図面 (/)

技術 置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体及びその製造方法

出願人 出光興産株式会社
発明者 美ノ上富安甲嶋宏明池田晴智後藤雅久
出願日 1994年9月30日 (26年8ヶ月経過) 出願番号 1994-236312
公開日 1995年6月27日 (25年11ヶ月経過) 公開番号 1995-165671
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード ノズル噴射口 環境汚染対策 分光結果 潤滑剤用添加剤 フェノールエステル誘導体 分岐状アルコール 供試油 排気ガス対策
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年6月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

目的

高温定性高温清浄性)に優れる無灰型清浄剤として有用な新規置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体、及び該置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を効率よく製造する方法を提供すること。

構成

一般式(I)

化1

一般式(II)

化2

又は、一般式(III)

化3

[式中の各記号は、明細書で定義した通りである。]で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体、及び該置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を製造する方法である。

概要

背景

従来の無灰型分散剤には、一般にコハク酸イミド系,ヒドロオキシベンジルアミン系マンニッヒ塩基)などがあり、その顕著な微粒子分散作用が重視されて、ガソリンディーゼルエンジン油などの添加剤として広範に使用されている。そして、これらはジアルキルジチオリン酸亜鉛金属型清浄剤との相乗効果も認められ、極めて重要な潤滑剤用添加剤の一つとなっている。しかしながら、近年、高温における安定性高温清浄性)が充分でないことが度々指摘されている。

従来の内燃機関用潤滑油は、通常、基油ポリブテニルコハク酸イミドなどの無灰型分散剤、アルカリ土類金属スルホネートフェネートなどの金属型清浄剤及びアルキルジチオリン酸亜鉛などの耐摩耗剤などとから構成されているが、燃焼により添加剤成分中の金属分酸化物硫酸塩などとして生成し、環境汚染などに関与する問題がある。近年、内燃機関のうち、特に、ディーゼルエンジンにおいてパティキュレート及びNOX などの排ガス規制による環境汚染対策が重要な課題となっている。これらの対策としてのパティキュレートトラップ及びNOX除去触媒などの排ガス浄化装置があるが、従来の内燃機関用潤滑油では燃焼により生成した金属酸化物硫化物などによる閉塞の問題があるため、これら金属酸化物や硫化物などの排出を最小限に抑制可能な内燃機関用潤滑油が要求されている。

また、将来の排気ガス対策の一つの解決手段として、メタノールエンジンが着目されている。ディーゼルエンジンでは、噴射ポンプにより軽油をエンジン内に噴霧するが、ポンプ内の潤滑は軽油自身による自己潤滑である。これに対して、メタノールエンジンの場合は、メタノール自体の潤滑性が低いため、エンジンオイルを噴射ポンプ内に注入するのが通常である。その場合、メタノールとエンジンオイルとの相溶性が悪いために、添加剤がメタノール中に析出し、特に、金属型清浄剤では、カルシウムなどの金属成分がノズル噴射口を詰まらせるという問題があり、これらの金属成分を最小限に抑制した内燃機関用潤滑油が要求されている。このような将来の排気ガス対策として、例えば、潤滑油基油に対し、(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルカルボン酸アルキルエステル、コハク酸イミド系の無灰型分散剤及び無灰型酸防止剤を配合した無灰型潤滑油組成物が提案されている(特開平4−353598号公報)。しかしながら、この組成物においては、高温安定性(高温清浄性)を充分に満足させることができないという問題がある。一方、米国特許第4,098,708 号明細書においては、少なくとも炭素数約10のアルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル及びその誘導体を、潤滑油及び燃料油用の分散剤として提案している。そして、該エステルの適切なアルコール成分として、一価又は多価の炭化水素アルコールを挙げており、その具体例としてクレゾールなどの置換フェノール類が挙げられている。しかしながら、このエステルの場合も、同様に高温安定性(高温清浄性)については充分に満足しうるものではない。そして、東独特許第268933号明細書においては、炭素数1〜14のアルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸のアルキルフェノールエステルの製造法が提案されている。その実施例には、該エステルの具体的なアルキル基としては、イソブチル基エチルフェニル基などが挙げられている。さらに、CA.Re.No.19310−46−4には、5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)サリチル酸p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニルエステルが提案されている。しかしながら、これらの炭素数8以下のエステルの場合にも、同様に高温安定性(高温清浄性)については充分に満足しうるものではない。

概要

高温安定性(高温清浄性)に優れる無灰型清浄剤として有用な新規置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体、及び該置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を効率よく製造する方法を提供すること。

一般式(I)

一般式(II)

又は、一般式(III)

[式中の各記号は、明細書で定義した通りである。]で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体、及び該置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を製造する方法である。

目的

本発明は、このような従来技術が有する欠点を克服し、将来の排ガス規制に対応したとりわけディーゼルエンジン用オイル及びメタノールエンジン用オイルに好適に用いられる高温安定性(高温清浄性)に優れる潤滑剤用添加剤(無灰型清浄剤)として有用な置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体、及び該エステル誘導体を効率よく製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

一般式(I)

請求項

ID=000005HE=020 WI=078 LX=0210 LY=0450〔式中、x及びyはそれぞれ1≦x≦3、1≦y≦3を満たす整数であり、また、R1とR2とは、炭素数9〜20のアルキル基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、2≦x≦3、2≦y≦3の場合には、R1同士及びR2同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕、一般式(II)

請求項

ID=000006HE=020 WI=076 LX=1120 LY=0350〔式中、m,n,o及びpはそれぞれ1≦m≦2、0≦n≦2、2≦(m+n)≦4、1≦o≦3、1≦p≦3を満たす整数であり、また、R1とR2とは、炭素数9〜20のアルキル基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、2≦o≦3、2≦p≦3の場合には、R1同士及びR2同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕、又は、一般式(III)

