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技術 金属溶解用Cr基合金原料の製造法及びCr基合金インゴットの製造法

出願人 東ソー株式会社
発明者 清水要樹榊孝堀井正明
出願日 1993年4月9日 (27年8ヶ月経過) 出願番号 1993-083414
公開日 1994年10月25日 (26年2ヶ月経過) 公開番号 1994-299204
状態 未査定
技術分野 粉末冶金
主要キーワード Ni合金材 溶解用原料 連続引抜き 誘導加熱効率 溶解用ルツボ ブリッヂ 抜け穴 合金用金属
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

構成

結晶粒径10〜100μmのスラグ5〜10重量%を含み、残部が結晶粒径10〜100μmのCr粉末と結晶粒径3〜10μmの合金用粉末からなる混合粉末バインダーを0.2〜3重量%添加し、次いで圧密体成形後、加熱処理する事を特徴とする金属溶解Cr基合金原料製造法及び引き抜き方式インダクション・スラグ溶解法によるCr基合金インゴットの製造法において、当該Cr基合金原料を使用することを特徴とするCr基合金インゴットの製造法。

効果

本発明により、原料内の組成を均一化させることにより溶解インゴットの組成の均一化が可能となる。更に、連続溶解時でのブリッジ等の発生が抑制され、Cr基合金インゴットの生産性向上が図られる。以上の効果は、他の金属合金インゴットの製造にも適用できることが期待される。

概要

背景

Cr基合金溶解法としては炭素消耗電極真空アーク溶解法非消耗電極式真空アーク溶解法、プラズマ真空溶解法等があるが、いずれもバッチ式であり、添加された合金元素の均一化のためには長時間の加熱および溶融金属撹拌、回転等の作業を必要とし、操作が複雑である。

また、金属Crは一般的金属に比べて活性な金属に属するため、溶解時間が長過ぎると溶解炉内不純物ガス溶解ルツボ電極からの不純物混入の問題が発生し、現状のバッチ溶解技術では製品の品位、生産性経済性において解決すべき課題がある。

これらバッチ式溶解法に対する改良技術として例えば、Ti合金等の高融点金属の溶解に用いられるインダクションスラグ雰囲気溶解による連続溶解法がある。図1に示すような分割された水冷セグメントからなる銅製溶解ルツボは底が無く、該溶解ルツボを設置しているインダクション・スラグ連続溶解装置によりCr基合金の連続溶解を行う。該溶解ルツボ内に純Cr母金属、合金用素材と共にスラグを投入誘導加熱する場合、溶解中には溶解ルツボ内側と溶融Cr基合金間に生成するスラグ層連続引抜き時の潤滑剤として働くために、連続溶解が可能となる。

しかし、一般に用いられているインダクション・スラグ連続溶解法では、原料投入に際してCr母金属素材、合金用素材およびスラグ用の各定量フィーダーを設置するか、あらかじめバッチ式溶解法にて作製したCr基母合金を作製し、該母合金を粉砕し原料とする必要があり、経済性、生産性及び純度の面から未だ改良の余地が大きい。

また、操作性においても粉砕原料粒径が大き過ぎると溶解時に溶融金属が溶解ルツボ外に飛出し溶解炉に損傷を負わす危険性が有り、またブリッヂが発生する可能性が有る。又、原料粒径が微細過ぎると電磁誘導加熱効率が低下し、各原料粉末が溶解ルツボ内面飛散、付着し、溶融金属上部が付着原料とつながり固化し最終的にブリッヂ(吊状態)が形成される可能性が有る。

また、揮発性合金用素材を溶融金属中に添加すると溶融金属と爆発的な反応により合金用素材は気化し、溶融Cr基合金が溶解ルツボ外に飛散し溶解炉内の各部品を損傷させ、また所定組成のCr基インゴットが作製出来なくなる場合も生じる。さらに、連続溶解の為の引抜き速度の設定は各素材添加割合、溶融時の粘度、蒸気圧等が異なるため、溶融状態を見ながら添加割合を調整する必要が有り、従来の手法では安定操業が難しい。

