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技術 光ファイバジャイロの故障検出方法及び故障診断装置

出願人 日立電線株式会社株式会社日立製作所
発明者 熊谷達也梶岡博小林治秋山宗広於保茂園部久雄
出願日 1993年11月16日 (27年1ヶ月経過) 出願番号 1993-286368
公開日 1995年6月2日 (25年6ヶ月経過) 公開番号 1995-139955
状態 特許登録済
技術分野 航行(Navigation) ジャイロスコープ 航行(Navigation)
主要キーワード 最大限度値 最小限度値 故障基準 デジタル回路素子 オンオフ回路 偶数調波 変調信号振幅 倍調波
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年6月2日)のものです。
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図面 (6)

目的

運転中でも故障の検出が可能で、しかも故障内容を分離できる光ファイバジャイロ故障検出方法及び故障診断装置を提供する。

構成

光源1からの光を位相変調してセンシングループ5に導入し、センシングループ5を周回した光を受光して電気信号に変換し、この電気信号からセンシングループ5の角速度を検出する光ファイバジャイロにおいて、上記電気信号から位相変調の基本波成分S1及び偶数調波成分S2、S4を求め、これらの成分の変化から光学系の故障を検出する。

概要

背景

光ファイバを用いて角速度を検出する光ファイバジャイロは、自動車車体制御等に広く用いられる。位相変調方式の光ファイバジャイロは、光源からの光を光カプラ分岐し、それぞれの光を位相変調器位相をずらせてセンシングループに導入し、このセンシングループを伝搬した左右両回り光を光カプラで結合し、その結合光受光器受光する。受光器で得られた電気信号をもとにセンシングループの角速度が検知され、この角速度をもとに光ファイバジャイロの変位角を求めることができる。

光ファイバジャイロが故障により誤動作すると、これを用いたシステム事故につながるおそれがある。そこで、故障の早期検知が望まれる。

光ファイバジャイロの故障を検知する従来の方法は、この光ファイバジャイロを180°回転させ、そのときの入力角速度出力角速度との誤差から異常を検知する。異常が検知されたときには、この光ファイバジャイロを分解してオシロスコープ等の計測器を挿入し、その状態で光ファイバジャイロを動作させて各部の信号を観測することで故障の具体的内容を検知している。

概要

運転中でも故障の検出が可能で、しかも故障内容を分離できる光ファイバジャイロの故障検出方法及び故障診断装置を提供する。

光源1からの光を位相変調してセンシングループ5に導入し、センシングループ5を周回した光を受光して電気信号に変換し、この電気信号からセンシングループ5の角速度を検出する光ファイバジャイロにおいて、上記電気信号から位相変調の基本波成分S1及び偶数調波成分S2、S4を求め、これらの成分の変化から光学系の故障を検出する。

目的

そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、運転中でも故障の検出が可能で、しかも故障内容を分離できる光ファイバジャイロの故障検出方法及び故障診断装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

光源からの光を位相変調してセンシングループに導入し、このセンシングループを周回した光を受光して電気信号に変換し、この電気信号からセンシングループの角速度を検出する光ファイバジャイロにおいて、上記電気信号から位相変調の基本波成分及び偶数調波成分を求め、これらの成分の変化から光学系の故障を検出することを特徴とする光ファイバジャイロの故障検出方法

請求項2

光源を遮断するか又は位相変調を停止し、そのときの上記電気信号のノイズ成分を検知し、このノイズ成分の大きさから電気系の故障を検出することを特徴とする請求項1記載の光ファイバジャイロの故障検出方法。

請求項3

光ファイバジャイロに供給される電源電圧計測し、この電圧の大きさから電源の故障を検出し、上記光学系の故障検出と電源の故障とが分離されることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバジャイロの故障検出方法。

請求項4

上記光ファイバジャイロは、検出された故障情報不揮発性メモリに記憶すると共にこの故障情報を外部に通信し、かつ上記電源が停止されて再度投入されたとき上記不揮発性のメモリの故障情報から故障があったことを検知すると共に故障情報を外部に通信することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の光ファイバジャイロの故障検出方法。

