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技術 金属帯板の連続加熱方法および表面特性の優れた金属帯板の連続製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 安達一成相澤均京野一章喜安哲也小橋正満
出願日 1993年6月30日 (27年7ヶ月経過) 出願番号 1993-162447
公開日 1995年1月20日 (26年1ヶ月経過) 公開番号 1995-018465
状態 拒絶査定
技術分野 金属の化成処理 溶融金属による被覆 金属質材料の表面への固相拡散 薄鋼板の熱処理 熱処理 ストリップ・線材の熱処理
主要キーワード 最表面温度 電磁気的性質 シール設備 地金表面 マイクロ放電 雰囲気組成 冷却水流通路 加熱処理用
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

目的

金属帯板の加熱または表面特性改質を迅速かつ均一に行なうことができ、金属帯板を高速走行させ大量に処理することができる方法の提供。

構成

連続的に通板される金属帯板の幅方向に、磁界により熱プラズマを高速で走査し、金属帯板に熱プラズマによる処理を施すことを特徴とする金属帯板の連続加熱または表面特性の優れた金属帯板の連続製造方法

概要

背景

従来、金属帯板表面特性改質するために、各種の処理が行なわれている。例えば、表面の酸化物層を除去し、めっき、塗布等の表面処理特性を改善するために、湿式または乾式の還元処理が表面に施される。また、表面の硬度化成処理性機械的性質磁性等の特性を改善するために、浸炭、窒化、ほう化等の処理が施される。また、めっき後の加熱処理によるめっき組織の制御、塗装後の加熱処理による塗膜焼付硬化等の処理が行なわれている。例えば、溶融亜鉛めっき鋼板は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を例にとると、加熱帯均熱帯、および冷却帯から構成される連続焼鈍処理工程と、溶融亜鉛ポットワイピング装置および合金化炉から構成される溶融亜鉛めっき工程とから構成される連続処理装置によって製造されている。この装置において、前段の工程から搬送されてきた鋼板は、加熱帯および均熱帯において700〜900℃に昇温され、冷却帯にて約450〜550℃に冷却され、溶融亜鉛ポットに浸漬されて亜鉛めっきが施された後、ワイピング装置によって所定の亜鉛めっき量に調整され、合金化炉において加熱処理により合金化亜鉛めっき鋼板となる。また、非合金の溶融亜鉛めっきの場合には、合金化炉における加熱処理は行なわれない。

ところで、このような溶融亜鉛めっき処理を、Si、Mn等を含む高張力鋼板に施した場合、含有されるSi、Mn等の元素は、焼鈍処理によって選択酸化され、これらの元素の酸化物からなる酸化物層が形成されてしまう。このように鋼板表面が金属鉄ではなく、この酸化物層に被覆されている部分は、次の溶融亜鉛めっき工程における亜鉛めっきの密着性に劣り、甚だしい場合には、不めっきが発生することとなる。特に、より強度の高い高張力鋼板とするために、Si、Mn等の元素の含有量が多い鋼板の場合には、不めっきの発生により、高張力鋼板を素材とする溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができないという事態に至る場合があった。また、一般の軟鋼板においても、高張力鋼板ほど顕著ではないが、表面酸化物層の形成による溶融亜鉛めっき性の悪化という問題を潜在的に抱えている。

そこで、溶融亜鉛めっきをする前の前処理として、前記酸化物層を除去するために、温度300〜700℃の範囲で減圧下、鋼板に低温プラズマによる還元処理を施す方法が提案されている(特開平2−213460号公報)。しかし、この方法において、
板温度の低い鋼板には、直接適用することができない。
低温プラズマ処理は、処理に多くの時間を要し、鋼板の連続処理等のような、大量処理を行なうプロセスに適用するのが困難である。
という問題がある。

