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技術 生理用ナプキン

出願人 三井化学株式会社
発明者 谷口桂子鷲野正浩森谷忍味岡正伸
出願日 1993年6月17日 (26年10ヶ月経過) 出願番号 1993-145880
公開日 1995年5月23日 (24年11ヶ月経過) 公開番号 1995-132127
状態 拒絶査定
技術分野 吸収性物品とその支持具 生理用ナプキン
主要キーワード 乾燥気体中 不透水性フィルム 残存モノマー含有量 ガーネット機 未反応モノマー類 ポリオレフィン樹脂製 ローラカード 熱可塑性ポリマー繊維
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年5月23日)のものです。
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図面 (3)

目的

自然環境下で分解可能な生理用ナプキンを提供する。

構成

不透水性フィルム吸収体および透水性不織布から構成された生理用ナプキンにおいて、該不透水性フィルムが乳酸系ポリマーを主成分とするフィルムであり、かつ、該透水性不織布が乳酸系ポリマーを主成分とする不織布であることを特徴とする生理用ナプキン。

概要

背景

通常、生理用ナプキンは、不織布等で覆われた吸収体不透水性フィルムの上に配し、さらに全体を不織布等で覆った構造を有するものである。従来、これらの不透水性フィルムおよび不織布等として、ポリオレフィン樹脂製のものが使用されていた。例えば、特開昭61−179307号公報には、防漏シートとして、特定の孔径空孔容積透湿度等を有する充填剤を含むポリオレフィン製二軸延伸多孔質フィルムを用いた吸収性物品が提案されている。しかし、ポリオレフィン樹脂は、自然環境下では分解速度がきわめて遅いため使用後廃棄された場合、焼却処理されない限り廃棄物として蓄積することとなる。また、この様な樹脂から製造された生理用ナプキンを、誤って水洗便器に廃棄してしまった場合、これら廃棄物が溜って、配管を詰まらせる原因となり問題となっている。

一方、分解性を有するポリマーとして、ポリ乳酸または乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸コポリマー(以下、乳酸系ポリマー略称する。)が開発されている。これらのポリマーは、生体内で数ケ月から1年以内に略100%分解し、また、土壌海水中、さらにはコンポスト堆肥)中に置かれた場合、湿った環境下では数週間で分解を始め、約1年から数年で消滅し、さらに分解生成物は、最終的には二酸化炭素と水になるという特性を有している。

通常、ポリ乳酸は、ラクチドと呼ばれる乳酸の環状二量体開環重合することにより合成され、その製造方法に関しては、米国特許第1,995,970号、米国特許第2,362,511号、米国特許第2,683,136号等に開示されている。

また、乳酸の環状二量体であるラクタイドとヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体(通常グリコール酸二量体であるグリコリド)から合成される乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは、米国特許第3,636,956号、米国特許第3,797,499号等にその製造方法が開示されている。本出願人は、先に、特願平4−100883号に係わる特許出願において、乳酸系ポリマーおよび特定量可塑剤微粉状充填剤を含む多孔性フィルムを提案し、また、特願平5−134425号に係わる特許出願において、ヒドロキシカルボン酸を主成分とする繊維からなるウエブを結合した分解性不織布を提案した。本願は、これらの分解性多孔性フィルムおよび分解性不織布等を活用し、分解性を有する生理用ナプキンを提供するものである。

概要

自然環境下で分解可能な生理用ナプキンを提供する。

不透水性フィルム、吸収体および透水性不織布から構成された生理用ナプキンにおいて、該不透水性フィルムが乳酸系ポリマーを主成分とするフィルムであり、かつ、該透水性不織布が乳酸系ポリマーを主成分とする不織布であることを特徴とする生理用ナプキン。

目的

本発明は、上記問題点に鑑み、自然環境下で分解可能な生理用ナプキンを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

不透水性フィルム吸収体および透水性不織布から構成された生理用ナプキンにおいて、該不透水性フィルムが乳酸系ポリマーを主成分とするフィルムであり、かつ、該透水性不織布が乳酸系ポリマーを主成分とする不織布であることを特徴とする生理用ナプキン。

請求項2

前記乳酸系ポリマーを主成分とするフィルムが、ポリ乳酸または乳酸ヒドロキシカルボン酸コポリマー80〜100重量%、および可塑剤0〜20重量%を含むポリ乳酸系樹脂組成物100重量部に対し、平均粒径0.3〜4μmの微粉状充填剤40〜250重量部を添加した混合物溶融成膜した後、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸した多孔性フィルムであることを特徴とする請求項1記載の生理用ナプキン。

請求項3

前記ポリ乳酸が、L−乳酸単位85〜100モル%およびD−乳酸単位0〜15モル%、または、D−乳酸単位85〜100モル%およびL−乳酸単位0〜15モル%を含むポリ乳酸であることを特徴とする請求項2記載の生理用ナプキン。

請求項4

前記乳酸−ヒドロキシカルボン酸コポリマーが、L−乳酸単位85〜100モル%およびグリコール酸単位0〜15モル%、または、D−乳酸単位85〜100モル%およびグリコール酸単位0〜15モル%を含むコポリマーであることを特徴とする請求項2記載の生理用ナプキン。

請求項5

前記可塑剤が、乳酸、乳酸オリゴマーまたはラクチドであることを特徴とする請求項2記載の生理用ナプキン。

請求項6

前記乳酸系ポリマーを主成分とする不織布が、ポリ乳酸および乳酸−ヒドロキシカルボン酸コポリマーから選ばれた少なくとも一種の乳酸系ポリマーを主成分とする繊維からなるウエブを結合させた不織布であることを特徴とする請求項1記載の生理用ナプキン。

