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技術 写真廃液の減圧蒸発処理方法

出願人 富士フイルムホールディングス株式会社
発明者 岩野治彦小川尊夫
出願日 1993年3月9日 (27年8ヶ月経過) 出願番号 1993-072846
公開日 1994年9月13日 (26年2ヶ月経過) 公開番号 1994-254535
状態 未査定
技術分野 湿式写真処理装置 脱気・消泡 水、廃水又は下水の加熱処理 物理的水処理
主要キーワード 廃液貯留タンク 接触空気 原液流量 減圧蒸発濃縮 リンス廃液 要因物質 沸騰蒸発 硫化性ガス
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目的

従来の減圧蒸留法による写真廃液処理法のもつ欠点を解決し、従来の方法と異なって薬品を使用することなく、より効果的で、簡便に、しかも高レベル揮発成分を除去する減圧蒸発処理方法を提供する。

構成

写真廃液を減圧蒸発濃縮し、その際発生する蒸気凝縮させて濃厚廃液希薄凝縮液に分離することからなる廃液処理において、40〜80℃の凝縮液に空気を接触させて凝縮液中のアンモニアを除去する写真廃液の減圧蒸発処理方法。また、その凝縮液7に空気12を接触させて凝縮液中のアンモニアを除去する手段として、向流濡れ壁塔9を使用する写真廃液の減圧蒸発処理方法。

概要

背景

従来よりハロゲン化銀写真感光材料写真処理の形態は、黒白感光材料の場合には、現像定着水洗等の工程により、カラー感光材料の場合には、発色現像漂白定着(又は漂白、定着)、安定、安定化等の工程により行われており、各工程では必要な処理液が使用されている。多量の感光材料を処理する写真処理においては、処理液中の、処理によって消費された成分を補充して処理液成分を一定に保つことによって、処理液の性能を一定に保つ手段が採られている。補充液が処理液に加えられ、写真処理タンク内の処理液の一部が排出されて、該タンク内の処理液に有害な成分などが蓄積しないようにするのが普通である。

写真処理において使用した水洗水冷却水下水道河川放流することが可能な地域もあるが、これら以外の使用済等の写真処理液〔例えば、現像液定着液発色現像液漂白定着液(又は漂白液、定着液)、安定液等〕の放流は現在環境的面から実質上不可能となっている。このため、各写真現像処理業者は該廃液を専門の廃液処理業者に処理費用を払って回収してもらったり、無害処理設備を設置したりしている。しかしながら、廃液処理業者に委託する方法は、廃液を貯留しておくのにかなりのスペースが必要となるし、また廃液委託処理量容積によって決められているので、コスト的にも極めて高価となる。さらに無害化処理設備は初期投資イニシャルコスト)が大きいなどの問題がある。

したがって、廃液を廃液回収業者に渡すにしても、自家処理するにしても廃液の量が少いことが経済的である。また、廃液回収業者が収集した廃液を処理する際も処理に先行して廃液容積を減量させることが経済的なことが多い。さらに、回収業者集中処理した液を最終処分のためにさらに輸送する場合にも廃液量を小さくすることが有利なことが多い。このように、廃液処理の各段階で容積を小さくすることが有利なことが多いため、蒸発濃縮を行うことが古くから提案されている。ただ、蒸発濃縮を行う際に温度をほぼ100℃に上昇して液を沸騰させる常圧濃縮を行うと、廃液中にある揮発性成分あるいは廃液中の加熱により分解され易い物質から生ずる揮発性成分が大気中に放出されるという問題がある。蒸発濃縮よりも環境への影響が少ない有利な方法としては、蒸留法、つまり蒸発した成分を大気に放出せず、冷却凝縮させて処理が不要、あるいは処理が簡単な希薄液として回収する方法も知られている。かかる蒸留法でもやはり廃液をほぼ100℃に上昇して液を沸騰させて行う常圧蒸留法と、廃液を気密な系において真空ポンプエジェクターなどで系の気圧下げて比較的低い温度、例えば常温に近い蒸発温度で廃液を蒸発させることによって稼動可能な減圧蒸発法等もある。常圧濃縮法あるいは常圧蒸留法の場合のように、装置や液を高温にまで加熱すると、装置に使用できる材質上の問題が生じる外、発生する蒸気中ひいては凝縮液に比較的高温流出の揮発性混入物入り込む欠点も生じる。従って減圧濃縮法、特に減圧蒸留法が望ましい。

しかしながら、写真廃液減容化するために公知のように蒸発濃縮法や蒸留法により処理するときには、その廃液中には種々の揮発性物質が含まれているために蒸留液にそれらの物質が入ってきて放流が不可能なものになることが多い。例えば、塩臭化銀カラーペーパー用のカラー現像液ベンジルアルコールを含有しているため、その廃液にも該アルコールが含まれており、該アルコールは比較的蒸気圧が高いので、蒸留液に多量に入り、ときにはBOD5,000ppmにもなり、加熱蒸留ではBODが10,000ppmにもなる。黒白現像液には比較的低沸点エチレングリコールジエチレングリコールアミン類を含んでおり、上述と同様のBOD増加をもたらす。

