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技術 粘着性に優れたプリプレグおよびその製造方法

出願人 東レ株式会社
発明者 得納正純村木俊夫
出願日 1993年7月1日 (27年4ヶ月経過) 出願番号 1993-163529
公開日 1995年1月20日 (25年10ヶ月経過) 公開番号 1995-018099
状態 未査定
技術分野 強化プラスチック材料 エポキシ樹脂
主要キーワード パック体 複合樹脂フィルム 積層層間 厚み中心 セル孔 織り糸 先端複合材料 粘着性樹脂層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年1月20日)のものです。
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構成

シート状強化材と2種の樹脂組成物A,Bからなるプリプレグであって、主としてシート状強化材中に含浸される樹脂組成物Aの粘度を、主として表層部に配置される樹脂組成物Bの粘度より低くした粘着性に優れたプリプレグ。前記樹脂組成物Aからなる層と樹脂組成物Bからなる層を積層してなる複合フィルムの、樹脂組成物Aからなる層をシート状強化材の少なくとも一方の面に向けて張り合わせた後に、加熱および/または加圧することを特徴とする粘着性に優れたプリプレグの製造方法。

効果

プリプレグ表面に所望の粘着性を付与でき、ハンドリング性が著しく改善でき、粘着性の経時変化がわずかである。

概要

背景

強化繊維マトリックス樹脂とからなるプリプレグより得られる繊維強化複合材料は、先端複合材料として航空・宇宙スポーツ用途を中心に広く活用されている。

このような繊維強化複合材料は、積層工程において中間基材であるプリプレグを複数枚積み重ねた後に、成形工程でマトリックス樹脂を加熱硬化させることによって作製することが出来る。

この際、ボイドのない緻密な成形体を得るには、プリプレグが適度の粘着性を有し、良好なハンドリング性を有していることが必要である。

繊維強化複合材料を作製するために用いられるプリプレグは、ガラス繊維炭素繊維、あるいは有機繊維の少なくとも一種類の強化繊維に、エポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂として含浸することによって得ることが出来る。

このとき、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をマトリックスとする場合には、一般に熱硬化性樹脂が本来優れた粘着性を有しているために、プリプレグに粘着性を付与することが出来る。

概要

シート状強化材と2種の樹脂組成物A,Bからなるプリプレグであって、主としてシート状強化材中に含浸される樹脂組成物Aの粘度を、主として表層部に配置される樹脂組成物Bの粘度より低くした粘着性に優れたプリプレグ。前記樹脂組成物Aからなる層と樹脂組成物Bからなる層を積層してなる複合フィルムの、樹脂組成物Aからなる層をシート状強化材の少なくとも一方の面に向けて張り合わせた後に、加熱および/または加圧することを特徴とする粘着性に優れたプリプレグの製造方法。

プリプレグ表面に所望の粘着性を付与でき、ハンドリング性が著しく改善でき、粘着性の経時変化がわずかである。

目的

そこで、本発明は、上記欠点がなく、マトリックス樹脂の種類、強化繊維の繊維含有率、強化繊維の撚りの有無に拘らず、優れた粘着性を有し、かつ強化繊維の乱れが無く、ドレープ性の良好なプリプレグを提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

シート状強化材と2種の樹脂組成物A,Bからなるプリプレグであって、主としてシート状強化材中に含浸される樹脂組成物Aは、エポキシ樹脂および硬化剤を主成分とし、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が0.5〜150ポアズであり、主として表層部に配置される樹脂組成物Bは、エポキシ樹脂を主成分とし、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が200〜30,000ポアズであることを特徴とする粘着性に優れたプリプレグ。

請求項2

樹脂組成物Bがエポキシ樹脂、固形ニトリルゴムおよび硬化剤からなることを特徴とする請求項1記載の粘着性に優れたプリプレグ。

請求項3

樹脂組成物Bの目付が0.5〜30g/m2 である請求項1または請求項2に記載の粘着性の優れたプリプレグ。

請求項4

エポキシ樹脂および硬化剤を主成分とし、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が0.5〜150ポアズである樹脂組成物Aからなる層と、エポキシ樹脂を主成分とし、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が200〜30,000ポアズである樹脂組成物Bからなる層を積層してなる複合フィルムの、樹脂組成物Aからなる層をシート状強化材の少なくとも一方の面に向けて張り合わせた後に、加圧することを特徴とする粘着性に優れたプリプレグの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、粘着性に優れたプリプレグおよびその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

