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技術 電気車の電力変換手段の冷却装置

出願人 株式会社日立製作所
発明者 山村博久松平信紀武曽當範
出願日 1993年11月12日 (26年4ヶ月経過) 出願番号 1993-283593
公開日 1995年6月2日 (24年9ヶ月経過) 公開番号 1995-143615
状態 未査定
技術分野 電気装置の冷却等 車両の電気的な推進・制動 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 常温範囲 流量小 電気式ポンプ 温度変化範囲 熱保護装置 冷却液温 冷却液循環経路 ケース温度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年6月2日)のものです。
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図面 (10)

目的

電気車電力変換手段の冷却装置において、電力変換手段の温度変化量所定値以下に維持し、電力変換手段の寿命を向上する事が可能な冷却装置を実現する。

構成

サーミスタ7の温度検出信号及び電流センサ17からの電流信号温度算出部92に取り込まれジャンクション温度Tjが算出される。次に、温度変化量算出部94でジャンクション温度の変化量△Tjが算出される。オンオフ判断部95は温度変化量△Tjが温度変化量△T2よりも大であれば、ポンプ3をオンとし、冷却液循環させる。また、温度変化量△Tjが温度変化範囲△T2〜△T1に入っていれば、現在ポンプ3がオンの状態であるならば、オンの状態を維持させ、現在ポンプ3がオフの状態であれば、オフの状態を維持させる。また、温度変化量△Tjが温度変化量△T1よりも小であれば、ポンプ3をオフとする。

概要

背景

電気車電力変換手段を冷却する装置としては、実開昭55−51628号公報に記載された電動車両熱保護装置がある。この熱保護装置においては、電動機を制御するパワー素子トランジスタ)の温度が温度センサにより検出される。この温度センサの温度検出信号は、温度判定部に供給され、パワー素子の温度が一定値を越えた場合には、パワー素子のオンオフを制御して、電動機に供給する電力が低下される。このようにして、パワー素子が加熱から保護されるように、構成されている。

また、電気車の電力変換手段冷却装置の他の例としては、特開平4−275492号公報に記載された、電気自動車の電力変換手段冷却装置がある。上記電力変換手段冷却装置においては、充電器DC−DCコンバータラジエータポンプモータを経由して、充電器に至る第1の冷却液循環経路と、DC−DCコンバータ→インバータ→ラジエータ→ポンプモータを経由して、DC−DCコンバータに至る第2の冷却液循環経路とを有する。

そして、充電器の充電時には、第1の冷却液循環経路が選択される。この場合、充電器の温度がDC−DCコンバータよりも、大の場合には、充電器からDC−DCコンバータに向かう方向に冷却液が流され、充電器の温度がDC−DCコンバータよりも、小の場合には、DC−DCコンバータから充電器に向かう方向に冷却液が流される。

また、非充電時には、第2の冷却液循環経路が選択される。この場合、インバータの温度がDC−DCコンバータよりも、大の場合には、インバータからDC−DCコンバータに向かう方向に冷却液が流され、インバータの温度がDC−DCコンバータよりも、小の場合には、DC−DCコンバータからインバータに向かう方向に冷却液が流される。このようにして、電気自動車に設けられた各種電力変換手段等が効率良く冷却される。

概要

電気車の電力変換手段の冷却装置において、電力変換手段の温度変化量所定値以下に維持し、電力変換手段の寿命を向上する事が可能な冷却装置を実現する。

サーミスタ7の温度検出信号及び電流センサ17からの電流信号温度算出部92に取り込まれジャンクション温度Tjが算出される。次に、温度変化量算出部94でジャンクション温度の変化量△Tjが算出される。オンオフ判断部95は温度変化量△Tjが温度変化量△T2よりも大であれば、ポンプ3をオンとし、冷却液を循環させる。また、温度変化量△Tjが温度変化範囲△T2〜△T1に入っていれば、現在ポンプ3がオンの状態であるならば、オンの状態を維持させ、現在ポンプ3がオフの状態であれば、オフの状態を維持させる。また、温度変化量△Tjが温度変化量△T1よりも小であれば、ポンプ3をオフとする。

