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技術 ディジタルフィルタとそれに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 嶋康夫石原走人
出願日 1993年8月9日 (27年4ヶ月経過) 出願番号 1993-217085
公開日 1995年3月3日 (25年9ヶ月経過) 公開番号 1995-058592
状態 拒絶査定
技術分野 遅延要素を用いたフィルタ ディジタル回路網 有線伝送方式及び無線の等化,エコーの低減
主要キーワード 下降部分 逆フーリェ変換 基本信号成分 無線電送 高域雑音成分 系列値 誤差周波数 打ち切り処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年3月3日)のものです。
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図面 (10)

目的

簡単な構成により、変調精度を改善できるディジタルフィルタと、ルートロールオフフィルタの変調精度を改善できるインパルス応答波形系列値算出方法を提供する。

構成

理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に対して有限時間幅のインパルス応答波形(A)をとり、それをC1〜C6に6分割し、打ち切りによる誤差分を補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求めて(A)のC1〜C6の各部分に対するインパルス応答波形(B)のC1〜C6を算出して有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形系列値とする。この値の算出方法として、理想のルートロールオフフィルタの周波数特性におけるべき乗数より小さな値に設定し、それにより求められるルートロールオフフィルタの周波数特性の中から探し出すなどのやり方がある。

概要

背景

ディジタル通信に用いられる変調波形整形用ルートロールオフフィルタを実現するディジタルフィルタにおいては、ディジタルシグナルプロセッサ(以下、単にDSPという)を用いた積和演算によって処理するのも、所定のフィルタインパルス応答記憶値を入力データの極性に従ってたたみ込んで処理するもの、また処理結果の波形を全て記憶しておき、それを逐次読み出して処理を行うもの等がある。

概要

簡単な構成により、変調精度を改善できるディジタルフィルタと、ルートロールオフフィルタの変調精度を改善できるインパルス応答波形系列値算出方法を提供する。

理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に対して有限時間幅のインパルス応答波形(A)をとり、それをC1〜C6に6分割し、打ち切りによる誤差分を補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求めて(A)のC1〜C6の各部分に対するインパルス応答波形(B)のC1〜C6を算出して有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形系列値とする。この値の算出方法として、理想のルートロールオフフィルタの周波数特性におけるべき乗数より小さな値に設定し、それにより求められるルートロールオフフィルタの周波数特性の中から探し出すなどのやり方がある。

目的

この発明の目的は、簡単な構成により、変調精度を改善できるディジタルフィルタを提供することにある。この発明の他の目的は、ルートロールオフフィルタの変調精度を改善できるインパルス応答波形系列値の算出方法を提供することある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

理想ルートロールオフフィルタ周波数特性に対して有限時間幅打ち切りによる誤差分を補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求め、このルートロールオフフィルタによるインパルス応答波形を算出するとともに上記有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形系列値を用いることを特徴とするディジタルフィルタ

請求項2

理想のルートオフフィルタの周波数特性に対して、有限時間幅の打ち切りによる誤差分と、後段に設けられるD/A変換器におけるアパーチャ効果とを補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求め、このルートロールオフフィルタによるインパルス応答波形を算出するとともに上記有限時間幅にて打ち切られた波形系列値を用いることを特徴とするディジタルフィルタ。

請求項3

上記ディジタルフィルタは、半導体集積回路装置により構成れ、上記波形系列値はそれ自体、入力信号乗算されたもの又は乗算と加算されたものがROMに記憶されるものであることを特徴とする請求項1又は請求項21のディジタルフィルタ。

請求項4

理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に対して有限時間幅の打ち切りによる第1の誤差分を補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求め、このルートロールオフフィルタによるインパルス応答波形を算出するとともに上記有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形に対応したルートロールオフフィルタの第2の周波数特性を求め、この第2の周波数特性に対して上記有限時間幅の打ち切りによる第2の誤差分を補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求め、このルートロールオフフィルタによるインパルス応答波形を算出するとともに上記有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形を算出するという処理を複数回繰り返して行うことを特徴とするディジタルフィルタに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法

