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技術 耐疲労性レールの製造方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 浦島親行杉野和男佐藤明史田中和成明賀孝仁関和典
出願日 1993年4月30日 (27年8ヶ月経過) 出願番号 1993-104820
公開日 1994年11月8日 (26年1ヶ月経過) 公開番号 1994-312216
状態 特許登録済
技術分野 棒・菅の矯正
主要キーワード 波状変形 小径ローラー 圧下ローラ 死傷事故 頭部中央 ローラー直径 上下ローラー 矯正ローラー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年11月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

目的

本発明は列車高速化に対応して懸念されるレール転がり疲労損傷の多発およびレール表面凹凸波状変形に基づく車輪浮き上がり空転を防止できるレール矯正法を提供する。

構成

千鳥に配置したローラーを有する矯正機後段に、直径100〜500mm、ロール軸方向に200〜1000mmの曲率を有するローラーを相対向させ、該対向ローラーを2〜7対の範囲にレール進行方向に配置して、該ローラー間でヘルツ応力が90〜300MPa の範囲になるように負荷して、レール頭部および底部表面層を加工して表面層圧縮残留応力を付与すると同時に表面の凹凸および波状変形を極小化する。

効果

レール頭部および底部表面層に圧縮残留応力を付与することで、レールの耐転がり疲労寿命が4倍以上に延び、さらにレール表面の凹凸および波状変形が従来法より1/2以下に減少したことで列車の高速安定性快適性が増す。

概要

背景

内外において、鉄道の一層の効率化を目指して列車高速化が至上命題となっており、既に国内では最高速度270km/hを実現し、近い将来350km/hの実現に向けて積極的に検討がなされている。こうした現状において、乗客を安全に目的地まで運ぶために、列車を支えレールの安全性がますます重要となってきており、レールの耐用寿命延命化ならびに耐破壊性の向上が強く要望されている。中でも、海外の鉄道においてはローラー矯正されたレールのレール腹部脆性き裂進展し、脱線死傷事故に至ったことから、レール腹部脆性き裂進展特性が重要視され、腹部脆性き裂進展特性の優れたレールが望まれている。

レールの耐疲労損傷性を増すためには、レール材質の強化と合わせて残留応力活用が最も効果的であることが分かっており、従来から如何にしてレールに低コストで、かつ耐疲労損傷性に有効な圧縮残留応力を付与するかが研究されてきた。例えば、特開平4−17921号公報は、ローラー千鳥状に配置した通常のローラー矯正機ローラー直径を50mm〜300mmに小さくすることで、ローラー接触部のレール表面近傍をレール表面内部よりも多く塑性変形させてレール表面層に圧縮の残留応力を誘起する技術が紹介されている。しかし、この技術は大きな圧縮残留応力が要求される場合、ローラー矯正機の矯正荷重が約150tにも達することから、50mm〜300mmの小径ロールでは矯正荷重に耐えられないためバックアップローラーが必要となり、矯正機の構造が複雑で設備費用が嵩むこと、さらにメンテナンス費用やローラー摩耗によるローラー交換などに浪費を要することなどの問題から、もっと低コストで効率的な残留応力制御技術の開発が望まれている。

また、ローラー矯正レールの頭部表面および底部表面に発生した長手方向の引張残留応力が腹部脆性き裂進展特性に悪影響することを究明し、この結果引張残留応力を圧縮残留応力に変えることで脆性き裂進展を停止させるか、あるいは底部側へ短いき裂長さで進展させることが分かった。しかし、ローラー矯正でレール頭部表面および底部表面の残留応力を低コストで、効率的に圧縮側へ変える手段は見いだされていなかった。

概要

本発明は列車の高速化に対応して懸念されるレールの転がり疲労損傷の多発およびレール表面の凹凸波状変形に基づく車輪浮き上がり空転を防止できるレール矯正法を提供する。

千鳥に配置したローラーを有する矯正機の後段に、直径100〜500mm、ロール軸方向に200〜1000mmの曲率を有するローラーを相対向させ、該対向ローラーを2〜7対の範囲にレール進行方向に配置して、該ローラー間でヘルツ応力が90〜300MPa の範囲になるように負荷して、レール頭部および底部表面層を加工して表面層に圧縮残留応力を付与すると同時に表面の凹凸および波状変形を極小化する。