目的

本発明の目的は、電気車の電力変換手段の冷却装置において、この電力変換手段の温度変化量を所定値以下に維持し、電力変換手段の寿命を向上する事が可能な冷却装置を実現することである。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
13件

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請求項1

電気車電力変換手段の冷却装置において、上記電力変換手段を冷却する冷却液循環させる冷却液循環手段と、上記電力変換手段の近辺の温度を検出する温度検出手段と、上記温度検出手段からの温度検出信号に基づいて、上記電力変換手段の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、上記温度変化量算出手段により算出された温度変化量が、所定量未満となったときには、上記冷却液循環手段の動作を制限する冷却動作制御手段と、を備えることを特徴とする電気車の電力変換手段の冷却装置。

請求項2

請求項1記載の電力変換手段の冷却装置において、上記電力変換手段の負荷電流を検出する電流検出手段を有し、上記温度検出が検出する温度は、上記電力変換手段のケース温度であり、上記負荷電流及びケース温度により決定される損失値と電力変換手段及びケース間熱抵抗値とにより、上記電力変換手段の温度が算出され、温度変化量が算出されることを特徴とする電気車の電力変換手段の冷却装置。

請求項3

請求項1記載の電力変換手段の冷却装置において、上記冷却動作制御手段は、上記温度変化量が、所定量以上となったときには、上記冷却液循環手段を動作させ、上記温度変化量が所定量未満となったときには、上記冷却液循環手段の動作を停止させることを特徴とする電気車の電力変換手段の冷却装置。

請求項4

請求項1記載の電力変換手段の冷却装置において、上記冷却動作制御手段は、上記温度変化量が、所定量以上となったときには、上記冷却液循環手段による冷却液循環流量を大とし、上記温度変化量が所定量未満となったときには、上記冷却液循環手段による冷却液循環流量を小とすることを特徴とする電気車の電力変換手段の冷却装置。

請求項5

電気車の電力変換手段の冷却装置において、上記電力変換手段を冷却する冷却液を循環させる冷却液循環手段と、上記電力変換手段の近辺の温度を検出する温度検出手段と、上記温度検出手段からの温度検出信号に基づいて、上記電力変換手段の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、上記温度検出手段からの温度検出信号に基づいて、上記電力変換手段の温度が所定温度以上となったとき、並びに、上記温度変化量算出手段により算出された温度変化量が、所定量以上となったときには、上記冷却液循環手段を動作させ、上記温度変化量が所定量未満となったときには、上記冷却液循環手段の動作を停止させる冷却動作制御手段と、を備えることを特徴とする電気車の電力変換手段の冷却装置。

請求項6

電気車の電力変換手段の冷却装置において、上記電力変換手段を冷却する冷却液を循環させる冷却液循環手段と、上記冷却液の温度を検出する冷却液温検出手段と、上記電気車の外部の温度を検出する外気温検出手段と、上記外気温検出手段によって検出された外気温に応じて、設定値が変更される設定温度を記憶し、上記冷却液温検出手段によって検出された冷却液温が上記設定温度以上となったときには、上記冷却液循環手段を動作させ、上記冷却液温が上記設定温度未満となったときには、上記冷却液循環手段の動作を停止させる冷却動作制御手段と、を備えることを特徴とする電気車の電力変換手段の冷却装置。

請求項7

電気車の電力変換手段の冷却装置において、上記電力変換手段を冷却する冷却液を循環させる冷却液循環手段と、上記電気車の加速動作指令するアクセルペダルアクセル開度が大のときには、上記冷却液循環手段を動作させ、上記アクセル開度が小のときには、上記冷却液循環手段の動作を停止させる冷却動作制御手段と、を備えることを特徴とする電気車の電力変換手段の冷却装置。

