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技術 ヘルペスシンプレツクスウイルス感染症用ワクチン組成物

出願人 コンペティティブテクノロジーズ,インコーポレイテッド
発明者 ゲーリー・エイチ・コーエンロゼリン・ジエイ・アイゼンバーグ
出願日 1983年2月14日 (36年5ヶ月経過) 出願番号 1994-052580
公開日 1995年3月14日 (24年4ヶ月経過) 公開番号 1995-069924
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬
主要キーワード 信号区域 コード区域 共通型 標識付ける 共同発明者 遷移的 吸着期間 放射線化学的
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構成

免疫学的に有効量のヘルペスシンプレックスウイルス2型外被糖タンパク質、gD−2の免疫学的に活性調製物と、免疫学的に許容されうる希釈剤補助剤または担体と、からなる、ヘルペスシンプレックスウイルス1型およびヘルペスシンプレックスウイルス2型の病気の状態に対して保護的な免疫学的応答を発生させるのに使用するワクチン組成物

効果

ヘルペスシンプレックスウイルス1型および2型による感染症防護するのに顕著な効能を有する。

概要

背景

概要

免疫学的に有効量のヘルペスシンプレックスウイルス2型外被糖タンパク質、gD−2の免疫学的に活性調製物と、免疫学的に許容されうる希釈剤補助剤または担体と、からなる、ヘルペスシンプレックスウイルス1型およびヘルペスシンプレックスウイルス2型の病気の状態に対して保護的な免疫学的応答を発生させるのに使用するワクチン組成物

ヘルペスシンプレックスウイルス1型および2型による感染症防護するのに顕著な効能を有する。

目的

効果

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請求項1

免疫学的に有効量のヘルペスシンプレックスウイルス2型外被糖タクパク質、gD−2の免疫学的に活性調製物と、免疫学的に許容されうる希釈剤補助剤または担体と、からなる、ヘルペスシンプレックスウイルス1型およびヘルペスシンプレックスウイルス2型の病気の状態に対して保護的な免疫学的応答を発生させるのに使用するワクチン組成物

技術分野

0001

本発明は、一般に、ヘルペスシンプレックスウイルス(Herpessimplex virus)(“HSV”)の病気の状態に対する保護的応答発現させる材料および方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ワクチン組成物活性免疫原として使用するとき、HSV伝染病の状態に対する受容体において、従来この分野において得られるよりも有意にすぐれた保護を誘発する、HSV外被糖タクパク質gDの新規調製物に関する。また、本発明は、HSVgD中に現存するアミノ酸配列重複あるいは実質的に重複する免疫反応性ポリペプチドに関する。

背景技術

0002

本発明の背景に関する比較的一般に認められている情報を提供することを目的として、次の刊行物をここに引用することによって本明細書の内容とする:Wise etal.,“Herpes Simplex Virus Vaccines”,J.Infectious Diseases,136,706−711(1977)。簡単に要約すると、この1977年の刊行物は、ヘルペス、シンプレックスウイルスにより引き起こされる臨床的病気、ことに再発生感染に関連する廃疾、が現在防止できない重大な健康上の問題であることを述べている。接種による免疫系の変更は、引き続いて自然のウイルスに暴露したとき、感染を潜在的に防止しあるいは抑制できると考えられていた。このような接種はウイルスの病因学の多くの人間の病気を抑制するのに効能があることが証明されたので、HSVに対するワクチンを開発する試みは論理的考慮としてなされた。この目的を満足に達成するためには、そのウイルスに対して独特のある数の属性検査しなくてはならないことが認められた。これらには、自然の歴史疫学、および病気の激烈さ、ウイルスの感染または実験的ワクチンを用いる免疫化を追跡するために知られていた種々の免疫応答、およびワクチンの使用に関連して起こりうる危険が含まれた。

0003

HSV、すなわち、大きい、外被DNA含有ウイルスは、主な感染、主として皮膚、粘膜角膜、および神経系を包含する、に関する種々の臨床的疾病を引き起こすことが認められた。HSVの2つの型、1型(HSV−1)および2型(HSV−2)は抗原的、生物学的および生化学的特性により区別できることが述べられた。HSV−1およびHSV−2は抗原的に異なりかつ個体はいずれかの型で初感染されうるので、“型特異性”HSVワクチンはいずれかのワクチン開発計画の同様な要件であると述べられた。

0004

HSVは“初”感染および“再”感染の両者を引き起こす能力を有することが認められた。初感染および再感染発病学は明らかに異なるので、これらの2種の実在物に対するワクチンの開発についての原理は別々に考慮しなくてはならない。

0005

HSVによる自然の感染は、免疫防御系の多くの特異的成分および非特異的成分を産出することが認められた。抗体は初感染後すぐに発現し、3ないし4週間以内で最高レベルに達し、その後多年にわたって残留することがわかった。また、HSV感染への細胞応答は、ウイルス抗原の皮内注入への遅延型過敏反応によりインビボで検出され、そして細胞免疫の多くの相関関係によりインビトロで検出された。実験室動物およびヒトにおける引き続く感染に対するHSVにより誘発された免疫の効果が報告された。たとえば、生きているHSVまたは殺されたHSVのいずれかで免疫されたマウスは、免疫されないマウスと異なり、引き続くHSVによる致死対抗抵抗することがしばしば発見された。ヒトにおいて、個体が前もって存在するHSV−1抗体を有する場合、HSV−2による初感染はおだやかになる傾向があるように思われた。この観察および動物におけるHSV病気の研究からのデータは、HSVにより誘発された免疫応答が引き続くHSV感染に有益な効果をもつことができることおよび、HSVワクチンが同様な免疫応答を誘発できる場合、それが初HSV感染の臨床的発現を軽減できることを示唆した。

0006

次いでヘルペス・シンプレックスウイルスは宿主中に特徴的に存在し続けかつ再感染を引き起こすことが認められ、そしてこれらの再発に関連する廃疾は重大な健康上の問題として記載された。再発するヘルペス病気の状態の最も頻繁な発現は口、顔および性器の領域を含むことが明らかにされ、そして再発のヘルペスの角膜炎は米国において失明の主要な原因として特徴づけられた。引き続く再発するエピソードの高い発生をもつペルペスの性器感染は、より頻繁に認められかつ顕著な羅病率に関連するとして記載された。

0007

再発の病気に導びくウイルス源は、HSVワクチンを関発するための原理に対して主要な重要性をもつと記載された。種々の臨床的観察に基づいて、ウイルスは神経系中に休眠してとどまると結論された。ヒトの三叉神経節からのHSV−1の単離および仙骨神経節からのHSV−2の単離は、動物のモデルから得られた結果と同じように、この既念のそれ以上の発展のそれ以上における主要な工程であると主張された。潜在的感染の臨床的研究の広範な議論後、初感染および再感染の両者に対して保護的であるワクチンを開発する可能性は、はるかに遠いと一般に結論された。

0008

HSVワクチンの候補が列挙された:生きている弱毒化ウイルス不活化全ウイルス;および不活化“サブユニットウイルス成分。生きているウイルスのワクチンは、不活化ウイルスよりもしばしば好ましいことが認められた。なぜなら、生ワクチンにより誘発される免疫応答はより高くかつ期間がより長い傾向があり、そして生ワクチンは宿主中で増殖する能力をもつので、接種量が少なくてすむからであった。当時の予備的研究により、少なくともHSV−2はヒトにおいて発がん性であるように思われることが明らかにされたので、製造および適切な弱毒度を維持することが困難という欠点をこのワクチンは有するこみとが認められた。感染性ウイルスは細胞のインビトロ変換に必要でないように思われたので、この高度に不都合な危険の考慮も、ウイルスの核酸を含有する不活化ワクチンに適用されうると判断された。種々の生きているウイルスおよび弱毒化されたウイルスのワクチン調製物が検討され、そして発がん性の危険を十分に正当化するための有益な結果は得られないという結論に到達した。

0009

それゆえ、ウイルスのDNAをほとんどあるいはまつたく含有しないサブユニットのウイルス成分を含有する不活化ワクチンの開発は、発がん性の問題を軽減するものとして提案された。しかしながら、サブユニットの成分のワクチンは、困難な精製を必要とし、かつ通常劣った免疫原であるという欠点を有することが認められた。引き続くワクチンで誘発された免疫が自然ウイルスの対抗に対して保護できないばかりでなく、不活化されたはしかのワクチンの場合におけるように、自然ウイルスに暴露したとき、よりきびしい臨床的病気を多分引き起こしうるという問題がまた生じた。

0010

前記1977年の刊行物は結論しているように、ワクチン接種は予防の目的を達成するために1つの可能な方法であったが、その当時、臨床的に許容されることができかつ証明された効能をもつHSVワクチンの開発を目的とする努力不成功に終わった。