請求項5

ルートロールオフフィルタの周波数特性における余弦下降項のべき乗数を、理想のルートロールオフフィルタの周波数特性におけるべき乗数より小さな値に設定し、それにより求められるルートロールオフフィルタの周波数特性の中から理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に対して有限時間幅の打ち切りによる誤差分を補償する最適なルートロールオフフィルタの周波数特性を探し出すことを特徴とするディジタルフィルタに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法。

技術分野

0001

この発明は、ディジタルフィルタとそれに用いられるインパルス応答波形系列値算出方法に関し、フェーズシフトキーイングPSK変調信号波形整形処理を行うものに利用して有効な技術に関するものである。

背景技術

0002

ディジタル通信に用いられる変調波形整形用ルートロールオフフィルタを実現するディジタルフィルタにおいては、ディジタルシグナルプロセッサ(以下、単にDSPという)を用いた積和演算によって処理するのも、所定のフィルタインパルス応答記憶値を入力データの極性に従ってたたみ込んで処理するもの、また処理結果の波形を全て記憶しておき、それを逐次読み出して処理を行うもの等がある。

発明が解決しようとする課題

0003

ルートロールオフフィルタ特性を持つ変調波形を生成するためにディジタルフィルタにおいては、理想のルートロールオフフィルタにおけるインパルス応答波形をある有限時間幅打ち切った波形系列値を用いる。しかし、実際に生成された変調波形は、上記インパルス応答の有限時間幅の打切りにより、理想のルートロールオフフィルタの特性にならず、理想の変調波形との誤差変調精度劣化)を生じてしまう。このような誤差分を小さくするためには、上記有限時間幅を長くすればよいが、回路規模が大きくなってしまうという問題があり、回路規模と変調精度の兼ね合いで上記有限時間幅を決められる。

0004

この発明の目的は、簡単な構成により、変調精度を改善できるディジタルフィルタを提供することにある。この発明の他の目的は、ルートロールオフフィルタの変調精度を改善できるインパルス応答波形系列値の算出方法を提供することある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

0005

本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に対して有限時間幅の打ち切りによる誤差分を補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求めてインパルス応答波形を算出して有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形系列値とする。このインパルス応答波形系列値の算出方法として、有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形に対応したルートロールオフフィルタ周波数特性から再び有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形を求めるという処理を複数回繰り返すこと又は理想のルートロールオフフィルタの周波数特性におけるべき乗数より小さな値に設定し、それにより求められるルートロールオフフィルタの周波数特性の中から探し出す。

0006

上記した手段によれば、インパルス応答波形系列値データが有限時間幅打ち切りによる誤差分を補償するようにされているから、回路規模を大きくすることなく変調精度を高くすることができる。

0007

図1図2には、この発明に係るディジタルフィルタに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法の一実施例を説明するための処理概念図が示されている。

0008

図1(B)に示すように、理想のルートロールオフの周波数特性1から、それを逆フーリェ変換して(A)のようなインパルス応答波形1aを求める。この理想のインパルス応答波形1aから(C)に示すように有限時間幅による打ち切りをしたインパルス応答波形2aを求める。この(C)のインパルス応答波形2aをフーリェ変換して(D)のような周波数特性2を算出する。

0009

上記(B)に示したような理想のルートロールオフフィルタの周波数特性1に対して、上記有限時間幅による打ち切り処理をしたインパルス応答波形2aに対応した波形系列値を用いると、(D)に示したようなルートロールオフの周波数特性のような誤差が生じる。そこで、特性1と特性2の第1誤差を求めて、上記誤差の生じる方向とは逆にゲインを加えた(E)のような周波数特性を算出する。同図において、1/2は、上記誤差分のゲイン、すなわち、(特性1の場合のゲイン)/(特性2の場合のゲイン)を表している。つまり、周波数特性1に1/2のような第1誤差分の逆数を乗じた周波数特性3を求める。この周波数特性3は、上記誤差分を補正する周波数特性とされるので、それを逆フーリェ変換することにより、(A)により近似されたインパルス応答波形を求めることができる。

