以上及び0.5g以上の塊茎数が著しく多かった。

0044

また、工程b)(すなわち、培地交換後、16時間日長処理)を採用した本発明の方法では、0.1g以上の塊茎数は第1の従来法(対照区)と差はないものの、0.5g以上又は1g以上の大きなマイクロチューバーの生産数が著しく多く、培地交換後の日長処理がマイクロチューバーの生産に効果があることがわかった。

0045

一方、工程c)(すなわち、培地交換前、8時間日長処理)を採用した第2の従来法では、0.1g以下の小さな塊茎が多く生産されていた(データなし)が、0.1g以上の塊茎数は第1の従来法(対照区)とは差はなく、むしろ0.5g以上の塊茎数はかなり少なく、効果はなかった。

0046

実施例2
品種Russet Burbankの無菌苗を実施例1と同様に4週間茎葉増殖した後、培地を塊茎形成培地に交換した。次いで下記a)ないしd)のいずれか1つの工程を行った。
a)8時間日長条件下で1週間培養した後暗黒条件下で培養して塊茎形成を行う(本発明)。
b)8時間日長条件下で2週間培養した後暗黒条件下で培養して塊茎形成を行う(本発明)。
c)16時間日長条件下で2週間培養した後暗黒条件下で培養して塊茎形成を行う(本発明)。
d)培地交換後直ちに植物を暗黒条件下で培養した(第1の従来法、対照区)。

0047

培地交換後、9週間目にマイクロチューバーを収穫した。

0048

この実施例では、2L容器の他に、一部の処理区では直径15cm、高さ22cmの容量約4リットルのガラス瓶(発売元:Carolina Biological Supply Company、以下、「4L容器」と記す)も使用した。4L容器の培養条件は容器当たりの置床節数が16節、通気量が0.7〜0.8リットル/分、培地量(茎葉増殖培地、塊茎形成培地とも)が1リットル/容器である他は2L容器と同じである。

0049

表3にその結果を示した。実施例1と同様に、8時間日長処理では0.1g以上の塊茎数が多くなること、16時間日長処理では0.5g及び1g以上の塊茎数が多くなることが確認された。

0050

0051

なお、本発明の方法では培養中又は収穫後に次の特徴が観察された。

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