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構成

放線菌ストレプトマイセスノビリス(Streptomyces nobilis )の培養液またはその乾固物から有機溶剤によって抽出された物質を、ODSカラムクロマトグラフィーに供して、水:メタノール=50:50〜0:100の間の極性を有する溶出溶剤で溶出し、ついで、得られたODSカラム有効画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して、酢酸エチル:メタノール=85:15〜5:95の間の極性を有する溶出溶剤で溶出して得られた溶出物質からなる炎症抑制剤組成物である。

効果

少量の投与により、アレルギー性および非アレルギー性のいずれの炎症反応にも顕著な抑制作用を示す活性成分を含む組成物を提供することができる。

概要

背景

炎症反応アレルギー性炎症非アレルギー性炎症に大別される。アレルギーは、ある抗原との2度目の接触の際に生じる免疫反応が、個々人によって過度にあるいは不適当な形で現われる一種の病的症状であって、関与する抗体の性質の違いからI型II型、III 型およびIV型の反応に分類されている。これら4つの型のうち、III 型反応(免疫複合体反応:アルサス反応)およびIV型反応(細胞性免疫反応遅延型過敏症反応)に関与するアレルギー性炎症反応は慢性関節リウマチのような自己免疫疾患、更には肝炎腎炎感染症のような種々の炎症性疾患発症進展に重要な役割を演じていることが明らかになってきた。

ところで、従来より放線菌培養濾液中には種々の抗生物質が見つけられており、該培養濾液は生理活性物質の宝庫と言われている。しかしながら、アレルギー性炎症を抑制する物質は、現在までのところ放線菌培養濾液から見つけられた例がない。

また、従来の抗炎症剤であるアスピリンインドメタシンは、アレルギー性炎症に対して抑制作用が極めて弱いという問題点がある。

そこで、本発明者らは先の出願(平成3年特許願第337009号)に示したように、原材料としてS.ノビリスを用いてアレルギー性炎症抑制作用を有する物質の探索を行った結果、顕著なアレルギー性炎症抑制作用を示し、かつヒトおよび動物に対する安全性についても全く問題がないアレルギー性炎症抑制剤組成物を見いだすことに成功した。本発明者らは、さらに研究を進め、培養液またはその乾固物から有機溶剤によって抽出された物質を、ODSカラムクロマトグラフィーに供して得られたODSカラム有効画分にアレルギー性および非アレルギー性の炎症反応に対する顕著な抑制作用と安全性を確認し、抗炎症剤として全く問題がない組成物を見い出すことに成功した。

概要

放線菌ストレプトマイセス・ノビリス(Streptomyces nobilis )の培養液またはその乾固物から有機溶剤によって抽出された物質を、ODSカラムクロマトグラフィーに供して、水:メタノール=50:50〜0:100の間の極性を有する溶出溶剤で溶出し、ついで、得られたODSカラム有効画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して、酢酸エチル:メタノール=85:15〜5:95の間の極性を有する溶出溶剤で溶出して得られた溶出物質からなる炎症抑制剤用組成物である。

少量の投与により、アレルギー性および非アレルギー性のいずれの炎症反応にも顕著な抑制作用を示す活性成分を含む組成物を提供することができる。

目的

そこで、本発明の目的は、このような実情から、上記アレルギー性および非アレルギー性炎症抑制剤用組成物を精製して不純物を除き、少量の投与によるアレルギー性および非アレルギー性炎症抑制を可能にすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

放線菌ストレプトマイセスノビリス(Streptomycesnobilis )の培養液またはその乾固物から有機溶剤によって抽出された物質を、ODSカラムクロマトグラフィーに供して、水:メタノール=50:50〜0:100の間の極性を有する溶出溶剤で溶出し、ついで、得られたODSカラム有効画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して、酢酸エチル:メタノール=85:15〜5:95の間の極性を有する溶出溶剤で溶出して得られた溶出物質からなる炎症抑制剤組成物

技術分野

0001

本発明は、放線菌ストレプトマイセスノビリス(以下、「S.ノビリス」と略記する)の培養液またはその乾固物から有機溶剤によって抽出された物質を、ODSカラムクロマトグラフィーに供して得られたODSカラム有効画分を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、極性酢酸エチルメタノール=80:20〜0:100の間にある溶剤により溶出されて得られるアレルギー性および非アレルギー性のいずれの炎症反応にも有効な炎症抑制剤組成物に関する。

