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技術 ポリエステル組成物および繊維

出願人 帝人株式会社
発明者 小川公博山田裕憲
出願日 1993年3月24日 (27年1ヶ月経過) 出願番号 1993-065472
公開日 1994年10月4日 (25年6ヶ月経過) 公開番号 1994-279657
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 合成繊維 合成繊維
主要キーワード 後焼結処理 追出し 抗菌剤粒子 ヘキサコンタン 菌数減少 シュウ酸バリウム 硫化錫 ポリエチレンテレフタレート系繊維
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年10月4日)のものです。
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構成

(A)エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とし、特定のの単位を共重合成分として含有する共重合ポリエステル(A成分)、および

(B)(B−1)抗菌性を有するリン酸ジルコニウム金属塩化合物および/または(B−2)抗菌性を有するリン酸カルシウム系セラミックスと金属または金属化合物との結合体(B成分)とよりなり、A成分の共重合ポリエステルに対してB成分を0.2〜10重量%含有することを特徴とするポリエステル組成物およびそれから形成された繊維。

効果

本発明のポリエステル組成物は、洗濯の繰返しによっても抗菌性能が低下しないポリエチレンテレフタレート系繊維が得られ、しかも繊維の製造において、断糸毛羽の発生などのトラブルも発生しない。

概要

背景

ポリエステル、殊にポリエチレンテレフタレートは、多くの優れた特性を有しているため、繊維やフィルムの材料として大量に且つ広く用いられている。

近年、これらの用途において快適性の機能の1つとして抗菌性に優れていることが強く要求されている。このため、ポリエステル繊維抗菌性能を付与する方法としては種々の方法が知られている。例えば有機窒素化合物芳香族ハロゲン化合物または第4級アンモニウム塩などの抗菌性化合物を、繊維に後加工処理して、抗菌性繊維を得ることが知られている。しかしながら、これらの方法は洗濯クリーニングなどにより、抗菌剤が脱離し易く、長期間抗菌性を維持できないという問題があった。

一方、これらの問題を改良する抗菌剤および抗菌性組成物が下記のとおりいくつか提案されている。
(a)リン酸ジルコニウム金属塩化合物を有効成分とする抗菌剤(特開平3−83905号および特開平3−83906号公報参照)。
(b)銀、銅および亜鉛の群から選ばれた少なくとも1種の金属のイオン担持したゼオライト粒子を、樹脂中に配合させた抗菌性樹脂組成物(特開平3−205436号公報参照)。
(c)リン酸カルシウム系セラミックスと、特定の金属または金属化合物よりなる無機抗菌剤(特開平4−13605号公報参照)。

前記の固体粒子の抗菌剤を樹脂中に配合した場合、成形品の抗菌性能は充分満足しうるものでない場合があり、抗菌性能の向上が要望されていた。

一方前記抗菌剤をポリエチレンテレフタレート中に配合すると、固体粒子とそのポリエステルとの特性に基づいて、紡糸延伸などの製糸成形時に断糸毛羽発生などのトラブルが多発するという問題が起り、その上得られた繊維本来の有する優れた物理的特性喪失され易いという問題があった。

概要

(A)エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とし、特定のの単位を共重合成分として含有する共重合ポリエステル(A成分)、および

(B)(B−1)抗菌性を有するリン酸ジルコニウムの金属塩化合物および/または(B−2)抗菌性を有するリン酸カルシウム系セラミックスと金属または金属化合物との結合体(B成分)とよりなり、A成分の共重合ポリエステルに対してB成分を0.2〜10重量%含有することを特徴とするポリエステル組成物およびそれから形成された繊維。

本発明のポリエステル組成物は、洗濯の繰返しによっても抗菌性能が低下しないポリエチレンテレフタレート系繊維が得られ、しかも繊維の製造において、断糸や毛羽の発生などのトラブルも発生しない。

目的

そこで本発明の第1の目的は、抗菌性が優れ、且つ洗濯の繰返しによっても抗菌性が長期間持続されているエチレンテレフタレート系ポリエステル組成物およびその繊維を提供することにある。

