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図面 (13)

目的

異物検査分析とを同じレベルで行い、座標変換分解能の差に因る問題点を解消し、検査時間を短縮させ、しかも小型で安価な異物検査分析装置及び異物検査分析方法を提供する。

構成

異物を照射した際に生ずる散乱光のうち、弾性散乱光成分の強弱によって異物の存在位置やその大きさを検出し、これと同期的に非弾性散乱光成分のスペクトル分析を行うことによってその異物の成分を同定することができる。

概要

背景

半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)や液晶基板等の試料の表面上に存在する付着異物や傷等の欠陥は、後のパターン形成において断線等の不良の原因となる。したがって、製造工程前・工程間において、予め検査して、欠陥を検出された試料に対し洗浄又は排除する等の適切な処理を施す必要がある。

図8には、試料表面に付着した異物を検出する、従来の異物検査装置(200)の例(以下、第1の従来例と記す)を示している。同装置(200) の構成は、試料を走査可能に載置する走査部(210) と、試料を斜方照射する投光部(220) と、試料の略鉛直上方に配設されて試料表面からの散乱光受光して受光量に応じた受光信号を出力する受光部(230) と、受光信号を処理する電気回路系(240) とに大別される。

しかして、試料走査中において照射点に付着異物が現れた場合、異物からは強い散乱光が発生するので、受光部(230) で撮らえることができた。そして異物の大きさ等によって散乱光強度が変化することを用いて、電気回路系(240) にて受光信号を所定の閾値と比較することにより異物の存在や大きさを検出することができた。また、走査部(210) への走査信号と受光信号との同期をとることによって、異物が試料中のどの位置に存在するかを知ることができた。

また、上記装置(200) によって検出した異物について、さらにその成分や形状等を知りたい場合がある。このような場合には、検査した試料のデータを、一旦フロッピーディスクハードディスク光ディスク等の補助記憶装置に格納したり、入出力インタフェース(例えばRS-232C規格)を介した転送等によって、成分分析装置電子顕微鏡取り入れて所望の分析・観察を行っていた。

しかし、レイリー(Rayleigh)やミー(Mie) の光散乱の理論から、異物による散乱光の光強度の絶対値は、通常、異物の大きさ(直径)の2乗乃至6乗倍に比例することが分っている。これら弾性散乱光における異物の大きさと散乱光強度との関係を図9に示す。よって検出対象となる異物の大きさが、例えば10倍になると、この異物による散乱光の光強度の絶対値は、およそ102 乃至106 倍になってしまう。

従ってこの第1の従来例において、異物検査装置(200) の受光部(230) で受光され電気回路系(240) にて受光信号を所定の閾値と比較する際に、電気回路系(240) に内蔵されているアンプが1台の場合には、この電気回路系(240) の動作範囲超過してしまうことが考えられる。

そこで、まず図10に示すように電気回路系(241) にて、検出粒子の直径が大きい領域(例えば5〜10μm)においてはアンプ(242) (例えばA(定数)倍に受光信号を増幅)、検出粒子の直径が中くらいの領域(例えば1〜5μm)においてアンプ(243) (例えば10A倍に受光信号を増幅)、検出粒子の直径が小さい領域(例えば0.1〜1μm)においてアンプ(244) (例えば100A倍に受光信号を増幅)、をそれぞれ設けて各領域の散乱光の受光信号を、その大きさに応じて切り換え部(245) でそれぞれのアンプ(242) ,(243) ,(244) に振り分け、対応したアンプで増幅して測定することが考えられている(以下、第2の従来例と記す)。さらに、この第2の従来例の変形例として切り換え部(245) を設ける代わりにアンプ(242) ,(243) ,(244) にそれぞれ対応した複数個の受光部を設けることも考えられている。

加えて、図11に示すような電気回路系(246) において、受光信号Xの入力に対する出力Yが、Y=KLog X(K:定数)となるようなLogアンプ(247) を用いて散乱光の受光信号を測定することも考えられている(以下、第3の従来例と記す)。

概要

異物の検査と分析とを同じレベルで行い、座標変換分解能の差に因る問題点を解消し、検査時間を短縮させ、しかも小型で安価な異物検査分析装置及び異物検査分析方法を提供する。

異物を照射した際に生ずる散乱光のうち、弾性散乱光成分の強弱によって異物の存在位置やその大きさを検出し、これと同期的に非弾性散乱光成分のスペクトル分析を行うことによってその異物の成分を同定することができる。

目的

そこで、本発明は、異物の検査と分析とを単一の装置上で行わしめることによって、異物の検査と分析とを同じ条件で行い、座標変換や分解能の差に因る問題点を解消し、検査時間を短縮させ、しかも小型で安価な異物検査分析装置及び異物検査分析方法を提供することを目的とする。

また、本発明は、受光部の数を少なくし、信号処理回路を簡略化し、異物の大きさの微小な変化を検出することを可能とする高分解能な異物検査分析装置及び異物検査分析方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
9件

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請求項1

検査対象走査可能に載置する走査手段と、前記検査対象に検査光斜方照射する投光手段と、前記走査手段の上方で且つ前記検査光の正反射方向以外の方向に配設されて前記検査対象からの散乱光受光してその受光量に応じた第1の検査信号を出力する第1の受光手段と、前記走査手段の上方で且つ前記検査光の正反射方向以外の方向に配設されて前記散乱光のうち前記検査光とは異なる波長成分の受光量に応じた第2の検査信号を出力する第2の受光手段と、前記第1の検査信号を所定の閾値と比較して異物の存在位置及びその大きさを検出する第1の信号処理手段と、前記第2の検査信号をスペクトル分析して異物の成分を同定する第2の信号処理手段とを具備することを特徴とする異物検査分析装置