例えば、適正速度で引抜けない場合には、冷却速度がCr基合金インゴット各所により異なるために該Cr基合金インゴットの組織、特に結晶粒径も不均一となる。

以上のように、従来のインダクション・スラグ連続溶解法の課題は原料、特に合金用素材の添加方法にあり、Cr母金属素材、合金用金属素材及びスラグが溶解ルツボ内の中心部に所定の割合で添加できることが必要である。もし、該原料が溶解ルツボ内壁等に当るとブリッヂが生成したり、引抜き時に溶解ルツボと溶融金属間のスラグ層が極端に薄くなり溶解ルツボを痛めてしまう。さらに、Cr母金属、合金用素材及びスラグが所定の割合で供給できなければ引抜き方向において合金元素の濃度分布が起きてしまい、加工性化学特性機械特性等に悪影響を及ぼす。

概要

結晶粒径10〜100μmのスラグ5〜10重量%を含み、残部が結晶粒径10〜100μmのCr粉末と結晶粒径3〜10μmの合金用粉末からなる混合粉末バインダーを0.2〜3重量%添加し、次いで圧密体成形後、加熱処理する事を特徴とする金属溶解用Cr基合金原料の製造法及び引き抜き方式インダクション・スラグ溶解法によるCr基合金インゴットの製造法において、当該Cr基合金原料を使用することを特徴とするCr基合金インゴットの製造法。

本発明により、原料内の組成を均一化させることにより溶解インゴットの組成の均一化が可能となる。更に、連続溶解時でのブリッジ等の発生が抑制され、Cr基合金インゴットの生産性向上が図られる。以上の効果は、他の金属合金インゴットの製造にも適用できることが期待される。

目的

本発明の目的は、ブリッジ等が生成しないインダクション・スラグ溶解法を可能とする金属溶解用Cr基合金原料の製造法及び当該金属溶解用Cr基合金原料を使用するCr基合金インゴットの製造法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

結晶粒径10〜100μmのスラグ5〜10重量%を含み、残部が結晶粒径10〜100μmのCr粉末と結晶粒径3〜10μmの合金用粉末からなる混合粉末バインダーを0.2〜3重量%添加し、次いで圧密体成形後、加熱処理する事を特徴とする金属溶解Cr基合金原料製造法

請求項2

引き抜き方式インダクション・スラグ溶解法によるCr基合金インゴットの製造法において、請求項1に記載の製造法より得られるCr基合金原料を使用することを特徴とするCr基合金インゴットの製造法。

技術分野

0001

本発明は金属溶解法において、均質Cr基合金インゴット経済的に作製する際に用いられるCr基合金原料製造法及びそのCr基合金原料を使用するCr基合金インゴットの製造法に関する。

背景技術

0002

Cr基合金の溶解法としては炭素消耗電極真空アーク溶解法非消耗電極式真空アーク溶解法、プラズマ真空溶解法等があるが、いずれもバッチ式であり、添加された合金元素の均一化のためには長時間の加熱および溶融金属撹拌、回転等の作業を必要とし、操作が複雑である。

0003

また、金属Crは一般的金属に比べて活性な金属に属するため、溶解時間が長過ぎると溶解炉内不純物ガス溶解ルツボ電極からの不純物混入の問題が発生し、現状のバッチ溶解技術では製品の品位、生産性経済性において解決すべき課題がある。

0004

これらバッチ式溶解法に対する改良技術として例えば、Ti合金等の高融点金属の溶解に用いられるインダクションスラグ雰囲気溶解による連続溶解法がある。図1に示すような分割された水冷セグメントからなる銅製溶解ルツボは底が無く、該溶解ルツボを設置しているインダクション・スラグ連続溶解装置によりCr基合金の連続溶解を行う。該溶解ルツボ内に純Cr母金属、合金用素材と共にスラグを投入誘導加熱する場合、溶解中には溶解ルツボ内側と溶融Cr基合金間に生成するスラグ層連続引抜き時の潤滑剤として働くために、連続溶解が可能となる。

