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技術 符号化変調信号の復号方法及び復号装置

出願人 富士通株式会社
発明者 岡田実原晋介小牧省三森永規彦
出願日 1993年10月15日 (26年9ヶ月経過) 出願番号 1993-258704
公開日 1995年5月2日 (25年3ヶ月経過) 公開番号 1995-115441
状態 特許登録済
技術分野 交流方式デジタル伝送 エラーの検出、防止 直流方式デジタル伝送
主要キーワード 白色雑音成分 無線パルス 比較判定器 判定変数 行列演算器 重み計算器 非線形計画法 重み演算
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図面 (10)

目的

本発明は、送信装置からフェージングの存在する環境下を経由して送られてきた符号化変調信号を受信して復号するものに関し、フェージングの複素振幅変動の推定誤差による誤り率特性劣化を軽減して、フェージング通信路におけるディジタル伝送品質を改善できるようにすることを目的とする。

構成

フェージングによる複素振幅変動を推定する推定手段101と、推定手段101で推定された複素振幅変動と受信符号変調信号とを用い且つ複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより符号化変調信号を復号する復号手段102とをそなえるように構成する。

概要

背景

一般に、厳しいマルチパスフェージングが存在する移動体通信システムにおいて、ディジタル伝送を行なう場合、受信信号電界強度レベルフェージングによって、受信機熱雑音レベル以下に頻繁に落ち込むために、そのビット誤り率BER)特性は著しく劣化する。

かかるビット誤り率特性の劣化を改善するために、誤り訂正符号化多値変調方式とを融合して、多値変調により増大した1無線パルス当たりの伝送ビットの一部を誤り訂正冗長ビットとして用いることにより、帯域幅の増大を招くことなく伝送特性の改善を図れるようにした、符号化変調方式の適用が検討されている。

そして、この場合、送信機からフェージングの存在する環境下を経由して送られてきた符号化変調信号を受信機で受信すると、これを受信機で復号することが行なわれるが、この復号に際しては、フェージングによる複素振幅変動を推定してから、この推定された複素振幅変動と受信符号変調信号とを用いて、符号化変調信号を復号するのである。

さらに詳しくは、復号に際しては、推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを用いて、符号化変調信号の各符号語に対応する判定変数を計算し、得られた判定変数を比較して、最小の判定変数を符号化変調信号の復号情報として選択することが行なわれるのである。次に、判定変数の計算手法について更に説明すると、次のようになる。

まず、受信信号rm 及びフェージングの複素振幅変動の推定値hhm は、次式で表すことができる。なお、推定値を表記する場合、以下においても、上記のように記号の頭にh印を付すが、式中においては、h印を付けないで推定値を表すハット記号を用いることがあることを注記する。

概要

本発明は、送信装置からフェージングの存在する環境下を経由して送られてきた符号化変調信号を受信して復号するものに関し、フェージングの複素振幅変動の推定誤差による誤り率特性の劣化を軽減して、フェージング通信路におけるディジタル伝送の品質を改善できるようにすることを目的とする。

フェージングによる複素振幅変動を推定する推定手段101と、推定手段101で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを用い且つ複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより符号化変調信号を復号する復号手段102とをそなえるように構成する。

目的

さらに、上記した手法では、フェージングの複素振幅変動の推定値に誤差がないと仮定して復号を行なっていて、推定誤差に対する対策は検討されていないので、フェージングの複素振幅変動の推定値に誤差が存在することにより生じるビット誤り率特性の劣化を招くという課題がある。本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、フェージングの複素振幅変動の推定誤差による誤り率特性の劣化を軽減して、フェージング通信路におけるディジタル伝送の品質を改善できるようにした、符号化変調信号の復号方法及び復号装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

送信装置からフェージングの存在する環境下を経由して送られてきた符号化変調信号を受信して復号するに際し、該フェージングによる複素振幅変動を推定したのち、この推定した複素振幅変動と受信符号変調信号とを用い、且つ、該複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより、該符号化変調信号を復号することを特徴とする、符号化変調信号の復号方法

