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技術 トナーバインダー用ポリエステル樹脂

出願人 東レ株式会社
発明者 山田慶次郎山本雅世宮川宏幸
出願日 1993年3月11日 (26年7ヶ月経過) 出願番号 1993-051080
公開日 1994年9月20日 (25年0ヶ月経過) 公開番号 1994-263854
状態 未査定
技術分野 電子写真における現像剤 ポリエステル、ポリカーボネート 電子写真における現像剤
主要キーワード 粉砕試験 多価グリコール ローラー圧 温調室 磁性鉄粉 吸湿性試験 複数本組 硫化スズ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1994年9月20日)のものです。
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図面 (1)

構成

A:ジカルボン酸およびその低級エステル、B:1価のカルボン酸、および/または1価のアルコール成分、0.1〜20モル%、C:次式芳香族グリコール

(Rはアルキレン基であり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値が2〜7である)40モル%以上、およびD:3価以上の多価カルボン酸または、その酸無水物およびその低級エステル、および/または3価以上の多価グリコール、を縮合して得られるポリエステルであって、ガラス転移温度が45〜75℃、重量平均分子量が8000〜500000の架橋体であるトナーバインダーポリエステル樹脂

効果

粉砕工程で粉砕性が良く、吸湿性が少ないことによって保存安定性帯電安定性に優れたトナーバインダーを提供出来る。低温定着性耐オフセット性を有し、貯蔵安定性にも優れる。

概要

背景

静電荷像により恒久的な顕像を得る方法においては、光導電性感光体または静電記録体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーを用いて現像したのち定着される。定着は光導電性感光体または静電記録体上に現像によって得られたトナー像を直接融着させるか、紙やフィルム上にトナー像を転写した後、これを転写シート上に融着させることによって行われる。トナー像の融着は溶剤蒸気との接触、加圧および加熱によって行われ、加熱方式には電気オーブンによる無接触加熱方式加熱ローラーによる圧着加熱方式があるが、定着工程の高速化が要請される最近では主として後者が用いられている。

乾式現像方式で使用されるトナーには1成分系トナーと2成分系トナーがある。2成分系トナーは、先ずトナーバインダー用樹脂着色剤荷電制御剤およびその他必要な添加剤溶融混練して十分に分散した後、ついで粗粉砕、微粉砕し、所定の粒度範囲分級して製造される。1成分系トナーは上記の2成分系トナーの各成分の他に磁性鉄粉を添加して同様にして製造される。

トナーバインダー用樹脂はトナー配合成分中の主成分であるため、トナーに要求される性能の大部分を支配する。このためトナーバインダー用樹脂には、トナーの製造においては溶融混練工程での着色剤の分散性粉砕工程での粉砕性の良いことなどが要求され、また、トナーの使用においては定着性オフセット性ブロッキング性および電気的性質が良いこと、また保存中などの環境変化によっても安定した品質を維持することなどが要求される。

トナーの製造に用いられるトナーバインダー用樹脂としてはエポキシ樹脂ポリエステル樹脂ポリスチレン樹脂メタクリル系樹脂などが公知であるが、圧着加熱定着方式用には主としてスチレンと(メタアクリル酸エステル共重合体が用いられてきた。

しかしより低温で定着が可能であることや定着されたトナー像の耐塩ビ可塑剤性が優れること、透明性に優れカラー化にも対応可能であることなどから、最近ポリエステル樹脂が注目されている。

ポリエステル樹脂は、2価のカルボン酸およびその低級エステルグリコールを直接エステル化するか、エステル交換による縮合反応により製造されるが、トナーバインダー用ポリエステル樹脂においては、定着工程における耐オフセット性を付与するため、特開昭57−37353号公報記載のごとくビスフェノールA型骨格を有する芳香族グリコールと2価のカルボン酸またはその低級アルキルエステルおよび3価以上のカルボン酸またはその酸無水物を共重合して弱い架橋構造をもたせることが提案されている。また、耐湿性電気特性の向上のため、ジカルボン酸、グリコール成分と全カルボン酸成分に対して1〜40モル%の多価カルボン酸または多価アルコール、全カルボン酸成分に対して2〜40モル%のモノカルボン酸を共重合する方法も提案されている(特開平2−173038号公報)。

