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技術 平版印刷原版およびその製版方法

出願人 旭化成株式会社
発明者 高橋源昭栗原正明
出願日 1994年4月19日 (26年8ヶ月経過) 出願番号 1994-103281
公開日 1995年1月6日 (26年0ヶ月経過) 公開番号 1995-001849
状態 特許登録済
技術分野 ホトレジストの材料 印刷版の製作及び複製 印刷版及びその材料 フォトリソグラフィー用材料
主要キーワード 装着方式 防水樹脂 壁材層 テレキー 乾燥エアー 研摩処理 レイザー 破壊温度
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1995年1月6日)のものです。
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構成

熱により画像部転換するマイクロカプセル化された親油性成分親水性バインダーポリマーとを含有する親水層及び支持体とから構成される感熱平版印刷原版であって、該親水性バインダーポリマーは三次元架橋されており、かつ、該マイクロカプセル中の親油性成分とカプセル破壊後化学結合する官能基を有しており、該マイクロカプセル中の親油性成分はカプセルの破壊後該親水性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有している感熱平版印刷原版。

効果

本発明の感熱平版印刷原版は、耐刷性貯蔵性に優れ、かつ、地汚れのない鮮明な画像の印刷物を提供することができる。さらに、その製版工程において現像が不要であり、廃液処理等の問題がない。その結果、社内印刷等の軽印刷だけでなく、新聞輪転印刷、フォーム印刷等の原版として実用に供しうるものである。

概要

背景

コンピュータの普及につれ、版材構成とともに種々の平版製版方法が提案されている。実用面からは、版下からポジ若しくはネガフィルムを作製して平版印刷原版焼き付ける方法が一般に行われているが、該フィルムを介することなく版下から直接製版する電子写真版や銀塩写真版、あるいは、電子組版、DTPデスクトップパブリッシュメント)で編集・作製された印刷画像情報可視画像化することなく直接版材にレーザー若しくはサーマルヘッド印字し製版できる所謂コンピュータ・ツー・プレート(CTP)タイプの平版材が登場するにいたっている。これらはまだ実用化されていないが、特にCTPタイプの版材は製版工程の合理化と短縮化材料費節減が可能となることからCTS化が完了した新聞製作等の分野で大いに期待されている。

かかるCTP版材としては、感光性タイプ、感熱性タイプあるいは電気エネルギーで製版するタイプの版材が知られている。感光性タイプあるいは電気エネルギーで製版する版材は、版価格が従来のPS版に比べ割高となるばかりでなく、その製造装置も大型かつ高価であるため、これらの版材および製版工程は実用化には至っていない。さらに、これらは現像液廃棄処理の問題も有する。

感熱性タイプの版材は、社内印刷を始めとする軽印刷用途に幾つか開発されている。特開昭63−64747号公報、特開平1−113290号公報等には、支持体上に設けられた感熱層に分散させた熱溶融樹脂および熱可塑性樹脂を熱印字により溶融し、加熱部を親水性から親油性に変化させる版材が、米国特許公報4、034、183号、同4、063、949号には、支持体上に設けられた親水性ポリマーレーザー照射親水性基を無くし親油性に転換させる版材が各々開示されている。しかし、これらの版材は、版表面に存在する熱溶融物質によるインキの受容により非画像部汚れたり、耐刷性が不十分であったり、また、版材設計の自由度が低いという問題があった。

特開平3−108588号公報、特開平5−8575号公報には、マイクロカプセル化された熱溶融物質と結着性樹脂とからなる感熱記録層を支持体に設け、加熱部を親油性に変化させる版材が開示されている。しかし、マイクロカプセル化された熱溶融物質はいずれも反応性を有せず、耐刷性において満足のいくものではなかった。一方、特開昭62−164596号公報、同62−164049号公報には、親水性表面を有する支持体上に活性水素含有バインダーポリマーと共にブロックイソシアネートとからなる記録層を設けた平版印刷原版及びその方法が開示されている。しかし、この版材は、印字後、非印字部分を除去する現像工程が必要である。

さらに、ダイレクト平版印刷材料の一つに、親水層の表面に画像部をインキジェットやトナー転写等の外的手段で形成する直描型平版印刷材料がある。特開昭62−1587号公報には、マイクロカプセル化した非反応性熱溶融性物質を塗布し、加熱印字によりトナー受理層を形成する版材が開示されている。しかし、形成されたトナー受理層に親油性のトナー等を固着して初めて印刷版となるものであり、印字後、画像部が形成されるのではない。このように従来の感熱性平版印刷用の版材は、耐刷力に乏しいか親油性に乏しいため、軽印刷などの用途に限られていた。また、その製版工程において現像工程を要するものもあった。

概要

熱により画像部に転換するマイクロカプセル化された親油性成分親水性バインダーポリマーとを含有する親水層及び支持体とから構成される感熱平版印刷原版であって、該親水性バインダーポリマーは三次元架橋されており、かつ、該マイクロカプセル中の親油性成分とカプセル破壊後化学結合する官能基を有しており、該マイクロカプセル中の親油性成分はカプセルの破壊後該親水性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有している感熱平版印刷原版。

本発明の感熱平版印刷原版は、耐刷性、貯蔵性に優れ、かつ、地汚れのない鮮明な画像の印刷物を提供することができる。さらに、その製版工程において現像が不要であり、廃液処理等の問題がない。その結果、社内印刷等の軽印刷だけでなく、新聞輪転印刷、フォーム印刷等の原版として実用に供しうるものである。

目的

以上の通り、先行する技術は、版性能、製版装置製版作業性、あるいは版材や製版、装置のコストの点で商業レベルでの実施に問題があった。本発明は、従来のダイレクト型オフセット版材の上記問題点を解決することを目的とするものである。即ち、本発明の目的は、高耐刷性、高寸法精度平版印刷版が得られ、かつ、地汚れのない鮮明な画像の印刷物が得られる平版印刷原版を低価格で供給することである。さらに別の目的は、製版工程において、現像液などの廃棄物処理の必要な現像工程がなく、専用の大掛りかつ高価な製版装置を用いなくとも製版できる平版印刷原版およびその製版方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
8件
牽制数
14件

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請求項1

熱により画像部転換するマイクロカプセル化された親油性成分親水性バインダーポリマーとを含有する親水層及び支持体とから構成される感熱平版印刷原版であって、該親水性バインダーポリマーは三次元架橋されており、かつ、該マイクロカプセル中の親油性成分とカプセル破壊後化学結合する官能基を有しており、該マイクロカプセル中の親油性成分はカプセルの破壊後該親水性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有している感熱平版印刷原版。

請求項2

親水性バインダーポリマーが、ポリメタアクリレート系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン系、エポキシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ(メタ)アクリルアミドポリエステル系、ポリアミド系、ポリアミン系、ポリビニル系多糖類系あるいはそれらの複合系等の、側鎖にカルボキシル基リン酸基スルホン酸基アミノ基もしくはこれらの塩、水酸基アミド基ポリオキシエチレン基等の親水性官能基一種以上かつ複数個含有する炭素−炭素結合から構成されるポリマー酸素窒素硫黄リンからなるヘテロ原子の少なくとも一種以上で結合された炭素原子もしくは炭素−炭素結合から構成されるポリマー、またはその側鎖にカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基、アミド基、ポリオキシエチレン基からなる親水性官能基を一種以上かつ複数個含有するポリマーである請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項3

親水性バインダーポリマーが、側鎖に水酸基、カルボキシル基もしくはそのアルカリ金属塩、アミノ基もしくはそのハロゲン化水素酸塩、スルホン酸基もしくはそのアミン塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩およびアミド基のいずれかまたはこれらを組合せたセグメントを繰り返し有する請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項4

親水性バインダーポリマーが、主鎖セグメントにポリオキシエチレン基を有する請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項5

親水性バインダーポリマーが、主鎖セグメントあるいは側鎖にウレタン結合またはウレア結合する請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項6

親水性バインダーポリマーが、0.02以下の印刷前後の非画像部の用紙の反射濃度差を有する請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項7

親水性バインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アッシドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基、アミド基およびエーテル基などの親水性基を有する親水性モノマーから選ばれる少なくとも一種を用いて合成された親水性ホモもしくはコポリマーから構成される請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項8