技術分野

0001

本発明は、電気車電力変換手段の冷却装置に係わり、特に液体冷媒循環させてパワートランジスタ等のパワー素子発熱部を冷却するに好適な冷却装置に関する。

背景技術

0002

電気車の電力変換手段を冷却する装置としては、実開昭55−51628号公報に記載された電動車両熱保護装置がある。この熱保護装置においては、電動機を制御するパワー素子(トランジスタ)の温度が温度センサにより検出される。この温度センサの温度検出信号は、温度判定部に供給され、パワー素子の温度が一定値を越えた場合には、パワー素子のオンオフを制御して、電動機に供給する電力が低下される。このようにして、パワー素子が加熱から保護されるように、構成されている。

0003

また、電気車の電力変換手段冷却装置の他の例としては、特開平4−275492号公報に記載された、電気自動車の電力変換手段冷却装置がある。上記電力変換手段冷却装置においては、充電器DC−DCコンバータラジエータポンプモータを経由して、充電器に至る第1の冷却液循環経路と、DC−DCコンバータ→インバータ→ラジエータ→ポンプモータを経由して、DC−DCコンバータに至る第2の冷却液循環経路とを有する。

0004

そして、充電器の充電時には、第1の冷却液循環経路が選択される。この場合、充電器の温度がDC−DCコンバータよりも、大の場合には、充電器からDC−DCコンバータに向かう方向に冷却液が流され、充電器の温度がDC−DCコンバータよりも、小の場合には、DC−DCコンバータから充電器に向かう方向に冷却液が流される。

0005

また、非充電時には、第2の冷却液循環経路が選択される。この場合、インバータの温度がDC−DCコンバータよりも、大の場合には、インバータからDC−DCコンバータに向かう方向に冷却液が流され、インバータの温度がDC−DCコンバータよりも、小の場合には、DC−DCコンバータからインバータに向かう方向に冷却液が流される。このようにして、電気自動車に設けられた各種電力変換手段等が効率良く冷却される。

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、電気車においては、加速及び減速が頻繁に行われる。このため、電動機へ電力を供給するための電力変換手段である、パワートランジスタ(パワー素子)のジャンクション温度の変化量が大となる。このジャンクション温度の変化量が大となると、ジャンクション温度自体は、常温範囲であったとしても、パワー素子の寿命が短くなるということが、本発明者等の実験等により、確認された。つまり、パワー素子のジャンクション温度は、パワー素子に流れる電流印加される電圧により決まる損失、即ち、定常オン損失ターンオン損失ターンオフ損失等の損失により上昇する。このパワー素子のジャンクション温度の上昇は、パワー素子のケースヒートシンク間グリース等の温度上昇、並びに、ヒートシンクの温度上昇を伴う。この場合、パワー素子のケース温度の変化は、このケースとパワー素子の絶縁版とチップ間半田ストレスを与える。このストレスがパワー素子の寿命に影響を与える。したがって、パワー素子のジャンクション温度変化が大となると、上記ストレスも大となり、パワー素子の寿命が短くなる。

0007

ところが、上記実開昭55−51628号公報記載の熱保護装置においては、電力制御部の温度が一定値を越えた場合にのみ、電力制御部を保護する構成となっている。このため、電力制御部の温度変化量が大の場合であっても、温度が上記一定値を越えないと、電力制御部は保護されない。したがって、上記熱保護装置にあっては、電力制御部の長寿命化が困難であった。

0008

また、上記特開平4−275492号公報記載の冷却装置においても、各種電力変換部の温度変化量は考慮されおらず、冷却液が一定流量で循環されている。このため、電気車の加速時には、例えばインバータ内のパワー素子の温度は大となるが、加速終了時には、上記一定流量で循環されいる冷却液により、急速に冷却されてしまい、パワー素子の温度変化量が大となってしまう。したがって、上記公報記載の冷却装置においても、パワー素子の長寿命化が困難であった。