請求項

ID=000007HE=020 WI=082 LX=0640 LY=0950〔式中、q,r,s,t,u及びwは、それぞれ0≦q≦2、0≦r≦2、1≦(q+r)≦2、0≦s≦2、0≦t≦3、0≦u≦3、1≦(t+u)≦3、1≦w≦3を満たす整数であり、また、R1とR2とは、炭素数9〜20のアルキル基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、2≦(t+u)≦3、2≦w≦3の場合には、R1同士及びR2同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体

請求項2

一般式(IV)

請求項

ID=000008HE=020 WI=063 LX=0285 LY=1700〔式中、xは1≦x≦3を満たす整数であり、R1 は炭素数9〜20のアルキル基を示す。〕で表されるアルキル基置換サリチル酸と、一般式(V)

請求項

ID=000009HE=020 WI=061 LX=0295 LY=2100〔式中、yは1≦y≦3を満たす整数であり、R2 は炭素数9〜20のアルキル基を示す。〕で表されるアルキル基置換フェノールとを無触媒あるいは触媒の存在下で反応させることを特徴とする請求項1記載の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体の製造方法。

請求項3

一般式(VI)

請求項

ID=000010HE=020 WI=063 LX=1185 LY=1150〔式中、m及びoはそれぞれ1≦m≦2、1≦o≦3を満たす整数であり、R1は炭素数9〜20のアルキル基を示す。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシ安息香酸と、一般式(VII)

請求項

ID=000011HE=020 WI=069 LX=1155 LY=1600〔式中、n及びpはそれぞれ0≦n≦2、1≦p≦3を満たす整数であり、R2は炭素数9〜20のアルキル基を示す。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシベンゼンとを無触媒あるいは触媒の存在下で反応させることを特徴とする請求項1記載の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体の製造方法。

請求項4

一般式(VIII)

請求項

ID=000012HE=020 WI=072 LX=1140 LY=2200〔式中、q,r,t及びuはそれぞれ0≦q≦2、0≦r≦2、1≦(q+r)≦2、0≦t≦3、0≦u≦3、1≦(t+u)≦3、を満たす整数であり、R1 は炭素数9〜20のアルキル基を示し、2≦(t+u)≦3の場合には、R1同士は同一であっても異なっていてもよい。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシナフトエ酸と、一般式(IX)

請求項

ID=000013HE=020 WI=067 LX=0265 LY=0300〔式中、s及びwはそれぞれ0≦s≦2、1≦w≦3を満たす整数であり、R2は炭素数9〜20のアルキル基を示す。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシベンゼンとを無触媒あるいは触媒の存在下で反応させることを特徴とする請求項1記載の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、従来の金属型清浄剤に替わる高温定性に優れる無灰型清浄剤として有用な置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体、及び該エステル誘導体を効率よく製造する方法に関するものである。

背景技術

0002

従来の無灰型分散剤には、一般にコハク酸イミド系,ヒドロオキシベンジルアミン系マンニッヒ塩基)などがあり、その顕著な微粒子分散作用が重視されて、ガソリンディーゼルエンジン油などの添加剤として広範に使用されている。そして、これらはジアルキルジチオリン酸亜鉛や金属型清浄剤との相乗効果も認められ、極めて重要な潤滑剤用添加剤の一つとなっている。しかしながら、近年、高温における安定性(高温清浄性)が充分でないことが度々指摘されている。

0003

従来の内燃機関用潤滑油は、通常、基油ポリブテニルコハク酸イミドなどの無灰型分散剤、アルカリ土類金属スルホネートフェネートなどの金属型清浄剤及びアルキルジチオリン酸亜鉛などの耐摩耗剤などとから構成されているが、燃焼により添加剤成分中の金属分酸化物硫酸塩などとして生成し、環境汚染などに関与する問題がある。近年、内燃機関のうち、特に、ディーゼルエンジンにおいてパティキュレート及びNOX などの排ガス規制による環境汚染対策が重要な課題となっている。これらの対策としてのパティキュレートトラップ及びNOX除去触媒などの排ガス浄化装置があるが、従来の内燃機関用潤滑油では燃焼により生成した金属酸化物硫化物などによる閉塞の問題があるため、これら金属酸化物や硫化物などの排出を最小限に抑制可能な内燃機関用潤滑油が要求されている。

