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技術 弾性表面波装置

出願人 京セラクリスタルデバイス株式会社
発明者 阿部秀典
出願日 1994年8月5日 (25年4ヶ月経過) 出願番号 1994-184803
公開日 1995年4月11日 (24年8ヶ月経過) 公開番号 1995-099423
状態 特許登録済
技術分野 弾性表面波素子とその回路網
主要キーワード 数値シミュレーション結果 スプリアス強度 外部終端 単峰特性 低減衰量 シェイプファクタ オイラ 時間偏差
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年4月11日)のものです。
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図面 (20)

目的

群遅延時間平坦で、比帯域幅が比較的広く、低挿入損失で、帯域外減衰量の大きい弾性表面波装置を提供する。

構成

四ほう酸リチウムからなる基板10上に、中央のくし型電極と、弾性表面波伝搬方向に沿って中央のくし型電極の両側に近接配置された第1及び第2のくし型電極とを含む電極列20が配置された弾性表面波装置や、第1の電極列20と第2の電極列30が縦続接続されて配置された弾性表面波装置において、中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、適切な範囲に設定されたことを特徴とする。

概要

背景

弾性表面波装置によるフィルタは、小型、軽量、高性能なため移動体通信などの通信機器放送機器測定装置などに多く使用されている。従来、アナログ通信方式で使用される中間周波フィルタ狭帯域特性が要求され、加えて、中心周波数温度変化が小さく、帯域外減衰特性にも厳しいものが要求される。このような用途には、STカット水晶基板上に3dB比帯域幅(以後、比帯域幅と略す)が0.03〜0.1%程度を持つトランスバ−サル弾性表面波フィルタなどが使用されていた。

ところが、周波数の有効利用や秘話性などのため、移動体通信などにおいてアナログ通信方式からデジタル通信方式への移行が検討されている。この方式に用いられる中間周波フィルタは、比帯域幅が0.3〜0.5%程度と比較的広く、群遅延時間平坦で、帯域外減衰特性もアナログ通信方式用を超える値が要求される。特に、移動通信用携帯機器では小型化が要求され、弾性表面波フィルタとしても小型で低挿入損失のものが必要である。

従来の2つのくし型電極からなるトランスバ−サル型弾性表面波フィルタは、所望の振幅特性位相特性を独立に設計できるという利点を有している。しかしながら、トランスバーサル型弾性表面波フィルタは、挿入損失が大きく、0.3〜0.5%程度の帯域幅を得るためには多数の電極指(多対のくし型電極)が必要であり、素子が大きくなり、また帯域外減衰量も十分でないという欠点があった。

低損失広帯域なフィルタを得る構成として、LiNbO3基板上に4対のくし型電極を3個、近接配置したフィルタが知られており、挿入損失が10dB、比帯域幅20%のものが得られている(M.F.Lewis, Electron.Letters vol.8,no.23,p.553(1972))。しかしながら、このフィルタは、挿入損失と比帯域幅が大きすぎるという欠点があった。

他方、低損失で小型な弾性表面波フィルタを得る方法として、共振子フィルタや多対くし型電極フィルタが知られている。これらのフィルタは、従来、挿入損失と帯域外減衰量を考慮してその構造を決めているだけであり、所望の群遅延時間特性を得ることができなかった。例えば、水晶基板上に、くし型電極の総対数700対を持つ3個のくし型電極を使用したフィルタは、挿入損失5dB、比帯域幅0.02%が得られている(小山田、吉川、石原、電子通信学会論文誌 vol.J60-A,no.9,pp.805(1977))。しかしながら、群遅延時間特性及び帯域振幅偏差は不明であり、また比帯域幅も狭かった。

概要

群遅延時間が平坦で、比帯域幅が比較的広く、低挿入損失で、帯域外減衰量の大きい弾性表面波装置を提供する。

四ほう酸リチウムからなる基板10上に、中央のくし型電極と、弾性表面波伝搬方向に沿って中央のくし型電極の両側に近接配置された第1及び第2のくし型電極とを含む電極列20が配置された弾性表面波装置や、第1の電極列20と第2の電極列30が縦続接続されて配置された弾性表面波装置において、中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、適切な範囲に設定されたことを特徴とする。

目的

本発明は上述した課題を解決したもので、本発明の目的は、群遅延時間が平坦で、比帯域幅が比較的広く、低挿入損失で、帯域外減衰量の大きい弾性表面波装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

四ほう酸リチウムからなる基板と、前記基板上に配置された中央のくし型電極と、弾性表面波伝搬方向に沿って前記中央のくし型電極の両側に近接配置された第1及び第2のくし型電極とを含む電極列とを有し、前記中央のくし型電極の対数Ncと前記第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式110−3000H/λ≦Nc+Ns≦320−3000H/λただし、H/λは、前記くし型電極の膜厚Hを前記くし型電極の周期λで規格化した規格化膜厚、を満足することを特徴とする弾性表面波装置

請求項2

請求項1記載の弾性表面波装置において、前記中央のくし型電極の対数Ncと前記第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式160−3000H/λ≦Nc+Ns≦260−3000H/λを満足することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項3

請求項1記載の電極列からなる第1の電極列と、請求項1記載の電極列からなり、前記第1の電極列と縦続接続されている第2の電極列とを有することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項4

請求項3記載の弾性表面波装置において、前記第1の電極列の中央のくし型電極と、前記第2の電極列の第1及び第2のくし型電極とがそれぞれ入出力端子に接続され、前記第1の電極列の第1及び第2のくし型電極と、前記第2の電極列の中央のくし型電極とが接続され、前記第1及び第2の電極列のそれぞれの前記中央のくし型電極の対数Ncと前記第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式210−6000H/λ≦Nc+Ns≦320−3000H/λを満足することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項5