請求項7

前記繊維が、L−乳酸単位またはD−乳酸単位を80モル%以上もつポリ乳酸繊維、L−乳酸単位70モル%以上もつ(L−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー繊維、および、D−乳酸単位を70モル%以上もつ(D−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー繊維から選ばれた少なくとも一種の分解性繊維であることを特徴とする請求項6記載の生理用ナプキン。

請求項8

前記繊維が、L−乳酸単位またはD−乳酸単位を80モル%以上もつポリ乳酸繊維、L−乳酸単位70モル%以上もつ(L−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー繊維、および、D−乳酸単位を70モル%以上もつ(D−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー繊維から選ばれた少なくとも一種の分解性繊維(A)と、L−乳酸単位とD−乳酸単位とのモル比が1:4〜4:1であるポリ(DL−乳酸)繊維、L−乳酸単位とD−乳酸単位とのモル比が任意である(DL−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー繊維、L−乳酸単位を0〜70モル%もつ(L−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー繊維、および、D−乳酸単位を0〜70モル%もつ(D−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー繊維から選ばれた少なくとも一種の低温熱可塑性分解性繊維(B)との混合繊維であることを特徴とする請求項6記載の生理用ナプキン。

請求項9

前記混合繊維が、低温熱可塑性分解性繊維(B)を10〜60重量%含むことを特徴とする請求項8記載の生理用ナプキン。

請求項10

前記乳酸系ポリマーが、実質的に水の非存在下で、L−乳酸、D−乳酸またはこれらの混合物、または、L−乳酸、D−乳酸またはこれらの混合物とヒドロキシカルボン酸、を有機溶媒を含む反応混合物中で脱水縮合して得られた重量平均分子量が約50,000以上である乳酸系ポリマーであることを特徴とする請求項6記載の生理用ナプキン。

請求項11

前記ヒドロキシカルボン酸が、グリコール酸またはヒドロキシカプロン酸であることを特徴とする請求項10記載の生理用ナプキン。

請求項12

前記乳酸系ポリマーが含有する未反応モノマーおよび/またはコモマーの含有量が3重量%以下であることを特徴とする請求項10記載の生理用ナプキン。

請求項13

前記吸収体が、綿状パルプと、澱粉アクリル酸グラフト共重合体架橋物を含む高吸水性ポリマーとの混合物であることを特徴とする請求項1記載の生理用ナプキン。

技術分野

0001

本発明は、生理用ナプキンに関する。詳しくは、不透水性フィルム吸収体および透水性不織布から構成された生理用ナプキンであって、不透水性フィルムおよび透水性不織布が分解性ポリマーである乳酸系ポリマー素材として製造された分解性を有する生理用ナプキンに関する。

背景技術

0002

通常、生理用ナプキンは、不織布等で覆われた吸収体を不透水性フィルムの上に配し、さらに全体を不織布等で覆った構造を有するものである。従来、これらの不透水性フィルムおよび不織布等として、ポリオレフィン樹脂製のものが使用されていた。例えば、特開昭61−179307号公報には、防漏シートとして、特定の孔径空孔容積透湿度等を有する充填剤を含むポリオレフィン製二軸延伸多孔質フィルムを用いた吸収性物品が提案されている。しかし、ポリオレフィン樹脂は、自然環境下では分解速度がきわめて遅いため使用後廃棄された場合、焼却処理されない限り廃棄物として蓄積することとなる。また、この様な樹脂から製造された生理用ナプキンを、誤って水洗便器に廃棄してしまった場合、これら廃棄物が溜って、配管を詰まらせる原因となり問題となっている。

0003

一方、分解性を有するポリマーとして、ポリ乳酸または乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸コポリマー(以下、乳酸系ポリマーと略称する。)が開発されている。これらのポリマーは、生体内で数ケ月から1年以内に略100%分解し、また、土壌海水中、さらにはコンポスト堆肥)中に置かれた場合、湿った環境下では数週間で分解を始め、約1年から数年で消滅し、さらに分解生成物は、最終的には二酸化炭素と水になるという特性を有している。

0004

通常、ポリ乳酸は、ラクチドと呼ばれる乳酸の環状二量体開環重合することにより合成され、その製造方法に関しては、米国特許第1,995,970号、米国特許第2,362,511号、米国特許第2,683,136号等に開示されている。

0005

また、乳酸の環状二量体であるラクタイドとヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体(通常グリコール酸二量体であるグリコリド)から合成される乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは、米国特許第3,636,956号、米国特許第3,797,499号等にその製造方法が開示されている。本出願人は、先に、特願平4−100883号に係わる特許出願において、乳酸系ポリマーおよび特定量可塑剤微粉状充填剤を含む多孔性フィルムを提案し、また、特願平5−134425号に係わる特許出願において、ヒドロキシカルボン酸を主成分とする繊維からなるウエブを結合した分解性不織布を提案した。本願は、これらの分解性多孔性フィルムおよび分解性不織布等を活用し、分解性を有する生理用ナプキンを提供するものである。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記問題点に鑑み、自然環境下で分解可能な生理用ナプキンを提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、自然環境下で分解可能な生理用ナプキンを得る目的で、乳酸系ポリマーに着目し、乳酸系ポリマーを主成分とする不透水性フィルムおよび透水性不織布を生理用ナプキンの主要素材として用いることにより、上記目的が達成し得ることを見出し、本発明に到った。