本発明の第2の目的は、エチレンテレフタレート系のポリエステルからの繊維の製造において、その製糸加工時に断糸や毛羽の発生などのトラブルのないポリエステル組成物を提供することにある。

本発明の他の目的は、前記ポリエステルの本来の優れた特性、例えば色調を喪失させることない、抗菌性繊維を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、実用生産上の優れた抗菌性繊維を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

(A)エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とし、下記式(I)、(II)および(III)からなる群から選ばれた少なくとも1種の単位を共重合成分として含有する共重合ポリエステル(A成分)、

請求項

ID=000002HE=030 WI=069 LX=0255 LY=0650但しこれら式中qは2〜70の整数を示し、mは2〜200の整数を示し、nは3〜200の整数を示す、および(B)(B−1)抗菌性を有するリン酸ジルコニウム金属塩化合物および/または(B−2)抗菌性を有するリン酸カルシウム系セラミックスと金属または金属化合物との結合体(B成分)とよりなり、A成分の共重合ポリエステルに対してB成分を0.2〜10重量%含有することを特徴とするポリエステル組成物

請求項2

A成分における共重合成分の割合が、全エチレンテレフタレート単位に対して0.5〜20重量%である請求項1に記載のポリエステル組成物。

請求項3

A成分の共重合ポリエステルは、全繰返し単位中、エチレンテレフタレート単位が少なくとも80モル%である請求項1に記載のポリエステル組成物。

請求項4

請求項1に記載のポリエステル組成物より形成された繊維。

技術分野

実施例28にて添加共重合したポリエチレングリコールのかわりに表3および表4に示す化合物を添加し、共重合すると共に実施例28にて添加した抗菌剤のかわりに表3および表4に示す抗菌剤を添加する以外は実施例28と同様に行った。結果を表3および表4にまとめて示した。

背景技術

0001

本発明はポリエステル組成物およびそれから形成された繊維に関する。更に詳しくは、耐洗濯性に優れた抗菌性を有し、色調が良好で、紡糸延伸製膜などの成形加工性が良好な、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステル組成物およびそれから形成された繊維に関する。

0002

ポリエステル、殊にポリエチレンテレフタレートは、多くの優れた特性を有しているため、繊維やフィルムの材料として大量に且つ広く用いられている。

0003

近年、これらの用途において快適性の機能の1つとして抗菌性に優れていることが強く要求されている。このため、ポリエステル繊維抗菌性能を付与する方法としては種々の方法が知られている。例えば有機窒素化合物芳香族ハロゲン化合物または第4級アンモニウム塩などの抗菌性化合物を、繊維に後加工処理して、抗菌性繊維を得ることが知られている。しかしながら、これらの方法は洗濯クリーニングなどにより、抗菌剤が脱離し易く、長期間抗菌性を維持できないという問題があった。

0004

一方、これらの問題を改良する抗菌剤および抗菌性組成物が下記のとおりいくつか提案されている。
(a)リン酸ジルコニウム金属塩化合物を有効成分とする抗菌剤(特開平3−83905号および特開平3−83906号公報参照)。
(b)銀、銅および亜鉛の群から選ばれた少なくとも1種の金属のイオン担持したゼオライト粒子を、樹脂中に配合させた抗菌性樹脂組成物(特開平3−205436号公報参照)。
(c)リン酸カルシウム系セラミックスと、特定の金属または金属化合物よりなる無機抗菌剤(特開平4−13605号公報参照)。

0005

前記の固体粒子の抗菌剤を樹脂中に配合した場合、成形品の抗菌性能は充分満足しうるものでない場合があり、抗菌性能の向上が要望されていた。

発明が解決しようとする課題

0006

一方前記抗菌剤をポリエチレンテレフタレート中に配合すると、固体粒子とそのポリエステルとの特性に基づいて、紡糸、延伸などの製糸成形時に断糸毛羽発生などのトラブルが多発するという問題が起り、その上得られた繊維本来の有する優れた物理的特性喪失され易いという問題があった。

0007

そこで本発明の第1の目的は、抗菌性が優れ、且つ洗濯の繰返しによっても抗菌性が長期間持続されているエチレンテレフタレート系ポリエステル組成物およびその繊維を提供することにある。