定着液は、チオ硫酸アンモニウムを含むものが多く、現像液との混合廃液ではpHが上るためアンモニアが蒸留液に混じる。このようにpHが上るとアンモニアが含まれるという問題が起る。また、定着液や漂白定着液の廃液からは亜硫酸ガス硫化性ガスが蒸留液に混入し、pHを下げる。このように、写真廃液を蒸留すると廃液の種類によって低沸点の水質規制要因物質が蒸留液に入るが、蒸留条件、例えば温度、圧力によっても前記物質の入り方が変ってくる。例えば、カラーネガペーパー混合廃液を蒸留した場合には、アンモニアが揮散して蒸留液のpHが9、アンモニア濃度が2,000ppmとなるが、その蒸留を続行して濃縮液が固型残渣となるに至ると、蒸留液には亜硫酸ガスなどの硫黄系ガスが遂には5,000mg/リットル以上まで含まれるようになる。その詳細は、米国写真学会(SPSE)のフォトフイニシング技術に関する第6回国際シンポジウム(1990年2月、Las Vegas)の岩野他の報告にある。

したがって、上記した写真廃液を蒸発濃縮法や蒸留法において、留出した蒸留水はそのままでは下水や河川に放流することができない。かかる蒸留水を下水や河川に放流あるいは再利用可能にする2次処理法として、従来下記したような方法が提案されている。
蒸留水を活性炭で処理して揮発性成分を除去する方法。
酸化剤で無害化処理する方法。例えば印刷感材用黒白現像液廃液中やカラー及び黒白現像液廃液中に含まれるアミン類、グリコール類のような有機還元性物質次亜塩素酸ソーダ過酸化水素で処理して無害化する方法。
などであるが、いずれも管理に手間がかる上にそれだけでは下水や河川に放流可能化できるといえない。
特開平4−174838号公報には前記蒸留水(「第1次蒸留液」)を再度蒸留して得られる蒸留液(「第2次蒸留液」)が水質規制要因物質の含有量の少ないものとなる2段蒸留が提案されているが、かかる2段蒸留はエネルギー経済的には不利である。
従ってなお、薬剤不使用で簡便な写真廃液の減圧蒸発処理方法の開発が望まれている。

概要

従来の減圧蒸留法による写真廃液の処理法のもつ欠点を解決し、従来の方法と異なって薬品を使用することなく、より効果的で、簡便に、しかも高レベル揮発成分を除去する減圧蒸発処理方法を提供する。

写真廃液を減圧蒸発濃縮し、その際発生する蒸気を凝縮させて濃厚廃液と希薄な凝縮液に分離することからなる廃液処理において、40〜80℃の凝縮液に空気を接触させて凝縮液中のアンモニアを除去する写真廃液の減圧蒸発処理方法。また、その凝縮液7に空気12を接触させて凝縮液中のアンモニアを除去する手段として、向流濡れ壁塔9を使用する写真廃液の減圧蒸発処理方法。

目的

本発明は従来の減圧濃縮法や減圧蒸留法のもつ欠点を解決し、従来の方法よりも薬品を使用することもなく、より効果的、簡便に、しかも高レベルに揮発成分を除去して揮発分の少ない凝縮液を得ることができる減圧蒸発処理を用いた写真廃液の処理方法を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

写真廃液減圧蒸発濃縮し、その際発生する蒸気凝縮させて濃厚廃液希薄凝縮液に分離することからなる廃液処理において、40〜80℃の凝縮液に空気を接触させて凝縮液中のアンモニアを除去することを特徴とする写真廃液の減圧蒸発処理方法

請求項2

向流濡れ壁塔を使用して空気と凝縮液との気液接触を行うことを特徴とする請求項1記載の写真廃液の減圧蒸発処理方法。

請求項3

向流濡れ壁塔を使用して、その液相と気相との流速比を0.1〜20に制御して行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の写真廃液の減圧蒸発処理方法。

請求項4

原液容積濃縮液の容積の比で表す濃縮度を3以上とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の写真廃液の減圧蒸発処理方法。

請求項5

溶存物質の重量が濃縮液1リットル当たり100グラム以上になるように濃縮することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の写真現像廃液の減圧蒸発処理方法。

技術分野

0001

本発明は、写真廃液処理方法に関する。詳しくは、写真廃液処理の前処理として蒸留操作によってその後の処理を容易にする写真廃液の処理方法に関し、特にその蒸留により凝縮液蒸留液)中に混入した揮発性成分の除去を行う写真廃液の処理方法に関する。

背景技術

0002

従来よりハロゲン化銀写真感光材料写真処理の形態は、黒白感光材料の場合には、現像定着水洗等の工程により、カラー感光材料の場合には、発色現像漂白定着(又は漂白、定着)、安定、安定化等の工程により行われており、各工程では必要な処理液が使用されている。多量の感光材料を処理する写真処理においては、処理液中の、処理によって消費された成分を補充して処理液成分を一定に保つことによって、処理液の性能を一定に保つ手段が採られている。補充液が処理液に加えられ、写真処理タンク内の処理液の一部が排出されて、該タンク内の処理液に有害な成分などが蓄積しないようにするのが普通である。

0003

写真処理において使用した水洗水冷却水下水道河川放流することが可能な地域もあるが、これら以外の使用済等の写真処理液〔例えば、現像液定着液発色現像液漂白定着液(又は漂白液、定着液)、安定液等〕の放流は現在環境的面から実質上不可能となっている。このため、各写真現像処理業者は該廃液を専門の廃液処理業者に処理費用を払って回収してもらったり、無害処理設備を設置したりしている。しかしながら、廃液処理業者に委託する方法は、廃液を貯留しておくのにかなりのスペースが必要となるし、また廃液委託処理量容積によって決められているので、コスト的にも極めて高価となる。さらに無害化処理設備は初期投資イニシャルコスト)が大きいなどの問題がある。