0008

すなわち、本発明は、不透水性フィルム、吸収体および透水性不織布から構成された生理用ナプキンにおいて、該不透水性フィルムが乳酸系ポリマーを主成分とするフィルムであり、かつ、該透水性不織布が乳酸系ポリマーを主成分とする不織布であることを特徴とする生理用ナプキンである。

0009

本発明の生理用ナプキンの特徴は、ナプキン体液防漏性シートとして乳酸系ポリマーを主成分とする不透水性フィルムを用い、かつ、吸収体の保持材および最外層を形成する不織布として、乳酸系ポリマーを主成分とする透水性不織布を用いることにある。

0010

以下、本発明について詳細に説明する。先ず、本願発明の生理用ナプキンの構造について説明する。本発明の生理用ナプキンの構造には特に制限はない。従来公知の構造のもので差支えない。一例として〔図1〕および〔図2〕に示すものが挙げられる。即ち、透水性不織布2により覆われた吸収体1を不透水性フィルム3の上に載せ、さらにその全体を透水性不織布4で覆い、要部をヒートシール等によって封じることにより製造される。人体から排泄された体液は、透水性不織布4および透水性不織布2を通して吸収体1により吸収、保持される。不透水性フィルム3は吸収体1により吸収、保持された体液が外部に漏洩するのを防止するものである。好ましくは、不透水性フィルム3として透湿性を有する分解性多孔性フィルムが用いられる。

0011

次いで、本発明の生理用ナプキンに用いる乳酸系ポリマーを主成分とする不透水性フィルムについて説明する。本発明の生理用ナプキンには、体液防漏用シートとして、乳酸系ポリマーを主成分とする不透水性フィルムが使用される。該不透水性フィルムの成形方法には特に制限はなく、公知の成形方法によりフィルム状に成形されたもので差支えない。例えば、ポリ乳酸、乳酸−ヒドロキシカルボン酸コポリマー等の乳酸系ポリマーに可塑剤、無機充填剤紫外線吸収剤等の添加剤を配合し、T−ダイ式押出成形法インフレーション式押出成形法、カレンダー成形法等によりフィルム状に溶融成形する方法が挙げられる。

0012

不透水性フィルムを生理用ナプキンの体液防漏用シートとして用いた場合、着用箇所体温によるムレ等、着用の違和感等を防止することを考慮すると、乳酸系ポリマーを主成分とする不透水性フィルムは、透湿性を有する多孔性フィルムであることが好ましい。

0013

透湿性を有する多孔性フィルムは、例えば、乳酸系ポリマーに特定粒径の微粉状充填剤を加え、ヘンシェルミキサー等により混合した後、ペレット化するか、またはしないで、一軸あるいは二軸スクリュー押出機を用いて溶融混練し、環状または線状のダイから押出して製膜した後、延伸することにより多孔化する方法により得られる。

0014

多孔性フィルムの製造に用いる乳酸系ポリマーとは、ポリ乳酸または乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーである。コモノマーとして用いられるヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸ヒドロキシ吉草酸ヒドロキシペンタン酸ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が例示される。

0015

好ましいポリ乳酸の分子構造は、L−乳酸またはD−乳酸いずれかの単位85〜100モル%とそれぞれの対掌体乳酸単位0〜15モル%からなるものである。また、乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは、L−乳酸またはD−乳酸いずれかの単位85〜100モル%とヒドロキシカルボン酸単位0〜15モル%からなるものである。好ましいヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸が挙げられる。

0016

これらの乳酸系ポリマーは、乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸を直接脱水重縮合するか、または、乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸の環状二量体を開環重合することにより得られる。

0017

直接脱水縮合する場合は、実質的に水の非存在下で、L−乳酸、D−乳酸またはこれらの混合物、または、L−乳酸、D−乳酸またはこれらの混合物とヒドロキシカルボン酸、を有機溶媒を含む反応混合物中で脱水縮合する。原料として用いる乳酸は、L−乳酸またはD−乳酸またはそれらの混合物のいずれでもよい。開環重合する場合は、乳酸の環状二量体であるラクチドまたはヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体、例えばグリコール酸の二量体であるグリコリドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトン等の共重合可能モノマーを適宜用いて開環重合する。

0018

直接脱水重縮合する方法として、乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸類加熱脱水縮合反応を有機溶媒中で行い、しかも生成した水を反応系外に除去しながら行う方法が挙げられる。好ましくは、脱水縮合反応により生成した水を有機溶媒と共に反応系外に留出させると共に、留出した有機溶媒に溶解する水量以下の水量を有する有機溶媒を反応系に追加しながら加熱脱水縮合反応を行う方法である。反応系内の水分量が得られるポリマーの分子量に影響するので、高分子量のポリマーを得るためには反応系に追加する有機溶媒中に含まれる水分量は、50ppm以下であることが好ましい。

0019

上記直接脱水重縮合反応は、ポリマーの生成速度または熱分解速度を考慮して、80〜200℃、このましくは110〜170℃において行われる。脱水重縮合反応は、通常、常圧下で使用有機溶媒の留出温度において行われる。高沸点の有機溶媒を用いる場合は減圧下で、また、低沸点の有機溶媒を用いる場合は、加圧下で行ってもよい。

