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技術 TiCN基サーメット

出願人 京セラ株式会社
発明者 大畑浩志林桂
出願日 1993年3月25日 (27年9ヶ月経過) 出願番号 1993-066308
公開日 1994年10月4日 (26年2ヶ月経過) 公開番号 1994-279911
状態 拒絶査定
技術分野 ダイヤモンド又は金属化合物を含有する合金
主要キーワード 軟化層 出現温度 最終焼結体 SCM 遊離炭素 切削用 ダイヤモンド圧子 ポアソン比
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この項目の情報は公開日時点(1994年10月4日)のものです。
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目的

湿式切削において耐欠損性耐摩耗性に優れたTiCN基サーメットを提供する。

構成

Ti,WおよびNbを必須成分として含有する硬質相と、鉄族金属からなる結合相とから構成されるTiCN基サーメットであって、σk(1ーν)/Eα( ここで、σは抗折強度(MPa)、Eはヤング率(GPa)、νはポアソン比、αは熱膨張率(10-6/K)、kは熱伝導率(W/m・K)を表す) で示される耐熱衝撃パラメータR’が4.0(kW/m)以上である。

概要

背景

概要

湿式切削において耐欠損性耐摩耗性に優れたTiCN基サーメットを提供する。

Ti,WおよびNbを必須成分として含有する硬質相と、鉄族金属からなる結合相とから構成されるTiCN基サーメットであって、σk(1ーν)/Eα( ここで、σは抗折強度(MPa)、Eはヤング率(GPa)、νはポアソン比、αは熱膨張率(10-6/K)、kは熱伝導率(W/m・K)を表す) で示される耐熱衝撃パラメータR’が4.0(kW/m)以上である。

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請求項1

Ti,WおよびNbを必須成分として含有する硬質相と、鉄族金属からなる結合相とから構成されるTiCN基サーメットであって、σk(1ーν)/Eα( ここで、σは抗折強度(MPa)、Eはヤング率(GPa)、νはポアソン比、αは熱膨張率(10-6/K)、kは熱伝導率(W/m・K)を表す) で示される耐熱衝撃パラメータR’が4.0(kW/m)以上であることを特徴とするTiCN基サーメット。

技術分野

0001

本発明は、耐摩耗性靭性に優れたTiCN基サーメットに関し、特に湿式切削工具として好適なTiCN基サーメットに関する。

0002

近年、切削用焼結体として、周期律表第4a,5a,6a族元素の複炭窒化物からなる硬質相と、鉄族金属からなる結合相によって構成されるサーメットが用いられるようになっている。

0003

かかるサーメットとしては、これまでTiCを主成分とするTiC基サーメットが主流であったが、このTiC基サーメットが古くから工具材料として用いられていた超硬合金に比較して靱性が劣るために、この系に窒化物を添加することにより靱性を改善したいわゆるTiCN基サーメットが提案された。

0004

このTiCN基サーメットの代表例として特公昭56−51201号公報が挙げられ、ここでは、(Ti,W,Ta,Mo)CNからなる硬質相と、Ni,Coからなる結合相とから構成されるサーメットが開示され、硬質相がTiや窒素富む芯部と、W,Ta,Moおよび炭素に富む周辺部とから構成された有芯構造を呈することが述べられている。

0005

また、硬質相を形成する炭素(C)および窒素(N)はサーメットの靱性および硬度を決定する大きな要因であり、最近では窒素を多量に含有させることによりサーメットの靱性を高めようとする試みもなされている。

0006

ところが、最近に至り上記のTiCN基サーメットに対してその表面部の組織換えることにより耐摩耗性や靱性をさらに高めようといった改良がなされている。例えば特公昭59−14534号公報では、焼成時に液相出現温度以下で窒素を炉内に導入することによって焼結体表面に靱性に富む軟化層を形成することが、また特公昭59−17176号公報では焼成をCOを含む還元雰囲気内で行うことにより内部より高硬度の層を形成することが提案されている。

0007

しかしながら、これらの先行技術は、いずれも硬度あるいは靱性のどちらかのみ検討するにとどまり、高硬度,高靱性の双方が要求される工具用材料としては切削性能上不十分であった。また、従来、切削加工では切削時に水冷を行ういわゆる湿式切削が多く行われていたが、この湿式切削では切削性能が悪いという問題があった。即ち、従来のサーメットは乾式切削では比較的良好な切削性能を示しても湿式切削では欠損する場合が多かった。

0008

本発明者等は、上記の問題点に対して充分な検討を行った結果、湿式切削における欠損がサーメット自体の耐熱衝撃性が弱いことによるものであるという知見を得、これに基づき、TiCN基サーメットにおいて、材料の耐熱衝撃性の尺度として用いられる耐熱衝撃パラメータR’を4.0kW/m以上とすることにより耐熱衝撃性,硬度,靱性に富み、湿式切削時においても優れた耐摩耗性,耐欠損性を有するサーメットが得られることを知見し、本発明に至った。

