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※この項目の情報は公開日時点(1994年10月4日)のものです。
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目的
構成
概要
背景
現在、表面を黒化処理した鋼板が家電、複写機、情報通信機、自動車部品、内装建材等にひろく利用されている。この黒色鋼板の製造方法としては(1)黒色塗装、(2)化学処理法、(3)黒色クロメート法、(4)陽極処理法、(5)陰極処理法等がある。
中でも、陽極処理法は工業的な製造方法として特公昭61−60915 号公報、特公昭63−46158 号公報、特公昭63−46159 号公報に開示されており、Zn−Ni合金電気めっきした鋼板を各種水溶液中で陽極酸化処理して、表面を黒色化するものである。そして、このようにして製造された黒色鋼板は、黒色度を安定させるとともに着色被膜を保護するため透明な有機樹脂被膜を数μm施す。また、耐食性を得るために、樹脂塗布前にクロメート処理したり、樹脂中にクロム酸を含有させている。
しかしながら、従来の有機樹脂被覆施した黒色鋼板は、樹脂塗布前はその光沢度(JIS Z8741による60°鏡面光沢度で以下G値と言う)が5以下と光の反射の少ない鋼板であるにもかかわらず、めっきの不均一や陽極処理の不均一がわずかでもあると、均一美麗な黒色外観を呈せず、樹脂を約1μm程度その上に塗布すると、外観が均一美麗にはなるものの光が反射しやすくG値が20〜35のてかてかした外観を呈する黒色鋼板となる。特に、このような黒色化した鋼板を光学機器や複写機等の装置内部に使用する場合には、単に色が黒いだけでなく、光を反射しないことが望ましい。また個人的な好みにもよるが、光沢のない重厚な外観を好ましいと思う用途も多い。
概要
目的
従来の黒色化鋼板は、このような要求に十分答えるものではなかった。そこで本発明は、前記問題点を解決し、G値が1〜10、L値(CIE着色系)が10〜15の低光沢黒色鋼板およびその製造方法を提案することを目的とするものである。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 3件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
技術分野
背景技術
0002
現在、表面を黒化処理した鋼板が家電、複写機、情報通信機、自動車部品、内装建材等にひろく利用されている。この黒色鋼板の製造方法としては(1)黒色塗装、(2)化学処理法、(3)黒色クロメート法、(4)陽極処理法、(5)陰極処理法等がある。
0003
中でも、陽極処理法は工業的な製造方法として特公昭61−60915 号公報、特公昭63−46158 号公報、特公昭63−46159 号公報に開示されており、Zn−Ni合金電気めっきした鋼板を各種水溶液中で陽極酸化処理して、表面を黒色化するものである。そして、このようにして製造された黒色鋼板は、黒色度を安定させるとともに着色被膜を保護するため透明な有機樹脂被膜を数μm施す。また、耐食性を得るために、樹脂塗布前にクロメート処理したり、樹脂中にクロム酸を含有させている。
0004
しかしながら、従来の有機樹脂被覆施した黒色鋼板は、樹脂塗布前はその光沢度(JIS Z8741による60°鏡面光沢度で以下G値と言う)が5以下と光の反射の少ない鋼板であるにもかかわらず、めっきの不均一や陽極処理の不均一がわずかでもあると、均一美麗な黒色外観を呈せず、樹脂を約1μm程度その上に塗布すると、外観が均一美麗にはなるものの光が反射しやすくG値が20〜35のてかてかした外観を呈する黒色鋼板となる。特に、このような黒色化した鋼板を光学機器や複写機等の装置内部に使用する場合には、単に色が黒いだけでなく、光を反射しないことが望ましい。また個人的な好みにもよるが、光沢のない重厚な外観を好ましいと思う用途も多い。
発明が解決しようとする課題
0005
従来の黒色化鋼板は、このような要求に十分答えるものではなかった。そこで本発明は、前記問題点を解決し、G値が1〜10、L値(CIE着色系)が10〜15の低光沢黒色鋼板およびその製造方法を提案することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
0006
本発明は、陽極黒色化電解処理されたZn−Ni合金めっき鋼板の表面にアクリル樹脂100重量部に対し平均一次粒子径7〜40nmのフュームドシリカを3〜30重量部とクロム酸0.2〜1.0 重量部を含有してなる有機樹脂複合皮膜を 0.5〜2μm厚有し、G値( JIS Z8741 による60°鏡面光沢度)が1〜10、L値が10〜15であることを特徴とする低光沢黒色鋼板であり、またZn−Ni合金めっき鋼板を陽極電解処理により黒色化したのち、その表面に、水分散型アクリル樹脂不揮発分100重量部に対して、平均一次粒子径が7〜40nmのフュームドシリカを3〜30重量部とクロム酸を 0.2〜1.0重量部添加した溶液を塗布し、到達板温100〜150 ℃で乾燥処理することを特徴とする低光沢黒色鋼板の製造方法である。