0020

上記有機溶媒として、ジブチルエーテルアニソールフェネトール等のエーテル類ジフェニルエーテル、4−メチルフェニルエーテル、3−メチルフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン、4−ブロモフェニルエーテル、4−メトキシジフェニルエーテル、3−メトキシジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等のジフェニルエーテル類、等が挙げられる。これらの有機溶媒を用いることにより、分子量の高い乳酸系ポリマーが得られる。有機溶媒の使用量は、反応系内のポリマー濃度が10〜80重量%となる程度の量であることが好ましい。

0021

また、上記直接脱水重縮合反応は、触媒を用いても、用いなくてもよいが、反応速度を高めるためには用いた方がよい。触媒として、周期律表I、II、IIIV、V族の金属、それらの酸化物、またはそれらの塩が挙げられる。具体的には、亜鉛末、錫末、アルミニウムマグネシウム等の金属、酸化錫酸化アンチモン酸化亜鉛酸化アルミニウム酸化マグネシウム等の金属酸化物塩化第一錫塩化亜鉛塩化マグネシウム等の金属ハロゲン化物等が挙げられる。触媒の使用量は、乳酸等のモノマーの0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜2重量%である。

0022

直接脱水重縮合反応の具体的例として、90重量%のL−乳酸(残部の略全量が水)を原料モノマーとして用いる方法を例示する。水分離器(例えば、Dean Stark trap)を備えた反応器に、所定量の有機溶媒、所定量の90%L−乳酸および所定量の触媒を装入する。反応器を加熱し、共沸により溶媒と水を留出させ水分離器に導く。最初は、原料L−乳酸中に含まれる水が溶媒と共に留出する。溶解度を超えた水は水分離器で分離され系外に除去される。溶解度分の水を含んだ溶媒は反応系に戻す。

0023

この段階で原料L−乳酸に含まれる水はほぼ完全に留出し、L−乳酸はオリゴマー化する。このときの平均分子量は、500〜1,000程度であるが、環状二量体(すなわちラクタイド)を含んでいても良いし、平均分子量が5,000程度までになっていても良い。この間の反応時間はおよそ0.5時間から数時間である。このオリゴマー化の反応は、予め別の反応器で、無溶媒、無触媒、減圧下で行っていても良いし、無触媒で溶媒を用いて行っても良い。

0024

溶媒の留出温度で反応を続け生成する水を溶媒と共に留出させ、溶解度を超えた水は水分離器で分離して系外に除去し、水で飽和した溶媒を反応系に戻しながら反応を続ける。このまま数十時間反応を続けると平均分子量15,000〜50,000のポリL−乳酸が得られる。

0025

さらに高分子量のポリマーを得るには、原料中の水がほぼ留出した後、水分離器を外し、モレキュラーシーブ等の乾燥剤充填した乾燥管取付け、留出した溶媒と水をこの乾燥管を介して還流させる。また、留出した溶媒と水を乾燥剤を入れた別の反応器で処理して反応器に戻す方法、または、新たな水分含量の低い溶媒を反応器に装入する方法でもよい。これらの方法により溶媒に溶解する水の量を50ppm以下に制御しながら数十時間反応つづけることにより、溶媒の種類にもよるが、平均分子量50,000〜200,000程度のポリL−乳酸を得ることができる。

0026

反応終了後処理方法はどのような方法でも良いが、例えば、反応液塩化メチレンを加えた後、混合液メタノール中に排出し、析出した結晶濾過、乾燥することによりポリL−乳酸が得られる。

0027

乳酸系ポリマーの分子量が低いと得られる不透水性フィルムの強度が低下し、また高いと溶融状態での粘度が高く成形加工性が低下する。かかる観点から、不透水性フィルムの素材としての乳酸系ポリマーの平均分子量は、5万以上、100万以下程度のものが好ましい。特に好ましい平均分子量の範囲は5万以上、50万以下である。

0028

本発明に用いられる多孔性フィルムは、上記乳酸系ポリマーを80〜100重量%および可塑剤を0〜20重量%含むことが好ましい。可塑剤として、例えば、ジ−n−オクチルフタレートジ−2−エチルヘキシルフタレート等の公知の可塑剤が挙げられるが、分解性の点で好ましく用いられるのは、乳酸、直鎖状乳酸オリゴマー環状乳酸オリゴマーまたはラクチドである。

0029

乳酸オリゴマーは、50〜280℃において、乳酸を加熱脱水縮合することにより容易に調製できる。通常の場合、この方法で得られるオリゴマー重合度は1〜30程度である。また、グリコリドやラクチドを水およびグリコール酸または乳酸の存在下で50〜280℃に加熱することによっても調製することができる。なお、本発明でいうオリゴマーには、上記乳酸系ポリマーの合成時にモノマーとして用いたラクチド(乳酸の環状二量体)も含まれる。

0030

上記可塑剤を乳酸系ポリマーに添加することにより、乳酸系ポリマーは効果的に可塑化され、得られる樹脂組成物は柔軟性を帯びる。樹脂組成物中の可塑剤の量が5重量%以上になると柔軟性がはっきり現れるようになり、20重量%を越えると、該組成物溶融押出し、延伸する時の成形性が悪くなり、また、得られた成形物の強度が弱くなるため好ましくない。

