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技術 優れた耐食性と耐摩耗性を有する鋳鉄及び該鋳鉄で形成されたシリンダライナ

出願人 TPR株式会社
発明者 山下信行岩下誉二宮崎誠道
出願日 1993年6月30日 (26年8ヶ月経過) 出願番号 1993-161613
公開日 1995年1月20日 (25年1ヶ月経過) 公開番号 1995-018368
状態 特許登録済
技術分野 ピストン、ピストンリング、シリンダ 金属質材料の表面への固相拡散
主要キーワード 潤滑油供給パイプ Crメッキ層 硫酸腐食 鋳鉄組織 鋳鉄材料 ステダイト 型黒鉛 窒素拡散層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年1月20日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

目的

耐食性耐摩耗性に優れた鋳鉄及びこの鋳鉄で鋳造したシリンダライナを提供することを目的とする。

構成

重量%で、C:2.5〜3.6,Si:1.4〜2.6,Mn:0.5〜1.0,P:0.1〜0.4,S:0.12以下、Cr:0.1〜0.4,B:0.03〜0.12,Cu:0.2〜2.0,Co:1.0〜10を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる化学組成と、主としてパーライトからなるマトリックス中に、ステダイト及びボロン化合物からなる硬質相片状黒鉛とが分散した組成からなる鋳鉄であり、この鋳鉄により、特にEGR装置を備えたディーゼルエンジンなどの内燃機関のシリンダライナを鋳造成形する。

概要

背景

一般に内燃機関シリンダライナには、耐摩耗性の良好な鋳鉄、たとえばマトリックスが主としてパーライトからなり、かつこのマトリックス中にステダイト及びボロン化合物とからなる硬質相片状黒鉛とが分散した組織を有する鋳鉄が使用されている。この鋳鉄は、通常T.C.:2.9〜3.5%,Si:1.8〜2.6%,Mn:0.5〜1.0%,P:0.1〜0.4%,S:0.12%以下、Cr:0.1〜0.4%,B:0.03〜0.12%,残部Feの化学組成を有している。

この材料は耐摩耗性は良好であるが、耐腐食摩耗性が十分でないので、EGR装置を付加したディーゼルエンジン用のシリンダライナなどに使用すると、シリンダライナ内周面に著しい腐食摩耗が生じ、耐久性不足する。シリンダライナの耐腐食摩耗性を高める試みとして、シリンダライナの内周面窒化処理を施すことが一般的に行われている。この場合表面窒化層の耐腐食摩耗性が改善されるだけであるから、窒化層が摩耗した後の腐食摩耗を防止することができない。

また鋳鉄材自身の耐食性を改善すること(たとえば特公平4−68373号公報参照)も検討されている。この公報によれば、CuおよびNiを添加して、鋳鉄組織オーステナイト化して硫酸腐食性の改善を図っている。しかしこの鋳鉄は従来のパーライト組織の鋳鉄に比べ、耐摩耗性が劣る欠点がある。

概要

耐食性と耐摩耗性に優れた鋳鉄及びこの鋳鉄で鋳造したシリンダライナを提供することを目的とする。

重量%で、C:2.5〜3.6,Si:1.4〜2.6,Mn:0.5〜1.0,P:0.1〜0.4,S:0.12以下、Cr:0.1〜0.4,B:0.03〜0.12,Cu:0.2〜2.0,Co:1.0〜10を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる化学組成と、主としてパーライトからなるマトリックス中に、ステダイト及びボロン化合物からなる硬質相と片状黒鉛とが分散した組成からなる鋳鉄であり、この鋳鉄により、特にEGR装置を備えたディーゼルエンジンなどの内燃機関のシリンダライナを鋳造成形する。

目的

本発明は、EGR装置を付加したディーゼルエンジンのシリンダライナでも好適に使用できる耐摩耗性、耐腐食摩耗性に優れた鋳鉄を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