0011

前記刊行物の時以来、ヘルペス・シンプレックスウイルスのDNAおよびRNAの発がん性はある数の研究者により立証された主題であった。参照、たとえば、“Transformation by the Herpes Simplex Viruses,221−227ページ、“The Human Herpesviruses,An Interdisciplinary Perspective”,Nahmias,et al.編、Elsevier North Holland,Inc.,New York,N.Y.(1981)およびその中に引用された刊行物。このような研究は、米国特許第3,897,549号中に記載されているように、生きているウイルスのワクチンならびに主張されているように非病原性の、弱毒化されたHSV株を含むワクチン組成物の広範な使用についての残存する予想を本質的に排除した。

0012

ヘルペス・シンプレックスウイルスのDNAおよびRNAを排除するワクチン組成物の望ましさの一般的な認識と一致して、いわゆる“サブユニット”のワクチンについての提案の数が増大した。参照、一般に、Moreschi etal.,“Prevention of Herpes Simplex Virus Infections,440−445ページ、“The HumanHerpesvirus,An Interdisciplinary Perspective”,Nahmias,et al.編、ElsevierNorth Holland,Inc.,New York,N.Y.(1981)。一例として、米国特許第4,158,054号は、不活化全ウイルス粒子を、溶血性界面活性剤を含有する密度勾配を備える連続装入ゾーン超心機へ導入し、次いで“スプリット”サブユニットを等比重的に結合することにより調製された、ヘルペス・シンプレックスサブユニットのワクチンを開示しているが、具体的な説明はない。他の例として、核酸を除去したワクチンは次の刊行物に記載されている:Cappel,Archives of Viroloy,52,29−35(1976);Kitces,et al.,Infection and Immunity,16,955−960(1977);Slichtova,et al.,Archives of Virology,66,207−214(1980);および Shinner,et al.,Med.Microbiol.Immunol.,169,39−51(1980)。前記刊行物のすべてのワクチン組成物は、抽出されたフラクションから核酸を制限または排除するために多少の注意を必要とする別々の方法により製造された。しかしながら、ワクチンのいずれも、ヘルペス・シンプレックスウイルスを用いる致死対抗量(連続的評価のために一般に認められている要求量)による死から、ワクチン接種したすべての試験動物を均一に保護しないことがわかった。

0013

最近提案され、比較的完全に試験された他のヘルペス・シンプレックスワクチンは、ウイルス糖タンパク質サブユニットのフラクションと述べられているものを用いることにより調製された組成物である。Hilleman,et al.,“Sub−unit Herpes Simplex Virus−2 Vaccine”,503−506ページ,“The Human Herpesviruses,An Interdisciplinary Perspective”、Nahmias,et al.編、Elsevier NorthHolland Inc.,New York,N.Y,(1981)には、2型のヘルペス・シンプレックスウイルスで感染されたニワトリの胎内の線維芽細胞を用いて調製された混合糖タンパク質サブユニットのワクチンが提案されている。簡単に述べると、ワクチン抗原は、感染された細胞をトリトンX−100で処理し、DNase で消化し、レシチン親和カラムでの精製、および Sephadex のクロマトグラフィーにより、糖タンパク質溶離を経て調製される。次いで、この物質ホルムアルデヒドで処理し、明ばん補助剤中に配合する。ワクチン接種したマウスは、明ばん補助剤処理した対照よりも有意に大きい程度に、ヘルペス・シンプレックスウイルス2型による致死対抗に対して保護されると記載されている。しかしなから、糖タンパク質は死亡率の減少効果が水性UV不活化全ウイルスワクチン(これはそれ自体すべてのワクチン接種した動物の死を防止しない)よりも劣っていた。ヒトにおける相同性および異種の型の両者の抗体の形成を誘発する糖タンパク質のワクチンの能力は制限されていることが認められ、そして相同性および異種の型に関する細胞を仲介する免疫検定は制限された効果および遷移的効果の両者を示した。

0014

HSVの主要な外被糖タクパク質に関して数年にわたって開発された広範な情報は、本発明の背景に対して有意に重要である。このトピックについての広範なかつきわめてよく注釈されたモノグラフは、次の刊行物に記載されている:Norrild,“Immunochemistry of Herpes Simplex Virus Glycoproteins,”、Current Topics in Microbiology and Immunolgy,90,67−106,Springer Verlag,Berlin(1980)。

0015

考察されている主なトピックは、次のとおりである:HSV特異化糖、タンパク質の構造、合成および機能;ウイルス膜タンパク質類およびそれらの成分の免疫学的反応性;および個々の糖タンパク質への抗体の抗原特異性の表示。

0016

簡単に要約すると、ヘルペス・シンプレックスウイルス1型(HSV−1)および2型(HSV−2)は少なくとも5種の主要な糖タンパク質(gA、gB、gC、gDおよびgEと表わす)を特定し、これらはウイルス粒子の外被中に見出されるばかりでなく、また感染された細胞の血漿膜中および感染さけた細胞から誘導され、洗浄剤処理された細胞質抽出物中にも見出された、ことが前記刊行物に記載されている。これらの糖タンパク質は、感染された宿主有機体中の抗体の産生を誘発する、強い抗原決定基を有し、そして宿主におけるホルモンおよび細胞の両者のレベルにおける主要な免疫学的刺激であるように思われる。ウイルス抗原決定基のいくつかは共通である(すなわち、gBおよびgD)が、いくつかは2つのウイルスの型(gCおよびgE)の一方または他方に対して特異的である。[また、Spear,“Herpes Viruses,”709−750ページ、“Cell Membranes and Viral Envelopes,Vol.2,”Blough,et al.編、AcademicPress,New York,N.Y.(1980)参照]共同発明者の一方または両方および彼らの共同研究者の刊行物は、本発明の背景に対してさらに大きい意味をもち、これらの刊行物は、1972年から開始して、HSV外被糖タクパク質の1つ、gDに関するすべての有効な情報の実質的な部分を提供した。したがって、次の刊行物を引用によってここに加える:
(1) Cohen,et al.,J.Virol.,10,1021−1030(1972);
(2) Ponce de Leon,et al.,J.Virol.,12,766−774(1973);
(3) Cohen,et al.,J.Virol.,14,20−25(1974);
(4) Cohen,et al.,J.Virol.,27,172−181(1978);
(5) Eisenberg,et al.,J.Virol.,31,608−620(1979);
(6) Eisenberg,et al.,J.Virol.,35,428−435(1980);および
(7) Cohen,et al.,J.Virol.,36,429−439(1980)。

0017

前記の共同研究者および共同研究者の刊行物中に報告されている研究は、HSV−1のgD(“gD−1”)、とくに、この糖タンパク質の単離、精製および特性づけに集中された。広範な系列のクロマトグラフィーの工程を用いて、自然gD−1(従来CP−1抗原として知られていた)は、型が共通する中和活性の高い力価を有するモノ沈降素(またはポリクロン)の抗CP−1血清を開発するために十分な量で精製された。免疫学的プロープとして抗CP−1を用い、gD−1およびHSV−2のgD(“gD−2”)は両者共感染された細胞において低分子量の前駆物質から高分子量生産物の形態に、オリゴ糖の添加により、処される。gD−1とgD−2との間の有意な構造的類似性は、トリプシン処理されたペプチド分析により確立された。その上、gD−1は感染されたヒト(KB)細胞またはハムスター(BHK21)細胞のいずれから単離されたたとしても構造的に同一であることが示された。

0018

HSV−1およびHSV−2の両者のウイルス感染に対して培養において細胞を完全に保護する、血清中和性抗体の発生を、インビボで誘発する。クロマトグラフ的に精製されたgD−1の能力、ならびに保護血清によるHSV−1およびHSV−2ウイルスの感染の中和を“遮断する”gD−1の能力についての報告は、かなり興味があった。

0019

最後に、最近の研究はHSV糖タンパク質gDおよび他のHSV糖タンパク質に対するいく種類かのモノクローナル抗体の製造および性質を記載した。このような研究の1つの報告[Dix,et al.,Infection andImmunity,34,192−199(1981)]は、gD−1およびgC−1に対するある種の抗体がHSV−1の致死対抗に対して受動免疫学的保護を与えるとき使用できたことを記載している。gD−1に対するモノクローナル抗体(“HD−1”と呼ぶ)を用いる受動免疫化も、HSV−2の致死対抗による保護を提供することに帰した。

0020

ヘルペス・シンプレックスウイルスの病気の状態の予防および処置において使用するワクチン調製物の前述の要求のうちで、ヘルペス・ウイルスの病気の急速なかつ特異的な診断試験、より詳しくは、蛍光免疫ペルオキシダーゼ標識、放射線免疫および酵素結合免疫吸収の検定において有用な抗原物質の要求がさらに存在する。このような検定は、たとえば、体液たとえばヘルペス・シンプレックスウイルス源の脳炎の疑いのある患者から採取した脊椎液の試料中のヘルペス・ウイルスの抗体の検出において、普通に用いられている。たとえば、sever,“The Need for Rapid and Specific Test for Herpesviruses,”379−380ページ、“The Human Herpesviruses,An Interdisciplinary Perspective,”Nahmias,et al.編、Elsevier North Holland,Inc.,New York,N.Y.(1981)参照。

