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目的
構成
効果
概要
背景
従来の慣用の消火用スプリンクラー設備において、消火用水は比較的大量の水が必要とされる場所に向かってスプレーヘッドから噴流の形態で放出される。公知のスプリンクラーシステムにおけるスプリンクラー用ポンプは電気モータにより駆動され、従って配管システムは低圧状態の水[給水管における水圧、即ちスプリンクラー設備の待機状態圧力を構成する約 4.08-5.10kg/cm2 (4-5bar) の水圧を有する]で常時満たされている。若干の漏洩を補償乃至許容するために、ポンプ装置は、スプリンクラー用ポンプの他に、容量は小さいが(一個のスプレーヘッドから放出される量より少ない量を放出する)、上記の待機状態圧力よりも若干高い最大圧力[例えば約 6.12-7.14kg/cm2 (6-7bar)]をもたらす圧力安定用ポンプを備えている。この圧力安定用ポンプはスイッチ・オンの状態にある圧安定装置(pressostat)により常時制御される。
スプリンクラー用ポンプ及びフランジ等を有する配管システムは、システムの従来の作動圧力である 10kg/cm2 (10bar)台の最大圧力に耐えるように設計されている。
概要
圧力安定用ポンプを省略し、配管径を小さくする。起動遅延をなくする。
警報装置と、スプレーヘッド13と、ポンプ装置と、該ポンプ装置とスプレーヘッドとを接続する配管システムとを備えており、配管システム内を完全に水で満たし、ポンプ装置のスプリンクラー用主ポンプとして可変回転速度を有する高圧ポンプ1が設置されており、この高圧ポンプに関してその最大出力までの出力範囲内で比較的高い出力値と比較的低い出力値が設定されており、後者の出力の場合に配管内の水圧を待機状態圧力に維持する。補助ポンプ2を併設することができ、この補助ポンプ2は主ポンプの出力が上記の比較的高い値に達した場合に自動起動され、この際に主ポンプの稼働出力は低下せしめられる。
放水時の作動圧力を高いレベルに設定することができ、又補助ポンプの増設により放水されるべきスペースが広い場合にも対応できる。
目的
従って、本発明の目的は圧力安定用ポンプを省略することができ、配管システムを比較的小径の管を以って構成することができ、更に起動遅延が生じない、スプリンクラー設備の操作法及び該操作法を実施する装置を提供することにある。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
警報装置と、熱感知部を備えた複数個のスプレーヘッドと、中央制御部により制御されるポンプ装置と、該ポンプ装置を上記のスプレーヘッドに接続する配管システムとを具備しており、上記のポンプ装置が電気モータにより駆動され且つ待機状態では低圧を有する水で満たされた状態に上記の配管システムを維持し且つ上記の警報装置において発生した警報信号を受信した時、上記のスプレーヘッドによる消火機能に必要な量の高圧作動圧力を有する水を上記の配管システムに給送するように配置された少なくとも一つのスプリンクラー用ポンプを備えている消火用スプリンクラー設備の操作法において、ポンプ装置にはスプリンクラー用ポンプとして可変回転速度を有する高圧ポンプが配設され、斯くて回転速度の変更により配管システムに給送する水の量及び/又は圧力が変更され、通常はポンプ装置は最初比較的低い回転速度にて駆動され、斯くて配管システムにおける待機圧力が低下した場合には、圧力安定化用ポンプとして上記の圧力を所定値に維持し、一方警報信号が発せられた場合には、高い回転速度にて駆動され、スプリンクラー設備が消火機能を果たすに必要な流量及び高い作動圧力を配管システムにもたらすことを特徴とする消火用スプリンクラー設備の操作法。
請求項2
熱感知部が破壊される前に、回転数の増加により配管システムにおける圧力が作動用の値まで増加しており熱感知部が破壊されるや、直ちにスプレーヘッドがフル稼働状態になることを特徴とする請求項1に記載の消火用スプリンクラー設備の操作法。
請求項3
