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技術 プロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネル

出願人 ソニー株式会社
発明者 猪野益充西原静夫門田久志小林三輝也
出願日 1993年11月30日 (27年1ヶ月経過) 出願番号 1993-329910
公開日 1995年6月16日 (25年6ヶ月経過) 公開番号 1995-152021
状態 特許登録済
技術分野 液晶1(応用、原理) 液晶4(光学部材との組合せ) 液晶4(光学部材との組合せ)
主要キーワード 漬用容器 無反射状態 戻り反射光 反射抑制膜 戻り反射 反射抑制層 補強膜 反射抑制効果
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年6月16日)のものです。
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図面 (13)

目的

構成

プロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルは光源が位置する入射側と、投影光学系が位置する出射側との間に組み込まれる。液晶表示パネルは入射側の透明対向基板1と、出射側の透明駆動基板2と、両基板の間に保持された液晶3とからなる積層構造を有する。透明駆動基板2の内表面には透明画素電極4と、入射光16に対し遮光されたスイッチング素子5とが集積的に形成されている。透明駆動基板2の外表面側には反射抑制層17が配置されており、入射光16の戻り反射20を制限する。この反射抑制層17は透明駆動基板2の外表面に直接形成されており、その屈折率が透明駆動基板2の屈折率よりも小さい。

概要

背景

アクティブマトリクス液晶表示パネルはその応用範囲が拡大されており、例えば投射型の液晶プロジェクタに応用されている。図11を参照して従来の液晶プロジェクタの一般的な構成を簡潔に説明する。液晶プロジェクタは、光軸110に沿って光源101と透過型の液晶表示パネル102と投影光学系103とを順に配列した構造を有する。光源101を構成するランプ104から発した入射光リフレクタ105によって、後方放射される成分が前方に集められ、コンデンサレンズ106に入射する。コンデンサレンズ106は光をさらに集中して入射側偏光板107を介し液晶表示パネル102へ導光する。導かれた光はシャッタあるいはライトバルブの機能を有する液晶表示パネル102及び出射側偏光板108により画像に変換される。表示された画像は投影光学系103を介してスクリーン109上に拡大投影される。なお、光源101とコンデンサレンズ106の間にはフィルタ114が挿入されており、光源光に含まれる不要な赤外線及び紫外線を除去する。

概要

プロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルに組み込まれるスイッチング素子光リークを抑制する。

プロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルは光源が位置する入射側と、投影光学系が位置する出射側との間に組み込まれる。液晶表示パネルは入射側の透明対向基板1と、出射側の透明駆動基板2と、両基板の間に保持された液晶3とからなる積層構造を有する。透明駆動基板2の内表面には透明画素電極4と、入射光16に対し遮光されたスイッチング素子5とが集積的に形成されている。透明駆動基板2の外表面側には反射抑制層17が配置されており、入射光16の戻り反射20を制限する。この反射抑制層17は透明駆動基板2の外表面に直接形成されており、その屈折率が透明駆動基板2の屈折率よりも小さい。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
5件

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請求項1

光源が位置する入射側と、投影光学系が位置する出射側との間に組み込まれるプロジェクタアクティブマトリクス液晶表示パネルであって、入射側の透明対向基板と、出射側の透明駆動基板と、両基板の間に保持された液晶とからなる積層構造を有し、該透明駆動基板の内表面には透明画素電極と、入射光に対し遮光されたスイッチング素子とが集積的に形成されており、該透明駆動基板の外表面側には入射光の戻り反射を制限する反射抑制層が配置している事を特徴とするプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネル。

請求項2

前記反射抑制層は、該透明駆動基板の外表面に直接形成された反射抑制膜からなりその屈折率が該透明駆動基板の屈折率よりも小さい事を特徴とするプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネル。

請求項3

前記反射抑制膜は多層構造を有している事を特徴とする請求項2記載のプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネル。

請求項4

前記反射抑制膜は透明有機膜からなる事を特徴とする請求項2記載のプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネル。

請求項5

前記透明有機膜は浸漬により形成された塗布膜からなり、該透明駆動基板及び透明対向基板からなる積層構造全体を被覆している事を特徴とする請求項4記載のプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネル。

請求項6

前記塗布膜は該透明駆動基板の外表面に沿って一部切り欠かれている事を特徴とする請求項5記載のプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネル。