ところで、プラズマ処理には、大別して低温プラズマ処理と熱プラズマ処理とがある。低温プラズマ処理は、直流グロー放電高周波放電、またはマイクロ放電により発生し、圧力が数十Torr以下、電子温度が数万度と高温である、気体原子イオンの温度は数百度の低温であるプラズマによる処理である。また、熱プラズマ処理は、アーク放電あるいは高周波放電によって発生する、圧力が約100Torr以上、電子密度が1016〜1018cm-3程度の高温高密度である、電子温度と気体原子・イオンの温度とがほぼ等しく局所平衡状態にあるプラズマによる処理である。この熱プラズマ処理は、プラズマ溶射、切断、溶接等の各種の金属加工、あるいは溶解、還元等の金属精錬などに応用されている公知の技術である。この熱プラズマを溶融亜鉛めっき前の鋼板の前処理に利用すれば、短時間で迅速に処理を行なうことができると期待される。

この熱プラズマ処理に使用される装置として、従来、大気圧下における加熱処理用に使用されるプラズマトーチが知られている。このプラズマトーチは、図7に示すように、陰極41と、該陰極41を囲むように同心円状に形成された陽極42とを有するものである。陽極42の先端部には、陰極41の軸線延長方向に開口された熱プラズマ放出口43を有し、また、陽極42の先端部44の内部には、熱プラズマ放出口43を囲むように冷却水流通路45が配設されている。陰極41と陽極42とは、電源46に接続されている。このプラズマトーチにおいて、電源46から供給される電力により、陰極41と陽極42の間隙47にアークを発生させるとともに、該間隙47にアルゴンガス窒素ガス等の作動ガスと、目的に応じて選択された水素ガスメタンガス等の処理ガスを矢印Bで示すように供給して、処理ガスをプラズマ化させ、高温の熱プラズマのジェット49として熱プラズマ放出口43から鋼板50に噴出させるものである。一般に、このプラズマトーチによる熱プラズマのジェット49は、熱的ピンチ効果によって収束された円柱状に近い形状、例えば、直径10〜20mm程度の円錐状に鋼板50に噴射される。

概要

金属帯板の加熱または表面特性の改質を迅速かつ均一に行なうことができ、金属帯板を高速走行させ大量に処理することができる方法の提供。

連続的に通板される金属帯板の幅方向に、磁界により熱プラズマを高速で走査し、金属帯板に熱プラズマによる処理を施すことを特徴とする金属帯板の連続加熱または表面特性の優れた金属帯板の連続製造方法

目的

そこで、本発明の目的は、金属帯板の加熱または表面特性の改質を迅速かつ均一に行なうことができ、金属帯板を高速で走行させ大量に処理することができる方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

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請求項1

連続的に通板される金属帯板幅方向に、磁界により熱プラズマ高速走査し、金属帯板に熱プラズマによる加熱処理を施すことを特徴とする金属帯板の連続加熱方法

請求項2

連続的に通板される金属帯板の幅方向に、金属表面を改質する元素を含む熱プラズマを磁界により高速で走査し、金属帯板の表面に熱プラズマによる改質処理を施すことを特徴とする表面特性の優れた金属帯板の連続製造方法

技術分野

金属帯板表面改質を短時間かつ高い応答性で行うことができる。

背景技術

0001

本発明は金属帯板の連続加熱方法および表面特性の優れた金属帯板の連続製造方法に関する。

0002

従来、金属帯板の表面特性を改質するために、各種の処理が行なわれている。例えば、表面の酸化物層を除去し、めっき、塗布等の表面処理特性を改善するために、湿式または乾式の還元処理が表面に施される。また、表面の硬度化成処理性機械的性質磁性等の特性を改善するために、浸炭、窒化、ほう化等の処理が施される。また、めっき後の加熱処理によるめっき組織の制御、塗装後の加熱処理による塗膜焼付硬化等の処理が行なわれている。例えば、溶融亜鉛めっき鋼板は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を例にとると、加熱帯均熱帯、および冷却帯から構成される連続焼鈍処理工程と、溶融亜鉛ポットワイピング装置および合金化炉から構成される溶融亜鉛めっき工程とから構成される連続処理装置によって製造されている。この装置において、前段の工程から搬送されてきた鋼板は、加熱帯および均熱帯において700〜900℃に昇温され、冷却帯にて約450〜550℃に冷却され、溶融亜鉛ポットに浸漬されて亜鉛めっきが施された後、ワイピング装置によって所定の亜鉛めっき量に調整され、合金化炉において加熱処理により合金化亜鉛めっき鋼板となる。また、非合金の溶融亜鉛めっきの場合には、合金化炉における加熱処理は行なわれない。