0009

即ち、本発明のTiCN基サーメットは、Ti,WおよびNbを必須成分として含有する硬質相と、鉄族金属からなる結合相とから構成されるTiCN基サーメットであって、σk(1ーν)/Eα( ここで、σは抗折強度(MPa)、Eはヤング率(GPa)、νはポアソン比、αは熱膨張率(10-6/K)、kは熱伝導率(W/m・K)を表す) で示される耐熱衝撃パラメータR’が4.0(kW/m)以上であることを特徴とする。

0010

以下、本発明を詳述する。

0011

本発明のTiCN基サーメットは、基本的に硬質相と結合相から構成されるものであるが、本発明においては、σk(1ーν)/Eαで示される耐熱衝撃パラメータR’を4.0(kW/m)以上とすることが特徴である。このように、耐熱衝撃パラメータR’を4.0(kW/m)以上としたのは、耐熱衝撃パラメータR’が4.0よりも小さいとTiCN基サーメットの熱衝撃性が悪くなり、特に湿式切削における耐欠損性,耐摩耗性が悪化するからである。

0012

このようなTiCN基サーメットの熱膨張率が10×10-6/K以下、熱伝導率が17W/m・K以上であることが望ましいが、これは、298〜1073Kにおける熱膨張率が10×10-6/Kよりも大きく、熱伝導率が17W/m・Kより小さいと、湿式切削時における耐摩耗性,耐欠損性が悪化する傾向にあるからである。

0013

そして、耐熱衝撃パラメータR’を4.0(kW/m)以上とする方法としては、配合される炭化物,窒化物,炭窒化物の配合比及び金属量を特定の範囲とすることである。例えば、サーメットの全体組成における前記鉄族金属を除く他の成分組成を、〔 (Ti)a (Nb)b (W)c](CuNv)z と表した時、a+b+c=1、0.50≦a≦0.95、0.05≦b+c≦0.5、0.40≦b/b+c≦0.95、0.40≦v≦0.60、0.80≦z≦1.0、u+v=1を満足することが望ましい。さらに、Mo量が0.5重量%以下含有されていることが望ましい。前述の範囲になるように設定すれば、耐熱衝撃パラメータR’を4.0以上とすることができる。

0014

即ち、硬質相を形成する主成分であるTiは、焼結体内におよそTiCNとして存在し、その量はサーメットの強度や硬度を決定する大きな要因であり、このTi量(a)が前記式において0.5より少ないとサーメット工具としての特徴である耐摩耗性、金属に対する親和性が不十分となり、0.95を越えると耐欠損性に劣ることとなる。なお、(a)は0.70≦a≦0.9であることが特に望ましい。

0015

サーメットにおいて、Tiと同様に必須の成分とされるWはWCとして硬質相の結合相との濡れ性を改善するとともに粒成長を抑え、強度,靱性を高める作用をなすが、硬質相が(Ti,W)CNから構成される場合は、耐摩耗性,耐酸化性,耐欠損性等の特性が実用的レベルに達していないというに問題がある。そこで、硬質相を強化し諸特性を向上することを目的としてこれまでMoやTa等の炭化物が必須の成分として使用されたが、Mo2 C自体、硬質相主成分であるTiCあるいはTiCNに比較して特性が劣るために逆にサーメットの特性向上には大きく寄与せず、場合によっては特性を劣化させてしまうという傾向にあることがわかった。特に、この傾向は湿式切削時に顕著であった。

0016

そこで、Mo2 Cに代わる成分として検討をおこなったところ、Nbの炭化物がMo2 Cに比較してそれ自体優れた特性を有すること等に起因してサーメットの特性、特に耐熱衝撃性を大きく改善でき、湿式切削時の耐摩耗性,耐欠損性を向上できることがわかった。よって、NbとWとの合量(b+c)が0.05より少ないと耐熱衝撃性が不十分となり、0.5より大きいと耐摩耗性が劣るとともに被削材との反応性が高くなる傾向にある。(b+c)値は0.10≦b+c≦0.30であることが特に望ましい。また、W、Nbの合量(b+c)に対するNb量(b)の割合(b/b+c)が前記式において0.4より小さいと耐摩耗性,耐酸化性に劣り、逆に0.95より大きいと耐欠損性が低下する。

0017

なお、本発明におけるサーメットによれば、Moの添加はむしろ避けるべきでその量はサーメット中0.5重量%以下にすることが望ましい。

0018

一方、窒素および炭素の量はサーメットの硬度,耐熱衝撃性,靱性を決定する要因として非常に重要であり、特に窒素の量が増加するに従い、靱性が向上する傾向にあるが、窒素の量が過多になると焼成時の窒化物の分解によるガスが焼結体中に残留するという問題が生じる。よって前記式において窒素量(v)が0.4より小さいと、靱性が低下し耐欠損性が不十分となり、0.6を越えると焼結体内にボイドが発生し信頼性に欠けるようになる。

