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技術 小孔の内面に機能性被膜を形成する方法

出願人 株式会社精工舎
発明者 米沢恵一
出願日 1993年4月9日 (26年3ヶ月経過) 出願番号 1993-083201
公開日 1994年10月21日 (24年9ヶ月経過) 公開番号 1994-293045
状態 未査定
技術分野 プラスチック等の成形用の型 プラスチック等の射出成形
主要キーワード 硬質メッキ 複合メッキ層 黄銅材 均一被膜 黄銅線 機能性被膜 複合メッキ 導電性メッキ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年10月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

目的

成形品に設ける極く小さな孔の内面に、耐摩耗性導電性を付与するための所望の機能性被膜均質に形成する。

構成

初めに黄銅線材を加工して成形品に穿設しようとする小孔と対応する形状のインサート母材4を製作し、その表面にNi−Pの合金メッキ層5を形成する。次にインサート母材の両端を切断し、この両端4bが成形品から露見するように配設してインサート成形により成形品2を得る。最後にシャワー式エッチング装置を用いたエッチング処理により、合金メッキ層5を成形品2内に残し、インサート母材4を除去すると、合金メッキ層の内側に小孔3が形成される。インサート母材への機能性被膜は形成手段の種類を選ばず、かつ小径かつ深さの割合が大きくても均質性を有する。その上にインサート母材に被膜形成した状態で熱処理等の第2次処理した後に成形することも可能なので、小孔の内面に秀れた性質の機能性被膜が形成できる。

概要

背景

プラスチック成形品に設けられた小孔内面耐摩耗性導電性などを付与するための、いわゆる機能性被膜を形成する方法としては以下に例示するようなものがある。

(1)プリント基板スルーホール内導電性被膜を形成する方法として、エポキシ材基板の両面に銅箔を積層してなる両面銅張積層板に、ドリルによる穿孔加工によりスルーホールを開け、無電解メッキ法によりスルーホールの内面を含む基板全体銅メッキを施した後に、さらに導電信頼性を確保するために電解メッキ法により銅メッキを施す方法が一般に採用されている。

(2)触媒混入してメッキ可能にした樹脂と、このメッキ処理ではメッキ不可能な樹脂とによって2色成形により基板を構成して回路パターンを形成するものとして、メッキ可能な樹脂に予め孔を開けておき、基板全体をメッキ液中に浸漬して、孔の内面に銅メッキなどの導電性メッキを施す方法が試みられている。

(3)ワイヤドットプリンタ印字ヘッドを構成するワイヤガイドガイヤ孔の内面に、耐摩耗性を向上させる手段として、孔の内面に硬質メッキを施すものがある。この場合には、まずガイド板ガイド孔を開けておき、まず、無電解メッキ法により0.1〜0.3μmの厚さにNi,Cuなどの第1メッキ層を形成し、次に耐摩耗性を向上させるための被膜として、10〜20μmの厚さにNi−Bの合金メッキやNi−Pとセラミック分散複合メッキなどの第2メッキ層を形成させるものがある。

概要

成形品に設ける極く小さな孔の内面に、耐摩耗性や導電性を付与するための所望の機能性被膜を均質に形成する。

初めに黄銅線材を加工して成形品に穿設しようとする小孔と対応する形状のインサート母材4を製作し、その表面にNi−Pの合金メッキ層5を形成する。次にインサート母材の両端を切断し、この両端4bが成形品から露見するように配設してインサート成形により成形品2を得る。最後にシャワー式エッチング装置を用いたエッチング処理により、合金メッキ層5を成形品2内に残し、インサート母材4を除去すると、合金メッキ層の内側に小孔3が形成される。インサート母材への機能性被膜は形成手段の種類を選ばず、かつ小径かつ深さの割合が大きくても均質性を有する。その上にインサート母材に被膜形成した状態で熱処理等の第2次処理した後に成形することも可能なので、小孔の内面に秀れた性質の機能性被膜が形成できる。

目的

そこで本発明の目的は、プラスチックの小孔の内面に均質な所望の機能を有する機能性被膜を容易に形成可能にすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

