図面 (/)
目的
構成
概要
背景
概要
本発明の目的は、ディスプレイパネルと光学フィルターを概ね密着させて組み付けるときに発生する、表示品質を低下させる現象(ニュートンリング・モイスチャートラップ等)を防止するための最適な方法を提供することにある。本発明の他の目的は、従来の方法において発生する組み付け不良などの問題を解消し、組立工程の簡略化・コストダウンに貢献することにある。
本発明の光学フィルターは、その周辺部に光学フィルターと一体成形した「突起部」または「突出した段差部」または「光学フィルター面より低い段差部」を持つことを特徴とする。
目的
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 8件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
回折格子フィルター、フレネルレンズ、赤外線カットフィルター、紫外線カットフィルター、マイクロレンズアレイ等の、光学的機能を有する板状のフィルターであって、周辺部に突起、または突出した段差を有することを特徴とする光学フィルター。
請求項2
前記の突起、または突出した段差が、光学フィルターと一体成形されていることを特徴とする請求項1記載の光学フィルター。
請求項3
回折格子フィルター、フレネルレンズ、赤外線カットフィルター、紫外線カットフィルター、マイクロレンズアレイ等の、光学的機能を有する板状のフィルターであって、周辺部に光学フィルター表面より低い負の段差を持つことを特徴とする光学フィルター。
技術分野
0001
本発明は、液晶パネルなどのフラットディスプレイにほぼ密着して用いる、光学フィルターの構造に関する。本発明は、液晶パネル、EL素子、プラズマディスプレイなどのフラットディスプレイにおいて、その表示品質を向上・改善するために用いる光学フィルター全般に利用できる。特に、樹脂成形または切削により製造される光学フィルターにおいて本発明は有効である。
背景技術
0002
近年、情報機器の小型化・薄型化・軽量化が進み、フラットディスプレイが多く用いられている。それらの機器の多くは、ディスプレイパネルの前後に更に光学フィルターを組み込み、表示品質の向上やパネルの寿命向上を図っている。
0003
液晶テレビにおける照度向上のためのマイクロレンズアレイや、画素微細化のための回折格子などは表示品質の向上の例であり、液晶プロジェクターにおけるパネル温度上昇防止のための赤外線カットフィルターは、寿命向上の例である。
発明が解決しようとする課題
0004
機器の小型化、薄型化が進み、従来個別に保持できたディスプレイパネルと光学フィルターの間隔が狭くなり、ほぼ密着して組み込まざるを得なくなってきている。しかしながら、この場合、下記のような不具合が発生する。
0005
1)ディスプレイパネルと光学フィルターの互いに向き合う面が共に平滑面の場合、間隔が均一でないとニュートンリングが発生する。
0006
2)ディスプレイパネルと光学フィルターの間隔が狭すぎると、モイスチャートラップ現象が起こり、高湿度環境下で隙間に結露を生じる。
0007
上記1)、2)の問題を防止するには、図4の従来例に示すように、薄いフィルムを枠の形に抜いたスペーサー32を、ディスプレイパネル33と光学フィルター31の間に挟み込む方法が一般的であるが、スペーサーフィルムの位置決め・定位置保持が難しく、しばしば画面内にはみ出したりパネル外形から飛び出して、組み立て不良となったりする。
0008
また、回折格子、フレネルレンズのように、光の屈折現象を応用した光学フィルターでは、パネルと光学フィルターの距離が重要である。ところが、薄いフィルムをスペーサーとして用いる従来の方法では、
3)1枚毎のスペーサーが薄くて軽いため、フィルム同士がくっついて、1枚ずつ供給すべき所を2枚以上供給して組み込んでしまい、所定の間隔が得られない事がある。しかも、1枚の厚さが薄いため、組立工程中での異常検出・排除が難しく、組立後の表示検査で検出して、不良品を分解・再組立しているのが現状である。
課題を解決するための手段
0009
上記の問題1)、2)、3)は、スペーサーフィルムを使用せずに、ディスプレイパネルと光学フィルターの間に所定の間隔を確保できれば解決する。
0011
以下、本発明の実施例を図を用いながら説明する。
0012
図1は、本発明の実施例の一つであり、光学フィルターの周辺部に複数の突起を形成し、この突起をディスプレイパネルに接触させる例である。突起部2の光学フィルター面からの高さを所定の寸法にすることで、光学フィルター1とディスプレイパネル3との間隔を均一かつ最適にとることができ、ニュートンリングやモイスチャートラップの発生を防ぐことができる。
0013
図2は、本発明の他の実施例であり、光学フィルターの外周に突出した段差部を形成し、ディスプレイパネルに突出した段差部を接触させる例である。原理・効果は図1の実施例と同様である。図2の実施例は、光学フィルターに対し外力が加わる可能性がある場合に、光学フィルターの剛性を高め、その変形を防止・軽減するのに有効である。
0015
図3は、本発明の他の実施例であり、図2とは逆に、周囲の段差面が光学フィルター面より低くなるように形成した例である。この実施例の光学フィルターは、ディスプレイパネルを組み込んだ既存の製品に、光学フィルターを後から付け加える場合等に使用する。既存の製品においては、ディスプレイパネル23は製品の外装24の表面より奥に入っていることが多い。この引っ込み量が光学フィルターとディスプレイパネルの適正間隔より大きい場合、外周に負の段差部22を設けた光学フィルター21を使用することによって、光学フィルター面をディスプレイパネル面に近づけ、適正な間隔を確保できる。
0017
尚、本発明はディスプレイパネルを対象に説明したが、それ以外でも光学フィルターを用いる必要のあるパネル形状のものに適用可能である。
発明の効果
0018
以上、説明したように、本発明の構造を備えた光学フィルターを用いることにより、従来の方法において問題となっていたニュートンリング、モイスチャートラップの発生を防ぎ、光学フィルターとディスプレイパネルの間隔を正確かつ容易に最適値に設定でき、良好な表示品質を得ることができる。
0019
また、従来用いられていたスペーサーを使用しないことにより、組立作業時に発生する組み込み不良の問題も解消できる。
図面の簡単な説明
0021
図1本発明の実施例。周辺部に突起を持つ光学フィルターの斜視図。
図2本発明の実施例。外周に突出した段差部を持つ光学フィルターの斜視図。
図3) (a)本発明の実施例。外周に光学フィルター面より低い負の段差部を持つ光学フィルターの斜視図。
(b)本発明の実施例。図3(a)の光学フィルターを既存の製品に組み込んだ断面図。
図4従来の実施例。フィルムスペーサーを使用した例の斜視図。
--
0022
1,11,21,31光学フィルター
2突起部
12 外周の突出した段差部
22 外周の負の段差部
3,13,23,33ディスプレイパネル
24 既存の製品の外装
32フィルムスペーサー
技術視点だけで見ていませんか?
この技術の活用可能性がある分野
分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成