ポンプ装置の制御部に接続された流量/圧力センサが配管システムに設けられ、定速回転数で駆動し、且つ別の流量/圧力センサにより感知して主ポンプの出力がその最大出力内の事前設定値まで達した場合に自動的に起動される少なくとも1個の補助ポンプを更に具備しており、該補助ポンプが起動すると同時に主ポンプの回転数が減少して、主ポンプがその最大出力内の低設定圧力で稼働せしめられることを特徴とする請求項1又は2に記載の消火用スプリンクラー設備の操作法。
請求項4
補助ポンプが複数個存在する場合、第1の補助ポンプが起動した後に主ポンプの稼働出力が最大出力内の規定出力に達した際に第2の補助ポンプが自動的に起動し、第3以降の補助ポンプも同様に自動起動せしめられることを特徴とする請求項3に記載の消火用スプリンクラー設備の操作法。
請求項5
請求項6
待機状態圧力が 10kg/cm2 (10 bar)台の圧力であり、作動圧力が 100 - 200kg/cm2 (100 - 200 bar)台の圧力であり、主ポンプの最大出力内の2つの設定値がそれぞれ最大出力の75%及び25%であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の消火用スプリンクラー設備の操作法。
請求項7
警報装置と、熱感知部を備えた複数個のスプレーヘッド(13)と、制御部(8)により制御されるポンプ装置と、該ポンプ装置を上記のスプレーヘッドに接続する配管システム(17、171)とを具備しており、上記のポンプ装置が電気モータにより駆動され且つ待機状態では低圧を有する水で満たされた状態に上記の配管システムを維持し且つ上記の警報装置において発生した警報信号を受信した場合には、上記のスプレーヘッドによる消火に必要な量の高圧水を上記の配管システムに給送するように配置された少なくとも1つのスプリンクラー用ポンプ(1)を備えている消火用スプリンクラー設備の操作法を実施する装置において、上記のポンプ装置にはスプリンクラー用ポンプとして可変回転速度を有する高圧ポンプが配設され、上記の制御部が待機条件を維持するように高圧ポンプの回転速度を設定するように配置され、回転速度を比較的低い値に設定した場合の圧力が待機時に給送される水の事前設定された比較的低い圧力値に相当し、警告信号又は起動信号の受信により給送される水の比較的高い第2の圧力値に相当する比較的高い第2の回転数値にポンプの回転数を増加させることを特徴とする消火用スプリンクラー設備の操作法を実施する装置。
請求項8
定速回転数で駆動可能であり且つ比較的低流量の少なくとも1つの至補助ポンプ(2)を更に具備しており、制御部が主ポンプとして稼働するスプリンクラーポンプの能力がその最大出力内の設定値に達した場合に、1個又は複数個の補助ポンプを起動するようになされていることを特徴とする請求項7に記載の消火用スプリンクラー設備の操作法を実施する装置。
請求項9
主ポンプの稼働状態が最大出力内の低い設定値まで下がり、1個又は複数個の補助ポンプを稼働させる必要性がなくなった場合にその稼働を停止させるように制御部がなされていることを特徴とする請求項8に記載の消火用スプリンクラー設備の操作法を実施する装置。
請求項10
請求項11
主ポンプが直流モータ(20)により可変回転速度で駆動され、場合により設置された補助ポンプが交流モータ(21)により駆動されることを特徴とする請求項8又は9に記載の消火用スプリンクラー設備の操作法を実施する装置。
請求項12
1個又は複数個の補助ポンプの能力が、主ポンプの能力の約半分であることを特徴とする請求項7乃至11の何れか1つに記載の消火用スプリンクラー設備の操作法を実施する装置。
請求項13
圧力センサ(4)及び/又は流量センサ(3)が配管システムに設けられており、その出力信号が制御部に送られることを特徴とする請求項7乃至12の何れか1つに記載の消火用スプリンクラー設備の操作法を実施する装置。
請求項14
ポンプ装置から出た水の圧力を示す表示装置が設けられていることを特徴とする請求項7乃至13の何れか1つに記載の消火用スプリンクラー設備の操作法を実施する装置。
請求項15
感知器及び/又は警報システムが作動しない場合でも、作動圧力値に達するよう設定されたセンサが設けられていることを特徴とする請求項7乃至14の何れか1つに記載の消火用スプリンクラー設備の操作法を実施する装置。
請求項16
スプレーヘッドが噴霧型のものであることを特徴とする請求項7乃至15の何れか1つに記載の消火用スプリンクラー設備の操作法を実施する装置。