成形品穿設しようとする小孔と対応する形状のインサート母材製作し、上記インサート母材の表面に上記小孔の内面に形成しようとする機能性被膜を形成し、上記機能性被膜を形成した上記インサート母材の両端を切断し、上記インサート母材を上記成形品に上記インサート母材の両端が露見するようにインサート成形し、上記成形品に対し、上記インサート母材だけを除去するエッチング処理を施すことにより機能性被膜によって囲まれた小孔を形成することを特徴とする小孔の内面に機能性被膜を形成する方法。

請求項2

請求項1において、上記インサート母材は金属であり、上記機能性被膜は金属メッキ層または金属とセラミック複合メッキ層によって構成されていることを特徴とする小孔の内面に機能性被膜を形成する方法。

請求項3

請求項1において、上記インサート母材は黄銅であり、上記機能性被膜はニッケルりん合金メッキ層によって構成されていることを特徴とする小孔の内面に機能性被膜を形成する方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば、プラスチック成形品穿設された小孔耐摩耗性導電性などの機能性被膜を形成する小孔の内面に機能性被膜を形成する方法に関するものである。

背景技術

0002

プラスチック成形品に設けられた小孔の内面に耐摩耗性や導電性などを付与するための、いわゆる機能性被膜を形成する方法としては以下に例示するようなものがある。

0003

(1)プリント基板スルーホール内導電性被膜を形成する方法として、エポキシ材基板の両面に銅箔を積層してなる両面銅張積層板に、ドリルによる穿孔加工によりスルーホールを開け、無電解メッキ法によりスルーホールの内面を含む基板全体銅メッキを施した後に、さらに導電信頼性を確保するために電解メッキ法により銅メッキを施す方法が一般に採用されている。

0004

(2)触媒混入してメッキ可能にした樹脂と、このメッキ処理ではメッキ不可能な樹脂とによって2色成形により基板を構成して回路パターンを形成するものとして、メッキ可能な樹脂に予め孔を開けておき、基板全体をメッキ液中に浸漬して、孔の内面に銅メッキなどの導電性メッキを施す方法が試みられている。

0005

(3)ワイヤドットプリンタ印字ヘッドを構成するワイヤガイドガイヤ孔の内面に、耐摩耗性を向上させる手段として、孔の内面に硬質メッキを施すものがある。この場合には、まずガイド板ガイド孔を開けておき、まず、無電解メッキ法により0.1〜0.3μmの厚さにNi,Cuなどの第1メッキ層を形成し、次に耐摩耗性を向上させるための被膜として、10〜20μmの厚さにNi−Bの合金メッキやNi−Pとセラミック分散複合メッキなどの第2メッキ層を形成させるものがある。

発明が解決しようとする課題

0006

上記した従来技術は、いずれもすでに開いている小孔の内面にメッキを施すものであるため、メッキ液が小孔内に入りにくく、均質な機能性被膜の形成が困難であり、かつ、そのための手間も煩雑となる。とくに、孔の直径が0.3mm以下の小さいものでは孔の深さが10mm以上になると、メッキ液の進入が困難となり、均一な被膜の形成を困難にしている。さらに、孔の径が0.1mm以下になると、孔の深さいかんにかかわらず、均一被膜の形成が困難となり、大量生産には向かない実状にある。とくに、セラミック分散複合メッキの場合については、小径の孔への均一な被膜の形成は困難である。

0007

また、耐摩耗性の向上を目的として行われるNi−Pの合金メッキにより形成される被膜層は、メッキしたままの析出状態では、ビッカース硬さ(Hv)で500〜550であるが、これを450℃程度の温度で熱処理することにより、Hv900〜1000程度の硬さにすることが可能である。しかし、プラスチック材にこれをメッキした場合には、プラスチック材は450℃の耐熱性を有しないのでこの熱処理は不可能であり、このような硬さ及び高耐摩耗性は得られない問題がある。

0008

さらに、プラスチックの小孔に対するメッキの析出を完全なものにするためには、メッキ析出性の秀れたメッキ液しか利用できないので、金属中にセラミック材を分散させた分散複合メッキなど耐摩耗性の優れた機能性被膜を得ることができない。また、スパッタリング法イオンプレーティング法などの乾式表面処理法による被膜形成も小孔内部に被膜を形成させることは困難である。

