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技術 鍛造機の鍛造状態自動検査装置

出願人 西村哲明山中謙一郎株式会社共和電業
発明者 西村哲明山中謙一郎佐々木彬夫根本勇
出願日 1993年7月5日 (26年11ヶ月経過) 出願番号 1993-190931
公開日 1995年1月20日 (25年5ヶ月経過) 公開番号 1995-016687
状態 未査定
技術分野 力の測定一般 特定の目的に適した力の測定 耐候試験、機械的方法による材料調査 鍛造
主要キーワード 変形波形 最大値発生 作業関係者 凸円錐面 平均化演算処理 中心圧力 データ集録 各仮想点
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年1月20日)のものです。
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図面 (20)

目的

目的半製品良品不良品の判定・検査を、に頼らず、熟練を要さずに1回の鍛造毎に正確且つ容易に行い得る鍛造状態自動検査装置を提供する。

構成

鍛造時に起歪体に生じる圧縮応力を検出するためのひずみセンサ41〜44を、起歪体の周面上の軸芯を挟んで対称的な二対の対向位置に添着する。そして、1回の鍛造毎に、各ひずみセンサ41〜44から出力される圧縮応力の検出出力平均化演算手段33c、最大値判別手段33d、曲げ応力演算手段33eによって所定の処理を施して、起歪体に生じるモーメントによる曲げ応力値を求める。そして、この曲げ応力値を正規化演算手段33fで所定の演算処理を施して1回の鍛造毎の曲げ応力値を正規化し、この正規化値を所定の基準値と比較し、正規化値が基準の上・下限値を超えるときに、1回の鍛造毎に不良品である旨を警告手段35に表示させる。

概要

背景

例えば、ローラベアリングレース等の部品製作するときには、機械加工における加工時間ないし工数を軽減するために、機械加工時切削代研削代)を極力少なくするように機械加工前の半製品を設計し、機械加工に先立って、先ず素材である金属インゴット鍛造して一次鍛造品を作り、この一次鍛造品を型鍛造工法を用いて所望の形状に型鍛造して機械加工前の半製品を製作する。

この場合、鍛造に適する程度にまで柔らかく加熱された一次鍛造品(一次鍛造素材)を鍛造機の下側金型内に挿入し、それを上側金型で急激に押圧することにより所望の形状を得るようにしている。

しかし、このような型鍛造作業では、多量生産のために型鍛造を連続的に行う場合には、下側金型内への一次鍛造品の挿入あるいは載置に際して、一次鍛造品を下側金型内の所定位置に正確に位置させることが極めて難しい作業となる。

また、連続的な型鍛造作業では、その作業の間中、少なくとも下側金型を冷却するのが普通であるが、このときの冷却が常に均等に且つ正確に行われるとの保証はないから、冷却状態によっては下側金型内での一次鍛造品の温度分布が部分的に偏るということも生じ勝ちとなる。

そのため、
(a)一次鍛造品の挿入位置が所定位置から著しく外れたようなとき
(b)一次鍛造品の温度分布が部分的に偏ったようなとき
(c)加熱が不足したとき
(d)一次鍛造品の体積(重量)が不足したとき
等には、鍛造時における一次鍛造品の各方向への展伸作用が設計値通りに且つ均等に展伸しなくなって、いわゆる欠肉現象が生じることになる。

例えば、図15および図16に示すように、機械加工前の半製品201を型鍛造する場合、設計上(予定)では、周辺上端が角張るような形状に作られるべきところ、周辺部上端に丸味や欠肉部分201aが生じたりする。一方、一次鍛造品の展伸作用が過剰になればオーバーした材料が下側金型と上側金型との間からはみ出して、例えば周辺部上端から所謂バリを発生させることになる。

このような場合、例えば周辺部上端の丸味に偏りがあり且つ大きければ直ちに鍛造不良品として処置することになるが、周辺部上端の全面に亘っているような状態で且つ丸味が小さいとき等には、鍛造後修正加工を加えて良品化することが可能であり、また、バリが発生したときでもその程度によっては鍛造後の修正加工で救済することができる。

そのため従来は、(i)鍛造面が比較的平坦である半製品であって、バリが0.5mm程度以下のもの、(ii)鍛造面が丸味を帯びている半製品であって、その丸味が全面に亘っているもの、(iii )鍛造面にバリが出ているもの、(iv)目視して明らかに不良品であると判定できるもの、という比較的大まかな目安ないし基準に則って鍛造された半製品が良品であるか否かの目視判定による検査を行っていた。

そして、例えば(i)項に該当する半製品については、そのまま無条件に良品であると判定し、また、(ii)項および(iii )項に該当する半製品については、その丸味の状態やバリの状態が、これらに簡単な修正加工を加えれば良品化が可能であるかどうかという観点で再判定をするようにしていた。

概要

目的半製品の良品、不良品の判定・検査を、に頼らず、熟練を要さずに1回の鍛造毎に正確且つ容易に行い得る鍛造状態自動検査装置を提供する。

鍛造時に起歪体に生じる圧縮応力を検出するためのひずみセンサ41〜44を、起歪体の周面上の軸芯を挟んで対称的な二対の対向位置に添着する。そして、1回の鍛造毎に、各ひずみセンサ41〜44から出力される圧縮応力の検出出力平均化演算手段33c、最大値判別手段33d、曲げ応力演算手段33eによって所定の処理を施して、起歪体に生じるモーメントによる曲げ応力値を求める。そして、この曲げ応力値を正規化演算手段33fで所定の演算処理を施して1回の鍛造毎の曲げ応力値を正規化し、この正規化値を所定の基準値と比較し、正規化値が基準の上・下限値を超えるときに、1回の鍛造毎に不良品である旨を警告手段35に表示させる。

目的

そのため、本発明者等は、目的とする半製品を連続的に鍛造する過程において、所望の判別精度を維持しながら良品と不良品との判定(検査)を自動的に行うにはどうしたら良いかということを鋭意研究した結果、次に述べるような判定方法を用いるのが適当であるとの結論に達した。

以下、この判定方法(検査方法)を、例えば前述した円形皿状をした機械加工前の半製品201(目的とする鍛造物)を型鍛造する場合を例にして説明する。図17において、先ず、適宜の下側金型202と上側金型203を、例えば縦型鍛造機の鍛造軸芯O1 上に対向的に設けると共に、例えば円筒状の起歪体204を上側金型203の上端部に密接に接合するような状態で配設して、鍛造時の上向きの鍛造力が上側金型203を介して起歪体204に正確に伝達されるように構成する。

このとき、一次鍛造素材が、目的とする半製品201を実現し得るような体積および大きさを持ち且つ鍛造に適する温度に加熱されているものとすると、2つの金型202、203の間で挟圧された一次鍛造素材の各部分は、一次鍛造素材の形状から目的とする半製品201の形状に型鍛造される過程において、理想的な状態で変形ないし展伸(以下、「変形」と総称する)することになる。

従って、本発明者等は、鍛造時の一次鍛造素材の形状から目的とする鍛造物の形状に型鍛造される過程で発生する起歪体を傾けるモーメントに起因した曲げ応力を検出すれば、この検出結果から、所望の判別精度を維持しながら鍛造物の良品と不良品との判定を行い得ると判断した。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、目的鍛造物の良品、不良品の判定を鍛造時に自動的に且つ正確に行い得る新規な鍛造機の鍛造状態自動検査装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

鍛造軸芯上において互いに対向的に配置された一対の金型を鍛造軸芯に沿って相対移動させることにより目的鍛造品成形する鍛造機の鍛造状態自動検査装置において、鍛造時に、いずれか一方の前記金型を介して伝達される鍛造力により自身の起歪部に圧縮応力が発生するように設けられた円柱状または円筒状の起歪体を、その軸芯が前記鍛造軸芯と一致するような状態で配設し、この起歪体の軸芯を挟んで対称的な周面上の位置に複数対のひずみ検出点を設定すると共に、各一対のひずみ検出点に少なくとも各一対のひずみゲージ添着し、前記鍛造力に起因して前記起歪体に生じる圧縮応力を、前記各ひずみ検出点毎にひずみゲージによって電気的に検出し得るように構成し、1回の鍛造毎に、各ひずみ検出点毎にひずみゲージから出力される検出出力に基づいて前記起歪体に生じるモーメントによる曲げ応力を求め、この曲げ応力を所定の基準値と比較することにより、1回の鍛造毎に前記目的鍛造品に発生する鍛造不良の有無を自動的に検査し得るように構成したことを特徴とする鍛造機の鍛造状態自動検査装置。

