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技術 鉄と微量元素の分離方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 岡野輝雄
出願日 1993年7月28日 (27年0ヶ月経過) 出願番号 1993-185855
公開日 1995年2月14日 (25年5ヶ月経過) 公開番号 1995-043353
状態 未査定
技術分野 サンプリング、試料調製 クロマトグラフィによる材料の調査、分析
主要キーワード 高純度鉄 分析試料溶液 プロセス改善 定量分析結果 鉄鋼中 高純度材料 定量装置 ICP質量分析装置
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この項目の情報は公開日時点(1995年2月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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構成

鉄および微量元素を含む物質フッ化水素酸酸性溶液を調製し、この溶液陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂と接触させて該微量元素を少なくともいずれかのイオン交換樹脂吸着させることを特徴とする鉄と微量元素の分離方法

効果

本発明の方法に従えば、鉄鋼マトリックスとしての鉄と微量成分の分離が極めて容易に行われ、分離された微量成分を含む溶液をICP発光分析装置ICP質量分析装置などの多元素同時定量装置で測定することにより、ガス成分を除いたほとんど全成分の迅速な定量が可能となり、高純度鉄製造のプロセス改善品質コントロール威力を発揮する。

概要

背景

鉄鋼材料に要求される特性が高度化するに伴い、鉄鋼中不純物元素の低減が図られ、極微量成分の分析が重要となっている。いずれの元素も微量にコントロールされた高純度材料では従来問題とならなかった成分を含めてできるだけ多成分、望ましくは全成分の測定を行いできるだけ多くの成分の定量分析結果に基づく評価が必要である。しかし、従来の1元素ずつの測定を行う化学分析法あるいは原子吸光法では測定できない元素も多いのでこのような要求を満たす事ができず、加えて一層の迅速化、省力化などの要請も強い。

そこで、多元素同時分析が可能で、化学分析と同様に標準試料が不要で標準溶液により分析できる誘導結合プラズマ(以下、ICPと略す)発光分析法、あるいは最近ではICP質量分析法などが用いられるようになっている。しかし、これらの方法もスペクトルの妨害や試料導入部での詰まりなどの問題があるため、特に、微量分析においてはマトリックスを除去する必要がある。そのための方法として蒸留法溶媒抽出法イオン交換法などが検討されている。

鉄鋼材料の場合、マトリックス(鉄)を除去する方法として4−メチル2−ペンタノンによる溶媒抽出法がもっとも広く用いられている。この方法を用いるとほぼ100%の鉄が溶媒に抽出されるのでNi、Mn、Cr、Coなど多数の成分を鉄と分離することができる。

しかし、この方法は鉄といっしょに溶媒に一部あるいは全量が抽出されるSb、Mo、Sn、Vなどの元素には適用できない。しかも、4−メチル−2−ペンタノンに抽出されないといわれるW、Nb、Zrなどの加水分解を生じやすい元素の回収率は低い。

このような元素の分離にはクペロン分離法[材料とプロセス、5(1992)p.395参照]、陰イオン交換樹脂を用いる方法[Anal.Sci.,4(1988)、p.293参照]、あるいは陽イオン交換樹脂を用いる方法[特開平5−60739号公報参照]によりマトリックスであるFeと分離する方法が報告されている。

概要

鉄および微量元素を含む物質フッ化水素酸酸性溶液を調製し、この溶液を陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂と接触させて該微量元素を少なくともいずれかのイオン交換樹脂吸着させることを特徴とする鉄と微量元素の分離方法

本発明の方法に従えば、鉄鋼のマトリックスとしての鉄と微量成分の分離が極めて容易に行われ、分離された微量成分を含む溶液をICP発光分析装置ICP質量分析装置などの多元素同時定量装置で測定することにより、ガス成分を除いたほとんど全成分の迅速な定量が可能となり、高純度鉄製造のプロセス改善品質コントロールに威力を発揮する。

目的

かくして、本発明の目的は、鉄と微量元素を含む溶液を1回の処理に付することにより簡便に鉄と微量元素を分離することができる方法を提供することである。本発明の他の目的は、鉄鋼に含まれる微量元素を定量分析するにあたって鉄および微量元素を含有する分析試料溶液から微量元素を分離するための処理法として採用することのできる鉄と微量元素の分離方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

鉄および微量元素を含む物質フッ化水素酸酸性溶液を調製し、この溶液陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂と接触させて該微量元素を少なくとも一方のイオン交換樹脂吸着させることを特徴とする鉄と微量元素の分離方法

請求項2

鉄および微量元素を含む物質が鉄鋼に含まれる微量元素を分析するための試料である請求項1に記載の鉄と微量元素の分離方法。

技術分野

0001

本発明は鉄と微量元素分離方法、さらに詳しくは鉄鋼に含まれる微量元素を定量分析するにあたって、鉄および微量元素を含有する分析試料から微量元素を分離するための処理法として用いることのできる鉄と微量元素の分離方法に関する。