請求項4記載の弾性表面波装置において、前記中央のくし型電極の対数Ncと前記第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式220−6000H/λ≦Nc+Ns≦320−6000H/λを満足することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項6

請求項3記載の弾性表面波装置において、前記第1の電極列の中央のくし型電極と、前記第2の電極列の中央のくし型電極とがそれぞれ入出力端子に接続され、前記第1の電極列の第1及び第2のくし型電極と、前記第2の電極列の第1及び第2のくし型電極とが接続され、前記第1及び第2の電極列のそれぞれの前記中央のくし型電極の対数Ncと前記第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式140−3000H/λ≦Nc+Ns≦270−3000H/λを満足することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項7

請求項6記載の弾性表面波装置において、前記中央のくし型電極の対数Ncと前記第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式150−3000H/λ≦Nc+Ns≦260−3000H/λを満足することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項8

請求項3記載の弾性表面波装置において、前記第1の電極列の第1及び第2のくし型電極と、前記第2の電極列の第1及び第2のくし型電極とがそれぞれ入出力端子に接続され、前記第1の電極列の中央のくし型電極と、前記第2の電極列の中央のくし型電極とが接続され、前記第1及び第2の電極列のそれぞれの前記中央のくし型電極の対数Ncと前記第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式160−3000H/λ≦Nc+Ns≦310−3000H/λを満足することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項9

請求項8記載の弾性表面波装置において、前記中央のくし型電極の対数Ncと前記第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式170−3000H/λ≦Nc+Ns≦310−6000H/λを満足することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項10

請求項1乃至9のいずれかに記載の弾性表面波装置において、前記中央のくし型電極の対数Ncと前記第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの比Ns/Ncが、次式1.0≦Ns/Nc≦1.6 又は、2.5≦Ns/Nc≦3.1を満足することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項11

請求項1乃至10のいずれかに記載の弾性表面波装置において、前記中央のくし型電極と前記第1及び第2のくし型電極の最も近接している電極指中心間距離Liが、次式0.40λ+nλ≦Li≦0.54λ+nλただし、nはを含む正の整数を満足することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項12

請求項11記載の弾性表面波装置において、前記電極指の中心間距離Liが、次式0.43λ+nλ≦Li≦0.47λ+nλを満足することを特徴とする弾性表面波装置。

請求項13

請求項1乃至12のいずれかに記載の弾性表面波装置において、前記基板上に前記くし型電極の電極指が形成されている、弾性表面波の伝搬方向における割合であるメタライズ比が、0.50以上0.75以下であることを特徴とする弾性表面波装置。

請求項14

請求項1乃至13のいずれかに記載の弾性表面波装置において、前記くし型電極がアルミニウムを主成分とする金属からなり、前記くし型電極の膜厚Hを前記くし型電極の周期λで規格化した規格化膜厚H/λが、0.005以上0.03以下であることを特徴とする弾性表面波装置。

請求項15

請求項1乃至14のいずれかに記載の弾性表面波装置において、前記基板のカット面および弾性表面波の伝搬方向が、オイラ角表示で(0〜45°,90±10°,90±10°)及びそれと等価の範囲内であることを特徴とする弾性表面波装置。

請求項16

請求項15記載の弾性表面波装置において、前記基板のカット面および弾性表面波の伝搬方向が、オイラ角表示で(45±5°,90±5°,90±5°)及びそれと等価の範囲内であることを特徴とする弾性表面波装置。

技術分野

0001

本発明は、移動体通信機器などのフィルタとして使用される弾性表面波装置素子構造に関するものである。

背景技術

0002

弾性表面波装置によるフィルタは、小型、軽量、高性能なため移動体通信などの通信機器放送機器測定装置などに多く使用されている。従来、アナログ通信方式で使用される中間周波フィルタ狭帯域特性が要求され、加えて、中心周波数温度変化が小さく、帯域外減衰特性にも厳しいものが要求される。このような用途には、STカット水晶基板上に3dB比帯域幅(以後、比帯域幅と略す)が0.03〜0.1%程度を持つトランスバ−サル弾性表面波フィルタなどが使用されていた。

0003

ところが、周波数の有効利用や秘話性などのため、移動体通信などにおいてアナログ通信方式からデジタル通信方式への移行が検討されている。この方式に用いられる中間周波フィルタは、比帯域幅が0.3〜0.5%程度と比較的広く、群遅延時間平坦で、帯域外減衰特性もアナログ通信方式用を超える値が要求される。特に、移動通信用携帯機器では小型化が要求され、弾性表面波フィルタとしても小型で低挿入損失のものが必要である。

0004

従来の2つのくし型電極からなるトランスバ−サル型弾性表面波フィルタは、所望の振幅特性位相特性を独立に設計できるという利点を有している。しかしながら、トランスバーサル型弾性表面波フィルタは、挿入損失が大きく、0.3〜0.5%程度の帯域幅を得るためには多数の電極指(多対のくし型電極)が必要であり、素子が大きくなり、また帯域外減衰量も十分でないという欠点があった。

0005

低損失広帯域なフィルタを得る構成として、LiNbO3基板上に4対のくし型電極を3個、近接配置したフィルタが知られており、挿入損失が10dB、比帯域幅20%のものが得られている(M.F.Lewis, Electron.Letters vol.8,no.23,p.553(1972))。しかしながら、このフィルタは、挿入損失と比帯域幅が大きすぎるという欠点があった。