0010

より精度を高くするならば、図2に示すように、ディジタルフィルタに用いられるときには、(B)のような第1誤差補正周波数特性を逆フーリェ変換して(A)のようなインパルス応答波形を求めても、回路規模に対応した(C)のように有限時間幅に対応したインパルス応答波形系列値しか使用できない。そこで、(D)のように再びフーリェ変換して周波数特性4を求める。この周波数特性4とその元となった(A)の周波数特性3との第2誤差を求めて、この第2誤差の生じる方向とは逆にゲインを加えた(E)のような周波数特性を算出する。同図において、1/4は、上記誤差分のゲインを表している。つまり、周波数特性3に1/4のような誤差分の逆数を乗じた周波数特性5を求める。この周波数特性4は、上記第2誤差分を補正する周波数特性とされるので、それを逆フーリェ変換することにより、(B)により近似されたインパルス応答波形を求めることができる。

0011

以下、同様な算出処理を複数回に渡って繰り返して行うことにより、限りなく図1の(B)の理想のロートロールオフフィルタの周波数特性に限りなく近い、有限時間幅のインパルス応答波形系列値を求めることができる。なお、上記第1誤差補正周波数特性や第2誤差周波数特性を用いるものであってもよいことはいうまでもない。

0012

図3図4には、この発明に係るディジタルフィルタに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法の他の一実施例を説明するための概念図が示されている。ルートナイキストフィルタ(ルートロールオフフィルタ)の出力信号はD/A(ディジタル/アナログ変換器によりアナログ信号とされる。このD/A変換器は、アパーチャ効果によって図3(B)のような周波数特性を持つものである。したがって、D/A変換器の入力に、図3(A)のような理想のルートナイキストフィルタの周波数特性を持つようなディジタル信号が入力されても、D/A変換器から出力されるアナログ信号は、図3(C)のようにアパーチャ効果による誤差分を含んだ周波数特性を持つものとなってしまう。

0013

この実施例では、図4(D)のようなアパーチャ効果を持つ周波数特性に対して、図4(B)のような逆数特性を求める。つまり、D/A変換器のアパーチャ効果によるディジタルフィルタの出力の周波数特性の変化を考慮し、図4(A)の理想のルートロールオフフィルタの周波数特性1のゲインが0となる周波数faまでアパーチャ効果のゲインの逆数をかけた周波数特性12を求める。そして、図4(A)のような理想のルートロールオフフィルタの周波数特性1又は図1又は図2のような第1補正周波数特性3や第2周波数特性5を乗じた図4(C)に対応した補正周波数特性を算出する。

0014

このような補正周波数特性から前記同様にインパルス応答波形系列値を求めて図4(C)のような補正周波数特性を持つルートナイキストフィルタを構成する。これにより出力されたディジタルフィルタの出力信号をD/A変換器によりアナログ信号に変化すると、図4(E)のようにアパーチャ効果が補正された周波数特性を持つ変調波形を得ることができる。

0015

図5には、この発明に係るディジタルフィルタに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法の更に他の一実施例を説明するための処理概念図が示されている。この実施例では、図5(A)のようなルートロールオフ周波数特性を示す式が次のように3つの区間に分けて表されることを利用するものである。
ID=000003HE=015 WI=108 LX=0510 LY=2600

0016

こここで、“f”は周波数fの絶対値を表し、αはロールオフ率であり、B(=β)は、余弦下降項のべき乗数でありる。ルートナイキストフィルタにおける上記べき乗数Bは、0.5である。前記図2ないし図4における理想のルートロールオフフィルタ(ルートナイキストフィルタ)の周波数特性1は、上記式によりそれぞれ求められるものである。

