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技術 多剤耐性ブドウ球菌を選択的に培養するための培地

出願人 極東製薬工業株式会社田口文章
発明者 田口文章宮尾均大久保華子
出願日 1992年6月18日 (28年6ヶ月経過) 出願番号 1992-182799
公開日 1995年1月6日 (25年11ヶ月経過) 公開番号 1995-000181
状態 特許登録済
技術分野 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物、その培養処理
主要キーワード 検査費用 ブロムクレゾールパープル 保有状況 至適範囲 プラズマ凝固 卵黄反応 汚染状況 ブロムチモールブルー
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この項目の情報は公開日時点(1995年1月6日)のものです。
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構成

ブドウ球菌を選択的に培養するための培地に、多剤耐性を判定するための抗生物質として、培地1ml当たりオキサシリン抗生剤を1.6μg以上、およびセフチゾキシム系抗生剤を6.25μg以上含む多剤耐性ブドウ球菌培養用培地

効果

多剤耐性を示すブドウ球菌を選択的に増殖させて検出することができる。

概要

背景

概要

ブドウ球菌を選択的に培養するための培地に、多剤耐性を判定するための抗生物質として、培地1ml当たりオキサシリン抗生剤を1.6μg以上、およびセフチゾキシム系抗生剤を6.25μg以上含む多剤耐性ブドウ球菌培養用培地

多剤耐性を示すブドウ球菌を選択的に増殖させて検出することができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
6件

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請求項1

ブドウ球菌を選択的に培養するための培地に、多剤耐性を判定するための抗生物質として、培地1ml当たりオキサシリン抗生剤を1.6μg以上およびセフチゾキシム系抗生剤を6.25μg以上含むことを特徴とする多剤耐性ブドウ球菌培養用培地

請求項2

さらに、培地1ml当たり、ゲンタマイシン系抗生剤を6.25μg以上含む請求項1記載の培地。

請求項3

ブドウ球菌を選択的に培養するための培地が、精製水1000mlに、カザミノ酸14.8〜18.2g、ハートエキス2.7〜3.3g、水溶性デンプン1.45〜1.65g、ブドウ糖5〜15g、L-トリプトファン0.045〜0.055g、L-シスチン0.045〜0.055g、CaCl20.166〜0.202g、MgCl2 0.188〜0.23g、NaCl6.8〜8.3g、ピルビン酸ナトリウム0〜15g、卵黄液1〜10%(重量/体積)、寒天13.5〜16.5g、マンニット5〜20gおよび色素10〜30mgを添加してなるものである請求項1または2項に記載の培地。

技術分野

0001

本発明は、多剤耐性を示すブドウ球菌、すなわちメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下、MRSAと略記する)および黄色ブドウ球菌以外のブドウ球菌、例えばコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(以下、CNSと略記する)等のうち多剤耐性を示す菌を選択的に培養するための培地に関する。さらに詳しくは、ブドウ球菌感染症治療指針や、院内感染予防のための病院内環境汚染状況の把握および改善に必要な情報を得るために有用な上記培地に関する。

0002

患者血液や尿などの検体中、食品中あるいは病院環境中のブドウ球菌の検出には、従来使用されている細菌培地として、スタフィロコックス培地No.110、マンニット食塩加培地、食塩寒天基礎培地などがあり、これらの培地はブドウ球菌を選択的に分離するための培地として使用することができる。

0003

しかし、これらの培地はブドウ球菌を選択的に増殖させることができるが、薬剤耐性ブドウ球菌であるか否かの鑑別をすることはできない。このため、薬剤に対する耐性を知るには、これらのブドウ球菌選択培地上にできたブドウ球菌の集落採取し、集落の1つ1つについて別個薬剤感受性試験を行うことが必要であった(J. Clin. Microbiol.18:1084-1091,1983およびJ. Clin. Microbiol.19:482-488,1984)。このように、従来の方法では2段階の検査を行うため検査日数が長くなり、また検査費用も高くなってしまう。