0008

本発明の第2の目的は、エチレンテレフタレート系のポリエステルからの繊維の製造において、その製糸加工時に断糸や毛羽の発生などのトラブルのないポリエステル組成物を提供することにある。

0009

本発明の他の目的は、前記ポリエステルの本来の優れた特性、例えば色調を喪失させることない、抗菌性繊維を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明のさらに他の目的は、実用生産上の優れた抗菌性繊維を提供することにある。

0011

本発明者らの研究によれば前記本発明の目的は、エチレンテレフタレート系ポリエステルに或る種の共重合成分を一定割合共重合せしめ且つ特定の抗菌剤粒子を配合させたポリエステル組成物は、紡糸、延伸などの成形時に何等支障なく成形することができ、その上得られた繊維は優れた抗菌性と長期間持続する抗菌性を有していることを見出すことにより達成された。

0012

かくして本発明によれば、
(A)エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とし、下記式(I)、(II)および(III)からなる群から選ばれた少なくとも1種の単位を共重合成分として含有する共重合ポリエステル(A成分)、

0013

0014

但しこれら式中qは2〜70の整数を示し、mは2〜200の整数を示し、nは3〜200の整数を示す、

0015

および
(B)(B−1)抗菌性を有するリン酸ジルコニウムの金属塩化合物および/または(B−2)抗菌性を有するリン酸カルシウム系セラミックスと金属または金属化合物との結合体(B成分)とよりなり、A成分の共重合ポリエステルに対してB成分を0.2〜10重量%含有することを特徴とするポリエステル組成物が提供され、さらに前記ポリエステル組成物から形成された抗菌性を有する繊維が提供される。

0016

かかる本発明においては、前記(I)、(II)および/または(III)の共重合成分によって変成されたエチレンテレフタレート系の共重合ポリエステル(A成分)に対して、前記抗菌剤(B成分)を含有するポリエステル組成物は、これを紡糸、延伸などの成形加工しても何等のトラブルも発生せず、しかも得られた成形品(例えば繊維)は、優れた抗菌性および色調を有しており、長期間の使用してもその抗菌性および色調は安定して維持されている。

0017

以下本発明の共重合ポリエステル(A成分)、抗菌剤(B成分)、共重合ポリエステル組成物の調製について詳細に説明する。
(1)共重合ポリエステル:本発明の共重合ポリエステル(A成分)は、エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とし、しかも下記式(I)、(II)および(III)からなる群から選ばれた少なくとも1種の単位を共重合成分として含有する共重合ポリエステルである。

0018

0019

但しこれら式中qは2〜70の整数を示し、mは2〜200の整数を示し、nは3〜200の整数を示す。

0020

エチレンテレフタレート単位を主たる繰返し単位とポリエステルは、主たる酸成分がテレフタル酸であり、一方主たるグリコール成分がエチレングリコールであるポリエステルであって、それ自体よく知られた方法によって製造することができる。本発明の共重合ポリエステルは、全繰返し単位中、少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも85モル%がエチレンテレフタレート単位

0021

0022

であることが好ましく、また前記共重合成分の割合が全エチレンテレフタレート単位に対して0.5〜20重量%の範囲、好ましくは1〜15重量%の範囲であるのが望ましい。

0023

本発明の共重合ポリエステル(A成分)は、前記したように主たる繰返し単位がエチレンテレフタレート単位であり、前記共重合成分の所定割合によって共重合されている限り他の成分が含まれていても特に差支えない。例えばテレフタル酸以外の酸成分として、イソフタル酸ナフタレンカルボン酸ジフェニルジカルボン酸ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の如き芳香族−または脂環族カルボン酸を使用することができ、一方エチレングリコール以外のグリコール成分としては、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールビスフェノールA、ビスフェノールSの如き脂環族−または芳香族のジオール化合物を使用することができる。

0024

さらに本発明の目的を損なわない範囲で、トリメリット酸ピロメリット酸の如きポリカルボン酸グリセリントリメチロールプロパンペンタエリスリトールの如きポリオール;5−ナトリウムスルホイソフタル酸の如き置換スルホン酸を有するカルボン酸も使用することができる。