0031

乳酸系ポリマーに好ましくは可塑剤を添加し、さらに微粉状充填剤を混合して原料樹脂組成物とする。上記微粉状充填剤は、無機質微粉体または有機質微粉体であり、無機質微粉体としては、炭酸カルシウム炭酸マグネシウム炭酸バリウム硫酸マグネシウム硫酸バリウム硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム酸化チタン、酸化マグネシウム、アルミナ水酸化アルミニウムヒドロキシアパタイトシリカマイカタルクカオリンクレーガラス粉アスベスト粉ゼオライト珪酸白土等が用いられ、特に、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、珪酸白土等が好ましく用いられる。また、有機質微粉体としては、木粉パルプ粉等のセルロース系粉末等が用いられる。

0032

これらの微粉状充填剤の平均粒径としては、0.3〜4μmのものが好ましい。さらに好ましくは、上記粒径を有し、かつ比表面積が15m2/g以下のものである。比表面積が0.5〜5m2/gの範囲のものがさらに好ましい。平均粒径が、4μmを超えるとフィルムの延伸性が悪く、均一に白化する前にフィルムが切れることがある。そのため、作業安定性に劣り、フィルムを均一にに多孔化できないことがあり好ましくない。また、0.3μm未満だと微粉状充填剤を高充填できなくなりフィルムの多孔化が不可能となる。また、比表面積が15mm2/gを超えると、微粉状充填剤の形状が無定型、板状、針状などとなるので粒径分布が広くなり、フィルムの延伸性が低下し、フィルムを多孔化するための成形性が低下するので好ましくない。

0033

微粉状充填剤の使用量が少ないとフィルムの多孔化が不充分で連通孔が少なくなるため、充分な通気性及び透湿性が得られず、また、多いと溶融押出性、成形性および延伸性が低下する。かかる観点から、微粉状充填剤の使用量は、ポリ乳酸系樹脂組成物100重量部に対し40〜250重量部が好ましく、さらに好ましくは60〜150重量部である。

0034

多孔性フィルムの製造方法として下記方法が例示される。ポリ乳酸系樹脂組成物に微粉状充填剤を加え、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサータンブラー混合機等を用いて常温にて5〜30分程度混合し、その後、通常の一軸または二軸スクリュー押出機によって混練し、ペレット化する。次いで、得られたペレットインフレーション成形機または、Tダイ成形機を用いて製膜する。ペレット化せず直接押出機で成膜することもできる。押出温度は、好ましくは、100〜270℃の範囲、より好ましくは、130〜250℃の範囲である。100℃未満では、押出安定性が得難く、また過負荷に陥りやすく、270℃を越えると、乳酸系ポリマーの分解が激しくなるので、好ましくない。押出機のダイは、環状または線状のスリットを有するものでよい。ダイの温度は押出温度範囲と同じ程度で良い。

0035

その後、少なくとも一軸方向に、1.1〜10倍、好ましくは1.1〜7倍延伸を行う。延伸は多段階に分けて行ってもよいし、二軸方向に延伸してもよい。延伸倍率が1.1倍未満の場合は、フィルムの多孔化が不充分となる。10倍を超えるとフィルムが破れることが多くなり好ましくない。

0036

延伸温度は乳酸系ポリマーのガラス転移点(以下、Tgという)〜Tg+50℃の範囲が好ましい。延伸後、孔の形態安定性を増すために熱固定を行ってもよい。多孔性フィルムの厚さは、一般的には10〜300μm程度である。なお、多孔性フィルムには本発明の目的を損なわない範囲で着色剤強化剤及びその他の充填剤等を添加することも可能である。

0037

次いで、本発明の生理用ナプキンに用いる乳酸系ポリマーを主成分とする透水性不織布について説明する。本発明の生理用ナプキンに用いる乳酸系ポリマーを主成分とする透水性不織布の製造方法には特に制限はなく、公知の方法により製造されたもので差支えない。例えば、乳酸系ポリマーを紡糸し、繊維とした後ウエブを形成し、該ウエブを従来公知の方法、例えばニードルパンチ法ステッチボンド法、ジェットボンド法、サーマルボンド法レジンボンド法等により結合することにより得られる。上記乳酸系ポリマーには必要に応じて、可塑剤、各種の改質剤等の他の添加剤を加えてもよい。

0038

透水性不織布の製造に用いる乳酸系ポリマーは、乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸を直接脱水重縮合するか、または、乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸の環状二量体を開環重合することにより得られ、製造方法は前記の不透水性フィルムに用いた乳酸系ポリマーと同様である。コモノマーとして用いられるヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が例示される。好ましいヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸が挙げられる。

0039

本発明の生理用ナプキンに用いられる乳酸系ポリマーを主成分とする透水性不織布は、人肌直接接触して用いられるので、乳酸、グリコール酸等のモノマー類を極力含まない乳酸系ポリマーであることが好ましい。乳酸、グリコール酸等のモノマー類が多量含まれるとナプキンの着用箇所が刺激を受けて、赤くかぶれるなど悪影響を及ぼすことがある。かかる観点から、本発明で使用する不織布用資材としての乳酸系ポリマー中の残存モノマー含有量は、3重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは2重量%以下、最も好ましくは1重量%以下である。

0040

ラクチドまたはヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体の開環重合により得られる乳酸系ポリマーには、数%のラクチド等の環状二量体が残存していることが一般的である。これらの環状二量体等は、水分の存在下で加水分解を起こし、乳酸またはそれぞれのヒドロキシカルボン酸を発生する。そのため、透水性不織布の素材としては、上記方法の内、乳酸または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸を直接脱水重縮合する方法により得られる乳酸系ポリマーが好ましい。直接脱水重縮合する方法は前記と同様である。