背景技術

0002

炎症反応はアレルギー性炎症と非アレルギー性炎症に大別される。アレルギーは、ある抗原との2度目の接触の際に生じる免疫反応が、個々人によって過度にあるいは不適当な形で現われる一種の病的症状であって、関与する抗体の性質の違いからI型II型、III 型およびIV型の反応に分類されている。これら4つの型のうち、III 型反応(免疫複合体反応:アルサス反応)およびIV型反応(細胞性免疫反応遅延型過敏症反応)に関与するアレルギー性炎症反応は慢性関節リウマチのような自己免疫疾患、更には肝炎腎炎感染症のような種々の炎症性疾患発症進展に重要な役割を演じていることが明らかになってきた。

0003

ところで、従来より放線菌培養濾液中には種々の抗生物質が見つけられており、該培養濾液は生理活性物質の宝庫と言われている。しかしながら、アレルギー性炎症を抑制する物質は、現在までのところ放線菌培養濾液から見つけられた例がない。

0004

また、従来の抗炎症剤であるアスピリンインドメタシンは、アレルギー性炎症に対して抑制作用が極めて弱いという問題点がある。

0005

そこで、本発明者らは先の出願(平成3年特許願第337009号)に示したように、原材料としてS.ノビリスを用いてアレルギー性炎症抑制作用を有する物質の探索を行った結果、顕著なアレルギー性炎症抑制作用を示し、かつヒトおよび動物に対する安全性についても全く問題がないアレルギー性炎症抑制剤用組成物を見いだすことに成功した。本発明者らは、さらに研究を進め、培養液またはその乾固物から有機溶剤によって抽出された物質を、ODSカラムクロマトグラフィーに供して得られたODSカラム有効画分にアレルギー性および非アレルギー性の炎症反応に対する顕著な抑制作用と安全性を確認し、抗炎症剤として全く問題がない組成物を見い出すことに成功した。

発明が解決しようとする課題

0006

ところが、上記組成物はアレルギー性および非アレルギー性炎症抑制剤作用を持たない種々の不純物を含んでいるものと考えられるため、投与量を多くせざるを得なかった。

0007

そこで、本発明の目的は、このような実情から、上記アレルギー性および非アレルギー性炎症抑制剤用組成物を精製して不純物を除き、少量の投与によるアレルギー性および非アレルギー性炎症抑制を可能にすることにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、III 型アレルギーに対するアレルギー性炎症抑制物質を見つけ出すために、III 型アレルギー反応動物モデルであるラット4時間異種受身皮膚アナフィラキシー(4時間heterologousPCA)反応を用いてスクリーニングを行った結果、放線菌S.ノビリスのODSカラム有効画分を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、極性が酢酸エチル:メタノール=80:20〜0:100の間にある溶剤により溶出されて得られた画分に、アレルギー性および非アレルギー性炎症抑制物質が含有されていることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明によるアレルギー性および非アレルギー性炎症抑制剤用組成物は、放線菌ストレプトマイセス・ノビリス(Streptomyces nobilis )の培養液またはその乾固物から有機溶剤によって抽出された物質を、ODSカラムクロマトグラフィーに供して、水:メタノール=50:50〜0:100の間の極性を有する溶出溶剤で溶出し、ついで、得られたODSカラム有効画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して、酢酸エチル:メタノール=85:15〜5:95の間の極性を有する溶出溶剤で溶出して得られた溶出物質からなるものである。

0010

本発明組成物の原料である放線菌S.ノビリスは、公的保存機関から入手可能であり、たとえば理化学研究所の保存菌(JCM 4274)(これは米国においてATCC19252 およびオランダにおいてCBS198.65としても保存)などの菌が使用できる。

0011

以下に放線菌S.ノビリスの培養および培養液からの溶剤抽出について述べる。

0012

放線菌S.ノビリスの培養は、然るべき栄養物を含んだ培地を用いて行う。すなわち、液体培養の場合、その成分としては、ブドウ糖などの糖類、ペプトン麦芽エキスなどのタンパク質類ビタミン類核酸類アミノ酸類複合糖質類の一種または数種を含んだ水溶液が好適に用いられる。代表的な培地例としては、澱粉アンモニウム系液体培地可溶性澱粉リン酸水素二カリウム塩化アンモニウムを含む)が挙げられる。液体培地のpHは5〜9の範囲が好ましく、培養温度は20〜40℃が好ましい。また液体培養の好ましい培養時間は3〜14日である。固体培養の場合、主に上記の液体培養の培地にさらに寒天を含んだものを用いるが、固体培養の培養条件も液体培養のそれとほぼ同じである。