請求項2

第1の受光手段と、第2の受光手段とは、互いに検査光の入射面に対して略面対称の方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の異物検査分析装置。

請求項3

第1の受光手段と、第2の受光手段とは、互いに検査光の入射面に対して略同一の方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の異物検査分析装置。

請求項4

検査対象を走査させながら検査光を投光する投光工程と、前記検査対象からの散乱光を受光してその受光量に応じた第1の検査信号を出力する第1の受光工程と、前記散乱光のうち前記検査光とは異なる波長成分を受光してその受光量に応じた第2の検査信号を出力する第2の受光工程と、前記第1の検査信号に基づいて異物の存在位置及びその大きさを検出する第1の信号処理工程と、前記第1の信号処理工程で検出された異物の存在位置における第2の検査信号をスペクトル分析して当該異物の成分を同定する第2の信号処理工程とを具備することを特徴とする異物検査分析方法

技術分野

0001

本発明は、例えば半導体ウエハ液晶基板等の試料表面の付着異物や傷等の欠陥レーザ照射により生ずる散乱光受光することによって検査する異物検査分析装置及び異物検査分析方法係り、特に試料表面上の異物等の大きさ及び存在位置を検出するとともに異物等の成分分析をも行う異物検査分析装置及び異物検査分析方法に関する。

背景技術

0002

半導体ウエハ(以下、単にウエハと記す)や液晶基板等の試料の表面上に存在する付着異物や傷等の欠陥は、後のパターン形成において断線等の不良の原因となる。したがって、製造工程前・工程間において、予め検査して、欠陥を検出された試料に対し洗浄又は排除する等の適切な処理を施す必要がある。

0003

図8には、試料表面に付着した異物を検出する、従来の異物検査装置(200)の例(以下、第1の従来例と記す)を示している。同装置(200) の構成は、試料を走査可能に載置する走査部(210) と、試料を斜方照射する投光部(220) と、試料の略鉛直上方に配設されて試料表面からの散乱光を受光して受光量に応じた受光信号を出力する受光部(230) と、受光信号を処理する電気回路系(240) とに大別される。

0004

しかして、試料走査中において照射点に付着異物が現れた場合、異物からは強い散乱光が発生するので、受光部(230) で撮らえることができた。そして異物の大きさ等によって散乱光強度が変化することを用いて、電気回路系(240) にて受光信号を所定の閾値と比較することにより異物の存在や大きさを検出することができた。また、走査部(210) への走査信号と受光信号との同期をとることによって、異物が試料中のどの位置に存在するかを知ることができた。

0005

また、上記装置(200) によって検出した異物について、さらにその成分や形状等を知りたい場合がある。このような場合には、検査した試料のデータを、一旦フロッピーディスクハードディスク光ディスク等の補助記憶装置に格納したり、入出力インタフェース(例えばRS-232C規格)を介した転送等によって、成分分析装置電子顕微鏡取り入れて所望の分析・観察を行っていた。

0006

しかし、レイリー(Rayleigh)やミー(Mie) の光散乱の理論から、異物による散乱光の光強度の絶対値は、通常、異物の大きさ(直径)の2乗乃至6乗倍に比例することが分っている。これら弾性散乱光における異物の大きさと散乱光強度との関係を図9に示す。よって検出対象となる異物の大きさが、例えば10倍になると、この異物による散乱光の光強度の絶対値は、およそ102 乃至106 倍になってしまう。

0007

従ってこの第1の従来例において、異物検査装置(200) の受光部(230) で受光され電気回路系(240) にて受光信号を所定の閾値と比較する際に、電気回路系(240) に内蔵されているアンプが1台の場合には、この電気回路系(240) の動作範囲超過してしまうことが考えられる。

0008

そこで、まず図10に示すように電気回路系(241) にて、検出粒子の直径が大きい領域(例えば5〜10μm)においてはアンプ(242) (例えばA(定数)倍に受光信号を増幅)、検出粒子の直径が中くらいの領域(例えば1〜5μm)においてアンプ(243) (例えば10A倍に受光信号を増幅)、検出粒子の直径が小さい領域(例えば0.1〜1μm)においてアンプ(244) (例えば100A倍に受光信号を増幅)、をそれぞれ設けて各領域の散乱光の受光信号を、その大きさに応じて切り換え部(245) でそれぞれのアンプ(242) ,(243) ,(244) に振り分け、対応したアンプで増幅して測定することが考えられている(以下、第2の従来例と記す)。さらに、この第2の従来例の変形例として切り換え部(245) を設ける代わりにアンプ(242) ,(243) ,(244) にそれぞれ対応した複数個の受光部を設けることも考えられている。

0009

加えて、図11に示すような電気回路系(246) において、受光信号Xの入力に対する出力Yが、Y=KLog X(K:定数)となるようなLogアンプ(247) を用いて散乱光の受光信号を測定することも考えられている(以下、第3の従来例と記す)。

発明が解決しようとする課題

0010

上述の通り、第1の従来例の異物検査装置では試料表面に付着した異物の存在(異物の位置)と大きさとしか検出できないため、さらに異物の形状や成分を同定したい場合は別の装置で分析する必要があった。したがって、2台以上の装置を備えなければならず、高価なものとなり、また装置床面積も費やすこととなっていた。

0011

また、上記のような手法では、検査プロセスは、『異物の検査』→『データ転送』→『異物の分析』という直列の流れとなり、多量の時間を要していた。

0012

更に、異物検査装置と、分析装置及び電子顕微鏡とでは、装着した試料に対して設定する座標系が一致しないため、データ転送後に座標変換する必要があった。しかし、異物検査装置の分解能が通常数平方μm程度であるのに対し、分析装置や電子顕微鏡の分解能は通常一平方μm以下である。したがって、座標変換した後であっても、さらに分析装置・電子顕微鏡において、抽出された数百平方μmの走査点の中から、所望の異物(1μm以下の微粒子の場合もある)を捜し出さなければならず、困難極まる作業であった。