0004

したがって、廃液を廃液回収業者に渡すにしても、自家処理するにしても廃液の量が少いことが経済的である。また、廃液回収業者が収集した廃液を処理する際も処理に先行して廃液容積を減量させることが経済的なことが多い。さらに、回収業者集中処理した液を最終処分のためにさらに輸送する場合にも廃液量を小さくすることが有利なことが多い。このように、廃液処理の各段階で容積を小さくすることが有利なことが多いため、蒸発濃縮を行うことが古くから提案されている。ただ、蒸発濃縮を行う際に温度をほぼ100℃に上昇して液を沸騰させる常圧濃縮を行うと、廃液中にある揮発性成分あるいは廃液中の加熱により分解され易い物質から生ずる揮発性成分が大気中に放出されるという問題がある。蒸発濃縮よりも環境への影響が少ない有利な方法としては、蒸留法、つまり蒸発した成分を大気に放出せず、冷却凝縮させて処理が不要、あるいは処理が簡単な希薄液として回収する方法も知られている。かかる蒸留法でもやはり廃液をほぼ100℃に上昇して液を沸騰させて行う常圧蒸留法と、廃液を気密な系において真空ポンプエジェクターなどで系の気圧下げて比較的低い温度、例えば常温に近い蒸発温度で廃液を蒸発させることによって稼動可能な減圧蒸発法等もある。常圧濃縮法あるいは常圧蒸留法の場合のように、装置や液を高温にまで加熱すると、装置に使用できる材質上の問題が生じる外、発生する蒸気中ひいては凝縮液に比較的高温流出の揮発性混入物入り込む欠点も生じる。従って減圧濃縮法、特に減圧蒸留法が望ましい。

0005

しかしながら、写真廃液を減容化するために公知のように蒸発濃縮法や蒸留法により処理するときには、その廃液中には種々の揮発性物質が含まれているために蒸留液にそれらの物質が入ってきて放流が不可能なものになることが多い。例えば、塩臭化銀カラーペーパー用のカラー現像液ベンジルアルコールを含有しているため、その廃液にも該アルコールが含まれており、該アルコールは比較的蒸気圧が高いので、蒸留液に多量に入り、ときにはBOD5,000ppmにもなり、加熱蒸留ではBODが10,000ppmにもなる。黒白現像液には比較的低沸点エチレングリコールジエチレングリコールアミン類を含んでおり、上述と同様のBOD増加をもたらす。

0006

定着液は、チオ硫酸アンモニウムを含むものが多く、現像液との混合廃液ではpHが上るためアンモニアが蒸留液に混じる。このようにpHが上るとアンモニアが含まれるという問題が起る。また、定着液や漂白定着液の廃液からは亜硫酸ガス硫化性ガスが蒸留液に混入し、pHを下げる。このように、写真廃液を蒸留すると廃液の種類によって低沸点の水質規制要因物質が蒸留液に入るが、蒸留条件、例えば温度、圧力によっても前記物質の入り方が変ってくる。例えば、カラーネガペーパー混合廃液を蒸留した場合には、アンモニアが揮散して蒸留液のpHが9、アンモニア濃度が2,000ppmとなるが、その蒸留を続行して濃縮液が固型残渣となるに至ると、蒸留液には亜硫酸ガスなどの硫黄系ガスが遂には5,000mg/リットル以上まで含まれるようになる。その詳細は、米国写真学会(SPSE)のフォトフイニシング技術に関する第6回国際シンポジウム(1990年2月、Las Vegas)の岩野他の報告にある。

0007

したがって、上記した写真廃液を蒸発濃縮法や蒸留法において、留出した蒸留水はそのままでは下水や河川に放流することができない。かかる蒸留水を下水や河川に放流あるいは再利用可能にする2次処理法として、従来下記したような方法が提案されている。
蒸留水を活性炭で処理して揮発性成分を除去する方法。
酸化剤で無害化処理する方法。例えば印刷感材用黒白現像液廃液中やカラー及び黒白現像液廃液中に含まれるアミン類、グリコール類のような有機還元性物質次亜塩素酸ソーダ過酸化水素で処理して無害化する方法。
などであるが、いずれも管理に手間がかる上にそれだけでは下水や河川に放流可能化できるといえない。
特開平4−174838号公報には前記蒸留水(「第1次蒸留液」)を再度蒸留して得られる蒸留液(「第2次蒸留液」)が水質規制要因物質の含有量の少ないものとなる2段蒸留が提案されているが、かかる2段蒸留はエネルギー経済的には不利である。
従ってなお、薬剤不使用で簡便な写真廃液の減圧蒸発処理方法の開発が望まれている。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は従来の減圧濃縮法や減圧蒸留法のもつ欠点を解決し、従来の方法よりも薬品を使用することもなく、より効果的、簡便に、しかも高レベル揮発成分を除去して揮発分の少ない凝縮液を得ることができる減圧蒸発処理を用いた写真廃液の処理方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0009