親水性バインダーポリマーが、ポリオキシメチレングリコールまたはポリオキシエチレングリコールから構成される請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項9

親油性成分が、イソシアネート化合物、多官能(メタ)アクリルモノマーあるいはこれと単官能(メタ)アクリレート、親水性基含有(メタ)アクリレートモノマーとの組合せ、多官能アリル化合物あるいはこれと単官能(メタ)アクリレート化合物との組合せあるいは(メタ)アクリレート化合物との組合せ、テレキーリック性ポリマー、炭素−炭素不飽和結合基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基およびエポキシ基からなる反応性基を含有する反応性ワックス多官能エポキシ化合物ジアゾ樹脂、(メタ)アクリルコポリマーウレタンアクリレートから選ばれる少なくとも一種以上から構成される請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項10

親油性成分が、ウレタンまたはウレア構造を有している請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項11

親油性成分が、架橋構造をとりうる請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項12

親油性成分が、平均10μm以下0.01μm以上の粒子径のマイクロカプセルである請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項13

親油性成分が、親水性バインダーポリマーに対して1/20〜10/1(重量比)である請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項14

化学結合が不飽和基付加重合イソシアネート基活性水素とのウレタン化反応または尿素化反応、カルボキシル基、水酸基またはアミノ基とエポキシ基との反応による結合である請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項15

化学結合が、三次元架橋構造をとっている請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項16

親水層に、前記親油性成分と化学結合をする反応性物質を含有している請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項17

親水層に、炭酸カルシウムシリカ酸化亜鉛酸化チタンカオリン焼成カオリン加水ハロイトアルミナゾル、硅藻土、タルクから選ばれる少なくとも一種以上の吸収剤が含有されている請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項18

記親水層に、常温固体滑剤が含有されている請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項19

親油性成分に、印字部のみが発色する感熱色素が含有されている請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項20

支持体の上に、さらに接着層を設けた請求項1記載の感熱平版印刷原版。

請求項21

熱により画像部に転換するマイクロカプセル化した親油性成分と親水性バインダーポリマーとを含有する親水層及び支持体とから構成される感熱平版印刷材料であって、該親水性バインダーポリマーが三次元架橋しうる官能基と、該マイクロカプセル中の親油性成分とカプセルの破壊後化学結合する官能基を有しており、該マイクロカプセル中の親油性成分はカプセルの破壊後親水性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有している感熱平版印刷材料。

請求項22

熱により画像部に転換するマイクロカプセル化された親油性成分と親水性バインダーポリマーとを含有する親水層及び支持体とから構成される感熱平版印刷原版であって、該親水性バインダーポリマーは三次元架橋されており、かつ、該マイクロカプセル中の親油性成分とカプセルの破壊後化学結合する官能基を有しており、該マイクロカプセル中の親油性成分はカプセルの破壊後バインダーポリマーと化学結合する官能基を有している感熱平版印刷原版を熱記録手段で印字して得られる平版印刷版

請求項23

熱により画像部に転換するマイクロカプセル化された親油性成分と親水性バインダーポリマーとを含有する親水層及び支持体とから構成される感熱平版印刷原版であって、該親水性バインダーポリマーは三次元架橋されており、かつ、該マイクロカプセル中の親油性成分とカプセルの破壊後化学結合する官能基を有しており、該マイクロカプセル中の親油性成分はカプセルの破壊後該親水性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有している感熱平版印刷原版を熱記録手段で印字する感熱平版印刷原版の製版方法

請求項24

印字後、版全面をマイクロカプセルの破壊温度より低温で加熱する請求項23記載の感熱平版印刷原版の製版方法。

技術分野

0001

本発明は、現像不要で耐刷性に優れたオフセット印刷用ダイレクト感熱平版印刷原版およびその製版方法に関する。

背景技術

0002

コンピュータの普及につれ、版材構成とともに種々の平版の製版方法が提案されている。実用面からは、版下からポジ若しくはネガフィルムを作製して平版印刷原版に焼き付ける方法が一般に行われているが、該フィルムを介することなく版下から直接製版する電子写真版や銀塩写真版、あるいは、電子組版、DTPデスクトップパブリッシュメント)で編集・作製された印刷画像情報可視画像化することなく直接版材にレーザー若しくはサーマルヘッド印字し製版できる所謂コンピュータ・ツー・プレート(CTP)タイプの平版材が登場するにいたっている。これらはまだ実用化されていないが、特にCTPタイプの版材は製版工程の合理化と短縮化材料費節減が可能となることからCTS化が完了した新聞製作等の分野で大いに期待されている。

0003

かかるCTP版材としては、感光性タイプ、感熱性タイプあるいは電気エネルギーで製版するタイプの版材が知られている。感光性タイプあるいは電気エネルギーで製版する版材は、版価格が従来のPS版に比べ割高となるばかりでなく、その製造装置も大型かつ高価であるため、これらの版材および製版工程は実用化には至っていない。さらに、これらは現像液廃棄処理の問題も有する。

0004

感熱性タイプの版材は、社内印刷を始めとする軽印刷用途に幾つか開発されている。特開昭63−64747号公報、特開平1−113290号公報等には、支持体上に設けられた感熱層に分散させた熱溶融樹脂および熱可塑性樹脂を熱印字により溶融し、加熱部を親水性から親油性に変化させる版材が、米国特許公報4、034、183号、同4、063、949号には、支持体上に設けられた親水性ポリマーレーザー照射親水性基を無くし親油性に転換させる版材が各々開示されている。しかし、これらの版材は、版表面に存在する熱溶融物質によるインキの受容により非画像部汚れたり、耐刷性が不十分であったり、また、版材設計の自由度が低いという問題があった。

0005

特開平3−108588号公報、特開平5−8575号公報には、マイクロカプセル化された熱溶融物質と結着性樹脂とからなる感熱記録層を支持体に設け、加熱部を親油性に変化させる版材が開示されている。しかし、マイクロカプセル化された熱溶融物質はいずれも反応性を有せず、耐刷性において満足のいくものではなかった。一方、特開昭62−164596号公報、同62−164049号公報には、親水性表面を有する支持体上に活性水素含有バインダーポリマーと共にブロックイソシアネートとからなる記録層を設けた平版印刷原版及びその方法が開示されている。しかし、この版材は、印字後、非印字部分を除去する現像工程が必要である。

0006

さらに、ダイレクト型平版印刷材料の一つに、親水層の表面に画像部をインキジェットやトナー転写等の外的手段で形成する直描型平版印刷材料がある。特開昭62−1587号公報には、マイクロカプセル化した非反応性熱溶融性物質を塗布し、加熱印字によりトナー受理層を形成する版材が開示されている。しかし、形成されたトナー受理層に親油性のトナー等を固着して初めて印刷版となるものであり、印字後、画像部が形成されるのではない。このように従来の感熱性平版印刷用の版材は、耐刷力に乏しいか親油性に乏しいため、軽印刷などの用途に限られていた。また、その製版工程において現像工程を要するものもあった。

発明が解決しようとする課題

0007

以上の通り、先行する技術は、版性能、製版装置製版作業性、あるいは版材や製版、装置のコストの点で商業レベルでの実施に問題があった。本発明は、従来のダイレクト型オフセット版材の上記問題点を解決することを目的とするものである。即ち、本発明の目的は、高耐刷性、高寸法精度平版印刷版が得られ、かつ、地汚れのない鮮明な画像の印刷物が得られる平版印刷原版を低価格で供給することである。さらに別の目的は、製版工程において、現像液などの廃棄物処理の必要な現像工程がなく、専用の大掛りかつ高価な製版装置を用いなくとも製版できる平版印刷原版およびその製版方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

すなわち、本発明は、熱により画像部に転換するマイクロカプセル化された親油性成分親水性バインダーポリマーとを含有する親水層と支持体とから構成される感熱平版印刷原版であって、該親水性バインダーポリマーは三次元架橋されており、かつ、該マイクロカプセル中の親油性成分とカプセル破壊後化学結合する官能基を有しており、該マイクロカプセル中の親油性成分はカプセルの破壊後該親水性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有している感熱平版印刷原を提供するものである。