0005

しかし、一般に用いられているインダクション・スラグ連続溶解法では、原料投入に際してCr母金属素材、合金用素材およびスラグ用の各定量フィーダーを設置するか、あらかじめバッチ式溶解法にて作製したCr基母合金を作製し、該母合金を粉砕し原料とする必要があり、経済性、生産性及び純度の面から未だ改良の余地が大きい。

0006

また、操作性においても粉砕原料粒径が大き過ぎると溶解時に溶融金属が溶解ルツボ外に飛出し溶解炉に損傷を負わす危険性が有り、またブリッヂが発生する可能性が有る。又、原料粒径が微細過ぎると電磁誘導加熱効率が低下し、各原料粉末が溶解ルツボ内面飛散、付着し、溶融金属上部が付着原料とつながり固化し最終的にブリッヂ(吊状態)が形成される可能性が有る。

0007

また、揮発性合金用素材を溶融金属中に添加すると溶融金属と爆発的な反応により合金用素材は気化し、溶融Cr基合金が溶解ルツボ外に飛散し溶解炉内の各部品を損傷させ、また所定組成のCr基インゴットが作製出来なくなる場合も生じる。さらに、連続溶解の為の引抜き速度の設定は各素材添加割合、溶融時の粘度、蒸気圧等が異なるため、溶融状態を見ながら添加割合を調整する必要が有り、従来の手法では安定操業が難しい。

0008

例えば、適正速度で引抜けない場合には、冷却速度がCr基合金インゴット各所により異なるために該Cr基合金インゴットの組織、特に結晶粒径も不均一となる。

0009

以上のように、従来のインダクション・スラグ連続溶解法の課題は原料、特に合金用素材の添加方法にあり、Cr母金属素材、合金用金属素材及びスラグが溶解ルツボ内の中心部に所定の割合で添加できることが必要である。もし、該原料が溶解ルツボ内壁等に当るとブリッヂが生成したり、引抜き時に溶解ルツボと溶融金属間のスラグ層が極端に薄くなり溶解ルツボを痛めてしまう。さらに、Cr母金属、合金用素材及びスラグが所定の割合で供給できなければ引抜き方向において合金元素の濃度分布が起きてしまい、加工性化学特性機械特性等に悪影響を及ぼす。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の目的は、ブリッジ等が生成しないインダクション・スラグ溶解法を可能とする金属溶解用Cr基合金原料の製造法及び当該金属溶解用Cr基合金原料を使用するCr基合金インゴットの製造法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者等はCr基合金インゴットの成分、組織均一性を解決するため、分割水冷セグメントよりなる銅製溶解ルツボを有するスラグ溶解装置において、使用するCr基合金原料の製造法として特殊な均質圧密化手法について鋭意検討した結果、本発明を完成した。

0012

即ち、本発明は結晶粒径10〜100μmのスラグ5〜10重量%を含み、残部が結晶粒径10〜100μmのCr粉末と結晶粒径3〜10μmの合金用粉末からなる混合粉末バインダーを0.2〜3重量%添加し、次いで圧密体成形後、加熱処理する事を特徴とするスラグ溶解用Cr基合金原料の製造法を提供するものであり、ここではスラグ溶解法の内、特にインダクション・スラグ溶解法に使用する円柱状のCr基合金原料の製法について説明する。

0013

尚、本発明におけるインダクション・スラグ溶解法は、バッチ式インダクション・スラグ溶解法及び連続式インダクション・スラグ溶解法に範囲が及ぶ。

0014

先ず、Cr粉末、合金用粉末およびスラグ粉末の混錬工程であるが、各原料粉末の結晶粒径として、Cr粉末;10〜100μm、スラグ;10〜100μm、合金用粉末;3〜10μmであることが必須である。

0015

これらの結晶粒径より微細な粉末を使用すると、特に合金用粉末は飛散等により歩留および操作性が低下する。

0016

一方、結晶粒径がこれらの粒径よりも大であるる場合、均一組成のCr基合金原料が得られず、また次の圧密化工程で原料相対密度が上がらなくなり、円柱状のCr基合金原料が使用中に折れたり、欠けたりする可能性が有り、連続溶解運転を停止しなければならない。