0013

こうして、S.ノビリスを培養した後、溶剤抽出処理を行う。溶剤抽出は、培養液をそのまま溶剤と接触させる方法、または培養液を蒸発乾固させ乾固物を溶剤と接触させる方法などによって行い、抽出相から炎症抑制剤の活性成分を取得する。溶剤抽出処理においては、当該培養液またはその乾固物中にS.ノビリス菌体を存在させてもよいし、させなくてもよい。菌体を存在させずに抽出を行う場合は、培養液を固液分離して菌体を除き、その分離液相をそのままもしくはこれを乾固させたものを溶剤抽出処理に使用する。固液分離手段としては、遠心分離濾過などが適宜用いられる。

0014

炎症抑制活性成分の抽出溶剤としては、有機溶剤が用いられる。その代表例としては、酢酸エチル、プロピオン酸エチルなどのエステル類;メタノール、エタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノールなどのアルコール類エチルエーテルジオキサンなどのエーテル類アセトンメチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられるが、使用可能な溶剤はこれらに限定されない。また、上記溶剤の混合液を用いることもできる。特に好適な溶剤は酢酸エチル、メタノールなどである。

0015

培養液を乾固させずにそのまま用いた抽出の場合、培養液と溶剤との比率は特に限定されないが、抽出効率および操作の容易さの観点から培養液1容あたり好ましくは溶剤0.5〜2容の範囲である。培養液の乾固物を用いた抽出の場合、溶剤の使用量は特に限定されない。溶剤抽出は室温で行っても加熱下で行ってもよいが、後者の方が効率的である。加熱は常圧下での溶剤の沸点以下の温度範囲で行う。抽出時間は溶剤の種類や抽出温度などによっても異なるが、好ましくは3〜120分の範囲である。また抽出中は液を静置するかまたは時々攪拌しながら放置する。好ましくは、同一の培養液またはその乾固物に対して抽出操作を複数回繰り返す。

0016

つぎに、上記S.ノビリス培養液溶剤抽出物に対するODSカラムクロマトグラフィーについて述べる。

0017

ODSカラムクロマトグラフィーは充填剤としてオクタデシルジメチルクロロシランのようなオクタデシルシラン類を用いた逆相カラムクロマトグラフィーである。ODSカラムクロマトグラフィーの上記充填剤の充填量は特に限定されないが、好ましくはチャージするS.ノビリス培養液抽出物に対する重量比で10〜200倍量を充填する。S.ノビリス培養液酢酸エチル抽出物カラムにチャージする際は、まずこれをODSに吸着させる。このときODSの量は特に限定されないが、好ましくは吸着させるS.ノビリス培養液抽出物に対する重量比で0.5〜10倍量を用いて同抽出物を吸着させた後、少量の溶剤に懸濁してからカラムにチャージする。溶出溶媒としては、極性が水:メタノール=50:50〜0:100の間にある溶剤を用いる。

0018

つぎに、上記ODSカラム有効画分に対するシリカゲルカラムクロマトグラフィーについて述べる。

0019

このカラムクロマトグラフィーの充填剤としてはシリカゲルを用い、充填量は特に限定されないが、好ましくはチャージするODSカラム有効画分に対する重量比10〜200倍量を充填する。ODSカラム有効画分をシリカゲルに吸着させカラムにチャージする。このときシリカゲルの量は特に限定されないが、好ましくは吸着させるODSカラム有効画分に対する重量比0.5〜10倍量を用いて吸着させた後、小量の溶剤に懸濁してからカラムにチャージする。溶出溶剤としては、極性が酢酸エチル;メタノール=85:15〜5:95の間にある溶剤を用い、好ましくは極性が酢酸エチル;メタノール=約60:約40=約40:約60である溶剤を用いる。

0020

本発明組成物を炎症抑制剤に製剤化するには、通常はこれを製剤用担体と共に製剤組成物の形態とする。担体としては剤形に応じた薬剤を調製するのに通常使用される充填剤、崩壊剤増量剤結合剤、付湿剤、表面活性剤滑沢剤などの稀釈剤あるいは賦形剤が例示される。また適当な溶剤を選定することにより、得られた溶剤抽出液ないしはその濃縮物をそのままの形態で外用液剤として使用することもできる。