請求項5

光源と、光源からの光を位相変調する位相変調器と、位相変調された光が導入されるセンシングループと、このセンシングループを周回した光を受光して電気信号に変換する受光器と、この受光器からの電気信号を増幅する前置増幅器とを有する光ファイバジャイロにおいて、上記前置増幅器で増幅された電気信号を積分する積分器と、この積分信号の電圧を故障の基準電圧と比較する比較器とを有し、この比較器の出力が故障の有無を示すことを特徴とする光ファイバジャイロの故障診断装置

請求項6

上記光源の光出力一定値に制御する光出力制御手段を有することを特徴とする請求項5記載の光ファイバジャイロの故障診断装置。

請求項7

上記位相変調器の変調度合いを一定値に制御する変調信号振幅制御手段を有することを特徴とする請求項5又は6記載の光ファイバジャイロの故障診断装置。

技術分野

0001

本発明は、位相変調方式光ファイバジャイロ係り、特に、運転中でも故障の検出が可能で、しかも故障内容を分離できる光ファイバジャイロの故障検出方法及び故障診断装置に関するものである。

背景技術

0002

光ファイバを用いて角速度を検出する光ファイバジャイロは、自動車車体制御等に広く用いられる。位相変調方式の光ファイバジャイロは、光源からの光を光カプラ分岐し、それぞれの光を位相変調器位相をずらせてセンシングループに導入し、このセンシングループを伝搬した左右両回り光を光カプラで結合し、その結合光受光器受光する。受光器で得られた電気信号をもとにセンシングループの角速度が検知され、この角速度をもとに光ファイバジャイロの変位角を求めることができる。

0003

光ファイバジャイロが故障により誤動作すると、これを用いたシステム事故につながるおそれがある。そこで、故障の早期検知が望まれる。

0004

光ファイバジャイロの故障を検知する従来の方法は、この光ファイバジャイロを180°回転させ、そのときの入力角速度出力角速度との誤差から異常を検知する。異常が検知されたときには、この光ファイバジャイロを分解してオシロスコープ等の計測器を挿入し、その状態で光ファイバジャイロを動作させて各部の信号を観測することで故障の具体的内容を検知している。

発明が解決しようとする課題

0005

従来の故障検知方法は、異常を判断する基準が曖昧であるため正確な故障検知ができない。また、オシロスコープ等の計測器を用いるので、故障検出一般人には困難であると共に、光ファイバジャイロの通常の運転中には故障検出ができないので発見遅れることになる。さらに、計測器で各部の信号をいちいち観測しなければならないので、故障の具体的内容が分かるまでに手間がかかる。

0006

そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、運転中でも故障の検出が可能で、しかも故障内容を分離できる光ファイバジャイロの故障検出方法及び故障診断装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために本発明は、光源からの光を位相変調してセンシングループに導入し、このセンシングループを周回した光を受光して電気信号に変換し、この電気信号からセンシングループの角速度を検出する光ファイバジャイロにおいて、上記電気信号から位相変調の基本波成分及び偶数調波成分を求め、これらの成分の変化から光学系の故障を検出するものである。

0008

光源を遮断するか又は位相変調を停止し、そのときの上記電気信号のノイズ成分を検知し、このノイズ成分の大きさから電気系の故障を検出してもよい。

0009

光ファイバジャイロに供給される電源電圧計測し、この電圧の大きさから電源の故障を検出し、上記光学系の故障検出と電源の故障とを分離してもよい。

0010

上記光ファイバジャイロは、検出された故障情報不揮発性メモリに記憶すると共にこの故障情報を外部に通信し、かつ上記電源が停止されて再度投入されたとき上記不揮発性のメモリの故障情報から故障があったことを検知すると共に故障情報を外部に通信してもよい。

0011

光源と、光源からの光を位相変調する位相変調器と、位相変調された光が導入されるセンシングループと、このセンシングループを周回した光を受光して電気信号に変換する受光器と、この受光器からの電気信号を増幅する前置増幅器とを有する光ファイバジャイロにおいて、上記前置増幅器で増幅された電気信号を積分する積分器と、この積分信号の電圧を故障の基準電圧と比較する比較器とを有し、この比較器の出力が故障の有無を示すものである。