重量で、C:2.5〜3.6%,Si:1.4〜2.6%,Mn:0.5〜1.0%,P:0.1〜0.4%,S:0.12%以下、Cr:0.1〜0.4%,B:0.03〜0.12%,Cu:0.2〜2.0%,Co:1.0〜10%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる化学組成を有し、かつ主としてパーライトからなるマトリックス中に、ステダイト及びボロン化合物からなる硬質相片状黒鉛とが分散した組織からなることを特徴とする優れた耐食性及び耐摩耗性を有する鋳鉄

請求項2

請求項1で記載された鋳鉄によって形成されたことを特徴とする優れた耐食性及び耐摩耗性を有するシリンダライナ

請求項3

表面に窒化層を有する請求項2記載のシリンダライナ。

技術分野

0001

本発明は耐腐食性及び耐摩耗性に優れた鋳鉄に関し、特にEGR装置を備えたディーゼルエンジン等の内燃機関シリンダライナ用に適した鋳鉄及び、該鋳鉄で形成されたシリンダライナに関する。

背景技術

0002

一般に内燃機関のシリンダライナには、耐摩耗性の良好な鋳鉄、たとえばマトリックスが主としてパーライトからなり、かつこのマトリックス中にステダイト及びボロン化合物とからなる硬質相片状黒鉛とが分散した組織を有する鋳鉄が使用されている。この鋳鉄は、通常T.C.:2.9〜3.5%,Si:1.8〜2.6%,Mn:0.5〜1.0%,P:0.1〜0.4%,S:0.12%以下、Cr:0.1〜0.4%,B:0.03〜0.12%,残部Feの化学組成を有している。

0003

この材料は耐摩耗性は良好であるが、耐腐食摩耗性が十分でないので、EGR装置を付加したディーゼルエンジン用のシリンダライナなどに使用すると、シリンダライナ内周面に著しい腐食摩耗が生じ、耐久性不足する。シリンダライナの耐腐食摩耗性を高める試みとして、シリンダライナの内周面窒化処理を施すことが一般的に行われている。この場合表面窒化層の耐腐食摩耗性が改善されるだけであるから、窒化層が摩耗した後の腐食摩耗を防止することができない。

0004

また鋳鉄材自身の耐食性を改善すること(たとえば特公平4−68373号公報参照)も検討されている。この公報によれば、CuおよびNiを添加して、鋳鉄組織オーステナイト化して硫酸腐食性の改善を図っている。しかしこの鋳鉄は従来のパーライト組織の鋳鉄に比べ、耐摩耗性が劣る欠点がある。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、EGR装置を付加したディーゼルエンジンのシリンダライナでも好適に使用できる耐摩耗性、耐腐食摩耗性に優れた鋳鉄を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

上記の課題を解決するために、本発明は次の構成からなる鋳鉄を提供するものである。すなわち、本発明は重量で、C:2.5〜3.6%,Si:1.4〜2.6%,Mn:0.5〜1.0%,P:0.1〜0.4%,S:0.12%以下、Cr:0.1〜0.4%,B:0.03〜0.12%,Cu:0.2〜2.0%,Co:1.0〜10%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる化学組成を有しかつ、主としてパーライトからなるマトリックス中に、ステダイト及びボロン化合物からなる硬質相と片状黒鉛とが分散した組織からなる鋳鉄を特徴とする。

0007

また、本発明はかゝる鋳鉄を素材として鋳造したシリンダライナを提供するものであり、さらにまた、該シリンダライナの表面に窒化処理を施して耐腐食摩耗性を一層改善したシリンダライナを提供するものである。本発明はEGR装置を付加したディーゼルエンジン用またはさらに高負荷のディーゼルエンジン用のシリンダライナを製造し、提供するものである。

0008

以下本発明の鋳鉄の各成分の作用と組成の限定理由について述べる。本発明は上述した従来内燃機関のシリンダライナ用に用いられている鋳鉄の化学成分を基本成分とし、この成分にCuとCoを添加したものである。Cuは、マトリックスに固溶し、その耐食性を向上させる作用がある。この作用を生じるには、Cuの添加量は、少なくとも0.2%以上添加する必要がある。他方Cuが2%を越えると、Cu中にFeが固溶したε相が析出し強度低下を引き起こす。また耐食性の改善の効果も飽和するので、Cuの添加量の上限は2%とする。

