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技術 マルテンサイト系ステンレス鋼継目無管の製造方法

出願人 住友金属工業株式会社
発明者 阿部俊治藤岡靖英
出願日 1993年10月8日 (27年4ヶ月経過) 出願番号 1993-253125
公開日 1995年4月25日 (25年9ヶ月経過) 公開番号 1995-109522
状態 未査定
技術分野 鋼の加工熱処理 物品の熱処理
主要キーワード 加工処理条件 所要強度 再度焼入れ レデューサー リング試験片 最終圧延前 粒界析出 継目無管
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年4月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

目的

高価な合金元素添加量を増加させず、かつ処理工程を簡略化したにもかかわらず、従来の焼入・焼戻プロセスと同等の異方性の少ない、強度・耐応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管を製造する方法を提供する。

構成

C: 0.15〜0.25%、 Si: 0.10〜1.0 %、 Mn: 0.10〜1.0 %、

P: 0.03%以下、 S: 0.01%以下、 Cr: 10〜14%、

V: 0.15%以下、

残部がFeおよび不可避的不純物

950 ℃≦T≦1150℃

T≧1.8 R+930

ただし、T:再加熱温度(℃) 、R: 仕上圧延加工度(%) 、の領域にくるようにして仕上圧延加工を与え、次いで室温まで冷却してマルテンサイト組織とした後、焼戻し熱処理のみによって所要強度を得る。

概要

背景

一般にマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管は、強度、靱性および耐食性が要求される油井管等の材料として広く用いられ、特に耐CO2腐食性に優れていることはよく知られている。

従来この種の継目無管は、鋼片穿孔可能な温度に加熱し、例えばピアサーマンドレルミルを用いて穿孔と圧延とを行った後、オーステナイト領域再加熱し、レデューサー等で最終製品寸法に仕上圧延を行い製造され、その後、焼入・焼戻処理を受けて所定の機械的性質が付与される。

従来は、図3にその熱履歴を示すように製管終了後、一旦室温まで冷却された管を再加熱して焼入れするのが普通であったが、近年、工程の合理化省エネルギーのために製管工程に引き続き直ちに急冷して焼入れする直接焼入法が採用されつつある。

この直接焼入法の手段として、例えば特開昭63−238217号公報および特開平2−277720号公報に示されている方法があるが、しかしこれらの公報に示されているのは靱性の異方性まで考慮した方法ではなく、圧延方向に対して円周方向の靱性がそれ程良好でないことが判明した。

概要

高価な合金元素添加量を増加させず、かつ処理工程を簡略化したにもかかわらず、従来の焼入・焼戻プロセスと同等の異方性の少ない、強度・耐応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管を製造する方法を提供する。

C: 0.15〜0.25%、 Si: 0.10〜1.0 %、 Mn: 0.10〜1.0 %、

P: 0.03%以下、 S: 0.01%以下、 Cr: 10〜14%、

V: 0.15%以下、

残部がFeおよび不可避的不純物

マルテンサイト系ステンレス鋼のマンドレルミルによる圧延後の再加熱温度Tが

950 ℃≦T≦1150℃

T≧1.8 R+930

ただし、T:再加熱温度(℃) 、R: 仕上圧延加工度(%) 、の領域にくるようにして仕上圧延加工を与え、次いで室温まで冷却してマルテンサイト組織とした後、焼戻し熱処理のみによって所要強度を得る。

目的

ここに、本発明の目的は、高価な合金元素の添加量をいたずらに増加させるとなく、かつ処理工程を簡略化したにもかかわらず、従来の焼入れ・焼戻しプロセスと同等の異方性の少ない、強度および耐応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管を製造する方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

重量%でC: 0.15〜0.25%、 Si: 0.10〜1.0 %、 Mn: 0.10〜1.0 %、P: 0.03%以下、 S: 0.01%以下、 Cr: 10〜14%、V: 0.15%以下、残部がFeおよび不可避的不純物から成る鋼組成を有するマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管を製造するに際し、マンドレルミルによる圧延後の再加熱温度Tが950 ℃≦T≦1150℃T≧1.8 R+930ただし、T: 再加熱温度 (℃) 、R: 仕上圧延加工度(%) 、の領域にくるようにして仕上圧延加工を与え、次いで室温まで冷却してマルテンサイト組織とした後、再度焼入れ熱処理をすることなく、焼戻し熱処理のみによって必要とする強度を得ることを特徴とする低温靱性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、低温靱性に優れた、また低温靱性を含む機械的性質耐応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管の製造方法に関する。