0017

これらの各粉末の割合に関しては、該スラグは全Cr基合金原料に対し5〜10重量%含有することが必須である。

0018

スラグ含有量が5%未満であると、溶解中、溶解ルツボの潤滑剤として働くスラグ層が薄く溶解ルツボ内面を傷付け、溶解ルツボの各水冷セグメント間に金属が食込み連続運転が出来なくなる。また、該スラグ層は断熱剤としての働きも有り、スラグ層が薄いと溶融金属と銅製溶解ルツボが直接接触し、溶解ルツボを溶かしてしまう恐れが有る。

0019

一方、スラグ含有量が10%を越えると最終的にCr基合金原料の相対密度が上がらず、強度的にも不十分であり使用中に折れ、欠け等の弊害が生ずる。また、スラグ層が厚くなり過ぎ、溶融金属/溶融スラグ界面は不均一となりCr基合金インゴットの表面は平滑性を失い、また溶融Cr基合金が溶解ルツボを構成する水冷セグメント間に食込み、凝固Cr基合金となって溶解ルツボを傷つけ、連続溶解引抜きを困難にする。

0020

次に、それらの混合粉末にエチルアルコールポリビニルアルコール等のバインダーを0.2〜3重量%添加することが必須である。

0021

該バインダーが0.2重量%未満では圧密体の強度が低く、円柱状Cr基合金原料を溶解炉に取付ける場合や溶解中に、該円柱状原料が折れたり、欠けたりして連続運転が不可能となる。

0022

一方、該バインダの添加割合が3重量%を超えると次の圧密化工程中の高温加熱時に該バインダーが気化し、非常にポーラスな圧密体となり、相対密度が上がらず、強度の低下によりCr基合金原料を溶解炉に取付ける場合、溶解中に原料が折れたり、欠けたりして連続運転が不可能となる。さらに、溶解中にバインダー成分である炭素、水素ガス化し、Cr基合金インゴット内部に炭素の不純物源として取込まれ炭化物生成空孔等が発生してしまう。

0023

混錬はマルチボール型ミル等により10kg/20分間で行なう。圧密化工程では所定の形状になるラバー容器内に該混練粉末を充填し、冷間静水圧装置(CIP)により約1トン重/mm2で30分間圧密化することにより相対密度が75%を超える圧密体が作製できる。また、ラバープレスによる圧密成形も可能である。その後、該圧密体を600〜900℃,1〜3時間、アルゴンガス中で加熱処理する。この熱処理工程を通らなければ、Cr基合金溶解用原料として必要な結合力が弱く、溶解時に円柱状原料が折れてしまい連続溶解は不可能となる。該円柱状圧密体の外径が溶解ルツボ内径の80〜90%の径を有しない場合は、さらに外周加工を施す場合もある。以上の均質圧密化技術による製造法で作製されたCr基合金原料の相対密度は75%を超えることが望ましい。該Cr基合金原料の相対密度が75%未満であると、溶解時や該原料を溶解炉に設置する時に円柱状原料が途中で折れ、供給操作が不可能となる。

0024

また、高周波誘導加熱法では理論的にポーラスな金属原料にはIRドロップ電圧が掛かりにくく誘導加熱率が上がらず、溶解効率が低下する。

0025

ここで、相対密度測定法について説明する。アルキメデス法原理を利用し相対密度を測定するが、先ず空気中での該原料重量を測定する。次に、ビニール袋密度測定用原料を入れ、水中でのビニール袋および原料の総重量を測定する。また、空気中でのビニール重量を測定する。これらの測定値より以下の式より相対密度を求めた。

0026

ρ1=ρ/ρ0 ×100(%)
ρ1=原料の密度(g/cm3)
ρ0=真密度品(0.6×dCr+0.4×dNi=6.208)
dCr:金属クロム理論密度(7.14g/cm3)
dNi:金属ニッケルの理論密度(8.8g/cm3)
ρ=M×ρW/M(M1−0.30M0)
M:空気中での原料重量(g)
ρW:t℃での水の密度(g/cm3)
M1:水中での原料重量(g) +ビニール重量(g)
M0:空気中でのビニール重量(g)
以上の方法により得られたCr基合金原料を使用し、引き抜き方式インダクション・スラグ連続溶解法によるCr基合金インゴットを製造する方法を以下に説明する。