0009

本発明の目的は、電気車の電力変換手段の冷却装置において、この電力変換手段の温度変化量を所定値以下に維持し、電力変換手段の寿命を向上する事が可能な冷却装置を実現することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、上記目的を達成するため、次のように構成される。電気車の電力変換手段の冷却装置において、電力変換手段を冷却する冷却液を循環させる冷却液循環手段と、電力変換手段の近辺の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段からの温度検出信号に基づいて、電力変換手段の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、温度変化量算出手段により算出された温度変化量が、所定量未満となったときには、冷却液循環手段の動作を制限する冷却動作制御手段とを備える。

0011

好ましくは、上記電力変換手段の冷却装置において、電力変換手段の負荷電流を検出する電流検出手段を有し、温度検出が検出する温度は、電力変換手段のケース温度であり、負荷電流及びケース温度により決定される損失値と電力変換手段及びケース間熱抵抗値とにより、電力変換手段の温度が算出され、温度変化量が算出される。また、好ましくは、上記電力変換手段の冷却装置において、冷却動作制御手段は、温度変化量が、所定量以上となったときには、冷却液循環手段を動作させ、温度変化量が所定量未満となったときには、冷却液循環手段の動作を停止させる。

0012

また、好ましくは、上記電力変換手段の冷却装置において、冷却動作制御手段は、温度変化量が、所定量以上となったときには、冷却液循環手段による冷却液循環流量を大とし、温度変化量が所定量未満となったときには、冷却液循環手段による冷却液循環流量を小とする。

0013

また、電気車の電力変換手段の冷却装置において、電力変換手段を冷却する冷却液を循環させる冷却液循環手段と、電力変換手段の近辺の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段からの温度検出信号に基づいて、電力変換手段の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、温度検出手段からの温度検出信号に基づいて、電力変換手段の温度が所定温度以上となったとき、並びに、温度変化量算出手段により算出された温度変化量が、所定量以上となったときには、冷却液循環手段を動作させ、温度変化量が所定量未満となったときには、冷却液循環手段の動作を停止させる冷却動作制御手段とを備える。

0014

また、電気車の電力変換手段の冷却装置において、電力変換手段を冷却する冷却液を循環させる冷却液循環手段と、冷却液の温度を検出する冷却液温検出手段と、電気車の外部の温度を検出する外気温検出手段と、外気温検出手段によって検出された外気温に応じて、設定値が変更される設定温度を記憶し、冷却液温検出手段によって検出された冷却液温が設定温度以上となったときには、冷却液循環手段を動作させ、冷却液温が上記設定温度未満となったときには、冷却液循環手段の動作を停止させる冷却動作制御手段とを備える。

0015

また、電気車の電力変換手段の冷却装置において、電力変換手段を冷却する冷却液を循環させる冷却液循環手段と、電気車の加速動作指令するアクセルペダルアクセル開度が大のときには、冷却液循環手段を動作させ、アクセル開度が小を停止させる冷却動作制御手段とを備える。

0016

温度検出手段により、電力変換手段の近辺の温度が検出される。検出された温度から、温度変化量算出手段により、電力変換手段の温度変化量が算出される。算出された温度変化量が所定量以上の場合には、冷却液循環手段により、冷却液が循環され、電力変換手段が冷却される。また、算出された温度変化量が所定量未満であれば、冷却液の循環量が制限される。これにより、電力変換手段の急激な温度変化が防止される。

0017

また、電力変換手段の温度が所定温度以上となったとき、並びに、温度変化量が所定量以上となったとき、冷却液動作制御手段により冷却液循環手段が動作される。そして、温度変化量が所定量未満となったときには、冷却液循環手段の動作が停止される。

0018

また、電力変換手段の冷却液温が冷却液温検出手段により検出され、電気車の外部の温度が外気温検出手段により検出される。電力変換手段を冷却する冷却液は、この冷却液の温度が設定温度以上となったときに、循環される。この設定温度は、外気温に応じて変更される。つまり、外気温が低くなるに従って、上記設定温度も低い値に変更される。これにより、電力変換手段の急激な温度上昇及び温度低下が防止される。

0019

また、アクセル開度が大のときには、冷却液循環手段が動作され、アクセル開度が小のときには、冷却液循環手段の動作が停止される。つまり、アクセル開度が大の場合には、電力変換手段の温度が上昇することが予測されるので、冷却液により、電力変換手段が冷却される。