0025

次に共重合成分について説明する。前記式(I)で表わされる単位は代表的にはポリエチレングリコール単位である、qは2〜70の整数であり、好ましくは2〜30の整数である。かかる式(I)の単位を共重合するには、例えばジエチレングリコールトリエチレングリコールテトラエチレングリコール、平均分子量が400〜3000のポリエチレングリコール、平均分子量が200〜3,000の式 HOOCCH2(O−CH2CH2)q′OCH2COOH(但しq′は2〜70の整数を示す)で表わされるジカルボン酸およびこれらの混合物が挙げられる。

0026

また前記式(II)で表わされる単位はアルキレンジカルボン酸に基づく単位でありmは2〜300の整数、好ましくは4〜70の整数であるのが望ましい。かかるアルキレンジカルボン酸の具体例としては、例えばプロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸ヘキサン二酸ヘプタン二酸オクタン二酸ノナン二酸、デカン二酸ウンデカン二酸ドデカン二酸トリデカン二酸テトラデカン二酸ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸ヘンエイコサン二酸、ドコサン二酸、トリコサン二酸、テトラコサン二酸、ヘキサコサン二酸、トリアコンタン二酸、ヘキサコンタン二酸、ヘプタコンタン二酸および平均分子量が150〜3,000の式 HOOC−(CH2)m−COOHで表わされるジカルボン酸並びにこれらの混合物が挙げられる。これらカルボン酸はメチルエステルエチルエステルフェニルエステルの如きエステルとしても使用することができる。

0027

さらに前記式(III)で表わされる単位は、アルキレングリコールに基づく単位でありnは3〜200の整数、好ましくは4〜70の整数であるのが望ましい。このグリコールの具体例としては、例えば1,4−ブタンジオールペンタメチレングリコールヘキサメチレングリコール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,19−ノナデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、1,24−テトラコサンジオール、1,30−トリアコンタンジオール、1,60−ヘキサコンタンジオール、1,70−ヘプタコンタンジオールおよび平均分子量が70〜2,800の式 HO−(CH2)n−OHで表わされるジオールおよびこれらの混合物などが挙げられる。

0028

前記した共重合成分は、1種でもよくまたは2種以上を組合せても使用することができる。前記したように共重合成分の単位は、全エチレンテレフタレート単位に対して0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%の割合でポリエステル中に含まれる。共重合成分の割合が0.5重量%未満であると、成形加工性が改良されず得られた製品の抗菌性が不充分である。一方共重合成分の割合が20重量%を超えると、ポリエステルの色調が低下するばかりでなく、紡糸・延伸などの成形性が悪化する。

0029

ポリエステルは任意の方法によって合成される。例えばポリエチレンテレフタレートについて説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるか又はテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物重合触媒存在下減圧加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応によって製造される。前記第1段階において、共重合成分の所定量が添加される。

0030

これらの反応には、必要に応じて任意の触媒を使用することができる。なかでも、エステル交換法を採用するときは、エステル交換触媒としてカルシウム化合物マンガン化合物マグネシウム化合物亜鉛化合物コバルト化合物などが好ましく、これらは1種または2種以上併用してもよい。その使用量は、ポリエステル原料として使用する二官能性カルボン酸成分に対し0.01〜0.1モル%が好ましい。

0031

また、重縮合触媒としては、アンチモン化合物チタン化合物ゲルマニウム化合物が好ましく、その使用量は二官能性カルボン酸成分に対して0.003〜0.1モル%が好ましい。

0032

(2)抗菌剤(B成分)
本発明において使用される抗菌剤は下記(B−1)または(B−2)であり、これらを混合して使用することもできる。
(B−1):リン酸ジルコニウムの金属塩化合物
(B−2):リン酸カルシウム系セラミックスと金属または金属化合物との結合体。
これら(B−1)および(B−2)は抗菌性を有することは公知である。これら抗菌剤は固体微粉末として使用される。特に抗菌性繊維を得るためには、通常平均粒径が5μm以下、好ましくは1μm以下の範囲の微粒子として使用するのが好ましい。