概要

A:ジカルボン酸およびその低級エステル、B:1価のカルボン酸、および/または1価のアルコール成分、0.1〜20モル%、C:次式の芳香族グリコール、

(Rはアルキレン基であり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値が2〜7である)40モル%以上、およびD:3価以上の多価カルボン酸または、その酸無水物およびその低級エステル、および/または3価以上の多価グリコール、を縮合して得られるポリエステルであって、ガラス転移温度が45〜75℃、重量平均分子量が8000〜500000の架橋体であるトナーバインダー用ポリエステル樹脂。

粉砕工程で粉砕性が良く、吸湿性が少ないことによって保存安定性、帯電安定性に優れたトナーバインダーを提供出来る。低温定着性、耐オフセット性を有し、貯蔵安定性にも優れる。

目的

よって、本発明は耐オフセット性、耐ブロッキング性、低温定着性をバランス良く備え、粉砕性が良好で、低吸湿性で保存安定性、帯電性に優れたトナーバインダー用ポリエステル樹脂を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
6件
牽制数
5件

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請求項1

A:ジカルボン酸およびその低級エステル、B:1価のカルボン酸、および/または1価のアルコール成分、0.1〜20モル%、C:式(1)で表される芳香族グリコール

請求項

ID=000003HE=030 WI=132 LX=0390 LY=0500(式中のRは炭素数3以下のアルキレン基であり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値が2〜7である)40モル%以上、およびD:3価以上の多価カルボン酸または、その酸無水物およびその低級エステル、および/または3価以上の多価グリコール、を縮合して得られるポリエステルであって、ガラス転移温度が45〜75℃、重量平均分子量が8000〜500000の架橋体であることを特徴とするトナーバインダーポリエステル樹脂

技術分野

0001

本発明は、電子写真法静電記録法、静電印刷法などにおいて静電荷像現像に用いる乾式トナーバインダーとして有用なポリエステル樹脂に関する。さらに詳しくは、耐ブロッキング性低温定着性、および耐オフセット性バランス良く備え、粉砕性が良好で、低吸湿性で、保存安定性帯電安定性に優れたトナーバインダー用ポリエステル樹脂に関する。

背景技術

0002

静電荷像により恒久的な顕像を得る方法においては、光導電性感光体または静電記録体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーを用いて現像したのち定着される。定着は光導電性感光体または静電記録体上に現像によって得られたトナー像を直接融着させるか、紙やフィルム上にトナー像を転写した後、これを転写シート上に融着させることによって行われる。トナー像の融着は溶剤蒸気との接触、加圧および加熱によって行われ、加熱方式には電気オーブンによる無接触加熱方式加熱ローラーによる圧着加熱方式があるが、定着工程の高速化が要請される最近では主として後者が用いられている。

0003

乾式現像方式で使用されるトナーには1成分系トナーと2成分系トナーがある。2成分系トナーは、先ずトナーバインダー用樹脂着色剤荷電制御剤およびその他必要な添加剤溶融混練して十分に分散した後、ついで粗粉砕、微粉砕し、所定の粒度範囲分級して製造される。1成分系トナーは上記の2成分系トナーの各成分の他に磁性鉄粉を添加して同様にして製造される。

0004

トナーバインダー用樹脂はトナー配合成分中の主成分であるため、トナーに要求される性能の大部分を支配する。このためトナーバインダー用樹脂には、トナーの製造においては溶融混練工程での着色剤の分散性粉砕工程での粉砕性の良いことなどが要求され、また、トナーの使用においては定着性オフセット性ブロッキング性および電気的性質が良いこと、また保存中などの環境変化によっても安定した品質を維持することなどが要求される。

0005

トナーの製造に用いられるトナーバインダー用樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂メタクリル系樹脂などが公知であるが、圧着加熱定着方式用には主としてスチレンと(メタアクリル酸エステル共重合体が用いられてきた。

0006

しかしより低温で定着が可能であることや定着されたトナー像の耐塩ビ可塑剤性が優れること、透明性に優れカラー化にも対応可能であることなどから、最近ポリエステル樹脂が注目されている。