強化繊維マトリックス樹脂とからなるプリプレグより得られる繊維強化複合材料は、先端複合材料として航空・宇宙スポーツ用途を中心に広く活用されている。

0003

このような繊維強化複合材料は、積層工程において中間基材であるプリプレグを複数枚積み重ねた後に、成形工程でマトリックス樹脂を加熱硬化させることによって作製することが出来る。

0004

この際、ボイドのない緻密な成形体を得るには、プリプレグが適度の粘着性を有し、良好なハンドリング性を有していることが必要である。

0005

繊維強化複合材料を作製するために用いられるプリプレグは、ガラス繊維炭素繊維、あるいは有機繊維の少なくとも一種類の強化繊維に、エポキシ樹脂に代表される熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂として含浸することによって得ることが出来る。

0006

このとき、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をマトリックスとする場合には、一般に熱硬化性樹脂が本来優れた粘着性を有しているために、プリプレグに粘着性を付与することが出来る。

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、マトリックス樹脂として熱可塑性樹脂を単独で用いる場合やエポキシ樹脂に熱可塑性樹脂を配合する場合には、マトリックス樹脂の粘着性が大幅に減少してしまうために、得られたプリプレグの粘着性も著しく損われてしまう。

0008

そこで、プリプレグの粘着性を上げるために、マトリックス樹脂中に粘着剤ブレンドすることによってマトリックス樹脂自身の粘着性を改善する方法も考えられる。

0009

しかし、この方法によれば、所望の粘着性を得るにはマトリックス樹脂中に多量の粘着剤をブレンドすることが必要になり、複合材料とした時に機械物性の著しい低下を招くことが予想される。

0010

また、複合材料をより軽量化するために、プリプレグ中繊維含有率を大きくすることがしばしば要求されるが、この場合には、たとえマトリックス樹脂の粘着性が優れていてもプリプレグ中のマトリックス樹脂含有量が低下するために、プリプレグの粘着性が損われる傾向となり、改善が望まれていた。

0011

しかも、用いる強化繊維に撚りが掛かっている場合には、強化繊維に解撚方向に復元力が働くために、マトリックス樹脂を強化繊維に含浸した後に、経時的にマトリックス樹脂がプリプレグの内部に潜り込むという現象が見られる。そのために、プリプレグの表面部分マトリクス樹脂量が減少する結果、マトリックス樹脂の粘着性が優れていてもプリプレグの粘着性が低下してしまうことになる。更に、航空機の軽量化の観点から使用されるハニカムサンドイッチパネル構造に使用されるプリプレグには、成形板中にポロシティ(空隙)が発生しないことという要求がある。ハニカムコア六角形状空洞上下部分のプリプレグには成形中に圧力が掛からず、結果としてプリプレグ積層層間あるいは層内に本来ポロシティが発生しやすい。積層層間のポロシティを少なくするためには、プリプレグ表面部分の樹脂が成形中に充分保持されていることが必要であり、このことは、プリプレグの表面粘着性が優れていることに他ならない。また、積層層内のポロシティを少なくするためには、プリプレグの含浸性を良好なものとすることが重要であることは言うまでも無いことである。

0012

米国特許第4,329,387号公報には、プリプレグの少なくとも片方の面に粘着性樹脂貼付することによって得られるタック性の優れたプリプレグに関する記載がある。しかし、この方法では、2段階にわけてプリプレグ化を行なうことになるために、余分な熱履歴をプリプレグに与えることになり、得られたプリプレグのドレープ性が損われたり、繊維の配列が乱れたりしやすいという欠点が発生しやすい。

0013

そこで、本発明は、上記欠点がなく、マトリックス樹脂の種類、強化繊維の繊維含有率、強化繊維の撚りの有無に拘らず、優れた粘着性を有し、かつ強化繊維の乱れが無く、ドレープ性の良好なプリプレグを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0014

本発明の粘着性に優れたプリプレグは、上記課題を解決するために、次の構成を有する。すなわち、シート状強化材と2種の樹脂組成物A,Bからなるプリプレグであって、主としてシート状強化材中に含浸される樹脂組成物Aは、エポキシ樹脂および硬化剤を主成分とし、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が0.5〜150ポアズであり、主として表層部に配置される樹脂組成物Bは、エポキシ樹脂を主成分とし、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が200〜30,000ポアズであることを特徴とする粘着性に優れたプリプレグである。