0021

本出願の同時係属米国特許出願第350,021号(Watson et al.)の1982年2月18日出願以来、gD−1に相当するHSV−1(Patton株)のタンパク質のコード区域の核酸の研究を順次実施した。この研究の結果は、Science,218,381−384(1982)に記載されている。これらの研究において同定された核酸配列に基づき、Watson etal.は、gD−1についての推定の394−アミノ酸配列を提案した。これはグリコシル化部位を示すように思われ、推定“信号”ペプチドとしてアミノ末端として第1の12アミノ酸を表示し、そしてカルボキシ末端における25アミノ酸の一系列が他の膜成分への糖タンパク質の定着に参加する可能性を示す。DNAベクターは、それらのいずれも刊行物に記載されるDNA配列の第1の52コドン(156塩基)を含まず、“gD関連”ポリペプチドおよびβ−ガラクトシダーゼ/gD−1関連融合ポリペプチド微生物発現における使用のために構成された。Watson,et al.は、融合遺伝子のE.coliによる発現の融合タンパク質生産物を注射したウサギがHSV−1およびHSV−2の両者に対する中和抗体生産することをさらに報告した。直接に発現されたポリペプチドはインビボで試験されず、本出願人におよび Eisenberg,etal.,J.Virol., 41,478−488(1982)における共同研究者による中和およびRIP活性についてスクリーニングされた17のモノクローナル抗体のある種に対して免疫沈殿検定によりスクリーニングされた。直接に発現されたgD関連ポリペプチドは、群I、IVおよびV(共通4S型、1型特異的1S、およびRIP1型特異的55Sおよび57S)ならびにポリクローナル抗HSV−1ウサギ抗血清により免疫沈殿可能であることが認められた。このポリペプチドは、報告によると、群IIおよびIIIのモノクローナル(RIP共通型12Sおよび共通型11S)または群で表示されないモノクローナル抗体により免疫沈殿されなかった。

0022

本発明は、初めて、HSV−2外被糖タンパク質、gD−2の免疫学的に活性な調製物を提供する。本発明のこの糖タンパク質の調製物は、なかでも、他のHSV外被糖タンパク質との関連性を含まないこと、ウイルスまたは細胞のDNAおよびRNAとの関連性を含まないこと、および独特の免疫学的性質により特徴づけられる。クロマトグラフの手順を用いることができるが、gD−2の単離の好ましい手順はモノクローナル抗gD抗体含有免疫吸着剤への選択的可逆的結合による。本発明のgD−2の好ましい源は、HSV−2ウイルスで感染された細胞の細胞質抽出物である。有効量のgD−2および免疫学的に許容されうる希釈剤補助薬または担体を含むワクチン組成物、ならびにこのようなワクチン組成物を、人間を含む、動物に投与して、両者のHSV−1およびHSV−2のウイルスの感染の病気の状態に対して保護的な反答を発生させることを含む、ワクチン接種法が提供される。したがって、その態様の1つにおいて、本発明は、受容動物において、HSVウイルスの感染の病気の状態に対して保護的な応答を発生させる目的で、HSV粒子の1種またはそれ以上の成分のフラクションを投与することを含む、先行のワクチン接種法の有意の改良を提供する。gD−2に対応する抗体を宿主内で形成することを含む、HSV−1またはHSV−2の保護的応答を発生するために十分な、gD−2の抗原の集団(antigenenicmass)(許容されうる希釈剤、補助剤または担体との溶液)が提供される。さらに、本発明は、初めて、モノクローナル抗gD抗体免疫吸着剤への選択的可逆的結合による単離によって、先行の調製物と区別される、HSV−1外被糖タンパク質、gD−1の免疫学的に活性な調製物を提供する。この糖タンパク質の調製物は、なかでも、この分野において従来入手可能な糖タンパク質gD−1の最も高度に精製された調製物の性質よりもすぐれた免疫学的性質によって特徴ずけられ、そして他のHSV外被糖タンパク質およびウイルスまたは細胞のDNAと関連性をもたない点で前記gD−2と共通する。本発明のgD−1の好ましい源は、HSV−1ウイルスで感染された細胞の細胞質抽出物である。また、本発明のgD−2に関して上に記載した高度に保護的な特性および型のワクチン組成物およびワクチン接種法が提供される。HSVウイルスの感染症に対して保護的な免疫学的応答を発生させる先行方法における重大な改良を提供することは、同様に本発明の1つの態様である。本発明のgD−2を用いるときと同じように、かなりの免疫学的意味をもつgD−1の新規な抗原の集団が本発明により提供される。

0023

ワクチン組成物は、上のように特性づけられる本発明のgD−2またはgD−1、あるいは両者を含むことができ、そして好ましくは、受容動物の体重の1kg当り0.01〜10.0マイクログラムの免疫学的に活性な糖タンパク質の投与単位形態で提供される量で投与される。合計の保護的投与量は、0.1〜約100マイクログラムの抗原であることができる。ワクチン組成物は、gD−1および/またはgD−2に加えて、免疫学的に許容されうる希釈剤および担体ならびに普通に用いられる補助剤、たとえば、フロイント完全アジュバントサポニンみょうばんなどを含むことができる。

0024

本発明のgD−1およびgD−2の調製物を得るとき使用するために現在好ましいモノクローナル抗gD抗体は、Dix,et al.,supraに記載されているモノクローナル抗体HD−1を発生するハイブリドーマ系を用いて発生された腹水から誘導され、精製されたIgGフラクションである。また、Periera,et al.,J.Virol.,29,pp.724−732(1980)参照。多数の他のモノクローナル抗gD抗体の調製物を同様に本発明によるgD−1およびgD−2の精製のための免疫吸着剤の調製に用いて、すぐれた結果を得ることができる。

0025

さらに、gD−1またはgD−2(またはその活性な断片またはレプリカ)と、免疫学的に活性な担体または標識(marker)物質とからなる新規な診断剤が、本発明により提供される。

0026

本発明の他の態様によれば、ウイルス源から誘導される糖タンパク質を使用するためにここに記載する方法において、免疫反応性物質として適当に使用される、免疫学的に活性なヘルペス・シンプレックスウイルス糖タンパク質D断片のレプリカが提供される。より詳しくは、本発明は、gD−1および/またはgD−2中に現存するアミノ酸配列と重複するアミノ酸配列を有するポリペプチドを提供する。本発明のポリペプチドは、好ましくは、配列RNH−Met−Ala−Asp−Pro−Asn−Arg−COR′式中RおよびR′は、同一であるかあるいは異なり、Hおよびアミノ酸残基から成る群より選ばれる、を含む。一例として、、化学的に合成された配列、NH2−Ser−Leu−Lys−Met−Ala−Asp−Pro−Asn−Arg−Phe−Arg−Gly−Lys−Asp−Leu−Pro−COR′(式中R′はシステインである)は、両方のgD−1およびgD−2のアミノ末端領域中に現在するアミノ酸のグリコシル化されていない配列に対する実質的な類似性を確立した。このポリペプチドは、上に特定した親水性部分、Met−Ala−Asp−Pro−Asn−Argを含み、そして群VIIのモノクローナル抗体と免疫反応性(中和およびRIP共通型170)である。このポリペプチド単独およびカルボキシ末端システイン残基を介して共有結合により適当な担体タンパク質キーホールリンペット(Keyhole limpet)ヘモシアニン、KLH]上にマウント(mount)された種は、前述のgD−1およびgD−2単離物の方法で用いて、致死対抗前に実験動物を免疫化した。

0027

本発明の他の態様および利点は、その例示的実施態様についての以下の詳細な説明を考察すると、当業者にとって明らかとなるであろう。

0028

本発明のHSV−1糖タンパク質gD−1、好ましくはHSV−2糖タンパク質は、モノクローナル抗gD抗体免疫吸着剤上のHSV外被糖タンパク質混合物を精製する迅速で、高収率の方法によって得られる。前述のように、HSV外被糖タンパク質の適当な源は、ウイルス粒子、感染した細胞の血漿膜およびHSV感染した細胞の洗浄剤処理した細胞質抽出物を包含する。最後に述べたものは好ましい源である。本発明のgD−1およびgD−2の精製のための免疫吸着剤を発生させるとき、いかなる数のモノクローナル抗体生成ハイブリドーマ細胞系(hybridoma cell line)をも抗gD抗体源として使用できる。使用できる抗体生成系統のうちには、Eisenberg,et al.,J.Virol,41,pp.478−488(1982)中に記載される17種類のハイブリドーマが存在する。現在好ましいモノクローナル細胞系統は、Dix,et al.,supra中に記載されている。免疫吸着剤親和クロマトグラフイーによるgD−1およびgD−2の両者の精製に使用した好ましいモノクローナル抗体HD−1は、次の性質を有した:(1)Dix,et al.,supra中に示されるように、それはHSV−1およびHSV−2の両者の感染性を高い力価(titer)にかつほぼ同じレベルで中和した;(2)放射線免疫沈殿(RIP)は、37℃で2時間の保温後、gDの90%より多くがHO−1へ結合したままであることを示した;および(3)HD−1は試験したHSV−1およびHSV−2のすべての株を認識した。これらの性質の分析から得られた結論は、HD−1はgD−1およびgD−2上に存在する共通型の抗原決定基を認識し、そして比較的高い親和性をもつて結合する、ということであった。HD−1抗体の好ましい源は、HD−1ハイブリドーマ細胞を適当な免疫学的に応答性の動物に腹腔内投与することにより発性させた腹水のIgGフラクションであつた。好ましいマトリックスセファロース4B(Pharmacia)であるが、他の抗体固定化系を用いることができる[たとえば、Biotechnology Newswatch,Vol.2,No.2,3,(January18,1982)参照]。