請求項7

前記反射抑制層は、該透明駆動基板の外表面に貼着された偏光板の表面に形成された反射抑制膜からなる事を特徴とする請求項1記載のプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネル。

請求項8

前記偏光板はプリポラライザである事を特徴とする請求項7記載のプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネル。

技術分野

0001

本発明は、光源が位置する入射側と、投影光学系が位置する出射側との間に組み込まれるプロジェクタアクティブマトリクス液晶表示パネルに関する。より詳しくは、アクティブマトリクス液晶表示パネルに形成される薄膜トランジスタ等からなるスイッチング素子光リーク電流防止構造に関する。

背景技術

0002

アクティブマトリクス液晶表示パネルはその応用範囲が拡大されており、例えば投射型の液晶プロジェクタに応用されている。図11を参照して従来の液晶プロジェクタの一般的な構成を簡潔に説明する。液晶プロジェクタは、光軸110に沿って光源101と透過型の液晶表示パネル102と投影光学系103とを順に配列した構造を有する。光源101を構成するランプ104から発した入射光リフレクタ105によって、後方放射される成分が前方に集められ、コンデンサレンズ106に入射する。コンデンサレンズ106は光をさらに集中して入射側偏光板107を介し液晶表示パネル102へ導光する。導かれた光はシャッタあるいはライトバルブの機能を有する液晶表示パネル102及び出射側偏光板108により画像に変換される。表示された画像は投影光学系103を介してスクリーン109上に拡大投影される。なお、光源101とコンデンサレンズ106の間にはフィルタ114が挿入されており、光源光に含まれる不要な赤外線及び紫外線を除去する。

発明が解決しようとする課題

0003

図12を参照してプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネル102の構造を簡潔に説明する。この表示パネルは入射側の透明対向基板201と、出射側の透明駆動基板202と、両基板の間に保持された液晶203とからなる積層構造を有する。透明駆動基板202の内表面には透明画素電極204とスイッチング素子205とが集積的に形成されている。スイッチング素子205は薄膜トランジスタからなりシールド膜213により入射光206から遮光されている。一方透明対向基板201の内表面にはブラックマスク207が形成されており、透明駆動基板202側の画素電極204に整合した開口208を有している。ブラックマスク207の上には絶縁膜209を介して対向電極210が形成されている。

0004

一般に液晶プロジェクタでは十分に輝度の高い投影画像を得る為、光源101は100万LUX 程度の光量を放射する。ここで液晶表示パネルがスイッチング素子205として薄膜トランジスタを使用している場合、強度の極めて高い入射光206により光リーク電流が発生し、クロストークコントラストの低下が生じるという課題がある。薄膜トランジスタ205は光に対して敏感な半導体薄膜211を素子領域として用いている。この素子領域は入射側に対してシールド膜213により光学的に遮閉されている。しかしながら、透明駆動基板202の外表面212で反射される成分は裏側から半導体薄膜211に入射するのでシールド膜213だけでは光リーク電流を抑制できない。この裏面反射は透明駆動基板202と空気との屈折率の相異により生じる。又、従来のプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルでは、入射側に位置する透明対向基板201の内表面にブラックマスク207を設けている。光の入射角度を考慮してブラックマスク207の開口208を狭くする事により、スイッチング素子205には極力入射光が直接照射されない様にして光リークを防止している。しかしながら高輝度画像を得る為、大光量の光を入射すると、ブラックマスク207の開口部208を通過した光が、前述した様に透明駆動基板202の外表面212で反射され、薄膜トランジスタに光が回り込みリーク電流が発生して十分なコントラストが得られなかった。

0005

なお、特開昭58−209720号公報には液晶表示パネルの外表面に反射防止膜を形成する技術が開示されている。この反射防止膜はガラス基板の外表面又は偏光板の外表面に成膜される。しかしながら、この反射防止膜は単に外光反射の防止を目的としており、直視型液晶表示パネル視認性を改善する為のものである。従って、プロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルに固有戻り反射に起因する光リーク抑制とは何ら関連していない。