請求項2

鍛造軸芯上において互いに対向的に配置された一対の金型を鍛造軸芯に沿って相対移動させることにより、素材鍛造品から目的鍛造品に型鍛造する鍛造機の鍛造状態自動検査装置において、自身の軸芯が前記鍛造軸芯と一致するように配設され、鍛造時にいずれか一方の前記金型を介して伝達される鍛造力により自身の起歪部に圧縮応力が発生するように設けられた円柱状または円筒状の起歪体と、この起歪体の軸芯を挟んで対称的な周面上の位置に設定された複数対のひずみ検出点にそれぞれ添着された各一対のひずみゲージと、前記鍛造状態自動検査装置の制御を司る電気的な制御手段と、前記ひずみ検出点に添着された各ひずみゲージからの検出出力を、同時にまたは時系列的デジタル化するA/D変換器と、1回の型鍛造毎に、デジタル化された前記各ひずみ測定点に添着されたひずみゲージからの検出出力を、前記素材鍛造品が前記一対の金型により変形される直前基準時点より、前記素材鍛造品から前記目的鍛造品に変形される時間内に設定された所定時点までの間に、前記複数対のひずみ検出点毎の時分割データとして集録的に記憶するメモリーと、このメモリーに記憶された前記複数対のひずみ検出点毎の前記時分割データを分割時間毎に平均化して分割時間毎の出力平均値演算する平均化演算手段と、前記基準時点から前記所定時点までの間における前記分割時間毎の出力平均値の最大値とこの最大値発生時点を求める最大値判別手段と、前記各一対のひずみ検出点に位置する前記ひずみゲージ群を構成する各一対の前記ひずみゲージの間の検出出力の差に基づき、前記鍛造力に起因して前記起歪体に生じるモーメントによる曲げ応力を算出する曲げ応力演算手段と、前記曲げ応力演算手段から出力される分割時間毎の曲げ応力の値を前記平均化演算手段から出力される分割時間毎の出力平均値で除した除算値のうち、前記最大値判別手段により求めた前記最大値発生時点を中心時点としてその前後に設定された所定時間内に存在する前記除算値を抽出してその平均値を求める正規化演算手段と、この正規化演算手段からの出力が予定された範囲内に在るか否かに基づいて、前記目的鍛造品が鍛造不良状態にあるか否かを判定する良否判別手段と、この良否判別手段からの判定結果が前記予定された範囲内にないときに、このときの判定結果に基づいて表示を行いまたは警報を発する警告手段と、を有するように構成したことを特徴とする鍛造機の鍛造状態自動検査装置。

請求項3

前記複数対のひずみゲージを、前記起歪体の起歪部の外周面および内周面のいずれか一方または双方の周面に添着するように構成したことを特徴とする請求項1および2に記載された鍛造機の鍛造状態自動検査装置。

技術分野

0001

本発明は、鍛造機鍛造状態自動検査装置に関し、より詳細には、鍛造軸芯上において互いに対向的に配置された一対の金型を鍛造軸芯に沿って相対移動させることにより、例えばローラベアリングレース等の部品製作する際の機械加工前の半製品としての鍛造部品成形する場合における鍛造機の鍛造状態自動検査装置に関するものである。

背景技術

0002

例えば、ローラベアリングのレース等の部品を製作するときには、機械加工における加工時間ないし工数を軽減するために、機械加工時切削代研削代)を極力少なくするように機械加工前の半製品を設計し、機械加工に先立って、先ず素材である金属インゴットを鍛造して一次鍛造品を作り、この一次鍛造品を型鍛造工法を用いて所望の形状に型鍛造して機械加工前の半製品を製作する。

0003

この場合、鍛造に適する程度にまで柔らかく加熱された一次鍛造品(一次鍛造素材)を鍛造機の下側金型内に挿入し、それを上側金型で急激に押圧することにより所望の形状を得るようにしている。

0004

しかし、このような型鍛造作業では、多量生産のために型鍛造を連続的に行う場合には、下側金型内への一次鍛造品の挿入あるいは載置に際して、一次鍛造品を下側金型内の所定位置に正確に位置させることが極めて難しい作業となる。

0005

また、連続的な型鍛造作業では、その作業の間中、少なくとも下側金型を冷却するのが普通であるが、このときの冷却が常に均等に且つ正確に行われるとの保証はないから、冷却状態によっては下側金型内での一次鍛造品の温度分布が部分的に偏るということも生じ勝ちとなる。

0006

そのため、
(a)一次鍛造品の挿入位置が所定位置から著しく外れたようなとき
(b)一次鍛造品の温度分布が部分的に偏ったようなとき
(c)加熱が不足したとき
(d)一次鍛造品の体積(重量)が不足したとき
等には、鍛造時における一次鍛造品の各方向への展伸作用が設計値通りに且つ均等に展伸しなくなって、いわゆる欠肉現象が生じることになる。

0007

例えば、図15および図16に示すように、機械加工前の半製品201を型鍛造する場合、設計上(予定)では、周辺上端が角張るような形状に作られるべきところ、周辺部上端に丸味や欠肉部分201aが生じたりする。一方、一次鍛造品の展伸作用が過剰になればオーバーした材料が下側金型と上側金型との間からはみ出して、例えば周辺部上端から所謂バリを発生させることになる。

0008

このような場合、例えば周辺部上端の丸味に偏りがあり且つ大きければ直ちに鍛造不良品として処置することになるが、周辺部上端の全面に亘っているような状態で且つ丸味が小さいとき等には、鍛造後修正加工を加えて良品化することが可能であり、また、バリが発生したときでもその程度によっては鍛造後の修正加工で救済することができる。

0009

そのため従来は、(i)鍛造面が比較的平坦である半製品であって、バリが0.5mm程度以下のもの、(ii)鍛造面が丸味を帯びている半製品であって、その丸味が全面に亘っているもの、(iii )鍛造面にバリが出ているもの、(iv)目視して明らかに不良品であると判定できるもの、という比較的大まかな目安ないし基準に則って鍛造された半製品が良品であるか否かの目視判定による検査を行っていた。

0010

そして、例えば(i)項に該当する半製品については、そのまま無条件に良品であると判定し、また、(ii)項および(iii )項に該当する半製品については、その丸味の状態やバリの状態が、これらに簡単な修正加工を加えれば良品化が可能であるかどうかという観点で再判定をするようにしていた。

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、機械加工前の半製品201の製作は、連続的に行われるため、一回の作業で製作される半製品の数は多量にのぼり、そのため、従来のように鍛造された一つ一つの半製品に対して目視判定による検査を行うことは極めて煩雑な作業となり、この結果、一方においては検査作業の手間がその分だけ多く掛ることになり、他方では、連続鍛造の間に多量の不良品を発生させてしまうという結果を招くことになる。

0012

従って、このような半製品の良品、不良品の検査作業を、自動的に且つ正確に行えるような鍛造機の鍛造状態自動検査装置の出現が久しく要望されていた。

0013

そのため、本発明者等は、目的とする半製品を連続的に鍛造する過程において、所望の判別精度を維持しながら良品と不良品との判定(検査)を自動的に行うにはどうしたら良いかということを鋭意研究した結果、次に述べるような判定方法を用いるのが適当であるとの結論に達した。

0014

以下、この判定方法(検査方法)を、例えば前述した円形皿状をした機械加工前の半製品201(目的とする鍛造物)を型鍛造する場合を例にして説明する。図17において、先ず、適宜の下側金型202と上側金型203を、例えば縦型鍛造機の鍛造軸芯O1 上に対向的に設けると共に、例えば円筒状の起歪体204を上側金型203の上端部に密接に接合するような状態で配設して、鍛造時の上向きの鍛造力が上側金型203を介して起歪体204に正確に伝達されるように構成する。

0015

そして、図18、19に示すように、起歪体204の所定断面上に鍛造軸芯O1 を中心点とする直角の座標軸x、yを設定すると共に、この座標軸x、yと起歪体204の外周面との交点位置に、例えば左周りにx1、y1、x2、y2という仮想点を設定する。