請求項2

送信装置からフェージングの存在する環境下を経由して送られてきた符号化変調信号を受信して復号する符号化変調信号の復号装置において、該フェージングによる複素振幅変動を推定する推定手段(101)と、該推定手段(101)で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを用い、且つ、該複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより、該符号化変調信号を復号する復号手段(102)とをそなえて構成されたことを特徴とする、符号化変調信号の復号装置。

請求項3

該復号手段(102)が、該推定手段(101)で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力し、これらの信号を用い、且つ、該複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより、該符号化変調信号の各符号語に対応する判定変数演算する複数の判定変数演算手段(1031〜103n)と、各判定変数演算手段(1031〜103n)で得られた判定変数を比較して、最小の判定変数を該符号化変調信号の復号情報として選択する選択手段(104)とをそなえて構成されたことを特徴とする請求項2記載の符号化変調信号の復号装置。

請求項4

該判定変数演算手段(1031〜103n)が、該推定手段(101)で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力情報として、

請求項

ID=000003HE=015 WI=041 LX=0395 LY=2150を演算することにより、該符号化変調信号の符号語に対応する判定変数を出力することを特徴とする請求項3記載の符号化変調信号の復号装置。

請求項5

該判定変数演算手段(1031〜103n)が、該推定手段(101)で推定された複素振幅変動及び受信符号化変調信号を受信符号化変調信号の共分散行列を用いて線形変換する行列演算手段と、該推定手段(101)で推定された複素振幅変動及び受信符号化変調信号の複素共役を演算する複素共役演算手段と、該行列演算手段で線形変換された複素振幅変動と、該複素共役演算手段で得られた複素振幅変動の複素共役情報との積情報を得るとともに、該行列演算手段で線形変換された受信符号化変調信号と、該複素共役演算手段で得られた受信符号化変調信号の複素共役情報との積情報を得る乗算手段と、該乗算手段で得られた2つの積情報を加算する加算手段と、該加算手段からの出力を積分して、符号語に対応する判定変数として出力する積分手段とをそなえて構成されたことを特徴とする請求項4記載の符号化変調信号の復号装置。

請求項6

該判定変数演算手段(1031〜103n)が、該推定手段(101)で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力情報として、

請求項

ID=000004HE=020 WI=069 LX=1155 LY=1150を演算することにより、該符号化変調信号の符号語に対応する判定変数を出力することを特徴とする請求項3記載の符号化変調信号の復号装置。

請求項7

該判定変数演算手段(1031〜103n)が、該送信装置から送られる符号化変調信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、該レプリカ信号生成手段で生成されたレプリカ信号と、該推定手段(101)で推定された複素振幅変動とを乗算する第1乗算手段と、該第1乗算手段からの出力と受信符号化変調信号とから、信号間距離を演算する信号間距離演算手段と、該レプリカ信号生成手段で生成されたレプリカ信号に基づいて該複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み情報を演算する重み演算手段と、該重み演算手段からの重み情報と、該信号間距離演算手段からの出力とを乗算する第2乗算手段と、該第2乗算手段からの出力を積分して、符号語に対応する判定変数として出力する積分手段とをそなえて構成されたことを特徴とする請求項6記載の符号化変調信号の復号装置。

技術分野

0001

本発明は、送信装置からフェージングの存在する環境下を経由して送られてきた符号化変調信号を受信して復号する方法および装置に関する。

背景技術

0002

一般に、厳しいマルチパスフェージングが存在する移動体通信システムにおいて、ディジタル伝送を行なう場合、受信信号電界強度レベルがフェージングによって、受信機熱雑音レベル以下に頻繁に落ち込むために、そのビット誤り率BER)特性は著しく劣化する。

0003

かかるビット誤り率特性の劣化を改善するために、誤り訂正符号化多値変調方式とを融合して、多値変調により増大した1無線パルス当たりの伝送ビットの一部を誤り訂正冗長ビットとして用いることにより、帯域幅の増大を招くことなく伝送特性の改善を図れるようにした、符号化変調方式の適用が検討されている。

0004

そして、この場合、送信機からフェージングの存在する環境下を経由して送られてきた符号化変調信号を受信機で受信すると、これを受信機で復号することが行なわれるが、この復号に際しては、フェージングによる複素振幅変動を推定してから、この推定された複素振幅変動と受信符号変調信号とを用いて、符号化変調信号を復号するのである。