課題を解決するための手段

0006

上述した従来の技術の課題を解決する為以下の手段を講じた。即ち、本発明は一般的に光源が位置する入射側と、投影光学系が位置する出射側との間に組み込まれるプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルに適用される。本液晶表示パネルは入射側の透明対向基板と、出射側の透明駆動基板と、両基板の間に保持された液晶とからなる積層構造を有する。透明駆動基板の内表面には透明画素電極と、入射光に対し遮光されたスイッチング素子とが集積的に形成されている。本発明の特徴事項として、透明駆動基板の外表面側には入射光の戻り反射を制限する反射抑制層が配置している。前記反射抑制層は、例えば該透明駆動基板の外表面に直接形成された反射抑制膜からなる。その屈折率は透明駆動基板の屈折率よりも小さい。前記反射抑制膜は単層構造でも良いが、可視光波長全体に渡って反射を抑制する為多層構造を採用しても良い。前記反射抑制膜は透明無機膜を採用できるが、好ましくは透明有機膜が良い。透明有機膜は例えば浸漬により形成された塗布膜からなり透明駆動基板及び透明対向基板からなる積層構造全体を被覆する事ができる。この場合前記塗布膜は透明駆動基板の外表面に沿って一部切り欠かれており搬送の便に供している。

0007

前記反射抑制層は透明駆動基板の外表面に直接形成する代わりに、透明駆動基板の外表面に貼着された偏光板の表面に形成された反射抑制膜としても良い。反射抑制膜の形成される偏光板は場合によってプリポラライザであっても良い。

0008

本発明によれば、出射側に位置する透明駆動基板の外表面側に反射抑制層を設け、透明駆動基板内で発生する入射光の戻り反射を防ぐ様にしている。これにより、薄膜トランジスタの光リーク電流を抑制でき、プロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルのクロストークやコントラスト低下を防止している。反射抑制層の屈折率をD1とし、透明駆動基板の屈折率をD2とし、空気の屈折率をD3とすると、(D1)2 =D2×D3の関係を持つ時無反射状態に近い条件が得られる。又反射抑制層の厚みdは、D1×d=(λ/4)×nの関係を満たす時無反射状態に近い条件が得られる。但しλは入射光波長であり、nは奇数を表わし通常1に設定される。

0009

下図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明する。図1は本発明にかかるプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルの第1実施例を示す模式的な部分断面図である。本液晶表示パネルは透過型であり、入射側の透明対向基板1と、出射側の透明駆動基板2と、両基板の間に保持された液晶3とからなる積層構造を有する。透明駆動基板2の内表面には透明画素電極4と、入射光に対し遮光されたスイッチング素子5とが集積的に形成されている。本例ではスイッチング素子5は薄膜トランジスタからなり、ポリシリコン等の半導体薄膜6を素子領域として用いている。半導体薄膜6の上にはゲート絶縁膜7を介してゲート電極Gがパタニング形成されている。ゲート電極Gの直下にはチャネル領域Chが設けられ、その両側にはドレイン領域Dとソース領域Sが設けられる。かかる構成を有する薄膜トランジスタは第1層間絶縁膜8により被覆されている。第1層間絶縁膜8の上には金属アルミニウム等からなる配線電極9がパタニング形成されており、薄膜トランジスタのソース領域Sと電気接続している。この配線電極9はシールド膜も兼ねており、薄膜トランジスタの素子領域を入射光から遮閉している。配線電極9の表面は第2層間絶縁膜10により被覆されている。前述した透明画素電極4は第2層間絶縁膜10の上に形成されており、コンタクトホールを介して薄膜トランジスタのドレイン領域Dに電気接続している。透明画素電極4の表面は配向膜11により被覆されている。

0010

一方透明対向基板1の内表面にはブラックマスク12が形成されており、透明画素電極4と整合する開口13を有している。ブラックマスク12は金属材料からなる。その上には絶縁膜15を介して対向電極14が全面的に形成されている。場合によってはカラーフィルタ膜が設けられておりカラー表示が可能になっている。対向電極14は配向膜11により被覆されている。