0029

それゆえ、下の実施例1は、細胞質抽出物の調製および抗gD抗体およびHD−1免疫吸着剤の調製(および特性)を例示する。特定の条件または手順を“前に”報告または開示されたと表示する場合、それらは上に記載した共同発明者および共同研究者の刊行物の1つまたはそれ以上の中に記載されている。

0030

実施例1
1.細胞の標識付けおよび細胞抽出物の調製
感染させた細胞のパルス標識付けの条件は、前に報告した。gDの精製のため、ある種の修飾を行って組み込まれる標識の量および合成されるgDの量を増加した。各実験のため、集密的KBまたはBHK細胞の10本のローラーびん(490cm2)を20pfuのHSV−1(HF株)または10pfuのHSV−2(SAVAGE株)で感染させた。感染後[post infection(pi)]2時間に、細胞を5%のNatal Calf血清(Dutchland Co.)を含有するイーグル最小必須培地[Eagle′s Minimal Essential Medium(MEM)]の50mlで覆った。感染後5時間に、培地をローラーびんの1本からデカントし、細胞を加温した(37℃)ハンク(Hank)の塩で洗浄し、適当な放射性同位元素:[35S]−メチオニン比活性、>600Ciミリモル)1mCi;[2,3−3H]−アルギニン(比活性、15Ci/ミリモル)1mCiを含有するハンクの塩の5.0mlで覆った。30分後、細胞を予備加温した完全MEMで覆い、びんのすべてをさらに7時間保温した。感染後12時間に、標識付けした細胞と標識付けしない細胞を、0.1ミリモルのフッ化フェニルメチルスルホニルPMSF)を含有する氷冷生理的食塩水で4回洗浄し、細胞質抽出物を調製した。細胞のローラーびんの各々に、5mlの冷溶解性緩衝液(0.01モルの Tris 緩衝液、pH7.5、0.15モルのNaCl、0.5%のNonidet P−40(NP−40)、0.5%のナトリウムデオキシコレートを含有する)の5mlを加え、細胞を4℃でほぼ5分間保温した。トシル−スルホニルフェニルアラニルクロロメチルケトンTPCK)およびN−αトシル−L−リシンクロロメチルケトン(TLCK)、各々は0.1ミリモルの濃度である、を加えてタンパク質加水分解活性を抑制した。溶解された細胞をびんからかき取り、1200rpmで10分間遠心して核を除去した。細胞質を100,000×gで1時間遠心した。細胞質抽出物を、−70℃で貯蔵した。

0031

2.HD−1腹水からのIgGの精製
IgGの精製は、本質的にMontgomery,et al.,Biochemistry,8:pp.1247−1258(1969)に記載されているようにして実施した。簡単に述べると、飽和硫酸アルミニウム(7ml)pH7.0を氷浴中のHD−1腹水(7ml)へゆっくり加え、2時間かきまぜ、15,000×gで30分間遠心した。沈殿を10mlの0.01モルのリン酸塩緩衝液、pH7.3(PB)中に再懸濁させ、PBに対して広範囲透析した。免疫グロブリンのそれ以上の分別をWhatman DE−52で実施した。65mgのIgGが7mlの腹水から得られた。精製されたIgGのSDS−PAGE分析は、IgG2A分子の重鎖および軽鎖に相当するクマシーブルーに染色されたわずかに2本の帯を示した。

0032

3.HD−1免疫グロブリンの調製
臭化シアン活性化セファロース(Sepharose)4B(Pharmacia)の2gを、次のようにして調製した:このゲルを室温において1時間0.001NのHCl中で膨潤させ、400mlの0.001NのHClで濾過することにより洗浄し、5mlの0.2モルの炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.5、1モルのNaClを含有する)中に再懸濁させた。5mlのPB中の20mgのIgGを、このゲルの懸濁液へ加えた。この混合物を室温で2時間かきまぜ、濾過し、次いで10mlの1モルのエタノールアミン(pH8.0)中に再懸濁させた。この混合物をさらに2時間かきまぜ、順次に0.1モルの酢酸ナトリウム(pH4.0、1モルのNaClを含有する)および0.1モルのホウ酸ナトリウム(pH8.0、1モルのNaClを含有する)で濾過により洗浄した。この混合物を4℃において洗浄緩衝液(0.01モルのTris、 pH7.5、0.1%のNP−40、0.5モルのNaClおよび0.1モルのPMSF)と平衡させた。活性化セファロースへ結合するIgGの効率は、97%より大きかった。

0033

次の実施例は、本発明によるgD−1およびgD−2の精製ならびに得られた調製物の精製の特性を説明する。

0034

実施例2
すべての手順は4℃で実施した。典型的な実験において、出発物質は55mlの標識付けした細胞質抽出物プラス5mlの放射標識細胞質抽出物(100〜180mgのタンパク質)から成っていた。この抽出物を100,000×gで1時間遠心し、免疫吸着剤に加え、このカラムを通して5回再循環させた。60mlが集められた。このフラクションは流過物[flow through(FT)]と名付けた。このカラムを洗浄緩衝液で一夜洗浄し、gDを200mlの3モルのKSCN(pH7.8)で溶離した。KSCNフラクションを、gD−1についてAmicon PM−30膜およびgD−2についてAmicon PM−10膜を用いてほぼ100倍濃縮した。この濃縮した試料を変性溶解性[modified lusing(ML)]緩衝液(0.001モルのTris、pH7.5、0.1%のNP−40、0.15モルのNaCl、0.1ミリモルのPMSF)に対して広範囲に透析した。精製されたgDの試料を−70℃で貯蔵した。同じ精製手順を標識付けした感染しない細胞に適用した。SDS−PAGEによる分析は、宿主タンパク質は免疫吸着剤のカラムへいかなる認められうる程度にも結合されないことを確認した。

0035

gD−1およびgD−2についての分子量は、前に報告したものによく相当した。精製されたgD−1およびgD−2のトリプシン処理ペプチドの分析を、前に報告した手順に従って実施し、そして得られたプロフィルも糖タンパク質の高度の精製度の証拠を提供した。

0036

定量的放射線免疫沈殿測定(RIR)を用いて、gD活性についての細胞質のFTおよびKSCNフラクションをスクリーニングした。HD−1IgGの増大量を、固定量放射性標識付けした精製したgD−1またはgD−2へ加えた。この混合物を37℃に20分間保温し、そしてS.aureusを加えて免疫複合体を集収した。複合体を洗浄し、SDS崩壊性(disrupting)緩衝液中に懸濁させた。各試料の二重反復試験アリコートシンチレーションカウンター計数し、試料の残部をSDS−PAGEで分析して、HD−1により結合された放射能のずべてがgDと関連することを確めた。結果を結合したgDのngで表わすために、KSCNフラクション中のタンパク質の量をまず測定した。Lowry,et al.,J.Biol.Chem.,193:pp.265−275の変更法であるDulley,et al.,Analvt.Biochem.,64:pp,136−141(1975)の方法を用いて、洗浄剤の存在下にタンパク質の濃度を測定した。トリクロロ酢酸(TCA)で沈殿可能であるもとの試料中の標識gDの比率を、次いで決定した。次いでHD−1 IgGへ結合した。精製されたgDの量を、次式に従って決定した:
ID=000004HE=015 WI=111 LX=0495 LY=1500
得られた結果は、HD−1 IgGへ結合したgD−1またはgD−2の量が抗原および抗体の両者の濃度に対して正比例することを示した。測定値は、gD−1またはgD−2の25〜200ngおよびHD−1Igの0.1〜1.0μgの範囲にわたって直線であった。抗体を表現するための標識抗原最大結合は、gD−1についてほぼ48%(6回の実験)およびgD−2についてほぼ53%(4回の実験)であった。結合しないgD−1およびgD−2をSDS−PAGEにより分析するとき、タンパク質は結合した糖タンパク質と同じ電気泳動移動を有した。しかしながら、抗CP−1血清(前に記載したようにして調製した)を結合しないgD−1へ加えるとき、糖タンパク質の追加の7〜10%は免疫沈殿された。

0037

定量的RIP測定の結果の直線部分における直線の勾配を用いて、gD−1およびgD−2のためのHD−1結合する単位を、ngの糖タンパク質/μgのHD−1として定義する。この定義を用いて、精製手順の各フラクション中のgD活性の量を定量的RIP測定により決定した。得られた結果を下表1に記載する。この表1の結果が示すように、この精製手順はgD−1活性を421倍増大し、そしてgD−2活性を198倍増大した。gD−1の回収率出発活性の35%)は、gD−2のそれ(16%)より高かった。表1中のデータは、高い収量(150μgのgD−1および82μgのgD−2)および両者の糖タンパク質の比活性を強調する。