0004

また、将来の排気ガス対策の一つの解決手段として、メタノールエンジンが着目されている。ディーゼルエンジンでは、噴射ポンプにより軽油をエンジン内に噴霧するが、ポンプ内の潤滑は軽油自身による自己潤滑である。これに対して、メタノールエンジンの場合は、メタノール自体の潤滑性が低いため、エンジンオイルを噴射ポンプ内に注入するのが通常である。その場合、メタノールとエンジンオイルとの相溶性が悪いために、添加剤がメタノール中に析出し、特に、金属型清浄剤では、カルシウムなどの金属成分がノズル噴射口を詰まらせるという問題があり、これらの金属成分を最小限に抑制した内燃機関用潤滑油が要求されている。このような将来の排気ガス対策として、例えば、潤滑油基油に対し、(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルカルボン酸アルキルエステル、コハク酸イミド系の無灰型分散剤及び無灰型酸防止剤を配合した無灰型潤滑油組成物が提案されている(特開平4−353598号公報)。しかしながら、この組成物においては、高温安定性(高温清浄性)を充分に満足させることができないという問題がある。一方、米国特許第4,098,708 号明細書においては、少なくとも炭素数約10のアルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル及びその誘導体を、潤滑油及び燃料油用の分散剤として提案している。そして、該エステルの適切なアルコール成分として、一価又は多価の炭化水素アルコールを挙げており、その具体例としてクレゾールなどの置換フェノール類が挙げられている。しかしながら、このエステルの場合も、同様に高温安定性(高温清浄性)については充分に満足しうるものではない。そして、東独特許第268933号明細書においては、炭素数1〜14のアルキル置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸のアルキルフェノールエステルの製造法が提案されている。その実施例には、該エステルの具体的なアルキル基としては、イソブチル基エチルフェニル基などが挙げられている。さらに、CA.Re.No.19310−46−4には、5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)サリチル酸p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニルエステルが提案されている。しかしながら、これらの炭素数8以下のエステルの場合にも、同様に高温安定性(高温清浄性)については充分に満足しうるものではない。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、このような従来技術が有する欠点を克服し、将来の排ガス規制に対応したとりわけディーゼルエンジン用オイル及びメタノールエンジン用オイルに好適に用いられる高温安定性(高温清浄性)に優れる潤滑剤用添加剤(無灰型清浄剤)として有用な置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体、及び該エステル誘導体を効率よく製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のアルキル基置換サリチル酸,アルキル基置換ヒドロキシ安息香酸又はアルキル基置換ヒドロキシナフトエ酸と、特定のアルキル基置換ヒドロキシベンゼンとを反応させて得られる置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体は、新規化合物であり、しかも高温安定性(高温清浄性)に優れる潤滑剤用添加剤(無灰型清浄剤)として有用であることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、一般式(I)

0007

ID=000014HE=020 WI=078 LX=0210 LY=0600
〔式中、x及びyはそれぞれ1≦x≦3、1≦y≦3を満たす整数であり、また、R1とR2とは、炭素数9〜20のアルキル基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、2≦x≦3、2≦y≦3の場合には、R1同士及びR2同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕、一般式(II)

0008

ID=000015HE=020 WI=076 LX=1120 LY=0400
〔式中、m,n,o及びpはそれぞれ1≦m≦2、0≦n≦2、2≦(m+n)≦4、1≦o≦3、1≦p≦3を満たす整数であり、また、R1とR2とは、炭素数9〜20のアルキル基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、2≦o≦3、2≦p≦3の場合には、R1同士及びR2同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕、又は、一般式(III)

0009

ID=000016HE=020 WI=082 LX=0640 LY=1100
〔式中、q,r,s,t,u及びwは、それぞれ0≦q≦2、0≦r≦2、1≦(q+r)≦2、0≦s≦2、0≦t≦3、0≦u≦3、1≦(t+u)≦3、1≦w≦3を満たす整数であり、また、R1とR2とは、炭素数9〜20のアルキル基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、2≦(t+u)≦3、2≦w≦3の場合には、R1同士及びR2同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。〕で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を提供するものである。また、本発明は、一般式(IV)

0010

ID=000017HE=020 WI=063 LX=0285 LY=1900
〔式中、xは1≦x≦3を満たす整数であり、R1 は炭素数9〜20のアルキル基を示す。〕で表されるアルキル基置換サリチル酸と、一般式(V)

0011

ID=000018HE=020 WI=061 LX=0295 LY=2350
〔式中、yは1≦y≦3を満たす整数であり、R2 は炭素数9〜20のアルキル基を示す。〕で表されるアルキル基置換フェノールとを無触媒あるいは触媒の存在下で反応させること、あるいは、一般式(VI)

0012

ID=000019HE=020 WI=063 LX=1185 LY=1350
〔式中、m及びoはそれぞれ1≦m≦2、1≦o≦3を満たす整数であり、R1は炭素数9〜20のアルキル基を示す。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシ安息香酸と、一般式(VII)

0013

ID=000020HE=020 WI=069 LX=1155 LY=1850
〔式中、n及びpはそれぞれ0≦n≦2、1≦p≦3を満たす整数であり、R2は炭素数9〜20のアルキル基を示す。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシベンゼンとを無触媒あるいは触媒の存在下で反応させること、あるいは、一般式(VIII)

0014

ID=000021HE=020 WI=072 LX=1140 LY=2400
〔式中、q,r,t及びuはそれぞれ0≦q≦2、0≦r≦2、1≦(q+r)≦2、0≦t≦3、0≦u≦3、1≦(t+u)≦3を満たす整数であり、R1は炭素数9〜20のアルキル基を示し、2≦(t+u)≦3の場合には、R1同士は同一であっても異なっていてもよい。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシナフトエ酸と、一般式(IX)

0015

ID=000022HE=020 WI=067 LX=0265 LY=0550
〔式中、s及びwはそれぞれ0≦s≦2、1≦w≦3を満たす整数であり、R2は炭素数9〜20のアルキル基を示す。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシベンゼンとを無触媒あるいは触媒の存在下で反応させることを特徴とする上記一般式(I),(II)又は(III)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体の製造方法をも提供するものである。以下、本発明について詳細に説明する。

0016

本発明の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体は、一般式(I)

0017

ID=000024HE=020 WI=076 LX=1120 LY=0800
又は、一般式(III)