0015

また、本発明の粘着性に優れたプリプレグの製造方法は、上記課題を解決するために、次の構成を有する。すなわち、エポキシ樹脂および硬化剤を主成分とし、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が0.5〜150ポアズである樹脂組成物Aからなる層と、エポキシ樹脂を主成分とし、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が200〜30,000ポアズである樹脂組成物Bからなる層を積層してなる複合フィルムの、樹脂組成物Aからなる層をシート状強化材の少なくとも一方の面に向けて張り合わせた後に、加圧することを特徴とする粘着性に優れたプリプレグの製造方法である。

0016

以下、本発明について詳細に説明する。

0017

本発明の構成要素の1つであるシート状強化材の素材である強化繊維は、一般に高性能強化繊維として用いられる耐熱性及び引っ張り強度の良好な繊維である。たとえば、その強化繊維には、炭素繊維、黒鉛繊維アラミド繊維炭化ケイ素繊維アルミナ繊維ボロン繊維が挙げられる。これらの強化繊維は、長繊維短繊維の何れあってもかまわない。また、これらの繊維を一種以上混合して用いてもかまわない。更に、強化繊維は一定の幅を有するシート状である限りその形状や配列を限定されず、たとえば、単一方向引揃えシート、ランダム向シートマット織物組み紐などの形態であっても使用可能である。

0018

本発明の構成要素の1つである樹脂組成物Aには、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂が挙げられるが、これらを混合して用いてもかまわない。樹脂組成物Aとして本発明において用いうる熱硬化性樹脂は、熱または光や電子線などの外部からのエネルギーにより硬化して、少なくとも部分的に3次元硬化物を形成する樹脂であれば特に限定されない。好ましい熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やビニルエステル樹脂が挙げられ、一般に硬化剤や硬化触媒と組み合わせて用いられる。本発明に適したエポキシ樹脂としては、特に、アミン類フェノール類炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましい。

0019

具体的には、アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタントリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体が挙げられる。

0020

フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂レゾルシノール型エポキシ樹脂が挙げられる。

0021

炭素炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。

0022

ビニルエステル樹脂としては、エピビス型ノボラック型ウレタン含有型、カルボキシ基含有型などが好ましく用いられる。また、これらのエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂は、単独で用いてもよいし、適宜配合して用いてもよい。

0023

エポキシ樹脂は、エポキシ硬化剤と組み合わせて、好ましく用いられる。エポキシ硬化剤は、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であれば、これを用いることが出来る。具体的には、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、三沸化ホウ素錯体ポリフェノ−ル化合物などを使用することが出来る。航空宇宙などの先端的用途には、芳香族ジアミン、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンまたは、これらの混合物が、また、スポーツ・レジャー用途には、ジシアンジアミドが、それぞれ好ましく用いられる。また、これらの硬化剤に、イミダゾール類尿素化合物などを硬化促進剤として併用することも出来る。

0024

ビニルエステル樹脂は、単独でも硬化し得るが、好ましくは、ベンゾイルパーオキサイドメチルエチルケトンパーオキサイドなどの有機過酸化物触媒として用いる。

0025

樹脂組成物Aとして本発明において用いうる熱硬化性樹脂として、更に、マレイミド樹脂アセチレン末端を有する樹脂、ナジック酸末端を有する樹脂、シアン酸エステル末端を有する樹脂、ビニル末端を有する樹脂、アリル末端を有する樹脂が好ましく用いられる。これらは、適宜、エポキシ樹脂や、他の樹脂と混合してもよい。また、反応性希釈剤を用いたり、熱可塑性樹脂やエラストマーなどの改質剤を混合して用いてもかまわない。

0026

マレイミド樹脂は、末端にマレイミド基を平均2個以上含む化合物である。このマレイミド樹脂は、単独で用いることも出来るが、ジアリルビスフェノールAなどの反応性希釈剤と組み合わせて用いることによって、プリプレグに好適な樹脂とすることが出来る。シアン酸エステル末端を有する樹脂は、ビスフェノールAに代表される多価フェノールシアン酸エステル化合物が好適である。シアン酸エステル樹脂は、特に、ビスマレイミド樹脂と組み合わせることにより、プリプレグに適した樹脂とすることが出来る。

0027

樹脂組成物Aとしては、上記の熱硬化性樹脂の他に、熱可塑性樹脂を用いることも出来る。好適な熱可塑性樹脂としては、主鎖に、炭素炭素結合アミド結合イミド結合エステル結合エーテル結合カーボネート結合ウレタン結合尿素結合チオエーテル結合スルフォン結合、イミダゾール結合、カルボニル結合から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂である。