背景技術

0002

鉄鋼材料に要求される特性が高度化するに伴い、鉄鋼中不純物元素の低減が図られ、極微量成分の分析が重要となっている。いずれの元素も微量にコントロールされた高純度材料では従来問題とならなかった成分を含めてできるだけ多成分、望ましくは全成分の測定を行いできるだけ多くの成分の定量分析結果に基づく評価が必要である。しかし、従来の1元素ずつの測定を行う化学分析法あるいは原子吸光法では測定できない元素も多いのでこのような要求を満たす事ができず、加えて一層の迅速化、省力化などの要請も強い。

0003

そこで、多元素同時分析が可能で、化学分析と同様に標準試料が不要で標準溶液により分析できる誘導結合プラズマ(以下、ICPと略す)発光分析法、あるいは最近ではICP質量分析法などが用いられるようになっている。しかし、これらの方法もスペクトルの妨害や試料導入部での詰まりなどの問題があるため、特に、微量分析においてはマトリックスを除去する必要がある。そのための方法として蒸留法溶媒抽出法イオン交換法などが検討されている。

0004

鉄鋼材料の場合、マトリックス(鉄)を除去する方法として4−メチル2−ペンタノンによる溶媒抽出法がもっとも広く用いられている。この方法を用いるとほぼ100%の鉄が溶媒に抽出されるのでNi、Mn、Cr、Coなど多数の成分を鉄と分離することができる。

0005

しかし、この方法は鉄といっしょに溶媒に一部あるいは全量が抽出されるSb、Mo、Sn、Vなどの元素には適用できない。しかも、4−メチル−2−ペンタノンに抽出されないといわれるW、Nb、Zrなどの加水分解を生じやすい元素の回収率は低い。

0006

このような元素の分離にはクペロン分離法[材料とプロセス、5(1992)p.395参照]、陰イオン交換樹脂を用いる方法[Anal.Sci.,4(1988)、p.293参照]、あるいは陽イオン交換樹脂を用いる方法[特開平5−60739号公報参照]によりマトリックスであるFeと分離する方法が報告されている。

発明が解決しようとする課題

0007

従って、公知技術である上記4−メチル−2−ペンタノン溶媒抽出法と同じく公知技術である上記のクペロン分離法、陰イオン交換樹脂を用いる方法あるいは陽イオン交換樹脂を用いる方法のいずれかとを組み合わせることにより大部分の不純物元素をマトリックスの鉄と分離して、微量成分を高感度に精度よく定量できる。

0008

しかし、この場合に二つの全く異なる手法を用いるために分析時間、労力、試薬類、さらに分析試料も2倍以上を要し、煩雑かつコストが高くなるので、一回の操作で目的成分をマトリックスの鉄と分離する方法が望まれる。

0009

かくして、本発明の目的は、鉄と微量元素を含む溶液を1回の処理に付することにより簡便に鉄と微量元素を分離することができる方法を提供することである。本発明の他の目的は、鉄鋼に含まれる微量元素を定量分析するにあたって鉄および微量元素を含有する分析試料溶液から微量元素を分離するための処理法として採用することのできる鉄と微量元素の分離方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は上記目的を達成すべく研究を行った結果、フッ化水素酸酸性溶液では、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂いずれも鉄が吸着されずに溶出するのに対し、他の大部分の金属は陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂いずれかの樹脂に吸着されることを見出し本発明を完成するに到った。

0011

かくして、本発明によれば鉄および微量元素を含む物質のフッ化水素酸酸性溶液を調製し、この溶液を陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂と接触させて該微量元素を少なくとも一方のイオン交換樹脂に吸着させることを特徴とする鉄と微量元素の分離方法が提供され、本発明の上記目的が達成される。以下本発明を詳述するが、それにより本発明の他の目的、構成およびそれに基づく利点、効果が明らかとなろう。

0012

本発明の方法にあっては、まず分離の対象である鉄および微量元素を含む物質をフッ化水素酸酸性溶液として調製する。

0013

例えば、鉄鋼の試料から上記のフッ化水素酸酸性溶液を調製する場合は、該試料を適切な酸、例えばフッ化水素酸と硝酸混酸塩化水素酸と硝酸の混酸などにより加熱分解して溶解する。そして蒸発乾固後フッ化水素酸を添加することによりフッ化水素酸酸性溶液を得ることができる。鉄鋼を分解する酸としてフッ化水素酸あるいはフッ化水素酸を主成分とする混酸を用いたときは、加熱分解後、蒸発乾固することなく必要に応じて適量の水を加えることにより上記溶液を調製することができる。

0014

鉄および微量元素を含むフッ化水素酸酸性溶液中に含まれるフッ化水素酸の濃度は1〜10規定、特には2〜4規定であることが好ましい。

0015

上記フッ化水素酸酸性溶液中には他の鉱酸はなるべく存在しないことが好ましいが、フッ化水素酸酸性溶液において他の鉱酸濃度が1規定以下、好ましくは0.5規定以下であれば存在してもさしつかえない。