0007

ポリエステル樹脂は、2価のカルボン酸およびその低級エステルグリコールを直接エステル化するか、エステル交換による縮合反応により製造されるが、トナーバインダー用ポリエステル樹脂においては、定着工程における耐オフセット性を付与するため、特開昭57−37353号公報記載のごとくビスフェノールA型骨格を有する芳香族グリコールと2価のカルボン酸またはその低級アルキルエステルおよび3価以上のカルボン酸またはその酸無水物を共重合して弱い架橋構造をもたせることが提案されている。また、耐湿性電気特性の向上のため、ジカルボン酸、グリコール成分と全カルボン酸成分に対して1〜40モル%の多価カルボン酸または多価アルコール、全カルボン酸成分に対して2〜40モル%のモノカルボン酸を共重合する方法も提案されている(特開平2−173038号公報)。

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、特開昭57−37353号公報記載の3価以上のカルボン酸またはその酸無水物とビスフェノールA型骨格を有するグリコールを共重合したポリエステル樹脂は、オフセット性が向上する一方、低温定着性が不十分であるだけでなく、微粉砕が困難であるため、生産効率の点からも改良が望まれていた。さらに、特開平2−173038号公報記載の実施例では、脂肪族ジオール成分の共重合量が全カルボン酸成分に対し、40当量%以上と多いために、耐湿性が十分でなく、湿度の変化で帯電量が変動しやすい欠点があった。

0009

よって、本発明は耐オフセット性、耐ブロッキング性、低温定着性をバランス良く備え、粉砕性が良好で、低吸湿性で保存安定性、帯電性に優れたトナーバインダー用ポリエステル樹脂を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

そこで、本発明者等は上記した欠点を解消するため、鋭意検討した結果、芳香族グリコールの量を限定し、かつ1価のカルボン酸および/または1価のアルコール成分を0.1〜20モル%を共重合することで、耐オフセット性、耐ブロッキング性、低温定着性をバランス良く備え、粉砕性が良好で、低吸湿性で保存安定性、帯電安定性に優れたトナーバインダー用ポリエステル樹脂が得られることを見いだし本発明を完成するに至った。

0011

すなわち本発明は、
A:ジカルボン酸およびその低級エステル、
B:1価のカルボン酸、および/または1価のアルコール成分、0.1〜20モル%、
C:式(1)で表される芳香族グリコール、

0012

本発明で使用されるジカルボン酸およびその低級エステルとしては、分子量500以下のジカルボン酸およびそれと炭素数5以下のアルコールとのエステル体を使用することが出来る。例としては、フタル酸テレフタル酸イソフタル酸セバシン酸イソデシルこはく酸、マレイン酸フマール酸イタコン酸グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、およびこれらのモノメチルモノエチルジメチルジエチルエステルなどがあり、特にテレフタル酸、イソフタル酸およびこれらのジメチルエステルが好ましい。また、定着性を向上させるために脂肪族系のアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、イソデシルこはく酸、マレイン酸、フマール酸などを組み合わせて使用してもよい。

0013

本発明で使用される1価のカルボン酸としては、一般にモノカルボン酸として知られているものが使用できる。例えば、安息香酸ナフタレンカルボン酸サリチル酸4−メチル安息香酸3−メチル安息香酸フェノキシ酢酸ビフェニルカルボン酸などの芳香族系モノカルボン酸酢酸プロピオン酸酪酸オクタン酸デカン酸ドデカン酸ステアリン酸などの脂肪族系モノカルボン酸、などのモノカルボン酸、これらモノカルボン酸のアルキルエステルなどのモノカルボン酸成分の1種以上が使用できる。また、本発明で使用される1価のアルコール成分としては、一般に1官能アルコールとして知られているもののうち、沸点が180℃以上のものが使用できる。例えば、n−ブタノールイソブタノール、sec−ブタノールn−ヘキサノール、n−オクタノールラウリルアルコール、2−エチルヘキサノールデカノールシクロヘキサノールベンジルアルコールドデシルアルコール等の1官能アルコールの1種以上が使用できる。

0014

これらの1価のカルボン酸および1価のアルコールは、1種または、2種類以上の混合系で使用される。これらの中でも、ポリエステル樹脂を用いたトナーの耐湿性の向上、生産時の安定性などを考慮すると、安息香酸、ステアリン酸、等の使用が特に好ましい。

0015

さらに、これら1価のカルボン酸および/または、1価のアルコールの使用割合は、全構成成分に対し、0.1〜20モル%の範囲である必要がある。1価のカルボン酸および/または1価のアルコールの使用割合が0.1モル%より少ないと、これらの配合による帯電安定性向上の効果が現れず、20モル%を越えた使用割合では、ポリエステル末端封鎖剤として働くために、エステル化反応重合反応阻害する場合がある。帯電安定性、反応性のバランスから1〜10モル%の範囲の使用が好ましい。