0003

ところで、このような溶融亜鉛めっき処理を、Si、Mn等を含む高張力鋼板に施した場合、含有されるSi、Mn等の元素は、焼鈍処理によって選択酸化され、これらの元素の酸化物からなる酸化物層が形成されてしまう。このように鋼板表面が金属鉄ではなく、この酸化物層に被覆されている部分は、次の溶融亜鉛めっき工程における亜鉛めっきの密着性に劣り、甚だしい場合には、不めっきが発生することとなる。特に、より強度の高い高張力鋼板とするために、Si、Mn等の元素の含有量が多い鋼板の場合には、不めっきの発生により、高張力鋼板を素材とする溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができないという事態に至る場合があった。また、一般の軟鋼板においても、高張力鋼板ほど顕著ではないが、表面酸化物層の形成による溶融亜鉛めっき性の悪化という問題を潜在的に抱えている。

0004

そこで、溶融亜鉛めっきをする前の前処理として、前記酸化物層を除去するために、温度300〜700℃の範囲で減圧下、鋼板に低温プラズマによる還元処理を施す方法が提案されている(特開平2−213460号公報)。しかし、この方法において、
板温度の低い鋼板には、直接適用することができない。
低温プラズマ処理は、処理に多くの時間を要し、鋼板の連続処理等のような、大量処理を行なうプロセスに適用するのが困難である。
という問題がある。

0005

ところで、プラズマ処理には、大別して低温プラズマ処理と熱プラズマ処理とがある。低温プラズマ処理は、直流グロー放電高周波放電、またはマイクロ放電により発生し、圧力が数十Torr以下、電子温度が数万度と高温である、気体原子イオンの温度は数百度の低温であるプラズマによる処理である。また、熱プラズマ処理は、アーク放電あるいは高周波放電によって発生する、圧力が約100Torr以上、電子密度が1016〜1018cm-3程度の高温高密度である、電子温度と気体原子・イオンの温度とがほぼ等しく局所平衡状態にあるプラズマによる処理である。この熱プラズマ処理は、プラズマ溶射、切断、溶接等の各種の金属加工、あるいは溶解、還元等の金属精錬などに応用されている公知の技術である。この熱プラズマを溶融亜鉛めっき前の鋼板の前処理に利用すれば、短時間で迅速に処理を行なうことができると期待される。

発明が解決しようとする課題

0006

この熱プラズマ処理に使用される装置として、従来、大気圧下における加熱処理用に使用されるプラズマトーチが知られている。このプラズマトーチは、図7に示すように、陰極41と、該陰極41を囲むように同心円状に形成された陽極42とを有するものである。陽極42の先端部には、陰極41の軸線延長方向に開口された熱プラズマ放出口43を有し、また、陽極42の先端部44の内部には、熱プラズマ放出口43を囲むように冷却水流通路45が配設されている。陰極41と陽極42とは、電源46に接続されている。このプラズマトーチにおいて、電源46から供給される電力により、陰極41と陽極42の間隙47にアークを発生させるとともに、該間隙47にアルゴンガス窒素ガス等の作動ガスと、目的に応じて選択された水素ガスメタンガス等の処理ガスを矢印Bで示すように供給して、処理ガスをプラズマ化させ、高温の熱プラズマのジェット49として熱プラズマ放出口43から鋼板50に噴出させるものである。一般に、このプラズマトーチによる熱プラズマのジェット49は、熱的ピンチ効果によって収束された円柱状に近い形状、例えば、直径10〜20mm程度の円錐状に鋼板50に噴射される。