0017

前記説明したように、(B)のように上記べき乗数Bを0.5にしたときの理想のルートナイキストフィルタの周波数特性に対して、前記のような有限時間幅によるインパルス応答波形の打ち切りを行ったときの波形系列値を用いると、同図(C)に示すような誤差分を含んだ周波数特性になる。これに対して、上記べき乗数Bを0.5以下(β<0.5)にすると、点線で示した上記べき乗数Bを0.5にしたときの理想の周波数特性に対して、上記余弦下降部分でゲインが増加した波形になることに着目し、上記βを0.49等にして複数の補正周波数特性を求める。以下、前記図1図2と同様に、逆フーリェ変換してインパルス応答波形を求め、それを有限時間幅で打ち切り処理をして波形系列値を算出する。この波形系列値からフーリェ変換して理想のロートナイキストフィルタの誤差を求めて、誤差が最も小さくなるべき乗数を探し出すようにするものである。

0018

すなわち、基本的にはルートロールオフフィルタのインパルス応答を有限時間幅打ち切った(C)に示した波形系列値の周波数特性2は、(A)の理想のルートロールオフフィルタの周波数特性1より、帯域内ゲインが下がってしまうことから上記べき乗数βを0.50より小さくしたものを用いるようにするものである。

0019

また、前記実施例と同様にこのティタルフィルタを搭載するモデムLSI半導体集積回路装置)では、ディジタルフィルタの出力をD/A変換器により、アナログの変調波形に変換する。本来このアナログの変調波形がルートロールオフの特性を持つことが必要であるので、前記図3に示すD/A変換器のアパーチャ効果によるディジタルフィルタの出力の周波数特性の変化を考慮し、ディジタルフィルタの出力が、理想のルートロールオフフィルタの周波数特性にD/A変換器のアパーチャ効果の逆数をかけた周波数特性になるように、べき乗数βを求めるようにすればよい。つまり、同図(B)ないし(D)の理想ルートロールオフの周波数特性1に合わせていたものを第4図(C)の周波数特性に合わせれば良い。

0020

図6には、本発明に係るディジタルフィルタを搭載してなる携帯通信端末装置の一実施例のブロック図が示されている。この実施例の携帯通信端末装置は、音声コーデック部201、中間周波数部202、及び高周波部203から構成される。

0021

音声コーデック部201は、マイクロフォン210から入力された送信アナログ音声信号のうち高域雑音成分を抑制するプレフィルタ211、その出力をディジタル信号に変換するA/D変換器212、その出力をディジタル信号処理によって帯域圧縮し、また上記とは逆に、帯域圧縮された受信ディジタル音声信号をもとの帯域に伸長するためのDSP213、DSP213で帯域伸長された出力をアナログ音声信号に変換するD/A変換器214、その出力に含まれる高周波成分を抑圧しかつその出力を増幅するためのポストフィルタ215、このポストフィルタ215、このポストフィルタ215の出力によって駆動されるスピーカ216などによって構成される。

0022

中間周波数202は、前記DSP213から出力される信号に対して無線電送に適した変調、例えばガウシアンミニマム.シフト.キーイング(GMSK;Gaussian Minimum Shift Keying)変調またはπ/4シフト.キュー・ピー・エスケイ(QPSK)変調などを行なう本発明に係るディジタルフィルタを含む変調信号波形整形回路からなる第1変調回路が主となって構成される第1変調器220、第1変調器220の出力をアナログ信号に変換するD/A変換器221、その出力に含まれる高周波成分を抑圧するポストフィルタ222、及び上記とは逆に受信変調信号に含まれる位相のずれを検出し、電圧に変換する位相電圧変換器223、位相電圧変換器223の出力をディジタル信号に変換するA/D変換器224、このA/D変換器224の出力から元の基本信号成分復調する第1復調器225などによって構成される。

0023

上記の第1変調器220、D/A変換器221、及びポストフィルタ222は、システムの構成に応じて、互いに正相及び逆相信号出力を行なうために、あるいは90°の位相差、すなわち直交した信号出力を行なうために並列複数組設けられる。

0024

高周波部203は、ポストフィルタ222から出力される信号を、例えば800MHzから2GHz程度の無線周波数キャリア信号で変調するための第2変調器230、この変調器230の出力を所定の送信電力にまで増幅し、送受信切換スイッチ231を介してアンテナ232を防振するための高電力増幅器233、前記アンテナ232及びその増幅器234の出力から所望の信号を検波するための検波器235などから構成される。