上記課題は本発明の写真廃液の減圧蒸発処理方法によって効果的に解決される。すなわち、
(1)写真廃液を減圧蒸発濃縮し、その際発生する蒸気を凝縮させて濃厚廃液と希薄な凝縮液に分離することからなる廃液処理において、40〜80℃の凝縮液に空気を接触させて凝縮液中のアンモニアを除去することを特徴とする写真廃液の減圧蒸発処理方法。
(2)向流濡れ壁塔を使用して空気と凝集液との気液接触を行うことを特徴とする上記(1)記載の写真廃液の減圧蒸発処理方法。
(3)向流濡れ壁塔を使用して、その液相と気相との流速比を0.1〜20に制御して行うことを特徴とする上記(1)または(2)記載の写真廃液の減圧蒸発処理方法。

0010

(4)原液(写真廃液)の容積と濃縮液の容積の比で表す濃縮度を3以上とすることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項記載の写真廃液の減圧蒸発処理方法。
(5)溶存物質の重量が濃縮液1リットル当たり100グラム以上になるように濃縮したことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項記載の写真廃液の減圧蒸発処理方法。である。

0011

なお、前記写真現像廃液の減圧蒸発処理方法を行うに当たっては、凝縮液にアンモニア以外にも揮発性化合物が多く含まれる場合は予め活性炭で処理した後、40〜80℃に調温した凝縮液に空気を接触させることが好ましい。また、前記の活性炭の代わりにゼオライトで処理した後、上記したように接触させることにより本発明の上記課題を良く達成することができる。ここで、上記凝縮液とは蒸発濃縮法や蒸留法により写真廃液から留出した蒸留水を意味する。

0012

写真廃液から留出した凝縮液を40〜80℃に調温し空気を接触させて、凝縮液からアンモニアなどの揮発成分を除去する本発明の写真廃液の減圧蒸発処理方法は、向流濡れ壁塔を使用して効果的に実施することができる。前記の減圧蒸発においては蒸発温度が低いため、そこで生ずる凝縮液の温度も20〜30℃程度と低いものであるので、空気との接触に際しては通常前記した温度にまで加熱される。以下に図1を用いて本発明の向流濡れ壁塔を使用して行う本発明の写真現像廃液の減圧蒸発処理方法について具体的に説明する。ただし、以下の説明によって本発明の写真現像廃液の減圧蒸発処理方法が制限されるものではない。

0013

図1において、減圧蒸留塔1に写真廃液2を廃液供給管3により導入し、塔頂からの留出蒸気留出管4を経て廃液タンク5に凝縮液7として貯留し、凝縮液7を凝縮液送水管8により熱交換器6を経て40〜80℃に予備加熱した凝縮液7を向流濡れ壁塔9(ストリッピング装置)に塔頂10より下向流として供給する。向流濡れ壁塔9内にはセラミックス製のラッシリング11などの充填材充填されている。一方、向流濡れ壁塔9の底部から操作温度にまで昇温した空気12を空気供給管13から上向流内に供給する。前記凝縮液は前記充填材の表面上を流下し、そこに薄膜を形成し、下から上昇してくる空気と接触することにより、向流濡れ壁塔が構成される。

0014

塔9内でラッシリング11などの充填材を媒介として凝縮液7と空気12が向流で操作温度で気液混合し、凝縮液7中のアンモニアなどの揮発成分が空気12中に移行する。処理された凝縮液7は塔底処理水流出管14から処理水15として系外に流出し、空気12は塔頂から熱交換基6を通り、排気管16から(必要ならばアンモニア処理触媒反応部などを経て)系外に流出する。充填材としてはセラミックス製ラッシリングの他、例えばガラス製ラッシリング、あるいは沸石カオリン、ゼオライト等の粒状体などを挙げることができる。

0015

上記向流濡れ壁塔内に供給される凝縮液と空気の量は、どのレベルまで凝縮液中のアンモニアなどの揮発成分を除去するかによって異なる。この液相(凝縮液)と気相(空気)の流速比は、供給される時間当たりの凝縮液の重量と時間当たりの空気の重量の比(L/G)で表される。このL/G値は0.1〜20の範囲、好ましくは0.2〜5、さらに好ましくは0.4〜2.0、特に最適値は0.5〜1.0の範囲にあることである。一般にL/G値を大きい値にするほど空気中のアンモニアなどの揮発成分の濃度を濃くすることができ、そのあとのアンモニアの処理の規模を小さなものとすることができるが、凝縮液からのアンモニアの除去が不完全となる。処理水中のアンモニア濃度を100mg/リットル以下とするにはL/G値は0.8以下が望ましい。従ってこの向流濡れ壁塔による処理後の空気中のアンモニアガスの処理方法及び処理水の廃棄に際しての規制値や再利用の仕方によりこのL/G値の実施値が決定されることになる。

0016

本発明の向流濡れ壁塔に供給される廃水凝縮液の濃縮度、すなわち現像廃水(原液)の容積と減圧蒸留留出液の容積との比は3以上、好ましくは3〜12、さらに好ましくは、4〜6とする。濃縮度が高いと、凝縮液中のアンモニア濃度が高くなる上、他の混入揮発分が増えて濡れ壁塔のアンモニア除去効果が減少する。特に酢酸や亜硫酸ガスが高濃縮時に増加して効率を低下させる。低濃縮では本来の濃縮目的に沿わないことになる。このように、アンモニアが液相から気相へ移行するのを妨害する物質しては酢酸が挙げられる。酢酸が凝縮液中に存在するとその量だけアンモニアが凝縮液中に固定される。またこの他炭酸ガスが凝縮液中に溶存するとアンモニアの気相へ移行が妨げられる。