0028

本発明において樹脂組成物Aは、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度を、0.5〜150ポアズ、好ましくは3〜100ポアズとするものである。最低粘度が0.5ポアズより低いと、成形時に樹脂流れが大きくなりすぎて所定の樹脂含量を有する複合材料が得られなくなってしまう。一方、最低粘度が150ポアズより高いと、強化繊維への含浸性が悪くなってしまう。

0029

本発明において樹脂組成物Bは、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が200〜30,000ポアズとするものである。最低粘度が200ポアズより低いと樹脂組成物Bの流動性が大きくてシート状強化材中に潜り込みやすく、プリプレグ粘着性の経時変化が大きくなる。一方、最低粘度が30,000ポアズを越えると粘着性が低下する。

0030

本発明に用いる樹脂組成物Bはプリプレグに粘着性を付与するためのものであり、それには、粘着剤として一般的なジエン系の粘着剤を使用することが出来るが、耐熱性向上の面からは、アクリル系やシリコーン系の粘着剤の好ましく用いられる。また、シリコーン系の粘着剤は、撥水性を有しているので、この粘着剤を配合した場合には、複合材料の吸水率が低下することからも好適である。

0031

ジエン系の粘着剤としては、NBR、カルボキシル変性NBR、ポリイソプレンSBR、カルボキシル変性SBR、SIS、SBS、SEBSブチルゴムポリイソブチレンなどが挙げられる。エポキシ樹脂との相溶性の点からは、NBRやカルボキシル変性NBRが好ましく、これらの市販品としては、BFグッドリッチケミカル社製のハイカーCTBN1300×8、CTBN1300×13、CTBN1300×15、日本ゼオン(株)製のニッポール1072を挙げることが出来る。

0032

アクリル系の粘着剤としては、アクリル酸メタクリル酸アルキルエステルポリマーが用いられる。ポリマーに粘着性を発現させるためには、長鎖アルキルエステルが適している。このアルキル基炭素数としては、2から10が好適である。ガラス転移温度を容易に−50℃以下として充分な粘着性を発現できるからである。

0033

もちろん、本発明の目的を達成する限りにおいてアルキル基の炭素数が上記したモノマにこれ以外のアクリルモノマを適宜共重合することは、全く差し支えない。

0034

これらのアクリル系粘着剤は、その粘着性能を向上させるために、カルボキシル基水酸基グリシジル基アミノ基などで変性することが出来る。

0035

シリコーン系の粘着剤としては、たとえば、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)から発売されている“SH4280”などの製品を、プリプレグに塗布した後に加熱処理することによって粘着性を得ることが出来る。

0036

これらの樹脂組成物Bとしては上記した粘着剤を単独で用いてもよいが、複合材料の力学物性や耐熱性の低下を抑制するため、熱硬化性樹脂、さらには硬化剤と硬化触媒を組合わせた熱硬化性樹脂を配合して用いることが好ましい。

0037

プリプレグの粘着性、粘着剤の塗工性、プリプレグから作製される複合材料の力学物性保持の観点から、50重量%以上の熱硬化性樹脂、好ましくは70〜90重量%の熱硬化性樹脂を粘着剤と配合して用いることが好ましい。

0038

熱硬化性樹脂としては、樹脂組成物Aに用いた樹脂と同種の樹脂を用いることが複合材料とした時の力学物性保持の観点から好ましく、前記したエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂が用いられる。

0039

本発明のプリプレグの製造方法には、エポキシ樹脂および硬化剤を主成分とし、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が0.5〜150ポアズである樹脂組成物Aからなる層と、エポキシ樹脂を主成分とし、室温から1.5℃/分の昇温速度で測定した時の最低粘度が200〜30,000ポアズである樹脂組成物Bからなる層を積層してなる複合フィルムを用いるものである。かかる複合フィルムを用いなければ樹脂を一工程で含浸することはできない。

0040

本発明においては、上記複合フィルムの樹脂組成物Aからなる層をシート状強化材の少なくとも一方の面に向けて張り合わせた後に、加熱および/または加圧するものである。このような手段をとらなければ目的とする構造のプリプレグとすることは困難である。

0041

本発明のプリプレグにおいて、プリプレグに充分な粘着性を付与する一方、複合材料の層間剪断強度などの力学物性が低下するのを防ぐ観点から、樹脂組成物Bの目付は0.5〜30g/m2 、さらには1.0〜15g/m2 の範囲とするのが好ましい。このような目付とするには、まず樹脂組成物Bを離型紙または離型フィルム上に計量しつつ塗布し、この上からさらに樹脂組成物Aを塗布して複合フィルムとすればよい。