0021

本発明組成物を用いて製剤化される炎症抑制剤の投与単位形態としては、上記の如き外用液剤の外、錠剤丸剤飲用液剤、散剤懸濁剤乳剤顆粒剤カプセル剤坐剤注射剤液剤、懸濁剤など)、軟膏剤などが例示される。

0022

炎症抑制剤中に含有すべき本発明組成物の量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、好ましくは炎症抑制剤中に0.1〜50重量%の範囲である。

0023

本発明組成物より得られた炎症抑制剤は、その使用に際し各種形態に応じた方法で投与される。たとえば上記の如き外用液剤の場合には、これを皮膚ないしは粘膜などの所要部位直接塗布し、錠剤、丸剤、飲用液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には経口投与され、注射剤の場合には静脈内、筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与され、坐剤の場合には直腸内投与され、また軟膏剤の場合には塗布される。

0024

本発明組成物より得られた炎症抑制剤の投与量は、使用目的、症状などにより適宜選択されるが、通常は1日当り本発明組成物として0.2〜50mg/kg程度の範囲である。また上記製剤組成物を3〜4回/日に別けて投与することももちろん差し支えない。

0025

つぎに、本発明の実施例を挙げて、本発明を具体的に実証する。

0026

実施例(溶剤抽出物の調製およびODSカラムクロマトグラフィー、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる溶出)
理化学研究所から購入した放線菌S.ノビリス(JCM4274)を、酵母エキス0.2%添加澱粉・アンモニウム培地100ml中、40〜45時間振盪培養(前々培養)し、続いて同培地3リットルに前々培養菌液60mlを接種し、25〜30時間振盪培養(種培養)した。さらに澱粉・アンモニウム培地(蒸留水100ml中に可溶性澱粉を1g、リン酸水素二カリウムを0.05g、塩化アンモニウムを0.05g含む)285リットルに種培養した全量を接種し、約30℃で30〜10日間振盪培養した。

0027

この培養液を遠心分離し、分離した上澄液250リットルを得、これを減圧下で28リットルに濃縮した。この培養濃縮液3.4リットルを分液ロートに入れ、これに等量の酢酸エチルを加え、液全体を10分間振盪した。5分間静止後、水相酢酸エチル相を分離した。分離した水相に等量の酢酸エチルを加え、上述の操作を繰り返し、再度水相と酢酸エチル相を分離した。分離した水相に等量の酢酸エチルを加え、上述の操作をもう一度繰り返し、3回目の抽出を行った。こうして3回の操作で得られた酢酸エチル相を集めて、集合液をエバポレータ濃縮乾固し、抽出物1gを得た。

0028

つぎに、上記により得られた酢酸エチル抽出物1gを、ODS(オクタデシルジメチルクロロシラン)1.5gに吸着させ、少量の溶剤(純水)に懸濁したものを、ODSカラム(ODS150gをメタノールに懸濁し、直径32mm、長さ305mmのカラムに充填した後、水:メタノール=1:9から9:1まで徐々に溶剤を変えて、カラム中の溶剤を水:メタノール=9:1に置換したもの)にチャージした。

0029

溶出溶媒は、水:メタノール=9:1の混合液を500ml、水:メタノール=6:4を400ml、水:メタノール=3:7を400ml、メタノールを400ml、酢酸エチルを400ml、この順に流し、これらの溶出溶媒によって溶出された液を、各々エバポレータを用いて乾固させたところ、水:メタノール=9:1溶出画分が465mg、水:メタノール=6:4溶出画分が85mg、水:メタノール=3:7溶出画分が102mg、メタノール溶出画分が131mg、および酢酸エチル溶出画分が117mgそれぞれ得られた。