0025

上記の第2変調器230は、システムの構成に応じて、例えば455KHzや90MHz程度のやや低い周波数で変調した後、所定の800MHzから2GHz程度の無線周波数キャリア信号で変調する等の、複数段に分けた構成がなされることがある。また図には示されていないが、携帯通信端末には、キーパッドダイヤル信号発生器、並びにバッテリー電源とする電源回路などが備えられている。

0026

図7には、この発明に係るディジタルフィルタの一実施例のブロック図が示されている。同図には、発明の理解を助けるために打ち切られた有限時間幅を持つインパルス応答波形も合わせて示されている。同図のディジタルフィルタを構成する各回路ブロックは、それと関連する他の回路とともに公知の半導体集積回路の製造技術によって単結晶シリコンのような1個の半導体基板上において形成される。

0027

この実施例のディジタルフィルタは、比較的小さな回路規模によって構成するために、同図に示されたインパルス応答波形図のような有限時間幅に対応したインパルス応答波形系列値が用いられる。この波形系列値は、前記実施例のような算出方法により、かかる有限時間幅での打ち切りによる誤差分を補償するような波形系列値が用いられる。

0028

つまり、ディジタルフィルタは、ある周期で入力されるディジタルの入力列に対し、この入力列の1つ1つを入力値のレベルの重みがかかったデルタ関数入力列とした時の、この入力列に対するある周波数特性をもったフィルタの応答波形系列値を出力するものである。この出力は、各入力値に対するインパルス応答波形をそれぞれの入力タイミングに応じ、重ねあわせ(合成)たものとなるが、ディジタルフィルタ構成上、無限時間にわたるインパルス応答波形を扱うことはできないため、この上記のような回路規模の兼ね合いで、インパルス応答波形をある有限時間幅で打ち切った波形の合成で表す。

0029

この実施例のディジタルフィルタは、インパルス応答波形を打ち切る幅(インパルス応答の重なりの数に対応)に応じた数の入力値をため込むシフトレジスタと、その各段の出力値がシフトレジスタの何段目の出力かに応じて、ROM等のメモリに格納しておいたインパルス応答を打ち切った波形系列値を入力周期ごとに分けた部分C1〜C6をその波形系列イミングTで読み出して乗算器により乗算し、それぞれ出力値の表すレベルx1〜x6を重みがけした値を加算器により加算する、いわゆる畳み込み演算を行うことによりディジタルフィルタの出力とするものである。

0030

図8には、この発明に係るディジタルフィルタの他の一実施例のブロック図が示されている。この実施例では、上記メモリと乗算器とが1つのROMにより置き換えられる。すなわち、ROMでは、各入力信号x1〜x6とそれぞれに対応した入力周期ごとC1〜C6の波形系列値とを乗算したデータを記憶させておき、入力信号x1〜x6とタイミング信号Tにより読み出して加算器により加算するものである。

0031

図9には、この発明に係るディジタルフィルタの更に他の一実施例のブロック図が示されている。この実施例では、上記メモリと乗算器及び加算器とが1つのROMにより置き換えられる。すなわち、図8図9加算結果を全での入力信号x1〜x6に対応させて求めておいてそれをROMに記憶させ、入力信号x1〜x6とタイミング信号Tにより読み出して出力信号を得るものである。

0032

上記の実施例から得られる作用効果は、下記の通りである。すななわち、
(1)理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に対して有限時間幅の打ち切りによる誤差分を補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求め、このルートロールオフフィルタによるインパルス応答波形を算出して上記有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形系列値に用いることにより、出力信号の周波数特性の精度を高くすることができるという効果が得られる。

0033

(2)理想のルートオフフィルタの周波数特性に対して、有限時間幅の打ち切りによる誤差分と、後段に設けられるD/A変換器におけるアパーチャ効果とを補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求め、このルートロールオフフィルタによるインパルス応答波形を算出して上記有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形系列値に用いることにより、アナログ信号の周波数特性の精度を高くすることができるという効果が得られる。