0009

また、本発明は、熱により画像部に転換するマイクロカプセル化された親油性成分と親水性バインダーポリマーとを含有する親水層と支持体とから構成される感熱平版印刷材料であって、該親水性バインダーポリマーは、三次元架橋しうる官能基と該マイクロカプセル中の親油性成分とカプセルの破壊後化学結合する官能基を有しており、該マイクロカプセル中の親油性成分はカプセルの破壊後該親水性バインダーポリマーと化学結合する官能基を有している感熱平版印刷材料を提供する。さらに、本発明は上記の感熱平版印刷原版および感熱平版印刷材料の製版方法ならびにそれからなる印刷版を提供する。

0010

本発明の平版印刷原版において、三次元架橋構造を有する親水性バインダーポリマーからなる親水層は、インキを撥き、非画像部の主成分を構成する。三次元架橋構造とすることで、親水層は、湿し水膨潤することなく、支持体との接着強度や親水層の機械的物性を維持し、高い耐刷性を示す。

0011

親水性バインダーポリマーの三次元架橋構造は、印字と同時或いは印字後に形成されてもよい。製版前に親水性バインダーポリマーが三次元架橋構造をとっていないものも、本発明でいう平版印刷材料として用いることができる。取扱い時の傷付け防止、およびサーマルヘッドで印字する場合、熱溶融した親水層成分がサーマルヘッドへ付着するのを防止する観点からは、製版前に三次元架橋構造を形成し終えている方が好ましい。

0012

本発明でいう三次元架橋構造を有する親水性バインダーポリマーとは、ポリメタアクリレート系、ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン系、エポキシ開環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ(メタ)アクリルアミド系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアミン系、ポリビニル系多糖類系あるいはそれらの複合系等の、側鎖にカルボキシル基リン酸基スルホン酸基アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基アミド基ポリオキシエチレン基等の親水性官能基一種類以上かつ複数個含有する炭素−炭素結合から構成される網目化されたポリマー酸素窒素硫黄リンからなるヘテロ原子の少なくとも一種以上で連結された炭素原子もしくは炭素−炭素結合から構成される網目化されたポリマー、またはその側鎖にカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基、アミド基、ポリオキシエチレン基等の親水性官能基を一種類以上かつ複数個含有する網目化されたポリマーである。

0013

中でも、側鎖に水酸基、カルボキシル基もしくはそのアルカリ金属塩、スルホン酸基もしくはそのアミン塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、アミノ基もしくはそのハロゲン化水素酸塩、アミド基のいずれかをあるいはこれらを組み合わせたセグメントを繰り返し有する親水性バインダーポリマー、さらにこれらの親水性官能基と主鎖セグメントの一部にポリオキシエチレン基を有するものは親水性が高く好ましい。これらに加えて親水性バインダーポリマーの主鎖もしくは側鎖にウレタン結合もしくはウレア結合を有するものは、親水性のみならず非画像部の耐刷性も向上するのでさらに好ましい。

0014

上記の親水性官能基のポリマー中の割合は、前述の主鎖セグメントの種類と使用する親水性官能基の種類により、それぞれの試料について次に記載する方法で実験的に適宜求めていけばよい。すなわち、本発明の親水性バインダーポリマーの親水性は、支持体上に架橋した親水性バインダーポリマーを実施例に記載する印刷試験を行い、印刷用紙へのインキの付着の有無、あるいは、印刷前後の非画像部の用紙の反射濃度差(例えば、大日本スクリーン製造(株)製、反射濃度計DM400)で評価するか、水−ケロシンを用いた水中油滴法接触角測定法(例えば、協和界面科学製接触角計型式CA−A)でケロシンが試料に付着するか否かで評価する。

0015

前者の方法で評価する場合、肉眼で観察し、インキ汚れが認められなければ可、認められれば不可とするか、印刷前後の非画像部の用紙の反射濃度差が0.02以下を可、0.02を越える場合を不可とする。後者の方法で評価する場合、新聞印刷のように低粘度インキを使用する印刷版向けには、試料の該接触角が約150度より大きいことが必要であり、さらには160度以上が好ましい。印刷前に練ってから使用する高粘度インキを使用する印刷版向けには、約135度より大きいことが必要である。

0016

本発明の親水性バインダーポリマーは必要に応じ、後述する種々のその他の成分を含んでよい。本発明の三次元架橋された親水性バインダーポリマーの具体例を以下に例示する。

0017

親水性バインダーポリマーとして、(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスルフォン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基、アミド基およびエーテル基などの親水性基を有する親水性モノマーから選ばれる少なくとも一種を用いて親水性ホモもしくはコポリマーを合成する。

0018

カルボキシル基、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基およびエポキシ基などの官能基を有する親水性バインダーポリマーは、これらの官能基を利用し、ビニル基アリル基、(メタ)アクリル基等のエチレン付加重合性不飽和基或いはシンナモイル基シンナミリデン基、シアノシンナミリデン基,p−フェニレンジアクリレート基等の環形成基を導入した不飽和基含有ポリマーを得る。これに、必要により、該不飽和基と共重合し得る単官能多官能モノマーと後述の重合開始剤と後述の他の成分とを加え、適当な溶媒に溶解し、ドープを調整する。これを支持体上に塗布し乾燥後或いは乾燥を兼ねて反応させ三次元架橋させる。

0019

水酸基、アミノ基およびカルボキシル基などの活性水素を含有する親水性バインダーポリマーは、イソシアネート化合物あるいはブロックポリイソシアネート化合物および後述の他の成分と共に上記の活性水素非含有溶剤中に添加しドープを調合し支持体に塗布し乾燥後或いは乾燥を兼ねて反応させ三次元架橋させる。

0020

親水性バインダーポリマーの共重合成分としてグリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基あるいはアミノ基を有するモノマーを用いることができる。

0022

カルボキシル基またはアミノ基を有する親水性バインダーポリマーは、架橋剤として、エチレンまたはプロピレングリコールジグリシジルエーテルポリエチレンまたはポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエテル等のポリエポキシ化合物を用いたエポキシ開環反応等を利用して三次元架橋することができる。

0023

親水性バインダーポリマーが、セルロース誘導体などの多糖類ポリビニルアルコールもしくはその部分鹸化物グリシドールホモもしくはコポリマー、あるいはこれらをベースとした場合は、これらが含有する水酸基を利用し、前述の架橋反応し得る官能基を導入し、前述の方法により三次元架橋できる。

0024

ポリオキシエチレングリコール等の水酸基をポリマー末端に有するポリオールまたはアミノ基をポリマー末端に有するポリアミンと2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成した親水性ポリウレタン前駆体に、エチレン付加重合性不飽和基または環形成基を導入して親水性バインダーポリマーとし、前述の方法で三次元架橋できる。

0025

上記合成された親水性ポリウレタン前駆体が、イソシアネート基末端を有する場合は、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、桂皮酸および桂皮アルコール等の活性水素を有する化合物と反応させる。親水性ポリウレタン前駆体が水酸基あるいはアミノ基末端を有する場合は、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレートおよび2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレートなどと反応させる。

0026

親水性バインダーポリマーが、多塩基酸とポリオール、多塩基酸とポリアミンとから形成されるポリマーの場合は、それらを支持体に塗布後、加熱により三次元架橋化させる。親水性バインダーポリマーが、カゼイングルーゼラチン等の場合は、それらの水溶性コロイド形成化合物を加熱により三次元架橋させて網目構造を形成してもよい。

0027

さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびビニルアルコールなどの水酸基含有モノマー、アリルアミンから合成したホモもしくはコポリマー、部分鹸化ポリビニルアルコール、セルロース誘導体などの多糖類、グリシドールホモもしくはコポリマー等の、水酸基やアミノ基を含有する親水性ポリマーと一分子中に二個以上の酸無水基を有する多塩基酸無水物とを反応させ、三次元架橋した親水性バインダーポリマーを形成することもできる。この反応で用いる多塩基酸無水物としては、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートグリセロールトリス アンヒドロトリメリテート、1,3,3a,4,5,9bヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカル酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等を例示できる。

0028

親水性バインダーポリマーが、末端イソシアネート基を有するポリウレタンとポリアミンまたはポリオール等の活性水素含有化合物とから形成される場合には、それらの化合物と後述の他の成分とを溶剤中に溶解もしくは分散させ支持体に塗布して溶剤を除去した後、マイクロカプセルが破壊しない温度でキュアリングし三次元架橋させることもできる。この場合、親水性はポリウレタンもしくは活性水素含有化合物のいずれかもしくは両方のセグメント、または側鎖に親水性官能基を導入することにより付与すればよい。親水性を発現するセグメント、官能基としては上記記載の中から適宜選択すればよい。