0038

0039

a Lowry,et al.,supraの変更法により測定した。

0040

ID=000005HE=015 WI=114 LX=0480 LY=2450
位=120ng;gD−2について、1単位=198ng。

0041

c 単位/mg/タンパク質。

0042

d KSCNフラクションについて得られたデータから、gD−1について合計タンパク質の48%およびgD−2について合計タンパク質の53%であると決定された。細胞質およびFTのフラクションの場合において、gD−1およびgD−2は100%活性であると、推定した。

0043

アミノ酸分析を、精製されたgD−1およびgD−2の試料について実施した。gD−1およびgD−2の試料を水に対して広範囲に透析し、6モルのHClにし、110℃で24、48および72時間真空加熱した。アミノ酸をDionex D500アミノ酸分析器により定量した。セリンおよびスレオニンについての値を、ゼロ時間に外挿することにより計算した。イソロイシンロイシンおよびバリンの量は、48および72時間の加水分解に基づいて計算した。システインは、過ギ酸による酸化後に定量した。分析結果を表2に記載する。この表2の結果が示すように、2種の精製された糖タンパク質の全体の組成は同様であるが、同一でなく、そして発見は前に記載したトリプシン処理ペプチド分析に基づく予想と一致する。

0044

ID=000006HE=115 WI=080 LX=0200 LY=1100
a gD−1について、アミノ酸の合計の数は455(平均分子量110)であると推定された。gD−2について、アミノ酸の合計の数は450(平均分子量110)であると推定された。gD−1マイナス炭水化物の分子量は、50,000であると推定された。gD−2マイナス炭水化物の分子量は、49,000であると推定された。

0045

b 値はゼロ時間に外挿した。

0046

c 48および72時間の加水分解の平均値に基づく。

0047

d 測定しなかった。

0048

以下の実施例は、実施例2の精製されたgD−1およびgD−2の免疫学的活性を説明する。

0049

実施例3
2つの手順を用いて、実施例2に従つて調製したgD−1およびgD−2の生物学的活性を確認した。第1の手順は、gD−1およびgD−2による免疫に対する応答において産生された抗血清のHSV中和活性の測定を含めた。第2の手順は、前に記載したようにして調製された抗CP−1血清の血清中和能力を遮断する、精製されたgD−1およびgD−2の能力を測定した。これは、これまで実施されたgD−2についてのこのような免疫学的活性の最初の測定であると信じられることは、注意するに値する。

0050

第1手順において、抗gD−1血清および抗gD−2血清を次のようにして調製した。CAF1−マウス(10週の年令、雌)を免疫吸着剤精製gD−1およびgD−2で免疫化した。各マウスに、完全フロイントアジュバント中に乳化した適当な抗原を4回の系列でIP注射した(合計の免疫化投与量、7.5μgのタンパク質)。次のスケジュールを用いた:第1回の注射は3μgであった。次いで、第7日、21日および35日目に1.5μgのgDを注射した。45日後、マウスから採血した。

0051

中和力価を、前に記載したプラック減少技術の変更により決定した。簡単に述べると、抗血清の種々の希釈物の各々を、40μlの最終体積の60pfuのウイルスとともに37℃で90分間保温した。各混合物の半分(30pfuのウイルス)をBHK細胞の96ウェルの板(Costar)の1つのウェルへ加えた。1時間の吸着期間後、細胞を新鮮な培地でおおい、37℃で24時間保温し、プラックを屈折顕微鏡のもとで計数した。免疫前の(pre‐immune)血清に比べて力価を50%だけ減少させる血清の最大希釈逆数を、中和力価として選んだ。

0052

マウスのすべては、型共通方式で前駆物質のpgDを免疫沈殿させるモノプレシピチン(monoprecipitin)抗血清を生成した。この観察は、gD−1およびgD−2の純度のそれ以上の証拠である。表3は、gD−1およびgD−2が各免疫化マウスにおける型共通中性性抗血清(type−common neutralizing antiserum)の高い力価の生成を刺激したことを示す。これらの実験からの全体の結論は、gD−1およびgD−2の両者が生物学的に活性な形態に精製されたということである。

0053

表 3
中和力価a
抗血清の表示マウスの番号 HSV−1 HSV−2
抗gD−1 1 2048 1536
2 1536 512
3 1536 512

抗gD−2 1 192 512
2 512 1024
3 1024 1024
4 1024 1536
5 192 512
————————————————————————————————
a 適当なウイルスおよび免疫前のマウスの血清の対照(22)と比較してpfuを50%だけ減少させる血清の最大希釈の逆数として表わす。抗CP−1血清(ウサギ)は、同じ測定系において試験したとき、HSV−1に対して512およびHSV−2に対して256の中和力価を有した。

0054

第2の血清遮断測定のための試料の調製は、次のとおりであった。ML緩衝液中の精製されたgD−1またはgD−2(30〜50μgのタンパク質)のアリコートを、Tris緩衝液、0.01モル、pH7.5、0.15モルのNaCl、中に含有される減少する濃度のNP−40(0.1%、0.001%、0%のNP−40)に対して順次に透析した。各透析工程後、一部分を取り出し、定量的放射線免疫沈殿測定により、放射能および結合活性について分析した。唯一の有意の損失は、透析の最後の工程(0%のNP−40)において生じた。その工程において、トリクロロ酢酸沈殿性放射能のほぼ50%が失なわれ、残りの50%を除いて、HD−1結合活性の有意の損失は存在しなかった。

0055

測定は96ウエルの板を用い前に記載した方法の変更により実施した。簡単に述べると、gD−1またはgD−2の希釈物を抗血清の固定希釈物と混合した。選択した抗血清の希釈は、60pfuのウイルスの75〜90%の中和を起こす希釈であった。抗原−抗体混合物を37℃で1時間保温し、次いで各混合物を60pfuのウイルスに加えた(最終体積40μl)。この混合物を37℃で90分間保温し、各混合物の半分をBHK細胞の96ウエルの板(Costar)の1つのウエルに加えた。1時間の吸着時間後、細胞を新鮮な培地でおおい、37℃で24時間保温し、プラックを屈折顕微鏡のもので計数した。50%の終点は、血清の中和能力を50%だけ遮断するgDの希釈であった。

0056

前に示したように、精製されたCP−1抗原は型共通ウイルス中和性抗体の高い力価の生成を刺激する。精製されたgD−1およびgD−2が同じ生物学的活性を有する場合、それらは抗CP−1血清(ならびにgDへ方向づけられた中和性抗体を含有するいずれかの血清)と結合し、その中和能力を遮断することができるであろう。予備実験によると、糖タンパク質のフラクション中に存在するNP−40のレベルはウイルスおよび細胞に対して禁止的であった。生理的食塩水を含有するが、NP−40を含有するTris緩衝液に対する糖タンパク質の透析は、それらの糖タンパク質の結合活性を有意に変更せず、そして調製物はもはや禁止的ではなかった。しかしながら、この手順はタンパク質のほぼ50%を損失した。gDの各調製物を抗CP−1血清に対する血清遮断能力についての力価を測定し、そして1つの実験の結果(タンパク質の損失について補正した)を表4に示す。この表4から理解できるように、両者の糖タンパク質はほぼ同じ血清遮断能力を有した。この実験が明瞭に示すように、gD−2は異種抗血清の中和を遮断することができた。

0057

表 4
用たウイルス要求されるgDの濃度a
gD−1 gD−2
HSV−1 37 NDb
HSV−2 35 30
a 30pfuのHSV−1またはHSV−2を中和する抗CP−1血清の能力を50%だけ遮断するために必要なgDのng。

0058

b 測定せず。

0059

次の実施例は、HSV−1およびHSV−2の両者の致死株の大きい対抗量による死に対して、ワクチン接種した動物を保護するときの、本発明のgD−1ワクチン組成物の効果を説明する。

0060

実施例4
用いた接種物は、HSV−1株HFで感染させた細胞の細胞質から実施例2に従って単離された、gD−1の1マイクログラムのフロイント完全アジュバントの溶液から成っていた。第1の接種群における各Balb/cマウスに、合計5回の腹腔内注射を2か月間にわたって実施した。最後の接種後7日に、レトロオービタル・プレクシス(retro−orbital Plexis)から採取した血液の血清をEisenberg;et al.,J.Virol.31、608−620(1979)の放射線免疫沈殿(RIP)手順およびCohen,et al.,J.Virol.19、1021−1030(1972)の中和手順により測定した試験した免疫化動物のすべては、約1:16〜約1:128の中和性抗体の力価およびgDのみに対する抗体の産生を示す免疫沈殿の結果を積極的に表示した。抗体はgD−1およびgD−2の両者を免疫沈殿させたので、すべての10匹ワクチン接種動物はHSVのgDに対する型共通中和性抗体を産生したことが明らかであった。