0041

乳酸系ポリマーの分子量が低いと得られる不織布の強度が低下し、また高いと溶融状態での粘度が高く成形加工性が低下する。かかる観点から、不織布用素材としての乳酸系ポリマーの平均分子量は、5万以上、100万以下程度のものが好ましい。特に好ましい平均分子量の範囲は5万以上、50万以下である。

0042

本発明に用いる透水性不織布に好ましく用いられる乳酸系ポリマーの組成は、L−乳酸単位またはD−乳酸単位を80モル%以上もつポリ乳酸、L−乳酸単位70モル%以上もつ(L−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー、および、D−乳酸単位を70モル%以上もつ(D−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー、およびそれらの混合物である。

0043

上記組成を有する乳酸系ポリマーは、適度の結晶性を有し、優れた機械的強度を有するので繊維にした場合、強度の高い繊維が得られる。また、融点を有するポリマーであるので加熱圧縮により繊維どうし融着させることができ、不織布用素材として適している。

0044

原料繊維紡糸方法は、公知の紡糸法が適用される。例えば、乳酸系ポリマーを、押出機を用いて溶融紡糸する溶融紡糸法、乳酸系ポリマーを溶媒に溶解し、溶液とした後、該溶液をノズルから貧溶媒中に吐出させる湿式紡糸法、該溶液をノズルから乾燥気体中に吐出させる乾式紡糸等が適用される。湿式紡糸法または乾式紡糸法に用いられる溶媒として、トルエン、キシレンクロロホルムメチレンクロライド等が例示できる。また、湿式紡糸法に用いられる貧溶媒として、メタノール、ヘキサンアセトン等が例示できる。

0045

溶融紡糸法には、一軸押出機二軸押出機等公知の押出機を用いることができる。押出温度が低いと押出安定性が得難く、また過負荷に陥りやすい。押出温度が高いとポリマーの熱分解が激しくなり、分子量の低下、強度低下、着色等が起こりる。これらの点を考慮すると、押出温度は、好ましくは100〜280℃の範囲であり、更に好ましくは130〜250℃の範囲である。押出機の口金(ノズル)の口径は、必要とする繊維の直径(糸径)と、押出機の吐出速度や引き取り速度との関係によって適宜決定されるが、好ましくは口径0.1〜3.0mm程度である。

0046

いずれの紡糸法においても、紡糸後の繊維の延伸は必ずしも行う必要性はないが、延伸を行う場合には、1.1〜10倍、好ましくは2〜7倍に延伸する。延伸温度は、使用する乳酸系ポリマーの種類に応じて60〜210℃の範囲から選択される。乳酸系ポリマー繊維の好ましい糸径は、0.5〜40デニールである。また、好ましい繊維長は、0.5〜30cmである。

0047

得られた乳酸系ポリマーの繊維から、ウェブと呼ばれる繊維の塊状体を形成させる。ウェブの状態では繊維どうしが結合していないのでこのままでは不織布とはいえない。

0048

ウェブの製造方法としては公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、フラットカード機、ローラカード機、ガーネット機等を用いるカード式メルトブローン式が挙げられる。また、乳酸系ポリマーを紡糸する際、紡糸機のノズルから繊維が出るときに高速空気を吹き付け、気流に直角な穴あきコンベア上に集めてウェブを形成させるスパンボンド式でもよい。

0049

乳酸系ポリマーの繊維からなるウェブから、不織布を得るには公知の方法を用いることができる。例えば、針により交絡させるニードルパンチ法、糸により交絡させるステッチボンド法、水流により交絡させるジェットボンド法、熱により接着するサーマルボンド法、樹脂の接着を利用するレジンボンド法が挙げられる。

0050

ウェブから分解性不織布を製造する好ましい方法として、(1)乳酸系ポリマー繊維のウェブを、該繊維の(融点−50)℃〜融点未満の温度範囲圧縮する方法が挙げられる。また、他の方法として、(2)乳酸系ポリマー繊維の主ウェブに低温熱可塑性ポリマー繊維のウェブを所定の割合で混合し、室温〜70℃の温度範囲で圧縮する方法が挙げられる。

0051

上記(1)の方法に好ましく用いられる乳酸系ポリマー繊維のウェブ、および上記(2)の方法に好ましく用いられる乳酸系ポリマー繊維の主ウェブは、L−乳酸単位またはD−乳酸単位を80モル%以上もつポリ乳酸繊維、L−乳酸単位70モル%以上もつ(L−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー繊維、および、D−乳酸単位を70モル%以上もつ(D−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー繊維から選ばれた少なくとも一種分解性繊維から製造されたウェブである。

0052

上記(2)の方法は、(1)の方法で用いる乳酸系ポリマー繊維の主ウェブに、70℃以下の温度で溶融または軟化する低温熱可塑性ポリマー繊維のウェブを添加混合し、該低温熱可塑性ポリマー繊維のウェブを室温〜70℃の温度範囲で溶融・軟化させ、主繊維どうしを接着する方法である。この方法に用いる低温熱可塑性ポリマー繊維の好ましいウェブとして、L−乳酸単位とD−乳酸単位とのモル比が1:4〜4:1であるポリ(DL−乳酸)、L−乳酸単位とD−乳酸単位とのモル比が任意である(DL−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー、L−乳酸単位を0〜70モル%もつ(D−乳酸)−ヒドロキシカルボン酸コポリマー、およびそれらの混合物を主成分とする乳酸系ポリマー繊維のウェブが挙げられる。