0007
なお、L値はCIA着色系で測定した値で、その数値が大きい程、明度が高い即ち明るいことを示す。また、本発明におけるZn−Ni合金めっきはNiを7〜20重量%、好ましくは10〜14重量%含有するZn−Ni合金めっきであり、通常電気めっきによって製造される。このZn−Ni合金めっき鋼板を陽極処理して黒色化する。陽極処理は硝酸や塩素酸等の酸化剤を加えた酸性水溶液中でZn−Niめっき鋼板を陽極として電解処理することによって行うもので、通常行われている方法でよい。
0008
本発明は、このようにして得られた黒色化処理鋼板にアクリル樹脂を主体とする有機樹脂性合皮膜を形成するが、とりわけ樹脂中にフュームドシリカを添加することにより低光沢な表面性状を達成したことに特徴がある。フュームドシリカの平均一次粒子径を7〜40nmに限定したのは、7nm未満では低光沢化に効果がなく、G値が10を越えてしまう。また、40nmを越えると水分散性が悪くなったり、沈降しやすくなるので製造する上で好ましくない。添加量はベース樹脂固形分 100部に対し3〜30部である。3部未満では低光沢化に効果がなく、30部を越えると粘性が増し、扱いが難しくなり樹脂も固くなり加工成形時に樹脂が剥離するので好ましくない。
0009
ベース樹脂の水分散型アクリル樹脂は特に指定されるものではないが、乳化剤が塗装後の耐食性に悪影響を及ぼさないようあるいは、クロム酸を添加した場合樹脂が固化したり、膜はりなどの悪影響がないものを選ぶ必要がある。本発明ではさらにクロム酸を0.2 〜1.0 部添加する。0.2 部未満では耐食性が不足し、1.0 部を越えると導電性がなくなりスポット溶接ができなくなったり、アース性がなくなるなどの不都合が生じるので好ましくない。
0010
以上の組成の溶液を、陽極電解処理後のZn−Niめっき鋼板上にロールコーター等で塗布し、到達板温100〜150 ℃で乾燥する。 100℃未満では乾燥が不充分で膜がはがれ落ちたりする。また、 150℃超では、樹脂の劣化が早まるので好ましくない。このような樹脂皮膜を乾燥膜厚で 0.5〜2μ形成する。 0.5μ未満ではL値が10未満となり美麗な外観に仕上げるのが難しい。また、2μを越えるとG値が10を越え低光沢を実現できなくなるので好ましくない。
0011
なお、本発明でG値を1〜10に限定した理由は、1未満では外観が美麗な鋼板の実現が困難であり、樹脂膜厚を 0.5μ未満の領域で実施しても耐食性が劣り好ましくないからであり、10超では反射光による光沢感がでて、黒色の重厚感が失なわれるからである。またL値を10〜15に限定した理由は、10未満では外観が美麗な鋼板の実現が困難であり、樹脂膜厚を 0.5μ未満の領域で実施しても耐食性が劣り好ましくないからであり、15超では黒色の重厚感が失なわれ、良好な黒色外観が得られないからである。
0012
次に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
0013
1.黒色化処理方法
Zn−Ni合金めっき鋼板(付着量20g/m2 、Ni含有率12%、下地鋼板SPCC相当板厚0.7mm )を用い NaClO3 50g/l、Na2SO4 100g/l、pH 1.5、50℃の黒化処理液で75A/dm2 、 150C/dm2 の条件で陽極電解を行い、黒化させたものを樹脂被覆に供した。因みに樹脂被覆前のL値=8、G値=0.5 であった。
0014
2.樹脂被覆方法
水分散型アクリル系樹脂として、日本パーカライジング(株)製の3966AX(商品名)を使用した。フュームドシリカは日本アエロジル社製のものを使用した。表1に実施例および評価方法を示した。
0015
L値(国際照明委員会CIEによる1976年のCIELAB表面系による明度指数)、G値は、スガ試験機製のカラーコンピューターにより測定した。耐食性は、塩水噴霧試験( JIS Z2371 )により行い、 200時間後の白錆発生状況により判定した。加工性は、OT折り曲げ試験後セロハンテープ剥離を行い、樹脂の密着性により評価した。
0016
溶接性は、加圧力150kg 、40RのR型Cu−Cr電極で7.5KA の電流を流したときに、通電されてナゲットとが形成されたが否かにより評価した。なお、耐食性、溶接性および加工性の評価において、○は良好、△はやや良好、×は不良である。
0017
発明の効果
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