0016

今、この状態において、2つの金型202、203が理想的に製作され且つ鍛造軸芯O1 上に理想的に固定され且つ起歪体204の軸芯が鍛造軸芯O1 と理想的に一致しているものと仮定し、さらに、このような条件下において、平板状の一次鍛造素材を下側金型202と上側金型203との間にセットした後、上側金型203を急激に降下させて一次鍛造素材の型鍛造を行ったものと仮定する。

0017

さて、このような設定条件の下で型鍛造を行うと、一次鍛造素材を押圧変形させる加圧力が、一方では下向きの鍛造力となって下側金型202に加わり、他方では上向きの鍛造力となって上側金型203の鍛造面に加わる。そして、上向きの鍛造力は、そのまま上側金型203を介して起歪体204に伝達されることになる。

0018

このとき、一次鍛造素材が、目的とする半製品201を実現し得るような体積および大きさを持ち且つ鍛造に適する温度に加熱されているものとすると、2つの金型202、203の間で挟圧された一次鍛造素材の各部分は、一次鍛造素材の形状から目的とする半製品201の形状に型鍛造される過程において、理想的な状態で変形ないし展伸(以下、「変形」と総称する)することになる。

0019

従って、鍛造時に上側金型203の鍛造面が受ける加圧力は均等になり、その結果、上側金型203を介して起歪体204の各仮想点x1、y1、x2、y2に伝達される上向きの加圧力も、鍛造軸芯Oに対して平行に且つ均等になる。

0020

この結果、起歪体204には、この加圧力によって圧縮応力が生じることになるが、各仮想点x1、y1、x2、y2での圧縮応力が等しくなるため、この条件下では起歪体204に何等のモーメントも生じない。

0021

一方、鍛造時における一次鍛造素材の状態が理想的でない場合、例えば上側金型203にセットされたときの一次鍛造素材の温度分布(加熱分布)が不均一であったりすると、適温に達しない温度領域での鍛造時の変形が不充分となるから、上側金型203の鍛造面における加圧力は、適温に加熱された領域とそうでない領域との間で差が生じることになる。

0022

この場合、一次鍛造素材における温度分布は、本来が不特定なものとして発生するものであるが、説明を簡単にするため、例えばy軸上の一方に位置する仮想点y2に対応する一次鍛造素材の領域では適温に加熱され、また、x軸上に位置する2個所の仮想点x1、x2に対応する一次鍛造素材の領域での温度が適温に加熱され、さらに、y軸上の他方の仮想点y1に対応する一次鍛造素材の領域では、変形性が問題になる程度に加熱不足であったと仮定する。

0023

このような温度分布下では、4個所の仮想点x1、y1、x2、y2に伝達される加圧力が図18に示すように不均一なものとなり、この加圧力の差は、起歪体204に生じる圧縮応力の差となって表れる。

0024

このとき、一次鍛造素材の領域での温度分布の状態が、図18に示す状態から鍛造軸芯O1 の周りに時計回りにφ角だけ回転したと仮定すると、このときの加圧力の差は、起歪体204の軸芯を、図18の傾き方向からφ角だけ回転した方向に発生する圧縮応力の差となって表れる。

0025

従って、起歪体204の仮想点x1、y1、x2、y2にそれぞれひずみゲージ添着するように構成して、一次鍛造素材の形状から半製品201の形状に型鍛造される過程で起歪体204に生じる圧縮応力ch1 、ch2 、ch3 、ch4 を時系列に検出し得るように構成すれば、各仮想点x1、y1、x2、y2からの検出出力から起歪体204に発生するモーメントによる曲げ応力を求めることが可能になる。

0026

この場合、例えば図18のように、各々の圧縮応力ch1 、ch2 、ch3 、ch4 の発生点が各4個所の仮想点x1、y1、x2、y2と一致していれば、各圧縮応力ch1 、ch2 、ch3 、ch4 からの検出出力をそのまま利用して検知することが可能であり、図19のような場合には、それぞれの圧縮応力ch1 、ch2 、ch3 、ch4 からの検出出力の合成値を利用して検知することが可能である。

0027

このことは、このモーメントによる曲げ応力から上側金型203に加わる加圧力を逆算して、一次鍛造素材の形状から半製品201の形状に鍛造される過程での一次鍛造素材の変形現象を検知することができることを意味する。

0028

すなわち、一次鍛造素材が半製品201の形状に型鍛造される過程での一次鍛造素材の変形現象は、上述したように、一次鍛造素材の温度分布の状態や体積の過不足など一次鍛造素材側の要因と上下の金型の製作精度や鍛造軸芯O1 の設定精度、起歪体204の軸芯設定精度などの鍛造機側の要因とによって種々に変化するが、たとえ変化したとしても、それは起歪体204の軸芯をいずれかの方向に傾けさせるモーメントの形で検出することが可能であることを意味する。

0029

従って、本発明者等は、鍛造時の一次鍛造素材の形状から目的とする鍛造物の形状に型鍛造される過程で発生する起歪体を傾けるモーメントに起因した曲げ応力を検出すれば、この検出結果から、所望の判別精度を維持しながら鍛造物の良品と不良品との判定を行い得ると判断した。

0030

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、目的鍛造物の良品、不良品の判定を鍛造時に自動的に且つ正確に行い得る新規な鍛造機の鍛造状態自動検査装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0031

本発明は、上記の目的を達成するために、鍛造軸芯上において互いに対向的に配置された一対の金型を鍛造軸芯に沿って相対移動させることにより目的鍛造品を成形する鍛造機の鍛造状態自動検査装置において、鍛造時に、いずれか一方の前記金型を介して伝達される鍛造力により自身の起歪部に圧縮応力が発生するように設けられた円柱状または円筒状の起歪体を、その軸芯が前記鍛造軸芯と一致するような状態で配設し、この起歪体の軸芯を挟んで対称的な周面上の位置に複数対のひずみ検出点を設定すると共に、各一対のひずみ検出点に少なくとも各一対のひずみゲージを添着し、前記鍛造力に起因して前記起歪体に生じる圧縮応力を、前記各ひずみ検出点毎にひずみゲージによって電気的に検出し得るように構成し、1回の鍛造毎に、各ひずみ検出点毎にひずみゲージから出力される検出出力に基づいて前記起歪体に生じるモーメントによる曲げ応力を求め、この曲げ応力を所定の基準値と比較することにより、1回の鍛造毎に前記目的鍛造品に発生する鍛造不良の有無を検査し得るように構成したことを特徴とするものである。

0032

また、本発明は、上記の目的をよりよく達成するために、鍛造軸芯上において互いに対向的に配置された一対の金型を鍛造軸芯に沿って相対移動させることにより、素材鍛造品から目的鍛造品に型鍛造する鍛造機の鍛造状態自動検査装置において、自身の軸芯が前記鍛造軸芯と一致するように配設され、鍛造時にいずれか一方の前記金型を介して伝達される鍛造力により自身の起歪部に圧縮応力が発生するように設けられた円柱状または円筒状の起歪体と、この起歪体の軸芯を挟んで対称的な周面上の位置に設定された複数対のひずみ検出点にそれぞれ添着された各一対のひずみゲージと、前記鍛造状態自動検査装置の制御を司る電気的な制御手段と、前記ひずみ検出点に添着された各ひずみゲージからの検出出力を、同時にまたは時系列的デジタル化するA/D変換器と、1回の型鍛造毎に、デジタル化された前記各ひずみ測定点に添着されたひずみゲージからの検出出力を、前記素材鍛造品が前記一対の金型により変形される直前基準時点より、前記素材鍛造品から前記目的鍛造品に変形される時間内に設定された所定時点までの間に、前記複数対のひずみ検出点毎の時分割データとして集録的に記憶するメモリーと、このメモリーに記憶された前記複数対のひずみ検出点毎の前記時分割データを分割時間毎に平均化して分割時間毎の出力平均値演算する平均化演算手段と、前記基準時点から前記所定時点までの間における前記分割時間毎の出力平均値の最大値とこの最大値発生時点を求める最大値判別手段と、前記各一対のひずみ検出点に位置する前記ひずみゲージ群を構成する各一対の前記ひずみゲージの間の検出出力の差に基づき、前記鍛造力に起因して前記起歪体に生じるモーメントによる曲げ応力を算出する曲げ応力演算手段と、前記曲げ応力演算手段から出力される分割時間毎の曲げ応力の値を前記平均化演算手段から出力される分割時間毎の出力平均値で除した除算値のうち、前記最大値判別手段により求めた前記最大値発生時点を中心時点としてその前後に設定された所定時間内に存在する前記除算値を抽出してその平均値を求める正規化演算手段と、この正規化演算手段からの出力が予定された範囲内に在るか否かに基づいて、前記目的鍛造品が鍛造不良状態にあるか否かを判定する良否判別手段と、この良否判別手段からの判定結果が前記予定された範囲内にないときに、このときの判定結果に基づいて表示を行いまたは警報を発する警告手段と、を有するように構成したことを特徴とするものである。