レール頭部および底部表面層に圧縮残留応力を付与することで、レールの耐転がり疲労寿命が4倍以上に延び、さらにレール表面の凹凸および波状変形が従来法より1/2以下に減少したことで列車の高速安定性快適性が増す。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

ロールを上下に千鳥状に配置した曲げ矯正機を通過して走行するレールを、ロールの直径が100〜600mmであり、かつレールの頭部と接触するロールのレール踏面レール頭曲率と同等ないし1.2の曲率をもつ凹状断面形状の上ロールと、該レールの底部に接触して曲率が200〜1000mmの凸状断面形状の下ロールとで対となる一対または二対以上の圧下矯正機で、かつヘルツ応力が900〜3000MPa の範囲で圧下矯正することを特徴とする耐疲労性レールの製造方法。

技術分野

0001

本発明はレールの頭部と底部を加工硬化すると同時に圧縮残留応力を付与せしめる耐疲労性レールの製造方法に関するものである。

背景技術

0002

内外において、鉄道の一層の効率化を目指して列車高速化が至上命題となっており、既に国内では最高速度270km/hを実現し、近い将来350km/hの実現に向けて積極的に検討がなされている。こうした現状において、乗客を安全に目的地まで運ぶために、列車を支えるレールの安全性がますます重要となってきており、レールの耐用寿命延命化ならびに耐破壊性の向上が強く要望されている。中でも、海外の鉄道においてはローラー矯正されたレールのレール腹部脆性き裂進展し、脱線死傷事故に至ったことから、レール腹部脆性き裂進展特性が重要視され、腹部脆性き裂進展特性の優れたレールが望まれている。

0003

レールの耐疲労損傷性を増すためには、レール材質の強化と合わせて残留応力活用が最も効果的であることが分かっており、従来から如何にしてレールに低コストで、かつ耐疲労損傷性に有効な圧縮残留応力を付与するかが研究されてきた。例えば、特開平4−17921号公報は、ローラー千鳥状に配置した通常のローラー矯正機ローラー直径を50mm〜300mmに小さくすることで、ローラー接触部のレール表面近傍をレール表面内部よりも多く塑性変形させてレール表面層に圧縮の残留応力を誘起する技術が紹介されている。しかし、この技術は大きな圧縮残留応力が要求される場合、ローラー矯正機の矯正荷重が約150tにも達することから、50mm〜300mmの小径ロールでは矯正荷重に耐えられないためバックアップローラーが必要となり、矯正機の構造が複雑で設備費用が嵩むこと、さらにメンテナンス費用やローラー摩耗によるローラー交換などに浪費を要することなどの問題から、もっと低コストで効率的な残留応力制御技術の開発が望まれている。

0004

また、ローラー矯正レールの頭部表面および底部表面に発生した長手方向の引張残留応力が腹部脆性き裂進展特性に悪影響することを究明し、この結果引張残留応力を圧縮残留応力に変えることで脆性き裂進展を停止させるか、あるいは底部側へ短いき裂長さで進展させることが分かった。しかし、ローラー矯正でレール頭部表面および底部表面の残留応力を低コストで、効率的に圧縮側へ変える手段は見いだされていなかった。

発明が解決しようとする課題

0005

上記のような問題点を抜本的に解決するためには、ローラー矯正機のローラー径が50mm〜300mmの小径であることが必要で、そうでないとレール表面が圧縮残留応力にならない。言い換えると、ローラー径が大きい場合、レールとローラーの接触摩擦力が大きいためにレール表面層の塑性変形に制限を受けるためと結論づけられる。さらに本発明者らは、詳細な検討の結果、ローラー矯正においてはローラー接触部のレール表面は、矯正荷重による圧縮応力に加えて梁としての圧縮の曲げ応力を受けるために、レール長手方向に塑性変形しにくいことが分かった。この現象はローラー径に顕著に影響される。したがって、もし梁としての圧縮の曲げ応力がなければ、比較的大径のローラーでもローラー接触部のレール表面層の長手方向に容易に圧縮の塑性変形を与えることができる。また、その時の圧下荷重も通常のローラー矯正の荷重より著しく小さいことが分かった。