0016

本発明で使用される芳香族グリコールは、前記、式(1)で表される化合物が用いられ、式中Rは炭素数3以下のアルキレン基であり、かつx+yの平均値は2〜7である。具体例としては、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパンポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6.0)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.4)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル)プロパン、などが挙げられる。これらを、単独もしくは複数を組み合わせて用いることが出来る。

0017

また、全構成成分中に占める芳香族グリコールの比率は、ポリエステル樹脂の性能に大きく影響する。本発明においては、この比率が40モル%以上であることが必要であり、40モル%未満では、求める粉砕性が得られないだけでなく、低吸湿性も得られない。反応性の点も考慮すると、40モル%以上48モル%以下が好ましい。

0018

本発明で使用される3価以上の多価カルボン酸類は、分子量300以下の3価以上の官能基を有するものが使用できる。例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメリット酸)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシルメタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸トリメシン酸ピロメリット酸、およびこれらの無水物、低級アルキルエステル体などが挙げられ、特にトリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらの無水物、メチルエステル体、エチルエステル体が好ましい。

0019

本発明で使用される3価以上の多価グリコールとしては、分子量300以下の3価以上の官能基を有するグリコールが使用できる。例としては、グリセリン、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、1,1,2,2−テトラメチロールエタン、1,1,3,3−テトラメチロールプロパン、1,1,4,4−テトラメチロールブタン、1,2,4−シクロヘキサントリメタノールが挙げられる。これらのグリコールのヒドロキシル基に炭素数2〜10のアルキレンオキサイドを付加したものの使用も可能である。これらの中でもエステル化反応の反応性の面から、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびこれらのアルキレンオキサイド付加物の使用が好ましい。

0020

多価カルボン酸、多価グリコールは、1種もしくは2種以上の混合系で用いられる。また、これらの使用量の全構成成分中に占める比率は耐オフセット性、反応制御の点などから、1〜30モル%程度が好ましい。

0021

さらに、本発明のポリエステル樹脂は、一般に知られた脂肪族グリコールを共重合することが可能である。脂肪族グリコールとしては、直鎖状、または側鎖を有する2価のグリコールが使用でき、例えば、エチレングリコールブタンジオールジエチレングリコールトリエチレングリコール、分子量500以下のポリエチレングリコールプロピレングリコールジプロピレングリコールネオペンチルグリコール、などが挙げられる。

0022

本発明のポリエステル樹脂は、上記のモノマー縮合して得られるが、ガラス転移温度(Tg)が45〜75℃、重量平均分子量が8000〜500000であることが重要である。

0023

Tgが45℃未満であると定着性は良好となるが、ブロッキング性が極めて悪くなり、一方75℃以上であると定着性が不良となる。したがってTgは45〜75℃である必要があり、特に55〜70℃が好ましい。

0024

重量平均分子量は8000未満では、溶融時の流動性の良好なポリエステル樹脂が得られるが、Tgが低く、耐ブロッキング性が得られない。また、重量平均分子量が500000を越えると、ポリエステル樹脂の溶融時の流動性が悪くなり、定着性の悪化がみられる。したがって、重量平均分子量は8000〜500000である必要があり、耐ブロッキング性、定着性のバランスの点から10000〜300000が好ましい。

0025

本発明のポリエステル樹脂は、通常のポリエステル合成法、すなわち酸成分とグリコール成分をエステル化反応、またはエステル交換反応せしめた後、低沸点のグリコールを真空下または窒素気流下で系外へ除去することによって重縮合を行い合成する。このエステル化またはエステル交換反応の時必要に応じて硫酸チタンブトキサイドジブチルスズオキサイド酢酸マグネシウム酢酸マンガンなどの通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を、また、重合に際しては、通常公知の重合触媒例えば、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、2硫化スズ、3酸化アンチモン、2酸化ゲルマニウムなどを使用することが出来る。