0030

つぎに、上記により得られたメタノール溶出画分のうち100mgを、シリカゲル200mgに吸着させ、少量のヘキサンに懸濁したものをシリカゲルカラム(シリカゲル1.5gを酢酸エチルに懸濁し充填した直径10mm、長さ40mmのカラム)にチャージした。溶出溶媒として、酢酸エチル、酢酸エチル:メタノール=95:5、酢酸エチル:メタノール=90:10、酢酸エチル:メタノール=80:20、酢酸エチル:メタノール=60:40、酢酸エチル:メタノール=40:60、メタノールをこの順に6mlずつ流し、これらの溶出溶媒によって溶出された液を各々エバポレーターを用いて乾固させたところ、酢酸エチル溶出画分が36mg、酢酸エチル:メタノール=95:5溶出画分が6.6mg、酢酸エチル:メタノール=90:10溶出画分が9.8mg、酢酸エチル:メタノール=80:20溶出画分が12.2mg、酢酸エチル:メタノール=60:40溶出画分が16mg、酢酸エチル:メタノール=40:60溶出画分が8.6mg、メタノール溶出画分が4.4mgそれぞれ得られた。

0031

試験例1(III型アレルギー反応に対する作用)
i)ウサギオボアルブミン(ovalbumin)血清の調製
江田らの方法(日薬理誌、66巻、237頁、1970年)に準じて、つぎの手法でウサギ抗オボアルブミン血清を調製した。すなわち、生理的食塩水に溶解したオボアルブミン(Sigma 社製)の2mg/ml溶液完全フロイントアジュバント(Difco 社製)との等量混合乳化液よりなる抗原液を調製した。

0032

この抗原液の0.5mlずつを体重約3kgのニュージーランドホワイト種の雄性家兎左右臀筋内に1週間毎に4回注射した。最終注射の7日後に頸動脈から採血し、血清のみを分離取得し、ウサギ抗オボアルブミン血清とした。この抗血清のラット4時間異種受身皮膚アナフィラキシー(heterologousPCA)反応の力価は1:32であった。

0033

ii)ラット4時間異種PCA反応(III型アレルギー性皮膚反応)に対する作用
実施例で得られた乾固状の抽出物をそれぞれ、ODSカラム有効画分として5mg/ml相当、すなわち酢酸エチル溶出画分が1.8mg/ml、酢酸エチル:メタノール=95:5溶出画分が0.33mg/ml、酢酸エチル:メタノール=90:10溶出画分が0.49mg/ml、酢酸エチル:メタノール=80:20溶出画分が0.61mg/ml、酢酸エチル:メタノール=60:40溶出画分が0.80mg/ml、酢酸エチル:メタノール=40:60溶出画分が0.43mg/ml、メタノール溶出画分が0.22mg/mlとなるように、5重量%アラビアゴム水溶液にジメチルスルホキサイドを5重量%添加して成る溶液に懸濁した。

0034

なお、対照実験用として、上記ODSカラム有効画分を、最終濃度が2.5mg/mlとなるように、5重量%アラビアゴム水溶液にジメチルスルホキサイドを5重量%添加して成る溶液に懸濁させたものを調製した。

0035

こうして得られた懸濁液を供試液とした。被検動物としては体重120〜200gのウイスター雄性ラットを用いた。

0036

まず、上記供試液をラットに2ml/kg(ODSカラム有効画分量として10mg/kgに相当するシリカゲルカラム分画とODSカラム有効画分5mg/kg)腹腔内投与しておいた。

0037

ついで供試液投与の20時間後に、上記ウサギ抗オボアルブミン血清を生理的食塩水で4倍に希釈してなる注射液0.05mlを、上記ラットの背部皮内に注射し、ラットを上記抗血清で感作した。

0038

つぎに、抗血清投与の4時間後に、対応する抗原として2mg/mlのオボアルブミンを含む0.5重量%エバンスブルー生理的食塩水を2.5ml/kg静脈内注射して、4時間異種PCA反応を惹起した。

0039

こうして皮内反応を惹起した部位の漏出色素を、Haradaらの方法(J.Pharm.Pharmacol. 23巻、218頁、1971年)に従って抽出定量した。すなわち、抗原注射の1時間後に動物を屠殺し、4時間異種PCA反応部の皮膚を細切し、これを0.3%(w/v)硫酸ナトリウム水溶液3容とアセトン7容の混合液中に24時間浸漬放置し、漏出色素を抽出した。こうして抽出した色素を620nmで比色定量し、漏出色素量を求め、これをウサギ抗オボアルブミン血清を注射した部位(site)当たりの漏出色素量(μg)として表わした。

0040

この試験のコントロールとして、上記シリカゲルカラム画分を含まない上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液を用い、その他の点は上記操作と同様に行って漏出色素量を求めた。