0006

これらの知見から、通常のローラー矯正後に相対向させた比較的小径ロールで、レール頭部と底部を同時に圧縮残留応力に変えられるローラー矯正方法を開発した。すなわち、通常のローラー矯正を行ったレールの頭部および底部はともに引張残留応力を呈しているが、その後小径ローラーでレール頭部および底部表面層のみを同時に矯正圧延することで該表面層の長手方向に容易に圧縮の塑性変形を与えることができ、ローラー矯正で発生した引張残留応力を圧縮残留応力に変え、さらに圧下表面層を加工硬化させて強化できることが分かった。

課題を解決するための手段

0007

本発明は上記知見に基づいてなされたもので、その要旨とするところは、ロールを上下に千鳥状に配置した曲げ矯正機を通過して走行するレールを、ロールの直径が100〜600mmでレールの頭部と接触してレール踏面がレール頭部曲率と同等ないし1.2の曲率をもつ凹状断面形状の上ロールと、該レールの底部に接触して曲率が200〜1000mmの凸状断面形状の下ロールとからなる一対または二対以上の圧下矯正機で、かつヘルツ応力が900〜3000MPa の範囲で圧下矯正する耐疲労性レールの製造方法である。

0008

以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明法を示す。図1においては、1はレール、2はガイドロール、3は矯正ロール、4は上下ロールから一対または二対以上の圧下矯正機である。すなわち、ガイドロール2に誘導されながら、矯正ロール3を上下に千鳥状に配置した曲げ矯正機を通過したレール1を、上下ロールの一対または二対以上の矯正機で圧下加工矯正する。

0009

本発明において圧下矯正機4の上下ローラーは、図2に示すように、直径(D)が100〜600mmを有する。さらにもう1つの特徴として、レール頭部側に接触する上ロール(a)のレール踏面は、レール頭部の曲率と同等ないし1.2倍以下の曲率をもつ凹状断面形状を有する。一方、レール底部側に接触する下ロール(b)は、ロール軸方向の曲率が200〜1000mmの凸状断面形状を有している。本発明におけるこのようなロール配置は、まず生産性の良い従来のローラー曲げ矯正機でレールを真直にした後、圧下矯正機によって耐疲労損傷性、および耐腹部脆性き裂進展特性に有効な圧縮残留応力を低コストで、効率的に付与することをねらっている。

0010

すなわち、本発明では、まず矯正ロール3をレール1の走行方向に千鳥状に配列して走行するレール1に繰り返し曲げを与えて真直にする。この状態ではレールはほぼ真直になっているものの、レール頭部および底部はレール長手方向に約200MPa 程度の引張残留応力となっている。しかし、その後の相対向するロールの圧下矯正機4の圧下圧延によって、レール頭部および底部表面層をレール長手方向に圧縮塑性変形を与えることでレール頭部および底部表面層を引張残留応力から圧縮残留応力に変えることができる。

0011

特に本発明では圧下矯正機4の上下ロールの直径およびローラー軸方向の曲率の限定は、レール頭部および底部表面層に耐疲労損傷性を増す圧縮の残留応力を付与すると同時に加工硬化により強化する範囲である。すなわち、上下ロールの直径を100〜600mmに限定する理由はロールと接触するレール表面層の長手方向に、効率的にレール内部よりも強い塑性変形を与えるためである。レール表面層の長手方向にレール内部よりも強い塑性変形を与えることは、レール表面層を加工硬化させ、かつ圧縮の残留応力を付与させるためである。ロールの直径が100mmより小さい場合、レール表面層の塑性変形による加工硬化や圧縮残留応力の生成は可能であるが、ローラー直径が小さいためにローラーがレール表面に強い塑性変形を与える荷重に耐えられず、小径ロールの背面にバックアップロールを配置してレール表面に強い塑性変形を与える荷重に十分耐え得るものにしても、レール表面層の塑性変形による加工硬化や圧縮残留応力はローラー直径100mm以上のものとさほど変わらないことおよび設備上高価になるなどの問題がある。一方、直径が600mmを超えるロールの場合、レール表面層よりもレール内部に強い塑性変形が発生しはじめ、レール表面には逆に引張残留応力が発生し、レールの耐疲労損傷性および耐腹部脆性き裂進展特性を損なう問題がある。