0005

さらに詳しくは、復号に際しては、推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを用いて、符号化変調信号の各符号語に対応する判定変数を計算し、得られた判定変数を比較して、最小の判定変数を符号化変調信号の復号情報として選択することが行なわれるのである。次に、判定変数の計算手法について更に説明すると、次のようになる。

0006

まず、受信信号rm 及びフェージングの複素振幅変動の推定値hhm は、次式で表すことができる。なお、推定値を表記する場合、以下においても、上記のように記号の頭にh印を付すが、式中においては、h印を付けないで推定値を表すハット記号を用いることがあることを注記する。

0007

0008

ここで、zm は加法性白色雑音成分、εm はフェージングの複素振幅変動の推定誤差成分を表している。また、zm は平均0、分散N0 /2Es, εm は平均0,分散rN0 /2Esを持つそれぞれ統計的に独立なガウスランダム変数である。rは加法性白色雑音成分の分散で正規化したフェージングの複素振幅変動の推定誤差の分散である。

0009

従って、従来のフェージング下における符号化変調方式の判定変数は次式で表される。

0010

0011

そして、受信機では、この判定変数を最小にする符号語系列Vs(i) (ベクトル)が送信されたと判定する。なお、ベクトルを表記する場合、以下においても、上記のように記号の頭にV印を付すが、式中においては、V印を付けないでベクトル記号を用いることがあることを注記する。

0012

そして、hhm が誤差なく推定できるとき、即ち、hhm =hm が成立するときは、この判定変数を用いることにより、最尤系列判定を行なっていることになり、この意味で上記の手法は最適な復号法となっている。

発明が解決しようとする課題

0013

ところで、上記の符号化変調方式をフェージング通信路に適用する場合には、フェージングによる受信信号の複素振幅変動を推定する必要があることは前記したが、かかる複素振幅変動を推定する方法として、送信信号中に既知パイロット信号を挿入する方法等が検討されている。しかし、このような方式によっても振幅変動の正確な推定は不可能である。

0014

さらに、上記した手法では、フェージングの複素振幅変動の推定値に誤差がないと仮定して復号を行なっていて、推定誤差に対する対策は検討されていないので、フェージングの複素振幅変動の推定値に誤差が存在することにより生じるビット誤り率特性の劣化を招くという課題がある。本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、フェージングの複素振幅変動の推定誤差による誤り率特性の劣化を軽減して、フェージング通信路におけるディジタル伝送の品質を改善できるようにした、符号化変調信号の復号方法及び復号装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

図1は本発明の原理ブロック図で、この図1において、101は推定手段で、この推定手段101はフェージングによる複素振幅変動を推定するものである。102は復号手段で、この復号手段102は、推定手段101で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを用い、且つ、複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより、符号化変調信号を復号するものである。

0016

この場合、復号手段102が、推定手段101で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力し、これらの信号を用い、且つ、複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより、符号化変調信号の各符号語に対応する判定変数を演算する複数の判定変数演算手段1031〜103n(nは自然数)と、各判定変数演算手段1031〜103nで得られた判定変数を比較して、最小の判定変数を符号化変調信号の復号情報として選択する選択手段104とをそなえて構成される。

0017

そして、判定変数演算手段1031〜103nが、推定手段101で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力情報として、

0018

0019

を演算することにより、符号化変調信号の符号語に対応する判定変数を出力するように構成されてもよい。このとき判定変数演算手段1031〜103nは、推定手段101で推定された複素振幅変動及び受信符号化変調信号を受信符号化変調信号の共分散行列を用いて線形変換する行列演算手段と、推定手段101で推定された複素振幅変動及び受信符号化変調信号の複素共役を演算する複素共役演算手段と、行列演算手段で線形変換された複素振幅変動と、複素共役演算手段で得られた複素振幅変動の複素共役情報との積情報を得るとともに、行列演算手段で線形変換された受信符号化変調信号と、複素共役演算手段で得られた受信符号化変調信号の複素共役情報との積情報を得る乗算手段と、乗算手段で得られた2つの積情報を加算する加算手段と、加算手段からの出力を積分して、符号語に対応する判定変数として出力する積分手段とをそなえて構成される。