0006

他方、低損失で小型な弾性表面波フィルタを得る方法として、共振子フィルタや多対くし型電極フィルタが知られている。これらのフィルタは、従来、挿入損失と帯域外減衰量を考慮してその構造を決めているだけであり、所望の群遅延時間特性を得ることができなかった。例えば、水晶基板上に、くし型電極の総対数700対を持つ3個のくし型電極を使用したフィルタは、挿入損失5dB、比帯域幅0.02%が得られている(小山田、吉川、石原、電子通信学会論文誌 vol.J60-A,no.9,pp.805(1977))。しかしながら、群遅延時間特性及び帯域振幅偏差は不明であり、また比帯域幅も狭かった。

発明が解決しようとする課題

0007

上述のように、従来の構成による弾性表面波フィルタでは、デジタル通信方式に使用される中間周波フィルタに必要とされるような、比帯域幅が比較的広く、帯域外減衰量も大きく、小型、低挿入損失で、加えて、群遅延時間が平坦な特性を達成することはできなかった。

0008

本発明は上述した課題を解決したもので、本発明の目的は、群遅延時間が平坦で、比帯域幅が比較的広く、低挿入損失で、帯域外減衰量の大きい弾性表面波装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上述の特性を満足する弾性表面波フィルタを構成するために、圧電基板として、温度特性が優れ、電気機械結合係数が1%程度の新材料である四ほう酸リチウム単結晶基板を用いた。この四ほう酸リチウム単結晶基板上に、3個の多数対の電極指を持つくし型電極を弾性表面波伝搬方向に沿って近接配置した電極列を形成し、これらくし型電極の電極指による弾性表面波の反射を利用する弾性表面波フィルタとして構成した。この弾性表面波フィルタの場合、比帯域幅などの振幅特性と群遅延時間特性などの位相特性は独立に設計できず、これら両特性の要求値を共に満足する電極構成は知られていなかった。加えて、通過帯域外スプリアスが発生し、帯域外減衰量も充分でなかった。

0010

そこで、本願発明者は、比帯域幅が0.3%以上であり、帯域内振幅偏差(以下、振幅偏差という)と、帯域内群遅延時間偏差(以下、群遅延時間偏差という)と、帯域内挿損失と、通過帯域外のスプリアスが小さい電気的特性を得るために、IDT対数、電極膜厚などによる影響を詳細に検討し本発明をなした。本発明による弾性表面波装置は、図1に示すように、四ほう酸リチウムからなる基板と、基板上に配置された中央のくし型電極と、弾性表面波の伝搬方向に沿って中央のくし型電極の両側に近接配置された第1及び第2のくし型電極とを含む電極列とを有し、中央のくし型電極の対数Ncと第1の及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式
110−3000H/λ≦Nc+Ns≦320−3000H/λ
ただし、H/λは、くし型電極の膜厚Hをくし型電極の周期λで規格化した規格化膜厚、を満足することを特徴とする。

0011

特に、中央のくし型電極の対数Ncと第1の及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsは、次式
160−3000H/λ≦Nc+Ns≦260−3000H/λ
を満足することが望ましい。上述した弾性表面波装置の電極列からなる第1の電極列と、上述した弾性表面波装置の電極列からなり、第1の電極列と縦続接続されている第2の電極列とを有することが望ましい。これら第1の電極列と第2の電極列の接続形式として次の3つの態様を採用することができる。

0012

第1の接続形式は、図2に示すように、第1の電極列の中央のくし型電極と、第2の電極列の第1及び第2のくし型電極とがそれぞれ入出力端子に接続され、第1の電極列の第1及び第2のくし型電極と、第2の電極列の中央のくし型電極とが接続された接続形式であって、第1及び第2の電極列のそれぞれの中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式
210−6000H/λ≦Nc+Ns≦320−3000H/λ
を満足することが望ましい。

0013

特に、中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式
220−6000H/λ≦Nc+Ns≦320−6000H/λ
を満足することが望ましい。第2の接続形式は、図3に示すように、第1の電極列の中央のくし型電極と、第2の電極列の中央のくし型電極とがそれぞれ入出力端子に接続され、第1の電極列の第1及び第2のくし型電極と、第2の電極列の第1及び第2のくし型電極とが接続された接続形式であって、第1及び第2の電極列のそれぞれの中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式
140−3000H/λ≦Nc+Ns≦270−3000H/λ
を満足することが望ましい。

0014

特に、中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式
150−3000H/λ≦Nc+Ns≦260−3000H/λ
を満足することが望ましい。第3の接続形式は、図4に示すように、第1の電極列の第1及び第2のくし型電極と、第2の電極列の第1及び第2のくし型電極とがそれぞれ入出力端子に接続され、第1の電極列の中央のくし型電極と、第2の電極列の中央のくし型電極とが接続された接続形式であって、第1及び第2の電極列のそれぞれの中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式
160−3000H/λ≦Nc+Ns≦310−3000H/λ
を満足することが望ましい。

0015

特に、中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和Nc+Nsが、次式
170−3000H/λ≦Nc+Ns≦310−6000H/λ
を満足することが望ましい。上述した弾性表面波装置において、中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの比Ns/Ncが、次式
1.0≦Ns/Nc≦1.6 又は、2.5≦Ns/Nc≦3.1
を満足することが望ましい。