0004

さらにまた、上記のブドウ球菌選択培地は、ブドウ球菌を選択的に分離培養するための培地であり、検体中の薬剤耐性の性質を保有するブドウ球菌の菌数を知ることができないという問題もある。

0005

そこで、メチシリン感染症雑誌、64巻、5号、第549-556 頁)、セフチゾキシム医学検査、41巻、3号、第540 頁)等の抗生物質を単独で培地に含有させて、抗生物質に耐性を示すブドウ球菌選択的に増殖させる方法が試みられたが、多剤耐性のブドウ球菌を選択的に増殖させる培地として実用可能なものは未だ見出されていない。

0006

そこで本発明は、多剤耐性の性質を保有するブドウ球菌を効率的にかつ選択的に増殖させることのできる培地を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、多剤耐性を示すブドウ球菌を選択的に分離培養するための培地について鋭意検討を重ねた結果、メチシリン耐性菌の指標薬剤としてオキサシリン抗生剤を用い、これと、見掛上メチシリン感受性のブドウ球菌においてメチシリン耐性を誘導することができる薬剤であり、しかも他のセフェム系の薬剤と違って、不活化酵素により分解されにくく、安定に培地中に存在することができるセフチゾキシム系抗生剤とを組合せて用いると、多剤耐性を示すブドウ球菌を選択的に分離培養できることを見出した。

0008

すなわち本発明の培地は、ブドウ球菌を選択的に培養するための培地に、多剤耐性を判定するための抗生物質として、培地1ml当たり、オキサシリン系抗生剤を1.6μg以上およびセフチゾキシム系抗生剤を6.25μg以上含むことを特徴とする。

0009

「多剤耐性」とは一般に、メチシリン等のβ‐ラクタム系抗生剤を始めとし、現在広く使用されている全ての抗生剤(例えばアミノグリコシド系マクロライド系テトラサイクリン系等)のうちの複数薬剤に対して耐性を示すことをいっている。

0010

本発明の培地は、多剤耐性のブドウ球菌を選択的に分離培養するために、培地中にオキサシリン系抗生剤およびセフチゾキシム系抗生剤を組合せて含むことを特徴とする。両者が含有されることが必須であり、どちらか一方を含むだけでは本発明の効果を発揮できない。オキサシリン系抗生剤としては、6-アミノペニシラン酸メチルフェニルイソキサゾリル誘導体等を包含する。またセフチゾキシム系抗生剤としては、(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-アミノ-4-チアゾリル)-2-メトキシイミノアセタミド]-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクト-2-エン-2-カルボン酸、7-[(Z)-2-(2-アミノ-4- チアゾリル)-2- メトキシイミノアセタミド]-3-セフェム-4- カルボン酸等を包含する。オキサシリン系抗生剤は培地1ml当たり、1.6μg以上の量で培地中に含まれる。これより少ないと薬剤感受性菌の発育許すので、本発明の効果を発揮できない。含有量の上限は特に必要ないが、多すぎると多剤耐性菌の発育抑制を招くこともあるので、6.2μg以下が好ましい。使用量の至適範囲は、培地1ml当たり1.6〜4.0μgである。また、セフチゾキシム系抗生剤は培地1ml当たり6.25μg以上の量で培地中に含まれる。これより少ないと薬剤感受性菌の発育を許すので、本発明の効果を発揮できない。含有量の上限は特に必要ないが、多すぎると多剤耐性菌の発育抑制を招くこともあるので、25μg以下が好ましい。使用量の至適範囲は、培地1ml当たり6.25〜12.5μgである。