0042

樹脂組成物Aの目付をwa g/m2 とすれば、この好ましい目付範囲は、シート状強化材の目付をwf g/m2 、樹脂組成物Bの目付をwb g/m2 およびプリプレグ中の樹脂含有量をWr (%)としたときに次式により求められる値を目安にすればよい。

0043

wa ={100 ×wb −Wr (wb +wf )}/(Wr −100 )
通常、Wr の値は30〜50%さらには35〜45%の範囲が好ましい。

0044

本発明において用いる複合フィルムは、前記したように、まず離型紙や離型フィルムなどの基材に樹脂組成物Bを塗布した後に、樹脂組成物Aを塗布することによって製造することが出来る。樹脂組成物を基材上に設ける方法としては、樹脂を溶剤に溶解した後に基材に塗布する溶剤法、ポリマーエマルジョンを塗布するエマルジョン法、樹脂を加熱、溶融し、溶融液をプリプレグに塗布するホットメルト法などが挙げられる。粘着性樹脂組成物の場合には、用いる粘着剤の粘度が高いので、粘着剤を溶剤に溶かして粘度を下げた状態で使用する溶剤法が好ましい。

0045

一方、樹脂組成物Aの場合には、樹脂粘度が低いので、溶剤を揮発させる必要の無いホットメルト法が好ましい。

0046

本発明の粘着性に優れたプリプレグは、シート状強化材、具体的には、強化繊維織物または一方向に引き揃えられた強化繊維束などを、上記した複合フィルムで挟み込み、ロールを必要に応じて加熱し、加圧して含浸する方法によって製造することが出来る。

0047

通常、プリプレグの表面に粘着剤を塗布することによって、プリプレグの粘着性を向上させるためには、強化繊維中にマトリックス樹脂とを加熱含浸させた後に、更に粘着剤を塗布することが必要となる。従って、プリプレグに加わる熱履歴が大きくなり、得られたプリプレグのドレープ性が損われたり、繊維の配列が乱れたりしやすいという欠点が発生しやすい。

0048

一方、本発明の方法によれば、粘着性を有する樹脂組成物Bと樹脂組成物Aとが予め層状に塗布された複合フィルムを用いて、一度に強化繊維と組合わせることが出来るので、プリプレグに加わる熱履歴が小さくなり、上記した欠点が発生しにくくなる。

0049

本発明の方法を使用してプリプレグを製造する場合には、マトリックス樹脂である樹脂組成物Aが強化繊維に充分含浸し、しかも粘着性樹脂である樹脂組成物Bがプリプレグ表面に局在化していることが必要である。もし、樹脂組成物Aが、樹脂組成物Bと共にプリプレグ表面に局在化してしまうと、プリプレグの含浸性が悪くなり、このプリプレグを使用して得られる複合材料中にボイド等の欠点が発生して、複合材料の力学物性が低下してしまう。逆に、樹脂組成物Bが、樹脂組成物Aと共に強化繊維中に入り込んでしまうと、プリプレグに充分な粘着性を付与することが出来なくなってしまう。

0050

この様な欠点を回避して、プリプレグの含浸性と粘着性の両方を満足させるためには、複合フィルムを構成する2種の樹脂組成物の粘度に何ら配慮しなければ、強化繊維とからプリプレグを製造する際に使用する含浸ロールの圧力を最適化することが必要となる。しかし、既に述べた樹脂層A中の樹脂と樹脂層B中の樹脂の粘度を特定範囲とし、粘度差を大きくすることによって通常用いられる加圧範囲においても容易に本発明の目的を達成できるものである。

0051

(実施例1)
[複合フィルムの製造]ニトリルゴム“Nipol1072”(日本ゼオン(株)製)30重量部、エポキシ樹脂“Ep828”(油化シェルエポキシ(株)製)70重量部に硬化剤ジシアンジアミド“DICY”、硬化助剤3、4−ジクロロフェニル−1、1−ジメチルウレア“DCMU”を添加した濃度10重量%のメチルエチルケトン溶液離型紙上バーコーターNo.22(江器械(株)製)を用いて塗布し、50℃で10分間熱風乾燥機で乾燥を行ない、粘着性樹脂フィルム[樹脂層B]とした。この時の樹脂目付は、10g/m2 であった。