0009

CoはCuと同様マトリックスに固溶し、その耐食性を向上させるが、Cuとの複合添加によって耐食摩耗性がさらに向上する。この効果を発揮せしめるために、Coは1%以上必要である。しかし、Coが10%を越えると耐食性の改善効果が減少し費用の割に効果がなくなるので上限を10%とする。なお、本化学成分中にMo:0.2〜0.5%を添加すると、耐スカッフィング性、耐摩耗性及び強度が改善される。

0010

上記成分からなる鋳鉄の溶湯鋳型に注ぎ、所望の形状、たとえば内燃機関のシリンダライナを鋳造するが、このときの冷却速度中位の冷却速度にして冷却してマトリックスを主としてパーライト組織にし、かつ、このマトリックス中にステダイトとボロン化合物からなる硬化相と片状黒鉛とを分散せしめる。上記硬化相の量は3〜14%の範囲に、また片状黒鉛の量は8〜18%の範囲にある。

0011

このようにして鋳造されたシリンダライナは優れた耐摩耗性と良好な耐蝕食性を有する。また、さらに耐摩耗性を向上する必要がある場合は、シリンダライナの摺動面に窒化処理を施す。

0012

銑鉄鋼屑、CuおよびCoを配合して、表1に示す各組成の鋳鉄を高周波誘導炉で溶解した。この溶湯をフェロシリコン接種砂型鋳造で径30mmの丸棒を作製した。実施例の鋳鉄の機械的性質は、以下の範囲にあった。

0013

引張り強さ:28−32kg/mm2
また、実施例の鋳鉄の金属組織は、一般的に遊離フェライト1%以下で、パーライトマトリックス中にステダイト、ボロン化合物を主体とする硬質相が6%、サイズ4−6のA型黒鉛が90%分散した組織であった。次に上述の種々の組成を有する鋳鉄丸棒から往復動摩耗試験片を作製した。この往復動摩耗試験片を更に窒化処理を行ったものと無処理のものとの2種類を用意した。窒化処理の条件は、
窒化方法ガス窒化処理
温 度 590℃
時 間 30分
である。上記の窒化処理で摺動面に硬度HV870の化合物層(厚さ7μm)窒素拡散層(厚さ100μm)の窒化層が形成された。

0014

これらの往復動摩耗試験片の摺動相手材として、硬質Crめっきを施した鋼材を使用した。

0015

0016

上述の摺動対により、表2に示す腐食環境下で往復動摩耗試験を行い、鋳鉄材の腐食摩耗特性を評価した。往復動摩耗試験機試験片及び相手材の配置と構造を模式的に図1に示す。図中1は摩耗試験片(鋳鉄)で矢印の方向へ往復動する。2は相手材でその接触端をR18の球状に形成し、Crめっき3を施した。4は潤滑油を供給するパイプ、5は希硫酸を供給するパイプである。

0017

Crめっきの摩耗量は、形状測定器を用いて摩耗量を測定した。また摩耗試験片の摩耗量は、同様に形状測定器で摩耗段差により測定した。

0018

0019

腐食環境下での往復動摩耗試験結果を、表1に一括して示す。これによれば、実施例の鋳鉄材の摩耗量は、比較例の摩耗量に比べきわめて少なく同時に相手材の摩耗も少なかった。さらに実施例の鋳鉄材で窒化処理したものは、摩耗量がさらに少なく相手材の摩耗も少ないことが示されている。本発明の耐腐食摩耗性鋳鉄は、砂型鋳造、金型遠心鋳造等何れの鋳造方法によって製造可能である。

発明の効果

0020

本発明の鋳鉄材料は、優れた耐腐食摩耗性を有しているのでEGR装置を付加したディーゼルエンジン用のシリンダライナとして好適に使用できる。

図面の簡単な説明

0021

図1腐食摩耗試験装置の模式図である。

--

0022

1…摩耗試験片
2…相手材
3…Crメッキ層
4…潤滑油供給パイプ
5…希硫酸供給パイプ

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