0027

図1に示す溶解用ルツボ及び図2に示す連続溶解装置を使用してCr基合金原料を連続溶解した。

0028

先ず、図1に示す溶解用ルツボの構造について述べる。

0029

図1のように分割した各セグメント(3) は2重管構造(1) (2) を有しており、冷却水入口(4),冷却水出口(5) に冷却水が通り、それらを臘付けにより組立て、底なし溶解ルツボ(11)としている。各水冷セグメント(3) 間にはモルタル絶縁体(図示せず。)がはさまれており、水冷セグメント(3) 同志または水冷セグメント(3) /溶融金属間には短絡アークが発生するが、分割数が多くなるほど短絡アーク電圧が小さくなり(約4V以下)溶解効率が上がる。また、水冷セグメント(3) 間より溶解ルツボ内部方向へ誘導磁界束が通ることにより、金属の電磁発熱作用、溶湯電磁撹拌作用が活発となる利点があり、溶融金属の温度と組成の均一化に効果がある。このような構造を有する溶解ルツボ(11)を用いて連続溶解する。なお、溶解ルツボ(11)の寸法は直径150mm×長さ50mmであり、その外側に電源ケーブル(10)より導かれた高周波コイル(8) が7ターン全長約250mm巻いてある。

0030

次に、連続溶解装置(16)を用いた連続引抜き溶解製法について説明する。

0031

アルゴン又は真空雰囲気インダクション・スラグ溶解炉(15)に底なし溶解ルツボ(11)を設置する。この溶解ルツボ(11)は冷却水入口(4),冷却水出口(5) に冷却水が通ることにより冷却する構造である。溶解ルツボ(11)底部に引抜き棒(14)が付いているスタブ(インゴットの端材であり、溶解初期の種の役割)(12)をセットする。溶解ルツボ(11)上部より所定の大きさの円柱状のCr又はCr基合金原料(1) を挿入する際、該原料(1) は溶解炉(15)上部に取付けた原料供給チャック(2) で保持されており、下方へ原料を送る事が出来、円柱状Cr−Ni合金原料(1) がスタブ(12)に当った所で固定する。

0032

また、引抜き棒(14)と連続溶解装置(16)本体の下部のシール部分について説明する。この部分はOリング等のシール付ボールベアリングにより引抜き棒(14)が引抜き、回転しても真空度が低下しない機構を採用し、引抜き方向については多重Oリングによりリークしない構造になっている。

0033

ここで、引抜速度は100〜300mm/時間とするのが好ましい。

0034

引抜き速度が100mm/時間未満の場合は溶融Cr−Ni(3) に接している溶融スラグ(7) が過熱され、揮発性不純物として溶融金属(3) 中に混入してしまい冷却後の凝固Cr−Ni(6) 内部に欠陥として残ってしまう。また、溶融Cr−Ni(3) の誘導加熱量が溶解ルツボ(11)に奪われやすくなり熱効率が低下し、溶融Cr−Ni(3) の撹拌作用も低下し組成の均一性が無くなる。

0035

一方、引抜き速度が300mm/時間よりも大きいと溶解ルツボ(11)内は、ロッド状の原料(1) の供給が間に合わず、溶融金属量が少なくなるため誘導加熱効率が上がらなくなり、温度、組織、および組成が不均一となる可能性が有る。さらに、溶融金属(3) が上部と下部では引抜き速度が異なり、特に上部は放熱や誘導加熱効率の低下により最終的にはブリッヂが発生する場合がある。

0036

以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより制限を受けるものではない。

0037

実施例1
Cr−40%Ni合金原料の製造法を説明する。Cr粉末(純度:99.92%、平均結晶粒径70μm)を56.4kg、Ni粉末(純度99.99%、平均結晶粒径3μm)を37.6kg、スラグとしてフッ化カルシウム粉末(純度99.9%、平均結晶粒径70μm)を6kg、総量として100kgを準備した。