0020

また、判定変数演算手段1031〜103nが、推定手段101で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力情報として、

0021

0022

を演算することにより、符号化変調信号の符号語に対応する判定変数を出力するように構成されてもよい。このとき、判定変数演算手段1031〜103nは、送信装置から送られる符号化変調信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段と、レプリカ信号生成手段で生成されたレプリカ信号と、該推定手段で推定された複素振幅変動とを乗算する第1乗算手段と、第1乗算手段からの出力と受信符号化変調信号とから、信号間距離を演算する信号間距離演算手段と、レプリカ信号生成手段で生成されたレプリカ信号に基づいて該複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み情報を演算する重み演算手段と、重み演算手段からの重み情報と、該信号間距離演算手段からの出力とを乗算する第2乗算手段と、第2乗算手段からの出力を積分して、符号語に対応する判定変数として出力する積分手段とをそなえて構成される。

0023

上述の本発明では、推定手段101で、フェージングによる複素振幅変動を推定してから、復号手段102により、推定手段101で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを用い、且つ、複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより、符号化変調信号を復号する。

0024

この場合、復号手段102では、複数の判定変数演算手段1031〜103nにおいて、推定手段101で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力し、これらの信号を用い、且つ、複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより、符号化変調信号の各符号語に対応する判定変数を演算し、更に選択手段104で、各判定変数演算手段1031〜103nで得られた判定変数を比較して、最小の判定変数を符号化変調信号の復号情報として選択することが行なわれる。

0025

そして、各判定変数演算手段1031〜103nでは、推定手段101で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力情報として、上記(4)式を演算することにより、符号化変調信号の符号語に対応する判定変数を出力するか、上記(5)式を演算することにより、符号化変調信号の符号語に対応する判定変数を出力する。

0026

ここで、上記(4)式を演算する場合は、判定変数演算手段1031〜103nでは、行列演算手段で、推定手段101で推定された複素振幅変動及び受信符号化変調信号を受信符号化変調信号の共分散行列を用いて線形変換するとともに、複素共役演算手段で、推定手段101で推定された複素振幅変動及び受信符号化変調信号の複素共役を演算し、更に乗算手段で、行列演算手段で線形変換された複素振幅変動と、複素共役演算手段で得られた複素振幅変動の複素共役情報との積情報を得るとともに、行列演算手段で線形変換された受信符号化変調信号と、複素共役演算手段で得られた受信符号化変調信号の複素共役情報との積情報を得、更に加算手段で、乗算手段で得られた2つの積情報を加算し、更に積分手段で、加算手段からの出力を積分して、符号語に対応する判定変数として出力することが行なわれる。

0027

また、上記(5)式を演算する場合は、各判定変数演算手段1031〜103nでは、レプリカ信号生成手段で、送信装置から送られる符号化変調信号のレプリカ信号を生成するとともに、第1乗算手段で、レプリカ信号生成手段で生成されたレプリカ信号と、推定手段101で推定された複素振幅変動とを乗算する。更に、信号間距離演算手段で、第1乗算手段からの出力と受信符号化変調信号とから、信号間距離を演算する。このとき、重み演算手段で、レプリカ信号生成手段で生成されたレプリカ信号に基づいて複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み情報を演算しておき、その後、第2乗算手段で、重み演算手段からの重み情報と、信号間距離演算手段からの出力とを乗算し、更に積分手段で、第2乗算手段からの出力を積分して、符号語に対応する判定変数として出力することが行なわれる。

0028

以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。さて、本発明を適用される無線通信システムは、図2に示すように、送信機1と受信機2とをそなえており、送信機1からフェージングの存在する環境下を経由して送られてきた符号化変調信号を受信機2で受信して復号するようになっている。

0029

まず、送信機1は、図3に示すように、直並列変換器11,符号帳12,ディジタルアナログ変換器13,14,直交変換器15をそなえて構成されている。ここで、直並列変換器11は入力2進系列信号をKビット(Kは自然数)の並列データVb(i) に変換するもので、符号帳12はROMで構成されてNシンボル(Nは自然数)のブロック符号化変調方式(Block Coded Modulation:BCM)の符号語系列Vs(i) に変換するものである。