0053

上記(1)および(2)のいずれの方法においても、圧縮温度が低くなると繊維どうしの融着性が低下し、また高いと固いシート状となり、適度な風合いを有する柔らかい不織布が得難くなる。かかる観点から圧縮温度を上記範囲とすることが好ましい。また、いずれの方法においても圧縮圧力は、1.1〜200kg/cm2の範囲から選択される。

0054

この低温熱可塑性乳酸系ポリマー繊維のウェブを混合して用いることにより、加熱圧縮温度を低下することが可能である。低温熱可塑性乳酸系ポリマー繊維のウェブは、上記主ウェブと同様にして紡糸、ウェブ化される。

0055

低温熱可塑性乳酸系ポリマー繊維のウェブの添加量が増加すると、得られる不織布が固くなり、かつ、不織布の強度が低くなる傾向を示す。また、減少すると主ウェブの接着が不十分となり、良好な不織布が得難くなる。かかる観点から、低温熱可塑性乳酸系ポリマー繊維のウェブの量は、全ウェブの総重量の10〜60重量%の範囲から選択されることが好ましい。さらに好ましくは20〜40重量%である。上記組成の乳酸系ポリマー繊維の主ウェブを用いることにより、適度の風合いを有し、柔軟性のある不織布を得ることができる。

0056

本発明に用いる不織布には、乳酸系ポリマーに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤熱安定剤滑剤酸化防止剤等を配合したのち紡糸した繊維を用いてもよい。

0057

本発明に用いる吸収体として、綿状パルプ等が挙げられる。吸収体の吸収液保持性をよくするために、綿状パルプ等に高吸水性ポリマーを混合して用いることが好ましい。高吸水性ポリマーは公知のもので差支えなく、例えば、澱粉アクリル酸グラフト共重合体架橋物(三洋化成工業(株)製、サンウェットIM−1000)等が例示される。

0058

以下、実施例を示して本発明をさらに詳しく説明する。
<ポリ乳酸又は乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマーの製造例>
製造例1
Dean Stark Trap を備えた反応器に、90%L−乳酸8.5kgと90%D−乳酸1.5kgを装入し、150℃、50mmHgで3時間撹拌しながら水を留出させた後、錫末6.2gを加え、150℃、30mmHgでさらに2時間撹拌してオリゴマー化した。このオリゴマーに錫末28.8gとジフェニルエーテル21.1kgを加え、150℃、35mmHgで共沸脱水反応を行い、留出した水と溶媒を水分離器で分離して溶媒のみを反応器に戻した。2時間後、反応器に戻す有機溶媒を、4.6kgのモレキュラシーブ3Aを充填したカラムに通してから反応器に戻るようにして、150℃、35mmHgで40時間反応を行いポリ乳酸溶液を得た。

0059

この溶液に脱水したジフェニルエーテル44kgを加え希釈した後、40℃まで冷却して、析出した結晶を濾過し、10kgのn−ヘキサンで3回洗浄して60℃、50mmHgで乾燥した。この粉末に0.5N−HCl12.0kgとエタノール12.0kgを加え、35℃で1時間撹拌した後濾過し、60℃、50mmHgで乾燥して、ポリ(DL−乳酸)粉末6.1kg(収率85%)を得た。この粉末をペレット機で処理しペレット状にし、ポリ(DL−乳酸)ペレットを得た。

0060

ポリ(DL−乳酸)の粉末をクロロホルムに溶解し、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法で測定したところ、このポリマーの平均分子量は約11万であった。また、同様にアセトニトリルに溶解し、HLC(高速液体クロマトグラフィー)法で測定したところ、このポリマー中残存モノマー含有量は0.2重量%であった。このポリマーを以下P−1と称する。

0061

製造例2
製造例1のL−乳酸8.5kgとD−乳酸1.5kgを、L−乳酸9.0kgとグリコール酸1.0kgに変えた他は、製造例1と同様にして乳酸−グリコール酸コポリマー粉末を得た。得られたコポリマー粉末を製造例1と同様にしてペレットとした。得られた乳酸−グリコール酸コポリマーの平均分子量は約10万であった。また、このポリマー中の残存モノマーの含有量は0.2重量%であった。このポリマーを以下P−2と称する。

0062

製造例3
製造例1のL−乳酸8.5kgとD−乳酸1.5kgを、L−乳酸10.0kgに変えた他は、製造例1と同様にしてポリ(L−乳酸)粉末を得た。得られたポリ(L−乳酸)粉末を製造例1と同様にしてペレットとした。得られたポリ(L−乳酸)の平均分子量は約10万であった。また、このポリマー中の残存モノマーの含有量は0.2重量%であった。このポリマーを以下P−3と称する。

0063

製造例4
製造例1のL−乳酸8.5kgとD−乳酸1.5kgを、L−乳酸5.0kgとヒドロキシカプロン酸5.0kgとに変えた他は製造例1と同様にして乳酸−ヒドロキシカプロン酸コポリマー粉末を得た。得られたコポリマー粉末を製造例1と同様にしてペレットとした。得られた乳酸−ヒドロキシカプロン酸コポリマーの平均分子量は約7万であった。また、このポリマー中の残存モノマーの含有量は0.2重量%であった。このポリマーを以下P−4と称する。