0018

ID=000025HE=020 WI=082 LX=0640 LY=1150
で表されるものである。

0019

上記一般式(I),(II)及び(III)において、R1 及びR2 は、それぞれ炭素数9〜20のアルキル基、好ましくは炭素数9〜18のアルキル基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、R1 及びR2 が複数ある場合には、R1同士及びR2同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。ここで、炭素数9〜20のアルキル基としては、例えば、ノニル基,デシル基ドデシル基ヘキサデシル基,オクタデシル基,エイコシル基等の炭化水素基オレフィン重合体(例えば、ポリエチレンポリプロピレンポリブテン等)から誘導される基などを挙げることができる。そして、炭素数9〜20のアルキル基は、直鎖状の炭化水素基であっても、分岐状の炭化水素基であっても良いが、低粘度のカルボン酸エステル誘導体を所望する場合には、該R1 ,R2 は実質上直鎖状の炭化水素基であることが好ましい。また、上記一般式(I)において、x及びyはそれぞれ1≦x≦3,1≦y≦3、好ましくは1≦x≦2,1≦y≦2を満たす整数であり、上記一般式(II)において、m,n,o及びpはそれぞれ1≦m≦2,0≦n≦2,2≦(m+n)≦4,1≦o≦3,1≦p≦3、好ましくは1≦m≦2,0≦n≦1,2≦(m+n)≦3,1≦o≦2,1≦p≦2を満たす整数であり、上記一般式(III)において、q,r,s,t,u及びwは、それぞれ0≦q≦2,0≦r≦2,1≦(q+r)≦2,0≦s≦2,0≦t≦3,0≦u≦3,1≦(t+u)≦3,1≦w≦3、好ましくは0≦q≦2,0≦r≦2,1≦(q+r)≦2,0≦s≦1,0≦t≦2,0≦u≦2,1≦(t+u)≦2,1≦w≦2を満たす整数である。そして、2≦(t+u)≦3、2≦w≦3の場合には、R1同士及びR2同士は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。

0020

上記一般式(I)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体の具体例としては、(ヘキサデシルサリチル酸)ヘキサデシルフェニルエステル,(テトラデシルサリチル酸)テトラデシルフェニルエステル,(ドデシルサリチル酸ドデシルフェニルエステル,(デシルサリチル酸)デシルフェニルエステル,(ノニルサリチル酸)ノニルフェニルエステル,(ヘキサデシルサリチル酸)ノニルフェニルエステル,(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸ヘキサデシルフェニルエステル,(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸ドデシルフェニルエステル,(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸デシルフェニルエステル,(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸ノニルフェニルエステルなどが挙げられる。

0021

上記一般式(II)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体の具体例としては、(ヘキサデシルサリチル酸)ヘキサデシルヒドロキシフェニルエステル,(テトラデシルサリチル酸)テトラデシルヒドロキシフェニルエステル,(ドデシルサリチル酸)ドデシルヒドロキシフェニルエステル,(デシルサリチル酸)デシルヒドロキシフェニルエステル,(ノニルサリチル酸)ノニルヒドロキシフェニルエステル,(ヘキサデシルサリチル酸)ノニルヒドロキシフェニルエステル,(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸ヘキサデシルヒドロキシフェニルエステル,(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸ドデシルヒドロキシフェニルエステル,(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸デシルヒドロキシフェニルエステル,(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸ノニルヒドロキシフェニルエステル,(ヘキサデシルジヒドロキシ安息香酸)ヘキサデシルフェニルエステル,(テトラデシルジヒドロキシ安息香酸)テトラデシルフェニルエステル,(ドデシルジヒドロキシ安息香酸)ドデシルフェニルエステル,(デシルジヒドロキシ安息香酸)デシルフェニルエステル,(ノニルジヒドロキシ安息香酸)ノニルフェニルエステル,(ヘキサデシルジヒドロキシ安息香酸)ノニルフェニルエステル,ヘキサデシルジヒドロキシ安息香酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,ドデシルジヒドロキシ安息香酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,デシルジヒドロキシ安息香酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,ノニルジヒドロキシ安息香酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,(ヘキサデシルジヒドロキシ安息香酸)ヘキサデシルヒドロキシフェニルエステル,(テトラデシルジヒドロキシ安息香酸)テトラデシルヒドロキシフェニルエステル,(ドデシルジヒドロキシ安息香酸)ドデシルヒドロキシフェニルエステル,(デシルジヒドロキシ安息香酸)デシルヒドロキシフェニルエステル,(ノニルジヒドロキシ安息香酸)ノニルヒドロキシフェニルエステル,(ヘキサデシルジヒドロキシ安息香酸)ノニルヒドロキシフェニルエステル,ヘキサデシルジヒドロキシ安息香酸(混合C11〜C15)アルキルヒドロキシフェニルエステル,ドデシルジヒドロキシ安息香酸(混合C11〜C15)アルキルヒドロキシフェニルエステル,デシルジヒドロキシ安息香酸(混合C11〜C15)アルキルヒドロキシフェニルエステル,ノニルジヒドロキシ安息香酸(混合C11〜C15)アルキルヒドロキシフェニルエステルなどが挙げられる。