0007

しかし、前記従来のプラズマトーチによる熱プラズマは、内部の温度分布が大きいため、このプラズマトーチを、鋼板の幅方向複数個直列に配列して、鋼板の熱プラズマ処理を行なう場合、鋼板の幅方向の温度分布が大きくなり、熱歪みの発生の原因となる。さらに、処理された鋼板の表面全体にわたって均一な表面特性を得ることが困難であった。また、これらの処理を商業的に成り立たせるためには、金属帯板を加熱したり、あるいは各種の表面特性を改質する処理を大量にかつ迅速に行なうことが望まれている。

課題を解決するための手段

0008

そこで、本発明の目的は、金属帯板の加熱または表面特性の改質を迅速かつ均一に行なうことができ、金属帯板を高速走行させ大量に処理することができる方法を提供することにある。

0009

本発明者らは、前記課題を解決するために、金属帯板として鋼板を例にとり、その表面特性を改質する例として、熱プラズマによる鋼板表面の還元処理について検討を行なった。まず、プラズマの作動ガスとしてアルゴンガスを用い、還元ガスとして水素ガスを用いて、鋼板の表面に熱プラズマによって還元処理を施こす実験を行なった。その実験における鋼板の最表面温度および平均温度を逐時測定した結果を図1に示し、また、熱プラズマ処理時間と鋼板表面の還元量との関係を図2に示す。この図1に示す結果から、鋼板の最表面温度は、鋼板全体の平均温度に比べて、短時間に昇温させることが可能であり、また、図1図2により、鋼板の平均温度が上昇していないときでも、鋼板の最表面温度が上昇すれば、鋼板表面の還元が迅速に進行することがわかる。したがって、鋼板表面の還元は、鋼板とプラズマとの反応によるところが大きく、鋼板の最表面温度の上昇が重要であり、鋼板の平均温度は2次的なものであることがわかる。ところで、プラズマ照射条件を調整すれば、鋼板の最表面温度と平均温度との差を小さくすることができる。以上の結果から、短時間の処理で迅速に金属帯板の表面特性を改質するためには、熱プラズマを利用することが有利であり、しかも金属帯板の最表面温度を局所的に昇温させるためには、加熱媒体から金属帯板への熱流速を非常に大きくすることができる熱プラズマが有用であることがわかった。

0010

一方、前記従来のプラズマトーチによる熱プラズマは、前記のとおり、金属帯板上に大きな温度分布が発生し、均一な表面特性を有する金属帯板を得ることが困難である。

0011

そこで、本発明者らは、熱プラズマを磁界によって走査し、熱プラズマをスリット状のジェットとして放出するリニア型プラズマ装置によって、金属帯板の幅方向に熱プラズマを高速で走査して熱プラズマ処理を施すことにすれば、処理される金属帯板上の温度分布を均一とすることができ、均一な表面特性を有する金属帯板を高速で得ることができることに着目し、本発明に到達した。

0012

すなわち、本発明は、連続的に通板される金属帯板の幅方向に、磁界により熱プラズマを高速で走査し、金属帯板に熱プラズマによる加熱処理を施すことを特徴とする金属帯板の連続加熱方法を提供するものである。

0013

また、本発明は、連続的に通板される金属帯板の幅方向に、金属表面を改質する元素を含む熱プラズマを磁界により高速で走査し、金属帯板の表面に熱プラズマによる改質処理を施すことを特徴とする表面特性の優れた金属帯板の連続製造方法をも提供するものである。

0014

以下、本発明の金属帯板の連続加熱方法(以下、「本発明の第1の方法」という)および表面特性の優れた金属帯板の連続製造方法(以下、「本発明の第2の方法」という)について、詳細に説明する。

0015

本発明を適用して加熱処理または表面特性の改質処理が施される金属帯板は、特に制限されず、冷延鋼板熱延鋼板電磁鋼板ステンレス鋼板等の鋼板、あるいは銅、アルミニウムチタン等のいずれの帯板であってもよい。