技術分野
0002
本発明は警報装置と、熱感知部を備えた複数個のスプレーヘッドと、中央制御部により制御されるポンプ装置と、該ポンプ装置を上記のスプレーヘッドに接続する配管システムとを具備しており、上記のポンプ装置が電気モータにより駆動され且つ待機状態では低圧を有する水で満たされた状態に上記の配管システムを維持し且つ上記の警報装置において発生した警報信号を受信した場合には、上記のスプレーヘッドによる消火機能に必要な作動用の比較的高圧を有する水を、スプレーヘッドにより消火機能を果たすに必要な量において上記の配管システムに給送するように配置された少なくとも1つのスプリンクラー用ポンプを備えている消火用スプリンクラー設備の操作法及び該操作法を実施するための装置に係る。
0003
本明細書において「スプレーヘッド」とは噴流又は噴霧の形態で水を放出する部材を意味し、又「熱感知部」とは関連スプリンクラーヘッドが加熱されて所定温度に達した場合に作動する部材であって、一般的には熱により破裂するグラスバルブを意味するものであることに留意され度い。
背景技術
0004
従来の慣用の消火用スプリンクラー設備において、消火用水は比較的大量の水が必要とされる場所に向かってスプレーヘッドから噴流の形態で放出される。公知のスプリンクラーシステムにおけるスプリンクラー用ポンプは電気モータにより駆動され、従って配管システムは低圧状態の水[給水管における水圧、即ちスプリンクラー設備の待機状態圧力を構成する約 4.08-5.10kg/cm2 (4-5bar) の水圧を有する]で常時満たされている。若干の漏洩を補償乃至許容するために、ポンプ装置は、スプリンクラー用ポンプの他に、容量は小さいが(一個のスプレーヘッドから放出される量より少ない量を放出する)、上記の待機状態圧力よりも若干高い最大圧力[例えば約 6.12-7.14kg/cm2 (6-7bar)]をもたらす圧力安定用ポンプを備えている。この圧力安定用ポンプはスイッチ・オンの状態にある圧安定装置(pressostat)により常時制御される。
発明が解決しようとする課題
0006
ガラス製のグラスバルブが破裂して1つ又はそれ以上のスプレーヘッドが作動状態になると、配管システム内の圧力は急激に低下し、スプリンクラー用ポンプが自動的に起動してスプリンクラー装置全体が消火用水を放出する状態となる。これに関連して、各スプレーヘッドからは毎分60-180リットルの水を放出することこそ重要であり、スプレーヘッドに供給される水の圧力[例えば約 10.2 kg/cm2(10 bar)]は、この流量と比較するとそれ程重要な問題ではない。従って、従来のスプリンクラー設備においては、上記のような流量を許容するために、配管システムを構成する管は充分に大きい直径を有していなければならなかった。
0007
かかる従来のスプリンクラー設備においては、スプリンクラー用ポンプの起動が若干遅延する(例えば約40-50秒)場合があり、これは明らかに重大な欠陥である。この遅延の原因は、スプリンクラーとスプリンクラー用ポンプとの間に配設されている逆止弁として作動する警報弁が起動するのに約40秒間必要であることによる。すなわち、警報を発し、ポンプが充分な圧力に達する為に自動作動(Y-D 起動)するのに約10秒間を要するからである。
0008
従って、本発明の目的は圧力安定用ポンプを省略することができ、配管システムを比較的小径の管を以って構成することができ、更に起動遅延が生じない、スプリンクラー設備の操作法及び該操作法を実施する装置を提供することにある。
0009
本発明によれば、上記の目的は、基本的には高圧ポンプにより達成される。ここで「高圧ポンプ」とは、慣用のスプリンクラー用ポンプの最大圧力よりも10乃至20倍の圧力、即ち約100-200kg/cm2 (100-200bar)台の圧力をもたらすポンプを意味する。
0010
本発明によれば、回転速度の調節される高圧ポンプは、瞬時に消費される水量のみ、すなわち、供給水をポンプへ再循環することなく、スプレーヘッドから放射する水量のみを給水する。これは、消費されなかった水がバイパスを経てポンプに再循環され、漏洩熱(spill heat)が発生する定量ポンプとは異なっている。