背景技術

0002

一般にマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管は、強度、靱性および耐食性が要求される油井管等の材料として広く用いられ、特に耐CO2腐食性に優れていることはよく知られている。

0003

従来この種の継目無管は、鋼片穿孔可能な温度に加熱し、例えばピアサーマンドレルミルを用いて穿孔と圧延とを行った後、オーステナイト領域再加熱し、レデューサー等で最終製品寸法に仕上圧延を行い製造され、その後、焼入・焼戻処理を受けて所定の機械的性質が付与される。

0004

従来は、図3にその熱履歴を示すように製管終了後、一旦室温まで冷却された管を再加熱して焼入れするのが普通であったが、近年、工程の合理化省エネルギーのために製管工程に引き続き直ちに急冷して焼入れする直接焼入法が採用されつつある。

0005

この直接焼入法の手段として、例えば特開昭63−238217号公報および特開平2−277720号公報に示されている方法があるが、しかしこれらの公報に示されているのは靱性の異方性まで考慮した方法ではなく、圧延方向に対して円周方向の靱性がそれ程良好でないことが判明した。

発明が解決しようとする課題

0006

ここに、本発明の目的は、高価な合金元素添加量をいたずらに増加させるとなく、かつ処理工程を簡略化したにもかかわらず、従来の焼入れ・焼戻しプロセスと同等の異方性の少ない、強度および耐応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管を製造する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

ところで、一般にマルテンサイト組織をもつ鋼の靱性および耐応力腐食割れ性を支配しているのは、焼入れ時のオーステナイト粒のサイズと焼戻しでの炭化物析出であり、その結果、微細再結晶粒微細分散炭化物から成る組織となったときに、靱性および耐応力腐食割れ性が改善される。

0008

そこで、本発明者らが、マルテンサイト系ステンレス鋼の加工熱処理とその組織・靱性について詳細に検討を重ねた結果、最終仕上圧延前の再加熱温度を、仕上圧延加工度に応じて、適当な温度に選定することにより微細な結晶粒と微細分散炭化物からなる組織を得ることができ、異方性の少ない靱性良好なマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管を製造できることを知り、本発明を完成した。

0009

すなわち、本発明は、重量%で
C: 0.15〜0.25%、 Si: 0.10〜1.0 %、 Mn: 0.10〜1.0 %、
P: 0.03%以下、 S: 0.01%以下、 Cr: 10〜14%、
V: 0.15%以下、
残部がFeおよび不可避的不純物
から成る鋼組成を有するマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管をマンスマンマンドレルミル方式で製造するに際し、最終圧延前において、再加熱温度(T℃) を次式で定義される温度として加熱後、
950 ℃≦T≦1150℃・・・(1)
T≧1.8 R+930 ・・・(2)
ただし、T: 再加熱温度( ℃) 、R=仕上圧延加工度(%) 、
仕上圧延を行い、直ちに室温まで冷却して空冷焼入し、マルテンサイト組織とし、再度焼入れ熱処理することなく、所定強度を得るためにAc1変態点以下の温度で焼戻しを行う、低温靱性の良好なマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管の製造方法である。

0010

図4は本発明にかかる方法の工程を熱履歴としてグラフで示すものであり、本発明の場合、従来法と比較して焼入れ処理を行うことなく、焼戻し処理だけを行えばよい。

0011

次に、本発明において鋼組成および加工処理条件を上記のように限定した理由についてその作用とともに以下詳述する。まず、鋼組成の限定理由は次の通りである。なお、特にことわりがない限り、「%」は重量%である。

0012

C:Cは本発明で用いる鋼材料の強度を高める元素であるが、0.15%未満ではδフェライト析出し、熱間加工性が低下する。0.25%超では、粗大炭化物が多くなり靱性が著しく低下する。したがって、0.15〜0.25%、好ましくは0.18〜0.22%に制限する。