0020

図1は、本発明の第1実施例の概略構成図である。図1において、電気車用モータ8と、主電源6と、インバータ5とにより電気車主回路が構成されている。そして、インバータ5の中には、パワートランジスタ等のパワー素子11が複数個配置されており、これら複数個のパワー素子11は、高温ハンダ12を介して絶縁基板13にハンダ付けされている。また、絶縁基板13は、ハンダ14を介してパワー素子ケース15にハンダ付けされている。パワー素子ケース15は、通常、熱伝導性の良好なグリースを介してヒートシンク4にネジ止めされる。パワー素子11は、アルミワイヤ銅バー等でインバータブリッジ状に結線され、端子台16において、主電源6及び電気車用モータ8に接続される。

0021

一方、冷却系は、ラジエータ1、ファンモータ2、電気式ポンプ3、ヒートシンク4及びこれらを接続する冷却パイプから構成される。そして、電気式ポンプ3が駆動されることにより、冷却液が冷却ポンプ内を循環される。ラジエータ1はファンモータ2により冷却され、パワー素子11等に対する冷却能力は、冷却液の流量を変えることにより、変更可能となっている。この冷却能力の変更は、ファンモータ2の風量を変更しても可能である。

0022

また、コントローラ9は、モータ8への供給電流を制御するモータ電流制御部91と、ジャンクション温度算出部92と、マップ93と、温度変化量算出部94と、ポンプ3のオンオフを制御するオンオフ判断部95とを備えている。アクセルペダル10の踏み込み量に応じた信号が、モータ電流制御部91に供給されており、アクセルペダル10の踏み込み量に応じたPWM信号が、端子台16を介して、パワー素子11に供給される。そして、パワー素子11により電源6からモータ8に供給される電力が調整される。モータ8に供給される電流は、電流センサ17により検出され、この検出されたモータ電流を示す信号がモータ電流制御部91に供給される。そして、モータ電流制御部81によりモータ8のトルクが制御される。ヒートシンク4の温度は、このヒートシンク4の近辺に配置されたサーミスタ7により検出され、この検出信号は、ジャンクション温度算出部92に供給される。

0023

図2は、図1に示した第1実施例の動作フローチャートである。図2のステップ100において、ケース15の温度TTHとして、サーミスタ7からの温度検出信号が、ジャンクション温度算出部92に取り込まれる。次に、ステップ101において、アクセルペダル10のアクセル開度に応じた信号が、モータ電流制御部91に取り込まれ、必要なモータトルク演算される。続いて、ステップ102において、パワー素子11に制御信号が供給され、パワー素子11によりモータ8に電流が供給される。

0024

次に、ステップ103において、モータ8の電流I1が電流センサ17からモータ電流制御部91及びジャンクション温度算出部92に取り込まれる。そして、ステップ104において、ジャンクション温度算出部92は、予めマップ93に記憶された、ケース温度TTH(TC)毎の、電流I1と損失WLと関係により、損失WLを抽出する。次に、ステップ105において、ジャンクション温度算出部92は、次式(1)に従って、パワー素子11のジャンクション温度Tjを算出する。
Tj = TTH + θj-c×WL −−− (1)
ただし、θj-cは、パワー素子11のジャンクションとケース15との間の熱抵抗値であり、この熱抵抗値は、予め求められ、記憶されているものである。

0025

次に、ステップ106において、温度変化量算出部94で、今回算出されたジャンクション温度から前回算出されたジャンクション温度が減算され、その温度差△Tjが算出される。ジャンクション温度Tjの算出が今回が最初であれば、算出されたジャンクション温度Tjは初期値として記憶され、ステップ108を介して、ステップ100に戻る。