0022

上記一般式(III)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体の具体例としては、(ヘキサデシルヒドロキシナフトエ酸)ヘキサデシルフェニルエステル,(テトラデシルヒドロキシナフトエ酸)テトラデシルフェニルエステル,(ドデシルヒドロキシナフトエ酸)ドデシルフェニルエステル,(デシルヒドロキシナフトエ酸)デシルフェニルエステル,(ノニルヒドロキシナフトエ酸)ノニルフェニルエステル,(ヘキサデシルヒドロキシナフトエ酸)ノニルフェニルエステル,ヘキサデシルヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,ドデシルヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,デシルヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,ノニルヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,(ヘキサデシルジヒドロキシナフトエ酸)ヘキサデシルフェニルエステル,(テトラデシルジヒドロキシナフトエ酸)テトラデシルフェニルエステル,(ドデシルジヒドロキシナフトエ酸)ドデシルフェニルエステル,(デシルジヒドロキシナフトエ酸)デシルフェニルエステル,(ノニルジヒドロキシナフトエ酸)ノニルフェニルエステル,(ヘキサデシルジヒドロキシナフトエ酸)ノニルフェニルエステル,ヘキサデシルジヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,ドデシルジヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,デシルジヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,ノニルジヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル,(ヘキサデシルヒドロキシナフトエ酸)ヘキサデシルヒドロキシフェニルエステル,(テトラデシルヒドロキシナフトエ酸)テトラデシルヒドロキシフェニルエステル,(ドデシルヒドロキシナフトエ酸)ドデシルヒドロキシフェニルエステル,(デシルヒドロキシナフトエ酸)デシルヒドロキシフェニルエステル,(ノニルヒドロキシナフトエ酸)ノニルヒドロキシフェニルエステル,(ヘキサデシルヒドロキシナフトエ酸)ノニルヒドロキシフェニルエステル,ヘキサデシルヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルヒドロキシフェニルエステル,ドデシルヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルヒドロキシフェニルエステル,デシルヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルヒドロキシフェニルエステル,ノニルヒドロキシナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルヒドロキシフェニルエステルなどが挙げられる。

0023

このような構造を有する本発明の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体は、新規な化合物であって、金属型清浄剤に替わる高温安定性(高温清浄性)に優れる無灰型清浄剤として有用であり、将来の厳しい排気ガス規制に対応したエンジンオイル、なかでもディーゼルエンジン及びメタノールエンジンオイルの潤滑剤用添加剤として好適に用いられる。

0024

次に、本発明に係る置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体は、種々の方法により製造することができるが、潤滑剤用添加剤等として優れた性能を有する置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を得るには、以下の方法により製造することが好ましい。即ち、本発明の前記一般式(I)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体は、一般式(IV)

0025

0026

〔式中、R1 及びxは前記と同じである。〕で表されるアルキル基置換サリチル酸と、一般式(V)

0027

ID=000027HE=020 WI=061 LX=0295 LY=0450
〔式中、R2 及びyは前記と同じである。〕で表されるアルキル基置換フェノールとを無触媒あるいは触媒の存在下で反応させることにより製造することができる。また、本発明の前記一般式(II)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体は、一般式(VI)

0028

ID=000028HE=020 WI=063 LX=0285 LY=1000
〔式中、R1 ,m及びoは前記と同じである。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシ安息香酸と、一般式(VII)

0029

ID=000029HE=020 WI=069 LX=0255 LY=1450
〔式中、R2 ,n及びpは前記と同じである。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシベンゼンとを無触媒あるいは触媒の存在下で反応させることにより製造することができる。さらに、本発明の前記一般式(III)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体は、一般式(VIII)

0030

ID=000030HE=020 WI=072 LX=0240 LY=2050
〔式中、R1 ,q,r,t及びuは前記と同じである。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシナフトエ酸と、一般式(IX)

0031

ID=000031HE=020 WI=067 LX=0265 LY=2500
〔式中、R2 ,s及びwは前記と同じである。〕で表されるアルキル基置換ヒドロキシベンゼンとを無触媒あるいは触媒の存在下で反応させることにより製造することができる。これらの反応において、該アルキル基置換サリチル酸,該アルキル基置換ヒドロキシ安息香酸又は該アルキル基置換ヒドロキシナフトエ酸と、該アルキル基置換ヒドロキシベンゼンの使用割合は、モル比で1:0.01〜1:3、好ましくは1:0.2〜1:1.5の範囲が望ましい。また、反応温度は、通常100〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲で選ばれる。この反応は無触媒で行ってもよいし、酸又はアルカリ触媒の存在下に行ってもよい。なお、この反応を行うに際して、溶媒、例えば、炭化水素油などを使用することができる。上記アルキル基置換サリチル酸,アルキル基置換ヒドロキシ安息香酸又はアルキル基置換ヒドロキシナフトエ酸は、例えば、アルキル基置換フェノール,アルキル基置換ヒドロキシベンゼン又はアルキル基置換ナフトールアルカリ金属塩二酸化炭素とから、公知のコルベ−シュミット反応により得られたものを、加水分解することによって製造することができる。

0032

このアルキル基置換サリチル酸としては、例えば、ノニルサリチル酸,デシルサリチル酸,ドデシルサリチル酸,ヘキサデシルサリチル酸,オクタデシルサリチル酸,エイコシルサリチル酸などが挙げられる。アルキル基置換ヒドロキシ安息香酸としては、例えば、ドデシル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸,ドデシル−2,4−ジヒドロキシ安息香酸,ドデシル−3,4−ジヒドロキシ安息香酸,,ノニル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸,ヘキサデシル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸,オクタデシル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。アルキル基置換ヒドロキシナフトエ酸としては、例えば、ノニルヒドロキシナフトエ酸,デシルヒドロキシナフトエ酸,ドデシルヒドロキシナフトエ酸,ヘキサデシルヒドロキシナフトエ酸,オクタデシルヒドロキシナフトエ酸などが挙げられる。

0033

また、アルキル基置換ヒドロキシベンゼンとしては、例えば、ノニルフェノール,デシルフェノール,ドデシルフェノール,ヘキサデシルフェノール,オクタデシルフェノール,エイコシルフェノール,ノニルジヒドロキシベンゼン,デシルジヒドロキシベンゼン,ドデシルジヒドロキシベンゼン,ヘキサデシルジヒドロキシベンゼン,オクタデシルジヒドロキシベンゼン,エイコシルジヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。なお、該アルキル基置換サリチル酸,該アルキル基置換ヒドロキシ安息香酸,該アルキル基置換ヒドロキシナフトエ酸及び該アルキル基置換ヒドロキシベンゼンにおけるアルキル基の位置については、特に制限はない。