0012

上記光源の光出力一定値に制御する光出力制御手段を有してもよい。

0013

上記位相変調器の変調度合いを一定値に制御する変調信号振幅制御手段を有してもよい。

0014

上記構成により、センシングループを周回した光を受光して得られた電気信号は、センシングループの角速度に対して位相変調の基本波成分及び偶数調波成分がそれぞれ異なる変化を有する。各成分は、光ファイバジャイロが正常であれば、それぞれ異なる所定の範囲内で変化し、またそれぞれ異なる特有の変化をする。従って、各成分がこの範囲を越えたり異常な変化をしたりするようであれば、異常であると判定できる。また、その異常の内容から故障の起きている部位を知ることができる。例えば、角速度の大きさにかかわらず、各成分が全てであることは有り得ないので、検出された各成分が共に零或いは異常に小さいようであれば光ファイバ切れなどの光学系の故障と特定できる。一方、上記位相変調の基本波成分及び偶数調波成分が異常に大きいときは、増幅器の故障等により回路飽和していると考えられる。

0015

また、光源を遮断するか又は位相変調を停止すると、光ファイバジャイロからの信号は出力されないはずであるから、そのときの電気信号には電気的なノイズの成分が現れる。ノイズ成分が大きいと、増幅器の故障、光源を遮断する回路の故障等の電気系の故障が特定できる。

0016

電源電圧が小さすぎると、光学系の故障がなくても各成分が異常に小さくなる。電源電圧の大きさから電源の故障を特定することで、上記光学系の故障検出と電源の故障とが分離できる。

0017

本発明の故障検出方法にあっては、故障内容が特定されているので、故障原因究明修理が迅速に行える。また、故障内容によっては自動的な復帰ができる場合もある。例えば、電源電圧の過不足に対しては供給量を調整するだけで解消できる。

0018

このようにして検出された故障情報は不揮発性のメモリに記憶するとよい。これは電源が一旦停止されてから再度投入されることによって故障情報が失われることを防止する。故障情報は検知されたら直ちに外部に通信される。電源が再度投入されたときにも不揮発性のメモリに故障情報があれば直ちに外部に通信される。

0019

前置増幅器で増幅された電気信号を積分すると、前置増幅器の出力レベルが求まる。この出力レベルは通常の角速度の計測において所定の範囲内で変化する。出力レベルがその範囲を越えているときは異常である。この異常は、積分の結果を故障の基準電圧と比較することで検出できる。比較器の出力が故障の有無を示すので外部からも容易に故障が検出されたことが分かる。

0020

光出力制御手段が光源の光出力を一定値に制御する。光源の光出力が一定値であれば、出力レベルの変化の要因のうちから光源の光出力の変化によるものがなくなり、故障の検出が確実になる。

0021

変調信号振幅制御手段が位相変調器の変調の度合いを一定値に制御する。出力レベルの変化の要因のうちから変調の度合いの変化によるものがなくなり、故障の検出が確実になる。

0022

以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。

0023

光ファイバジャイロは、図1に示されるように、主に光学系の素子からなる光学部14とアナログ及びデジタル回路素子からなる信号処理回路15とに分けられる。光学部14には、光源1、光カプラ2a、偏光子3、光カプラ2b、位相変調器4、センシングループ5、受光器6、プリアンプ(前置増幅器)7が含まれ、信号処理回路15には、同期検波回路8、A/D変換器9、CPU10、発信器11、E2PROM12、SCI13が含まれる。

0024

図1において、光源1からの光が光カプラ2aで分岐され、その一方の光が偏光子3で偏光される。偏光子3を出た光が光カプラ2bで分岐される。光カプラ2bで分岐された一方の光が位相変調器4で位相をずらされ、光ファイバをループ状に形成したセンシングループ5に導入され、センシングループ5を周回する。光カプラ2bで分岐されたもう一方の光はセンシングループ5を出てから位相変調器4で位相をずらされる。詳しくは、位相変調器4が発信器11から出力される正弦波を用いて一定の位相バイアスを与えている。センシングループ5を周回した2つの光は光カプラ2bで結合され、偏光子3及び光カプラ2aを経て受光器6で受光される。センシングループ5が回転されて回転角速度が生じているときには、受光される上記2つの光に位相差が生じ、このため受光器6の受光信号に変化が生じる。受光信号はプリアンプ7で増幅されたのち同期検波回路8で検波される。同期検波回路8は、受光増幅信号から位相変調器4で用いた位相変調周波数の基本波成分S1、2倍調波成分S2、4倍調波成分S4を分離する。分離された基本波成分S1、2倍調波成分S2、4倍調波成分S4がそれぞれA/D変換器9でデジタル化され、これ以降の処理はCPU10による演算処理で行われる。CPU10で演算された角速度や故障情報はSCI13を介して図示されないホストコンピュータに送信される。