0009

これとともに所望の機能をもたせるためには、第1層目のメッキ処理をした後に、第2層目のメッキ処理を必要とするが、それらの層間の密着力不足という問題もある。さらにまた、2種のメッキを施すのに耐え得るプラスチック材の選択の幅も狭くなる問題もある。

0010

そこで本発明の目的は、プラスチックの小孔の内面に均質な所望の機能を有する機能性被膜を容易に形成可能にすることにある。

課題を解決するための手段

0011

上記の目的を達成するために本発明における、小孔の内面に機能性メッキを形成する方法は、初めに、成形品に穿設しようとする小孔と対応する形状のインサート母材製作し、このインサート母材の表面に小孔の内面に形成しようとする機能性被膜を形成する。次に機能性被膜を形成したインサート母材の両端を切断し、インサート母材を成形品にインサート母材の両端が露見するようにインサート成形して成形品を得る。次にこの成形品に対し、インサート母材だけを除去するエッチング処理を施すことにより機能性被膜によって囲まれた小孔を形成することによって小孔の内面に機能性被膜を形成するものである。

0012

上記手段におけるインサート母材を金属とし、機能性被膜を金属メッキ層または金属とセラミックの複合メッキ層とし、小孔の内面に機能性被膜を形成することによって導電性や高耐摩耗性を有する機能性被膜が得られる。

0013

インサート母材として黄銅を採用し、機能性被膜としてニッケルりん合金メッキ層によって構成すると、インサート母材に機能性被膜を施した状態で熱処理を施すことが可能であり、かつ機能性被膜だけを残留させる選択エッチングを容易とすることにより小孔の内面に、高耐摩耗性を有する機能性被膜を容易に形成可能になる。

0014

インサート母材の両端が成形品から露見するようにインサート成形した成形品に、エッチング処理を施すと、インサート母材だけが除去され、機能性被膜がその中に小孔を形成した状態で成形品中に残される。

0015

インサート母材として金属を採用すれば、エッチングが容易となり、機能性被膜はインサート母材用エッチング材によってエッチングされず、かつ用途に応じた被膜によって小孔の内面に機能性被膜を形成可能となる。

0016

インサート母材として黄銅を用い、機能性被膜としてニッケルとりんとの合金メッキ層を用い、インサート母材に機能性被膜を形成した時点で熱処理すると、小孔の内面に耐摩耗性の高い機能性被膜を形成可能になる。

0017

以上本発明の一実施例について小孔を有する成形品として、ワイヤドット式プリンタのワイヤガイドを製作する場合を例として図面を参照して説明する。

0018

図2に示すように、本実施例におけるワイヤガイド1は、ポリスフォン(PSF)の射出成形品2によって構成され、厚さが0.8mmのガイド板の中央部に直径0.2mmの小孔からなる24個のガイド孔3が配設されたものとする。このワイヤガイドのガイド孔として内面にNi−Pの合金メッキ層からなる機能性被膜が形成されているものを得ようとするものである。

0019

以下、上記したワイヤガイドの製造方法を介して、小孔の内面に機能性被膜を形成する方法について順次説明する。

0020

(1)インサート母材の製作
インサート母材4の素材としては、径0.3mmの黄銅線材を用い、これを図3に示すように、機械加工によって細径部の直径が0.2mmとなるように抜け落ち防止用段差4aを設ける(図3参照)。

0021

(2)機能性被膜の形成
次に、小孔の内径に形成しようとする機能性被膜として、インサート母材の表面に電解メッキ法により耐摩耗性に秀れた性質を有するニッケルとリン(Ni−P)の合金メッキ層5を厚さ10μm程度に形成する。

0022

(3)熱処理
Ni−Pの合金層は、メッキした状態では、硬さが不足するので、耐摩耗性の向上を図るために、これを450℃の温度で数時間加熱することにより、Hv900〜1000の硬さにする。

0023

(4)インサート母材の両端の切断したインサート母材4は、メッキした状態では全表面がメッキ層5によって覆われているので、機械加工により両端を切断して、両端部にインサート母材の両端4bが露出するようにするとともに、ガイド板の厚さに対応した長さにする(図3参照)。