0034

本発明の前記一般式(I),(II) 又は(III)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体は、前記したように無灰型清浄剤として有用であり、例えば、(A)成分として、該エステル誘導体を用い、これに(B)成分として、無灰型分散剤を組み合わせることにより、高温安定性(高温清浄性)に優れ、かつ微粒子分散作用を有する無灰型清浄分散剤として好適な潤滑剤用添加剤組成物を調製することができる。 ここで、上記(B)成分の無灰型分散剤については、特に制限はなく、従来公知のもの、例えば、カルボン酸イミド系,カルボン酸エステル系あるいはヒドロキシベンジルアミン系などを単独又は混合して用いることができる。そして、該カルボン酸イミド系及びカルボン酸エステル系の好ましい酸部位は、コハク酸であり、分子構造中に分子量200以上の炭化水素基を有するものが好適である。また、該炭化水素基はアルキル基又はアルケニル基であり、非炭化水素置換基及び鎖又は環中ヘテロ原子を有していてもよい。上記カルボン酸イミド系及びカルボン酸エステル系は、カルボン酸誘導体と、(1)少なくとも1つの−NH−基を有する有機窒素化合物、例えば、アミン,尿素ヒドラジンなどとの反応生成物、(2)フェノール類アルコール類のようなヒドロキシ化合物との反応生成物である。なお、影響のない範囲で、カルボン酸誘導体と反応性金属又は反応性金属化合物との反応生成物を含んでいてもよい。その他、これらの後処理生成物も有用である。後処理剤の例としては、硫黄及び硫黄化合物,尿素,チオ尿素グアニジンアルデヒドケトン,カルボン酸,炭化水素置換コハク酸無水物ニトリルエポキシド硼素化合物あるいはリン化合物などが挙げられる(これらのカルボン酸イミド系及びカルボン酸エステル系の詳細は、特公平3−60876号公報に記載されている。)。

0035

一方、ヒドロキシベンジルアミン系は、例えば、硫黄架橋フェノールやメチレン架橋フェノールなどの炭化水素置換フェノール類と、ホルムアルデヒドと、少なくとも2個の−NH−基を有する窒素化合物、例えば、ポリアミンとの反応生成物などである。本発明の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を用いた潤滑剤用添加剤組成物において、該(A)成分である一般式(I),(II) 又は(III)で表されるエステル誘導体と(B)成分である上記無灰型分散剤との配合割合は、重量比で10:90〜99:1、好ましくは15:85〜75:25の範囲にあるのが望ましい。

0036

また、鉱油及び/又は合成油からなる基油に対し、(A)成分として、本発明の前記一般式(I),(II) 又は(III)で表される置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を含有させ、さらに、場合により(B)成分として、前記無灰型分散剤を含有させることにより、ディーゼルエンジン用やメタノールエンジン用などとして好適な潤滑油組成物を調製することができる。該(A)成分及び場合により用いられる(B)成分は、基油に対し、それぞれ1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%の割合で配合するのが望ましい。ここで、上記基油として用いられる鉱油としては、パラフィン系鉱油ナフテン系鉱油芳香族系鉱油などの留分のいずれでもよく、溶剤精製水素化精製又は水素化分解などいかなる精製法を経たものでも使用することができる。また、合成油としては、ポリフェニルエーテルアルキルベンゼンアルキルナフタレンエステル系グリコール系又はポリオレフィン系の合成油などを使用することができる。そして、潤滑油留分として、動粘度(100℃)は通常1〜50cSt、好ましくは3〜10cStの範囲である。

0037

前記エステル系合成油としては、一塩基酸又は二塩基酸などとアルコールとのエステル、例えば、炭素数6〜16の二塩基酸と炭素数5〜20の直鎖状又は分岐状アルコールを反応させて得られるエステルからなる合成油を使用することができる。特に、アジピン酸エステル,セバチン酸エステル,アゼライン酸エステルトリメチロールプロパンエステルトリメチロールエタンエステル,ペンタエリスリトールエステルネオペンチルグリコールエステルなどが好ましい。そして、前記ポリオレフィン系合成油としては、エチレンプロピレンブチレンオクテンデセンドデセンなどの低級オレフィンの低重合又は共重合による液状生成物,それらの混合物及びこれらの水素化精製物が適当である。また、二塩基酸,グリコール及び一塩基酸などからなる複合エステルα−オレフィン・二塩基酸共重合体エステルも使用することができる。

0038

本発明の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を用いた潤滑油組成物において、基油としては、前記鉱油を一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記合成油を一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、該鉱油一種以上と該合成油一種以上とを組み合わせて用いてもよい。 上記の潤滑油組成物には、前記成分の他に、必要に応じて、従来の潤滑油組成物に慣用されている各種添加成分、例えば、酸化防止剤防錆剤消泡剤粘度指数向上剤流動点降下剤,耐摩耗剤,抗乳化剤,金属型清浄剤などを適量配合することができる。そして、本発明の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を用いた潤滑油組成物は、例えば、内燃機関用潤滑油,ギヤ油軸受油変速機油ショックアブソーバー油工業用潤滑油などとして使用できるが、特に、内燃機関用(ディーゼルエンジン用やメタノールエンジン用など)潤滑油組成物として有用である。