0061

最後の接種後14日に、10匹のワクチン接種したマウスの第1群はある範囲の血清中和性抗体の力価(3匹、約1:128;3匹、約1:64;および4匹、約1:32)、これを集めた。これらの10匹のマウスに、9匹の対照(ワクチン接種していない)マウスと一緒に、4×106pfuの投与量のPattor株のHSV−1(この株についてのLD50のほぼ4倍)を腹腔内投与した。すべての対照は7日以内に死んだが、ワクチン接種したマウスのすべては長い期間生存し、不健康に決して見えなかった。

0062

1:16〜1:128の範囲の血清中和性抗体力価を表示する8匹のワクチン接種したマウスの第2群を集めた。各々に追加の1マイクログラムの投与量のgD−1を与えた。これらに、11匹の対照マウスと一緒に、1×106pfuの腹腔内対抗量の(致死)株186のHSV−2を与えた。10日以内に、11匹のうち8匹の対照動物は死んだ。残りの3匹の対照は生存したが、後に死んだ。ワクチン接種した動物のすべては健康を維持し、腹腔内HSV投与に関連する神経学的疾患(たとえば、極端静止)の証拠を示さなかった。

0063

次の実施例は、中和性抗体の形成の刺激における、本発明によるgD−1ワクチン組成物の効果を説明する。

0064

実施例5
4匹のウサギをこの手順において用いた。2匹のワクチン接種動物に、実施例2に従って調製したgD−1およびgD−2のフロイント完全アジュバントとのワクチン組成物を、わずかに変化する量で、筋肉内投与した。第1の、gD−1、ワクチン接種動物は、それぞれ10、10および5および5マイクログラムの合計4回の投与を、4週間にわたって受けた。第2の動物は、同じ期間に9、9、4.5および4.5マイクログラムのgD−2の投与を受けた。各動物はほぼ10日後1マイクログラムのgD−1の“ブースト”を受け、そして両者の動物はブーストを続けた後3日に採血された。

0065

血清中和性抗体の定量を、集められた血清について実施した。得られた結果は、Cohen,et ai.,J.Virol.,27、172−181(1978)においてクロマトグラフ的に精製されたCP−1調製物を用いて得られた結果よりも、ほぼ3〜5倍大きかった。この参考書によるCP−1は、本発明以前にこの分野で知られていた最も高度に精製されかつ活性な糖タンパク質gD単離物であった。

0066

コントロールされた実験の研究により立証されていないが、本発明のワクチンは、神経節の感染を制限する形で、受容体のワクチン接種後の感染からの病気の状態に対する保護を超えた効果を、達成する。このような結果は、生きているHSV−1で接種後、HSV−2で対抗した動物における潜在的HSV−2感染の発生を低下するという前の報告と一致するであろう。たとえば、McKendall,Infection and Immunitv,16、717−719(1977)参照。また、本発明のワクチンは、ワクチン接種前に受容体においてすでに確立されている、永続的な神経節の感染を、制限しあるいは排除することを期待できるであろう。たとえば、Hilleman,et al.,supra,および Moreschi,et al.,supra参照。

0067

本発明の前述の説明“自然”源から単離されたヘルペス・シンプレックス・ウイルス糖タンパク質gD−1およびgD−2の使用に関するが、当業者は理解するように、本発明は“インタクト”糖タンパク質化合物のインビトロおよびインビボの抗原特性を同様に示す、糖タンパク質のレプリカ、糖タンパク質の断片または糖タンパク質のレプリカの断片を包含する。たとえば、有効なワクチン組成物は、組換え法(たとえば、Cohen,et al.,米国特許第4,237,224号、参照)により、あるいは完全に合成的な方法によつてさえ、製造することができる。グリコシル化されていないかあるいは部分的にグリコシル化されたポリペプチドを用いて調製できる。[たとえば、Zuckerman,“DevelopingSythetic Vaccines”,Nature,295、No.5845、98−99(1982)および Dreesman,et al.,“Antibody to Hepatitis B Surface Antigen After a Single Inoculation of Uncoupled Synthetic HBsAg Peptides”,Nature,295、No.5845、158−160(1982)参照]。

0068

近い過去において、合成ポリペプチド類についての免疫学的活性の多くの同様な報告が存在する。このような合成ポリペプチド類は、天然に産出するタンパク質類、糖タンパク質類およびヌクレオタンパク質類のレプリカ(すなわち、前記物質中に現存する実質的に複製のアミノ酸配列)である。より詳しくは、比較的低分子量のポリペプチドは、生理学的に有意なタンパク質、たとえば、ウイルスの抗原、ポリペプチドのホルモンなどの免疫反応と期間および範囲が類似する免疫反応において、沈殿することが示された。このようなポリペプチドの免疫反応には、免疫学的に活性な動物における特異的抗体の形成の誘発が包含される。たとえば、Lerner,et al.,Cell,23、309−310(1981);Ross,et al.,Nature,294、654−656(1981);Walter,et al.,P.N.A.S.(USA)、77、5197−5200(1980);Lerner,et al.,P.N.A.S.(USA)、78、3403−3407(1981);Walter,etal.,P.N.A.S.(USA)、78、4882−4886(1981);Wong,et al.,P.N.A.S.(USA)、78、7412−7416(1981);Green,et al.,Cell,28、477−487(1982);Nigg,et al.,P.N.A.S.(USA)、79、5322−5326(1982);および Baron,et al.,Cell、28、395−404(1982)、参照。とくに、Lerner,“Synthetic Vaccines”Scientific American,248、No.2、66−74(1983)参照。

0069

gD−1およびgD−2単離物の有利な免疫学的活性についての前述の開示と一致して、本発明のグリコシル化されていないポリペプチド類が製造され、これらは活性単離物のわずかに小さい部分のレプリカからなるという事実にかかわらず、完全糖タンパク質免疫学的特性共有する。

0070

本発明による免疫学的に活性なポリペプチドの製造において、抗ヘルペス合成ペプチドワクチン成分についての最も望ましい特性は、次のとおりであることが、初め記載された:(1)それはアミノ酸の比較的小さい配列からなるであろう;(2)この配列はgD−1およびgD−2に共通の配列のレプリカであろう;および(3)この配列はコンホメーション決定因子の一部分よりはむしろ全体の連続的抗原決定基(エピトープ)からなるであろう。

0071

Watson,et al.,により提供された推定上のアミノ酸配列を認める場合、gD−1糖タンパク質は394のアミノ酸(あるいは推定上の“信号”配列を削除した場合、374)および342のアミノ酸配列から成り、微生物的に発現されたものはHSVのI型およびII型の両者に対する中和性抗体をレイズ(raise)することができる。Watson et al.の配列を検討すると、微生物的に発現された配列において、保護的ホルモンおよび細胞の応答をそれに対して発生させることができる、より小さいアミノ酸配列が存在するということは、明瞭に示されていない。Hopp,et al.,P.N.A.S.(USA)、78、3824(1981)の方法により配列を分析すると、親水性であり、それゆえ潜在的に抗原的である、ある数の小さいアミノ酸配列が示される。Chou,et al.,Ann.Rev.Biochem.,47、251(1978)の分析は、抗原的意味をもつかも知れないgD−1糖タンパク質の二次構造中に、ある数の潜在的曲がり(bend)を示す。しかしながら、これらの分析法のいずれも、潜在的に抗原性の配列が単一の連続的決定基を形成するかあるいは単に不連続の決定基の一部分からなるかどうかの指示を提供しない。さらに、gD−2についてのアミノ酸配列のデータの不存在においては、潜在的に型共通の決定基の直接の比較を行うことはできない。

0072

gD−1の連続的な抗原決定基の位置を決定するときに助けになる情報は、本出願人による変性およびインビトロ合成の研究によつて提供された。簡単に述べると、前の実施例1および2に従って単離されたgD−1を、SDSおよびメルカプトエタノール沸とう水とともに使用して、変性した。変性されたgD−1生成物は免疫化動物をHSVII型の感染に対して保護する能力を保持し、そしてまたポリクロン血清誘導抗体調製物との免疫反応性を保持した。変性されたこの物質は、存在するすべてのモノクローナル抗体との反応性を保持しなかった。群VおよびVIIのモノクローナル抗体のみは、変性されたgD−1を免疫沈殿させることができた。このことは、gD−1内に少なくとも2つの連続的(かつコンホメーション的ではない)抗原決定基が存在することを示した。この結論は、インビトロ合成により支持された。この合成において、gD−1を特定するメッセンジャーRNAを用いて、ポリクローナル抗体および群VおよびVIIのモノクローナルとのみ免疫反応性である49Kタンパク質を発生させた。この49Kポリペプチドをインビトロ膜処理して、存在するかもしれない信号区域を除去しかつサッカリドを加えると、52K糖タンパク質が生成した。この52K糖タンパク質は、ポリクローナル抗体および群VおよびVIIのモノクローナルのみとの反応性を保持した。

0073

先行のスクリーニング研究[Eisenberg,et al.,J.Virol.,41、478−488(1982)およびJ.Virol.,41、1099−1104(1982)、参照]により群VIIのモノクローナル抗体類が型共通であることが示されたという追加の事実は、この抗体についてのエピトープ(それが見出された場)を合成ワクチン成分として試験するための良好な候補とさせた。したがって、群VIIのモノクローナル抗体との反応のためのエピトープを形成する連続序列位置決定を促進するために、研究を実施した。