0033

上記のように構成された鍛造機の鍛造状態自動検査装置は、先ず、素材鍛造品を目的鍛造物に成形する過程において、素材鍛造品の変形作用に起因して生じる鍛造力を、1回の鍛造毎に、上側金型および/または下側金型を介して起歪体に伝達させる。

0034

そして、この鍛造力に起因して起歪体に生じる圧縮応力を、起歪体の軸芯を挟んで対称的な周面上の位置に設定した複数対のひずみ検出点に添着した各一対のひずみゲージにより、1回の鍛造毎に検出する。

0035

このとき、素材鍛造品が一対の金型により変形される直前の基準時点より、素材鍛造品から目的鍛造品に変形される時間内に設定された所定時点までの間に出力された各一対をなす各ひずみゲージの時系列的な検出出力を、複数対のひずみ検出点毎の時分割データとして集録的に記憶する。

0036

そして、記憶された複数対のひずみ検出点毎の時分割データに対して、平均化演算処理、最大値判別処理、曲げ応力演算処理を行って、1回の鍛造毎に起歪体に発生したモーメントによる曲げ応力値を求める。

0037

この曲げ応力値に対して正規化演算処理を行って曲げ応力値の正規化値を求め、この正規化値を所定の基準値と比較することにより、目的鍛造物の良品か不良品かの判定検査を自動的に且つ正確に行う。

0038

すなわち、1回の鍛造毎に、素材鍛造品の不均一な変形作用に起因して生じる鍛造力の領域的な差を、複数対のひずみ検出点における圧縮応力の差として求めると共に、この圧縮応力の差を演算処理して、1回の鍛造毎に起歪体に生じる曲げ応力を求める。

0039

そして、この曲げ応力の値から、逆に、素材鍛造品が目的鍛造物に成形される過程で生じた素材鍛造品の不均一な変形作用を推定して、目的鍛造物の良否判定を自動的に行うようにしている。

0040

以下、例えば図1に示すような断面形状を有する円形皿状の機械加工前の半製品(以下、単に「目的半製品」という)103を型鍛造する場合を例として、本発明に係る鍛造機の鍛造状態自動検査装置の構成を詳細に説明する。

0041

図1は、本発明に係る鍛造機の鍛造状態自動検査装置の主要部の模式的構成を示す縦断面図である。図1において、1は本発明を適用する、例えば縦型鍛造機で、例えば工場の床面に据え付けられた固定本体部10と、この固定本体部10に対して鍛造軸芯O1に沿って上下動可能に設けられた可動本体部20とから構成されている。

0042

この場合、可動本体部20は、それ自体公知の構成から成る、例えば油圧手段のような加圧動力手段(図示なし)により、所定のストロークだけ上下動されるように構成され、鍛造時には、出発位置からこのストロークだけ急激に下降して鍛造動作を行い、下降後は、適宜の復帰速度で出発位置に上昇させられるように構成されている。

0043

さて、固定本体部10には、鍛造軸芯O1 に沿った中間部位と下部部位とに互いに連通した大径孔10aと小径孔10bとが形成され、上部部位には、紙面と直交する方向に長手寸法を有する金型取付け開口部11が形成されている。

0044

そして、この金型取付け開口部11の鍛造軸芯O1 を挟んだ対向的な開口縁には、アリ合機構の一部を構成する一対の雌アリ部11a、11bが設けられている。なお、この雌アリ部11a、11bは、固定本体部10と一体的なものとして設けても、或いは固定本体部10とは別体の部材として設けてもよい。

0045

12は下方に向って発生する鍛造時の衝撃を吸収する衝撃吸収台で、固定本体部10の大径孔10a内に精密に且つ挿脱可能に挿着された剛体構造の部材として設けられている。

0046

そして、この衝撃吸収台12の鍛造軸芯O1 上には、大径遊嵌孔12aと、この大径遊嵌孔12aの底部に形成された凹円錐面12bと、この凹円錐面12bを介して大径遊嵌孔12aと連通する小径案内孔12cとが形成されている。なお、この衝撃吸収台12は、凹円錐面12bと上端面12dとで鍛造時の急激加圧力を受けように構成されている。

0047

13は下側金型の下側金型本体15および中子部材16を保持するためのアダプタで、その両側面に、アリ嵌合機構の雌アリ部11a、11bと精密に嵌合する一対の雄アリ部13a、13bを有するように構成されている。

0048

このアダプタ13は、上述したアリ嵌合機構11a、11b、13a、13bのアリ嵌合案内作用により固定本体部10に対して紙面と直交する方向に精密に摺動し、鍛造作業に先立って、後述する下側金型本体15の中心軸および中子部材16の中心軸を鍛造軸芯O1 上に設定し得るように構成されている。

0049

また、このアダプタ13は、アリ嵌合機構を利用して固定本体部10の金型取付け開口部11から取り外し可能に構成されていて、他の形状、構造を持つ目的半製品を型鍛造するときには、アダプタ13を固定本体部10から取り外して、今迄装着していた下側金型15等を他の目的半製品用の下側金型と交換し得るようにも構成されている。

0050

ところで、目的半製品103の下半部の形状を型鍛造する下側金型は、底面鍛造部材14、下側金型本体15および中子部材16の3部材から成る組合せ式の金型14〜16として構成されている。

0051

この場合、底面鍛造部材14は、衝撃吸収台12の大径遊嵌孔12a内に鍛造軸芯O1 に沿って着脱可能に且つ遊嵌的に挿入された、例えば円柱形状の部材として構成され、その上端面は、目的半製品103の底面を形作るための鍛造面14aとして形成され、下端部は、衝撃吸収台12の凹円錐面12bと嵌合する凸円錐面14bとして形成されている。

0052

下側金型本体15は、目的半製品103の大径外周面を形成するための、例えばリング形状の部材として設けられ、その内周面が鍛造面15aとなるように形成されている。この下側金型本体15は、アダプタ13に着脱可能に取り付けられ、その中心軸は、アダプタ13の摺動によって鍛造軸芯O1 上に設定されるように構成されている。

0053

中子部材16は、目的半製品103の小径外周面を形成するための、例えばリング形状の部材として設けられ、その上端部分が鍛造面16aとなるように形成されている。

0054

この中子部材16は、下側金型本体15の内周面(鍛造面15a)と底面鍛造部材14の外周面との間に精密に且つ着脱可能に介在設置され、下側金型本体15の場合と同様に、その中心軸がアダプタ13の摺動によって鍛造軸芯O1 上に設定されるように構成されている。

0055

17は底面鍛造部材14を介して目的半製品103を下側金型から取り出し位置まで強制的に浮き上がらせるための突き上げピンで、固定本体部10の小径孔10bを貫通して衝撃吸収台12の小径案内孔12c内に上下動可能に嵌合し、装置休止時および鍛造作業中には底面鍛造部材14の底面に当接するように構成されている。

0056

この突き上げピン17は、目的半製品103を鍛造した後に、鍛造機に設けられたそれ自体公知の構造を有する、例えば油圧手段のような動力手段(図示なし)により、所定高さまで強制的に上昇させられ、この上昇動作により鍛造後の目的半製品103を1個づつ下側金型から取り出し位置まで浮き上がらせ得るように構成されている。

0057

一方、可動本体部20には、上方に向って発生する鍛造時の衝撃を吸収する剛体保持部材21が取付けられている。この剛体保持部材21は、下部に保持用外周面21aを有し、例えばクランプ機構などそれ自体公知の適宜の迅速着脱機構手段(図示なし)により、後述のパンチホルダー22をこの保持用外周面21aに着脱可能に且つ強固に取付け得るように構成されている。