0026

ステップ106において、オンオフ判断部95は、上記温度差△Tjが温度変化範囲△T2(例えば20℃)〜△T1(例えば0℃)に入っているか否かを判定する。そして、温度差△Tjが、温度変化△T2よりも大であれば、ステップ109に進み、ポンプ3をオンとし、冷却液をポンプ3、ラジエータ1、ヒートシンク4、ポンプ3に循環させる。そして、処理は、ステップ100に戻る。

0027

また、ステップ106において、温度差△Tjが、温度変化範囲△T2〜△T1に入っていれば、ステップ108に進み、現在ポンプ3がオンの状態であるならば、オンの状態を維持させ、現在ポンプ3がオフの状態であれば、オフの状態を維持させる。そして、処理は、ステップ100に戻る。

0028

また、ステップ106において、温度差△Tjが、温度変化△T1よりも小であれば、ステップ107に進み、ポンプ3をオフとする。そして、処理は、ステップ100に戻る。

0029

図3は、半導体寿命特性を示す図であり。横軸がケース温度TC(TTH)であり、縦軸が半導体の寿命Nである。この半導体の寿命Nは、定量的に表現すると、次式(2)で示すことができる。
N = K×(ΔTj)(-2.5) −−− (2)
ただし、Kは係数である。図3及び上記式(2)に示すように、温度差ΔTjが大となるほど、半導体の寿命Nが短くなっている。

0030

図4は、ケース温度が一定値以上となると、ポンプ3を駆動する従来の技術における((A)、(B)、(C))ジャンクション温度差と、本発明の実施例における((D)、(E)、(F))ジャンクション温度差とを比較する図である。図4の(A)、(B)、(C)において、時点t1にて、車両が加速されると、それに伴い、ジャンクション温度Tjが上昇し、ポンプ3もオンとされる。そして、時点t2にて、車両の加速指令が停止される。この場合、ジャンクション温度Tjは、TTH以上であるので、ポンプ3はオンとなった状態が維持される。このため、車両の加速指令が停止されても、ヒートシンクは冷却液により冷却され、ジャンクション温度Tjは、温度差ΔTj1だけ急激に冷却される。

0031

さて、図4の(D)、(E)、(F)において、時点t1にて、車両が加速されると、ジャンクション温度Tjが上昇し、温度変化量が所定値(例えば20℃)以上となると、ポンプ3がオンとされる。そして、時点t2にて、車両の加速指令が停止される。すると、ジャンクション温度Tjは下降して、温度変化量が時点t3にて、所定値(例えば0℃)以下となると、ポンプ3がオフとされる。つまり、パワー素子11の非発熱時には、冷却能力が低下される。このため、ジャンクション温度Tjは、上記温度差ΔTj1より小さな温度差ΔTj2だけ下降する。

0032

上記温度差ΔTj1が50℃とすると、温度差ΔTj2は約30℃とすることができる。上記(2)式に温度差50℃を代入して得られた寿命N1と、温度差30℃を代入して得られた寿命N2とを比較すると、寿命N2は、寿命N1の約3.5倍となり、半導体の寿命を向上することができる。

0033

以上のように、本発明の第1実施例によれば、パワー素子11の温度変化量が、所定の値以上となると、ポンプ3がオンとされ、パワー素子11が冷却される。また、パワー素子11の温度変化量が所定の値以下となると、ポンプ3がオフとされる。したがって、パワー素子11の急激な温度上昇及び温度下降を防止することができ、パワー素子11の寿命を向上することができる。さらに、本発明の第1実施例においては、パワー素子11の温度変化量が大となったときのみ、ポンプ3をオンとして、冷却液を循環させるので、常時、冷却液を循環させる場合と比較して、電力消費量が低減される。

0034

図5は、本発明の第2実施例の概略構成図であり、図1の例と同等なも部分には、同一の符号を付してある。そして、図1の例においては、オンオフ判断部95により、ポンプ3がオンオフ制御される構成であったが、図5の例においては、ポンプ流量制御部96により、ポンプ3の流量が制御される構成となっている。つまり、ポンプ3は、小流量だけ冷却液が循環するように、常時、駆動されており、ポンプ流量制御部96は、パワー素子11のジャンクション温度の変化量が所定量以上となった場合に、ポンプ3を制御して、冷却液の循環流量を増加させる構成となっている。