0025

CPU10による演算において、角速度Ωは、基本波成分S1、2倍調波成分S2の比から次式により与えられる。

0026

Ω=A・tan-1{J2(m)/J1(m)・S1/S2} (1)
ここで
A;スケールファクタ
J1(m)、J2(m);各成分のベッセル関数
m;位相変調度
である。

0027

J2(m)/J1(m)は、J4(m)/J2(m)とJ2(m)/J1(m)との関係を予め求めておくことでJ4(m)/J2(m)から求められる。ここで2倍調波成分S2と4倍調波成分S4との間には次式の関係がある。

0028

S4/S2=J4(m)/J2(m) (2)
従って、S2とS4とを計測することにより、J2(m)/J1(m)を求めることができる。従って、基本波成分S1、2倍調波成分S2、4倍調波成分S4から、角速度Ωが求まる。

0029

本発明の故障検知の方法を図3フローチャートを用いて説明する。

0030

(1)零点異常検出
センシングループ5の角速度Ωは、角速度Ωが零のときの上記各成分の信号を基準とし、(1)式より求められる。しかし、基準とする各成分の零点は電気系のノイズによって移動するので、角速度Ωが正しく計算されない。このノイズを効率よく取り除くために、図示されない光源オンオフ回路により光源1の電流を停止するか又は発信器11を停止して、光源1を遮断するか又は位相変調を停止する。これにより光ファイバジャイロが回転していても静止していても、受光器6の受光信号は、角速度とは無関係になる。この光源1を遮断するか又は位相変調を停止したときの受光信号の各成分を零点とする。各成分の零点は、複数回のサンプリングを平均して取得され、爾後、オフセット値として用いられ、ノイズが除去される。しかし、ノイズが大きく零点が大幅にずれていると、その分、各成分を検出する範囲が狭くなってしまう。零点が大幅にずれるのは、プリアンプ7の故障により受光信号が発振したことや上記光源オンオフ回路の故障により零点が計測できなかったことが原因と考えられる。

0031

そこで、零点のずれが大きいときには零点異常とする。即ち、フローチャートのステップ20で零点を取得した後、ステップ30〜50で各成分の零点をチェックする。各成分の信号S1、S2、S4には予め零点の最小限度値Ominと最大限度値Omaxがそれぞれ設定されており、信号S1、S2、S4のいずれかひとつでも最小限度値Omin〜最大限度値Omaxの範囲から外れていれば零点異常とする(ステップ60)。なお、各成分の零点の最小限度値Ominと最大限度値Omaxとは光学部14の特性やA/D変換器9の精度等を考慮して決定したものである。

0032

(2)信号出力異常
基本波成分S1、2倍調波成分S2、4倍調波成分S4は、図2グラフで示されるような特性を持っている。即ち、センシングループ5に角速度Ωが加えられると、基本波成分S1は角速度Ωにほぼ比例して減少する。2倍調波成分S2及び4倍調波成分S4は、いずれも角速度Ωが零のとき最大で、角速度Ωの絶対値が大きくなると小さくなる。この特性を利用して光学系の故障を検出することができる。なお、図2のグラフは電位0〜5Vの範囲で示されている。基本波成分S1の零点=0Vがグラフの中央に来るように、各成分にそれぞれ2.5Vをかさ上げしている。

0033

グラフでは角速度Ωが零のときS1が零点にあり、S2及びS4が最大である。ステップ70で取得したS1及びS2が共に零点か、又はS1及びS4が共に零点にあれば光ファイバ切れなどの光学系の故障による信号出力低下と考えられる。そこで、ステップ100、110でS1の絶対値、S2をチェックし、S1の絶対値が基本波成分最低限度値S1min以下、かつS2が2倍調波成分最低限度値S2min以下であれば信号出力低下異常とする(ステップ120)。