0026

また、重合温度触媒量については特に限定されるものではなく、必要に応じて任意に設定すればよい。

0027

本発明におけるTgは示差走差熱量計を用いて、昇温速度10℃で測定したときのチャートベースラインとTg近傍の吸熱カーブの接線の交点の温度をいう。

0028

さらに、本発明において重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した値から算出した。一般に架橋した樹脂のGPCによる分子量測定は意味が無いと言われているが、本発明の樹脂の場合は架橋度も低く、同一条件下のGPCでは、再現性あるクロマトグラムが得られる。また本発明でいう重量平均分子量は、以下に述べるGPC条件で測定したものであり、その数値ポリスチレン換算のまま使用している。

0029

測定条件は、温度40℃で溶媒としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流速で流し、試料濃度0.5wt/vol%のテトラヒドロフランの試料溶液を0.2ml注入して測定する。なお、カラムとしては、1000〜200000の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組み合わせて用いるのが好ましい。例えば、waters社製のμ−styragel1000、10000、100000の組合せや昭和電工社製のshodexA、803、804、805の組合せが良い。試料の分子量測定に当たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線対数値カウント数との関係から算出した。検量線作成用標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製の分子量が600、2100、4000、17500、51000、110000、390000のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI屈折率)検出器を用いる。

0030

次に、トナーバインダー用ポリエステル樹脂に特有試験方法について述べる。

0031

(1)粉砕試験
通常の粉砕工程を終った樹脂をふるいにかけ、16メッシュを通過し、20メッシュは通過しない樹脂粉体を得る。上記の分級された樹脂粉体を10.00g精し、アイ分析用粉砕器(柴田科学器械工業製)にて60秒間粉砕後、150μmのふるいにかけ、通過しない樹脂の重量W(g)を精秤する。W(g)の粉砕前の重量10.00gに対する割合を残存率(%)で表し、残存率0〜30%を○、30.1〜45.0%を△、45〜100%を×と表示する。

0032

(2)簡易定着性試験
ローラー温度ローラー圧力を自由に変えることの出来る熱ローラー方式の定着試験器を用いて、ローラー温度160℃と240℃での簡易定着性試験を行った。160℃でコールドオフセット現象の発生の有無、240℃でのホットオフセット現象の発生の有無を確認した。なお、それぞれの現象が発生しない場合を○、発生した場合を×として示した。

0033

(3)定着率の測定
簡易定着性試験を行ったものの印字濃度を測定した後、スコッチメンディングテープを貼った上から500gの荷重をかけて5往復すり、テープを剥した後の印字濃度を測定した。テープを貼る前後の印字濃度の比を定着率(%)で示した。

0034

印字濃度は、反射濃度計を用いて測定した。

0035

(4)ブロッキング性試験
粉末試料容器内に充填し、50℃雰囲気下24時間放置した後、容器をさかさまにしたときに、粒子が全く凝集していない状態を○、凝集しているがたたくと再分散する状態を△、再分散しない状態を×とした。

0036

また、同様の試験を、40℃80%RHの高湿度条件下でも行い、同様の評価を行った。

0037

(5)吸湿性試験
40℃80%RHで24時間放置した後、25℃50%RHの環境下に2時間放置した試料の水分率カールフィッシャー水分計(京都電子工業(株)製、MKC−3P)で測定し、樹脂の吸湿率とした。

0038

(6)帯電量の測定
ブローオフ粉体帯電量測定装置(東ケミカル(株)製)を用いてブローオフ法で測定した。フェライトキャリアを用いて、トナーコンテント10wt%となるように配合し、15分間摩擦帯電させた後、帯電量を測定した。帯電量は、測定雰囲気の影響を受けやすいため、一連の作業および測定は、25℃60%RHの温調室内で行った。

0039

さらに、トナーを35℃90%RHの高湿度条件下に24時間放置したものの帯電量を測定し、帯電安定性を評価した。初期帯電量からの変化率が35%未満のものを○、35%以上60%未満のものを△、60%以上のものを×とした。

0040

以下、トナーバインダー樹脂の製造例および本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例と比較例中の(%)は、すべてモル基準である。実施例1〜5および比較例6〜10のポリエステル樹脂は以下のようにして製造した。

0041

3価以上の多価カルボン酸、3価以上の多価グリコール、ジカルボン酸、芳香族グリコール、脂肪族グリコール、1価のカルボン酸、1価のアルコール成分より選ばれた単量体を表1および表2の組成になるように調整し、触媒として全単量体重量の0.5wt%のジブチルスズオキサイドとともにガラス製2lのセパラブルフラスコに入れ、温度計ステンレス製撹拌棒流下コンデンサーおよび窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中で窒素気流下にてエステル化を200℃の条件で4時間行った。