0011

本発明の培地はまた、上記の2種の抗生剤に加えてさらにゲンタマイシン系抗生剤を6.25μg以上含むのが好ましい。これは、入院患者由来のMRSA株の多くはゲンタマイシン耐性で、医療従事者より分離されるMRSA株の多くはゲンタマイシン感受性であるということから、多剤耐性菌のなかでも特に、ゲンタマイシン耐性かどうかを判別することは臨床的意義が大きいからである。使用するゲンタマイシン系抗生剤としては、ゲンタマイシンC1 (C21H43N5 O7 )、ゲンタマイシンC2 、ゲンタマイシンC1a等が包含される。ゲンタマイシン系抗生剤は、培地1ml当たり6.25μg以上の量で培地中に含まれるのが好ましい。また、多すぎたときの多剤耐性菌の発育抑制を避けるためには25μg以下が好ましい。使用量の至適範囲は、培地1ml当たり6.25〜12.5μgである。

0012

本発明において、ブドウ球菌を選択的に培養するための培地とは、当業者に公知の、ブドウ球菌培養のための培地に慣用的に用いられる成分を含む培地をいう。そのような成分としては例えば、カザミノ酸ハートエキス(ハートインフュージョン)、種々のペプトン酵母エキス肉エキス水溶性デンプンブドウ糖、L-トリプトファン、L-シスチンビオチン、CaCl2 、MgCl2 、NaCl、ピルビン酸ナトリウム)、卵黄液、寒天、マンニット、色素等が挙げられる。これらの成分を精製水に加えて培地を製造することができる。

0013

特に、ブドウ球菌のなかでもMRSAとその他の多剤耐性ブドウ球菌(例えばCNS)を区別するためには、卵黄反応とマンニット反応を組合せて使用するのが好ましいので、培地に卵黄液、マンニットおよび色素を含むのが好ましい。卵黄液は1〜10%(重量/培地体積)含むのが好ましい。またマンニットは5〜20g/培地1リットル、および色素(例えばブロムクレゾールパープルフェノールレッドニュートラルレッドブロムチモールブルー等)は10〜30mg/培地1リットル含むのが好ましい。卵黄反応により、MRSAは集落周囲の黄濁環および、集落周囲培地表面の真珠光沢環を有する集落として、その他は集落周囲を変化させない集落として区別される。またマンニット反応により、MRSAは集落周囲の培地色の黄変として、またその他は培地色を変化させない集落として区別される。

0014

具体的なブドウ球菌培養用の培地組成の例としては、例えばミュラーヒントン培地、トリプチケースソイ培地、ハートインフュージョン培地、普通寒天培地等の基礎培地に、卵黄液、食塩、マンニット、ブドウ糖、アミノ酸類、ピルビン酸等の付加的成分を添加したものが挙げられる。

0015

ブドウ球菌培養用培地組成の好ましい例としては、例えば次のような組成が挙げられる。すなわち、精製水1000mlに、カザミノ酸14.8〜18.2g、ハートエキス2.7〜3.3g、水溶性デンプン1.45〜1.65g、ブドウ糖5〜15g、L-トリプトファン0.045〜0.055g、L-シスチン0.045〜0.055g、CaCl2 0.166〜0.202g、MgCl20.188〜0.23g、NaCl 6.8〜8.3g、ピルビン酸ナトリウム0〜15g、卵黄液1〜10%(重量/体積)、寒天13.5〜16.5g、マンニット5〜20gおよび色素10〜30mgを添加する。

0016

本発明の培地のpHは、好ましくは7.0〜7.8、至適pHは7.4±0.2である。

0017

本発明の培地は、常法により培養を行うことができる。例えば菌体塗抹した培地を、通常32〜38℃、特に好ましくは35℃前後で、通常18〜48時間、好ましくは約24時間培養を行う。

