図面 (/)
目的
構成
概要
背景
自動車用内装部品のクラッシュパッド用表皮材は、真空成形工法やパウダースラッシュ成形工法等により製造される。
パウダースラッシュ成形工法は、電鋳型を種々の加熱方法で約230℃に加熱し、粉体材料が投入されているパウダーボックスと嵌合させ、回転操作により、電鋳型内に粉体材料を均一に付着させる。
これにより、加熱された電鋳型に付着した粉体材料は電鋳型の余熱で溶融し、溶融層が形成され、電鋳型を冷却後、固化した表皮層を電鋳型から脱型する。
電鋳型の加熱方法は、オイルを媒体としたオイル加熱方式,金属粉を媒体とした流動床加熱方式,LPG等のガス火力の輻射熱を利用した直下加熱方式,またLPGガス火力の熱源を用い、熱風により加熱炉内を昇温させ加熱する熱風ガス加熱方式等がある。
近年、電鋳型のコスト低減やハイサイクル化を目的とし、従来のオイル加熱方式から熱風ガス加熱方式に設備移行する傾向にある。
概要
熱風ガス加熱方式のパウダースラッシュ成形装置において、型重量の異なる型を同一時間内で所定温度に昇温させ、連続方式の成形を可能にすることを目的とする。
熱風を送る送風ファン2の回転速度をインバータ12制御でコントロールし、かつ回転速度を時間制御することにより、電鋳型11への熱風量(熱量)を可変させ、異重量,異形状の電鋳型を同一時間で所定温度に昇温させることで、連続成形装置の成形を容易なものにした。
目的
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
0001
この発明は、パウダースラッシュ成形装置に関するものである。
背景技術
0005
電鋳型の加熱方法は、オイルを媒体としたオイル加熱方式,金属粉を媒体とした流動床加熱方式,LPG等のガス火力の輻射熱を利用した直下加熱方式,またLPGガス火力の熱源を用い、熱風により加熱炉内を昇温させ加熱する熱風ガス加熱方式等がある。
発明が解決しようとする課題
0009
しかし、熱効率を高めるためには、多型搭載の連続方式成形装置が有効であるが、雰囲気温度が一定のため、電鋳型の重量や面積が大きく異なる型搭載は、型加熱不足や型の過剰加熱が発生し、安定した製品が得られないという欠点があった。
0010
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、熱風ガス加熱方式のパウダースラッシュ成形装置において、異重量,異面積(異形状)の型搭載が可能なパウダースラッシュ成形装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0011
上記目的を達成するために、本発明は、熱風ガス加熱方式のパウダースラッシュ成形装置において、熱風ファンの回転速度をインバータ制御でコントロールし、電鋳型への熱風量を可変させ、異重量,異形状の電鋳型を同一時間で昇温させることを特徴とする。
0012
さらに、本発明は、熱風ファンの回転速度を時間制御させることを特徴とする。
0013
以上の構成から明らかなように、熱風ファンの回転速度がインバータ制御でコントロールされ、電鋳型への熱風量を可変させることができるため、異重量,異形状の電鋳型を一定時間で所定温度に昇温させることが可能となる。
0014
以下、本発明に係るパウダースラッシュ成形装置について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
0019
送風ダクト3から送られてくる熱風はギャラリー10を通し、加熱炉5内の電鋳型11に吹き付ける。この際、電鋳型11の型重量,型面積,型形状に合わせ、図2に示す各パターン例により熱風量をコントロールする。
0021
また、C,Dパターンは、A,B条件の範囲内に型加熱状態を制御した各パターン例である。
0022
Cパターンは、時間軸の後半に送風ファン2の回転速度を低速に調整することにより、電鋳型11の加熱を時間制御した例である。
0023
また、Dパターンは時間軸の前後半に送風ファン2の回転速度を低速にすることにより、さらに、Cより電鋳型11の加熱を抑えたパターン例である。
0027
これに、低速時間制御を付加することにより、最大型重量250kg,最小型重量140kgを同一の加熱時間で安定的に所定温度に昇温させることができた。
0028
同一の加熱時間で大小の電鋳型を所定温度に昇温させることは、パウダースラッシュ成形装置を設計する上で、設計自由度が高いことを意味する。
0029
図3はターンテーブル方式の連続成形装置の設計例であり、加熱炉5による電鋳型の加熱工程の後、パウダー成形部13によるパウダースラッシュ成形工程、その後、水冷部14における冷却工程、脱型部15における脱型工程と、連続した工程で成形サイクルが進行する。
0030
型加熱時間が同一でない場合は、図3に示すターンテーブル方式の連続成形装置は設計上不可能である。
0031
本発明は、このように異重量,異面積,異形状の電鋳型を同一成形装置内に搭載可能とし、さらに、型加熱も送風ファンの回転速度を段階的に高めることにより、電鋳型の熱膨脹によるストレスクラックも改善可能な方法を提供することができる。
発明の効果
0032
以上説明した通り、本発明に係るパウダースラッシュ成形装置は、熱風ファンの回転速度をインバータ制御でコントロールし、かつ回転速度を時間制御することにより、電鋳型への熱風量を可変させ、異重量,異面積等の電鋳型を同一成形装置内に搭載可能としたため、連続成形装置の設計が容易に行なえるという効果を有する。
図面の簡単な説明
0033
図1本発明に係るパウダースラッシュ成形装置の概略構成を示す説明図である。
図2本発明に係るパウダースラッシュ成形装置における熱風ファンの制御パターン例を示すグラフである。
図3本発明に係るパウダースラッシュ成形装置を用いた連続成形装置の設計例を示す説明図である。
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0034
1…ガスバーナー2…送風ファン
3…送風ダクト4…シーケンサ
5…加熱炉7…PID制御装置
8…空気弁9…LPG弁
11…電鋳型12…インバータ
13…パウダー成形部 14…水冷部
15…脱型部
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