0041

本試験は、それぞれ5匹のラットを用いて行い、漏出色素量(μg/site)はこれらラットについて得られた値の平均値をとった。

0042

この試験結果を図1に示す。

0043

この図から明らかなように、実施例の酢酸エチル:メタノール=60:40溶出画分を含有する供試液を投与した群では、ODSカラム有効画分を含有する供試液を投与した群とともに、コントロール群に比べ、ラット4時間異種PCA反応部の皮膚に漏出する色素量が大幅に減少し、顕著なアレルギー性炎症抑制活性が認められる。すなわち、ODSカラム有効画分はアレルギー性炎症抑制活性を持ち、その活性は実施例の酢酸エチル:メタノール=60:40溶出画分(シリカゲルカラム有効画分)に含まれる物質に由来する。

0044

また、実施例のシリカゲルカラム有効画分を含有する供試液を投与した群では、ODSカラム有効画分を含有する供試液の約1/3の投与量で、コントロール群に比べ、ラット4時間異種PCA反応部の皮膚に漏出する色素量が大幅に減少した。すなわち、シリカゲルカラム有効画分の比活性がODSカラム有効画分の約3倍になっている。

0045

試験例2(IV型アレルギー反応に対する作用)
i)マウス足蹠遅延型浮腫反応(IV型アレルギー性足蹠浮腫反応)に対する作用
つぎの方法でIV型アレルギー反応での上記シリカゲルカラム有効画分の作用を調べた。

0046

まず、試験例1と同様の操作で濃度0.32mg/mlのシリカゲルカラム有効画分含有供試液を調製した。なお、対照実験用として、上記ODSカラム有効画分を、最終濃度が1mg/mlとなるように、上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液に懸濁したものを用意した。また、被検動物としては体重40〜50gのICR雄性マウスを用いた。

0047

羊赤血球を生理的食塩水で最終濃度が4×109 個/mlになるように希釈し、この希釈液0.05mlをマウスの左足蹠皮内に注射し、マウスを羊赤血球で感作した。

0048

ついで、感作の4日後に、上記供試液0.2ml(シリカゲルカラム有効画分量として1.28〜1.60mg/kg、ODSカラム有効画分量として4〜5mg/kg)を感作マウスに腹腔内投与した。

0049

この供試液投与の直後に、羊赤血球4×109 個/mlの0.05mlを感作マウスの右足蹠皮内に再度注射してIV型アラルギー反応を誘発した。

0050

さらに、上記IV型アラルギー反応誘発の6時間後に、上記供試液0.2mlを同マウスに再度腹腔内投与した。

0051

最後に2回目の供試液投与の18時間後に、マウスの右足蹠の腫れ度合肉眼的評点で調べた。

0052

この試験のコントロールとして、上記シリカゲルカラム有効画分を含まない上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液を用い、その他の点は上記操作と同様に行って、マウスの右足蹠の腫れ度合を調べた。

0053

本試験は、それぞれ7匹のマウスを用いて行い、腫れの度合はこれらマウスについて得られた値の平均値をとった。

0054

この試験結果を図2に示す。

0055

この図から明らかなように、実施例のシリカゲルカラム有効画分を含有する供試液を投与した群では、コントロール群に比べ、右足蹠の腫れが明らかに抑制され、顕著なアレルギー性炎症抑制活性が認められた。また、シリカゲルカラム有効画分は、ODSカラム有効画分の約1/3の投与量で、これと同等の活性を示すことが認められた。

0056

ii)ラット皮膚ツベルクリン反応(IV型アレルギー性皮膚反応)に対する作用
つぎに、山らの方法(日薬理誌94巻、113〜118頁、1980年)でラット皮膚ツベルクリン反応に対する上記シリカゲルカラム有効画分の作用を調べた。

0057

まず、試験例1と同様の操作で濃度0.80mg/mlのシリカゲルカラム有効画分含有供試液を調製した。なお、対照実験用として、上記ODSカラム有効画分を、最終濃度が2.5mg/mlとなるように、上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液に懸濁したものを用意した。また、BacillusCalmatte-Guerin (BCG)を生理的食塩水に懸濁して最終濃度2.5mg/mlとし、121℃で5分間オートクレーブしたものを用意した。さらに、精製ツベルクリンを生理的食塩水に溶解して200μg/mlとしたものを用意した。また、被検動物としては体重180〜220gのウィスター系雄性マウスを用いた。