0064

製造例5
L−ラクチド200gおよびオクタン酸第一スズ0.01重量%と、ラウリルアルコール0.03重量%を、撹拌機を備えた肉厚円筒型ステンレス製重合容器封入し、真空で2時間脱気した後窒素ガス置換した。この混合物を窒素雰囲気下で撹拌しつつ200℃で3時間加熱した。温度をそのまま保ちながら、排気管およびガラス受器を介して真空ポンプにより徐々に脱気し反応容器内を3mmHgまでに減圧した。脱気開始から1時間後、モノマーや低分子量揮発分の留出がなくなったので、容器内を窒素置換し、容器下部からポリマーを紐状に抜き出してペレット化し、ポリ(L−乳酸)を得た。このポリマーの平均分子量は約10万であった。また、このポリマー中の残存モノマーの含有量は4.0重量%であった。このポリマーを以下P−5と称する。

0065

<可塑剤の製造例>
製造例6
反応器に入れたL−ラクタイド1.8kgに乳酸水溶液(濃度87重量%)1.0kgを加え、100℃において、2時間加熱した。冷却したところ常温で粘りのある透明の液体が得られた。このオリゴマーをクロロホルムに溶解し、GPC法にて重合度分布を測定した結果、乳酸および乳酸オリゴマーが含まれていた。平均重合度は2.8であった。以後LAオリゴマーと記す。

0066

<透水性不織布の製造例>
製造例7
製造例1〜5で得られた乳酸系ポリマーP−1〜P−5を、スクリュー式小型押出機を用いて、約200℃の温度で溶融押出して紡糸し、約75℃で5〜6倍に延伸した。得られた乳酸系ポリマー繊維をF−1〜F−5と称する。得られた乳酸系ポリマー繊維をそれぞれ長さ4〜5cmの短繊維に切断し、撹拌してランダムなウェブにした。〔表2〕の製造条件により、厚さ約50μmの分解性不織布を得た。得られた不織布をNW−1〜NW−4と称する。

0067

<皮膚への影響調査>不織布NW−1〜NW−4を半径1cmの円形に切断、採取し、無作為に選んだ20人の首筋貼付し、2週間後の変化を観察し、下記のランクをつけ評価した。その結果を〔表2〕に示す。
×・・・・赤くかぶれ、刺激を伴った
△・・・・若干赤くなったが、刺激はない
○・・・・全く皮膚に変化がない

0068

<不透水性フィルムの製造例>
製造例8
製造例1〜3で得られた乳酸系ポリマーP−1〜P−3に製造例6で得られたLAオリゴマーと無機充填剤を〔表3〕に示す割合で添加、混合した。得られた樹脂組成物をTダイ法により、約200℃で押出し、延伸後の厚みが〔表3〕に示す厚みになるように製膜した。次いで、60℃において〔表3〕に示す延伸倍率でロール延伸し、不透水性多孔性フィルムを得た。これらのフィルムをそれぞれBF−1〜BF−3と称する。

0069

吸水体の製造例>
製造例9
所定量の綿状パルプに所定量の高吸水性ポリマー(澱粉・アクリル酸グラフト共重合体架橋物、三洋化成工業(株)製、サンウェットIM−1000)を混合、分散し、吸収体とした。

0070

0071

0072

0073

実施例1〜6
〔表2〕および〔表3〕に示した透水性不織布NW−1〜NW−4と不透水性フィルムBF−1〜BF−3を〔表4〕に示すように組み合わせ、また、〔表4〕に示す割合で調製した吸収体を用いた。透水性不織布NW−1〜NW−4を縦22cm、横10cmに、不透水性フィルムBF−1〜BF−3を縦22cm、横10cmに、吸収体を縦20cm、横8cmにそれぞれ第2図に示すように裁断した。切断されたそれぞれの部材を、第1図および第2図にすように、吸収体を透水性不織布で覆い、それを不透水性フィルムの上に載せ、さらにその全体を透水性不織布で覆い〔図2〕に示すAA’、A’D’、D’D、DAの4辺を110℃でヒートシールし、生理用ナプキンを得た。

0074

比較例1〜2
〔表4〕に示した市販の生理用ナプキンaとbをそれぞれ比較例1、比較例2とした。

0075

<分解性評価>実施例1〜6で得られた生理用ナプキン及び比較例1〜2の生理用ナプキンを温度35℃、水分30%の土壌中に埋め込み、経時によるナプキンの原形からの変化を観察し、分解性を下記のランクで評価した。その結果を〔表4〕に示す。
×・・・・・原形を保ったまま
△・・・・・原形の約半分を消滅
○・・・・・原形をほとんどを消滅
◎・・・・・原形を全くとどめない

0076

発明の効果

0077

本発明の生理用ナプキンは、使用後廃棄された場合、紙や木等の天然物と同じように自然環境中で比較的短い期間内に無害な水と炭酸ガスに分解するので、廃棄物として蓄積することがない。また、人肌に直接接触する透水性不織布の素材として乳酸の直接脱水重縮合反応により得られる乳酸系ポリマーを用いた場合は、乳酸等の未反応モノマー類の含有量を極めて低く抑えることが可能となり、着用者の肌を刺激することがない利点がある。

図面の簡単な説明

0078

図1は、本発明の生理用ナプキンの断面を示す模式図の一例である。
図2は、本発明の生理用ナプキンの内側から見た展開図の一例である。

--

0079

1吸収体
2透水性不織布
3不透水性フィルム
4 透水性不織布
A、A’、D’、D 不透水性フィルムと透水性不織布のコーナー
B、B’、C’、C 吸収体のコーナー部

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