0029

本発明において用いられるポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートトリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートリジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートビシクロヘプタントリイソシアネート等が例示できる。

0030

塗布工程前後のハンドリング時、イソシアネート基が変化するのを防ぐことを目的に、イソシアネート基を公知の方法でブロック化マスク化)しておくのが好ましい場合もある。たとえば、岩田敬治著「プラスチック材料講座ポリウレタン樹脂」日刊工業新聞社刊(1974)、頁51−52、岩田敬治著「ポリウレタン樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(1987)、頁98、419、423、499、等に記載された方法に従い、酸性亜硫酸ナトリウム芳香族2級アミン、3級アルコールアミドフェノールラクタム複素環化合物ケトオキシム等を使用し、ブロック化することができる。中でも、イソシアネート再生温度が低く、親水性のもの、例えば酸性亜硫酸ナトリウムが好ましい。前述の非ブロック化或いはブロック化ポリイソシアネートの何れかに付加重合性不飽和基を導入し、架橋の強化や親油性成分との反応に利用してもよい。

0031

本発明の親水性バインダーポリマーの架橋度、すなわち、架橋間平均分子量は、使用するセグメントの種類、会合性官能基の種類と量等により異なるが、要求される耐刷性に応じ決めていけばよい。通常、架橋間平均分子量は、500〜5万の範囲で設定される。500より小さいとかえって脆くなる傾向があり、耐刷性が損なわれ、5万を超えると湿し水で膨潤し、耐刷性が損なわれる場合もある。耐刷性および親水性の両者のバランスを考慮すると、800〜3万程度が好ましく、さらには、1000〜1万程度が好ましい。

0032

以上述べた中で、親水性バインダーポリマーが(メタ)アクリル酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、イタコン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン酸塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、

0033

2−スルホエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩等の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基、アミド基およびエーテル基などの親水性基を有する親水性モノマーから選ばれる少なくとも一種を用いて合成した親水性ホモもしくはコポリマー、あるいは、ポリオキシメチレングリコールまたはポリオキシエチレングリコールから構成された親水性バインダーポリマーを上述の方法で三次元架橋したものが好ましい。

0034

本発明の親水性バインダーポリマーは、下記の単官能モノマー、多官能モノマーを併用させてもよい。具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981)、加清視著「紫外線硬化システム総合技術センター刊(1989)、加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会(1985)、赤松清監修「新・感光性樹脂の実際技術」シーエムシー、頁102−145、(1987)等に記載されているN,N’−メチレンビスアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリンビニルピリジン、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノネオペンチル(メタ)アクリレート、

0035

N−ビニル−2−ピロリドンダイアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、パラスチレンスルホン酸もしくはその塩、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量400)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量1000)、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、

0036

ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量400)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量600)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量1000)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(PPG数平均分子量400)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシフェニルプロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパンまたはそのアクリレート体、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチハドロジェンサクシネート、ポリエチレンまたはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、

0037

1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートまたはそのメタクリル体、グリセリンモノまたはジ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートまたはそのメタクリル体、N−フェニルマレイミド、N−(メタ)アクリルオキシコハク酸イミドN−ビニルカルバゾールジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素等がある。

0038

親水性バインダーポリマーの三次元架橋反応をエチレン付加重合性不飽和基を用いて行うときは、公知の光重合開始剤もしくは熱重合開始剤を用いることが反応効率上好ましい。

0039

本発明で用いられる光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルベンゾフェノンミヒラーケトンキサントンチオキサントン、クロロキサントン、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、2,2−ジメチル−2−ヒドロキシアセトフェノン、(2−アクリロイルオキシエチル)(4−ベンゾイルベンジル)ジメチル臭化アンモニウム、(4−ベンゾイルベンジル)塩化トリメチルアンモニウム、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド

0041

これらの中から、製造工程で用いる光源波長領域に吸収を持ち、ドープを調合する際使用する溶媒に溶解若しくは分散するものを適宜選択すればよい。通常、使用する溶媒に溶解するものが反応効率が高く好ましい。

0042

本発明で用いられる光カチオン重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩芳香族スルホニウム塩等がある。この開始剤を用いるときは、架橋反応種としてエポキシ基も併用できる。この場合、前述のエポキシ基含有化合物を架橋剤もしくは、親水性バインダーポリマーとして用いるか、親水性バインダーポリマーにエポキシ基を導入すればよい。光二量化反応により三次元架橋させる場合は、2−ニトフルオレン,5−ニトロアナフテン等、該反応に一般的によく知られた各種増感剤も使用できる。上記以外にも、徳丸克巳他著「増感剤」、2章、4章、講談社刊(1987)、加藤清視著「紫外線硬化システム」総合技術センター刊)、頁62−147(1989)、ファインケミカル、Vol.20 No4、16(1991)に記載されている公知の重合開始剤も使用できる。

0043

上記重合開始剤の添加量は、ドープ中の溶媒を除いた有効成分に対し、0.01%〜20重量%の範囲で使用できる。0.01重量%より少ないと開始剤の効果が発揮されず、20%重量より多いと、活性光線の開始剤による自己吸収のため内部への光の到達が不良となり所望する耐刷力を発揮することができなくなることがある。実用的には0.1〜10重量%の範囲で開始剤の効果と非画像部の地汚れとのバランスで組成に応じて決定するのが好ましい。

0044

照射光源としては、メタルハライドランプ高圧水銀灯超高圧水銀灯ケミカルランプ等公知のものが使用できる。照射光源からの熱がカプセル破壊の恐れがある場合、冷却しながら照射する必要がある。

0045

本発明で用いられる熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチルニトリル過硫酸塩亜硫酸水素ナトリウム等の過酸化物アゾ化合物レドックス開始剤といった公知のものが使用できる。使用に際しては、マイクロカプセルを破壊する温度より低温で反応させなければならない。熱重合開始剤の使用量は、ドープ溶媒を除いた成分に対し、0.01〜10重量%の範囲がよい。0.01重量%より少ないと硬化時間が長くなりすぎ、10重量%より多いとドープ調合中に生じる熱重合開始剤の分解によりゲル化が起こることがある。効果と取扱い性を考慮すると、好ましくは、0.1〜5重量%である。

0046

本発明の親水性バインダーポリマーは、マイクロカプセル中の親油性成分と化学結合する官能基を有している必要がある。両者が化学結合することによって、高い耐刷性が得られる。マイクロカプセル中の親油性成分と三次元架橋された親水性バインダーポリマーとを反応させるためには、後述する親油性成分の反応性官能基に合わせそれと反応する官能基を有するモノマーを用いて親水性バインダーポリマーを合成することにより、目的の官能基をポリマー中に導入するか、ポリマー合成後導入すればよい。

0047

親水性バインダーポリマーと親油性成分との反応は、反応速度の速い反応、例えば、水酸基もしくはカルボキシル基、あるいはアミノ基を有する親水性バインダーポリマーとイソシアネート基を有する親油性成分とのウレタン化反応、あるいは尿素化反応、水酸基、カルボキシル基またはアミノ基を有する親水性バインダーポリマーとエポキシ基を有する親水性成分との反応、あるいは不飽和基の付加重合反応が好ましい。酸無水基を有する親水性バインダーポリマーと水酸基、アミノ基またはイミノ基を有する親油性成分との開環付加反応や不飽和基とチオールとの付加反応でもよい。耐刷性を向上させるためには、前記化学結合が三次元架橋構造をとることが好ましい。

0048

本発明の親油性成分は、上記親水性バインダーポリマーと反応する官能基を有し、熱印字によりカプセル外出現し親水性バインダーポリマーと速やかに反応し化学結合されたインキを受容する画像部を形成する。耐刷性を向上させるためには、親油性成分自身も架橋構造をとることが好ましい。

0049

本発明の親油性成分としては、例えばフェニルイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリデンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等のイソシアネート;トリメチロールプロパンと1,6−ヘキサンジイソシアネートあるいは2,4−トリレンジイソシアネートといった上記ジイソシアネートとの1対3モル付加体等のポリイソシアネート、