0033

抗菌剤(B成分)は、共重合ポリエステル(A成分)に対して、0.2〜10重量%の範囲、好ましくは0.5〜5重量%の範囲で使用される。抗菌剤の使用量が0.2重量%未満の場合、成形品の抗菌性能が発現され難く、一方10重量%を超えると、紡糸、延伸や製膜などの成形時のトラブルが発生し、安定した生産を継続することが困難となると共に得られる製品の色調も低下する。

0034

次に抗菌剤について説明する。
(B−1):リン酸ジルコニウムの金属塩化合物;この抗菌剤は、特開平3−83905および特開平3−83906号公報に記載され公知である。本発明の(B−1)の抗菌剤としては、これら公報に記載された抗菌性を有するリン酸ジルコニウムの金属塩化合物が使用される。

0035

リン酸ジルコニウムの金属塩を形成する金属としては、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、水銀(Hg)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、バリウム(Ba)、カドミウム(Cd)およびクロム(Cr)からなる群から選ばれる。これらの中で銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、水銀(Hg)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)およびクロム(Cr)は抗菌性に優れているので好ましい。

0036

リン酸ジルコニウムの金属塩化合物の具体例としては下記のものが挙げられる。
Ag0.01H0.95Li0.04Zr2(PO4)3
Ag0.05H0.85Li0.10Zr2(PO4)3
Ag0.10H0.85Li0.05Zr2(PO4)3
Ag0.92H0.05Li0.03Zr2(PO4)3
Ag0.30H0.45Li0.25Zr2(PO4)3
Ag0.005H1.995Zr(PO4)2・H2O
Ag0.200H1.800Zr(PO4)2・H2O
Cu0.005H1.990・Zr(PO4)2・H2O
Cu0.010H1.980・Zr(PO4)2・H2O
および上式におけるCuをZn、Sn、Hg、NI、Mn、PbまたはCdで置き換えた化合物、
Cu0.200H1.560・Na0.040Zr(PO4)2・2H2O
および上式におけるCuをZn、Sn、Hg、Ni、Mn、PbまたはCdで置き換えた化合物、
Cu0.400H1.160Na0.040Zr(PO4)2・2H2O
および上式におけるCuをZn、Sn、Hg、Ni、Mn、PbまたはCdで置き換えた化合物、
Cr0.100H1.700Zr(PO4)2・H2O
Bi0.100H1.700Zr(PO4)2・H2O
Cr0.200H1.100Na0.300Zr(PO4)2・3H2O
Bi0.200H1.100Na0.300Zr(PO4)2・3H2O
Cr0.005H1.985Zr(PO4)2・H2O
Bi0.005H1.985Zr(PO4)2・H2O
(B−2):リン酸カルシウム系セラミックスと金属または金属化合物との結合体;この抗菌剤は特開平4−13605号公報に記載され公知である。本発明の(B−2)の抗菌剤としはて前記公報に記載された抗菌性を有するリン酸カルシウム系セラミックスと金属または金属化合物との結合体が使用される。

0037

この抗菌剤(B−2)において、リン酸カルシウム系セラミックスとしては、ハイドロキシアパタイトリン酸カルシウム、第4リン酸カルシウムおよびフッ化アパタイトなどが挙げられるが、これらの中でハイドロキシアパタイトおよびリン酸3カルシウムが好ましい。

0038

これらリン酸カルシウム系セラミックスと結合体を形成する金属または金属化合物としては、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、砒素(As)、鉛(Pb)、金(Au)、白金(Pt)、鉄(Fe)、アンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、バリウム(Ba)、カドミウム(Cd)およびマンガン(Mn)並びにこれら金属の化合物が挙げられる。これら金属化合物の具体例としては、例えば硝酸銀硫酸銅酸化亜鉛酢酸鉛硫化錫塩化白金硫化金、塩化第1鉄、硫アンチモン酸ナトリウム塩化ニッケル硫酸アルミニウム重クロム酸ナトリウム塩化バリウム硫酸カドミウム塩化マンガン乳酸銀ステアリン酸銅乳酸亜鉛水酸化トリウチル錫、酢酸トリブチル鉛、シス−ジクロロジアミン白金、酢酸鉄酢酸アルミニウムシュウ酸バリウムおよびシュウ酸カドミウム、などの大気中で安定な化合物であり抗菌性を有する多くの種類の金属化合物を用いることができる。