0034

グラフでは角速度Ωが零のときS2及びS4が最大であって、それ以上の値はありえないから、ステップ70で取得したS2、S4が予め定めた最大値より大きいときは、プリアンプ故障等により受光信号が飽和していると考えられる。そこで、ステップ130、140でS2、S4をチェックし、そのいずれかが2倍調波成分最高限度値S2max又は4倍調波成分最高限度値S4max以上であれば信号出力飽和異常とする(ステップ150)。

0035

(3)電源異常検出
前記した信号出力低下異常は、光ファイバ切れなどの光学系の故障の他に光学系への電源の供給不足も考えられる。電源の供給不足を分離して検出するためにA/D変換器9は光ファイバジャイロの任意の電源電圧がかかっている部分から入力を得て、電源電圧をA/D変換する。電源電圧の取得はS1、S2、S4の取得に併せてステップ70で行われる。ステップ80において電源電圧が予め定めた最低限度電圧Pminより低いときには電源異常とし(ステップ90)、この場合、信号出力低下異常は光学系の故障ではなく光学系への電源の供給不足によるものと判断する。図3のフローチャートではステップ80がステップ100以降に優先するので、電源異常が検出されると信号出力低下異常は検出されない。

0036

(4)故障通知
上述した(1)〜(3)の故障検出において、零点異常、信号出力低下異常、信号出力飽和異常、電源異常の故障情報が検出されると、CPU10は、検出した故障情報をステップ180で通信手段であるSCI13を介して外部のホストコンピュータに通知する。このとき電源を停止して再投入することによって故障情報が消えてしまわないように、ステップ170で不揮発性のメモリであるE2PROM12に書き込んでおく。再投入時には、ステップ10で不揮発性のメモリの故障情報を読み出し、再投入以前に故障があったことを検知する。このときも故障情報をステップ180で外部のホストコンピュータに通知する。

0037

故障検出が全くない場合、ステップ160で通常の角速度、角度の計算が行われ、ホストコンピュータにその結果が送信される。

0038

なお、以上の実施例では故障検出は信号処理回路15中のCPU10で行う構成であったが、位相変調周波数の基本波成分S1、2倍調波成分S2、4倍調波成分S4、各零点、及び電源電圧をホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータで故障検出できるようにしてもよい。

0039

次に本発明の他の実施例を説明する。

0040

故障検出のためにA/D変換器9やCPU10を用いるとシステム全体が高価になる。また、電子回路の大規模化による部品点数の増大が信頼性の低下を招くことも考えられる。

0041

他方、2倍調波成分S2、4倍調波成分S4は、光出力をP0 、位相変調の度合いをm、サニャック位相差をθとすると次式で表される。

0042

S2=P0 ・J2(m)cosθ (3)
S4=P0 ・J4(m)cosθ (4)
θ={4πRl/(λc)}・Ω (5)
ここで、
R;センシングループの半径
l;センシングループの長さ
λ;光源1の波長
c;光速
この式によれば、大きな角速度Ωが入力されると、S2及びS4が小さくなる。角速度Ωが非常に大きいとS2及びS4が小さいために故障診断ができないこともある。従って、光ファイバジャイロを搭載したシステムが動いているときには故障検出ができない場合がある。

0043

そこで、プリアンプの交流信号のみを積分し、その積分値基準値とを比較して故障を判断することにする。そのための構成は図4に示される。図4において光学部14には、光源1、光カプラ2a、偏光子3、光カプラ2b、位相変調器4、センシングループ5、受光器6、プリアンプ(前置増幅器)7が含まれる。光学部14の構成は、図1のものとほぼ同じである。

0044

プリアンプ7の出力は、交流信号のみを分離して積分する積分器16と、ロックインアンプ17、18、19とに入力されている。積分器16の出力は自動出力制御回路APC)20と、比較器21とに入力されている。APC20は積分器16で積分されたプリアンプ7の出力に基づきその積分値が一定になるように光源1に供給される電流を制御して光出力を一定値に制御する光出力制御手段である。ロックインアンプ17、18、19はそれぞれ同期検波回路である。ロックインアンプ17は、プリアンプ7の出力を入力し、基準信号発生回路22からの基準信号1frに基づいて基本波1fO を同期検波し、この同期検波出力を角速度を計測するためのアナログのジャイロ信号として図示されない計測回路、あるいは本光ファイバジャイロ10を使用しているシステムへ出力する。ロックインアンプ18はプリアンプ7の出力を入力し、基準信号発生回路22からの基準信号2frに基づいて2倍調波2fO を同期検波し、この同期検波出力を位相変調器駆動回路23に出力する。ロックインアンプ19は、プリアンプ7の出力を入力し、基準信号発生回路22からの基準信号4frに基づいて4倍調波4fO を同期検波し、この同期検波出力を位相変調器駆動回路23に出力する。