0038

これらの混合粉末に対しバインダーとしてエチルアルコールを2.0重量%(2kg)添加し、ステンレス鋼製の混錬マルチボール型ミルに該混合粉末を10kg毎仕込約30分間混錬を行なう。

0039

次に、直径138mm×長さ1200mm×厚さ2mmのラバー内に該混合粉末を入れる。

0040

その後、該充填体を冷間静水圧装置(CIP)により約1トン重/mm2で30分間圧密化する。その後、900℃で3時間、アルゴンガス中で加熱処理し、さらに、直径130mm×長さ1150mmの形状になるよう外周加工する。

0041

上記の条件で作製したCr−Ni合金原料の相対密度は表1から分るように75%以上であることが確認できる。

0042

0043

次に、図1に示す溶解用ルツボ、図2に示す連続溶解装置にて上記で得られた該円柱状Cr−Ni合金原料を連続溶解した。

0044

溶解用ルツボの仕様については、24分割型、短絡アーク電圧3Vとした。

0045

次に連続溶解装置の溶解条件について説明する。溶解炉(15)の裏に設置してある真空ポンプ(13)より真空後、アルゴンガス置換工程を2回行った後、アルゴンガスにて250Torrに圧力を調節する。次に、徐々に溶解パワーを上げていき、電源仕様高周波数6.4KHZ,電源600V,500A)の限界近く迄上げた。該円柱原料(1) が約長さ方向に25mm溶解したところで、溶融スラグ(7) 層と溶融Cr−Ni(3) 状態を確認後、下方へ引抜速度200mm/時間で引き抜いた。

0046

最終的にブリッヂの発生もなく100kgの円柱状原料(1) を4時間にて溶解した。溶解後の凝固Cr−Ni(6)インゴットの外側には凝固スラグ(9) 層が均一に付いており、凝固Cr−Ni(6) インゴット内部を超音波探傷器にて検査したが欠陥もなく、化学分析結果から不純物としてのガス成分(窒素ガス酸素ガス等)の増加も認められず、数ppmのままであった。

0047

比較例1〜6
実施例1と比較する為、原料の製造条件のうち、Cr粉末、Ni粉末およびスラグ粉末の結晶粒径、スラグ割合および混練時のバインダー量を変え、さらに成形後の原料熱処理を行わない場合の合金原料を作製した。原料の相対密度測定法については実施例1と同様であり、作製したCr−Ni原料の相対密度を表1に示す。

0048

表1より、原料製造条件が異なる比較例1〜6の原料の相対密度は75%以上にならない事が分る。なお、表中の比較例の下線は実施例と異なる製造条件を意味する。

0049

さらに、比較例1〜6の該円柱状原料(1) を図2に示す連続溶解装置(16)にて溶解したが、溶解ルツボ(11)内に挿入した円柱状原料(1) が溶けた時点で、円柱状原料(1) の中央部より折れ連続溶解が出来なくなった。

0050

実施例2
実施例1で得られたCr−Ni合金原料(1) を用いバッチ式インダクション・スラグ溶解法にてCr−Ni合金インゴットを作製した。

0051

溶解ルツボとして直径130mm,高さ500mmの分割水冷銅製溶解ルツボを用いた。当該原料(1) を直径5〜15mmに粉砕し、溶解ルツボに約25kg、追加原料ポット内に10kg準備した。

0052

溶解用ルツボの仕様については、24分割型、短絡アーク電圧3Vとした。

0053

真空、アルゴンガス置換を2回繰り返した後、400Torrにアルゴンガスで調節し、溶解用電力を徐々に限界近く迄上げて保持し、約3時間かけて最初の原料を完全に連続溶解した。次に、溶解炉の側面より追加原料を約500gに分けて溶解炉の中に供給し、最終的に35kgの原料を全部溶解した後、溶解用電力を徐々に下げた。

0054

取り出されたCr−Ni合金インゴットを超音波観察した結果、内部には欠陥が無く、化学分析結果から不純物としてのガス成分(窒素ガス、酸素ガス等)のス等)の増加も認められず、数ppmのままであった。

