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技術 酸化物超電導線材の製造方法

出願人 住友電気工業株式会社科学技術振興事業団
発明者 加藤武志佐藤謙一
出願日 1993年4月19日 (27年8ヶ月経過) 出願番号 1993-091197
公開日 1994年10月28日 (26年2ヶ月経過) 公開番号 1994-302235
状態 特許登録済
技術分野 線材加工 超電導導体及びその製造方法
主要キーワード イットリウム系酸化物 押圧加工 前方張力 後方張力 断面積比 張力制御装置 金属シース ビスマス系酸化物超電導線材
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年10月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

目的

超電導体金属シースに対する断面積比が大きい場合や、長尺化をはかった場合に、臨界電流密度の向上をもたらすことができる、酸化物超電導線材の製造方法を提供する。

構成

酸化物超電導材料を主成分とする粉末を金属シースにて被覆伸線加工を行なった後、圧延加工熱処理を繰返して酸化物超電導線材を製造する方法であって、熱処理後の圧延加工時にかける前方張力および後方張力を、0.8kg/mm2 以下にすることを特徴とする。

概要

背景

近年、より高い臨界温度を示す超電導材料として、セラミック系のもの、すなわち、酸化物超電導材料が注目されている。その中で、イットリウム系は90K、ビスマス系は110K、タリウム系は120K程度の高い臨界温度を示し、実用化が期待されている。

この中でも、ビスマス系やタリウム系酸化物超電導材料においては、粉末金属シースにて被覆し、伸線加工と、圧延加工またはプレス加工等の押圧加工と、熱処理とを施すことにより、高い臨界電流密度を有する酸化物超電導線材が得られている。また、従来、このような押圧加工および熱処理のステップを複数回繰返すことにより、より高い臨界電流密度を有する酸化物超電導線材が得られることが知られている。

しかしながら、特に高い臨界電流密度が得られている酸化物超電導線材は、プレス加工を用いて作製された、10cm程度の長さの短いものがほとんどである。一方、長さの長い酸化物超電導線材の作製においては、プレス加工を用いることができず、ロールによる圧延加工を用いなくてはならないため、長さの短い線材のように高い臨界電流密度を得ることができない。

また、従来、酸化物超電導線材において、超電導体の金属シースに対する断面積比が大きくなると、臨界電流密度はさらに低下する傾向が大きかった。

概要

超電導体の金属シースに対する断面積比が大きい場合や、長尺化をはかった場合に、臨界電流密度の向上をもたらすことができる、酸化物超電導線材の製造方法を提供する。

酸化物超電導材料を主成分とする粉末を金属シースにて被覆し伸線加工を行なった後、圧延加工と熱処理を繰返して酸化物超電導線材を製造する方法であって、熱処理後の圧延加工時にかける前方張力および後方張力を、0.8kg/mm2 以下にすることを特徴とする。

目的

この発明の目的は、上述の問題点を解決し、超電導体の金属シースに対する断面積比が大きい場合や、長尺化を図った場合に、臨界電流密度の向上をもたらすことができる、酸化物超電導線材の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

酸化物超電導材料を主成分とする粉末を、金属シースにて被覆し、伸線加工を行なった後、圧延加工熱処理を繰返して、酸化物超電導線材を製造する方法であって、前記熱処理後の圧延加工時にかける前方張力および後方張力を、0.8kg/mm2 以下にすることを特徴とする、酸化物超電導線材の製造方法。

技術分野

0001

この発明は、酸化物超電導線材の製造方法に関するものであり、特に、高い臨界電流密度を有する酸化物超電導線材の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、より高い臨界温度を示す超電導材料として、セラミック系のもの、すなわち、酸化物超電導材料が注目されている。その中で、イットリウム系は90K、ビスマス系は110K、タリウム系は120K程度の高い臨界温度を示し、実用化が期待されている。

0003

この中でも、ビスマス系やタリウム系酸化物超電導材料においては、粉末金属シースにて被覆し、伸線加工と、圧延加工またはプレス加工等の押圧加工と、熱処理とを施すことにより、高い臨界電流密度を有する酸化物超電導線材が得られている。また、従来、このような押圧加工および熱処理のステップを複数回繰返すことにより、より高い臨界電流密度を有する酸化物超電導線材が得られることが知られている。

0004

しかしながら、特に高い臨界電流密度が得られている酸化物超電導線材は、プレス加工を用いて作製された、10cm程度の長さの短いものがほとんどである。一方、長さの長い酸化物超電導線材の作製においては、プレス加工を用いることができず、ロールによる圧延加工を用いなくてはならないため、長さの短い線材のように高い臨界電流密度を得ることができない。

0005

また、従来、酸化物超電導線材において、超電導体の金属シースに対する断面積比が大きくなると、臨界電流密度はさらに低下する傾向が大きかった。

発明が解決しようとする課題

0006

酸化物超電導線材をケーブルマグネットに応用する際には、高い臨界温度に加えて、高い臨界電流密度を有していることが必要である。また、長い酸化物超電導線材においては、均一な特性を持つことも必要である。

0007

しかしながら、従来の酸化物超電導線材は、前述のように、超電導体の金属シースに対する断面積比が大きい場合や、長尺化を図った場合には、臨界電流密度が低下してしまうという問題点があった。

0008

この発明の目的は、上述の問題点を解決し、超電導体の金属シースに対する断面積比が大きい場合や、長尺化を図った場合に、臨界電流密度の向上をもたらすことができる、酸化物超電導線材の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