0030

なお、符号語系列Vs(i) は次式で定義されるN次元複素ベクトルである。
Vs(i) =〔s1 (i) , ・・・・, sN (i) 〕T ・・(6)
ここで、iは0,・・,M−1である。また、Tは転置を意味し、M=2K は符号語の数を表す。さらに、ディジタル/アナログ変換器13,14は符号帳12で変換されたディジタル符号語系列アナログ変換するもので、直交変換器15は両ディジタル/アナログ変換器13,14からの信号を受けて符号化変調信号を出力するものである。

0031

従って、送信機1では、入力2進系列が直並列変換器11によりKビットの並列データVb(i) に変換され、更にこのデータVb(i) は、ROMから構成される符号帳12に入力され、Nシンボルのブロック符号化変調方式の符号語系列Vs(i) に変換される。更に、この符号語系列Vs(i) は、ディジタル/アナログ変換器13,14によりアナログ値に変換され、更に直交変調器15により無線周波数変調波となり送信されるようになっている。

0032

その後、Vs(i) の各シンボルは、フェージングおよび白色ガウス雑音によりひずみを受け、受信機2により受信されるが、この受信機2は、送信機1からフェージングの存在する環境下を経由して送られてきた符号化変調信号を受信して復号するために、図4に示すように、直交検波器21,アナログディジタル変換器22,23,複素振幅変動推定器24,復号器25をそなえて構成されている。

0033

ここで、直交検波器21は、受信信号を直交検波するもので、アナログ/ディジタル変換器22,23はアナログ直交検波信号ディジタル変換するものである。複素振幅変動推定器24は、ディジタル化された直交検波信号に基づき、フェージングによる複素振幅変動を推定するものである。

0034

また、復号器25は、複素振幅変動推定器24で推定された複素振幅変動と直交検波信号とを用い、且つ、複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより、符号化変調信号を復号するもので、このために、この復号器25は、図5に示すように、複数(n)個の判定変数計算部31〜3nと比較判定器41とをそなえて構成されている。

0035

ここで、判定変数計算部31〜3nは、複素振幅変動推定器24で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力し、これらの信号を用い、且つ、複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより、符号化変調信号の各符号語に対応する判定変数を計算するものである。また、比較判定器41は、各判定変数計算部31〜3nで得られた判定変数を比較して、最小の判定変数を符号化変調信号の復号情報として選択するものである。

0036

従って、受信機2では、受信信号が、直交検波器21により直交検波され、ベースバンド受信信号rm が得られる。このベースバンド受信信号は、アナログ/ディジタル変換器22,23によりディジタル値に変換され、複素振幅変動推定器24および複号器25に入力される。そして、複素振幅変動推定器24では、フェージングの複素振幅変動hm の推定値hhm が推定され、この推定値hhm が復号器25に入力される。

0037

復号器25では、フェージングの複素振幅変動の推定値とベースバンド受信信号は、符号帳12において出力されうる符号化変調の符号語に対応した判定変数計算部31〜3nに入力され、各符号語に対応する判定変数が求められる。本発明では、この判定変数計算部31〜3nにおける判定変数の求め方に特徴があるが、これについては後に詳述する。

0038

そして、比較判定器41により判定変数の大小が比較され、最も判定変数の値の小さい符号語に対応する2進系列が送信機1から送信されたと判定される。ところで、本発明の特徴である判定変数計算部31〜3nにおける判定変数の求め方について、以下詳細に説明する。今、3次元列ベクトルVxm を次式で定義する。

0039

Vxm =〔hm ,zm ,εm 〕T ・・(7)
ここで、Vxm は平均0、共分散行列、

0040

0041

を持つ、ガウスランダムベクトルである。さらに、受信信号rm 及びに伝搬路の推定値hhm を要素として持つ2次元列ベクトルVrm を次式で定義する。
Vrm =〔rm ,hhm 〕T ・・(9)
Vrm はVxm を用いて次のように表現することができる。