0055

比較例7
この比較例は、本発明の様にCr−Ni合金材料を圧密化せずに、Cr粉末とNi粉末をそれぞれ溶解炉に供給して、Cr−Ni合金インゴットを製造した比較例である。

0056

図3に使用した連続溶解装置(16)を示す。

0057

アルゴン又は真空雰囲気インダクション・スラグ溶解炉(15)には冷却水入口(4) 及び冷却水出口(5) に冷却水が通ることにより過熱を防止した溶解ルツボ(11)を据え付け、溶解ルツボ(11)の周囲には電源から同軸ケーブル(10)を経由した7ターンの高周波コイル(8) を設置する。

0058

この溶解ルツボ(11)の底部にはスタブ(12)(インゴットの端材であり、溶解初期の溶解起点の役割を担う。)を取付けた引抜き棒(14)があらかじめセットしてある。又、溶解ルツボ(11)の上部には、Cr原料(1) (純度:99.92%,平均結晶粒径:70μm)、Ni原料(1')(純度99.99%,平均結晶粒径:5μm)及びスラグ原料(2) (フッ化カルシウム粉末(純度99.9%、平均結晶粒径:70μm)を供給する各フィーダー及びホッパーが設置されている。

0059

溶解条件は、溶解炉(15)の裏に設置してある真空ポンプ(13)より真空後、アルゴンガス置換工程を2回行った後、アルゴンガスにて250Torrに圧力を調節する。次に、徐々に溶解パワーを上げていき、電源仕様(高周波数6.4KHZ,電源600V,500A)の限界近く迄上げた。

0060

Cr原料(1) を600g、Ni原料(1')を400gの割合で溶解ルツボ(11)内に供給する。完全に溶解した時点でスラグ原料を(2) を60g添加し、溶融スラグ(7) 層と溶融Cr−Ni(3) 状態を確認後、下方へ引抜き始める。引抜速度は110mm/時間とした。この原料供給、溶解及び引抜き工程を10回繰り返した時点でブリッジが発生し、溶解ルツボ(11)上部からの原料供給が不可能となり溶解を中止した。これは供給フィーダーから落ちた各原料が溶解ルツボ(11)の内面に不均一に付着し、付着した原料と溶融金属上部と連結し、放熱により凝固しブリッジへと成長したためと思われる。

0061

溶解後のCr−Ni(6) のインゴットの外側には白色の凝固スラグ(9) 層が不均一に付いており、凝固Cr−Ni(6) のインゴット側面から内部にかけて、溶解中に発生したガスによる抜け穴が観察された。また、化学分析結果からスラグの成分であるカルシウムが検出され,その量は約20ppmであった。

0062

本発明により、原料内の組成を均一化させることにより溶解インゴットの組成の均一化が可能となる。更に、連続溶解時でのブリッジ等の発生が抑制され、Cr基合金インゴットの生産性向上が図られる。以上の効果は、他の金属合金インゴットの製造にも適用できることが期待される。

図面の簡単な説明

0063

図1分割水冷セグメントからなる銅製溶解ルツボの概略図を示す。

0064

内管
外管
3水冷セグメント
4冷却水入口
5冷却水出口
11溶解ルツボ
インダクション・スラグ連続溶解装置の概略図を示す。

0065

1スラグを含むCr−Ni合金原料
2原料供給用チャック
3溶融Cr−Ni
4冷却水入口
5冷却水出口
6凝固Cr−Ni
7溶融スラグ
8高周波コイル
9凝固スラグ
10電源ケーブル
11溶解ルツボ
12スタブ
13真空ポンプへ
14引抜き棒
15溶解炉
16 連続溶解装置
比較例7で使用した連続溶解装置

--

0066

1 Cr原料
1´合金用Ni原料
2スラグ原料
3溶融Cr−Ni
4冷却水入口
5冷却水出口
6凝固Cr−Ni
7溶融スラグ
8高周波コイル
9凝固スラグ
10電源ケーブル
11溶解ルツボ
12スタブ
13真空ポンプへ
14引抜き棒
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