0016

上述した弾性表面波装置において、中央のくし型電極と第1及び第2のくし型電極の最も近接している電極指の中心間距離Liが、次式
0.40λ+nλ≦Li≦0.54λ+nλ
ただし、nはを含む正の整数を満足することが望ましい。

0017

特に、電極指の中心間距離Liが、次式
0.43λ+nλ≦Li≦0.47λ+nλ
を満足することが望ましい。上述した弾性表面波装置において、基板上にくし型電極の電極指が形成されている、弾性表面波の伝搬方向における割合であるメタライズ比が、0.50以上0.75以下であることが望ましい。

0018

上述した弾性表面波装置において、くし型電極がアルミニウムを主成分とする金属からなり、くし型電極の膜厚Hをくし型電極の周期λで規格化した規格化膜厚H/λが、0.005以上0.03以下であることが望ましい。上述した弾性表面波装置において、基板のカット面および弾性表面波の伝搬方向が、オイラ角表示で(0〜45°,90±10°,90±10°)及びそれと等価の範囲内であることが望ましい。

0019

特に、基板のカット面および弾性表面波の伝搬方向が、オイラ角表示で(45±5°,90±5°,90±5°)及びそれと等価の範囲内であることが望ましい。雰囲気温度による電気特性の変化が少なくなり温度特性が向上する。また、くし型電極の開口長は、弾性表面波装置の入出力インピダンス外部終端インピ−ダンスに整合するように決められる。

0020

本発明による弾性表面波装置の電極構成の一例の概略を図1に示す。四ほう酸リチウムからなり圧電性を有する基板10の表面に中央のくし型電極21が配置され、中央のくし型電極21の両側に第1及び第2のくし型電極22、23が配置されている。これら第1及び第2のくし型電極22、23は配線24、25により並列に接続されている。それぞれのくし型電極21、22、23は、組み合わされた2組の電極指26a、26bと、各電極指26a、26b間をその端部で電気的に接続しているバスバー部27a、27bとから構成される。電極指26a、26bは弾性表面波の伝搬方向にほぼ垂直な方向に延びており、バスバー部27a、27bは弾性表面波の伝搬方向にほぼ平行な方向に延びている。くし型電極21、22、23の電極指はアルミニウムから構成されている。なお、並列に接続される配線24、25は基板10上以外に配置されてもよい。

0021

図5は、本発明による弾性表面波装置における中央のくし型電極21と右側の第2のくし型電極23の近接部分弾性表面波伝搬方向に切断した断面図である。くし型電極21、23の周期λは、一つの電極指26aとそれと同じ組の最も近い電極指26a′との距離として定義され、通常、電極指26aと電極指26a′の中心間距離である。

0022

くし型電極(IDT)の対数は、組み合わされた電極指26a、26bをそれぞれ1本ずつで1対と数え、片方のみの場合は0.5対と数える。IDT間隔Liは、各くし型電極21、23の最も外側の電極指26a、26b′の中心間距離として定義される。なお、IDT間隔Liは、nを零を含む正の整数として、Li+nλとしてもよい。

0023

くし型電極内の弾性表面波伝搬方向での基板上に電極指が形成されている比率を示すメタライズ比は、電極指の幅Lfとして、2×Lf/λで定義される。以上の電極構成において、まず、IDT総対数、すなわち中央のくし型電極21の対数Ncと第1及び第2のくし型電極22、23の合計の対数Nsの和Nc+Nsを変化させた場合の比帯域幅、振幅偏差、群遅延時間偏差を数値シミュレーションにより求めた。その条件を表1にまとめ、そのシミュレーション結果を図6乃至図9に示す。図6乃至図9において、比帯域幅を△、振幅偏差を▽、群遅延時間偏差を●で示す。なお、IDT対数比Ns/Ncは、中央のくし型電極の対数Ncと前記第1及び第2のくし型電極の合計との対数Nsの比である。

0024

ID=000003HE=045 WI=118 LX=0460 LY=1950
以上の結果から、比帯域幅を0.3%以上、振幅偏差を6dB以下、群遅延時間偏差を1.5μS以下とするためには、規格化膜厚0.9%程度の場合には、総対数を90〜280対と、また、規格化膜厚1.7%程度の場合には、総対数を90〜240対の範囲に設定すればよいことがわかる。

0025

さらに、比帯域幅を0.4%以上、振幅偏差を3dB以下、群遅延時間偏差を1.0μS以下とするためには、規格化膜厚0.9%程度の場合には、総対数120〜240と、また、規格化膜厚1.7%程度の場合には、総対数を110〜210対の範囲に設定すればよいことがわかる。また、IDT間隔Liは、0.40λ〜0.55λ程度を用いることが望ましいが、特に、0.44λ程度とすれば、比帯域幅を広く、または、群遅延時間偏差を少なくすることができる。

0026

上述した適切な範囲をIDT総対数Nc+Nsと規格化膜厚H/λの関係として図10にまとめる。適切なIDT総対数Nc+Nsの範囲を破線で、さらに望ましいIDT総対数Nc+Nsの範囲を実線で示す。この関係から明らかなように、IDT総対数Nc+Nsは、次式
110−3000H/λ≦Nc+Ns≦320−3000H/λ
を満足している。

0027

特に、IDT総対数Nc+Nsが、次式
160−3000H/λ≦Nc+Ns≦260−3000H/λ
を満足することが望ましい。次に、本発明による弾性表面波装置の電極構成の他の例として、四ほう酸リチウムからなる基板10上に、同じ構成の第1の電極列20と、第2の電極列30とが配置され、これら第1の電極列20と第2の電極列30とが縦続接続された構造について検討した。