0035

この図5の例の動作については、図2フローチャートのステップ100〜106までは、同様な動作となる。そして、ステップ107においては、ポンプ3をオフとする代わりに、ポンプ3の流量を大から小に変化させる。また、ステップ108においては、前回がポンプ流量大であれば、流量大を維持し、そして、前回がポンプ流量小であれば、流量小を維持する。また、ステップ109においては、ポンプ流量が小から大に変化される。この本発明の第2実施例においても、図1の例と同様に、パワー素子11の急激な温度上昇及び温度下降を防止することができ、パワー素子11の寿命を向上することができる。

0036

図6は、本発明の第3実施例の概略構成図である。この第3実施例と上述した第1実施例との異なるところは、ジャンクション温度算出部92からの温度情報は、温度変化量算出部94に供給されるとともに、オンオフ判断部97にも供給される。そして、オンオフ判断部97は、温度変化量が所定量以上となると、ポンプ3をオンとするのみならず、ジャンクション温度が所定値以上となった場合にも、ポンプ3をオンとする。

0037

図7は、上記第3実施例の動作フローチャートであり、図2の例とステップ100〜105、106〜109については、同等のステップとなっている。そして、図7の例においては、ステップ105と106との間に、ステップ105A及び105Bが追加されている。つまり、ステップ105において、ジャンクション温度Tjが算出されると、ステップ105Aに進む。そして、ステップ105Aにおいて、ジャンクション温度が所定温度以上か否かがオンオフ判断部97で判断され、所定の値以上であれば、ステップ105Bに進み、ポンプ3がオンとされる。そして、処理はステップ106に進む。ステップ105Aにおいて、ジャンクション温度が所定温度未満であれば、ステップ106に進む。ステップ106〜109は、図2の例と同様な動作が実行される。

0038

以上説明したように、上記第3の実施例によれば、図1の例と同等な効果を得ることができる他、ジャンクション温度が所定値以上となった場合も、パワー素子が冷却されるので、パワー素子11の寿命をより向上することができる。

0039

図8は、本発明の第4実施例の概略構成図である。前述した第1、第2、第3実施例においては、ヒートシンク4の温度からジャンクション温度を算出し、この算出した温度の変化量に基づいて、ポンプ3の動作制御を実行する構成となっている。これに対して、第4実施例においては、ヒートシンク4を冷却する冷却水の温度を測定する冷却水温センサ19と、車両外部の温度を測定する外気温センサ18とが配置される。そして、冷却水温と、外気温とからパワー素子11の温度変化量が大となる場合を予測し、ポンプ3をオンオフ制御する構成となっている。

0040

つまり、外気温が低くなると、それに応じてポンプ3をオンとする冷却水温を低く設定し、パワー素子の温度変化量の増大を防止する構成となっている。このため、マップ99には、外気温に応じて、ポンプ3をオンとする冷却水温の値が記憶されている。例えば、外気温が40℃以上の場合には、冷却水温が60℃となると、ポンプ3をオンとする。また、外気温が40℃から30℃の場合は、冷却水温が50℃、外気温が30℃から20℃の場合は、冷却水温が40℃となると、ポンプ3がオンとされる。また、外気温が20℃から10℃の場合は、冷却水温が30℃、外気温が10℃から0℃の場合は、冷却水温が20℃、外気温が0℃から−10℃の場合は、冷却水温が10℃となると、ポンプ3がオンとされる。

0041

このように、本発明の第4実施例においては、外気温に応じて、ポンプ3をオンとする冷却水温が変更されるので、パワー素子11の急激な温度上昇及び温度下降を防止することができ、パワー素子11の寿命を向上することができる。また、外気温センサ18や冷却水温センサ19の車両への取付は、サーミスタ7のヒートシンク4への取付けよりも、容易であり、取付けコストを低減することができるという効果もある。