0019

また、窒素,炭素量のTi,W,Nbの合量に対する比率(z)が0.8より小さいと焼結性が劣化しボイドが残留し、1.0より大きいと遊離炭素が発生するために強度低下を引き起こす結果となる。望ましくは0.85≦z≦1.0である。

0020

本発明において結合相を形成する鉄族金属としては、Niおよび/またはCoが挙げられ、望ましくはNiとCoから構成され、特にCo/Ni+Coのモル比が0.5〜0.9であることが耐摩耗性向上の点からよい。また、この鉄族金属は系中において3〜30重量%、特に5〜20重量%の割合で存在することが望ましい。

0021

本発明のサーメットを製造するための方法としては、例えば、まず前述したTi,W,Nbの炭化物,窒化物,炭窒化物の粉末および鉄族金属粉末を最終焼結体が前述した量比となるように量混合した後にプレス成形押し出し成形射出成形等の成形手段で成形後、焼成する。

0022

焼成では、望ましくは組成勾配が形成されるように焼成条件を調整しても良い。具体的には、成形体真空中,窒素中の雰囲気あるいは還元性雰囲気中で1500〜1900℃の温度で焼成する
また、本発明によれば、上記(Ti,W,Nb)(C,N)、鉄族金属からなる系に対して特性を改善する目的でさらにZr,Hf,Cr,TaおよびV等の炭化物,窒化物,炭窒化物等を添加し、TiあるいはNbの一部を置換することにより特性の改善を図ることができ、特にNbの一部をVで置換することによりNbの作用効果をさらに助長し、特にサーメットの湿式切削性を大きく向上することができる。なお、Nb/Vの原子比は0.5〜10、特に1.0〜6.0であることが望ましい。

0023

本発明のTiCN基サーメットでは、耐熱衝撃パラメータR’を4.0(kW/m)以上とすることにより、湿式切削時における耐摩耗性,耐欠損性を向上することが可能となる。

0024

以下、本発明を次の例で説明する。

0025

原料粉末としてTiC,TiCN,WC,NbC,Ni,Coの各粉末を用いて最終焼結体の組成が表1の割合になるように秤量混合した後、1.5ton/cm2 の圧力でCNMG120408用のチップ形状にプレス成形し、1500℃の温度において10-2torrの真空雰囲気で1時間焼成した。

0026

0027

得られた各焼結体について、JISR1601に従い3点曲げ抗折強度、ビッカース硬度ダイヤモンド圧子を用いて荷重20Kgで圧痕法により破壊靱性を測定した。また、焼結体を所定の形状に加工し、以下のような条件でヤング率,ポアソン比,熱伝導率,および熱膨張率を測定した。また、これらから耐熱衝撃パラメータR’を算出した。

0028

ヤング率:形状 直径15mm×高さ15mm
超音波パルス
ポアソン比:超音波パルス法
熱伝導率:形状 直径10mm×長さ2mm
レーザーフラッシュ法室温(298K)
熱膨張率:形状 縦3mm×横3mm×高さ10mm
室温(298K)〜1073K昇温5K/min.
また、各試料についてXMA分析により内部と表面部のTiとWの濃度を求め、焼結体の中心部および表面部の(c/a+c)をそれぞれI1 ,I2 とし、I1 /I2 の比率を求めた。さらに、ビッカース硬度計を用いて焼結体の表層部と内部との特性(硬度および靱性)を求めた。表層部とは試料表面から500μmまでをいい、この表面部における硬度と靱性の最大値を求めた。

0029

次に、各試料を用いて下記に示す湿式切削条件で摩耗試験を行い、湿式切削後の逃げ面におけるフランク摩耗量を、また欠損試験を行い、非欠損コーナー数を調べた。摩耗試験は、水溶性切削油を5リットル/minで供給しながら行った。

0030

(摩耗試験)
被削材SCM435
切削速度 250 m/min
切り込み2 mm
送り0.3 mm/rev
切削時間 10 min
(欠損試験)
被削材 SCM435 (4本溝入)
切削速度 100 m/min
切り込み 2 mm
送り 0.3 mm/rev
切削時間 1 min

0031

0032

特性評価、及び切削試験結果を表1および表2に示した。これらの表1および表2によれば、本発明のTiCN基サーメットは、本発明の範囲外の試料よりも湿式切削時における耐欠損性,耐摩耗性が優れていることが判る。

発明の効果

0033

以上詳述した通り、本発明のTiCN基サーメットでは、耐熱衝撃パラメータR’を4.0(kW/m)以上とすることにより、湿式切削において耐欠損性,耐摩耗性に優れたサーメットを提供することができる。これにより工具として用いた場合に、従来サーメット切削工具が適用できなかった湿式切削加工への適用が可能となった。

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