0016

また、本発明において、金属帯板の表面特性とは、表面の熱歪、めっき組織の密着性塗膜密着性りん酸塩処理性、表面の硬度、平滑性表面組織粒度電磁気的性質等の各種の表面特性をいう。

0017

本発明の第1の方法および第2の方法において、金属帯板の熱プラズマによる処理は、通板される金属帯板の幅方向に磁界によって熱プラズマを高速で走査することにより行なわれる。この熱プラズマ処理は、磁界により熱プラズマを金属帯板の幅方向に高速で走査できる装置であれば、いずれの装置を用いて行なってもよい。本発明の第1の方法においては、金属帯板の加熱処理のために、アルゴンガス、窒素ガス、水素ガスを作動ガスとし、望ましくは、雰囲気ガスと同一作動ガス(例えば、連続焼鈍炉では窒素−水素ガス)を利用し、プラズマの走査速度の早い方が良好であり、100m/秒好ましくは500m/秒の走査速度の熱プラズマが金属帯板に照射される。また、本発明の第2の方法においては、金属帯板の表面特性を改質するために、金属表面を改質する元素を含む熱プラズマが金属帯板に照射される。照射される熱プラズマは、帯板の地金組織・組成地金表面に生成している、あるいは生成させるべき化合物組成などにしたがって、適宜、処理ガスを選択し、この処理ガスを熱プラズマとし、金属帯板に照射、衝突させ、金属帯板の表面の改質を行なうことができる。用いられる処理ガスは、改善の対象とする表面特性、雰囲気ガス組成等に応じて適宜選択される。例えば、浸炭による表面の硬度、化成処理性改善等の表面改質を行なう場合には、CH4、C3 H8 (プロパン)等の炭化水素、またはCO、CO2 等が使用される。また、窒化処理による表面硬化等の表面改質の場合には、N2ガスあるいはN2 ガスに1〜3%のH2 を混合したガス等が使用される。さらに、鋼板表面の酸化物の還元を行う場合には、N2 ガスと1〜30%H2 ガスとの混合ガスやArガスと1〜30%H2 ガスの混合ガス等が使用される。

0018

本発明の第1の方法および第2の方法において、この熱プラズマ処理を行なうための装置として、例えば、図3に示すリニア型熱プラズマ処理装置を挙げることができる。この図3に示すリニア型熱プラズマ処理装置1は、通板される金属帯板2の表裏面のそれぞれに熱プラズマを照射・走査する一対以上のリニア型熱プラズマ照射装置3aおよび3bと、リニア型熱プラズマ処理装置1内を外部からシールするために、鋼板2の入口および出口に配設されたシール装置4aおよび4bを有するものである。また、熱プラズマ処理によって生じる排ガスを排出するための排気孔5を有するものである。特に、シール装置4aおよび4bは、プラズマガス(例えば、Ar、H2 )の組成と、前後の処理工程、処理装置等における雰囲気ガスの組成とが異なる場合、または金属帯板2と高温の熱プラズマ排ガスが前後の処理工程または処理装置等における温度に外乱を及ぼすおそれがある場合には、必須である。熱プラズマは大気圧または大気圧に近い圧力で発生可能であるので、大がかりな差圧シール設備が不要となる。多少の圧力差が必要な場合や雰囲気組成を変える場合、高温のプラズマ排ガスを回収する場合やエネルギー回収または排ガスが前後の雰囲気に外乱を及ぼす場合に、シール装置4aおよび4bが有効である。シールする圧力差が小さいので、現在の連続処理装置において常圧下で雰囲気制御するために使用されている程度の簡単なシール装置で十分である。