0013

Si:Siは0.10%未満では、脱酸不足する。1.0 %超では炭化物の粒界析出を助長し、靱性、耐食性が劣化する。好ましくは、0.15〜0.50%である。

0014

Mn:Mnは0.10%未満では、強度を高めない。1.0 %超では靱性耐食性を劣化させる。好ましくは、0.50〜0.80%である。

0015

P、S:P、Sはいずれも不純物元素含有量が低いほど望ましい。本発明にあってはそれぞれ0.03%以下、0.01%以下に制限する。特に耐食性、靱性、熱間加工性を確保するために、P:0.020%以下、S:0.005%以下に制限するのが好ましい。

0016

Cr:Crはステンレス鋼耐食性向上のため必要であり、10%未満では耐食性が劣化し、14%超ではδフェライトが生成し熱間加工性の低下およびマルテンサイト変態が困難になる。

0017

V:Vは強度や靱性の向上に効果がある元素であり、0.15%超では強度が高くなり過ぎて靱性が低下する。

0018

次に、製管条件の限定理由について述べれば、再加熱温度が 950℃未満および式(2) を満足しない温度では仕上圧延後の組織が圧延方向に延びた組織となるため、円周方向の靱性が著しく低下する。一方、再加熱温度が1150℃超では仕上圧延後の結晶粒が粗大化して靱性が低下する。

0019

なお、式(2) の圧延加工度は、断面減少率によって決定する。本発明では仕上げ圧延終了後は焼戻し熱処理だけで所定の特性が得られる。次に、本発明の作用効果について実施例に基づいてさらに具体的に詳述する。

0020

表1に示す鋼組成を有する供試鋼から通常の溶解、圧延工程を経て、直径150mmのビレットを製造し、表2に示す条件で加工を行い、再加熱温度と最終仕上加工度を変化させながら、マルテンサイト系ステンレス鋼継目無管を製造した。

0021

0022

0023

このようにして製造された各継目無管から試験片採取し、下記の試験を行った。
引張試験: 19mm幅弧状 GL50.8mmの引張試験片による0.2 %耐力
衝撃試験: 10×5×55mm、2mmVノッチシャルピー試験片による遷移温度
硬さ試験: HRC
図1に引張試験による0.2 %耐力およびHRC硬さの測定結果を、図2に衝撃試験の測定結果を製管条件別にそれぞれまとめて示す。

0024

図中の数字はそれぞれ強度、硬さ、そして遷移温度であり、強度は80〜95 ksi、硬さは23 HRC以下を、そして遷移温度は圧延方向が−20℃以下、円周方向が20℃以下をそれぞれ合格とした。強度・硬さについては、本発明例では従来例に比べて高温で焼戻しされているが、点線領域以上の条件で、従来法とほぼ同等の強度が得られている。

0025

さらに、圧延方向の靱性については、強度・硬さと同様の点線以上の領域で従来法以上の靱性が得られている。一方、円周方向の靱性については、実線以上の領域で従来例と同等ないし同等以上の靱性改善が図れることが判明した。

0026

次いで、本発明例について耐応力腐食割れ性の試験を次の要領で行った。Cリング試験片図5に示すように取付けて、応力を付加し耐応力腐食割れ性を評価した。応力は、0.2 %耐力×0.80の応力で、試験条件は 0.5%CH3COOH+5%NaCl+0.1atm H2S、25℃、720Hr で割れ発生有無判定で行った。

発明の効果

0027

以上のように、本発明によれば、CO2 環境下はもとより、H2S 環境下でも優れた耐食性を示すマルテンサイト系ステンレス鋼継目無管の低温靱性異方性を大幅に向上させることができる。

図面の簡単な説明

0028

図1本発明の製管条件 (再加熱温度、仕上圧延加工度) による0.2 %耐力とHRC硬さの関係を示すグラフである。
図2製管条件と衝撃性質 (圧延方向、円周方向) の関係を示すグラフである。
図3継目無管製造における従来法 (焼入れ焼戻し) の熱履歴を示すグラフである。
図4本発明の継目無管の製造方法における熱履歴を示すグラフである。
図5耐応力腐食割れ性試験の要領の説明図である。

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