この発明による酸化物超電導線材の製造方法は、酸化物超電導材料を主成分とする粉末を、金属シースにて被覆し、伸線加工を行なった後、圧延加工と熱処理を繰返して、酸化物超電導線材を製造する方法であって、熱処理後の圧延加工時にかける前方張力および後方張力を、0.8kg/mm2 以下にすることを特徴としている。

0010

この発明によれば、熱処理後の圧延加工時にかける前方張力および後方張力を、0.8kg/mm2 以下にしている。酸化物超電導線材は、前述のように、圧延加工と熱処理を繰返すことにより、配向性および緻密性増し、臨界電流密度が向上する。しかしながら、酸化物超電導体セラミックスであるため、焼結が行なわれると延性に非常に乏しくなり、また無理に引張ると割れが生じてしまう。この割れが大きすぎると、熱処理を行なっても回復できず、熱処理後も存在してしまう。そして、この割れは、電流の流れを妨げるため、臨界電流密度低下の大きな原因となる。したがって、焼結後の圧延加工は、できるだけ線材に引張りの力がかからないようにする必要がある。

0011

図1は、ロールによる圧延加工の工程を示す概略図である。図1を参照して、サプライ1より供給された酸化物超電導線材2は、圧延ロール3によって圧延加工された後、巻き取り機4に巻き換えられる。圧延ロール3による圧延の際には、酸化物超電導線材2に対して、前方張力5および後方張力6がかけられる。このうち、前方張力5の大きさは張力制御ロール7によって制御され、一方、後方張力6の大きさはサプライ1に備えられた張力制御装置によって制御される。

0012

本発明者らは、圧延方法の検討に際して、特に、焼結後の圧延加工の際にかける最適な前方張力および後方張力を検討した。その結果、従来、焼結後の圧延加工時には、約1.6〜1.7kg/mm2 の前方張力5および後方張力6をかけていたが、この前方張力5および後方張力6を0.8kg/mm2 以下に下げることにより、大きな割れを生じさせることなく圧延することができ、臨界電流密度を向上させることができる。

0013

(実施例1)まず、Bi2 O3 、PbO、SrCO3 、CaCO3 およびCuOを用いて、Bi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.81:0.40:1.98:2.21:3.03の組成比になるように、これらを配合した。この配合したものを、大気中において750℃で12時間、続いて同じく大気中において800℃で8時間、さらに、減圧雰囲気1Torrにおいて760℃で8時間の順に、3段階の熱処理を施した。なお、各熱処理後には、粉砕を行なった。このような熱処理および粉砕を経て得られた粉末を、さらに、ボールミルにより粉砕し、サブミクロンの粉末を得た。この粉末を、800℃で2時間の熱処理を施した後、外径12mm、内径9mmの銀パイプ中に充填した。この後、これを伸線し、その途中の8.9mmφの丸線の状態のときに、真空中650℃で10時間の熱処理を施した。さらに、これを伸線し、1mmφの酸化物超電導線材を得た。

0014

次に、このようにして得られた1mmφの酸化物超電導線材に対して、最初の圧延加工を行ない、0.18mmの厚さにした。なお、この最初の圧延加工の際には、3.8kg/mm2 の前方張力と、0.4kg/mm2 の後方張力がかけられた。この圧延加工により得られた線材を、850℃で50時間、80m長で熱処理した。

0015

その後さらに、この線材に対して、表1に示す5種の条件で2回目の圧延加工を施し、0.16mmの厚さにした。なお、この2回目の圧延加工の際にかけられた後方張力は、すべて0.4kg/mm2 であった。この2回目の圧延加工により得られた線材を、50cm長で10枚のバンドルとし、850℃で50時間の熱処理を施した。

0016

0017

このようにして得られた酸化物超電導線材の、77Kにおける臨界電流密度を測定した。その結果を表2に示す。

0018

0019

表2より明らかなように、2回目の圧延加工の際にかける前方張力が本発明の範囲内にある線材No.3〜No.5の酸化物超電導線材は、線材No.1およびNo.2の比較例の酸化物超電導線材よりも、臨界電流密度が高いことがわかる。

0020

(実施例2)実施例1と同様に、1回の圧延加工と熱処理によって得られた線材に対して、表3に示す3種の条件で2回目の圧延加工を施し、0.16mmの厚さにした。なお、この2回目の圧延加工の際にかけられた前方張力は、すべて0.18kg/mm2 であった。この2回目の圧延加工により得られた線材を、50cm長で10枚のバンドルとし、850℃で50時間の熱処理を施した。

0021

0022

このようにして得られた酸化物超電導線材の、77Kにおける臨界電流密度を測定した。その結果を表4に示す。

0023

0024

表4より明らかなように、2回目の圧延加工の際にかける後方張力が本発明の範囲内にある線材No.7およびNo.8の酸化物超電導線材は、線材No.6の比較例の酸化物超電導線材よりも、臨界電流密度が高いことがわかる。

0025

なお、以上の実施例に関する開示は、本発明の単なる具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲を何ら制限するものではない。すなわち、本発明の適用はビスマス系酸化物超電導線材の製造に限られるものではなく、タリウム系およびイットリウム系酸化物超電導線材の製造に関しても適用できる。

発明の効果

0026

以上説明したように、この発明によれば、臨界電流密度の高い長尺の酸化物超電導線材が得られる。したがって、この発明により製造された酸化物超電導線材は、ケーブルやマグネットへの適用が可能である。

図面の簡単な説明

0027

図1ロールによる圧延加工の工程を示す概略図である。

--

0028

張力制御サプライ
2酸化物超電導線材
3圧延ロール
4巻き取り機
5前方張力
6後方張力
7 張力制御ロール

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