0017

容易にアンモニアを除去できて処理水の再利用や下水投入好都合なのは濃縮度の上記の範囲である。勿論、原廃液の固形分の濃度によって上記の範囲は変わる。上に示した範囲は代表的な写真廃液についてのもので、例えば通常濃縮度は3〜8であるが、リンス廃液のみからなる場合には濃縮度が100〜300といった値になってもおかしくない。この場合、濃縮液中の溶存物質の重量は濃縮液1リットル当たり100グラム以上、好ましくは100〜500グラム、さらに好ましくは150〜300グラムである。

0018

なお、凝縮液を予め活性炭で処理した後、空気接触を行わせることも好ましい態様である。活性炭はアンモニアが液相から気相へ移行するのを妨害する物質を除去するので、アンモニア除去効率が向上する。また同様の意味で凝縮液を予めゼオライトで処理する方法もアンモニア除去効率を向上し得る。上記活性炭としては、例えばやしがら活性炭などが好ましい例である。

0019

本発明の写真廃液の減圧蒸発処理方法において、凝縮液中のアンモニアなどの揮発成分を空気との接触、すなわちストリッピング法で除去することは数々の利点がある。以下にこれらの利点について説明する。まず、アンモニアを含んだ水溶液に空気を吹き込んでその水溶液からアンモニアを空気中へストリッピングすることは化学工業ではよく行われる工程である。しかし、液や空気を加熱して相互に混合することは熱経済的に不利であり行われない。本発明の写真廃液の減圧蒸発処理方法のような場合、その規模から加熱を行うことは十分経済的に可能である。本発明の処理方法では、写真廃液の濃縮を減圧蒸発で行うので、液の沸騰蒸発は、10〜500mmHg程度の減圧下、20〜80℃で効率よく進ので、ストリッピング工程における操作温度と同じ位の温度で、熱源を共通に利用でき、有利である。また、通常アンモニアストリッピングでは液をアルカリ性にしてストリップする。しかしそれは薬品コストがかかる上、手間がかかるので現像所には不向きであって、この工程を行うには適しない。

0020

写真廃液の減圧蒸発処理方法とアンモニアストリッピングとを組み合わせで実施する利点の一つとしては、減圧蒸発処理すると、写真廃液中に種々の化合物が多量に含有されているにもかかわらず、得られる凝縮液中には混入成分が少なく、また固形分の含有も少ない。凝縮液中には揮発性の混入成分が少なく、また固形分の含有が少ないと、アンモニアストリッピングによるアンモニア除去の効率が大変高くなることが挙げられる。これに比して、常圧沸騰蒸発の方法を採用した場合には、熱量が無駄になる。蒸発した蒸気を凝集させるにもヒートポンプ式の蒸発余熱を利用する以上に冷却エネルギーが必要である。つまり、蒸留液に加熱からの発熱だけでは足りなくなる。減圧蒸発が蒸留水へのアンモニアなどの揮発分を過度に混入させない。一般的にアンモニアの混入は400〜2500mg/リットル(凝縮水)程度であって、このような濃度のものは簡単な濡れ濡れ壁塔で除去可能である。また、酸化剤や蒸留液の酸化処理でアンモニアを除去する場合も薬品コストと手間がかかるが、本発明の廃液処理方法は、減圧蒸留機と向流濡れ壁塔の他、特別の設備は不要であり、濡れ壁塔は安価である。またアンモニアなど揮発分を吸収する特別の吸着剤は不要である。

0021

本発明において、写真廃液の減圧蒸発には次の様な減圧蒸発・蒸留装置を使用できる。すなわち、例えば減圧にすることにより室温又は弱い加温でも蒸発量が多いようにしてその蒸気を凝縮させる方式のもの。
例:米国Calfran社のModel MPTU、APTUやイタリーLED Italia社のWTS−E、また、一般産業用途製作されている減圧濃縮装置(例えば、日阪製作所、笹製作所製)も写真廃液濃縮に用いることができる。上記装置における凝縮では空冷冷媒断熱圧縮膨張による冷却面利用、水冷などの手段を用いることができる。上記の方式においては、減圧は、真空ポンプ、水流ポンプ、エジェクターなどの諸方式のいずれかを適用して行うことができる。

0022

本発明の方法は、写真廃液のいずれにも適用することが可能であって、カラー写真、黒白写真の処理における写真廃液のいずれにも適用できる。例えば、現像、漂白、定着、漂白定着、安定浴、リンス浴、前浴、中和浴、コンディショニング浴などの任意の処理における処理廃液について適用することができ、その個々の処理における単独の廃液でも、これらを混合した廃液でも適用することができる。本発明で処理しようとする写真廃液は、写真処理液から生じるため必然的に写真処理液成分を主成分としているので、以下において写真処理液に含まれている成分について説明するが、この廃液には、そのほか写真処理過程で生成した現像主薬酸化体硫酸塩、ハライドなどの反応生成物や、感光材料から溶け出した微量のゼラチン界面活性剤などの成分が含まれている。

0023

写真処理液は、その処理対象によりカラー処理、黒白処理液、製版作業に伴う減力液現像処理タンク洗浄液などがあり、また写真処理液はその処理内容により現像液、定着液、漂白液、画像安定化液などの種類がある。