0045

位相変調器駆動回路(PZTコントローラ)23は、位相変調器4の変調の度合いを一定値に制御する変調信号振幅制御手段であり、ロックインアンプ18、19からの2倍調波2fO 及び4倍調波4fO を入力して、基準信号発生回路22からの基準信号の振幅を前記の2つの出力2fO 、4fO の比が一定になるように位相変調器4を制御するべく、低域通過フィルタ24を介して位相変調器4に変調信号を加える。

0046

比較器21は、積分器16の積分信号の電圧を予め定めた故障の基準電圧と比較して故障を検知するものである。比較器21の出力は、そのレベルTTLレベル或いはCMOSレベルであるような2値出力であり、“L”、“H”が正常又は異常を示す論理となる。

0047

以上のように構成された光ファイバジャイロにおいて、プリアンプ7の出力P(t)は次式で表される。

0048

P(t)=K{1+Vcos(φS +φecos2πfmt)} (6)
ここで
K;光出力及び電子回路の増幅度で決まる定数
V;光干渉効率
φS ;サニャック位相差
φe;位相変調度
fm;位相変調周波数
である。サニャック位相差は次式で与えられる。

0049

φS =aΩ=(4πRl/λc)Ω (7)
a;スケールファクタ
R;センシングループの半径
l;センシングループの長さ
λ;光源1の波長
c;光速
Ω;角速度
(6)式を展開すると(8)式になる。

0050

0051

(8)式において、7次以上のベッセル関数の値は一般に小さいため零として無視することができる。また、交流信号のみ積分する積分回路16を用いるので、P(t)から直流分を除いたP´(t)を求めると次式になる。

0052

P´(t)=−2KVJ1 (φe)・sinφS ・cos(2πfmt)
−2KVJ2 (φe)・cosφS ・cos(2π2fmt)
+2KVJ3 (φe)・sinφS ・cos(2π3fmt)
+2KVJ4 (φe)・cosφS ・cos(2π4fmt)
−2KVJ5 (φe)・sinφS ・cos(2π5fmt)
−2KVJ6 (φe)・cosφS ・cos(2π6fmt)
・・・(9)
この信号が積分回路16で積分されることによってプリアンプ7の交流信号のレベルが求められるが、その大きさを表すには実効値がよく用いられるため、以下、(10)式で定義される実効値|P|を求める。

0053

0054

ここで T;基本波の周期
2πfmt=ωtとすると、
P´2 (t)=4K2 V2 {−J1 (φe)・sinφS ・cos(ωt)
−J2 (φe)・cosφS ・cos(2ωt)
+J3 (φe)・sinφS ・cos(3ωt)
+J4 (φe)・cosφS ・cos(4ωt)
−J5 (φe)・sinφS ・cos(5ωt)
−J6 (φe)・cosφS ・cos(6ωt)}2
=4K2 V2 ×
[{J1 2 (φe)・sin2 φS ・cos2 (ωt)
+J2 2 (φe)・cos2 φS ・cos2 (2ωt)
+・・・}
−2J1 (φe)・cosφS ・cos(2t)×
{−J2 (φe)・cosφS ・cos(2ωt)
+J3 (φe)・sinφS ・cos(3ωt)
+・・・}
−2J2 (φe)・cosφS ・cos(2ωt)×
{J3 (φe)・sinφS ・cos(3ωt)
+J4 (φe)・cosφS ・cos(4ωt)
+・・・}
+2J3 (φe)・sinφS ・cos(3ωt)×
{J4 (φe)・cosφS ・cos(4ωt)
−J5 (φe)・sinφS ・cos(5ωt)
−・・・}
+2J4 (φe)・cosφS ・cos(4ωt)×
{−J5 (φe)・sinφS ・cos(5ωt)
−J6 (φe)・cosφS ・cos(6ωt)}
−2J5 (φe)・sinφS ・cos(5ωt)×
{−J6 (φe)・cosφS ・cos(6ωt)}]
・・・(11)
となる。