0058

22は剛体保持部材21に上側金型23、24と起歪体25と中心圧力伝達部材26とを着脱可能に且つ締め付け可能に取付るためのパンチホルダーで、下端部の内周面には、上側金型本体23を鍛造軸芯O1 上に強固に且つ精密に保持するための保持用凹円錐面22aが形成されている。

0059

このパンチホルダー22は、上側金型23、24を保持用凹円錐面22aに嵌着した後、その上側に後述の起歪体25および中心圧力伝達部材26を取付け、この状態で剛体保持部材21に取付けた後に締め付けて、これらの部材23〜26を剛体保持部材21に固定するように構成されている。

0060

さて、目的半製品103の上半部の形状を型鍛造する上側金型は、上側金型本体23とパンチピン24との2部材から成る組合せ式の金型23、24として構成されている。この場合、上側金型本体23は、例えば円筒形状の部材として形成され、その下端部が、目的半製品103の上面を形作るための鍛造面23aとして形成されている。

0061

そして、上側金型本体23の上部近傍外周部には、パンチホルダー22の保持用凹円錐面22aと精密に嵌合する凸円錐面23bが形成され、また、上部内周部には、パンチピン24の部24bと当接してパンチピン24を所定関係位置に保持するための所定深さの係止段部23cが形成されている。

0062

一方、パンチピン24は、例えば円柱形状の部材として形成され、その下端部が、目的半製品103の内周面および内側底面を形成するための鍛造面24aとして形成されている。そして、パンチピン24の上部外周部には、上側金型本体23の係止段部23cに当接してパンチピン24を上側金型本体23内に保持するための顎部24bが形成されている。

0063

このパンチピン24は、上側金型本体23の内部に着脱可能に且つ精密に嵌合するように構成され、しかも、パンチピン24が上側金型本体23内に挿入されたときには、パンチピン24の上端面と上側金型本体23の上端面とが実質的に同一面になるように構成されている。なお、パンチピン24の上端面と顎部24bまでの長さは、係止段部23cの所定深さと一致するように設定されている。

0064

25は自身の軸芯O2 が鍛造軸芯O1 と一致するように設けられた起歪体で、その詳細を図2および図3に示すように、内外周面の中間領域が凹んだ例えば円筒状の剛体部材として形成されている。

0065

すなわち、起歪体25の上部領域と下部領域とは、大径の荷重導入部25aおよび荷重支持部25bとして形成され、また、この荷重導入部25aと荷重支持部25bとの間に位置する外周中間領域は、荷重導入部25aと荷重支持部25bの外周面から所定深さだけ凹んだ(削成された)外周凹部溝25cとして形成されている。

0066

さらに、荷重導入部25aと荷重支持部25bとの間の内周中間領域は、荷重導入部25aと荷重支持部25bの内周面から所定深さだけ凹んだ(削成された)内周凹部溝25dとして形成されている。

0067

換言すれば、この起歪体25は、その高さ方向の中間領域(25c、25dの位置する領域)が、荷重導入部25aおよび荷重支持部25bの肉厚よりも薄く形成された所定肉厚の起歪部となるように構成されている。

0068

そして、起歪体25に、例えばその軸芯O2 を中心点とする直角の座標軸X、Yを設定し、これら両座標軸X、Yと起歪部を構成する外周凹部溝25cおよび内周凹部溝25dの周面との交点に、それぞれ外周面の第一〜第四ひずみ検出点a1 〜a4 と内周面の第一〜第四ひずみ検出点b1 〜b4 とを設定する。

0069

なお、この外周面の第一〜第四ひずみ検出点a1 〜a4 と内周面の第一〜第四ひずみ検出点b1 〜b2 とから外れた、例えば2個所には、後述する複合ひずみゲージ41〜44、51〜54の各リード線(図示なし)を起歪体25外に取出すリード線取り出し孔25eおよび25fが形成されることになる。

0070

起歪体25の内部空間における剛体保持部材21とパンチピン24との間に介挿された円柱形状の中心圧力伝達部材26は、起歪体25の内部空間に挿入されたときに、その上面と実質的に一致するようにその高さ寸法が設定されている。

0071

41〜44および51〜54は、起歪体25の外周面の第一〜第四ひずみ検出点a1 〜a4 および内周面の第一〜第四ひずみ検出点b1 〜b2 に添着された合計8個の複合ひずみゲージで、各々の複合ひずみゲージ41〜44、51〜54は、図3および図4に示すように、いずれも、縦方向ひずみゲージ41a〜44a、51a〜54aと横方向ひずみゲージ41b〜44b、51b〜54bとを組合せた複合構造のものとして構成されている。

0072

そして、外周面の第一〜第四ひずみ検出点a1 〜a4 に添着された各4個の複合ひずみゲージ41〜44と、内周面の第一〜第四ひずみ検出点b1 〜b2 に添着された各4個の複合ひずみゲージ51〜54とは、それぞれ軸芯O2 を中心として対称位置に配設された対応する番号のもの同士(41、51)、(42、52)、(43、53)、(44、54)が、それぞれ各1個のホイートストンブリッジ回路に組み込まれて4系統の検出出力系統を作るように予め構成されている。

0073

すなわち、
(A)外周面の第一ひずみ検出点a1 に位置する複合ひずみゲージ41(41a、41b)と内周面の第一ひずみ検出点b1 に位置する複合ひずみゲージ51(51a、51b)とを、例えば図5に示すようなホイートストンブリッジ回路に組み込み、このホイートストンブリッジ回路からの出力を第一検出出力(以下、「ch1 」と略称する)とする。

0074

この場合、ホイートストンブリッジ回路は、外周面の複合ひずみゲージ41の縦方向ひずみゲージ41aと内周面の複合ひずみゲージ51の縦方向ひずみゲージ51aとを、回路の一方の対辺回路接続し、また、外周面の複合ひずみゲージ41の横方向ひずみゲージ41bと内周面の複合ひずみゲージ51の横方向ひずみゲージ51bとを、回路の他方の対辺に回路接続するようにして構成する。

0075

(B)同様に、外周面の第二ひずみ検出点a2 に位置する複合ひずみゲージ42(42a、42b)と内周面の第二ひずみ検出点b2 に位置する複合ひずみゲージ52(52a、52b)とを、ホイートストンブリッジ回路に組み込み、このホイートストンブリッジ回路からの出力を第二検出出力(以下、「ch2 」と略称する)とする。なお、ホイートストンブリッジ回路の構成の仕方は、(A)項の場合と同様である。

0076

(C)外周面の第三ひずみ検出点a3 に位置する複合ひずみゲージ43(43a、43b)と内周面の第三ひずみ検出点b3 に位置する複合ひずみゲージ53(53a、53b)とを、ホイートストンブリッジ回路に組み込み、このホイートストンブリッジ回路からの出力を第三検出出力(以下、「ch3 」と略称する)とする。なお、ホイートストンブリッジ回路の構成の仕方は、(A)項の場合と同様である。

0077

(D)外周面の第四ひずみ検出点a4 に位置する複合ひずみゲージ44と内周面の第四ひずみ検出点b4 に位置する複合ひずみゲージ54とをホイートストンブリッジ回路に組み込み、このホイートストンブリッジ回路からの出力を第四検出出力(以下、「ch4 」と略称する)とする。なお、ホイートストンブリッジ回路の構成の仕方は、(A)項の場合と同様である。

0078

この場合、第一〜第四の検出出力ch1 〜ch4 を出力するホイートストンブリッジ回路には、ブリッジ電源電圧BVがそれぞれ印加され、また、各ホイートストンブリッジ回路から出力される検出出力ch1 〜ch4 は、例えば微弱電圧mVベル)として出力されることになる。

0079

なお、互いに組合わされた複合ひずみゲージ(41、51)、(42、52)、(43、53)、(44、54)のリード線(図示なし)は、起歪体25のリード線取り出し孔25e、25fを経て起歪体25外に導き出されるように構成されている。

0080

図6は、図示実施例に係る鍛造機の鍛造状態自動検査装置の電気的処理ステムの一例を説明するためのブロック図である。図において、31は適宜の増幅器で、起歪体25のひずみ検出点a1 〜a4 、b1 〜b4 にそれぞれ添着された各群のひずみゲージ(41、51)、(42、52)、(43、53)、(44、54)から、図5に示すような4つのホイートストンブリッジ回路を介して出力された各検出出力ch1 〜ch4 を増幅するように構成されている。