0042

0043

これより、Vrm は平均値0,共分散行列、

0044

0045

を持つガウスランダムベクトルである。以上より、Vs(i) が送信されたときのVrm の条件付き確立密度関数は次式で与えられる。

0046

0047

m=1,...,Nの各受信信号ベクトルはそれぞれ統計的に独立であると仮定する。このとき、Vs(i) が送信されたときの{r1 , ・・rN }の条件付き確立密度関数は、Vrm の条件付き確立密度関数の積の形で書き表すことができる。

0048

0049

さらに、この式の対数を求め、判定に関係しない項を省略し近似を行なうことにより、判定変数は(4)式と同じ(14)式で与えられる。

0050

0051

さらに、上式を近似、簡略化することにより、判定変数は、(5)式と同じ(15)式のように表すことができる。

0052

0053

但し、α,βは、定数である。従って、各判定変数計算部31〜3nにおいて、複素振幅変動推定器24で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力情報として、上記(14)式または(15)式を演算することにより、符号化変調信号の符号語に対応する判定変数を出力することができるのである。

0054

そして、上記(14)式を演算する場合、判定変数計算部31〜3nは、図6に示すように、行列演算器61,複素共役計算器51,52,乗算器53,54,加算器55,積分器56をそなえて構成される。ここで、行列演算器61は、複素振幅変動推定器24で推定された複素振幅変動及び受信符号化変調信号を受信符号化変調信号の共分散行列を用いて線形変換するもので、複素共役計算器51,52は、複素振幅変動推定器24で推定された複素振幅変動及び受信符号化変調信号の複素共役を演算するものである。

0055

乗算器53は、行列演算器61で線形変換された複素振幅変動と、複素共役研鑽器51で得られた複素振幅変動の複素共役情報との積情報を得るもので、乗算器53は、行列演算器61で線形変換された受信符号化変調信号と、複素共役計算器51で得られた受信符号化変調信号の複素共役情報との積情報を得るものである。

0056

加算器55は、乗算器53,54で得られた2つの積情報を加算するもので、積分器56は、加算器55からの出力を積分して、符号語に対応する判定変数として出力するものである。従って、図6に示す各判定変数計算部31〜3nにおいては、まず、フェージングの複素振幅変動の推定値および受信信号は行列演算器61で、2×2行列〔(11)式で表される逆行列〕により線形変換される。同時に、複素共役計算器51,52により、フェージングの複素振幅変動の推定値および受信信号の複素共役がそれぞれ求められる。さらに、乗算器53,54により、線形変換された信号と複素共役信号との積が2組の信号それぞれについて求められる。そして更に加算器55により、それぞれの積の和が求められる。この和信号は、積分器56により符号化変調信号の符号語にわたって積分され、これが、式(14)に示す判定変数となる。

0057

また、上記(15)式を演算する場合、判定変数計算部31〜3nは、図7に示すように、レプリカ信号生成器71,乗算器72,信号間距離計算器73,重み計算器74,乗算器75,積分器76をそなえて構成されている。ここで、レプリカ信号生成器71は、送信器1から送られる符号化変調信号のレプリカ信号を生成するもので、乗算器72は、レプリカ信号生成器71で生成されたレプリカ信号と、複素振幅変動推定器24で推定された複素振幅変動とを乗算するものである。

0058

信号間距離計算器73は、乗算器72からの出力と受信符号化変調信号とから、信号間距離を演算するものである。重み計算器74は、レプリカ信号生成器71で生成されたレプリカ信号に基づいて複素振幅変動のもつ推定誤差の大きさに応じた重み情報を演算するものである。

0059

乗算器75は、重み計算器74からの重み情報と、信号間距離計算器73からの出力とを乗算するもので、積分器76は、乗算器75からの出力を積分して、符号語に対応する判定変数として出力するものである。従って、図7に示す各判定変数計算部31〜3nにおいては、まず、フェージングの複素振幅変動の推定値は、送信信号のレプリカ信号と乗算器72により乗算され、受信信号とともに信号間距離計算器73に入力され、入力2信号間の信号間距離が計算される。送信信号のレプリカ信号は同時に重み計算器74にも入力され、重み係数1/(α+β|Vsm (i) |2 )が計算される。重み係数と信号間距離は、乗算器75により乗算され、積分器76により符号化変調信号の符号語にわたって積分される。そして、この積分器出力が式(15)に基づく判定変数となる。