0050

2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのオリゴマーまたはポリマーなどのイソシアネート化合物;N,N’−メチレンビスアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ビニルピリジン、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N’−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N’−ジメチルアミノネオペンチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2ピロリドン、ダイアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルミド、パラスチレンスルホン酸もしくはその塩、

0051

メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量400)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量1000)、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、

0052

ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量400)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量600)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(PEGの数平均分子量1000)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(PPG数平均分子量400)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパンまたはそのアクリレート体、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、ポリエチレンまたはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、

0053

1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートまたはそのメタクリル体、グリセリンモノまたはジ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートまたはそのメタクリル体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリルモノマー類あるいはこれらと単官能(メタ)アクリレートとの組合せ、

0054

さらには前述の親水性基を含有する(メタ)アクリレートモノマーとの組合せ;N−フェニルマレイミド、N−(メタ)アクリルオキシコハク酸イミド、N−ビニルカルバゾール、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素、トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル化合物或いはこれらと単官能アリル化合物との組合せ;さらには、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基、チオール基、エポキシ基等の反応性基ポリマー分子両末端に含有する1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、水添加1,2−ポリブタジエン、イソプレン等の液状ゴムウレタン(メタ)アクリレート等の各種テレキーリック性ポリマー;炭素−炭素不飽和基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基含有反応性ワックス;プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル水添ビスフェノールA ジグリシジルエーテル等の多官能エポキシ化合物等が使用できる。さらには、既存のPS版の画像成分として使用されている架橋前の公知の、(メタ)アクリルコポリマーウレタンアクリレートジアゾ樹脂も使用出来る。

0055

親油性成分は、室温で固体状液体状何れでもよい。室温で固体のポリイソシアネート化合物として、例えば、トリデンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等がある。

0056

親油性成分中に含まれるエチレン付加重合性モノマー、オリゴマーの二重結合反応を利用して、親油性成分と親水性バインダーポリマーとを化学反応させるか、あるいは親油性成分自身を反応させる場合は、以下の熱重合開始剤を用いることができる。熱重合開始剤は、50℃以下で貯蔵しても安定であるものが好ましく、60℃以下で安定であれば、さらに好ましい。

0057

たとえば、メチルエチルケトンパーオキサイドシクロヘキサノンパーオキサイド、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシバレレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンクメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテートなどの過酸化物が挙げられる。

0058

熱重合開始剤添加の方法としては、これををマイクロカプセル化して親油性成分のマイクロカプセル中にカプセル−イン−カプセルの形で用いても良く、親水層にそのまま分散させてもよい。親油性成分の硬化は、重合反応だけでなく、親油性成分と親水性バインダーポリマーとの化学結合の際の反応を利用することもできる。

0059

画像部の耐刷性向上の観点から、本発明の画像部は、ウレタン若しくはウレア構造を有するのが好ましい。親油性成分を印字による熱反応でウレタン若しくはウレア構造に変えるか、親油性成分若しくは親水性バインダーポリマーのセグメントにあらかじめウレタンもしくはウレア構造を導入するか、何れかの方法で実施できる。

0060

親油性成分のカプセル化は、例えば経営開発センター経営教育部編「マイクロカプセル化の新技術とその用途開発・応用実例」経営開発センター出版部刊(1978)記載の公知の方法に従う。たとえば、互いに溶解しあわない二つの液体の界面で、予め各々の液体に添加してあるリアクタント重縮合させ、両溶媒に不要なポリマー膜を形成させ、カプセル膜を作る界面重合法芯物質の内側または外側のどちらか一方のみからリアクタントを供給し、芯物質の周囲にポリマー壁を形成させるin−situ法、親水性ポリマー溶液中に分散させた疎水性物質の表面に、親水性ポリマーを相分離させ、カプセル膜を作るコンプレックスコアセルベート法、有機溶液系からの相分離法等により行うことができる。中でも、界面重合法、in−situ法が比較的多くの芯物質のカプセル化が行いやすく好ましい。親油性成分とは異なる材料でカプセル化してもよい。

0061

本発明でいうカプセル化は、室温で固体のポリイソシアネート化合物を微粉末化微粒子表面を前記ブロック化剤でブロック化することにより周囲の活性水素と室温で反応出来ないようにする方法も含む。何れにしろ印字の際の熱でカプセル内の親油性成分がカプセル外に放出され、最初のカプセルの形態が破壊されることが必要である。例えば、カプセル壁膨張圧縮、溶融、化学分解により、親油成分が放出されたり、カプセルの該壁材が膨張することにより密度が低下し親油性成分が壁材層を透過して放出される場合等がある。

0062

カプセル外殻表面は、マイクロカプセルが親水層に含有された状態で印刷した際に、非画像部の地汚れが発生しなければ特に限定されるものではないが、親水性であることが好ましい。マイクロカプセルのサイズは、平均10μm以下、高解像力の用途には平均5μm以下が好ましい。カプセル全体に対する親油性成分の割合が低すぎると画像形成効率が低下するので平均0.01μm以上であることが好ましい。

0063

マイクロカプセル化された親油性成分の使用量は印刷用途毎の必要とされる耐刷性に応じて決めればよい。通常は、マイクロカプセル/親水性バインダーポリマー重量比率が1/20〜10/1の範囲、さらには感度、耐刷性の観点からは、1/15〜5/1の範囲で使用するのが好ましい。

0064

本発明の親水層には、他の成分として、カプセルの熱破壊促進、親油性成分と該成分と反応する官能基を有する反応物質との反応促進、親油性成分と親水性バインダーポリマーとの反応促進を目的としてさらに、増感剤を添加することが出来る。添加により、印字感度の高感度化、耐刷性の向上および高速製版が可能となる。かかる増感剤として、例えばニトロセルロース等の自己酸化性物質置換されたシクロプロパンキュバン等高歪み化合物がある。

0065

親油性成分の重合反応触媒も増感剤として使用できる。例えば、親油性成分の反応がイソシアネート基の反応であれば、ジブチルチンジラウレート塩化第二スズアミン化合物等のウレタン化触媒、エポキシ基の開環反応であれば第四級アンモニウム塩等の開環触媒が例示出来る。増感剤は、ドープ調合時に添加する方法、親油性成分のマイクロカプセル化の際に同時に包含させる方法、あるいは支持体と親水層の中間にバインダー樹脂一緒に設ける方法がある。その使用量は用いる増感剤の効果、非画像部の耐刷性、といった観点から決めればよい。

0066

レーザー印字の場合、用いるレーザーの発光波長領域吸収帯を有する光−熱変換物質をさらに使用することも出来る。かかる物質としては、例えば、岡賢著「JOEMハンドブック2アブソープションスペクトルオブダイズフォダイオードレイザーズ」ぶんしん出版(1990)、シーエムシー編集部「90年代機能性色素の開発と市場動向」シーエムシー(1990)第2章2.3に記載されているポリメチン系色素シアニン色素)、フタロシアニン系色素ジチオール金属錯塩色素ナフトキノンアントラキノン系色素トリフェニルメタン系色素アミニウムジインモニウム系色素、アゾ系分散染料インドアリン金属錯体色素、分子間型CT色素等の染料顔料および色素がある。

0067

具体的には、N−[4−[5−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)−2,4−ペンタジエニリデン]−3−メチル−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−N,N−ジメチルアンモニウムアセテート、N−[4−[5−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニル−2−ペンテン−4−イン−1−イリデン]−2,5−シクロヘキサジエン−1−イリデン]−N,N−ジメチルアンモニウムパークレート、N,N−ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−N−[4−[N,N−ビス(4−ジブチルアミノフェニル)アミノ]フェニル]−アミニウムヘキサフルオロアンチモネート、5−アミノ−2,3−ジシアノ−8−(4−エトキシフェニルアミノ)−1,4−ナフトキノン、

0068

N’−シアノ−N−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−1,4−ナフトキノンジイミン、4,11−ジアミノ−2−(3−メトキシブチル)−1−オキソ−3−チオキソピロロ[3,4−b]アントラセン−5,10−ジオン、5,16(5H,16H)−ジアザ−2−ブチルアミノ−10,11−ジチアジナフト[2,3−a:2’3’−c]−ナフタレン−1,4−ジオン、ビス(ジクロロベンゼン−1,2−ジチオール)ニッケル(2:1)テトラブチルアンモニウムテトラクロロフタロシアニンアルミニウムクロライド、ポリビニルカルバゾール−2,3−ジシアノ−5−ニトロ−1,4−ナフトキノン錯体等が例示出来る。