0011
しかしながら、高圧ポンプが起動すると、配管システムが水にて満たされていない又は完全には満たされていない場合には、管内の空気が圧縮されて激しい圧力ストローク[ハンマーストローク現象(hammer stroke effect)]が生じて、或る時間経過後に配管システム全体に振動が生じる場合があると云う欠点がある。本発明による設備の配管システムにおいては、空気が入り込まないように、待機状態圧力が、例えば約10.2kg/cm2 (10bar)の水にて常時満たされており、従って圧力が約100-200kg/cm2 (100-200 bar)の作動圧力に上昇せしめられる場合にも、上記のような圧力ストロークは生じない。
0012
従って、警報が発せられるとすぐに作動用の高圧力を有する水がスプレーヘッドに到達はしているが(グラスバルブがバルブロッドを支持することにより水がスプレーヘッドに流れ込まないようになっている)、熱の影響によりグラスバルブが破裂した時点で、この高圧水は直ちにスプレーヘッドを流過して散布されることになる。
0013
これは、誤報が発せられた場合に、即ち警報信号(例えば、煙の感知に基くもの)が発せられても、その後に所定温度以上の熱を検知しなければ、水の散布は行われないことを意味する。ポンプの回転数の増加に伴ってもたらされた作動圧力は手動操作により待機状態圧力に下げることができる。
0014
火災の虞れを含む諸般の事情に鑑みて、警報装置が何等かの理由により作動しない場合であってもポンプの回転速度、延いては水圧を高い値に上昇させるための方策をプログラムとして講じておくのが好ましい。このような場合にも、グラスバルブが熱により破裂した場合にのみ、水の散布が開始される。
0015
火災監視センターにおいて、或る検知器が取り外されているか正常状態ではないことを示す信号を受信する場合には、ポンプの制御部(制御ボックス)に信号が送られて水圧を作動用圧力に上昇させる。火災監視センターとポンプの制御部との間の連結(信号ライン)が断たれる場合には、接続の断たれた制御ボックス内のリレーが励起してポンプの制御部に信号が送られるが、これは外部的に、即ち警報システムを操作状態になしている電源からではなく別途の電源によりなされる。これは、実際の火災警報の場合でも同じであり、リレー電圧が回路に送られる。
0016
信号が全く存在しない場合にも、グラスバルブが破裂するやいなや、即ち水がスプレーヘッドに流れ込み、この水の流れが生じたことがポンプの排出ラインに配設された流量センサにより感知され又はポンプ用モータのアーマチャー電圧により測定されたならば直ちに水圧は作動用の高い値に増加せしめられる。
0017
本発明の好ましい実施例によれば、ポンプ装置は主ポンプとして作動するスプリンクラー用ポンプの他に、1個又は幾つかの(例えば8個)の補助ポンプを備えており、該補助ポンプは定速作動可能であり且つ一旦起動されたならばフル稼働するようになされている。該補助ポンプの目的は、主ポンプの出力が低下して、例えばその能力の25%に低減して補助ポンプの必要性がなくなるまで、水圧及び流量を制御する前と同様に水の給水能力を増加させることにある。そして遂には、主ポンプの出力が復旧する場合には、補助ポンプの稼働は休止され、主ポンプのみが稼働し続け、必要であればフル稼働状態となる。
0018
原則的には、高圧ポンプとして可変速モータを備えたポンプを使用することも、或いは定速回転するモータと回転速度制御機構とを備えたポンプを使用することもできるが、本発明の好ましい実施例においてはサイリスタ制御DCモータにより駆動されるものとして高圧ポンプを使用している。
0019
次に、添付図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明することとする。尚、図面において給水配管は二重線にて、又電気的接続ラインは一重線で示している。高圧ポンプ1はサイリスタ制御DCモータ20により可変速度にて駆動され、該高圧ポンプには給水管18から濾過器6、圧力を格別かけていない水タンク7及び導入管18aを介して水が供給される。当該ポンプ1は、途中に流量検出用の流量センサ3と圧力検出用のトランスデューサ4が配設されている高圧管として具象化されている送水管17を介して複数個の噴霧型スプレーヘッド13と接続されており、これらの各スプレーヘッドにはグラスバルブのような自体公知の熱感知部が設けられている。送水管17内の圧力は表示装置5に示される。送水管17における噴霧型スプレーヘッド13に向かう枝管171には、スプレーヘッドへの給水の遮断弁11と排出弁12とが設けられている。