0074

群VIIの抗体に対するエピトープの位置を確認するとき助けとなる情報の開発は、前述のインビトロ合成手順において使用した型のトリソン化(trypsonized)膜からの膜結合断片の単離を含んだ。単離された断片は、ポリクローナル抗体および群VIIの抗体との交差反応性を保持したが、群Vの抗体と交差反応性ではなかった。このことにより、群VIIのエピトープは糖タンパク質のカルボキシ末端よりはむしろアミノ末端の区域に存在することが示された。群VIIエピトープの位置に関するそれ以上の情報は、本出願人の先行の免疫結合の研究を分析することにより提供された。この研究は、gD−1およびgD−2をV8プロテアーゼで十分に消火した後に残留する12K断片へ、群VII抗体が結合することを明らかにした。12K断片が他のモノクローナルによりもたらされる38K断片内に含まれるということは、2つの断片のイオン交換クロマトグラフ分析により明らかにされたトリプチックペプチドのパターンの重なりによって証明された。(38K断片の並行した研究により、それが序列の初めの部分中にメチオニン残基を含むことが示された。)gD−1およびgD−2に共通であることがわかった12K断片のトリプシン処理ペプチドの中には、“F”と表示する断片が存在した。この型共通配列は、定義により、トリプシンが他のアミノ酸残基からそれを分離しようと作用する右手の端に、アルギニン残基を含むものであった。

0075

単離された“F”断片を予備的に分析すると、それが約600の範囲の分子量を有し、そしてプロリン残基およびメチオニン残基の両者を含むことが示された。しかしながら、gD−1およびgD−2糖タンパク質中の型共通“F”断片の精確な位置は、Watson et al.の推定上の配列に基づいてのみ方向決定的になされることはできず、そしてgD−1およびgD−2の両者の単離物について実施される直接アミノ酸分析によるアミノ酸配列の証明を必要とした。次の実施例は、gD−1およびgD−2について実施したアミノ酸配列決定研究に関する。

0076

実施例6
1.ウイルス及び細胞の調製
KBおよびBHK細胞の生長および維持のための条件、およびHSV−1(HF株)およびHSV−2(SAVAGE株)のウイルス原料の調製に使用した手順、およびプラックの測定は、前に記載したとおりであった。感染のため、細胞当り20pfuのHSV−1または10pfuのHSV−2の入力多重度(input multiplicity)を用いた。

0077

2.代謝標識付け
用いたメチオニン、リジンおよびアルギニンの放射線標識について、集団のKBまたはBHK細胞の75cm2のびんをHSV−1またはHSV−2で感染させた。感染後2時間に、0.1N濃度のメチオニン、アルギニンまたはリジンを含有するイーグル最小培地で細胞をおおつた。次のアイソトープの1種を含有するハンクスの塩類の4.5ml中で、感染させた細胞を15分間保温することによって、感染後6時間に、パルス標識付けを実施した:[35S]−メチオニン(比活性、600Ci/ミリモル、1mCi);[2,3−3H]−アルギニン(比活性、15Ci/ミリモル、1mCi);[4.5−3H]−リジン(比活性、60〜80Ci/ミリモル、1mCi)。単層を氷冷した生理的食塩水で洗浄し、溶解し、そして細胞質抽出物を前述のようにして調製した。ロイシンおよびアラニンの放射線標識のため、感染させた細胞をハンクスの塩類中で感染後6時間に15分間パルス標識付けし、次いでイーグル最小培地でおおい、37℃でさらに2時間保温した。次のラジオアイソトープを使用した:[4.5−3H]−ロイシン、比活性、50Ci/ミリモル、1mCi;[3−3H]−アラニン、比活性、75Ci/ミリモル、500μCi。

0078

3.精製されたgDのヨウ素化
チロシン残基の位置を決定するために、gD−1およびgD−2の各々免疫吸着クロマトグラフィーにより精製し、そして15μhの各タンパク質を、Greenwood,et al.,Biochem.J.,89,114−123(1963)のクロマミンTの手順によりヨウ素化した。

0079

4.アミノ酸配列決定のための試料の調製
各細胞質抽出物を、抗CP−1血清(マウス中で精製gD−1に対して調製した)で免疫沈殿させた。Staphylococcus aureus Cowan株(IgSorb,New England Enzyme Center)を用いて、抗原−抗体複合体を集めた。沈殿を洗浄し、抗原−抗体を前述のようにして崩壊させた。一部分をSDS−PAGEにより分析した。ウシ血清アルブミンを残部に加え、タンパク質を25%のトリクロロ酢酸で4℃において17時間沈殿させた。沈殿を13,000×gで30分間遠心して集め、1mlの0.1NのNaOH中に溶解し、蒸留したH2Oに対して広範囲に透析し、凍結乾燥させた。同様な手順を用いて、ヨウ素化されたgD−1およびgD−2を免疫沈殿させた。

0080

5.SDS−PAG
SDS−PAGEを、0.4%のN,N′−ジアリルタータジアミドDATD)と交差反応した10%のアクリルアミドスラブ中で、Spear,J.Virol.,17,991−1008(1976)の方法と本質的に同じ方法に従い、実施した。電気泳動後、ゲルをクマーシブリリアントブルーで着色し、濾紙上で乾燥させ、コダックXAR−5フィルムに対して露光した。

0081

6.アミノ酸配列の分析
放射標識gD−1およびgD−2の段階的エドマン分解を、ベックマン890Bタンパク質シークエンサー(sequencer)内で達成した。Edman,et al.,Eur.J.Bioch.,1,80−91(1967)およびHermodson,et al.Biochemistry,11,4493−4502(1972)参照。凍結乾燥した放射線標識試料をH2O中に溶解し、50ナノモル精子ミオグロビンと混合した。各工程において取った試料を乾燥し、100μlのアセトン中に再懸濁させ、シンチレーションバイアルに移した。管を追加の50μlのアセトンおよび100μlの酢酸エチルで洗浄し、バイアルをN2の存在下に乾燥させ、シンチレーション計数により分析した。[125I]を含有する試料を、ガンマーカウンター内で直接分析した。各実験において、すべての標識付け段階およびいくつかの標識付けしない段階の位置を、ミオグロビン担体タンパク質誘導アミノ酸の高圧液体クロマトグラフィーにより確認した。

0082

gDを標識付けるために用いた一般的手順は、細胞をHSV−1またはHSV−2のいずれかで感染させ、次いで特定の放射性アミノ酸で細胞を代謝的に標識付けることであった。メチオニン、アルギニンおよびリジンについて、感染後6時間において実施した15分のパルス標識付けは、配列決定のためにgD中に組み込まれた十分な放射性標識を得るために十分であった。これらの標識付け条件のもとで、放射能の大部分は前駆物質の形態のgD−1(53,000ダルトン)およびgD−2(52,000ダルトン)中に見出された。アラニンをgD−1中に組み込みかつロイシンをgD−1およびgD−2の両者中に組み込むために、さらに2時間標識付けして十分な量の標識gDを得ることが必要であった。これらの標識付け条件下に、糖タンパク質の前駆物質の形態および生成物の形態の両者は標識付けされた。標識付け期間の終りにおいて、細胞質抽出物を調製し、そして精製gD−1に対して調製されたポリクローナル抗体で免疫沈殿させた。標識チロシンの配列決定研究を実施するために、gD−1およびgD−2を感染させた細胞抽出物から免疫吸着クロマトグラフィーにより精製し、そして精製されたタンパク質をクロラミンT手順に従い[125I]でヨウ素化した。

0083

自動化されたN末端配列決定に用いた放射線標識調製物のSDS−PAGE分析により、代謝標識付けを用いるとき、95%を超える放射線標識が前駆物質または生成物(または両者)の形態のgD−1およびgD−2のいずれかに存在することが明らかにされた。ヨウ素化したgD−1の場合において、ある比率の放射線標識は低分子量のポリペプチド中に存在した。gDのこれらの断片がヨウ素化の結果として発生されたか、あるいはヨウ素化前に生じた精製gD−1のタンパク質加水分解の消化のためであるかどうかは、明らかでなかった。

0084

放射線標識gD−1およびgD−2の自動化されたエドマン分解のプロフィルを調製し、そしてこれらのプロフィルから誘導された配列を下表5に示す。この表5において、予測されたアミノ酸配列についてのWatson et al.により割当てられた配列番号はかっこ内に示されている。