0058

まず、上記BCG懸濁液の0.2ml(BCGとして、0.5mg)を被検動物に腹腔内投与した。

0059

BCG投与の7日後に、上記供試液2ml/kg(シリカゲルカラム有効画分量として1.60mg/kg、ODSカラム有効画分量として5mg/kg)を被検動物に腹腔内投与した。

0060

この投与直後に、上記ツベルクリン含有生理的食塩水の0.1ml(精製ツベルクリンとして20μg)を被検動物の背部皮内に投与して、皮膚ツベルクリン反応を誘発した。なお、それと同時に対照として生理的食塩水のみ0.1mlを背部の別の部位に皮内投与した。

0061

誘発24時間後にツベルクリン投与部位および生理的食塩水投与部位について、ノギスを用いて紅斑径(mm)を、また色彩色差計(ミノルタCR−200)を用いて紅斑強度をそれぞれ測定した。各個体について、ツベルクリン投与部位の値から生理的食塩水投与部位の値を減じた値を求め、それぞれの紅斑径と紅斑強度の値の積を算出して皮膚紅斑インデックスとした。その後、ツベルクリン投与部位および生理的食塩水投与部位を径16mmポンチ打ち抜きその重量を測定した。ツベルクリン投与部位の値から生理的食塩水投与部位の値を減じ、得られた値を皮膚腫脹重量とした。

0062

この試験のコントロールとして、上記シリカゲルカラム有効画分を含まない上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液を用い、その他の点は上記操作と同様に行った。

0063

本試験は、それぞれ5匹のラットを用いて行い、これらラットについて得られた値の平均値を試験結果として図3および図4に示す。

0064

これらの図から明らかなように、実施例のシリカゲルカラム有効画分およびODSカラム有効画分を投与した群では、コントロール群に比べ、皮膚ツベルクリン反応による紅斑および浮腫が明らかに抑制され、顕著なIV型アレルギー性炎症抑制活性が認められた。また、シリカゲルカラム有効画分は、ODSカラム有効画分の約1/3の投与量で、これと同等の活性を示すことが認められた。

0065

試験例3(アジュバント関節炎に対する作用)
つぎの方法でラットアジュバント関節炎に対する上記シリカゲルカラム有効画分の効果を調べた。

0066

まず、試験例1と同様の方法で0.80mg/ml濃度のシリカゲルカラム有効画分供試液を調製した。なお、対照実験用として、上記ODSカラム有効画分を、最終濃度が2.5mg/mlとなるように、上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液に懸濁したものを用意した。また、被検動物としては体重200〜250gのウイスタールイス雄性ラットを用いた。

0067

流動パラフィンに0.6重量%の濃度で懸濁した結核菌体Mycobacteriumtubercurosis H37RA(Difco 社製)の菌液アジュバント0.1mlをラットの右足蹠皮内に投与した。

0068

その後、上記供試液をラットに2ml/kg(シリカゲルカラム有効画分量として1.6mg/kg、ODSカラム有効画分量として5mg/kg)の割合で当日より1日1回22日間、毎日腹腔内投与した。また、アジュバント投与日から23日間、毎日ラットの左右後肢の足蹠の容積をPlethysmometer (UgoBasile 社製) を用いて測定し、それらの容積の変化を調べた。

0069

この試験のコントロールとして、上記シリカゲルカラム有効画分を含まない上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液を用い、その他の点は上記操作と同様に行って左右後肢の足蹠の容積の変化を調べた。

0070

本試験は、それぞれ5匹のラットを用いて行い、左右後肢の足蹠の容積はこれらラットについて得られた値の平均値として、図5および図6に示す。

0071

これらの図から明らかなように、実施例のシリカゲルカラム有効画分を含有する供試液を投与した群では、コントロール群に比べ、左右後肢の足蹠の容積の増加が明らかに抑制され、アジュバント関節炎に対する顕著な有効性が認められた。また、シリカゲルカラム有効画分は、ODSカラム有効画分の約1/3の投与量で、これと同等の活性を示すことが認められた。

0072

試験例4ラットカラゲニン足蹠浮腫反応(非アレルギー反応)に対する作用
つぎの方法でラットカラゲニン足蹠浮腫反応に対する上記シリカゲルカラム有効画分の作用を調べた。