0020
ポンプ1の他に、補助ポンプ2が設けられており、これらの補助ポンプはACモータ21により駆動され且つ導入管18bを通じて給水管18からの、更には水タンク7からの水が送られている。補助ポンプ2の排出管17aは主ポンプ1を介して送水管17に接続されている。
0021
電気モータ20及び21には、それぞれライン20a及び21aを介して中央制御部(制御ボックス)8から電流が送られ、該中央制御部にはライン15を介して電流が送られる。センサ3及び4により検出される流量値及び水圧値は、それぞれライン3a及び4aを介して制御ボックス8に送られ、又水タンク7内に配置されたレベルセンサ14により検出される水位情報もライン14aを介して制御ボックス8に送られる。制御ボックス8内には、2種類の水圧値、即ち待機状態圧力と作動圧力を設定するための2つのポテンショメータ4b1及び4b2と、モータ20を制御するためのサイリスタブリッジ20bとが設けられている。
0022
火災監視センター9は、モニタする適宜の部位に配置された検知器(図示せず、煙又は熱感知式のものであることができる)に警報ライン16により接続されており、又ライン9aを介して制御ボックス8に接続されている。
0023
遮断弁11は、ライン11aを介して、該弁を制御するためのプログラマブルコントローラ(PLS)10と接続されており、該システム10はライン10aを介して火災監視センター9に接続されている。
0024
PLS10は、火災が検知される場合に、火災検知区画において閉鎖状態にある弁(例えば遮断弁11)を開放し、或いは広いスペース(例えば、レストラン)においてあらゆる部位に同時に散水する流量を制御する遮断弁を開放するようにプログラムされていることができる。
0025
専門の消防士が到着して持参の消火器具により適切な消火活動を開始した時には、もはやスプリンクラーの必要性はなくなる。その時には、先に開放された弁を手動的に若しくは予め設定されたプログラムに従い、或る時間を経過した後に(例えば、4分間)PLS10により自動的に閉鎖する。弁が閉鎖される場合には、流量は減少し、補助ポンプを作動させておく必要はない。
0026
本発明による設備は下記の要領で操作される。送水管17内の圧力を例えば約10.2kg/cm2 (10bar)(スプリンクラー設備の待機状態圧力)にする回転速度のモータ20により高圧ポンプ1を連続的に駆動させておき、次いで遮断弁11を開放する。モータ21及び補助ポンプ2は休止状態を保っている。
0027
火災警報情報がライン16を介して制御ボックス8のインターフェースにより受信される場合に、サイリスタブリッジ20bにより主ポンプ1の回転速度が制御され、配管システムにおける圧力が増加して所定の作動圧力、例えば約100 kg/cm2 (100bar)に保たれ、水の流れが可能な状態となる。
0028
この増加した圧力は噴霧型スプレーヘッド13に波及するが、スプレーヘッドに設けられた熱感知部が感熱するまで、即ち、グラスバルブが熱により破裂するまで水はスプレーヘッドに流入することは出来ず、従って散水は開始されない。即ち、このグラスバルブの破裂が生じるまで、高圧水はスプレーヘッド内で既に待機状態に保たれていることになる。
0029
圧力センサ4は圧力情報を連続的に制御ボックス8に送り、送水管17内の圧力がポテンショメータ4b1及び4b2により設定される所定の作動圧力値[例えば約100kg/cm2 (100bar)よりも低い値であれば、当該作動圧力に達するまで主ポンプ1の回転速度が増加せしめられ、この場合に主ポンプがその最大出力内の或る所定値(例えば75%)に達した場合には、その時点で制御ボックスにおいて発生した信号が第1のモータ21に送られて関連する最初の補助ポンプ2が起動し、同時に信号がモータ20に送られて回転速度が所定の低い値(例えば、主ポンプの最大出力の25%に相当する値)に設定される。