0011

本発明の特徴事項として透明駆動基板2の外表面側には入射光16の戻り反射を制限する反射抑制層17が配置している。本例では反射抑制層17は、透明駆動基板2の外表面に直接形成された反射抑制膜からなり、その屈折率が透明駆動基板2の屈折率よりも小さい。なお同一の組成を有する反射抑制膜18が、透明対向基板1の外表面にも直接形成されている。反射抑制層17を設ける事により、入射光16は殆ど無反射状態で出射光19となる。透明駆動基板2の外表面によって戻り反射される成分20は殆ど皆無であり、薄膜トランジスタの素子領域が背面から照明を受ける惧れはない。これにより薄膜トランジスタの光リークが抑制でき、液晶表示パネルのコントラスト低下やクロストークを防ぐ事ができる。

0012

次に図2を参照して反射抑制膜の成膜方法を説明する。本例では反射抑制膜は透明有機膜からなる。この透明有機膜は浸漬により形成された塗布膜である。図2は浸漬処理を行なう前の液晶表示パネルを表わしており、理解を容易にする為平面形状並びに側面形状を同時に示している。液晶表示パネルは透明対向基板1と透明駆動基板2をシール材25により貼り合わせた積層構造を有している。液晶表示パネルの中央部は表示領域となり、これを囲む様にシール材25が配設される。又、透明駆動基板2の露出した端部には熱圧接部21を介して外部接続用フレキシブルケーブル22が取り付けられている。このフレキシブルケーブル22は浸漬処理の際液晶表示パネルの搬送に用いる事ができる。

0013

一方浸漬用容器23には液状の透明有機材料24が収容されている。この透明有機材料24中に液晶表示パネルの全体を浸漬する。所定時間経過後液晶表示パネルを空気中に引き出し焼成処理を行なう。これにより反射抑制膜となる有機材料の固体化を図る。

0014

図3は浸漬処理及び焼成処理の後における液晶表示パネルの平面形状並びに側面形状を表わしている。図示する様に透明駆動基板2及び透明対向基板1からなる積層構造全体が塗布膜により被覆されている。この塗布膜は焼成処理により所望の硬度が得られ、機械的なストレスに耐えられる様になる。塗布膜のうち透明駆動基板2の外表面に成膜された部分が反射抑制層17になる。同時に透明対向基板1の外表面にも反射抑制膜18が設けられる事になる。好ましくは、塗布膜は透明駆動基板2の外表面に沿って一部切り欠かれている。後工程における取り扱いでは、この切り欠き部を使って液晶表示パネルの搬送を行なう。この為、透明駆動基板の外表面に対して機械的な損傷を与える惧れは殆どない。

0015

上記の様にして成膜された塗布膜は同時に保護膜及び補強膜としての機能を有する。液晶表示パネルに接続されたフレキシブルケーブル22は塗布膜により熱圧接部分21が覆われる事になる。これにより接続箇所機械的強度が向上し、且つ接続箇所からの水分の侵入を防ぐ事もできる。結果的に液晶表示パネルの信頼性の向上につながる。液晶表示パネルの端面においても塗布膜が薄い層を形成しておりシール部の防水性を確保する事ができる。なお浸漬処理により成膜可能な透明有機材料としては、例えば日本合成ゴム製品であるJSSを用いる事ができる。これはアクリル系の有機材料である。同じく日本合成ゴムの製品であるHRCを用いる事ができる。これは感光性を有するアクリル系の有機材料である。感光性を有する場合には焼成処理に代えて露光処理により塗布膜の硬化が可能になる。さらには東ソーの製品であるS001,S010を用いる事もできる。これらは感光性を有するスチレン系の有機材料である。

0016

図4を参照して反射抑制層の他の成膜方法を説明する。本例では、薄膜トランジスタや透明画素電極を集積的に形成した後、透明駆動基板の裏面側に真空蒸着法により透明無機膜からなる反射抑制層を形成している。なお、本例では、多数個どりを行なう為、透明駆動基板は大判ウエハ31を用いている。このウエハ31は固定治具32により支持された状態で、裏面側に透明無機膜が真空蒸着される。しかしながらウエハ31を取り外す際裏面側にきず36が発生する惧れがある。これに対して前述した浸漬法により透明有機膜を形成する場合にはきずが発生する惧れが少ない。

0017

図5はウエハ31の搬送状態を表わす模式図である。一般にウエハ31は搬送ローラ33により搬送される。この時反射抑制膜が形成されたウエハ31の裏面に搬送ローラが当接する為きず34が発生する惧れがある。これに対して前述した浸漬法ではフレキシブルケーブルを接続した後反抑制膜を形成している。従って後工程ではフレキシブルケーブルを搬送用に用いる事ができ、きず発生の惧れが少ない。