0069

マイクロカプセルの熱破壊を促進する目的で、親油性成分と共に加熱されると気化または体積膨張しやすい物質をカプセル中に親油性成分と共に入れることができる。例えば、シクロヘキサンジイソプロピルエーテルエチルアセテートエチルメチルケトンテトラハイドロフラン、t−ブタノールイソプロパノール、1,1,1−トリクロロエタンといった沸点が室温より十分高く、60〜100℃付近炭化水素ハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、エステルケトン化合物がある。

0070

印字部のみが発色する公知の感熱色素を親油性成分と併用し、印字部の可視化を計ると検版を行ないやすいので好ましい。例えば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランビスフェノールAなどのロイコ染料および粉砕した顕色剤の組合せ等がある。大河原信他編「色素ハンドブック」講談社刊(1986)等の成書に開示されている感熱色素が使用できる。

0071

親水性バインダーポリマーとは別に、親油性成分の架橋度を高めるために親油性成分と反応する官能基を有する反応性物質を用いることができる。その添加量は、親水性バインダーポリマーの撥インキ性、親水性の程度に従い、地汚れを引き起こさない程度の量とする。かかる反応性物質として、例えば、親油性成分の架橋反応がウレタン生成なら水酸基、アミノ基、カルボキシル基を複数個有する化合物、例えばポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリアクリル酸、トリメチロールプロパン等が例示できる。親水性の調整を目的として、使用する親水性バインダーポリマーおよび親油性成分と反応しない非反応性親水性ポリマーを耐刷性を損なわない範囲で親水層に添加してもよい。

0072

サーマルヘッドで印字する場合、加熱により生ずる溶融物がサーマルヘッドに付着するのを防止する目的で溶融物の吸収剤として、炭酸カルシウムシリカ酸化亜鉛酸化チタンカオリン焼成カオリン加水ハロイサイトアルミナゾルケイソウ土タルク等公知の化合物を添加することが出来る。さらに、版の滑り性向上、版と版とを重ねたときの密着防止を兼ね、ステアリン酸ミリスチン酸ジラウリルチオジプロピオネートステアリン酸アミドステアリン酸亜鉛等の常温固体滑剤を親水層に少量添加することが出来る。

0073

本発明に使用される支持体は、印刷分野に要求される性能とコストを案して公知の材料から選択すればよい。多色刷りといった高寸法精度が要求される場合、版胴への装着方式金属支持体に合わせて出来上がっている印刷機で用いる場合には、アルミニウム、スチール製等の金属支持体が好ましい。多色印刷せず高耐刷性が要求される場合はポリエステル等のプラスチック支持体、さらに低コストが要求される分野には紙、合成紙、防水樹脂ラミネート或いはコート紙支持体が使用できる。支持体と接触する材料との接着性向上のために支持体自身の表面処理を施したものを使用してもよい。かかる表面処理の例としてアルミシートの場合、各種研摩処理陽極酸化処理があり、プラスチックシートの場合、コロナ放電処理ブラスト処理等がある。

0074

耐刷力等必要に応じ支持体の上に接着剤層を設けることが出来る。一般的に高耐刷性を必要とする場合、接着剤層を設ける。接着剤は親水層成分と使用する支持体に合わせ選択・設計する必要がある。山田章三郎監「接着粘着の事典」書店刊(1986)、日本接着協会編「接着ハンドブック」日本工業新聞社刊(1980)等に記載のアクリル系、ウレタン系、セルロース系、エポキシ系等接着剤が使用できる。

0075

本発明の感熱平版原版は、以下の方法で製造できる。上述の成分をその種類、親水性バインダーポリマーの架橋方法に従って選択した溶媒と共にペイントシェーカーボールミル超音波ホモジナイザー等でよく分散し、得られた塗布液(ドープ)をドクターブレード法バーコート法ロールコート法等公知の方法で支持体上に塗布し乾燥し、感熱平版印刷材料を得る。

0076

溶媒としては、水、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールといったアルコール類アセトンメチルエチルケトンといったケトン類、ジエチレングリコールジエチルエテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン、ジエチレングリコールといったエーテル類酢酸エチル酢酸ブチルといったエステル類トルエンキシレンといった芳香族炭化水素n−ヘキサンデカリンといった脂肪族炭化水素ジメチルフォルムアミドジメチルスルフォキシドアセトニトリルまたはこれらの混合溶剤を使用することができる。

0077

さらに必要なら親水性バインダーポリマーを三次元架橋させるためにマイクロカプセルが破壊する温度より低温で追加の加熱或いは紫外線照射を行なう。塗膜の厚みは数μm〜100μmの間で任意に設定すればよい。通常は性能とコストの関係から1〜10μmの厚みが好ましい。表面平滑性を高める必要があれば、塗布・乾燥後、若しくは親水性バインダーポリマーの三次元架橋化反応後にカレンダー処理を行えばよい。特に高度の平滑性が必要なら塗布・乾燥後に行うのが好ましい。

0078

本発明の感熱平版原版を製版するには、電子組版機、DTP、ワードプロセッサーパーソナルコンピュータ等で作製・編集された文書・画像をサーマルヘッド、熱モードのレーザーで描画・印字するだけで現像工程は一切行なわず完了する。印字後、カプセルが破壊しない温度で加温(ポストキュアー)若しくは版全面に活性光線照射することにより画像部の架橋度を高めることが出来る。後者の方法を実行する場合、親水層中に前述の光重合開始剤や光カチオン重合開始剤とそれによって反応が進む官能基を有する化合物とを併用するか親油性成分に該官能基を導入することが必要である。該開始剤、官能基を有する化合物は前述のほか、例えば、加藤清視著「紫外線硬化システム」総合技術センター刊(1989)、加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会(1985)等の成書に記載の公知のものを使用しうる。

0079

以上のようにして得られた印刷版は、市販のオフセット印刷機にセットし通常の方法で印刷することができる。印刷する際、必要ならば印刷版に通常のエッチング処理を施してから印刷することが出来る。

0080

以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれに限定されることはない。なお、文中、部と記してあるのは特に断りの無い限り重量部である。また、架橋間平均分量は、反応が100%進行したと仮定した上での、設計上の計算値で示してある。

0081

親水性バインダーポリマーP−1の製造例
2−ヒドロキシエチルアクリレート5.8g、アクリル酸16.2g、アクリルアミド16.0g、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン0.2g、水/イソプロピルアルコール(1/1重量比)100gの混合溶液撹拌しながら70℃に昇温した。この溶液に熱重合開始剤として2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)(以下、AIBN)0.38gを添加し4時間反応した。引き続きグリシジルメタクリレート6.4g、重合禁止剤としてt−ブチルハイドロキノン0.5gおよびベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(以下、BTMAC)1gを加え、130℃で6時間反応した。次いでアセトンを加えポリマーを沈殿させ、よく洗浄して精製し親水性バインダーポリマーP−1(GPCによる数平均分子量:1.5×104 、架橋間平均分子量:0.8×103 、水−ケロシン系の水中油滴法接触角:160°以上)を得た。

0082

親水性バインダーポリマーP−2の製造例
2−ヒドロキシエチルアクリレート5.8g、アクリル酸16.2g、アクリルアミド16.0g、ドデシルメルカプタン0.2g、イソプロピルアルコール/トルエン(1/1重量比)100gの混合溶液を撹拌しながら70℃に昇温した。この溶液にAIBNを0.3g添加し4時間反応した。次いでアセトンを加えポリマーを沈殿させ、よく洗浄して精製し親水性バインダーポリマーP−2(GPCによる数平均分子量:1.7×104 、水−ケロシン系の水中油滴法接触角:160°以上)を得た。

0083

親水性バインダーポリマーP−3の製造例
2−ヒドロキシエチルアクリレート52.2g、アクリルアミド35.5g、アクリル酸3.6g、ドデシルメルカプタン0.9g、水/イソプロピルアルコール(1/1重量比)100gの混合溶液を反応器中で70℃に加温した。これにAIBNを1g添加し5時間反応した。引き続きグリシジルメタクリレート7.2g、t−ブチルハイドロキノン0.5g、BTMAC1gを加え、130℃で6時間反応した。次いでアセトンを加えポリマーを沈殿、洗浄し親水性バインダーポリマーP−3(GPCによる数平均分子量:1.5×104 、架橋間平均分子量:1.8×103 、水−ケロシン系の水中油滴接触角:160°以上)を得た。