0030
第1の補助ポンプと共に稼働している主ポンプの出力は、必要であれば、再び増加せしめられるが、この場合に主ポンプの出力が再び所定の値(最大出力の75%)に達したならば、第2の補助ポンプが起動し、同時に信号が主ポンプ1に与えられ、主ポンプの出力は所定の低レベル値(例えば、主ポンプの最大出力の25%に相当する値)に設定される。この操作は、必要であれば、すべての補助ポンプが稼働状態となるまで繰り返される。従って、主ポンプの出力が所定の値になった時点で第1番目の補助ポンプが起動され、一旦低下せしめられた主ポンプの出力が再び上昇し所定値になった時点で第2番目の補助ポンプ が起動され、このようにして補助ポンプは順次起動せしめられる。
0031
従って、主ポンプは全システムの回転速度を調整し、斯くて水に正確な圧力と流量とがもたらされ、主ポンプ1からの及び補助ポンプ2からの水は配管17を経てスプレーヘッド13に至る。
0032
検知器からの火災警報信号が何等かの理由で主ポンプに伝達されない場合にも、スプレーヘッドに装着された熱感知部(グラスバルブ)が破壊されたことを条件として、主ポンプは稼働状態となる。この場合に、スプレーヘッドから最初に散布される水の圧力は待機状態圧[即ち、約10.2kg/cm2 (10bar)]に過ぎないが、配管17内を水が流れ始めて流量が流量センサにより検出されれば直ちにモータ20の回転速度を増加させる信号が発せられ、水圧は作動圧力値、例えば約 100kg/cm2 (100bar)に増加する。
0033
起動されるとフル稼働状態となる少なくとも1個の補助ポンプを配置する目的は、水の容量を増加させることにある。配管17内の水の流量及び圧力は、既述のように補助ポンプ2の必要性が最早なくなるまで、(出力25%に低下せしめられた)主ポンプ1により連続的に調整される。従って、1個又は複数個の補助ポンプが稼働状態に保たれている必要がなくなった際には、その運転が休止され、場合によっては主ポンプ1のみが稼働状態に保たれる。
0034
1個又は複数個の非速度調整方式であってAC駆動される自動起動方式の補助ポンプを用いる利点は所要の容量を有するポンプが市場において廉価で入手し得ること、構造が簡単で保守の容易なこと及び交換部品を廉価に貯えておけることにある。また、補助ポンプをスペアとし、個々に起動して火災に対する安全性を高めるために使用することもできる。
発明の効果
0035
本発明による消火用スプリンクラー設備によれば、常時水にて満たされている配管システムと、電気モータで駆動され且つ待機状態においては配管内の水を低圧状態に維持し、火災警報又は例えば煙のみの偽火災警報が発せられた場合には配管内の水を加圧して作動圧力になす可変出力を有する高圧ポンプとが組み合わされている。慣用の設備においては待機状態圧力が給水管における慣用の水圧である約4.08-5.10kg/cm2 (4-5bar)に設定され、消火用水噴射用の作動用圧力が非常起動されるスプリンクラー用ポンプの助けにより最大10kg/cm2 (10bar)台の圧力に設定されるが、比較的低圧であるために消火用水を多量に供給しようと配管の管径を大にせねばならず、又加圧のためのスプリンクラー用ポンプの起動および機能発現に遅延を生じる。
0036
本発明による設備においては、上記のように配管内の水圧を待機状態圧力に保ち、又作動時圧力に上昇させるために高圧ポンプが使用され、待機状態及び作動時圧力のレベルを従来のものと比べて[待機状態は10kg/cm2(10bar)台、作動時は100-200kg/cm2 (100-200bar)台と]著しく高く設定される。従って配管内の水圧が待機状態圧力の場合に、放水の必要性が生じても対応できる。高圧ポンプの出力を待機状態圧力から作動圧力をもたらす出力に急激に上昇させると配管システムに振動を生じる虞があるが、これは配管内を常時水にて完全に満たしておくことで回避される。
0037
尚、補助ポンプを併設し、作動圧力の達成、維持を助成させることができ、この目的でAC駆動方式の定速乃至定容量モータを使用すれば設備コストを低減することができ、このような補助ポンプを複数個設置し、必要に応じて順次起動するようにすれば、消火用部位が高範囲にわたる場合にも合理的に対応することができる。