0028

第1の電極列20として、中央のくし型電極21が配置され、それをはさんで第1及び第2のくし型電極22、23が配置されている。それぞれのくし型電極21、22、23は、組み合わされた2組の電極指26a、26b、および、各電極指間をその端部で電気的に接続しているバスバー部27a、27bから構成されている。電極指26a、26bは弾性表面波の伝搬方向にほぼ垂直な方向に延びており、バスバー部27a、27bは弾性表面波の伝搬方向にほぼ平行な方向に延びている。

0029

第2の電極列30も、第1の電極列20と同様の構成である。中央のくし型電極31が配置され、それをはさんで第1及び第2のくし型電極32、33が配置されている。それぞれのくし型電極31、32、33は、組み合わされた2組の電極指36a、36b、および、各電極指間をその端部で電気的に接続しているバスバー部37a、37bから構成されている。電極指36a、36bは弾性表面波の伝搬方向にほぼ垂直な方向に延びており、バスバー部37a、37bは弾性表面波の伝搬方向にほぼ平行な方向に延びている。

0030

このような2つの電極列20、30の接続形式としては3つの態様がある。これら3つの接続形式による弾性表面波装置の概略を図2図3図4にそれぞれ示す。第1の接続形式による弾性表面波装置を図2に示す。第1の接続形式においては、第1の電極列20の中央のくし型電極21が入力端子41に接続され、第1の電極列20の第1及び第2のくし型電極22、23は配線24、25により並列に接続されている。配線25は、縦続配線42により第2の電極列30の中央のくし型電極31に接続され、第2の電極列30の第1及び第2のくし型電極32、33は配線35により並列に接続され、出力端子43に接続されている。

0031

第2の接続形式による弾性表面波装置を図3に示す。第2の接続形式においては、第1の電極列20の中央のくし型電極21が入力端子41に接続され、第1の電極列20の第1及び第2のくし型電極22、23は配線24により接続され、縦続配線42a、42bにより第2の電極列30の第1及び第2のくし型電極32、33にそれぞれ接続され、第2の電極列30の第1及び第2のくし型電極32、33は配線35により接続されている。第2の電極列30の中央のくし型電極31は出力端子43に接続されている。なお、縦続配線42a、42b間が他の配線により相互に接続されていてもよい。また、配線24、35を用いず、第1の電極列20の第1及び第2のくし型電極22、23と第2の電極列30の第1及び第2のくし型電極32、33が他の配線により直接接続されていてもよい。

0032

第3の接続形式による弾性表面波装置を図4に示す。第3の接続形式においては、第1の電極列20の第1及び第2のくし型電極22、23は配線24により並列に接続されると共に入力端子41に接続され、第1の電極列20の中央のくし型電極21は縦続配線42により第2の電極列30の中央のくし型電極31に接続され、第2の電極列30の第1及び第2のくし型電極32、33は配線35により並列に接続されると共に出力端子43に接続されている。

0033

なお、上述した第1乃至第3の接続形式の弾性表面波装置において、配線24、25、34、35および縦続配線42は、基板10上以外に配置されてもよい。また、第1及び第2の電極列20、30は、それぞれ別個の基板10上に形成されていてもよい。

0034

更に、入力端子41、出力端子43は、非平衡入出力の場合を示しており、各くし型電極の他端は共通電位に接続され、接地されているが、入出力端子の一方または両方を平衡入出力として、縦続接続の配線の一方を共通電位に接続しないようにしてもよい。上述した第1乃至第3の接続形式において、IDT総対数(中央のくし型電極21の対数Ncと第1及び第2のくし型電極22、23の合計の対数Nsの和Nc+Ns)を変化させた場合の比帯域幅、振幅偏差、群遅延時間偏差を数値シミュレーションにより求めた。その条件を表2に示し、そのシミュレーション結果を図11乃至図28に示す。図11乃至図28において、比帯域幅を△、振幅偏差を▽、群遅延時間偏差を●で示す。なお、IDT対数比Ns/Ncは、中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの比である。くし型電極の電極指はアルミニウムから構成され、メタライズ比は0.5である。第1の電極列20と第2の電極列30の各くし型電極は同じ構成である。

0035

ID=000004HE=150 WI=120 LX=0450 LY=0300
第1の接続形式を用いた場合には、図11乃至図18に示すシミュレーション結果からわかるように、比帯域幅を0.3%以上、振幅偏差を6dB以下、群遅延時間偏差を3μS以下とするためには、規格化膜厚0.9%程度の場合には総対数を165〜285対と、規格化膜厚1.2%程度の場合には総対数を145〜280対と、また、規格化膜厚1.6%程度の場合には総対数を115〜270対の範囲に設定すればよいことがわかる。さらに、規格化膜厚0.9%程度の場合には総対数を165〜250対の範囲に、規格化膜厚1.2%程度の場合には総対数を145〜240対の範囲に、また、規格化膜厚1.6%程度の場合には総対数を115〜195対の範囲に設定すれば、群遅延時間偏差が2μS以下となる。

0036

上述した適切な範囲をIDT総対数Nc+Nsと規格化膜厚H/λの関係として図29にまとめる。適切なIDT総対数Nc+Nsの範囲を破線で、さらに望ましいIDT総対数Nc+Nsの範囲を実線で示す。この関係から明らかなように、IDT総対数Nc+Nsが、次式
210−6000H/λ≦Nc+Ns≦320−3000H/λ
を満足することが望ましい。