0073

まず、試験例1と同様の方法で0.80mg/ml濃度のシリカゲルカラム有効画分供試液を調製した。なお、対照実験用として、上記ODSカラム有効画分を、最終濃度が2.5mg/mlとなるように、上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液に懸濁したものを用意した。また、被検動物としては体重140〜160gのウィスター系雄ラットを用いた。

0074

また、カラゲンを生理的食塩水に溶かして1%としたものを用意した。

0075

まず、上記供試液をラットに2ml/kg(シリカゲルカラム有効画分量として1.60mg/kg、ODSカラム有効画分量として5mg/kg)を腹腔内投与した。

0076

被検動物の右後肢の容積をPlethysmometer(Ugo-Basile)を用いて測定したのち、上記1%カラゲニンを被検動物の右後肢足蹠皮内に注射し、浮腫反応を誘発した。

0077

誘発後1、2、3、4、5時間後に同様に被検動物の右後肢の容積を測定した。

0078

なお、この試験のコントロールとして、上記シリカゲルカラム有効画分を含まない上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液を用い、その他の点は上記操作と同様に行って、ラットの右後肢の容積を測定した。

0079

本試験は、それぞれ5匹のラットを用いて行い、右後姿態容積は、これらラットについて得られた値の平均値として図7に示す。

0080

この図から明らかなように、シリカゲルカラム有効画分およびODSカラム有効画分を投与した群では、コントロール群に比べ、右後肢の脹れは明らかに抑制され、顕著な炎症抑制活性が認められた。また、シリカゲルカラム有効画分は、ODSカラム有効画分の約1/3の投与量で、これと同等の活性を示すことが認められた。

0081

試験例5毒性試験
つぎの方法で上記シリカゲルカラム有効画分の毒性を調べた。

0082

まず、実施例で得られたシリカゲルカラム有効画分を、最終濃度が64mg/5mlになるように、上記ジメチルスルホキサイド含有アラビアゴム水溶液に懸濁した。こうして得られた懸濁液を供試液として用い、被験動物として体重25〜30gのICR雄性マウスを用いた。

0083

上記供試液をマウスに5ml/kg(試験例1〜4の有効量の40〜100倍量に相当)腹腔内投与した。その結果、毒性症状は特に認められず、また供試液投与2週間後の死亡率は0%であった。生存した被検動物の剖検においても何ら異常は認められなかった。この結果からも明らかなように、実施例で得られたシリカゲルカラム有効画分は有効量の40〜100倍量で毒性を示さなかった。なお、この試験は5匹のマウスを用いて行った。

発明の効果

0084

本発明によれば、少量の投与により、アレルギー性および非アレルギー性のいずれの炎症反応にも顕著な抑制作用を示す活性成分を含む組成物を提供することができる。

図面の簡単な説明

0085

図1ODSカラム有効画分含有液(5mg/kg)とそのシリカゲルカラムの各溶出物含有液(ODSカラム有効画分10mg/kg相当量)およびそのコントロールのラット4時間異種PCA反応における漏出色素量を示すグラフである。
図2ODSカラム有効画分含有液(4〜5mg/kg)とシリカゲルカラム有効画分含有液(1.28〜1.60mg/kg)およびそのコントロールのマウス足蹠遅延型浮腫反応における右足蹠の腫れ度合を示すグラフである。
図3ODSカラム有効画分含有液(5mg/kg)、シリカゲルカラム有効画分含有液(1.60mg/kg)およびそのコントロールのラット皮膚ツベルクリン反応における皮膚紅斑インデックスを示すグラフである。
図4ODSカラム有効画分含有液(5mg/kg)、シリカゲルカラム有効画分含有液(1.60mg/kg)およびそのコントロールのラット皮膚ツベルクリン反応における皮膚重量を示すグラフである。
図5ODSカラム有効画分含有液(5mg/kg)、シリカゲルカラム有効画分含有液(1.6mg/kg)およびそのコントロールのアジュバント関節炎における左足蹠の容積を示すグラフである。
図6ODSカラム有効画分含有液(5mg/kg)、シリカゲルカラム有効画分含有液(1.6mg/kg)およびそのコントロールのアジュバント関節炎における右足蹠の容積を示すグラフである。
図7ODSカラム有効画分含有液(5mg/kg)とシリカゲルカラム有効画分含有液(1.60mg/kg)およびそのコントロールのラットカラゲニン足蹠浮腫反応における右足蹠の容積を示すグラフである。

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