0024

多くのカラーペーパー用現像液は、カラー現像主薬亜硫酸塩ヒドロキシルアミン塩炭酸塩硬水軟化剤などと共にアルキレングリコール類ベンジルアルコール類を含んでいる。一方カラーネガ用現像液、カラーポジ用現像液、一部のカラーペーパー用現像液は、前記のアルコール類を含んでいない。カラー現像液は、通常、芳香族第一級アミンカラー現像主薬を含有する。それは主にp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例はN,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−アミノアニリンである。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩である。該芳香族一級アミン現像主薬の含有量は現像容液1リットル当り約0.5g〜約10gの範囲である。

0025

カラー現像液中には、保恒剤として種々のヒドロキシルアミン類を含んでいる。ヒドロキシルアミン類は置換又は無置換のいずれも用いられ、置換体の場合はヒドロキシルアミン類の窒素原子が低級アルキル基によって置換されているもの、とくに2個のアルキル基(例えば炭素数1〜3)によって置換されたヒドロキシルアミン類である。ヒドロキシルアミン類の含有量はカラー現像液1リットル当り0〜5gである。また黒白現像液中には、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3−ピラゾリドン、N−メチル−p−アミノフェノール及びその硫酸塩、ヒドロキノン及びそのスルホン酸塩などが含まれている。カラー及び黒白現像液には保恒剤として、亜硫酸ナトリウム亜硫酸カリウム重亜硫酸ナトリウム重亜硫酸カリウムメタ亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩や、カルボニル亜硫酸付加物を含有するのが普通で、これらの含有量は0g〜5g/リットルである。その他保恒剤として、カラー及び黒白現像液にはN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミントリエタノールアミンなどのアルカノールアミン組合せも用いられる。

0026

カラー及び黒白現像液は、pH9〜12である。上記pHを保持するためには、各種緩衝剤が用いられる。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩ホウ酸塩四ホウ酸塩ヒドロキシ安息香酸塩グリシン塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性やpH 9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、現像液に添加しても写真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価であるといった利点を有し、これらの緩衝剤が多く用いられる。該緩衝剤の現像液への添加量は通常 0.1モル/リットル〜1モル/リットルである。その他、現像液中にはカルシウムマグネシウム沈殿防止剤として、あるいは現像液の安定性向上のために添加される、各種キレート剤が含まれる。その代表例はニトリロ三酢酸ジエチレントリアミン五酢酸ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸、1,3−ジアミノ2−プロパノール四酢酸トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸などである。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用されることもある。

0027

現像液は、各種の現像促進剤を含有する。現像促進剤としては、チオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、p−アミノフェノール類アミン系化合物ポリアルキレンオキサイド、1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類メソイオン型化合物チオン型化合物イミダゾール類等である。 また、現像液中には、カブリ防止の目的で、臭素イオンを含有することが多いが、塩化銀主体とする感光材料に対しては臭素イオンを含まない現像液を用いることもある。その他、無機カブリ防止剤としてNaClやKClなどの塩素イオンを与える化合物が含有されることがある。また必要に応じて各種有機カブリ防止剤が含有される。有機カブリ防止剤としては、例えば、アデニン類、ベンズイミダゾール類ベンズトリアゾール類及びテトラゾール類を含有していてもよい。これらのカブリ防止剤の含有量は現像液1リットル当り0.010g〜2gである。これらのカブリ防止剤は処理中に感光材料中から溶出し、現像液中に蓄積するものも含まれる。また、必要に応じて、アルキルホスホン酸アリールホスホン酸、脂肪族カルボン酸芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤が含有される。

0028

カラー写真処理において、発色現像の後に通常漂白処理される。漂白処理は定着処理と同時に一浴漂白着(ブリックス)で行なわれることもある。黒白写真処理の場合は、漂白工程を経ないで定着処理がなされる。このような処理廃液にも本発明方法を適用できる。漂白液には、酸化剤として鉄(III )又はCo(III)のEDTA、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸、シクロヘキサンジアミノ四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸及びそれらの塩、ホスホノカルボン酸塩そのほか過硫酸塩キノン類などが含まれている。近年のミニラボで使用されている迅速処理用の漂白液には、酸化剤として1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸第二鉄錯塩が使用されており、その漂白液にはpHを低く抑えるために大量の酢酸が使用されている。そのほか、臭化アルカリ臭化アンモニウムなどの再ハロゲン化剤硼酸塩類、炭酸塩類硝酸塩類を適宜含有する場合もある。定着液や漂白定着液には定着剤のほかに酢酸塩、ホウ酸塩、アンモニウム又はカリばん亜硫酸塩などが含有されていてもよい。漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴には、必要に応じて漂白促進剤が使用される。

0029

定着剤としてはチオ硫酸塩チオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜硫酸塩スルフィン酸類あるいはカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。写真処理液は、上記に説明したような種々の物質を含有し、しかもその処理内容によっては前記の物質をかなりの高濃度で含有しているため、それから生ずる写真廃液は、特に各工程からの廃液を混合したものはきわめて多くの種々の物質を含有するものとなり、また通常の廃液に比してかなり高濃度で含有するものとなる。

0030

このため写真廃液は、水質面からは高いBOD、COD、銀量を含み、高いヨウ素消費量であり、高いアンモニウム塩濃度、高い塩濃度炭酸根硫酸根チオ硫酸根)を含み、またカラー写真処理廃液では鉄塩を含むという特徴があり、これを通常の下水(汚水処理法による処理を行うことは希釈を十分にすれば可能であるといわれているが、実際にはかなり困難を伴い、多量の希釈水を要し、また処理量が著しく増大することになる。写真廃液の一例として、典型的なミニラボのカラーネガ処理とカラーペーパー処理からの廃液の環境特性データの一例を表1に示す。