0016

このようにして調製された鉄および微量元素を含むフッ化水素酸酸性溶液(以下、単に「フッ化水素酸酸性溶液」ということもある)は陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂と接触せられて、微量元素がこれらのイオン交換樹脂に吸着され、鉄と分離される。

0017

イオン交換樹脂と鉄および各種の微量元素を含む酸性溶液とを酸の種類および濃度を変えて接触したとき、イオン交換樹脂に元素が吸着されて回収された割合を表1(陽イオン交換樹脂)および表2(陰イオン交換樹脂)に示す。

0018

0019

0020

この2つの表から明らかなようにフッ化水素酸酸性とした溶液を陽イオン交換樹脂に接触させると、鉄は吸着されず、Ni、Mn、Coなどの遷移金属は樹脂に吸着されるので鉄との分離が可能である。一方、Mo、Sb、Wなどのオキソ酸イオンとなって存在する元素も陽イオン交換樹脂には吸着されないが、これらの元素はフッ化水素酸酸性で陰イオン交換樹脂に吸着される。しかし、鉄は陽イオン交換樹脂の場合と同様に陰イオン交換樹脂には吸着されない。このような原理で鉄と微量元素との分離が可能となる。

0021

従って、微量元素がCu、Ni、Co、Mn、Cr、Ti、Ca、Mgなどの酸性側で陽イオンとなる元素およびSb、Sn、Mo、Nb、Zr、W、Taなどの酸性側でオキソ酸イオンを形成する元素の両者のいずれをも含む場合に本発明の方法が好適に適用される。

0022

本発明で使用できる陽イオン交換樹脂としてはポリスチレンスチレンジビニルベンゼン共重合体などを支持体とし、アニオンイトが−SO3-のものが好ましく、粒状、粉状のいずれの形状のものでもよい。このようなものは市販されており、例えばダウェックス50W、アンバーライトIR120B等が使用できる。

0023

本発明で使用できる陰イオン交換樹脂としてはポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などを支持体とし、カチオンサイトが4級アンモニウムイオンのものが好ましく、粒状、粉状いずれの形状のものでもよい。この種のものも市販されており例えば、ダウェックス1、アンバーライトIRA410等が使用できる。

0024

イオン交換樹脂の使用量は、フッ化水素酸酸性溶液に含まれる微量元素を吸着分離するのに充分な量用いられる。通常、微量元素の合計量10μgに対して0.5〜1ml程度用いられる。

0025

フッ化水素酸酸性溶液とイオン交換樹脂との接触は、該溶液を陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂からなる混合樹脂と接触することによりあるいは両者の樹脂と別々に接触することによって行われる。また、バッチ式連続式いずれでもよい。

0026

好ましい接触方法は、上記混合樹脂をカラム充填して、そこにフッ化水素酸酸性溶液を通液する方法が挙げられる。また、カラムを層状に例えば上下に区分し、一方の層に陽イオン交換樹脂を、他方の層に陰イオン交換樹脂を充填し、そこへ通液してもよい。また、カラムを二個用い、一方に陽イオン交換樹脂を、他方に陰イオン交換樹脂を充填し直列に連結して、そこへ通液することもできる。

0027

イオン交換樹脂にフッ化水素酸酸性溶液を通液する前に、あらかじめフッ化水素酸でこれらの樹脂を洗浄し、該溶液を通液した後は、樹脂量の5倍以上のフッ化水素酸を通液して鉄を充分に溶出させることが好ましい。

0028

以上の方法で陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂に吸着した微量元素は例えば2〜8規定の硝酸と接触することにより硝酸溶液として回収することができ、この溶液をICP発光分析装置ICP質量分析装置などで測定することにより容易に高純度鉄鋼材料中微量元素の多元素同時定量が可能である。

0029

以上説明した本発明の方法は鉄鋼の不純物の定量分析ばかりでなく、鉄を含む廃液メッキ液に含まれる微量元素の分析あるいは有用成分の回収などにも応用することができる。

0030

実施例1
鉄鋼標準試料を混酸(HF+HNO3)で分解し、2Nフッ化水素酸酸性液5mlとし、陽イオン交換樹脂(Dowex50W×8,50〜100メッシュ)と陰イオン交換樹脂(Dowex1×8,50〜100メッシュ)各々1mlを二層に充填したカラムに通液した。さらに、2Nのフッ化水素酸酸性液10mlを通液し、洗浄した。次に、4N硝酸10mlを流して得られた溶液を測定溶液とし、ICP質量分析法で定量した。定量結果を表3に示すが、標準値と良く一致した結果が得られた。

0031

発明の効果

0032

本発明の方法に従えば、鉄鋼のマトリックスとしての鉄と微量成分の分離が極めて容易に行われ、分離された微量成分を含む溶液をICP発光分析装置、ICP質量分析装置などの多元素同時定量装置で測定することにより、ガス成分を除いたほとんど全成分の迅速な定量が可能となり、高純度鉄製造のプロセス改善品質コントロールに威力を発揮する。

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