0042

0043

0044

エステル化反応せしめた後、反応温度230℃に上昇させ、1.5トールの真空下でグリコールを系外に除去しながら重縮合を行い、本発明のトナーバインダー用ポリエステル樹脂を得た。

0045

ついで得られたポリエステル樹脂94重量部にカーボンブラック5重量部、荷電制御剤1部を加え、2軸押出機を用いて溶融混練し、冷却した後、ジェットミルで粉砕し、分級機で分級して粒径10〜15μmの粒度のトナーを得た。これに外添剤としてシリカを0.5wt%添加したものを用いて一連の評価を行った。

0046

上記の方法で得られたトナーバインダー用ポリエステル樹脂およびトナーの評価結果を表3および表4に示す。

0047

0048

0049

表1、表3の実施例1〜5から明らかなように、芳香族グリコールを全構成成分中40モル%以上、多価カルボン酸または多価グリコール、1価のカルボン酸または1価のアルコールを含み、ガラス転移温度が45〜75℃、重量平均分子量が8000〜500000の範囲にあるものは、粉砕性、定着性、帯電安定性に優れ、ホットオフセットやブロッキングを起こすこともなく、バランスの取れた物性を示す。

0050

それに対し、比較例6のものは、芳香族グリコール成分の共重合量は、40モル%であるが、1価のカルボン酸または1価のグリコールが共重合されておらず、帯電安定性がやや劣る結果となっている。

0051

比較例7では、芳香族グリコールの共重合量が10モル%と少なく、脂肪族グリコール成分が相対的に多く共重合されており、溶媒に不溶なため、GPCによる重量平均分子量の測定が不可能であり、粉砕性が悪いだけでなく、吸湿率が大きくホットオフセット性、定着率、ブロッキング性、帯電安定性も悪い結果となっている。

0052

さらに、比較例8は、1価のカルボン酸は共重合されているが、芳香族グリコールの共重合量が、40モル%未満であるため、粉砕性、トナー特性ともに不十分である。

0053

比較例9、10では、芳香族グリコールの共重合量は40モル%、1価のカルボン酸、1価のアルコールも共重合されているが、比較例9は、ガラス転移温度が42℃と低く、また重量平均分子量も5200と低い。したがって、吸湿率がやや高く、耐ブロッキング性、帯電安定性が悪い。一方比較例10では、ガラス転移温度が76℃と高く、溶媒に不溶なため重量平均分子量も測定不可となっており、粉砕性、ホットオフセット性、定着率が悪い結果となっている。

発明の効果

0054

本発明によれば、粉砕性、低吸湿性にすぐれたトナーバインダー用ポリエステル樹脂を提供できる。

0055

該樹脂をトナーバインダーとして用いることにより粉砕工程で粉砕性が良く、吸湿性が少ないことによって保存安定性、帯電安定性に優れたトナーバインダーを提供することが出来る。

0056

また、低温定着性、耐オフセット性を有し、貯蔵安定性にも優れる。

0057

従って本発明のポリエステル樹脂はトナーバインダー用樹脂として有用である。

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    【課題】簡便なリサイクルの処理によって製造することが可能であり、高い収率で製造することができる燃料の製造方法を提供する。【解決手段】樹脂と顔料を含むトナー、トナー中間体及び現像剤から選ばれる一種以上を... 詳細

  • コニカミノルタ株式会社の「 画像形成装置及び画像形成方法」が 公開されました。( 2019/08/15)

    【課題】本発明の課題は、表面に凹凸を有する記録媒体に対して高い転写性を安定して得られる画像形成装置を提供することである。【解決手段】画像形成装置100は、静電荷像現像用トナーにより形成されるトナー像を... 詳細

  • 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社の「 熱可塑性樹脂組成物」が 公開されました。( 2019/08/15)

    【課題】耐薬品性と耐衝撃性と透明性にも優れた熱可塑性樹脂組成物を提供する。【解決手段】芳香族ポリカーボネート樹脂(A)70〜25質量部及び脂環式ジオール由来の構造単位を有する非晶性ポリエステル樹脂(B... 詳細

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