0081

32はA/D変換器で、増幅器31で増幅され且つ、例えば適宜の切換器マルチプレクサ)37を介して時系列的に入力されるアナログ量の各検出出力ch1〜ch4 を順次にデジタル化するように構成されている。

0082

33は適宜のマイクロコンピュータから成るCPUで、後述する電気的な制御手段33a、メモリー33b、平均化演算手段33c、最大値判別手段33d、曲げ応力演算手段33e、正規化演算手段33f、良否判別手段33gを含むものとして構成されている。

0083

この場合、制御手段33aは、鍛造状態自動検査装置全体の制御を司るもので、鍛造状態自動検査装置の機械的構成部分および電気的処理システムを所定の順序に従って作動させあるいは所定の演算処理を行い得るように構成されている。

0084

メモリー33bは、1回の鍛造毎に、デジタル化された各群のひずみゲージ(41、51)、(42、52)、(43、53)、(44、54)からの検出出力ch1 〜ch4 を、一次鍛造品102が上下の金型23、24、14〜16により変形される直前の基準時点t1 、t2 、t3 〜tX (図13参照)より、一次鍛造品102から目的半製品103に変形される時間内に設定された中間時点(所定時点)T1 、T2 、t3 〜tX までの間に、各一対のひずみ検出点(a1 、b1 とa3 、b3 )、(a2 、b2 とa4 、b4 )毎の時分割データとして集録的に記憶するように構成されている。

0085

ここで、平均化演算手段33cは、詳しくは後述するが、各群のひずみゲージ(41、51)、(42、52)、(43、53)、(44、54)毎にメモリー33bに記憶された複数の時分割データを、分割時間毎に平均化して分割時間毎の出力平均値を演算し得るように構成されている。

0086

最大値判別手段33dは、1回の鍛造毎に、各基準時点t1 、t2 、t3 〜tX より中間時点T1 、T2 、t3 〜tX までの間における分割時間毎の出力平均値の最大値とこの最大値発生時点を求め得るように構成されている。

0087

曲げ応力演算手段33eは、各一対のひずみゲージ群(41、51と43、53)、(42、52と44、54)を構成する各ひずみゲージ群の間の検出出力(ch1 とch3 )、(ch2 とch4 )の差に基づき、加圧力(鍛造力)に起因して起歪体25に生じるモーメントによる曲げ応力を算出し得るように構成されている。

0088

正規化演算手段33fは、曲げ応力演算手段33eから出力される分割時間毎の曲げ応力の値を平均化演算手段33cから出力される分割時間毎の出力平均値で除した除算値のうち、最大値判別手段33dにより求めた最大値発生時点を中心時点としてその前後に設定された所定時間内に存在する所定数の除算値を抽出し、それの平均値を求め得るように構成されている。

0089

良否判別手段33gは、正規化演算手段33fからの出力が予定された、例えば標準偏差の範囲内に在るか否かに基づいて、目的半製品103が鍛造不良状態にあるか否かを判定し得るように構成されている。なお、CPU33におけるデータ集録動作および集録データの判定処理動作の内容については、後述する「作用ないし動作の項」で詳しく説明する。

0090

34はCPU33から出力された4つの検出出力ch1 〜ch4 の演算・解析結果を時系列的に映像表示するためのディスプレイで、図7に示すように、連続出力された4つの検出出力ch1 〜ch4 の演算・解析結果を同時に同一画面上に表示し得るように構成されている。

0091

35は、例えば視覚的または聴覚的に警告し得る構造を有する警告手段で、良否判別手段33gからの判別結果が予定された範囲内にないときに、このときの判別結果に基づいて作動し得るように構成されている。また、36は、CPU33の演算解析結果をプリントするためのプリンタである。なお、図6の電気的処理システムに使用する電気的機器は、それ自体公知の構成から成る適宜の電気的機器を用いるものとする。

0092

次に、このように構成された図示実施例に係る鍛造機の鍛造状態自動検査装置の作用ないし動作を説明する。先ず、下側金型本体15と中子部材16とを衝撃吸収台12上に装着した後、アダプタ13を挿入して所定位置に調整し、アリ嵌合機構としての雌アリ部11、11bおよび雄アリ部13a、13bを利用して、両部材15、16を鍛造軸芯O1 上に設定する。

0093

その後、下側金型本体15の内部空間を貫通させて底面鍛造部材14を衝撃吸収台12の大径遊嵌孔12a内に挿入して、目的半製品103の下半部形状を型鍛造するための下側金型(組合せ金型)14〜16を完成させる。この場合、底面鍛造部材14の凸円錐面14bが衝撃吸収台12の凹円錐面12bに当接して底面鍛造部材14を鍛造軸芯O1 上に設定する。

0094

一方、パンチピン24を内部空間内に挿入した上側金型本体23をパンチホルダー22内に挿入して、目的半製品103の上半部形状を型鍛造するための上側金型(組合せ金型)23、24を完成させ、その後、上側金型本体23の凸円錐面23bをパンチホルダー22の保持用凹円錐面22aに当接させて上側金型23、24を鍛造軸芯O1 上に設定する。

0095

その後、上側金型本体23の上面に起歪体25を載置すると共に、起歪体25の内部空間内に中心圧力伝達部材26を挿入し、この状態において、パンチホルダー22の上方開口を剛体保持部材21の保持用外周面21aに嵌合させながら、パンチホルダー22を剛体保持部材21に取り付けると共に迅速着脱機構手段を利用して迅速に固定する。

0096

この状態では、起歪体25が、剛体保持部材21の下面と上側金型本体23の上面との間に密着的に挟持され、且つ、中心圧力伝達部材26が剛体保持部材21の下面とパンチピン24の上面との間に密着的に挟持されることになる。

0097

なお、起歪体25と中心圧力伝達部材26とを適宜の固定手段を用いて予め剛体保持部材21の下面に取り付けておき、この状態でパンチホルダー22を剛体保持部材21に取り付けるようにしてもよい。

0098

縦型鍛造機1側をこのように準備したならば、図8に示すように、目的半製品103を得るのに必要な体積を有する円柱形状または方形板状の金属インゴット101を用意し、さらに、この金属インゴット101を簡易鍛造して、図9に示すような小判形状の一次鍛造品102を必要な数だけ鍛造する。

0099

そして、型鍛造作業に際しては、必要数の一次鍛造品102を、例えば高周波加熱炉内で型鍛造に適する所定温度にまで加熱して、それを高周波加熱炉から取り出して、図10に示すように下側金型14〜16内にセットし、この状態で加圧動力手段を始動して出発位置にある可動本体部20(図1)を所定のストロークだけ急激に下降させる。

0100

このようにして可動本体部20が所定のストロークだけ下降すると、その下降の過程で、上側金型23、24が一次鍛造品102に接触し、且つ、上側金型23、24の各鍛造面23a、24aと下側金型14〜16の各鍛造面14a〜16aとの間で一次鍛造品102を挟圧する。

0101

その結果、一次鍛造品102は、図11に示すように、これらの各鍛造面23a、24a、14a〜16aの間で上下・左右方向に押圧され、図12に示すような円形皿状の目的半製品103へと変形して行く。

0102

このとき、鍛造機1側に適宜の信号発生手段(図示なし)を設置して、上側金型23、24の降下の度毎に、上側金型23、24の各鍛造面23a、24aが一次鍛造品102に接触する直前の時点t1 において、信号発生手段から演算・回折処理機能を有するCPU33に対して電気的な鍛造開始信号P1 、P2 、P3 〜PX (図13)が発せられるように予め構成しておくものとする。

0103

ところで、このような一次鍛造品102の目的半製品103への変形過程において、例えば加熱温度分布の不均等などに起因して、一次鍛造品102の変形作用に差が生じたとすると、その変形作用の差が、各鍛造面23a、24a、14a〜16aに対する一次鍛造品102の変形抵抗力の差となって現れる。

0104

この場合、型鍛造での変形作用は、鍛造軸芯O1 の近傍領域では殆ど各部分間に差がなく、鍛造軸芯O1 から離れた周辺領域では各部分間に大きな差となって表れるから、このとき発生する変形抵抗力、すなわち圧縮応力も、周辺領域である上側金型本体23の鍛造面23aと下側金型本体15の鍛造面15aおよび中子部材16の鍛造面16aの位置では、適温に加熱された部分とその外の部分との間に大きな差となって表れることになる。