0018

以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例では、次の培地を使用した。
本発明の平板培地
オキサシリン4mg、セフチゾキシム12.5mg、カザミノ酸15.5g、ハートエキス3.0g、水溶性デンプン1.5g、ブドウ糖2.0g、L-トリプトファン0.05g、L-シスチン0.05g、CaCl2 0.15g、MgCl2 0.1g、NaCl 75g、ピルビン酸ナトリウム1g、寒天15g、マンニット10g、およびブロムクレゾールパープル20mgに精製水1000mlを加えた。これを滅菌した後、卵黄液を5%(重量/体積)の割合に加え、シャーレに各20ml流し入れ、固化させた。
本発明の平板培地B
オキサシリン 4mg、セフチゾキシム 12.5mg、ゲンタマイシン12.5mg、カザミノ酸 15.5g、ハートエキス 3.0g、水溶性デンプン 1.5g、ブドウ糖 2.0g、L-トリプトファン 0.05g、L-シスチン 0.05g、CaCl2 0.15g、MgCl2 0.1g、NaCl75g、ピルビン酸ナトリウム 1g、寒天 15g、マンニット 10g、およびブロムクレゾールパープル 20mgに精製水1000mlを加えた。これを滅菌した後、卵黄液を5%(重量/体積)の割合に加え、シャーレに各20ml流し入れ、固化させた。
比較例の平板培地A(抗生物質を含まないこと以外は本発明の培地と等しい成分を含有)
カザミノ酸 15.5g、ハートエキス 3.0g、水溶性デンプン 1.5g、ブドウ糖 2.0g、L-トリプトファン 0.05g、L-シスチン 0.05g、CaCl2 0.15g、MgCl2 0.1g、NaCl 75g、ピルビン酸ナトリウム 1g、寒天 15g、マンニット 10g、およびブロムクレゾールパープル 20mgに精製水1000mlを加えた。これを滅菌した後、卵黄液を5%(重量/体積)の割合に加え、シャーレに各20ml流し入れ、固化させた。
比較例の平板培地B(マンニット食塩卵黄培地)
肉エキス1.0g、ペプトン10.0g、マンニット 10.0g、NaCl 75.0g、フェノールレッド0.025gおよび寒天 15.0g(極東マンニットソルト寒天培地として極東製薬工業株式会社より市販)に精製水1000mlを加えた。これを滅菌した後、卵黄液を5%(重量/体積)の割合に加え、シャーレに各20ml流し入れ、固化させた。
実施例1〜2および比較例1〜2
MRSAと判明している黄色ブドウ球菌20株およびメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(以下、MSSAと略記する)20株を、本発明の平板培地、比較例の平板培地Aおよび比較例の平板培地Bのそれぞれに塗抹し、35℃で約24時間培養を行い、黄色ブドウ球菌の増殖を検討した。結果を表1に示す。

0019

0020

比較例の平板培地においてはいずれも、試験菌株すべてが増殖しているが、本発明の平板培地においては、MRSAのみが選択的に増殖した。
実施例3および比較例3〜4
多剤耐性CNSであると判明しているCNS 20株およびメチシリン感受性のCNS20株を、本発明の平板培地、比較例平板培地Aおよび比較例平板培地Bのそれぞれに塗抹し、35℃で約24時間培養を行い、CNS の増殖を検討した。結果を表2に示す。

0021

0022

比較例の平板培地においてはいずれも、試験菌株すべてが増殖しているが、本発明の平板培地においては、多剤耐性を示すメチシリン耐性CNSのみが選択的に増殖した。
実施例4
病院従事者間におけるMRSA保有状況を把握するため、病院従事者5人(A,B,CおよびD)の前底、咽頭および手のひらの皮膚表面を滅菌綿棒にて拭い、この綿棒を1mlの滅菌生理食塩水に良くほぐしたものを検体として使用した。この検体0.1mlを本発明の平板培地表面に均一に塗抹し、37℃で約24時間培養を行って、菌の増殖を検討した。なお、MRSA以外のブドウ球菌の集落については、家兎プラズマ凝固試験コアグラーゼ試験)においてすべての株が陰性であることにより、多剤耐性CNS であることを判定した。結果を表3に示す。

0023

発明の効果

0024

本発明によれば、多剤耐性を示すブドウ球菌を選択的に増殖させて検出することができる。よって、本発明の培地は非常に有用である。

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