0019

このリニア型熱プラズマ処理装置1に用いられるリニア型熱プラズマ照射装置3aおよび3bとして、アーク放電または高周波放電による熱プラズマ発生装置が挙げられる。特に、アーク放電リニア型熱プラズマ照射装置の具体例として、図4に示す装置が挙げられる。この図4に示すアーク放電リニア型熱プラズマ照射装置は、相互に対向して断面コの字状に配置される一対の陽極6a,6bと、該一対の陽極6a,6bの間に挟まれるように、陽極6aと6bが形成する空間に突設される陰極7とを有するものである。また、陽極6a,6bと陰極7には、直流電源8が接続されている。陽極6aの先端部9、および陽極6bの先端部10には、それぞれ冷却水流通する冷却孔11が配設され、先端部9と10の間に直線状の熱プラズマ放出スリット12が形成され、陽極6bの端部には、作動ガスおよび処理ガスを導入するためのガス供給孔13が配設されている。さらに、陽極6aと6bの両側面を挟んで、一対の磁界発生装置14aと14bが対向して配設される。磁界発生装置14aと14bは、交流電源15に接続されている。

0020

このアーク放電リニア型熱プラズマ照射装置において、直流電源8に接続された陰極7と陽極6a,6bとの間の間隙16にアーク放電を形成するとともに、ガス供給孔13から、作動ガスおよび処理ガスを所定の割合で導入し、該放電アークによって熱プラズマが発生し、交流電源15に接続された磁界発生装置14aおよび14bによって、間隙16内に形成された熱プラズマに交番磁界を作用させることにより、熱プラズマ放出スリット12から電極長手方向Bに沿って直線状に熱プラズマジェット17が形成される。このとき、電極の長手方向Bに沿って均一に走査させることができる。熱プラズマの走査速度は、熱プラズマ処理を均一に行なうことができる点で、好ましくは100m/秒、さらに好ましくは500m/秒である。

0021

このように、電極の長手方向に沿って直線状に噴出する熱プラズマジェット17を、電極の長手方向に対して垂直の方向Cに沿って金属帯板を通板させれば、金属帯板の幅方向に均一な熱プラズマジェットを走査することができ、金属帯板の熱プラズマ処理を均一かつ効率的に行なうことができる。

0022

本発明の方法において、使用される作動ガスは、特に制限されず、適宜選択される。通常、作動ガスとして、アルゴンガス、窒素ガス、水素ガス等が一般的に用いられる。また、作動ガスおよび処理ガスの流量、ならびに流量割合等も、目的に応じて適宜決定される。また、作動ガスおよび処理ガスの流量、ならびに流量割合等も、目的に応じて適宜決定される。例えば、作動ガスとして窒素ガス500m3 /hr、処理ガスとして水素ガス5〜210m3 /hrとし、水素ガス濃度約1〜30%となる流量比で使用することができる。

0023

また、本発明の方法において、リニア型熱プラズマ処理装置1の排気孔5から熱プラズマ排ガスを回収し、これを他の工程または装置における熱源として利用し、さらにその排ガスを予熱源として利用すると、経済的に有利である。

0024

次に、連続焼鈍後、本発明の第2の方法によって冷延鋼板に熱プラズマ処理による還元処理を行なった後、合金化溶融亜鉛めっきを行なうプロセスについて、図5に基づいて説明する。図5に示すプロセスは、加熱帯21、均熱帯22、および冷却帯23から構成される連続焼鈍プロセス24と、熱プラズマ処理帯25と、溶融亜鉛ポット26、ワイピング装置27および合金化炉28から構成される合金化溶融亜鉛めっきプロセス29とで基本的に構成される。このプロセスにおいて、金属帯板30は、加熱帯21および均熱帯22において700〜900℃に昇温し、冷却帯24で300℃以下に冷却後、熱プラズマ処理帯25において熱プラズマ処理が施され、次に、溶融亜鉛めっきポット26に浸漬されて溶融亜鉛めっきされ、ワイピング装置27によって亜鉛めっき付着量を調整され、合金化炉28において合金化処理されて合金化溶融亜鉛めっき鋼板29が得られる。