0013

そして、第2の従来例の異物検査装置では、検出粒子の直径に応じてアンプ(242) ,(243) ,(244) を設けているために、アンプの数が増加してしまい信号処理回路が非常に複雑となってしまう。

0014

加えて、第3の従来例の異物検査装置では、検出粒子からの散乱光を受光した信号そのものに対応する対数(Log) の信号が出力されるので、微弱な信号の変化の対して、追従が不可能である。よって異物の大きさの微小な変化を検出することができない。即ち検出の際の分解能が不足してしまうという問題がある。

0015

そこで、本発明は、異物の検査と分析とを単一の装置上で行わしめることによって、異物の検査と分析とを同じ条件で行い、座標変換や分解能の差に因る問題点を解消し、検査時間を短縮させ、しかも小型で安価な異物検査分析装置及び異物検査分析方法を提供することを目的とする。

0016

また、本発明は、受光部の数を少なくし、信号処理回路を簡略化し、異物の大きさの微小な変化を検出することを可能とする高分解能な異物検査分析装置及び異物検査分析方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0017

請求項1によると本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、検査対象を走査可能に載置する走査手段と、前記検査対象に検査光を斜方照射する投光手段と、前記走査手段の上方で且つ前記検査光の正反射方向以外の方向に配設されて前記検査対象からの散乱光を受光してその受光量に応じた第1の検査信号を出力する第1の受光手段と、前記走査手段の上方で且つ前記検査光の正反射方向以外の方向に配設されて前記散乱光のうち前記検査光とは異なる波長成分の散乱光の受光量に応じた第2の検査信号を出力する第2の受光手段と、前記第1の検査信号を所定の閾値と比較して異物の存在位置及びその大きさを検出する第1の信号処理手段と、前記第2の検査信号をスペクトル分析して異物の成分を同定する第2の信号処理手段とを具備することを特徴とする異物検査分析装置を提供するものである。

0018

また、請求項2によると本発明は、検査対象を走査させながら検査光を投光する投光工程と、前記検査対象からの散乱光を受光してその受光量に応じた第1の検査信号を出力する第1の受光工程と、前記散乱光のうち前記検査光とは異なる波長成分のみを受光してその受光量に応じた第2の検査信号を出力する第2の受光工程と、前記第1の検査信号に基づいて異物の存在位置及びその大きさを検出する第1の信号処理工程と、前記第1の信号処理工程で検出された異物の存在位置における第2の検査信号をスペクトル分析して当該異物の成分を同定する第2の信号処理工程とを具備することを特徴とする異物検査分析方法を提供するものである。

0019

一般に、光を照射された異物から生ずる散乱光は、弾性散乱光(またはレイリー(Rayleigh)散乱光及びミー(Mie) 散乱光)と、非弾性散乱光(またはラマン(Raman) 散乱光)に分類される。

0020

弾性散乱光は、入射光が異物表面で光学的に反射または回折して生ずる散乱光であり、吸収によるエネルギー損出を伴わないので、入射光と同一の波長成分を持つ。そして、この弾性散乱光の光強度の絶対値は通常、異物の大きさの2乗乃至6乗倍に比例する。

0021

一方、非弾性散乱光は、入射光と、入射された異物表面の分子または原子熱振動中の横波モードとの相互作用(すなわち、光学フォノンとの非弾性散乱)によって生ずる散乱光である。この相互作用の際のエネルギーの授受によって波長シフト現象が生ずる。そして、波長のシフト量Δλは各物質固有のものであることが知られている(約数十nm程度)。ここで、非弾性散乱光の光強度の絶対値は、弾性散乱光に比し約10-4倍乃至10-3倍程度の微弱なものであるが、これは各々の要因から容易に推察されるものである。ここで図12に弾性散乱光と非弾性散乱光との波長及び散乱光強度について示す。

0022

そこで、本発明においては、上述した光の性質を利用して、第1の受光手段(若しくは第1の受光工程)によって弾性散乱光のみを受光し、第1の検査信号の示すピークによって異物の存在を検出でき、且つそのピーク値の大きさによって異物の大きさを測定することができる。また、第2の受光手段(若しくは第2の受光工程)では非弾性散乱光のみを受光して第2の検査信号を得る。そして、第1の検査信号上で異物が検出された場合、これと同期的に第2の検査信号をスペクトル分析することによって、当該異物の材料成分を同定することができる。

0023

すなわち、異物の検査と成分分析とを同じ条件で行わしめることによって、座標変換や分解能の差に因る問題点を解消し、検査時間を短縮させ、しかも小型で安価な異物検査分析装置及び異物検査分析方法を提供することができる。

0024

また、本発明においては、図12に示す光の強度分布の性質を利用して、上述のような手法で信号処理回路を簡略化し、更に異物の大きさの微小な変化を検出することを可能とする高分解能な異物検査分析装置及び異物検査分析方法を提供することができる。

0025

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施例に係る異物検査分析装置(100) の概観構成を示す図である。この異物検査分析装置装置(100) は、走査手段としてRテーブル(111) ,θテーブル(112) と、投光手段としてのレーザ発振器(121) ,ビームエキスパンダ(122) ,対物レンズ系(123) と、第1の受光手段としての第1の結像レンズ系(131) ,第1のセンサ(132) と、第2の受光手段としての第2の結像レンズ系(141) ,ラマン分光系(142) ,第2のセンサ(143) と、第1の信号処理手段としての増幅回路(151) ,ノイズ除去回路(152) ,閾値比較回路(153) と、第2の信号処理手段としての増幅回路(161) ,スペクトル分析回路(162) と、演算制御部(170) とを備えている。以下、各部分の具体的構成について詳解する。