0105

そして、このようにして発生した変形抵抗力は、鍛造面23aに加わる加圧力となって上側金型本体23に伝達され、さらに、上側金型本体23を介して起歪体25に伝達されるから、上述した「発明が解決しようとする課題」の項で詳しく説明したように、このとき伝達された加圧力の差が、起歪体25の軸芯O2 を鍛造軸芯O1 から不特定の方向に傾けさせるモーメントとして作用することになる。

0106

このとき、起歪体25の外周面の第一〜第四ひずみ検出点a1 〜a4 および内周面の第一〜第四ひずみ検出点b1 〜b2 に添着された各複合ひずみゲージ群(41、51)、(42、52)、(43、53)、(44、54)が、刻々と起歪体204に伝達されて来る加圧力を、起歪体25に加わる圧縮応力として刻々と電気的に検出して、それをそれぞれのホイートストンブリッジ回路に出力する。

0107

そして、各ホイートストンブリッジ回路では、このときの加圧力を連続した検出出力ch1 、ch2 、ch3 、ch4 として、切換器37、増幅器31およびA/D変換器32を介してCPU33に入力することになる。

0108

以下、図13および図14に従って、CPU33における検出出力ch1 、ch2、ch3 、ch4 に対する演算・解析処理動作の一例を説明する。上述したように、可動本体部20が所定のストロークだけ急激に下降して一次鍛造品102を目的半製品103に向って変形させる(ステップ:S1)。

0109

このとき、上側金型23、24が一次鍛造品102に接触する直前の時点で、図示しない信号発生手段からCPU33の制御手段33aに対して鍛造開始信号P1 が発せられる。

0110

そのため、制御手段33aは、入力待ちの状態にある切換器37およびA/D変換器32に指令を発して、自動検査シーケンスプログラムに従って作動させ、図13に示すように、例えば1個の目的半製品103を鍛造するのに要する時間のほぼ中間時点T1 までの間に、各ホイートストンブリッジ回路からの4系統の検出出力ch1 、ch2 、ch3 、ch4 を、時系列的に且つデジタル化してCPU33に取り込ませる。

0111

そして、取り込まれた各検出出力ch1 、ch2 、ch3 、ch4 を、時系列的な4系統の収録データch1(t)、ch2(t)、ch3(t)、ch4(t)としてメモリー33bに記憶させる。この場合、(t) は、時間または集積されたデータ数を示す(ステップ:S2)。

0112

また、制御手段33aは、平均化演算手段33cに指令を発して、この時系列的に集積された4系統の収録データを基にして、下記(1)式により、その平均値AVG(t)を算出する。

0113

AVG(t)={ch1(t)+ch2(t)+ch3(t)+ch4(t)}/4……(1)
このときの波形は、例えば図20に示す通りである(ステップ:S3)。

0114

さらに、制御手段33aは、最大値判別手段33dに指令を発して、時間t1〜T1 内のAVG(t)の最大値AVG(t)max を、
AVG(t)max =max〔{ch1(t)+ch2(t)+ch3(t)+ch4(t)}/4〕 ……(2)
として求める最大値判別処理を行う(ステップ:S4)。

0115

このとき、最大値AVG(t)max のときの時間を、(t)maxとして求める演算処理をも行う(ステップ:S5)。

0116

次に、制御手段33aは、曲げ応力演算手段33eに指令を発して、上側金型本体23を介して起歪体25に伝達された加圧力により、起歪体25の軸芯O2を鍛造軸芯O1 から傾けさせるモーメントに起因する曲げ応力AMP(t)を、

0117

ID=000003HE=015 WI=104 LX=0530 LY=2050
なる演算式により算出させる(ステップ:S6)。

0118

また、制御手段33aは、正規化演算手段33fにも演算指令を発して、AMP(t)/AVG(t)max の時間{(t)max−ti }から{(t)max+ti }内の平均値AMP /AVG(t)max を求める正規化演算処理を行わせる。この場合、ti は、予め入力した時間またはデータ数(例えば全データ 512個に対して 5個程度)を示す(ステップ:S7)。

0119

その後、制御手段33aは、良否判別手段33gに指令を発して、目的半製品103の鍛造不良(例えば欠肉)の有無判定を、次の(4)式よりなる判定式を用いて行わせる(ステップS8)。

0120

ID=000004HE=005 WI=128 LX=0410 LY=2550
ID=000005 HE=005 WI=135 LX=0375 LY=2600
/AVG(t)max の平均値、σは正常条件で鍛造した初期データ、例えば50個より得たAMP/AVG(t)max の標準偏差であり、αは標準偏差に対する係数である。

0121

そして、この判定式の(4)の演算結果が、上限・下限の範囲内であればステップS8をYES分岐し、良否判別手段33gは「良品」と判定し、また、判定式(4)の演算結果が、上限以上または下限以下の場合は、NOに分岐して、「不良品」と判定して、例えばその判定出力を警告手段35に導入する(ステップ:S9)。

0122

そして、CPU33(良否判別手段33g)から「鍛造された目的半製品103が良品である」との判定信号が出力されている間は、鍛造機1の運転を継続し得るように予め構成しておくものとする。

0123

このように構成すれば、目的半製品103が鍛造される度毎に、突き上げピン17が、油圧手段のような動力手段(図示せず)により衝撃吸収台12内を所定量だけ上昇させられることになり、この上昇動作によって、鍛造後の目的半製品103を下側金型14〜16内から浮き上がらせることになる。

0124

従って、浮き上がった目的半製品103を適宜の手段を用いて鍛造機1(下側金型14〜16)から取り外し、次回の鍛造に用いる一次鍛造品102を下側金型14〜16内にセットして型鍛造作業を連続して実施し得るようにする。

0125

一方、警告手段35から警告信号が発せられたときには、CPU33から警告手段35への信号出力を利用して、鍛造機1を強制停止させて型鍛造作業を中止させ得るように予め構成するか、或いは、鍛造機1は強制停止させずに「不良品」と判定された目的半製品103だけを適宜の方法で排除し得るようにするか、または、「不良品」と判定された目的半製品103を別の作業ルート移行させ得るように予め構成しておいてもよい。

0126

この場合、例えば鍛造機1を強制停止させるように構成したときには、「不良品」と判定された目的半製品103の型鍛造作業の終了時点で鍛造機1が停止するので、「不良品」の発生をその都度発見できるという効果を奏する。

0127

また、鍛造機1を強制停止させないように構成したときには、その後も型鍛造作業が継続されるので、或る程度の「不良品」の発生が許容し得る場合には、「不良品」と判定された目的半製品103を排除しながら高い製造能率を維持し得るという利点を生じる。

0128

なお、本発明に係る鍛造機の鍛造状態自動検査装置では、「不良品」と判定された目的半製品103の全てが、使い物にならない本当の意味での「不良品」とは限らないから、これらの目的半製品103に対する目視判定を別途に行って、「不良品」と判定された目的半製品103の中から本当の意味での「不良品」を選別するようにする。

0129

ところで、CPU33からは、警告手段35への出力以外にも、必要に応じて或いはその都度、ディスプレイ34およびプリンタ36にも出力されることになるから、例えば作業関係者が、ディスプレイ34の画面上に現れるCPU33からの変形波形またはモデル線形モニターしていて、起歪部25c、25dの外周面の第一〜第四ひずみ検出点a1 〜a4 および内周面の第一〜第四ひずみ検出点b1 〜b2 に対する演算解析結果から、「鍛造作業が正常に行われている」とか「鍛造作業が異常である」という判定を行うようにすることも可能である。

0130

さて、最初の一次鍛造品102に対する型鍛造作業が終了した場合には、上述したような演算・解析処理を2回目以降の各鍛造時にも各々実施することにより、連続鍛造中における目的半製品103の鍛造不良の有無判定(検査)を自動的に全数実施するようにする。

0131

この場合、上述した鍛造開始信号P1 、直前の時点t1 、中間時点T1 の代りに、2回目以降の鍛造開始信号P2 、P3 〜PX 、2回目以降の直前の時点t2、t3 〜tX 、2回目以降の中間時点 T2 、t3 〜tX を用いる。