0025

このプロセスにおいて、前記加熱帯21、均熱帯22、および冷却帯23における鋼板は、例えば、金属帯板の加熱、均熱は、燃焼ガスを直接、金属帯板に接触させるバーナ式、またはラジアントチューブ方式等の方法によって処理される。また、溶融亜鉛ポット26、ワイピング装置27および合金化炉28で基本的に構成される合金化溶融亜鉛めっきプロセス29における処理は、ワイピングガスワイピングが一般的であり、合金化炉における金属帯板の加熱は直火バーナー方式、誘導加熱方式、あるいはそれらの組合せなどによって行なわれる。

0026

このプロセスにおいて、熱プラズマ処理帯25における金属帯板の熱プラズマ処理は、前記リニア型熱プラズマ処理装置を用いて、通板される金属帯板の幅方向に磁界によって熱プラズマを高速で走査することにより行なわれる。

0027

また、本発明の第2の方法によって冷延鋼板に熱プラズマ処理による浸炭処理を行なうプロセスについて、図6に基づいて説明する。図6に示すプロセスは、加熱帯21と、熱プラズマ処理帯25と、均熱帯22と、冷却帯23とから基本的に構成される。このプロセスにおいて、金属帯板30は、加熱帯21において300〜600℃に加熱昇温された後、浸炭および加熱帯を構成する熱プラズマ処理帯25において処理ガスとして炭化水素などの炭素含有ガスを用いた熱プラズマ処理による浸炭処理および加熱処理が施され、次に、均熱帯22において700〜1000℃で均熱処理され、冷却帯23で100℃以下に冷却されて、浸炭焼入れ処理された冷延鋼板が得られる。

0028

このプロセスにおいて、前記連続浸炭焼入れプロセスの加熱帯21、均熱帯22、および冷却帯23における冷延鋼板の加熱、均熱および冷却、ならびに熱プラズマ処理帯25における熱プラズマ処理は、処理温度および処理時間ならびに熱プラズマ処理の処理ガスを除き、図5に示す連続焼鈍プロセス24の加熱帯21、均熱帯22、および冷却帯23における加熱、均熱および冷却、ならびに熱プラズマ処理帯25における熱プラズマ処理と同様な方法で行うことができる。なお、このプロセスでは、従来の加熱帯に比べ、熱プラズマ処理帯25でも急速加熱されるため、設備長を短くすることができる。また、このプロセスにおいて、熱プラズマのみで加熱する場合は、プラズマ装置(電極)を複数配列してもよい。

0029

以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。

0030

(実施例1)厚さ1.0mm、幅1200mmの金属帯板を、図5に示す連続プロセスにしたがって、通板速度120m/minにて、加熱帯において800℃に加熱した後、均熱帯で800℃×10秒間均熱処理を施し、さらに冷却帯で250℃まで冷却して焼鈍処理を施した。このとき、加熱帯から冷却帯までの雰囲気を、5%H2 −N2 とした。

0031

次に、図4に示すとおり、下記照射条件に調整された一対のリニア型熱プラズマ照射装置を配置した熱プラズマ処理帯に、鋼板を通板し、鋼板の表裏両面のそれぞれに、鋼板の平均温度が500℃、かつ最表面温度が約600℃になるように、熱プラズマを照射して熱プラズマ処理を施した。
電圧:30V,電流:50000A,出力:1500kW
磁束密度:5000Gauss
作動ガス(N2 )流量:500m3 /hr
還元ガス(H2 )流量: 15m3 /hr
電極と鋼板間の距離:15mm
次に、溶融亜鉛めっきポットに浸漬した後、ガスワイピングにより鋼板の亜鉛付着量を45g/m2 に調製し、さらに550℃で合金化処理して合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。

0032

(比較例1)上記と同様に、加熱帯、均熱帯および冷却帯を通板し、冷却帯における冷却温度を500℃とし、熱プラズマ処理を施さない以外は、実施例1と同様にして合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。

0033

次に、実施例1で得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板と、比較例1で得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板とを調査し、それぞれ全処理鋼板枚数に対する亜鉛めっきされていない部分を有する鋼板(不めっき鋼板)の枚数の割合(不めっき発生率)を調べたところ、表1に示すとおり、実施例においては、不めっきの発生がないことが分かった。