0026

Rテーブル(111) は、パルスモータ(111-a) に連結したボール捩子(111-b)と、ボール捩子(111-b) を螺挿する直進テーブル(111-c) と、この直進テーブル(111-c) をR方向(水平な一方向)に進退自在に挿通するガイドレール(111-d)とからなる。

0027

θテーブル(112) はパルスモータ(112-a) に連結した回転テーブル(112-b)であり、直進テーブル(111-c) 上の支柱にθ軸(鉛直軸)回りに回動自在に軸支されている。また、回転テーブル(112-b) の上面は吸着機能を有しており、検査対象となるウエハ(10)を座標系が設定された所定位置にて載置固定するようになっている。しかして、パルスモータ(111-a) ,(112-a) が同期的に駆動することによってウエハ(10)を同心円状に全面走査できるようになっている。また、各パルスモータ(111-a) ,(112-a) へのパルス信号計数することによって現在の走査位置(R,θ)を示す位置信号を出力できるようになっている。

0028

レーザ発振器(121) は、例えばAr+レーザなどの検査光Lを照射するレーザ光源(例えば出力:300mw,波長:488nm)が用いられる。対物レンズ系(123) は、検査光Lを10μm×1μmの略楕円形状に集光して、ウエハ(10)上の所定の走査点を鉛直方向に対して略60°の方向から斜方照射するようになっている。なお、対物レンズ系(123) においては、入射光がある程度以上の径を有する方が、幾何光学的に集光が容易である。これに対し、レーザ発振器(121) の発する光は通常0.6mm 程度の径しかない。そこで、対物レンズ系(123) の直前に配設されたビームエキスパンダ(122) は、入射した検査光Lの径を10倍乃至20倍程度に拡大した平行光に変換して対物レンズ系(123) に供給するようになっている。

0029

第1の結像レンズ系(131) は、検査光Lの入射方向に対し垂直で且つ走査点に対し仰角略30°の方向に配設されており、ウエハ(10)上の異物を照射した際に生ずる散乱光の一部L1 を集光するようになっている。これは検査光Lの正反射光を検出してしまわないためである。第1のセンサ(132) は、光電子増倍管あるいはフォトダイオード等の受光素子電流電圧変換回路等の組合せで構成されたデバイスであり、散乱光L1 を受光してその光強度に応じた信号レベルを有する第1の検査信号を出力するようになっている。なお、散乱光L1 は厳密にはレイリー散乱光ラマン散乱光との両方を含むのであるが、後者の光強度の絶対値は前者の約10-3倍程度しかないので、L1 をレイリー散乱光として扱っても問題ない。

0030

第2の結像レンズ系(141) は、検査光Lの入射面に対して第1の結像レンズ系(131) とは略面対称に配設されており、ウエハ(10)上の異物を照射した際に生ずる散乱光の一部L2 を集光するようになっている。これは散乱光の強度分布について、検査光Lの入射面に対して面対称に略同一の偏りが生じるためである。ラマン分光系(142) は、トリプルポリクロメータあるいはダブルポリクロメータもしくはモノクロメータ等の一般に知られる分光器で構成され、且つ、その分光器の波長帯域をλ1 乃至λ2 (但し、488nm <λ1 <λ2 )の範囲に設定されており、入射光と同一波長の散乱光(すなわち、レイリー散乱光)を遮断するとともに、ラマン散乱光のうちのストークス(Storks)光L2'(但し、L2'の波長λ2'は、λ2'=488nm +Δλ且つΔλ>0を満たすものとする)だけを抽出するようになっている。第2のセンサ(143) は、マルチチャンネル型光検出器であり、L2'を受光してその強度に応じた信号レベルを有する第2の検査信号を出力するようになっている。

0031

増幅回路(151) は、通常のアンプ素子等で構成されており、第1の検査信号を入力して所定の倍率で増幅するようになっている。ノイズ除去回路(152) は、入力信号中の低レベルの変動成分を遮断するフィルタ機能を備えた回路であり、センサ(132) のショットノイズの他に第1の検査信号のうち非弾性散乱光に因る微弱なピークを除去するようになっている。なぜなら、上述したように非弾性散乱光の強度の絶対値は弾性散乱光の約10-3倍程度しかないからである。閾値比較回路(153) は、入力した第1の検査信号のピーク値を予め設定された閾値VTと比較して、VT 以上であれば異物が存在したと判断して、検出信号Sを後述のスペクトル分析回路(162) ,演算制御部(170) に出力するようになっている。なお、閾値VT は、一般にはコンピュータ上のシミュレーションや、標準粒子を用いて基準データを抽出したりするような種々の手法によって求めることができる。そして、信号レベルは異物の大きさにほぼ比例するので、異物の大きさを細分類する場合はこの閾値をVT1,VT2,VT3…(但しVT1<VT2<VT3<…)と複数設定することとなる。

0032

増幅回路(161) は第2の検査信号を所定の倍率で増幅するようになっている。スペクトル分析回路(162) は、上記閾値比較回路(153) からの信号Sによって付勢されて第2の検査信号をスペクトル分析して、ラマン散乱光L2'の波長シフト量Δλを検出し、後述する演算制御部(170) に出力するようになっている。

0033

演算制御部(170) は、通常はCPU(Central Processing Unit) と各種ハードウェア回路との組合せで構成されており、上記閾値比較回路(153) ,スペクトル分析回路(162) の出力を所定のプログラムに基づいて演算処理するようになっている。また、演算制御部(170) は上述の各部分に電気的に接続されており、Rテーブル(111) 及びθテーブル(112) の駆動と各センサ(132) ,(143) の出力との同期をとる等、異物検査分析装置(100) 全体の動作を統御するようになっている。