0042

図9は、本発明の第5実施例の概略構成図である。この第5実施例の場合は、アクセルペダル10の開度から、パワー素子11の温度変化量の増加を予測し、ポンプ3のオンオフを制御する構成となっている。つまり、アクセルペダル10からのアクセル開度信号が、オンオフ判断部98Aに供給され、アクセル開度が所定値以上となった場合には、ポンプ3をオンとし、アクセル開度が所定値以下となった場合には、ポンプ3をオフとする。

0043

このように、本発明の第5実施例によれば、アクセル開度に応じて、ポンプ3をオンとし、冷却液によりパワー素子11を冷却するように構成したので、簡単な構成でありながら、パワー素子11の急激な温度上昇及び温度下降を防止することができ、パワー素子11の寿命を向上することができる。

0044

なお、上記第5実施例においては、アクセル開度に応じてポンプ3のオンオフを制御する構成としたが、アクセル開度ではなく、モータ電流制御部91からのモータ電流指令値に基づいて、ポンプ3のオンオフを制御するように構成してもよい。

発明の効果

0045

本発明は、以上説明したように構成されているため、以下のような効果がある。電力変換手段の近辺温度に基づいて電力変換手段の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、算出された温度変化量が、所定量未満となったときには、冷却液循環手段の動作を制限する冷却動作制御手段とを備える。これにより、電力変換手段の急激な温度上昇及び温度低下を防止して、電力変換手段の寿命を向上することができる。

0046

また、電力変換手段の近辺温度に基づいて電力変換手段の温度変化量を算出する温度変化量算出手段と、電力変換手段の温度が所定温度以上となったとき、並びに、温度変化量算出手段により算出された温度変化量が、所定量以上となったときには、冷却液循環手段を動作させ、温度変化量が所定量未満となったときには、冷却液循環手段の動作を停止させる冷却動作制御手段とを備える。これにより、電力変換手段の急激な温度上昇及び温度低下を防止して、電力変換手段の寿命を向上することができる。

0047

また、冷却液の温度を検出する冷却液温検出手段と、電気車の外部の温度を検出する外気温検出手段と、外気温検出手段によって検出された外気温に応じて、設定値が変更される設定温度を記憶し、冷却液温検出手段によって検出された冷却液温が設定温度以上となったときには、冷却液循環手段を動作させ、冷却液温が上記設定温度未満となったときには、冷却液循環手段の動作を停止させる冷却動作制御手段とを備える。これにより、外気温と冷却液を循環する冷却液温との差が大となることが防止され、電力変換手段の急激な温度上昇及び温度低下が防止される。したがって、電力変換手段の寿命を向上することができる。

0048

また、電気車の加速動作を指令するアクセルペダルのアクセル開度が大のときには、冷却液循環手段を動作させ、アクセル開度が小を停止させる冷却動作制御手段とを備える。アクセル開度が大の場合は、電力変換手段の温度が上昇する事が予測されるので、電力変換手段が冷却液により冷却される。これにより、電力変換手段の急激な温度上昇及び温度低下が防止される。したがって、電力変換手段の寿命を向上することができる。

図面の簡単な説明

0049

図1本発明の第1実施例の概略構成図である。
図2本発明の第1実施例の動作フローチャートである。
図3パワー素子の寿命特性を示す図である。
図4本発明の第1実施例の動作と従来例の動作とを比較する波形図である。
図5本発明の第2実施例の概略構成図である。
図6本発明の第3実施例の概略構成図である。
図7第3実施例の動作フローチャートである。
図8本発明の第4実施例の概略構成図である。
図9本発明の第5実施例の概略構成図である。

--

0050

1ラジエータ
2ファンモータ
3電気式ポンプ
4ヒートシンク
5インバータ
バッテリ
7サーミスタ
8電気車用モータ
9コントローラ
10アクセル
11パワー素子
15 パワー素子ケース
17電流センサ
91モータ電流制御部
92ジャンクション温度算出部
93、99マップ
94温度変化量算出部
95、97オンオフ判断部
96ポンプ流量制御部
98、98A オンオフ判断部

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