0084

親水性バインダーポリマーのP−4製造例
2−ヒドロキシエチルアクリレート58g、アクリルアミド35.5g、ドデシルメルカプタン0.9、水100gの混合溶液を反応器中で70℃に加温し、これにAIBNを1g添加し5時間反応した。次いでアセトンを加え、ポリマーを沈殿、洗浄して精製し、親水性バインダーポリマーP−4(GPCによる数平均分子量:1.5×104 、水−ケロシン系の水中油滴接触角:160°以上)を得た。

0085

親水性バインダーポリマーP−5の製造例
アクリルアミド33.8g,アクリル酸1.8g,2−ヒドロキシアクリレート11.6gとを酢酸エチル/トルエン(80/20重量比)320gに溶解した。反応液窒素ガスを導入し、撹拌しながら45℃に昇温し、同じ混合溶剤20gに溶かしたAIBN0.41gを添加したのち、55℃、6時間反応させた。得られたスラリー状ポリマーをろ過、洗浄を繰り返し精製した。ついで該ポリマー20gを水270gに溶解し、エアーを導入しながら80℃に昇温した。イソプロピルアルコールに溶かした重合禁止剤の2,6−ターシャリーブチルパラクレゾール(以下、BHT)0.4g、トリメチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイド(以下、TMBAHO)4.8g、グリシジルメタクリレート16.2gとを添加し、酸価がゼロになるまで4時間反応した。このポリマーを真空乾燥し親水性バインダーポリマーP−5(GPCによる数平均分子量:1.9×105 、架橋間平均分子量:1.8×103 、水−ケロシン系の水中油滴接触角:160°以上)を得た。

0086

親水性バインダーポリマーP−6の製造例
ポリオキシエチレングリコール(数平均分子量:1×103 )100gと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート25.2gとを80℃で撹拌し、両末端にイソシアネート基を有する鎖延長されたポリマーを合成した。ついで、85℃に昇温し、乾燥エアーを導入し、グリセリンモノメタクリレート32gとBHT0.1gを添加した。赤外分光光度計でイソシアネート特性吸収が認められなくなるまで反応し、親水性バインダーポリマーP−6を得た(数平均分子量:2.8×103 、架橋間平均分子量:2.8×103 、水−ケロシン系の水中油滴接触角:160°以上)。

0087

マイクロカプセル化した親油性成分M−1の製造例
脱溶剤し固体状にしたコロネートL(日本ポリウレタン製、トリメチロールプロパンと2,4−トリレンジイソシアネートとの1対3モル付加体)10g、エチルアルコール8g、精製水2g、ポリアクリルアミドの5%水溶液容器に採りペイントシェイカーで室温のもと1時間振盪し、微粒子表面がブロック化されたイソシアネートのマイクロカプセルM−1を調製した。一次分散粒子の平均サイズは1.0μmであった。

0088

マイクロカプセル化した親油性成分M−2の製造例
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル50gを加熱溶解し、60℃の5%酸処理ゼラチン水溶液200g中に加え乳化分散した。油滴の大きさが平均3μmになったところで5%カルボキシメチルセルロース水溶液(エーテル化度0.6、平均重合度160)を加え、pH5.5にした後、10℃に冷却した。10%ホルマリン12gを加え、10%苛性ソーダでpH10に調整しマイクロカプセル化した親油性成分M−2を得た。

0089

マイクロカプセル化した親油性成分M−3の製造例
3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート13.2g,2−ヒドロキシエチルアクリレート5.9gと触媒のジブチルチンジラウレート0.05gとを酢酸エチル80gに溶解し、50℃、15分間撹拌した後70℃、2時間反応しアクリル基とイソシアネート基とを同一分子中に有する化合物を合成した。この後溶剤を留去し、さらに真空乾燥した。得られた固化物乳鉢で粉砕し、この中に該固化物とほぼ同量のポリビニルアルコールの5%水/エタノール(5.5/2.5重量比)溶液とアルミナボールと加え、ペイントシェーカーで1時間振とう、粉砕しマイクロカプセル化した親油性成分M−3を調製した。一次分散粒子の平均サイズは0.9μmであった。

0090

マイクロカプセル化した親油性成分M−4の製造例
ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物HLB15)3g,部分鹸化ポリビニルアルコール3g、ポリオキシエチレングリコール(数平均分子量:2×103 )5gを水150gに溶解、分散して乳化剤水溶液を調合した。この溶液をホモジナイザー中に入れ、60度に保ち、あらかじめ60度で混合しておいたトリメチロールプロパントリアクリレート5g、テトラエチレングリコールジメタクリレート10g、ラウリルアクリレート5gおよび1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート0.44gを添加し、8000回転で、3時間撹拌した。こうして平均粒径2.4μmのマイクロカプセル化した親油性成分M−4を得た。

0091

実施例1
ウレタン系接着剤が塗布してある厚み180μmのポリエステル支持体の上に、あらかじめペイントシェーカーで室温下30分間よく分散させたのち脱泡した下記組成のドープをブレードコーターで塗布した。
親水性バインダーポリマーP−1(15%固形分): 12.0部
マイクロカプセル化した親油性成分M−1(20%固形分): 6.0部
AIBN: 1.0部
炭酸カルシウム(吸収剤): 0.8部
ステアリン酸亜鉛(滑剤): 0.5部
水: 18.7部

0092

次いで、30分間風乾し、真空乾燥機中で30℃、3時間乾燥し、次にカレンダー処理を行い、平版印刷材料を得た。さらにこれを40℃、4時間反応を兼ねて乾燥させ、塗布厚み平均4.5μmの平版印刷原版を得た。この原版を電子組版機と接続した、サーマルヘッド(東製TPH−293R7)搭載の製版装置で印刷画像を印字し現像することなく製版し、印刷版を得た。この版を所定の寸法にトリミングしオフセット印刷機(ハマダ印刷機械株式会社製、HAMADA611XL、ハードブランケット使用)に装着し上質紙に対し印刷した(用いたインキはBSオフセットインキニューラバーゴールドエッチ処理あり、湿し水はエッチ液を水で50倍希釈したものを使用した)。2万部を過ぎても地汚れがなく、画像部も鮮明に印刷出来た。印刷前後の非画像部の用紙反射濃度を反射濃度計(DM400、大日本スクリーン製造(株)製)にて測定したところ、両者の差は、0.01以下であった。

0093

実施例2
実施例1のドープ組成において、親水性バインダーポリマーP−1をP−3に変更し、さらに架橋剤としてトリメチロールプロパン2.0部、発色剤として3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(固形分40%、平均粒径2.5μm)2.0部およびビスフェノールA分散液(固形分30%、平均粒径2.5μm)10.0部を加えたほかは実施例1と同様の方法で、塗布厚み平均3μmの平版印刷原版を得、製版、印刷を行なった。印字後一切の現像なしに製版された印刷版の画像部は黒色に着色しており検版が容易であった。印刷の結果、3万部過ぎても地汚れもなく鮮明に印刷出来た。印刷前後の非画像部の用紙反射濃度差は、0.01以下であった。

0094

実施例3
ポリエステル支持体にかえて電解研磨されたアルミ支持体上に、実施例1と同様の方法で下記組成のドープを塗布した(親水性バインダーポリマーの架橋間平均分子量:2.5×103 )。30分間風乾後、真空乾燥機中で30℃、3時間乾燥し、次にカレンダー処理を行い、平版印刷材料を得た。さらにこれを60℃、8時間反応を兼ねて乾燥させ、塗布厚み平均2.5μmの平版印刷原版を製造し、実施例1同様製版、印刷した。

0095

親水性バインダーポリマーP−2(20%固形分): 12.5部
グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート: 0.2部
マイクロカプセル化された親油性成分M−2(20%固形分): 7.0部
加水ハロイサイト(吸収剤): 1.0部
ステアリン酸アミド(滑剤): 1.0部
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
(固形分40%平均粒径2.5μm): 2.0部
ビスフェノールA分散液(固形分30%、平均粒径 2.5μm):
10.0部
水: 18.5部
現像工程なしで得られた印刷版は画像部の検版が容易であり、1万部を過ぎても地汚れ無く鮮明な印刷物が得られた。印刷前後の非画像部の用紙反射濃度差は、0.01以下であった。