0037

特に、IDT総対数Nc+Nsが、次式
220−6000H/λ≦Nc+Ns≦320−6000H/λ
を満足することが望ましい。第2の接続形式を用いた場合には、図19乃至図24に示すシミュレーション結果からわかるように、比帯域幅を0.3%以上、振幅偏差を6dB以下、群遅延時間偏差を3μS以下とするためには、規格化膜厚0.9%程度の場合には総対数を120〜245対と、また、規格化膜厚1.6%程度の場合には総対数を90〜210対の範囲に設定すればよいことがわかる。さらに、規格化膜厚0.9%程度の場合には総対数120〜235と、また、規格化膜厚1.6%程度の場合には総対数を95〜210対の範囲に設定すれば群遅延時間偏差が2μS以下となる。

0038

上述した適切な範囲をIDT総対数Nc+Nsと規格化膜厚H/λの関係として図30にまとめる。適切なIDT総対数Nc+Nsの範囲を破線で、さらに望ましいIDT総対数Nc+Nsの範囲を実線で示す。この関係から明らかなように、IDT総対数Nc+Nsが、次式
140−3000H/λ≦Nc+Ns≦270−3000H/λ
を満足することが望ましい。

0039

特に、IDT総対数Nc+Nsが、次式
150−3000H/λ≦Nc+Ns≦260−3000H/λ
を満足することが望ましい。第3の接続形式を用いた場合には、図25乃至図28に示すシミュレーション結果からわかるように、比帯域幅を0.3%以上、振幅偏差を6dB以下、群遅延時間偏差を3μS以下とするためには、規格化膜厚0.9%程度の場合には総対数を140〜270対と、また、規格化膜厚1.6%程度の場合には総対数を110〜260対の範囲に設定すればよいことがわかる。さらに、規格化膜厚0.9%程度の場合には総対数140〜250対と、また、規格化膜厚1.6%程度の場合には総対数を110〜200対の範囲に設定すれば群遅延時間偏差を2μS以下とすることができる。

0040

上述した適切な範囲をIDT総対数Nc+Nsと規格化膜厚H/λの関係として図31にまとめる。適切なIDT総対数Nc+Nsの範囲を破線で、さらに望ましいIDT総対数Nc+Nsの範囲を実線で示す。この関係から明らかなように、IDT総対数Nc+Nsが、次式
160−3000H/λ≦Nc+Ns≦310−3000H/λ
を満足することが望ましい。

0041

特に、IDT総対数Nc+Nsが、次式
170−3000H/λ≦Nc+Ns≦310−6000H/λ
を満足することが望ましい。また、第1の電極列20と第2の電極列30を2段縦続接続した場合でも、IDT間隔Liは、0.40λ〜0.54λ程度の範囲を用いることが望ましいが、特に、0.45λ程度(0.43λ〜0.47λの範囲)とすると比帯域幅の範囲を広くできるので更に望ましいことがわかる。

0042

加えて、対数比(中央のくし型電極21の対数Ncと第1及び第2のくし型電極22、23の合計の対数Nsとの比Ns/Nc)が通過帯域よりも低周波側のスプリアス(不要な低減衰量周波数域)の特性に大きく影響していることに着目した。図32に弾性表面波装置の典型的な通過特性を示す。必要とする通過帯域の低周波側にスプリアスを示すピークがあることがわかる。このスプリアスを通過帯域に近い側からスプリアス1、スプリアス2、スプリアス3、スプリアス4と呼び、S1、S2、S3、S4で示す。

0043

そして、第1の電極列20における対数比Ns/Ncを変化させた場合のその通過特性を数値シミュレーションにより種々の条件で求めた。その条件を表3に示し、各スプリアス強度との関係を図33乃至図37にまとめる。なお、電極指はアルミニウムから構成され、メタライズ比は0.50である。

0044

ID=000005HE=055 WI=110 LX=0500 LY=1750
図33乃至図37からわかるように、対数比Ns/Ncが1.3近傍または2.8近傍でスプリアスが極小となる。対数比Ns/Ncが
1.0≦Ns/Nc≦1.6 または、2.5≦Ns/Nc≦3.1
を満足する範囲では、スプリアスが小さくなる。

0045

特に、対数比Ns/Ncが
1.1≦Ns/Nc≦1.4 または、2.7≦Ns/Nc≦2.9
の範囲では、さらに優れたスプリアス減衰が得られる。この場合、第1の電極列20と第2の電極列30を縦続接続すると、50dB以上の優れたスプリアス減衰を得ることができる。

0046

さらに、本願発明者は、メタライズ比を適切な範囲に設定することにより、通過帯域幅をより広くすることが可能なことを見出した。このメタライズ比による通過帯域幅の変化を図38に示す。図38では、規格化膜厚H/λが0.89%と1.67%の場合のメタライズ比による通過帯域幅の変化を示している。両方の場合とも、メタライズ比が0.5以上0.75以下において通過帯域幅が広くなっている。特に、メタライズ比が0.6以上0.7以下であることが望ましい。

0047

なお、この場合の電極構造はともに図1に示した構造であり、規格化膜厚が0.89%の場合はIDT間隔0.44λ、中央のIDT対数86、第1及び第2のIDT対数76である。また、規格化膜厚H/λが1.67%の場合はIDT間隔0.46λ、中央のIDT対数66、第1及び第2のIDT対数44である。