0018

図6はウエハ31を個々の透明駆動基板に分離する切断工程を表わしている。基板切断時治具バリ基板破片が発生しきず35の原因となる。これに対し前述した浸漬法では、液晶表示パネルを組み立てた後反射抑制層を形成するのできずが発生する惧れが少ない。

0019

図7は入射光波長と反射率との関係を示すグラフである。なお、反射率は透明駆動基板の裏面から戻り反射される光量を出射光に対する比率で表わしたものである。即ち、反射率が0%の時は入射光は完全に無反射の状態で出射光となる。透明駆動基板の裏面に透明有機膜からなる反射抑制膜を形成した場合には、カーブAに示す様に戻り光反射率は可視光波長領域(400nm〜700nm)に渡って0.5%程度であり、戻り反射は略完全に抑制されている事がわかる。なお本例では透明有機膜として日本合成ゴムの製品であるJSS−451を用いた。この有機材料の屈折率は1.3であり、反射抑制膜の膜厚は106nmに設定した。一方何ら反射抑制層を設けない場合にはカーブBで示す様に可視光波長領域に渡って反射率が3.5%程度である。液晶プロジェクタの場合には強い入射光が用いられるので、3.5%程度の戻り反射であっても画像品位に影響を与える薄膜トランジスタの光リーク電流が発生する。又カーブCはSiNを透明駆動基板の裏面に直接成膜した場合における戻り反射率を示している。なおSiNの屈折率は2.0程度であり膜厚は70nmに設定した。この場合には戻り反射率は20%程度に達し何ら反射抑制効果が得られない。以上の説明から理解される様に、透明駆動基板の屈折率(例えば石英ガラスを用いた場合1.5程度)よりも低い屈折率を有する透明材料を用いて反射抑制膜を形成すれば良い。グラフに示した例では屈折率が1.3程度の透明有機膜JSSを用いる事により、従来に比し7分の1程度に戻り光反射率が減少し、これに対応して薄膜トランジスタの光リーク電流も減少する。

0020

図8は反射抑制層17の他の例を示す模式的な断面図である。本例では反射抑制層17は多層構造を有しており三層の透明有機膜171,172,173を重ねた構成となっている。各透明有機膜171,172,173の厚みを適切に設定する事により可視光波長領域全体に渡って戻り反射光を均一に抑える事が可能になる。即ち単層構造を採用した場合には戻り反射率に膜厚依存性が生じD1×d=(λ/4)×nの関係を満たす条件で無反射状態に近くなる。膜厚dを一定に制御すると波長λも特定されてしまう。これに対して多層構造を採用した場合には全可視光域で戻り反射を効果的に抑える事が可能になる。例えば透明駆動基板2の屈折率をD0とし、第1透明有機膜171の屈折率をD1とし、第2透明有機膜172の屈折率をD2とし、第3透明有機膜173の屈折率をD3とすると、以下の条件を満たす時全可視光域で戻り反射を略抑える事が可能である。例えばD0>D1,D2,D3で且つ、D1<D2,D2>D3の条件を満たす様にすれば良い。もしくはD0>D1,D2,D3で且つ、D1>D2,D2<D3の関係でも良い。もしくはD0>D1,D2,D3で且つ、D1>D2>D3の関係を満たす様にしても良い。あるいはD0>D1,D2,D3で且つ、D1<D2<D3の関係であっても良い。

0021

図9は本発明にかかるプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルの他の実施例を示す模式的な部分断面図である。透明駆動基板51と透明対向基板52は所定の間隙を介して互いに貼着されており、該間隙内に液晶53が封入充填されている。透明駆動基板51の内表面には画素電極54と、これを駆動する薄膜トランジスタ55が集積的に形成されている。一方透明対向基板52の内表面にはブラックマスク56と対向電極57が形成されている。入射光はブラックマスク56に設けられた開口を介して画素電極54を通過し出射側に進行する。