0096

実施例4
電解研磨されたアルミ支持体上に下記組成のドープをブレードコーターを用い塗布した(親水性バインダーポリマーの架橋間平均分子量:1.3×103 )。
親水性バインダーポリマーP−4の15%トルエン溶液: 12.0部
酸性亜硫酸ナトリウムでマスクされたヘキサメチレンジイソシアネート誘導体
: 0.25部
マイクロカプセル化された親油性成分M−1(固形分99%): 1.2部
カオリン(吸収剤): 5.0部
トルエン: 18.0部

0097

次いで、30分間風乾し、平版印刷材料を得た。これを真空乾燥器中で55℃、4時間乾燥し、次に、カレンダー処理を行ない塗布厚み平均3μmの平版印刷原版を得た。実施例1同様製版、印刷を行なったところ2万部を過ぎても地汚れなく、鮮明な画像の印刷物が得られた。印刷前後の非画像部の用紙反射濃度差は、0.01以下であった。

0098

実施例5
実施例2のドープに増感剤として、ニトロセルロース(硝化度1.8)0.5部を添加した以外同様にして塗布平均厚3μmの平版印刷原版を得た。実施例2と同様に製版、印刷を行なったところ、実施例2に比べ7割の印加エネルギーで実施例2と同レベルの印刷物が得られた。印刷前この非画像部の用紙反射濃度差は、0.01以下であった。

0099

実施例6
アルカリ脱脂した厚み200μmのアルミシートの片面にγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを塗布し50℃、1時間キュアーした支持体に下記の組成のドープをブレードコーターにより塗布した。
親水性バインダーポリマーP−5(15%固形分): 5.0部
マイクロカプセル化した親油性成分M−3(15%固形分): 25.0部
(2−アクリロイルオキシエチル)(4−ベンゾイルベンジル)ジメチル臭化
アンモニウム(光重合開始剤): 0.01部
KIP−103(三井東圧化学製、フタロシアニン系色素): 0.03部
部分鹸化ポリビニルアルコール(5%固形分): 10.0部
水: 16.0部

0100

次いで、30分間風乾後、40度で3時間乾燥して平版印刷材料を得た。さらに、これを、ケミカルランプで6J/cm2照射し、塗布厚み平均4μmの平版印刷原版を得た。この原版を電子組版装置と接続した、1W半導体レーザー素子搭載の印字装置で印刷画像を熱印字し、次いで現像工程を経ず版全面を高圧水銀灯で1分間照射し印刷版を得た。この版をトリミングし、実施例1同様に印刷したところ、5万部を過ぎても地汚れもなく鮮明な印刷物が得られた。印刷前後の非画像部の用紙反射濃度は0.01以下であった。

0101

実施例7
実施例6に使用した支持体上に下記の組成のドープをブレードコーターで塗布した。
親水性バインダーポリマーP−6(15%固形分): 5.0部
マイクロカプセル化された親油性成分M−1(20%固形分):20.0部
(2−アクリロイルオキシエチル)(4−ベンゾイルベンジル)ジメチル臭化
アンモニウム(光重合開始剤): 0.01部
KIP−101(三井東圧化学製、アントラキノン系色素): 0.01部
部分鹸化ポリビニルアルコール(5%固形分): 10.0部
水: 16.0部

0102

次いで、30分間風乾後、真空乾燥器内で30℃で3時間乾燥して平版印刷原版を得た。さらに、これを、ケミカルランプで6J/cm2照射し、塗布平均厚み3.5μmの平版印刷原版を得た。この原版を実施例6の印字装置で、現像工程を経ず印刷版を得た。この版をトリミングし実施例1同様に印刷したところ、2万部を過ぎても地汚れがなく鮮明な印刷物が得られた。印刷前後の非画像部の用紙の反射濃度は0.01以下であった。

0103

実施例8
コロナ放電処理した厚み200μmのポリエステルフィルム上に、5〜10℃で調合された下記組成のドープをブレードコーターで素早く塗布した。
ポリアリルアミン(親水性バインダーポリマー、日東紡績(株)製品種PA
A−H、20%水溶液): 12.0部
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルオキシエチレン基繰り返し数
:23): 1.0部
マイクロカプセル化した親油性成分M−3(15%固形分): 6.5部
マイクロカプセル化した親油性成分M−4(15%固形分): 3.0部
シリカ: 0.5部
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(固形分40%、
平均粒径2.5μm): 0.5部
ビスフェノールA分散液(固形分30%、平均粒径2.5μm):0.5部
水: 18.0部

0104

次いで、発泡しないよう徐々に真空度を上げながら真空乾燥器中で20℃、3時間乾燥し、40℃で1時間反応を重ね乾燥された。次いで、10%HCl水溶液中に浸漬し、取り出してから水洗いした後、40℃で1時間乾燥した。この後、カレンダー処理を行ない、塗布厚み平均3μmの平版印刷原版を得た。実施例1同様に製版、印刷を行ったところ、2万部を過ぎても地汚れなく鮮明な印刷ができた。印刷前後の非画像部の用紙反射濃度差は0.01以下であった。なお、上記支持体上に、このポリアミンを上記ジグリシジルエーテルで架橋した膜の水−ケロシン水中油滴法接触角は160°以上であった。

0105

比較例1
実施例1においてマイクロカプセル化された親油性成分M−1にかえて、反応性基を有しない平均粒径1.0μmのワックスを同量添加した他は同じ組成のドープを調合し、実施例1と同様にして塗布、製版、印刷した。その結果、6百部あたりから印刷物の画像部がカスレ始めた。

0106

比較例2
マイクロカプセル化された親油性成分M−1にかえて、メチルメタクリレートスチレン−ジエチレングリコールジメタクリレート系ミクロゲル(平均粒径0.5μm、反応性官能基非含有タイプ)を酸性ゼラチンコアセルベーション法によりカプセル化したマイクロカプセルを同量使用した以外は実施例1と同じ組成のドープで実施例1同様にして平版印刷原版を作製し、製版、印刷を行なった。その結果、2千部を過ぎたあたりから印刷物の画像部がカスレ始めた。印刷を中断し版のインキを丁寧に拭き去り、カスレの部分をSEMで観察したところ、カプセルサイズ相当のへこみが認められた。カスレのない所はかかる現象が認められなかった。

0107

比較例3
実施例3において、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテートを使用しない以外、同じ組成のドープを用いて塗布、乾燥し平版印刷原版を得た。実施例1同様に製版、印刷したところ、4〜5百部から地汚れし版の非画像部相当領域の一部が剥離を始めていた。

発明の効果

0108

本発明の感熱平版印刷原版は、親水性バインダーポリマーが三次元架橋されており、かつ、印字により、マイクロカプセルから露出した親油性成分は該バインダーポリマーと化学的に結合し、画像部を形成する。そのため、得られた平版印刷版は、耐刷性において格段に優れ、かつ、地汚れのない鮮明な画像の印刷物を得ることができる。その結果、単なる社内印刷を中心とする軽印刷だけでなく、新聞輪転印刷、フォーム印刷等本格的な印刷用の版材としても実用に供することができる。また、本発明の感熱平版印刷原版は、親油性成分がマイクロカプセル化されているので印字に際して初めて、親油性成分と親水性バインダーポリマー等と反応させることができ、非画像部の地汚れを考慮する必要度が低く、また、高い貯蔵安定性がある。

0109

本発明の感熱平版印刷原版は、その機能を各々の構成部分が受け持っているため、版の設計上の自由度が高い。さらに、本発明の感熱平版印刷原版は、接触印字方式のサーマルヘッド印字をしても、サーマルヘッドへの付着物極小押さえられ、製版時のサーマルヘッドの清掃頻度が激減し製版作業性が大幅に向上する。本発明の感熱平版印刷原版は、その非画像部は主として三次元架橋された親水性ポリマーで形成されているため、本発明の製版工程では現像が不要である。現像液の管理、廃液の処理といった作業が要らないため作業効率、コスト削減が計られる。製版装置もコンパクトになり、精度は要求されるものの装置価格も低く設計出来る。

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