0034

なお、この演算制御部(170) には、検査・分析結果を外部に表示するためのCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイプリンタ等の表示系(171) と、検査・分析等の条件を入力設定するためのコンソール等の入力系(172) と、演算処理プログラム検査結果を格納するためのディスク装置等の補助記憶装置(173) が接続されているが、本発明の要旨でないので敢えて説明しない。

0035

次に、上記異物検査分析装置(100) の動作とともに本実施例の作用について説明する。検査対象となるウエハ(10)をθテーブル(112) 上に装着し、ウエハ(10)の位置決め作業の後、演算制御部(170) が指令を発して、レーザ発振器(121) を発振させるとともに、Rテーブル(111) 及びθテーブル(112) を同期的に駆動させて検査を開始する。

0036

検査光Lの照射点では、異物やウエハ(10)表面の欠陥・傷或いはウエハ(10)の下地等によって散乱光が生じる。第1の結像レンズ系(131) は散乱光の一部L1 を第1のセンサ(132) の撮像面上に集光する。第1のセンサ(132) はその受光量に応じて第1の検査信号を出力し、増幅回路(151) はこれを増幅し、ノイズ除去回路(152) は信号中の低レベル成分を遮断する。ここで、散乱光L1 にはレイリー散乱光の他にラマン散乱光も含まれるが、後者は光強度の絶対値が微弱なので、ラマン散乱光に因る低レベルの信号成分はノイズ除去回路(152) によって漉される。この第1の検査信号のチャートの一例を図2に示すが、ウエハ(10)下地の散乱光に因る均一な信号上に異物1,2,3,4に因るピークがそれぞれ検査時刻t1 ,t2 ,t3 ,t4 において現れたものとなるとする。

0037

次いで、閾値比較回路(153) は、第1の検査信号を所定の閾値VTと比較し、上記各ピーク点t1 ,t2 ,t3 ,t4 では信号レベルがVT を越えるので異物が存在すると判断して、その都度検出信号S(1) ,S(2) ,S(3) ,S(4) をスペクトル分析回路(162) ,演算制御部(170) に出力する。これらの検出信号で異物の位置や大きさも検出できる。

0038

しかし、ここでウエハ(10)からの散乱光のレイリー散乱光成分による信号が例えば図3(a) 乃至(c) に示すように(ここで、異物A,B,C,D,Eと異物1,2,3,4とは異なる物体とする)飽和した場合には、レイリー散乱光成分による測定ができない。そこで、ラマン散乱光成分による信号を参照して異物の存在、位置、大きさなどを判別する。図4に散乱光強度と異物の径の関係に基づくレイリー散乱光成分とラマン散乱光成分との検出範囲を示す。

0039

第2の結像レンズ系(141) は散乱光の一部L2 を集光しラマン分光系(142)に送出する。ラマン分光系(142) はラマン散乱光のうち、ストークス光L2'のみを抽出し、第2のセンサ(143) はこれを受光して第2の検査信号を出力する。そして、増幅回路(161) は第2の検査信号を増幅する。

0040

次いで、スペクトル分析回路(162) は、上記各検出信号S(1) 〜S(4) によって付勢され、図2に示す第1の検査信号に対応する各検査時刻t1 〜t4 における第2の検査信号をスペクトル分析して、各々の波長シフト量Δλ1 〜Δλ4と散乱光強度の半値幅ΔW1 〜ΔW4 とを求める。各々の分析結果を図5(b) 乃至(e) に示してある。なお、ウエハ(10)の下地に起因する(図2のt0 )散乱光の信号も、ウエハ(10)下地についての標準データ(波長シフト量Δλ0 及び半値幅ΔW0 )としてサンプリングしてスペクトル分析する。その結果は図5(a) に示してある。そして、分析した波長シフト量Δλ1 〜Δλ4 及び半値幅ΔW1 〜ΔW4 を後続の演算制御部(170) に出力する。

0041

演算制御部(170) は、上記閾値比較回路(153) ,スペクトル分析回路(162)の各出力をそれぞれに対応するプログラムに基づいて以下に記載するような演算処理を行う。

0042

すなわち、閾値比較回路(153) の検出信号Sを統計処理して、異物の大きさごとに分類しその個数ヒストグラムを作成する。また各パルスモータ(111-a),(112-a) へのパルス信号を計数しているので、これらの計数値検出時刻とを対比することによって異物の存在位置を検出することができる。

0043

また、スペクトル分析回路(162) から得られた波長シフト量Δλ1 〜Δλ4,半値幅ΔW1 〜ΔW4 を各々対比させることによって異物の成分を同定する。例えば図5の各チャートから以下の事柄が導き出される。なお、以下のような異物の成分を同定する作業をも行う場合にはラマン分光系(181) としてトリプルポリクロメータあるいはダブルポリクロメータもしくは複数のモノクロメータ等を用いることとする。

0044

(1) Δλ0 =Δλ4 ,ΔW0 =ΔW4 である。従って、異物4はウエハ(10)と同一物質結晶または分子からなり、具体的にはウエハ(10)表面の傷や大きな粗れである。

0045

(2) Δλ0 =Δλ2 であり、異物2もウエハ(10)と同一物質である。しかしながら、ΔW0 <ΔW2 であることから、異物2は不純な元素や物質が混入した欠陥であることが分かる。

0046

(3) Δλ0 ≠Δλ1 ,ΔW0 ≠ΔW1 及びΔλ0 ≠Δλ3 ,ΔW0 ≠ΔW3である。したがって、異物1,異物3はウエハ(10)とは異なる物質である。また、各波長シフト量Δλ1 ,Δλ3 を予め求めておいた値と照合することによって異物の成分を同定することができる。