0055

次に、(11)式のcos2 の項と、その他の項に別けて積分する。

0056

0057

となる。

0058

例えば、φe=2.7で動作させた場合、
J1 (φe)=0.4416
J2 (φe)=0.46956
J3 (φe)=0.25405
J4 (φe)=0.09498
J5 (φe)=0.02739
J6 (φe)=0.00645
であるから、

0059

0060

となる。

0061

φS =0、即ち光ファイバジャイロに回転が加わらず角速度Ω=0の場合の積分器16の出力|P(0)|を基準とし、φS における出力|P(φS )|の変化量を図5のグラフに示す。ここで変化量とは、|P(φS )|から|P(0)|を引いたものを|P(0)|で割り百分率で表したものである。図示されるように、φS が0°から90°の間で変化量が0%から6%まで徐々に増加している。光ファイバジャイロの角速度に対するダイナミックレンジは、通常、|φS |≦60°で設計されるので、この範囲で変化量を見ると5%以内になることが分かる。従って、通常の回転角速度が光ファイバジャイロに加わっても、積分器16の出力変化は5%以下になることが分かる。

0062

光学系の故障、或いは電気系の故障により、K即ち光出力及び電子回路の増幅度で決まる定数に異常がある場合、又は光学系に用いられる偏波面保存光ファイバ偏波保存性劣化により、光干渉効率Vに異常がある場合は、その影響が|P(φS )|にも現れるが、上記のように回転角速度による|P(φS )|の変化が5%以下であることから、例えば10%の変化が見られるときには、光学系の故障、或いは電気系の故障として検出することができる。比較器21には|P(0)|の10%程度の故障基準値を設定しておく。これにより、通常の回転角速度が光ファイバジャイロに加わっているときでも、少なくとも±10%の精度で異常を検出することができる。

0063

比較器21が出力する故障信号の出力レベルがTTLレベル或いはCMOSレベルであるので、本光ファイバジャイロを使用しているシステムとの接続が容易であり、システム側はこの故障信号を監視することにより光ファイバジャイロの故障が直ちに認識できる。

0064

なお、故障が発生した場合、光源1に過大な電流が流れる場合が多いので、故障信号により光源1を遮断する構成としてもよい。

0065

また、光源1の出力制御に積分器16の出力を用いたが、光源1の光ファイバ側出射端とは反対側にフォトダイオードを設置し、このフォトダイオードの出力で出力制御する構成であっても、積分器16による故障検出は可能である。

発明の効果

0066

本発明は次の如き優れた効果を発揮する。

0067

(1)運転している光ファイバジャイロで迅速な故障検出ができ、故障通知できるので事故を未然に防ぐことができる。

0068

(2)故障の具体的情報が得られるので、故障箇所が限定でき原因解明が容易になる。

0069

(3)故障情報を不揮発メモリに記憶しているので光ファイバジャイロの電源が切られても故障情報が消えない。従って、故障検出に基づいて緊急で電源を遮断した場合でも故障情報が失われることがなく、また、ホスト機器にも継続してこの故障情報が通知できる。

0070

(4)前置増幅器の出力を積分器に通し、その積分値から故障を判定できるので、回路が簡素化され、光ファイバジャイロが小型で安価に構成されると共に部品点数の低減による信頼性の向上が図られる。

0071

(5)回転角速度が加わっても積分器の出力は原理的にほぼ一定しているので、故障判定が高精度になる。

図面の簡単な説明

0072

図1本発明の一実施例を示す光ファイバジャイロのブロック図である。
図2基本波、2倍調波、4倍調波成分の角速度対電位特性を示すグラフである。
図3本発明の光ファイバジャイロのフローチャートである。
図4本発明の他の実施例を示す光ファイバジャイロのブロック図である。
図5φS と|P(φS )|の変化量との関係を示すグラフである。

--

0073

1光源
4位相変調器
5センシングループ
6受光器
7プリアンプ(前置増幅器)
12 E2PROM(不揮発性のメモリ)
16積分器
20APC(光出力制御手段)
23位相変調器駆動回路(PZTコントローラ、変調信号振幅制御手段)

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