0048

実施例1〜5として、図1に示す構造の弾性表面波フィルタを作製して評価した。実施例1〜5の構造などを表4にまとめ、その通過特性を図39乃至図43に示す。実施例1〜5では、基板10として、45°もしくは43°Y回転X板の四ほう酸リチウム単結晶基板を用い、弾性表面波の伝搬方向はZ方向とした。また、くし型電極21、22、23は対となる電極指の重なっている長さがほぼ等しい、いわゆる正規型であり、その開口長は6.88λである。

0049

なお、くし型電極、配線などのパターンの形成は、周知のフォトリソグラフィにより形成したレジストパターン上にアルミニウム金属膜真空蒸着した後リフトオフすることで行った。通過特性などの評価は、終端インピーダンスを520Ω+j230Ωとして行なった。なお、周波数fは通過帯域の中心周波数foで規格化した規格化周波数f/foで示している。

0050

ID=000006HE=075 WI=122 LX=0440 LY=1000
実施例1では、図39に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.50%、最小挿入損失4.0dB、振幅偏差(振幅リップル)0.8dB、群遅延時間偏差(ディレーリップル)0.5μSの優れた通過帯域内特性が得られ、低域側スプリアスも30dB以下となり、優れた減衰特性が得られた。

0051

実施例2では、図40に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.42%、最小挿入損失4.3dB、振幅偏差0dB(単峰特性のため)、群遅延時間偏差0.4μSの優れた通過帯域内特性が得られ、低域側スプリアスも30dB以下となり、優れた減衰特性が得られた。実施例3では、図41に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.39%、最小挿入損失4.5dB、振幅偏差0dB(単峰特性のため)、群遅延時間偏差0.3μSの優れた通過帯域内特性が得られ、低域側スプリアスも25dBとなった。

0052

実施例4では、図42に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.36%、最小挿入損失2.0dB、振幅偏差0dB(単峰特性のため)、群遅延時間偏差0.49μSの通過帯域内特性が得られた。しかし、低域側スプリアスは18dBと大きかった。実施例5では、図43に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.52%、最小挿入損失2.4dB、振幅偏差0.6dB、群遅延時間偏差1.26μSの通過帯域内特性が得られた。しかし、低域側スプリアスは16dBと大きかった。

0053

次に、実施例6〜11として、図2乃至図4に示す構造の弾性表面波フィルタを作成し、評価した。実施例6〜11の構造などを表5にまとめ、その通過特性を図44乃至図49に示す。実施例6〜11では、基板10として、45°もしくは43°Y回転X板の四ほう酸リチウム単結晶基板を用い、弾性表面波の伝搬方向はZ方向とした。くし型電極21、22、23、31、32、33は正規型であり、開口長は、6.88λである。

0054

なお、周波数fは通過帯域の中心周波数foで規格化した規格化周波数f/foで示している。

0055

ID=000007HE=095 WI=122 LX=0440 LY=0300
実施例6は、図2に示す第1の接続形式の弾性表面波フィルタであり、図44に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.47%、最小挿入損失4dB、振幅偏差0.5dB、群遅延時間偏差2μSの優れた通過帯域内特性が得られ、帯域外減衰量60dBの優れた減衰特性が得られた。

0056

実施例7は、図2に示す第1の接続形式の弾性表面波フィルタであり、図45に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.54%、最小挿入損失4dB、振幅偏差0.5dB、群遅延時間偏差2μSの優れた通過帯域内特性が得られ、帯域外減衰量60dBの優れた減衰特性が得られた。実施例8は、図3に示す第2の接続形式の弾性表面波フィルタであり、図46に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.39%、最小挿入損失4dB、振幅偏差0dB(単峰特性のため)、群遅延時間偏差0.8μSの優れた通過帯域内特性が得られ、帯域外減衰量48dBが得られた。

0057

実施例9は、図3に示す第2の接続形式の弾性表面波フィルタであり、図47に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.4%、最小挿入損失4dB、振幅偏差0dB(単峰特性のため)、群遅延時間偏差1μSの優れた通過帯域内特性が得られ、帯域外減衰量60dBの優れた減衰特性が得られた。実施例10は、図3に示す第2の接続形式の弾性表面波フィルタであり、図48に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.43%、最小挿入損失4dB、振幅偏差0dB(単峰特性のため)、群遅延時間偏差1.3μSの優れた通過帯域内特性が得られ、帯域外減衰量58dBの優れた減衰特性が得られた。

0058

第1の接続形式及び第2の接続形式は、通過帯域外の減衰特性の立上がりであるシェイプファクタがすぐれている。特に、第1の接続形式は、シェイプファクタがすぐれており望ましい。第2の接続形式の弾性表面波フィルタの他の電極構造の例を図50に示す。図3に示した構造との違いは、第1の電極列20の第1及び第2のくし型電極22、23は配線24、25によりそれぞれ並列に接続され、また、第2の電極列30の第1及び第2のくし型電極32、33も配線34、35によりそれぞれ並列に接続され、この配線25、34間が縦続配線42により接続されていることである。この電極構造によっても実施例8〜10と同等の通過特性が得られた。

0059

実施例11は、図4に示す第3の接続形式の弾性表面波フィルタであり、図49に示す通過特性が得られ、3dB比帯域幅0.4%、最小挿入損失4dB、振幅偏差0.5dB、群遅延時間偏差2μSの通過帯域内特性が得られた。以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、優れた特性の弾性表面波フィルタ、特にデジタル通信用のフィルタとして優れた特性を得ることができる。

0060

本発明は上記実施例に限らず種々の変形が可能である。例えば、上記実施例では、電極の構成として、本発明によるフィルタをさらに複数縦続接続して用いてもよい。また、くし型電極の材料として、アルミニウムに銅、シリコンなどを添加してもよいし、他の導電性の材料を用いてもよい。