0047

しかして、装着したウエハ(10)を全面走査し上記処理が済めば、当該ウエハ(10)の検査は完了となり、Rテーブル(111) 及びθテーブル(112) の駆動やレーザ発振器(121) の発振等が停止する。そして、上記の演算処理結果は、一旦演算制御部(170) に内蔵されるメモリ上の対応番地に格納され、必要に応じて表示系(171) を介して外部に出力され、または補助記憶装置(173) に格納される。さらに別のウエハを検査したい場合は、脱着交換して同様の動作を繰り返す。

0048

次に本発明の第2の実施例の異物検査分析装置(101) の概観構成を図6に示す。なお、主要な構成は第1の実施例と同じくしているので同一構成箇所には同一の符号を付すこととする。

0049

異物検査分析装置(101) は、走査手段としてのRテーブル(111) ,θテーブル(112) と、投光手段としてのレーザ発振器(121) ,ビームエキスパンダ(122),対物レンズ系(123) と、受光手段としての結像レンズ系(144) ,ラマン分光系(181) ,第1のセンサ(132) ,第2のセンサ(143) と、第1の信号処理手段としての増幅回路(151) ,ノイズ除去回路(152) ,閾値比較回路(153) と、第2の信号処理手段としての増幅回路(161) ,スペクトル分析回路(162) と、演算制御部(170) とを備えている。

0050

なお、第2の実施例では第1の実施例にあるように、第1の受光手段として第1の結像レンズ系(131) を用いることはせず、ラマン分光系(181) の内部に第1のセンサへ光を案内する手段を設けることとする。以下、各部分の具体的構成について詳解する。

0051

Rテーブル(111) は、パルスモータ(111-a) に連結したボール捩子(111-b)と、ボール捩子(111-b) を螺挿する直進テーブル(111-c) と、この直進テーブル(111-c) をR方向(水平な一方向)に進退自在に挿通するガイドレール(111-d)とからなる。

0052

θテーブル(112) はパルスモータ(112-a) に連結した回転テーブル(112-b)であり、直進テーブル(111-c) 上の支柱にθ軸(鉛直軸)回りに回動自在に軸支されている。また、回転テーブル(112-b) の上面は吸着機能を有しており、検査対象となるウエハ(10)を座標系が設定された所定位置にて載置固定するようになっている。しかして、パルスモータ(111-a) ,(112-a) が同期的に駆動することによってウエハ(10)を同心円状に全面走査できるようになっている。また、各パルスモータ(111-a) ,(112-a) へのパルス信号を計数することによって現在の走査位置(R,θ)を示す位置信号を出力できるようになっている。

0053

レーザ発振器(121) は、例えばAr+レーザなどの検査光Lを照射するレーザ光源(例えば出力300mW,波長488nm )が用いられる。対物レンズ系(123) は、検査光Lを10μm×1μmの略楕円形状に集光して、ウエハ(10)上の所定の走査点を鉛直方向に対して略60°の方向から斜方照射するようになっている。なお、対物レンズ系(123) においては、入射光がある程度以上の径を有する方が、幾何光学的に集光が容易である。これに対して、レーザ発振器(121) の発する光は通常0.6mm 程度の径しかない。そこで、対物レンズ系(123) の直前に配設されたビームエキスパンダ(122) は、入射した検査光Lの径を10倍乃至20倍程度に拡大した平行光に変換して対物レンズ系(123) に供給するようになっている。

0054

結像レンズ系(144) は、検査光Lの入射方向に対し垂直で且つ走査点に対し仰角略30°の方向に配設されており、ウエハ(10)上の異物を照射した際に生ずる散乱光の一部L3 を集光するようになっている。ラマン分光系(181) は、トリプルポリクロメータあるいはダブルポリクロメータおよびモノクロメータ等の一般に知られる分光器で構成され、且つ、その分光器の波長帯域をλ1 乃至λ2 (但し、488nm <λ1 <λ2 )の範囲に設定されており、散乱光の一部L3 のうち入射光と同一波長である散乱光(すなわち、レイリー散乱光)をモノクロメータを例にして、図7に示すようにハーフミラー(182) によって二分割し、その一方をレイリー散乱成分L3 としてそのまま第1のセンサ(132) によって検出する。なお、シャッタ(184) によりレイリー散乱成分L3 は遮られて第2のセンサ(143)には届かないようになっている。

0055

そして、第1のセンサ(132) は、光電子増倍管あるいはフォトダイオード等の受光素子や電流・電圧変換回路等の組合せで構成されたデバイスであり、散乱光L3 を受光してその光強度に応じた信号レベルを有する第1の検査信号を出力するようになっている。なお、散乱光L3 は厳密にはレイリー散乱光とラマン散乱光との両方を含むのであるが、後者の光強度の絶対値は前者の約10-3倍程度しかないので、L3 をレイリー散乱光として扱っても問題ない。

0056

更に、ハーフミラー(182) によって二分割された散乱光のもう一方はミラー(183) …を介して、ラマン散乱成分のうちのストークス(Storks)光L3'(但し、L3'の波長λ3'は、λ3'=488nm +Δλ且つΔλ>0を満たすものとする)だけを抽出するようになっている。第2のセンサ(143) は、マルチチャンネル型の光検出器であり、L3'を受光してその強度に応じた信号レベルを有する第2の検査信号を出力するようになっている。