0039

更に、実施例及び比較例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
参考例1
リットルオートクレーブ中に、ポリブテン(Mw:987)1100g、臭化セチル6.4g(0.021モル)及び無水マレイン酸115g(1.2モル)を入れ、窒素置換し、240℃で5時間反応させた。215℃に降温し、未反応の無水マレイン酸と臭化セチルを減圧留去し、140℃に降温してろ過した。得られたポリブテニル無水コハク酸の収量は1099gであった。次いで、2リットルセパラブルフラスコ中に、得られたポリブテニル無水コハク酸500g、テトラエチレンペンタミン〔TEPA:東ソー(株)製〕64g(0.34モル)及び鉱油300gを入れ、窒素気流下150℃で2時間反応させた。200℃に昇温し、未反応のTEPAと生成水を減圧留去し、140℃に降温してろ過した。得られたポリブテニルコハク酸イミドの収量は784gであった。さらに、500ミリリットルセパラブルフラスコ中に、得られたポリブテニルコハク酸イミド240gと硼酸28gを入れ、窒素気流下150℃で4時間反応させた。150℃で生成水を減圧留去し、140℃に降温してろ過した。得られた反応生成物の収量は231gであった。

0040

実施例1
リットルフラスコに、ヘキサデシルフェノール(1−ヘキサデセンとフェノールとの反応物)319g(1モル)とキシレン200gを入れ、均一になるように攪拌した。70℃に加熱し、48重量%NaOH水溶液80gを入れ、窒素気流下で2時間キシレンを還流して水を留去した。反応液を1リットルオートクレーブに移し、二酸化炭素で10kg/cm2 Gに加圧して155℃で1時間反応させた。80℃に降温し、2リットルフラスコに移し、キシレン120gを入れて均一になるように攪拌した。さらに、20重量%硫酸250gを30分かけて添加し、1時間反応させた。この反応液を水洗し、相分離した後、ろ過してキシレンを留去した。得られた反応物の収量は312gであった。次いで、500ミリリットルフラスコ中に、得られた反応物300gとヘキサデシルフェノール100gを入れ、窒素気流下250℃で5時間反応させ、250℃で生成水とヘキサデシルフェノールを減圧留去した。得られた反応生成物の収量は195gであった。

0041

この生成物は、電解脱離イオン化質量分析プロトン核磁気共鳴分光、及びカーボン−13核磁気共鳴分光の結果より、下記の式(X)及び(XI)で表される化合物の混合物であることが確認された。これら式(X)及び(XI)で表される化合物の比率は、液体クロマトグラフ分析検出器示差屈折計)の結果より、式(X)の化合物が78面積%及び式(XI)の化合物が22面積%であることが確認された。液体クロマトグラフにより分取した式(X)で表される化合物の電解脱離イオン化質量分析、プロトン核磁気共鳴分光、及びカーボン−13核磁気共鳴分光の結果を、それぞれ図1図2及び図3に示す。
式(X):(ヘキサデシルサリチル酸)ヘキサデシルフェニルエステル

0042

0043

式(XI):(ヘキサデシルヒドロキシベンゼンジカルボン酸ビス(ヘキサデシルフェニル)エステル

0044

0045

実施例2
実施例1において、ヘキサデシルフェノールの代わりに炭素数11,12,13,14,15の混合アルキルフェノール(プロピレンオリゴマーとフェノールとの反応物)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。この生成物は、液体クロマトグラフにより分取した化合物より、下記の式(XII) (式中、R1 及びR2 は炭素数11〜15のアルキル基を示す。)で表される混合物であった。そして、電解脱離イオン化質量分析の結果を、図4に示す。
式(XII) :(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル

0046

0047

実施例3
実施例1において、ヘキサデシルフェノールの代わりにノニルフェノール(プロピレンオリゴマーとフェノールとの反応物)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。この生成物は、液体クロマトグラフにより分取した化合物より、下記の式(XIII)で表される化合物であった。そして、電解脱離イオン化質量分析、プロトン核磁気共鳴分光、及びカーボン−13核磁気共鳴分光の結果を、それぞれ図5図6及び図7に示す。
式(XIII):(5−ノニルサリチル酸)p−ノニルフェニルエステル

0048

0049

実施例4
実施例1において、ヘキサデシルフェノールの代わりに炭素数11,12,13,14,15の混合アルキルフェノール(プロピレンオリゴマーとフェノールとの反応物)を用いた以外は、実施例1と同様にして行い、反応物を精製してアルキルサリチル酸(アルキル基は炭素数が11〜15の範囲である。)を得た。このアルキルサリチル酸とドデシルカテコール(1−ドデセンとカテコールとの反応物)とを実施例1と同様にして反応させて生成物を得た。この生成物は、液体クロマトグラフにより分取した化合物より、下記の式(XIV)(式中、R1 は炭素数11〜15のアルキル基を示す。)で表される混合物であった。そして、電解脱離イオン化質量分析の結果を、図8に示す。
式(XIV):(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸ドデシル−2−ヒドロキシフェニルエステル

0050

0051

実施例5
実施例1において、ヘキサデシルフェノールの代わりにドデシルカテコール(1−ドデセンとカテコールとの反応物)を用いた以外は、実施例1と同様にして行い、反応物を精製してドデシル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸を得た。このドデシル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸と炭素数11,12,13,14,15の混合アルキルフェノール(プロピレンオリゴマーとフェノールとの反応物)とを実施例1と同様に反応させて生成物を得た。この生成物は、液体クロマトグラフにより分取した化合物より、下記の式(XV)(式中、R2 は炭素数11〜15のアルキル基を示す。)で表される混合物であった。そして、電解脱離イオン化質量分析の結果を、図9に示す。
式(XV):ドデシル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル

0052

0053

実施例6
実施例1において、ヘキサデシルフェノールの代わりにドデシル−1−ナフトール(1−ドデセンと1−ナフトールとの反応物)を用いた以外は、実施例1と同様にして行い、反応物を精製してドデシル−1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を得た。このドデシル−1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸と炭素数11,12,13,14,15の混合アルキルフェノール(プロピレンオリゴマーとフェノールとの反応物)とを実施例1と同様に反応させて生成物を得た。この生成物は、液体クロマトグラフにより分取した化合物より、下記の式(XVIa)及び/又は式(XVIb)(式中、R2 は炭素数11〜15のアルキル基を示す。)で表される混合物であった。そして、電解脱離イオン化質量分析の結果を、図10に示す。
式(XVIa):ドデシル−1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル

0054

ID=000038HE=020 WI=078 LX=1110 LY=1750
式(XVIb):ドデシル−1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステル

0055

0056

比較例1
実施例1において、ヘキサデシルフェノールの代わりにドデシルフェノール(プロピレンオリゴマーとフェノールとの反応物)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、さらに精製して5−ドデシルサリチル酸を得た。この5−ドデシルサリチル酸とp−クレゾールとを実施例1と同様にして反応させた。この生成物は、下記の式(XVII)で表される化合物であった。

0057

0058

比較例2
5−オクチルサリチル酸とp−オクチルフェノールとを、実施例1と同様にして反応させた。この生成物は、下記の式(XVIII) で表される化合物であった。

0059

0060

比較例3
5−t−ブチルサリチル酸とp−t−ブチルフェノールとを、実施例1と同様にして反応させた。この生成物は、下記の式(XIX)で表される化合物であった。

0061

0062

応用例1〜9
(1)潤滑剤用添加剤組成物(無灰型清浄分散剤)の調製
参考例1で得られた無灰型分散剤(硼酸処理ポリブテニルコハク酸イミド)75重量%と、実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた式(X),(XII) ,(XIII),(XIV) ,(XV),(XVI) ,(XVII),(XVIII) 及び (XIX)で表される各置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体25重量%とを配合し、潤滑剤用添加剤組成物を調製した。

0063

(2)潤滑油組成物の調製
500ニュートラル留分の鉱油に、上記(I)で得られた潤滑剤用添加剤組成物10重量%(フェノールエステル誘導体2.5重量%,無灰型分散剤7.5重量%)を配合し、潤滑油組成物を調製した。この潤滑油組成物の性能を下記のホットチューブ試験により評価した。その結果を第1表に示す。

0064

〔ホットチューブ試験条件〕内径2mmのガラス管中に供試油0.3ミリリットル/hr,空気10ミリリットル/minをガラス管の温度を310℃に保ちながら16時間流し続けた。ガラス管中に付着したラッカー色見本とを比較し、透明の場合は10点、黒の場合は0点として評点を付けるとともに、ガラス管中に付着したラッカーの重量を測定した。評点が高いほど、また、ラッカー重量が少ないほど高性能であることを示す。

0065

0066

第1表から分かるように、本発明の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体と無灰型分散剤とからなる潤滑剤用添加剤組成物を使用した応用例1〜6の潤滑油組成物は、比較例のエステル誘導体を用いた応用例7〜9の潤滑油組成物に比べて、ホットチューブ試験で良好な成績を示し、優れた高温安定性(高温清浄性)を有していた。

発明の効果

0067

本発明の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体は新規な化合物であって、高温安定性(高温清浄性)に優れる無灰型清浄剤として有用である。該エステル誘導体と無灰型分散剤とからなる潤滑剤用添加剤組成物は、高温安定性(高温清浄性)に優れ、かつ微粒子分散作用を有する無灰型清浄分散剤として好適である。また、本発明の置換ヒドロキシ芳香族カルボン酸エステル誘導体を用いた潤滑油組成物は、無灰型として、特に、将来の排ガス規制対応のディーゼルエンジン油及びメタノールエンジン油などに好適に用いられる。

図面の簡単な説明

0068

図1実施例1で得られた(ヘキサデシルサリチル酸)ヘキサデシルフェニルエステルの電解脱離イオン化質量分析結果を示すチャートである。
図2実施例1で得られた(ヘキサデシルサリチル酸)ヘキサデシルフェニルエステルのプロトン核磁気共鳴分光結果を示すチャートである。
図3実施例1で得られた(ヘキサデシルサリチル酸)ヘキサデシルフェニルエステルのカーボン−13核磁気共鳴分光結果を示すチャートである。
図4実施例2で得られた(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステルの電解脱離イオン化質量分析結果を示すチャートである。
図5実施例3で得られた(5−ノニルサリチル酸)p−ノニルフェニルエステルの電解脱離イオン化質量分析結果を示すチャートである。
図6実施例3で得られた(5−ノニルサリチル酸)p−ノニルフェニルエステルのプロトン核磁気共鳴分光結果を示すチャートである。
図7実施例3で得られた(5−ノニルサリチル酸)5−ノニルフェニルエステルのカーボン−13核磁気共鳴分光結果を示すチャートである。
図8実施例4で得られた(混合C11〜C15)アルキルサリチル酸−ドデシル−2−ヒドロキシフェニルエステルの電解脱離イオン化質量分析結果を示すチャートである。
図9実施例5で得られたドデシル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステルの電解脱離イオン化質量分析結果を示すチャートである。
図10実施例6で得られたドデシル−1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(混合C11〜C15)アルキルフェニルエステルの電解脱離イオン化質量分析結果を示すチャートである。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