0085

0086

分解のデータが示すように、両者の糖タンパク質についてのN末端アミノ酸はリジンであった。gD−1およびgD−2のメチオニン、アルギニン、ロイシンおよびアラニンのプロフィルにおいて差が認められた。しかしながら、これらの場合の各々において、いくつかの残基は両者の糖タンパク質中に存在し、そして1またはそれ以上の残基は一方中に存在し、他方中には見出されなかった。こうして、たとえば、アラニンの場合において、両者のタンパク質は残基3、5および12にアラニンを有することがわかった。しかしながら、gD−1のみは位置7にアラニンを含有した。両者のタンパク質は位置11にメチオニン残基を有したが、gD−1のみは位置8にメチオニン残基を有した。アルギニンの場合において、両方のタンパク質は位置16および18にアルギニン残基を有し、そしてgD−2のみは位置20にアルギニン(リジンではなく)を有するように思われた。ロイシンについて、放射能のピークはgD−1の残基4、9、22、25および28に存在した。gD−2について、[3H]−ロイシンのピークは残基4、23および28に、および多分残基25に存在した。両者のタンパク質について、ロイシンのプロフィルは放射能の高いバックグラウンドを示したことに注意すべきである。これは、この特定のアミノ酸標識の十分な組み込みを得るために、非常に長い標識付け時間を要したためであろう。しかしながら、gD−1についての[3H]−ロイシンのピークは、Watson et al.が推理したアミノ配列中のロイシンの位置と正確に相関関係する。

0087

表5が示すように、gD−1についての前述のデータは、推理された配列の残基26から始まるgD−1の推理されたアミノ酸配列とかなり整合させることができる。1つの相違は残基8(推理された配列の33)において存在し、ここで前述のデータはgD−1(HF株)がメチオニン残基を含有することを示す。しかしながら、gD−2(SAVAGE株)は含有しなかった。核酸配列決定(HSV−1の Patton株を用いる)により推定された残基はセリンである。この位置において認められた差は、株および型の変化によるものであろう。しかしながら、メチオニンからセリンへの変更は、少なくとも2つの塩基の交換を必要とするであろう。

0088

Watson et al.が予測した最初の25のアミノ酸は感染された細胞から単離されたタンパク質中に存在しないことを、データは示している。アミノ酸のこの伸長(stretch)は大きく疎水性であり、唯一の例外は予測された残基7および24のアルギニンおよび予測された残基21のヒスチジンである。上のデータが示すように、gD−1は事実信号ペプチドをもたずかつそれは25アミノ酸程度に長いであろう。gD−1およびgD−2の両者はリジン残基で始まることがわかったので、gD−2DNAは信号ペプチドのための解読区域を含有することが発見されるように思われる。

0089

また、[2−3H]−アンノースおよび[35S]−システインを、gD−1の配列分析のための放射性プローブとして使用した。これらの標識の両者について、最初の30の残基において放射能は検出されなかった。gD−1の Watson et al.が推理したアミノ酸配列に従うと、最初システインは残基66に存在することが期待され、そしてグリコシル化部位である適当な配列(Asn−x−ThrまたはSer)を有する最初のアスパラギンは残基94に存在することが期待されるであろう。こうして、この研究のマイナスのデータはgD−1の配列から予測されたものと相関関係をもつ。

0090

予測されたアミノ酸配列の興味ある面は、N−末端(推理された配列の残基40、またはタンパク質の残基15)に近接してアスパラギン残基が存在することである。隣接するアミノ酸の配列に従うと、このアスパラギンは潜在的なグリコシル化部位ではない。[2-3H]−マンノース標識はこの位置に検出されなかったので、このアスパラギンはタンパク質中でグリコシル化されないと思われる。上の実験から導びかれた全体の結論は、gD−1およびgD−2は非常に類似するが、タンパク質のN末端区域における配列において同一ではないということである。ただ1つの相違(残基8のメチオニン)が、gD−1について Watson et al.の予測した配列と実際の配列との間に認められた。HSV−1の異なる株を2つの研究に用いたので、データはHSV−1の異なる株間のgDの配列における全体の観察を強調している。

0091

gD−1およびgD−2の配列中の最初の30のアミノ酸に関する上のデータは、Watson et al.が記載する、免疫学的に活性であると主張する、微生物的に表現された“gD関連”ポリペプチドおよび融合ポリペプチド中に存在する配列に相当するエピトープの配列を明らかにしない。表5中の考えられる残基(52)〜(54)を除外して、予測されたアミノ酸のいずれも、そこに製造が記載されている発現ベクターによって特定されなかった。PvuII制限部位の右(すなわち、3′)へのgD−1解読配列の区域のみが用いられた。それにもかかわらず、30アミノ酸配列は潜在的型共通エピトープの存在について再検討された。Hopp, et al.の方法による分析(supra)は、3〜4の親水性区域を示した。Chou,et al.の方法による分析(supra)は、配列の投影された二次構造中に2つの潜在的“曲がり”を示した。投影された曲がりの1つは、表5中に示されるアミノ酸11〜15[推定された配列の(36)〜(41)]にまたがる区域中の親水性配列の1つに相当した。この配列は、アルギニン、プロリン、およびメチオニンの残基を含む。それは600程度の計算された分子量をもつ。したがって、この配列は、型共通群VIIのモノクローナル抗体についてのエピトープからなる“F”断片としてトリプチックペプチドの分析において前に特徴づけられた配列であるように思われた。

0092

上の実験結果に基づいて、合成ポリペプチドを Merrifield,J.Am.Chem.Soc.,85、2149−2154(1963)の一般的方法に従い調製し、群VIIのモノクローナル抗体“170”との免疫反応性について試験した。合成された最初の(17マー)ペプチドは、表5中の残基8〜23の16アミノ酸残基の重複プラスカルボキシ末端システインを含んだ。合成された第2(11マー)生成物は、残基13〜23およびC末端システインを含む。第1ポリペプチドは群VIIのモノクローナルと免疫反応性であった。第2ポリペプチド(“F”断片からなると信じられるメチオニンおよびアラニンの残基を含まなかった)は、抗体と反応しなかった。

0093

インビトロ活性の発見と一致して、10匹のマウスを含む免疫化プロブラムを開始した。動物のうち5匹に、17マーのポリペプチドをほぼ10マイクログラム/マウスの投与量で与えた。残りの5匹の動物に、担体のタンパク質(KLH)の共有結合した17マーのポリペプチドを与えた。体液についての予備的データは短時間で得られ、それにより試験動物がヘルペス・シンプレックス・ウイルスの感染に対して保護的な抗体の発生を含む免疫応答を発現するであろうことが予測される。

0094

したがって、本発明は、gD−1およびgD−2の両者中に存在するアミノ酸配列を実質的に複製する新規なポリペプチド、すなわち、構造RNH−Met−Ala−Asp−Pro−Asn−Arg−COR′式中RおよびR′は、同一であるかあるいは異なり、H(水素)および1またはそれ以上のアミノ酸残基から成る群より選ばれる、のポリペプチドを包含する。現在好ましいポリペプチドは、前述の免疫化手順において用いられかつ構造RNH−Ser−Leu−Lys−Met−Ala−Asp−Pro−Asn−Arg−Phe−Arg−Gly−Lys−Asp−Leu−Pro−COR′(式中Rは水素であり、そしてR′はシステインである)を有するものである。本発明のポリペプチドのための他の現在好ましい配列は、表5中に記載する全gD−1配列を包含し、第8位置にメチオニンまたはセリンを有する種を含む、ものを包含する。最後に、gD−2の対応するアミノ酸配列の残りの成分が不明瞭に決定されるとき、gD−2中に存在するがgD−1中に存在しないアミノ酸残基および自然糖タンパク質gD−2のアミノ末端区域の二次構造に対して意味をもつ残基を含む、有用なポリペプチドが製造されることが考えられる。

0095

前に示したように、本発明のワクチン組成物は、本発明のgD−1のみまたは本発明のgD−2のみまたは両者の混合物と、免疫学的に適当な希釈剤、補助剤または担体とを含むように、配合することができる。賦形剤の1kg当り0.01〜10.0マイクログラムの精製gD−1またはgD−2を含む単位投与形態は、本発明の実施において有用である。0.1〜100マイクログラムの合計の投与量は、本発明の保護的ワクチン接種手順の実施に十分な抗原の集団を提供し、そして宿主においてそれに対応する抗体を形成させるであろう。本発明の活性ポリペプチドは低分子量(たとえば、合計360を超えるアミノ酸および炭水化物に対して6アミノ酸程度に少ない)ため、それに応じて少量のポリペプチドを、本発明によるワクチン中に適当に用いることができる。

0096

本発明の以上の説明は免疫学的に活性なgD−1およびgD−2調製物および免疫学的に活性なポリペプチドをワクチン組成物の成分として使用することに集中されたが、これらの調製物は、体液たとえば脊椎液中のヘルペス・シンプレックス・ウイルスの抗体を検出するための高度に特異的な診断剤の成分として、さらに使用されることが理解されるであろう。本発明の特異的抗原(およびその生物学的に活性な断片およびレプリカ)は、診断的、抗原−抗体反応検出計画において有用であるとして、この分野においてよく知られている型の不活性粒子感作するために使用できる。これに関して、本発明の抗原調製物および抗原感作された粒子は、凝集および放射線免疫検定、ならびに蛍光および酵素免疫検定の技術による抗体の検出において、適当な“標識(marker)”物質(化学的または放射線化学的)と組み合わせて使用できる。

0097

前述の発明の多数の変更および変化は、当業者にとつて明らかであり、結局、請求の範囲に記載されるような限定のみが本発明についてなされるべきである。

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