0031

0032

黒白現像液からの廃液では、さらにBOD、CODの高いものが多い。また、写真廃液は、前記したような処理液からの廃液であるため、その廃液がどこの処理工程からの廃液を主要部分としているかによってその液性組成が大きく異なる。例えば、定着、漂白定着、水洗、安定化の処理工程からの混合廃液はアルカリ性であり、このアルカリ性写真処理廃液を蒸留するときにはアンモニアなどが発生し易いために、得られる蒸留液はpHが高く、アンモニアなどをかなり含有したものとなる。また、酸性硬膜定着や低pHの漂白定着の処理工程からの廃液は酸性であって、この酸性写真処理廃液を蒸留するときには亜硫酸ガスなどが発生し易いために、得られる蒸留液はpHが低く、亜硫酸ガスなどをかなり含有したものとなる(亜硫酸などの形で) 。前記により処理水は著しく含有成分が少く、このため水質規制要因物質が少いため、下水、河川への放流が可能であり、また用途によっては再利用することが可能である。処理水は、アンモニア、アミン、あるいは亜硫酸などの含有量が200ppm以下であることが好ましい。

0033

本発明の方法を実施するにあたっては、長期的に安定に作業が行えるように、廃液中に必要に応じて既知の防ばい剤、防菌剤を使用することができる。本発明方法は、いわゆるミニラボと呼ばれる小規模の現像所、オフィスドキュメンテーションの場でのマイクロフィルムの処理、印刷、製版所、カラーコピアなどのような小規模の写真処理場において実施するのに適している。同時に、大規模な現像所、いわゆる大ラボにおける廃液処理の前段として行われるのが有効である。また、廃液回収業者の処理場においても利用される。

0034

すなわち、本発明方法は、その分野別に述べれば、次のような廃液に適用できる。
1)印刷製版工場:黒白・カラー現像液、定着液、漂白液
これらはPS版の処理廃液、フォトポリマー画像材料の処理廃液、エッチング液、減力液、絵の具類、インク類有機溶剤類タンククリーニング液など種々の排出液が混合されたものであってもよく、これらを一括処理できる。
2)カラー現像所:黒白・カラー現像液、定着液、漂白液、漂白定着液、画像安定浴、その他の処理浴の排出液
好ましい実施態様は、上記の各浴からの排出液を集めて処理し、水洗水はそのまま流す。向流多段節水型水洗や安定化浴に水洗を兼ねさせる方式をとっている場合は各排出液を全部混合して処理できる。

0035

3)事務所店頭マイクル1200(商品名、富士写真フイルム社製)のようなマイクロフィルム用プリンタープロセッサーリーダープリンターを使用してドキュメンテーションを行っている事務所、製図等から図面コピーをプリンタープロセッサーで行っている設計事務所カラーコピーを作成したり、即席プリントの店頭写真撮影を行っている店頭のプロセッサー等々から排出液。
4)廃液回収処理の中間基地
5)廃液を収集した集中処理場
本発明方法で処理する写真廃液の量は、上記したその適用する分野によって変り、一般の現像所あるいは大手印刷工場であれば1日100リットル〜数m3であるが、ミニラボならば1日10リットル程度であり、マイクロフィルム複写プロセッサーや病院レントゲン室ならばもっと少量である。したがって、それに使用する蒸留装置もそれに適合する容量のものとし、その型式もその規模に適した機種を選ぶ。

0036

次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
実施例1
市販の撮影済みフジカラーネガフィルムスーパーG−100、スーパーG−200、スーパーG−400、スーパーG−1600(以上商品名、富士写真フイルム社製)、コダカラーネガGold−100、Gold−400、Gold−1600、(以上商品名、イーストマンコダック社製)、コニカラーネガDD−100、DD−400、SR−1600、(以上商品名、コニカ社製)をとくに区分することなく、各種取り混ぜて、順次ミニラボ用の小型カラーネガフィルムプロセッサーで処理した。処理工程と処理の温度、時間、補充量を第2表に示した。

0037

0038

各工程に使用した処理液は次の通りである。
(カラー現像液)
タンク液補充液
ジエチレントリアミン五酢酸3.0g 3.0g
亜硫酸ナトリウム4.0g 4.4g
炭酸カリウム30.0g 32.0g
臭化カリウム1.4g 0.7g
沃化カリウム1.3mg −
ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 2.6g
4−(N−エチル−N−β−
ヒドロキシエチルアミノ
−2−メチルアニリン硫酸塩 4.5g 5.0g
水を加えて 1.0リットル1.0リットル
pH10.00 10.20

0039

(漂白液)
タンク液補充液
エチレンジアミン四酢酸第二
鉄アンモニウム塩 100.0g 110.0g
エチレンジアミン四酢酸
二ナトリウム塩8.0g 10.0g
臭化アンモニウム150.0g 175.0g
硝酸アンモニウム8.0g 10.0g
アンモニア水(28%) 7.0ml 4.0ml
水を加えて 1.0リットル1.0リットル
pH 6.00 5.7

0040

(定着液)
タンク液補充液
エチレンジアミン四酢酸
二ナトリウム2.0g 4.4g
亜硫酸ナトリウム16.0g 7.0g
チオ硫酸アンモニウム水溶
液 (70%) 200ml 240ml
重亜硫酸ナトリウム4.0g 12.2g
アンモニア水− 10.0ml
水を加えて 1.0リットル1.0リットル
pH 7.3 7.5