0034

0035

(実施例2)厚さ0.7mm、幅1200mmの金属帯板を、図6に示す連続プロセスにしたがって、通板速度150m/minにて、加熱帯において30℃から400℃に加熱した後、熱プラズマ処理帯において熱プラズマ処理によって浸炭するとともに800℃に加熱し、均熱帯で800℃×10秒間均熱処理を施し、さらに冷却帯で60℃まで冷却して、浸炭焼入れ処理を施した。このとき、熱プラズマ処理帯以外の加熱帯、均熱帯および冷却帯の雰囲気を、5%H2 を含むN2 とした。

0036

なお、熱プラズマ処理は、図4に示すとおり、下記照射条件に調整された一対のリニア型熱プラズマ照射装置を配置した熱プラズマ処理帯に、鋼板を通板し、鋼板の表裏両面のそれぞれに、鋼板の平均温度が500℃、かつ最表面温度が約600℃になるように、熱プラズマを照射して行った。
電圧:30V,電流:50000A,出力:1500kW×2基
磁束密度:5000Gauss
作動ガス(N2 )流量 :400m3 /hr/基
処理ガス(CH4 )流量: 20m3 /hr/基
電極と鋼板間の距離:15mm
こうして、得られた鋼板は、低AI(Aging Index )(40MPa)で高BH(80MPa)性の鋼板であった。この結果から、このプロセスによれば、短時間で加熱、浸炭処理が可能であることがわかる。

0037

本発明の方法によれば、高効率かつ短時間で金属帯板の加熱および表面特性の改質処理を行なうことができる。そのため、金属帯板を高速で通板させて大量に処理し、表面特性に優れる金属帯板を連続的に製造することができる。

図面の簡単な説明

0038

また、リニア型熱プラズマ処理によって、金属帯板の温度および表面温度を均一にすることができ、さらに、従来のプラズマトーチによる熱プラズマ処理では、金属帯板の幅方向に多数のプラズマトーチを配列する必要があるのに対して、少ない個数プラズマ発生装置で、所期の処理を行なうことができ、しかも電気回路系の簡素化が可能となるため、装置のメンテナンスが容易となる利点がある。そのため、本発明の方法においては、従来と比較して以下の利点が得られる。
温度分布が均一であり、熱歪みの発生がない。
金属帯板の全面を均一に表面改質処理できる。
プラズマトーチの数を著しく削減できる。
常圧の炉が使用でき、大がかりな差圧シール設備が不要。
高速で表面特性の熱プラズマ処理を行なうことができる。

--

0039

図1熱プラズマによる還元処理における鋼板の最表面温度と平均温度の関係を示す図。
図2熱プラズマによる還元処理における処理時間と鋼板の還元量の関係を示す図。
図3リニア型熱プラズマ処理装置の基本的構成を説明する図。
図4本発明の方法で用いられるアーク放電リニア型熱プラズマ照射装置の具体例を説明する図。
図5本発明の方法におけるプロセスの一例を示す図。
図6本発明の方法におけるプロセスの別の例を示す図。
図7従来のプラズマトーチによる熱プラズマ処理方法を説明する図。

0040

1リニア型熱プラズマ処理装置
2金属帯板
3a,3b リニア型熱プラズマ照射装置
4a,4bシール装置
5排気孔
6a,6b陽極
7陰極
8直流電源
9 陽極6aの先端部
10 陽極6bの先端部
11冷却孔
12熱プラズマ放出スリット
13ガス供給孔
14a,14b磁界発生装置
15交流電源
16間隙
17熱プラズマジェット
21加熱帯
22均熱帯
23冷却帯
24連続焼鈍プロセス
25熱プラズマ処理帯
26溶融亜鉛ポット
27ワイピング装置
28合金化炉
29合金化溶融亜鉛めっきプロセス
30 金属帯板
41 陰極
42 陽極
43 熱プラズマ放出口
44 陽極42の先端部
45冷却水流通路
46電源
47 間隙
49 熱プラズマのジェット
50 鋼板

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