0052

更に、下記組成エポキシ樹脂組成物[樹脂層A]をニーダー中で調製した後、80℃に短時間に加熱し、上記の粘着性樹脂フィルム上にリバースコーターを用いてコーティングし、複合樹脂フィルムとした。得られた複合樹脂の目付は、65g/m2 であった。

0053

<エポキシ樹脂>
ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン) 40重量部
EPC830(ビスフェノールF型エポキシ) 20重量部
EPC152(臭素化ビスフェノールA型エポキシ) 63重量部
EP828 (ビスフェノールA型エポキシ) 127重量部
<硬化剤>
4,4'-DDS(4,4'-ジアミノジフェニルスルホン) 80重量部
固形ゴム
NIPOL1072 (カルボキシル基末端アクリロニトリルブタジエンゴム
25重量部(7.0重量%)
レオメトリックス社製RDA−II型装置を用いて、以下の条件で樹脂の粘度測定を行なったところ、樹脂層Bおよび樹脂層Aの最低粘度は、それぞれ5,000ポアズと90ポアズであった。

0054

(粘度測定条件)
操作モード:ダイナミックモード
振動数3.14ラジアン/秒
昇温速度 :1.5℃/分
プレート構成:平行板半径25mm)
ギャップ0.83mm
織物プリプレグの製造]この複合樹脂フィルムをプリプレグマシンにセットし、炭素繊維織物“CO7373Z(東レ(株)製)”の両面から樹脂含浸を行なった。この時の含浸温度は100℃、含浸圧力は4kgf/cm2 であり、樹脂含有率40%のタック、ドレープ性に優れた織物プリプレグが得られた。

0055

このプリプレグを25℃、相対湿度50%の雰囲気中に一定時間放置した後に、プリプレグをアルミ板両面テープを用いて張り付け剥離強度の測定を行なったところ、粘着剤層[樹脂層B]の塗布を行なわなかったプリプレグと比較して、一定時間後の剥離強度が大きく改善されていた。結果を表1に示す。

0056

ID=000002HE=035 WI=100 LX=0550 LY=1050
次に、シリコーン系離型剤を塗布したアルミニウム板上に、上記織物プリプレグを1枚置き、その上に織り糸の方向が、先に置いたプリプレグの織物の織り糸に対して±45゜になるように更に織物プリプレグを置き、次いで、その上にセル孔の大きさが1/8インチ(約3.2mm)で、厚みが1/2インチ(約12.7mm)のアラミドハニカム体アラミド紙に耐熱性フェノール樹脂を含浸してなる材料からなるハニカム体)を置き、更にその上に2枚の上記プリプレグを、織り糸の方向が、アラミドハニカム体の厚み中心に対して最初に置いた2枚のプリプレグの織物と鏡面対称になるように置き、全体をフッ素樹脂フィルムパックした。

0057

上記パック体オートクレーブに入れ、パック体内を減圧しながら、3kgf/cm2 の加圧下に、1.5℃/分の速度で180℃に加熱し、その温度に2時間保持し、織物プリプレグのエポキシ樹脂を硬化させてスキンを形成すると共に、そのスキンとハニカム体とを接着した。

0058

この様にして得られたハニカムサンドイッチパネルについて、そのスキン層横断面を顕微鏡観察したところ、ポロシティ(空隙部)は全く見られなかった。

0059

(比較例1)実施例1と同様の組成のエポキシ樹脂組成物をニーダー中で調製した後、80℃に短時間に加熱し、離型紙上にリバースコーターを用いてコーティングし、樹脂フィルムとした。得られた複合樹脂の目付は、65g/m2 であった。

0060

この樹脂フィルムを使用して、実施例1と同様の条件でプリプレグを作製した。粘着性樹脂層を有する複合樹脂フィルムを使用した実施例1の系と比較すると、プリプレグ表面の剥離強度は極端に劣っていた。結果を表1に併せて示す。

0061

また、実施例1と同様にして作製したハニカムサンドイッチパネルについて、そのスキン層横断面を顕微鏡観察したところ、極めて多数のポロシティ(空隙部)が観察された。

発明の効果

0062

本発明によれば、プリプレグ表面に所望の粘着性を付与できるので、プリプレグのハンドリング性が著しく改善でき、得られたプリプレグの粘着性は時間を経ても変化しにくい。しかも、マトリックス樹脂の種類、強化繊維の繊維含有率、強化繊維の撚りの有無に拘らず、優れた粘着性を有し、かつ強化繊維の乱れが無く、ドレープ性の良好なプリプレグを提供することが出来る。

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