0034

(3)理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に対して有限時間幅の打ち切りによる第1の誤差分を補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求め、このルートロールオフフィルタによるインパルス応答波形を算出するとともに上記有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形に対応したルートロールオフフィルタの第2の周波数特性を求め、この第2の周波数特性に対して上記有限時間幅の打ち切りによる第2の誤差分を補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求め、このルートロールオフフィルタによるインパルス応答波形を算出するとともに上記有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形を算出するという処理を複数回繰り返して行うことにより理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に近似された出力信号を得ることができるインパルス応答波形系列値を求めることができるという効果が得られる。

0035

(4)ルートロールオフフィルタの周波数特性における余弦下降項のべき乗数を、理想のルートロールオフフィルタの周波数特性におけるべき乗数により小さな値に設定し、それにより求められるルートロールオフフィルタの周波数特性の中から理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に対して有限時間幅の打ち切りによる誤差分を補償する最適なルートロールオフフィルタの周波数特性を探し出すという簡単な処理により、理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に近似された出力信号を得ることができるインパルス応答波形系列値を求めることができるという効果が得られる。

0036

以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、ルートロールオフ(ルートナイキスト)フィルタの周波数特性に対応し、有限時間幅で打ち切られたインパルス応答波形系列値を用いるディジタルフィルタの構成は何であってもよい。この発明は、ルートロールオフ(ルートナイキスト)フィルタの周波数特性に対応し、有限時間幅で打ち切られたインパルス応答波形系列値を用いるディジタルフィルタとそのインパルス応答波形系列値の算出方法に広く利用できる。

発明の効果

0037

本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、理想のルートロールオフフィルタの周波数特性に対して有限時間幅の打ち切りによる誤差分を補償するようなルートロールオフフィルタの周波数特性を求めてインパルス応答波形を算出して有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形系列値とする。このインパルス応答波形系列値の算出方法として、有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形に対応したルートロールオフフィルタ周波数特性から再び有限時間幅にて打ち切られたインパルス応答波形を求めるという処理を複数回繰り返すこと又は理想のルートロールオフフィルタの周波数特性におけるべき乗数として、より小さな値に設定し、それにより求められるルートロールオフフィルタの周波数特性の中から探し出すことにより、インパルス応答波形系列値データが有限時間幅打ち切りによる誤差分を補償するようにされているから、回路規模を大きくすることなく変調精度を高くすることができる。

図面の簡単な説明

0038

図1この発明に係るディジタルフィルタに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法の一実施例を説明するための一部の処理概念図である。
図2この発明に係るディジタルフィルタに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法の一実施例を説明するための残り一部の処理概念図である。
図3この発明に係るディジタルフィルタに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法の他の一実施例を説明するための一部の処理概念図である。
図4この発明に係るディジタルフィルタに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法の他の一実施例を説明するための残り一部の処理概念図である。
図5この発明に係るディジタルフィルタに用いられるインパルス応答波形系列値の算出方法の更に他の一実施例を説明するための処理概念図である。
図6本発明に係るディジタルフィルタを搭載してなる携帯通信端末装置の一実施例を示すブロック図である。
図7この発明に係るディジタルフィルタの一実施例を示すブロック図である。
図8この発明に係るディジタルフィルタの他の一実施例を示すブロック図である。
図9この発明に係るディジタルフィルタの更に他の一実施例を示すブロック図である。

--

0039

201…音声コーデック部、202…中間周波部、203…高周波部、210…マイクロフォン、211…プレフィルタ、212…A/D変換器、213…DSP、214…D/A変換器、215…ポストフィルタ、216…スピーカ、220…第1変調器、221…D/A変換器、222…ポストフィルタ、223…位相電圧変換回路、224…A/D変換器、225…第1復調器、230…第2変調器、231…送受信切換スイッチ、232…アンテナ、233…高電力増幅器、234…増幅器、235…検波器、ROM…リードオンリー・メモリ。

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