0132

以上、一実施例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々に変形実施することが可能である。例えば、図示実施例では、起歪部を形成する外周凹部溝25c、内周凹部溝25dのひずみ検出点を外周および内周に各4個所づつ設定しているが、ひずみ検出点の設定数は、任意に増減することが可能である。

0133

この場合、ひずみ検出点は、起歪部を形成する凹部溝25c、25dの円周上を設定したひずみ検出点の数だけ軸芯O2 を中心として対称的な位置に設けるものとし、各ひずみ検出点に複合ひずみゲージをそれぞれ添着すると共に、これらの複合ひずみゲージをそれぞれホイートストンブリッジ回路に組んで必要数の検出出力を作るものとする。

0134

また、ひずみ検出点は、場合によっては凹部溝25c、25dの外周または内周のいずれか一方に設定することも可能である。

0135

また、図示実施例では、下側金型14〜16および上側金型23、24が、いずれも組合せ金型として構成されているが、本発明は、普通の単体構造の下側金型および上側金型に対しても適用することができるのはいうまでもない。

0136

また、図示実施例では、下側金型14〜16を使って円形皿状の目的半製品の底面、大径外周面および小径外周面を形成し、上側金型23、24で目的鍛造物の上面、内周面および内側底面を形成するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。

0137

また、図示実施例では、起歪体25を上側金型23、24の側にのみ設けているが、下側金型14〜16の側にのみ設けるようにしても、或いは、上側金型23、24と下側金型14〜16の両方の側に設けるようにしてもよい。

0138

また、図示実施例では、起歪体25を上側金型の上面に直接接触するような状態で設置しているが、上側または下側金型23、24、14〜16からの加圧力が起歪体25に正確に伝達されるならば、起歪体25と上側または下側金型23、24、14〜16との間に、他の剛体部材を介在させるように構成することも可能である。

0139

なお、本発明の鍛造機の鍛造状態自動検査装置では、目的半製品103の形状、構造および材質等については特に制限を必要としない。

発明の効果

0140

以上述べたように、本発明によれば、鍛造軸芯上において互いに対向的に配置された一対の金型を鍛造軸芯に沿って相対移動させることにより、目的とする型鍛造品を成形する鍛造機において、目的鍛造物の良品、不良品の検査を即時に、自動的に且つ正確に行い得る鍛造機の鍛造状態自動検査装置を提供することができる。

0141

そのため、従来のように熟練した検査者が目視判定で行っていた検査方法に比べて検査作業が格段に能率化され、しかも、高い熟練度を保持していない者でも容易に精度の高い判定を行うことができるという効果を得ることができる。

0142

さらに、鍛造作業途中でも不良品であるとの判定が可能になるため、判定した時点で鍛造機を停止させることも可能になり、このように構成した場合には、従来のような不良品の大量発生という無駄をなくすことができ、いわゆる歩止まりを飛躍的に向上させ得るという実用上の効果も生じる。

図面の簡単な説明

0143

図1本発明に係る鍛造機の鍛造状態自動検査装置の全体部の概略構成を示す縦断面図である。
図2図1に示す鍛造機の鍛造状態自動検査装置に使用される起歪体の一構造例と起歪体の外周および内周に設定された各4個所のひずみ検出点の位置を示す平面図である。
図3図2に示す起歪体の構造を図2のX−X矢視方向断面で示す縦断面図である。
図4図2に示す起歪体の起歪部の外周および内周に添着される複合ひずみゲージの構造を示す平面図である。
図5図2に示す複合ひずみゲージ群をホイートストンブリッジ回路に組み込む際の電気的接続状態を説明するための回路図である。
図6図1に示す鍛造機の鍛造状態自動検査装置における電気的処理システムの一例を説明するためのブロック図である。
図7図1に示す鍛造機の鍛造状態自動検査装置に装着された起歪体の4個所のひずみ検出点に鍛造力に起因して生じる圧縮応力を、同一画面上に同時に表示したときの波形例を示す説明図である。
図8図1に示す鍛造機を用いて型鍛造する円形皿状の目的半製品の素材となる金属インゴットの一例を説明するための斜視図である。
図9図8に示す金属インゴットから簡易鍛造された一次鍛造品の一例を説明するための斜視図である。
図10図1に示す鍛造機を用いて目的半製品を型鍛造する段階を説明するための説明図のうち、一次鍛造品を下側金型内にセットしたときの状態を示す作業説明図である。
図11図1に示す鍛造機を用いて目的半製品を型鍛造する段階を説明するための説明図のうち、上側金型が一次鍛造品を変形させながら押し下げる途中の状態を示す作業説明図である。
図12図1に示す鍛造機を用いて目的半製品を型鍛造する段階を説明するための説明図のうち、一次鍛造品が上側金型と下側金型とにより押圧されて目的半製品に変形されたときの状態を示す作業説明図である。
図13図1に示す鍛造機を用いて目的半製品を型鍛造するときに起歪体に生じる圧縮応力を時系列的に説明するためのタイムチャート図である。
図14図1に示す鍛造機を用いて目的半製品を型鍛造するときに、鍛造中の目的半製品が良品であるか不良品であるかを判定する仕方ないし方法を説明するためのフローチャート図である。
図15型鍛造の際に生じる好ましからざる現象を説明するための機械加工前の目的半製品に係る概略断面構成図である。
図16図15に示す機械加工前の目的半製品に係る概略平面図である。
図17目的半製品の良品・不良品を判定するときの本発明の原理を説明するために、縦型鍛造機の上側金型に密着させて起歪体を設置するように構成した説明用鍛造機の模式構成図である。
図18図17に示す説明用鍛造機を用いて型鍛造する際に、鍛造時の加圧力が上側金型を介して不均等に起歪体に伝達され、この不均等な伝達加圧力が起歪体軸芯を鍛造軸芯に対して傾けさせるモーメントとして作用することを示す説明図である。
図19図18に示すモーメントが鍛造軸芯の周りに所定角度時計方向に回転した位置に作用するときの状態を示す説明図である。
図20目的半製品を型鍛造する際に、上側金型を介して起歪体に伝達される加圧力により起歪体軸芯が鍛造軸芯に対して傾くときに、図2に示す各4個所のひずみ検出点に発生する曲げ応力の電気的出力を時系列的に表した出力波形図である。

--

0144

1縦型鍛造機
O1鍛造軸芯
10 固定本体部
10a 大径孔
11金型取付け開口部
11a、11b 一対の雌アリ部
12衝撃吸収台
12b 凹円錐面
12d上端面
13アダプタ
13a、13b 一対の雄アリ部
14〜16組合せ式の下側金型
14 底面鍛造部材
14a鍛造面
14b凸円錐面
15 下側金型本体
15a 鍛造面
16中子部材
16a 鍛造面
17 突き上げピン
20可動本体部
21剛体保持部材
21a保持用外周面
22パンチホルダー
22a 保持用凹円錐面
23、24 組合せ式の上側金型
23 上側金型本体
23a 鍛造面
23b 凸円錐面
23c係止段部
24パンチピン
24a 鍛造面
25起歪体
O2 軸芯
25a 上部領域
25b 下部領域
25c 外周凹部溝(起歪部)
25d内周凹部溝(起歪部)
25e、25fリード線取り出し孔
26中心圧力伝達部材
31増幅器
32 A/D変換器
33 CPU
33a 制御手段
33bメモリー
33c平均化演算手段
33d最大値判別手段
33e曲げ応力演算手段
33f正規化演算手段
33g良否判別手段
34ディスプレイ
35 警告手段
36プリンタ
37切換器
a1 〜a4 外周面の第一〜第四ひずみ検出点
b1 〜b2内周面の第一〜第四ひずみ検出点
41〜44、51〜54複合ひずみゲージ
41、51 複合ひずみゲージ群
42、52 複合ひずみゲージ群
43、53 複合ひずみゲージ群
44、54 複合ひずみゲージ群
41a〜54a縦方向ひずみゲージ
41b〜54b 横方向ひずみゲージ
101金属インゴット
102 一次鍛造品
103 目的半製品
BV電源電圧
ch1 、ch2 、ch3 、ch4ホイートストンブリッジ回路からの検出出力
P1 、P2 、P3 〜PX電気的な鍛造開始信号

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