0012

また、ローラー軸方向の曲率をレール頭部側と接触する上ロールは、矯正するレールの頭部曲率と同等ないしレール頭部各部曲率より1.2倍以下の曲率をもつ凹状断面形状に限定する理由は、レールに疲労損傷の発生し易い部分の表面層に強い塑性変形を与えて、より大きな圧縮の残留応力を発生させるためである。すなわち、レールの頭部曲率より小さな曲率半径ではロールがレール頭部表面に接触することがなく、レール頭部表面各部に塑性変形を与えることはできない。レール頭部各部曲率より1.2倍を超える曲率半径では、ロールの接触する部分がレールの頭部中央部のみになり、未接触部では依然として引張残留応力が残存してレールの耐疲労損傷性を改善することができないためである。

0013

一方、レール底部側と接触する下ロールの軸方向の曲率を200〜1000mmに限定する理由は、ローラー矯正で生成したレール底部中央近傍の引張残留応力を圧縮残留応力に変えると同時に、同部を加工硬化により強化するためである。すなわち、ローラー軸方向曲率が200mm以下では、引張残留応力の残存するレール底部中央近傍全てを圧下圧延できなく、また1000mmを超える曲率ではレール底部での接触面積が大きくなってローラー接触部に十分な加工硬化および圧縮残留応力を誘起できない。

0014

なお、本発明において圧下矯正機の各ロールのヘルツ応力を900〜3000MPa に限定する理由は、レール表面の凹凸極小化するために必要な塑性変形をレール表層に生成するためである。すなわち、ロール4と接触するレール表面のヘルツ応力が900MPa より小さい場合、圧下圧延によるレール表面の塑性変形が小さくなり、レール表面の凹凸およびレール長手方向の波状変形改善効果が十分でない。一方、3000MPa を超えるヘルツ応力の場合、レール表面の凹凸およびレール長手方向の波状変形の改善効果は3000MPa の場合とほとんど変わらず、かつ圧延荷重として過大になり、設備制約上問題が派生するため好ましくない。上記のような本発明法によれば、圧縮残留応力が付与されて使用寿命の長いレールを製造することができる。

0015

次に本発明の具体的実施例について説明する。本発明によるレール残留応力制御法の有効性を確認するため、普通炭素鋼のJIS60kレール12mを用いて本発明の圧下圧延による残留応力制御実験および従来のローラー矯正機でのローラー矯正を行い、レール表面残留応力、水潤滑下での実物レール転がり疲労損傷寿命を比較した。矯正条件およびそれぞれの結果を本発明法と従来法で比較し、表1,2に示す。

0016

0017

0018

試験結果から明らかなように、本発明による残留応力制御法が非常に有効であることが明白である。すなわち、従来のローラー矯正ままのレールの場合では、レール頭頂面および底部中央にはレール長手方向に200〜245MPa の引張残留応力が発生し、また、水潤滑下で実物レールの転がり疲労損傷試験では通過トン数7950万トンで引張残留応力の存在するレール頭頂面からき裂が発生した。これに対し、本発明法では圧下圧延したレールの場合、レール頭頂面および底部中央のレール長手方向残留応力は表1で示すように−167〜−216MPa の圧縮となり、水潤滑下での実物レール転がり疲労損傷寿命は通過トン数3億5730万トンと、従来法の約4倍に延び、非常に優れた耐転がり疲労損傷性を示す。

0019

また、表2は、5対の圧下矯正機で、レールを矯正した場合の残留応力などについて示す。このように耐転がり疲労性が優れている理由は、軽圧下圧延によってレール表面層が加工硬化したことに加えて、該表面に大きな圧縮の残留応力が発生しているためである。このように耐転がり疲労損傷性が優れているため、従来新幹線などで顕在化している“ダークスポット”と称する高速鉄道特有の転がり疲労損傷に大きな効果があるものと思われる。一方、腹部脆性き裂進展特性についても別途実験を行い、従来レールでは脆性き裂進展長さが約400mmにも達したが、本発明により残留応力を制御した場合、腹部脆性き裂がわずか30mm進展しただけで停止させることができた。

発明の効果

0020

このように、本発明の残留応力制御法は生産性を落とすことなく、低コストで効率的に実施でき、しかもレールの耐疲労損傷性および腹部脆性き裂列進展特性を著しく改善できるものである。

図面の簡単な説明

0021

図1本発明法の一実施例を示す説明図。
図2本発明法に使用する圧下ローラーの一例を示す説明図。

--

0022

1レール
ガイドローラー
矯正ローラー
4圧下ローラー

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