0057

増幅回路(151) は、通常のアンプ素子等で構成されており、第1の検査信号を入力して所定の倍率で増幅するようになっている。ノイズ除去回路(152) は、入力信号中の低レベルの変動成分を遮断するフィルタ機能を備えた回路であり、第1のセンサ(132) のショットノイズの他に第1の検査信号のうち非弾性散乱光に因る微弱なピークを除去するようになっている。なぜなら、上述したように非弾性散乱光の強度の絶対値は弾性散乱光の約10-3倍程度しかないからである。閾値比較回路(153) は、入力した第1の検査信号のピーク値を予め設定された閾値VTと比較して、VT 以上であれば異物が存在したと判断して、検出信号Sを後述のスペクトル分析回路(162) ,演算制御部(170) に出力するようになっている。なお、閾値VT は、一般にはコンピュータ上のシミュレーションや、標準粒子を用いて基準データを抽出したりするような種々の手法によって求めることができる。そして信号レベルは異物の大きさにほぼ比例するので、異物の大きさを細分類する場合は、この閾値をVT1,VT2,VT3…(但しVT1<VT2<VT3<…)と複数設定することとなる。

0058

増幅回路(161) は第2の検査信号を所定の倍率で増幅するようになっている。スペクトル分析回路(162) は、上記閾値比較回路(153) からの信号Sによって付勢されて第2の検査信号をスペクトル分析して、ラマン散乱光L3'の波長シフト量Δλを検出し、後述する演算制御部(170) に出力するようになっている。

0059

演算制御部(170) は、通常はCPU(Central Processing Unit) と各種ハードウェア回路との組合せで構成されており、上記閾値比較回路(153) ,スペクトル分析回路(162) の出力を所定のプログラムに基づいて演算処理するようになっている。また、演算制御部(170) は上述の各部分に電気的に接続されており、Rテーブル(111) 及びθテーブル(112) の駆動と各センサ(132) ,(143) の出力との同期をとる等、異物検査分析装置(101) 全体の動作を統御するようになっている。

0060

なお、この演算制御部(170) には、検査・分析結果を外部に表示するためのCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやプリンタ等の表示系(171) と、検査・分析等の条件を入力設定するためのコンソール等の入力系(172) と、演算処理プログラムや検査結果を格納するためのディスク装置等の補助記憶装置(173) が接続されているが、本発明の要旨でないので敢えて説明しない。

0061

次に、上記異物検査分析装置(101) の動作とともに本実施例の作用について説明する。検査対象となるウエハ(10)をθテーブル(112) 上に装着し、ウエハ(10)の位置合わせ作業の後、演算制御部(170) が指令を発して、レーザ発振器(121) を発振させるとともに、Rテーブル(111) 及びθテーブル(112) を同期的に駆動させて検査を開始する。

0062

検査光Lの照射点では、ウエハ(10)上の異物やウエハ(10)表面の欠陥・傷或いはウエハ(10)の下地等によって散乱光が生じる。結像レンズ系(144) は散乱光の一部L3 を集光してラマン分光系(142) に送出する。ラマン分光系(181) は入射光と同一波長である散乱光(すなわち、レイリー散乱光)を図7に示すようにハーフミラー(182) によって二分割し、その一方をレイリー散乱成分としてそのまま第1のセンサ(132) の撮像面上に集光する。そして、第1のセンサ(132) はその受光量に応じて第1の検査信号を出力し、増幅回路(151) はこれを増幅し、ノイズ除去回路(152) は信号中の低レベル成分を遮断する。ここで、散乱光L3 にはレイリー散乱光の他にラマン散乱光も含まれるが、後者は光強度の絶対値が微弱なので、ラマン散乱光に因る低レベルの信号成分はノイズ除去回路(152) によって漉される。この第1の検査信号のチャートの一例を図2に示すが、ウエハ(10)下地の散乱光に因る均一な信号上に異物1,2,3,4に因るピークがそれぞれ検査時刻t1 ,t2 ,t3 ,t4 において現れたものとなるとする。

0063

次いで、閾値比較回路(153) は、第1の検査信号を所定の閾値VTと比較し、上記各ピーク点t1 ,t2 ,t3 ,t4 では信号レベルがVT を越えるので異物が存在すると判断して、その都度検出信号S(1) ,S(2) ,S(3) ,S(4) をスペクトル分析回路(162) ,演算制御部(170) に出力する。これらの検出信号で異物の位置や大きさも検出できる。

0064

しかし、ここでウエハ(10)からの散乱光のレイリー散乱光成分による信号が例えば図3(a) 乃至(c) に示すように(ここで、異物A,B,C,D,Eと異物1,2,3,4とは異なる物体とする)飽和した場合には、レイリー散乱光成分による測定ができない。そこで、ラマン散乱光成分による信号を参照して異物の存在、位置、大きさなどを判別する。図4に散乱光強度と異物の径の関係に基づくレイリー散乱光成分とラマン散乱光成分との検出範囲を示す。

0065

そこで、この様な場合にはラマン分光系(181) からハーフミラー(182) とミラー(183) …とを介してラマン散乱光のうち、ストークス光L3'のみを抽出し、第2のセンサ(143) はこれを受光して第2の検査信号を出力する。そして、増幅回路(161) は第2の検査信号を増幅する。

0066

次いで、スペクトル分析回路(162) は、上記各検出信号S(1) 〜S(4) によって付勢され、図2に示す第1の検査信号に対応する各検査時刻t1 〜t4 における第2の検査信号をスペクトル分析して、各々の波長シフト量Δλ1 〜Δλ4と散乱光強度の半値幅ΔW1 〜ΔW4 とを求める。各々の分析結果を図5(b) 乃至(e) に示してある。なお、ウエハ(10)の下地に起因する(図2のt0 )散乱光の信号も、ウエハ(10)下地についての標準データ(波長シフト量Δλ0 及び半値幅ΔW0 )としてサンプリングしてスペクトル分析する。その結果は図5(a) に示してある。そして、分析した波長シフト量Δλ1 〜Δλ4 及び半値幅ΔW1 〜ΔW4 を後続の演算制御部(170) に出力する。