0060

つぎに、本発明による符号化変調方式のフェージング下における復号法の効果を明らかにするため、文献[岡田、原、森永:「マルチパスフェージング下におけるブロック符号化変調方式の誤り率上界」、信学技報告、RCS92−94,pp.59−64,(1992−11)]に示されるブロック符号化変調方式を用い、フェージング下で伝送を行なったときのビット誤り率特性を評価する。ここで用いるブロック符号化変調方式は、符号語の信号点配置非線形計画法の一つである準ニュートン法を用いて最適化したものである。ここでは、K=4ビット、N=4シンボルのブロック符号化変調を用いた。この符号語の信号点配置を図8に示す。

0061

図9は、従来の復号法および本発明による複号法を用いて復号を行った場合のビット誤り率の上界を示すが、この図9において、r=0はフェージングによる信号の振幅変動の推定が誤差なく行なえた場合の特性を示しており、この場合には、本発明による復号法と従来方式による差は全くない。一方、r=1は推定誤差の分散が加法性白色ガウス雑音と同じ大きさである場合の特性である。この場合には、本発明による復号法を用いることにより、約0.7dB程度、従来方式より改善されていることがわかる。

0062

このようにして、本発明によれば、フェージングの複素振幅変動の推定誤差による誤り率特性の劣化を軽減することができ、これによりフェージング通信路におけるディジタル伝送の品質を改善できることがわかる。

発明の効果

0063

以上詳述したように、本発明の符号化変調信号の復号方法及び復号装置によれば、フェージングによる複素振幅変動の推定誤差の大きさに応じた重み付け処理を施すことにより復号することが行なわれるので、フェージングの複素振幅変動の推定誤差による誤り率特性の劣化を軽減することができ、これによりフェージング通信路におけるディジタル伝送の品質を改善できる利点がある。

0064

また、本発明の復号装置では、判定変数演算手段が、推定手段で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力情報として、式(4)又は式(14)を演算することにより、符号化変調信号の符号語に対応する判定変数を出力するように構成されているので、判定変数を厳密に求めることができ、これにより、フェージングの複素振幅変動の推定誤差による誤り率特性の劣化の軽減におおいに寄与しうる利点がある。

0065

さらに、本発明の復号装置では、判定変数演算手段が、推定手段で推定された複素振幅変動と受信符号化変調信号とを入力情報として、式(5)又は式(15)を演算することにより、符号化変調信号の符号語に対応する判定変数を出力するように構成されているので、判定変数を容易に求めることができ、これにより、簡易な手段により、フェージングの複素振幅変動の推定誤差による誤り率特性の劣化を軽減できる利点がある。

図面の簡単な説明

0066

図1本発明の原理ブロック図である。
図2本発明が適用される無線通信システムを示すブロック図である。
図3本発明が適用される無線通信システムにおける送信機を示すブロック図である。
図4本発明が適用される無線通信システムにおける受信機を示すブロック図である。
図5本発明が適用される無線通信システムにおける受信機中の復号器を示すブロック図である。
図6本発明の一実施例にかかる復号器中の判定変数計算部の一例を示すブロック図である。
図7本発明の一実施例にかかる復号器中の判定変数計算部の他例を示すブロック図である。
図8BCMの設計例を示す図である。
図9本発明の効果を従来のものと比較して示す図である。

--

0067

1送信機
2受信機
11直並列変換器
12符号帳
13,14ディジタル/アナログ変換器
15直交変換器
21直交検波器
22,23アナログ/ディジタル変換器
24複素振幅変動推定器(推定手段)
25復号器(復号手段)
31〜3n判定変数計算部(判定変数演算手段)
41比較判定器(選択手段)
51,52複素共役計算器(複素共役演算手段)
53,54乗算器(乗算手段)
55加算器(加算手段)
56積分器(積分手段)
61行列演算器(行列演算手段)
71レプリカ信号生成器(レプリカ信号生成手段)
72 乗算器(第1乗算手段)
73信号間距離計算器(信号間距離演算手段)
74重み計算器(重み演算手段)
75 乗算器(第2乗算手段)
76 積分器(積分手段)
101 推定手段
102 復号手段
104 選択手段
1031〜103n 判定変数演算手段

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