0022

本実施例では透明駆動基板51の外表面(裏面)に偏光板58が貼着されている。この偏光板58の外表面に反射抑制膜59が成膜されている。反射抑制膜59を設ける事により、強い光源光がブラックマスク56の開口より入射し透明駆動基板51の裏面にて反射し薄膜トランジスタ55に照射される光量を大幅に低減可能とした。これにより光リーク電流に起因したコントラストの低下及びクロストークを抑制する事が可能になった。即ち薄膜トランジスタの光リーク電流を低減する事により液晶に印加される実効電圧が大きくなる為画素選択時と非選択時におけるコントラスト比が向上する。又、他の非選択画素への画像信号の侵入による異常表示が発生しなくなるのでクロストークが除かれる。通常透明駆動基板51と空気との界面にて約4%の裏面反射が発生する。例えば300万LUX の光源光が入射した場合、約4%に相当する12万LUX の光が透明駆動基板と空気との界面で戻り反射し、その光が薄膜トランジスタに回り込み光リークを発生していた。これに対し偏光板58の外表面に反射抑制膜59を設ける事により、上述した界面反射は約10分の1の0.4%程度に抑えられ、光リークとしては殆ど問題のないレベルに低減化される。

0023

図10は、図9に示した実施例の変形例を示す模式的な部分断面図である。基本的には同一の構造を有しており、理解を容易にする為対応する部分には対応する参照番号を付してある。異なる点は、透明駆動基板51と偏光板58との間にプリポラライザ60が介在している事である。本例ではこのプリポラライザ60の外表面に反射抑制膜59が成膜されている。一般に液晶プロジェクタでは強い光源光を用いる為液晶表示パネルの温度が上昇する。通常の偏光板は70℃程度の耐熱性しかなく、透明駆動基板51に直接貼着した場合には熱変形の惧れがある。そこで本例では耐熱性に優れたプリポラライザ60を介在させその外表面に反射抑制膜59を形成している。なおプリポラライザ60は低偏光度偏光板であり、その外側に貼り付けられた偏光板58は高偏光度を有している。

0024

図9及び図10に示した実施例において形成された反射抑制膜の材料としては、例えば屈折率が1.38のフッ化マグネシウム、屈折率が1.43のフッ化カルシウム、屈折率が1.35の低屈折率フッ素樹脂等を用いる事ができる。フッ化マグネシウムやフッ化カルシウム等の無機材料を用いる場合には、真空蒸着により偏光板表面に成膜する。低屈折率フッ素樹脂を用いる場合にはスピナー等により偏光板表面にコーティングする。膜厚は0.1μm〜1μm程度である。多層構造とする事により反射抑制効果を高める事が可能である。

発明の効果

0025

以上説明した様に、本発明によれば、透明駆動基板の裏面側における界面反射が大幅に低減化され薄膜トランジスタの光リーク発生を抑える事が可能になる。これにより光リークに起因したコントラストの低下やクロストークが大幅に軽減される。又浸漬法を用いて透明有機膜を液晶表示パネル全体に塗布する事により反射抑制膜を形成でき、製造工程の短縮化及び取り扱いの簡素化が可能になるという効果がある。液晶表示パネル全体を有機材料で被覆する事により、接続部位の機械的強度が向上するとともに、防水性も強化される為信頼性の向上が図れるという効果がある。

図面の簡単な説明

0026

図1本発明にかかるプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルの一実施例を示す部分断面図である。
図2図1に示したプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルの反射抑制膜の形成方法を示す模式図である。
図3同じく反射抑制膜の形成方法を示す説明図である。
図4同じく反射抑制膜の他の形成方法を示す説明図である。
図5反射抑制膜が形成されたウエハの搬送状態を示す説明図である。
図6同じく反射抑制膜が形成されたウエハの切断工程を示す模式図である。
図7反射抑制膜の入射光波長に対する特性を示すグラフである。
図8反射抑制膜の多層構造を示す模式図である。
図9本発明にかかるプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルの他の実施例を示す部分断面図である。
図10図9に示した実施例の変形を表わす部分断面図である。
図11アクティブマトリクス液晶表示パネルが組み込まれたプロジェクタの一般的な構成を示す概念図である。
図12従来のプロジェクタ用アクティブマトリクス液晶表示パネルの一例を示す部分断面図である。

--

0027

1 透明対向基板
2 透明駆動基板
3液晶
4透明画素電極
5スイッチング素子
6半導体薄膜
7ゲート絶縁膜
9シールド膜
12ブラックマスク
13 開口
14対向電極
16入射光
17反射抑制層
19出射光
20 戻り反射光

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