0039

前記金属または金属化合物とリン酸カルシウム系セラミックスとの結合体は担持させた後焼結処理する方法或いは複合体を形成する方法などの方法によって得ることができる。この場合担持する方法は、金属または金属化合物にリン酸カルウム系セラミックスを担持させてもよく、また逆の方法によって担持させてもよい。

0040

前記した抗菌剤(B−2)において、リン酸カルシウム系セラミックスに結合される金属または金属化合物の好ましい化合物としては、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、水銀(Hg)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、クロム(Cr)、硝酸銀、酸化亜鉛、硫化錫、硫化金、塩化第1鉄、塩化ニッケル、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、ステアリン酸銅、酢酸トリブチル鉛およびシュウ酸バリウムが挙げられる。

0041

(3)ポリエステル組成物およびその調製
本発明のポリエステル組成物は、前記友重合ポリエステル(A成分)に溶融条件下で前記抗菌剤(B成分)の所定量を均一に混合することにより得られる。一般には、抗菌剤は、共重合ポリエステルの製造が終了するまでの任意の段階で添加することができる。例えば、抗菌剤は共重合ポリエステルの原料中に添加混合しても、第1段階の反応中に添加しても、第1段階反応収量から第2段階の反応開始までの間に添加しても、また第2段階の反応中に添加してもよい。しかし、抗菌剤を長時間、共重合ポリエステル中で保持するとポリマー色相が低下する傾向が認められるので第1段階の反応終了後から第2段階の反応終了までの任意の間に添加するは好ましい方法である。さらに予め抗菌剤を高濃度に含有するマスター・ポリマーを調製しておき、次いで、第2段階の反応から、成形までの任意の段階に添加することができ、この方法は好ましい。マスター・ポリマーを製造に当って、二軸混練機を使用することが推奨される。

0042

一方本発明のポリエステル組成物中には、通常ポリエステル添加剤として知られている添加剤、例えばエーテル結合抑制剤着色防止剤耐熱剤酸化防止剤艶消剤着色剤無機粒子などをそれぞれの目的に応じて添加することができる。

0043

本発明のポリエステル組成物は、それ自体公知の手段および条件により繊維、フィルムまたはシートなどに成形することができる。例えば製糸に際しては、500〜2500m/分の速度で紡糸し、延伸、熱処理する方法、1500〜5000m/分の速度で紡糸し、延伸、仮撚加工を同時に又は続いて行う方法、5000m/分以上の高速で紡糸し、用途によっては延伸工程を省略する方法等任意の製糸条件が採用され、安定して製糸することができる。

発明の効果

0044

また、フィルムやシートに成形する際においても、製膜後一方向のみに張力をかけて異方性を持たせる方法、同時にまたは任意の順序二方向に延伸する方法、二段以上の多段延伸する方法等任意の条件を何等支障なく採用することができる。

0045

以上に詳述した本発明のポリエステル組成物が、抗菌性に優れ、且つ色調が良好で紡糸延伸、製膜等の成形性が良好である理由は未だ解明されていないが、以下の如く推定される。すなわち前記特定の共重合成分をポリエチレンテレフタレートに共重合することによりポリエチレンテレフタレートの流動性が向上し、且つ、成形物の非晶部が増大する。そのため、ポリエチレンテレフタレート繊維製造時、あるいは、アイロンがけ等によってかかる熱により、抗菌剤に結合した金属イオンが、繊維表面にブリードされ易くなり抗菌性能が向上する。一方溶融紡糸する際、抗菌剤粒子にかかる応力が共重合成分により緩和されるため、紡糸性も向上する。