0041

(安定液)
タンク液補充液
ホルマリン0.01mol 0.015mol
富士ドライウエル5.0ml 5.0ml
エチレンジアミン四酢酸
二ナトリウム250mg 250mg
水を加えて 1.0リットル1.0リットル

0042

このフィルムプロセッサーの各タンクのオーバーフロー液廃液貯留タンクから減圧蒸発濃縮装置(LED Italia社製WTS−E150型)に移し、減圧蒸留を行い、廃液容積(濃縮液容積)を当初の25%に減らし、当初の75%に当る量の蒸留液を得た。蒸留液中のアンモニア濃度及びpHは次のとおりである。
アンモニア1400mg/リットル
pH 8.9
この液は、pHが高いため下水や河川へは放流できない。また全窒素値でも規制に触れる地域がある。

0043

蒸留液からアンモニア除去するため向流濡れ壁塔を用いて処理した。蒸留液の温度を60℃に予熱してから、蒸留液を向流濡れ壁塔の塔頂から充填床へ流下させた。一方空気を60℃に予熱して塔の下部から送り込んで充填床で気液向流接触を行わせた。向流濡れ壁塔の操作条件は下記の通りである。
蒸留液流量: 1.76 kg/hr
空気流量 : 2.05 kg/hr
気液流速比: 0.86
結果 :
処理水中のアンモニア濃度: 85mg/リットル
pH : 7.6
アンモニアの効果的な除去が比較的単純な装置で達成できた。また、接触空気中のアンモニアの平均濃度は、1020mg/kg−airなので、次にアンモニア分解工程につなげて処置できる。

0044

実施例2
温度効果)実施例1における各フイルム自動現像機FP560B(富士写真フイルム株式会社製)を用いたCN−16FA処理にて処理し、実施例1と同様にして蒸留液を得た。この蒸留液を使用し、図2に示す構成からなる下記向流濡れ壁塔を製作し、アンモニアストリッピングの温度効果を検討した。
蒸留液の水質:
アンモニア濃度: 1950ppm
酢酸濃度: 105ppm
pH : 8.9
向流濡れ壁塔仕様
塔高さ : 1.5m
内 径 : 0.4mφ
充填層高さ : 1.0m
材 質 :塩化ビニル樹脂製
充填材: 6mm×6mmφガラス製ラッシリング
充填量 : 1.3リットル
向流濡れ壁塔操作条件:原液流量: 1.76kg/hr(空塔速度:1,400kg/m2 hr)
ガス流量: 2.05kg/hr(空塔速度:1,630kg/m2 hr)
結果 :処理の結果を第3表に示した。50℃、60℃、70℃、80℃では効果的にアンモニアの除去が行われる。常温ではアンモニアの除去は十分ではない。特に、70℃以上ではアンモニア濃度は40mg/リットル以下になるので、大抵の地域で下水などへの放流が可能である。この程度の温度でストリッピングが可能であるので、蒸留時アルカリの添加などは不要であることがわかる。さらに高温で処理すると、当然分解率があがる。

0045

0046

なお、図2において、9は製作した向流濡れ壁塔であり、この向流濡れ壁塔9は外部を保温材18で保温し、内部にはラッシリングが充填材として充填されている。写真廃液2は予熱されて塔頂より供給され、同時に塔の底より空気2が空気供給管13を経て導入され、内部のラッシリングを媒介としてアンモニアストリッピングを行う。温度の測定は向流濡れ壁塔9の上部に設けられた温度計17により測定する。必要ならば温度計は塔9の下部や中央などに設置しても良い。処理水は塔の底部の処理水流出管14を経て系外に流出し、アンモニアを含む空気は塔頂より排気される。
実施例3
気液比)蒸留液として、実施例2の蒸留液を使用し、実施例2で示した向流濡れ壁塔を用いて、アンモニアストリッピングの気液比の効果を検討した。
蒸留液の水質:
アンモニア濃度: 1950ppm
酢酸濃度: 105ppm
ストリッピング操作温度 : 60℃
結果 :処理の結果を第4表に示した。気液比を高くする程液相中に止まるアンモニアが多くなり効果が低下する。しかし、気相中のアンモニア濃度が増加するので、後処理工程でアンモニア無害化あるいは捕集するのは容易になる。ここでは、比較的低い気液比でもアンモニアの除去が効果的に行われているので、濃厚なアンモニア含有ガスが得られ、後処理工程でのアンモニア捕集や除去効率を高めることができる。

0047

発明の効果

0048

装置費用が安価で、操作も簡単な向流濡れ壁塔を用いて、本発明の写真廃液の減圧蒸発処理方法により、写真廃液の減圧蒸留凝縮液からアンモニアを除去することができ、処理水を下水などに放流、または再使用することができる。

図面の簡単な説明

0049

図1本発明の写真廃液の減圧発処理システムフロー説明図
図2試作した向流濡れ壁塔の概略図

--

0050

1減圧蒸留塔
2写真廃液
3廃液供給管
4留出管
5廃液タンク
6熱交換器
7凝縮液
8 凝縮液送水管
9向流濡れ壁塔
10塔頂部
11 ラッシリング
12 空気
13空気供給管
14処理水流出管
15処理水
16排気管
17塔上部温度計
18 保温材

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