0061

さらに、くし型電極や配線を形成する際に、リフトオフによらずエッチングによりパターニングしてもよい。また、配線は、アルミニウム金属膜により形成されているが、金属ワイヤストリップなどの他の電気的接続手段によって形成してもよい。また、中央のくし型電極の両側に近接配置された第1及び第2のくし型電極の対数は通常同数であるが、若干異なってもよい。

発明の効果

0062

以上説明したように、本発明による弾性表面波装置は、四ほう酸リチウムからなる基板上に配置された中央のくし型電極および弾性表面波の伝搬方向に沿って中央のくし型電極の両側に近接配置された第1及び第2のくし型電極とから構成される電極列を含み、中央のくし型電極の対数Ncと第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsとの和を適切な範囲に設定したものであり、帯域外減衰量が大きく、比帯域幅が広く、群遅延時間偏差、振幅偏差ならびに帯域内挿入損失を小さくすることができる。

0063

また、中央のくし型電極の対数Ncおよび第1及び第2のくし型電極の合計の対数Nsの比を、適切な範囲に設定すれば、帯域内挿入損失が小さく、通過帯域の低域側スプリアスが低減される。したがって、本発明によれば通過帯域内での群遅延時間が平坦で、比帯域幅が比較的広く、低挿入損失で、帯域外減衰量も大きいという優れた特性の、特にデジタル通信方式に適した特性の弾性表面波フィルタを得ることが可能となる。

図面の簡単な説明

0064

図1本発明による弾性表面波装置の電極構成の一例を示す図である。
図2本発明による弾性表面波装置の電極構成の他の例であって、第1の接続形式による電極構成を示す図である。
図3本発明による弾性表面波装置の電極構成の他の例であって、第2の接続形式による電極構成を示す図である。
図4本発明による弾性表面波装置の電極構成の他の例であって、第3の接続形式による電極構成を示す図である。
図5本発明による弾性表面波装置の電極構成の一例の断面図である。
図6本発明による弾性表面波装置の電極構成の一例において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図7本発明による弾性表面波装置の電極構成の一例において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図8本発明による弾性表面波装置の電極構成の一例において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図9本発明による弾性表面波装置の電極構成の一例において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図10本発明による弾性表面波装置における、適切な総対数Nc+Nsと規格化膜厚H/λの関係を示すグラフである。
図11本発明による弾性表面波装置の第1の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図12本発明による弾性表面波装置の第1の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図13本発明による弾性表面波装置の第1の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図14本発明による弾性表面波装置の第1の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図15本発明による弾性表面波装置の第1の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図16本発明による弾性表面波装置の第1の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図17本発明による弾性表面波装置の第1の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図18本発明による弾性表面波装置の第1の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図19本発明による弾性表面波装置の第2の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図20本発明による弾性表面波装置の第2の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図21本発明による弾性表面波装置の第2の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図22本発明による弾性表面波装置の第2の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図23本発明による弾性表面波装置の第2の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図24本発明による弾性表面波装置の第2の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図25本発明による弾性表面波装置の第3の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図26本発明による弾性表面波装置の第3の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図27本発明による弾性表面波装置の第3の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図28本発明による弾性表面波装置の第3の接続形式の電極構成において、IDT総対数を変化させた場合の数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図29第1の接続形式の電極構成の弾性表面波装置において、適切な総対数Nc+Nsと規格化膜厚H/λの関係を示す図である。
図30第2の接続形式の電極構成の弾性表面波装置において、適切な総対数Nc+Nsと規格化膜厚H/λの関係を示す図である。
図31第3の接続形式の電極構成の弾性表面波装置において、適切な総対数Nc+Nsと規格化膜厚H/λの関係を示す図である。
図32弾性表面波装置の典型的な通過帯域を示すグラフである。
図33対数比Ns/Ncを変化させた場合の低域スプリアスの数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図34対数比Ns/Ncを変化させた場合の低域スプリアスの数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図35対数比Ns/Ncを変化させた場合の低域スプリアスの数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図36対数比Ns/Ncを変化させた場合の低域スプリアスの数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図37対数比Ns/Ncを変化させた場合の低域スプリアスの数値シミュレーション結果を示すグラフである。
図38本発明による弾性表面波装置において、通過帯域幅とメタライズ比の関係を示すグラフである。
図39実施例1の弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
図40実施例2の弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
図41実施例3の弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
図42実施例4の弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
図43実施例5の弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
図44実施例6の弾性表面波フィルタの通過特性(挿入損失、群遅延時間)を示すグラフである。
図45実施例7の弾性表面波フィルタの通過特性(挿入損失、群遅延時間)を示すグラフである。
図46実施例8の弾性表面波フィルタの通過特性(挿入損失、群遅延時間)を示すグラフである。
図47実施例9の弾性表面波フィルタの通過特性(挿入損失、群遅延時間)を示すグラフである。
図48実施例10の弾性表面波フィルタの通過特性(挿入損失、群遅延時間)を示すグラフである。
図49実施例11の弾性表面波フィルタの通過特性(挿入損失、群遅延時間)を示すグラフである。
図50本発明による弾性表面波装置の電極構成の他の例であって、第2の接続形式による電極構成の他の例を示す図である。

--

0065

10…基板
20…第1の電極列
30…第2の電極列
21、31…中央のくし型電極
22、32…第1のくし型電極
23、33…第2のくし型電極
25、35…配線
26、36…電極指
27、37…バスバー部
41…入力端子
42…縦続配線
43…出力端子

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