0067

演算制御部(170) は、上記閾値比較回路(153) ,スペクトル分析回路(162)の各出力をそれぞれに対応するプログラムに基づいて以下に記載するような演算処理を行う。

0068

すなわち、閾値比較回路(153) の検出信号Sを統計処理して、異物の大きさごとに分類しその個数のヒストグラムを作成する。また各パルスモータ(111-a),(112-a) へのパルス信号を計数しているので、これらの計数値と検出時刻とを対比することによって異物の存在位置を検出することができる。

0069

また、スペクトル分析回路(162) から得られた波長シフト量Δλ1 〜Δλ4,半値幅ΔW1 〜ΔW4 を各々対比させることによって異物の成分を同定する。例えば図5の各チャートから以下の事柄が導き出される。なお、以下のような異物の成分を同定する作業をも行う場合にはラマン分光系(181) としてトリプルポリクロメータあるいはダブルポリクロメータもしくは複数のモノクロメータ等を用いることとする。

0070

(1) Δλ0 =Δλ4 ,ΔW0 =ΔW4 である。従って、異物4はウエハ(10)と同一物質の結晶または分子からなり、具体的にはウエハ(10)表面の傷や大きな粗れである。

0071

(2) Δλ0 =Δλ2 であり、異物2もウエハ(10)と同一物質である。しかしながら、ΔW0 <ΔW2 であることから、異物2は不純な元素や物質が混入した欠陥であることが分かる。

0072

(3) Δλ0 ≠Δλ1 ,ΔW0 ≠ΔW1 及びΔλ0 ≠Δλ3 ,ΔW0 ≠ΔW3である。したがって、異物1,異物3はウエハ(10)とは異なる物質である。また、各波長シフト量Δλ1 ,Δλ3 を予め求めておいた値と照合することによって異物の成分を同定することができる。

0073

しかして、装着したウエハ(10)を全面走査し上記処理が済めば、当該ウエハ(10)の検査は完了となり、Rテーブル(111) ,θテーブル(112) の駆動やレーザ発振器(121) の発振等が停止する。そして、上記の演算処理結果は、一旦演算制御部(170) に内蔵されるメモリ上の対応番地に格納され、必要に応じて、表示系(171) を介して外部に出力され、または補助記憶装置(173) に格納される。さらに別のウエハを検査したい場合は、脱着交換して同様の動作を繰り返す。

0074

なお、本発明の構成は、上記の各実施例に限定されるものではなく、種々に変形が可能である。例えば、レーザ発振器は、Ar+レーザの他にもHe-Ne レーザ,Krレーザ半導体レーザ,及び赤外紫外パルスレーザ等の単色光源も使用できる。これは検出可能なラマン散乱光の強度を得ることができれば良いからである。

0075

また、ウエハ(10)への入射角は60°としたが、垂直入射やその他の斜方入射でも可能である。なぜならば検査光の出力や集光スポットの面積は、検出可能なラマン散乱光の強度を得る程度のものであれば特に限定されないからである。

発明の効果

0076

以上詳記したように本発明に係る異物検査分析装置及び異物検査分析方法によれば、装置の複雑化が避けられ、装置コストが安価となり、且つ検査時間が短縮して処理効率が向上するので、半導体製造技術分野において大きな工業的効果が得られる。

図面の簡単な説明

0077

図1同図(a) は、本発明の第1の実施例に係る異物検査分析装置の概観構成を示す上面図,同図(b) は、この異物検査分析装置の概観構成を示す入射方向に平行な正面図,同図(c) は、この異物検査分析装置の概観構成を示す入射方向に直交する正面図。
図2異物1乃至異物4に対する第1のセンサの出力信号と検査時刻との関係を示すグラフ
図3同図(a) は、異物A乃至異物Eの大きさを示す模式図,同図(b) は、異物A乃至異物Eに対する第1のセンサの出力信号と検査時刻との関係を示すグラフ,同図(c) は、異物A乃至異物Eに対する第2のセンサの出力信号と検査時刻との関係を示すグラフ。
図4散乱光強度と異物の径の関係に基づくレイリー散乱光成分とラマン散乱光成分との検出範囲を示すグラフ。
図5各検査時刻ごとのラマン散乱光のスペクトル分析結果を示すグラフ。
図6同図(a) は、本発明の第2の実施例に係る異物検査分析装置の概観構成を示す上面図,同図(b) は、この異物検査分析装置の概観構成を示す入射方向に平行な正面図,同図(c) は、この異物検査分析装置の概観構成を示す入射方向に直交する正面図。
図7本発明で用いられているラマン分光器の一例である、モノクロメータの概略構成図。
図8第1の従来例の異物検査装置を示す概略構成図。
図9弾性散乱光における異物の大きさと散乱光強度との関係を示すグラフ。
図10第2の従来例の異物検査装置の電気回路系を示す概略構成図。
図11第3の従来例の異物検査装置の電気回路系を示す概略構成図。
図12レイリー散乱光とラマン散乱光との各散乱光の強度分布と波長との関係を示すグラフ。

--

0078

111 …Rテーブル、112 …θテーブル、121 …レーザ発振器、122 …ビームエキスパンダ、123 …対物レンズ系、131 …第1の結像レンズ系、132 …第1のセンサ、141 …第2の結像レンズ系、142 …ラマン分光系、143 …第2のセンサ、151,161 …増幅回路、152 …ノイズ除去回路、153 …閾値比較回路、162 …スペクトル分析回路、170 …演算制御部、171 …表示系、172 …入力系、173 …補助記憶装置、181 …ラマン分光系。

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