0024

(5)インサート成形
成形品2の成形加工は、インサート母材4の両端4bが成形品の両面に一致するように配し、ポリサルフォン(PSF)樹脂を射出成形用金型内に供給することによりインサート成形し、両面に多数のインサート母材の端面4b,4bが露出するように配置した成形品2を得る。

0025

図1に示すように、この時点における成形品2は、合金メッキ層5を形成したインサート母材4の両端4b,4bが成形品の両面と一致するように一体になっており、両端4b,4bは成形品2の両面から露見状態となっている。

0026

(6)エッチング処理
次に、成形品にエッチング処理を施して、成形品2からインサート母材4だけを除去し、合金メッキ層5を成形品内に残存させる。エッチング液としては、インサート母材4である黄銅材が溶解容易であるが、Ni−P合金は溶解しないものを選ぶ。本実施例では、1リットル中にクロム酸を重量で100〜300g,硫酸を50〜100gの割合で混合した水溶液を用いた。

0027

エッチング処理は、上記した混合水溶液シャワー式エッチング装置を用いて成形品の両面からインサート母材の露見部分に吹き付けて行う。高圧吹き付けであるため、直径0.3mm以下の小孔の内面にもエッチング液が行きわたり、インサート母材4を溶解可能である。

0028

エッチング処理によって、インサート母材4が成形品2からすべて除去されると、図4に示すように、成形品2には、段差を有する小孔3が形成される。小孔3の内面には、インサート母材4の表面に形成されていた合金メッキ層5が、そのまま残留しているので、機能性被膜によって囲まれた小孔が形成される。したがって小孔3の内面は、結果的に合金メッキ層が形成されたものとなる。この合金メッキ層5は、既に熱処理を施してあるため、耐摩耗性に秀れ、かつ被膜も均質なものになっている。

0029

最後に、エッチング液を洗浄して、ガイド板1が完成する。

0030

本実施例では、プリンタのガイド孔に適用してあるが、これ以外にも耐摩耗性を要求される小孔を形成する場合全般に適用可能である。

0031

また、インサート母材として黄銅材を採用してあるが、黄銅材以外のエッチングされ易い金属であってもよく、さらには、エッチング容易なものであれば、他の物質を採用してもよい。もちろんインサート母材の材質を異にすれば、エッチング液もそれに対応したものを選択する必要がある。

0032

また、成形品の素材も、メッキ性を必要とせず、PSF以外にもポリアセタール(POM),ポリエチレン(PE)など制限がない。

0033

さらに、機能性被膜についても、Ni−P合金のほか、Ni−Bなど耐摩耗性向上のためのものや、Cuなど導電性を付与するものなどの機能性被膜にすることも可能である。

0034

さらに、本発明は、通常の電解メッキ法や無電解メッキ法による機能性被膜の形成手段以外にも、機能性被膜の形成手段として、イオンプレーティング法やスパッタリング法等を採用することも可能である。

発明の効果

0035

以上説明したように、本発明によれば、機能性被膜を形成する小孔の内径に制約がなく、内径に対して深さの大きい小孔の内面に均質な機能性被膜の形成が容易となる。また広範な被膜形成手段を採用可能なので、所望の機能を備えた機能性被膜層が得られる。予めインサート母材に機能性被膜層を形成するものであるため、メッキ法の他、イオンプレーティング法等による機能性被膜形成法が採用可能であり、これとともにインサート母材ごと熱処理することが可能なので、プラスチック材では得られない機能を有する小孔を形成することが可能になる。さらに成形品には直接、メッキなどによる被膜処理を施さないので、多層メッキのように複数のメッキ液を使用する必要もなくなるので、適用可能な成形品の種類も多くできるなどの効果がある。

図面の簡単な説明

0036

図1インサート母材の両端を露見するようにしてインサート成形した状態を示す断面図である。
図2一実施例としてのワイヤガイドの平面図および一部切欠断面図である。
図3インサート母材の表面に機能性被膜を形成し、両端を切断した状態を示す断面図である。
図4エッチング処理により成形品からインサート母材を除去した状態を示す断面図である。

--

0037

2成形品
3小孔
4インサート母材
4b 両端
5 機能性被膜

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