0046

以下に実施例をあげて更に詳細に説明する。なお、実施例中の部は重量部を表わし、また各測定値は下記の方法にしたがった。
ポリマーの固有粘度;ポリマーの固有粘度[IV]は、35℃のオルソクロロフェノール溶液で測定した値から求めた。
ポリマーの色相;ポリマーの色相は、ハンター色差計によるL値とb値をもとめた。L値は、値が大きくなるほど白度の良好なことを示し、b値は+側になるほど黄味の強いことを示す。
製糸性;紡糸性は、直径0.3mmの紡糸孔30個を有する紡糸口金を使用して吐出量80g/min、捲取速度1,200m/minで7日間紡糸した時の、ベンディング発生状態で示し、また延伸性は、上記のようにして得た未延伸糸延伸温度85℃、延伸倍率3.5倍、延伸速度1,100m/minで延伸して、150デニール/30フィラメント25kg巻にした際のラップ率で示した。
抗菌性;抗菌性は、上記で得られた150デニール/30フィラメントの糸を筒編みし、精錬した後、10回洗濯を行ないアイロンにて熱セットを行なった試料を用いて評価した。この試料に試験菌として大腸菌または黄色ブドウ状球菌の懸濁緩衝液を添加し、密閉容器中で160回/分1.5時間振とう後の生菌数計測し、添加懸濁液の菌数に対する菌数減少率を求めた。

0047

実施例1
テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール60部、酢酸マンガン水塩0.031部(テレフタル酸ジメチルに対して0.025モル%)をエステル交換仕込み窒素ガス雰囲気下3時間かけて、140℃から220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留出しながらエステル交換反応させた。

0048

次いで、安定剤としてトリメチルフォスフェート0.097部を添加した後、過剰のエチレングリコールの昇温追出しを開始し10分後に重縮合反応触媒として三酸化アンチモン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対し0.027モル%)を添加した。

0049

更に5分後に分子量400のポリエチレングリコール5部を添加した後、内温が240℃に到達した時点で、エチレングリコールの追出しを終了し、反応生成物を重合缶に移した。

0050

次いで昇温しながら30分間常圧反応させた後、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて内温を290℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度290℃で更に1時間45分重合した時点で、Ag0.05H0.85Li0.10Zr2(PO4)3の2部を添加し、その後15分間重合した時点で窒素ガス真空を破って重合反応を終了し、窒素ガス加圧下に290℃でポリマーの吐出を行った。得られたポリマーの品質、製糸性、および抗菌性の評価結果は表1に示した通りであった。

0051

なお表1中、共重合成分の共重合量はエチレンテレフタレート単位に対する重量%で示した(以下の表においても同じ)。

0052

実施例2〜27および比較例1〜4
実施例1にて添加共重合したポリエチレングリコールのかわりに表1および表2に示す化合物を添加し、共重合すると共に、実施例1にて添加した抗菌剤のかわりに表1および表2に示す抗菌剤を添加する以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1および表2にまとめて示した。

0053

0054

0055

実施例28
テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール60部、酢酸マンガン4水塩0.031部(テレフタル酸ジメチルに対して0.025モル%)をエステル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下3時間かけて、140℃から220℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留出しながらエステル交換反応させた。

0056

次いで、安定剤としてトリメチルフォスフェート0.097部を添加した後、過剰のエチレングリコールの昇温追出しを開始し10分後に重縮合反応触媒として三酸化アンチモン0.04部(テレフタル酸ジメチルに対し0.027モル%)を添加した。

0057

更に5分後に分子量400のポリエチレングリコール5部を添加した後、内温が240℃に到達した時点で、エチレングリコールの追出しを終了し、反応生成物を重合缶に移した。

0058

次いで昇温しながら30分間常圧反応させた後、1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけて内温を290℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度290℃で更に1時間45分重合した時点で、ハイドロキシアパタイトと銀を9:1の割合で結合した抗菌剤を2部添加し、その後15分間重合した時点で窒素ガスで真空を破って重合反応を終了し、窒素ガス加圧下に290℃でポリマーの吐出を行った。得られたポリマーの品質、製糸性、および抗菌性の評価結果は表3に示した通りであった。

0059

なお表3中“結合比”はリン酸カルシウム系セラミックスと金属塩化合物の結合比(重量)を意味する(表4も同じ)。

0060

0061

0062

実施例29〜47および比較例5〜8

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