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技術 外部磁気漏洩防止用の超電導磁気遮蔽体

出願人 高圧ガス工業株式会社
発明者 杉岡孝雄井上勝大谷光平佐藤学
出願日 1993年1月21日 (27年5ヶ月経過) 出願番号 1993-027586
公開日 1994年8月12日 (25年10ヶ月経過) 公開番号 1994-224036
状態 特許登録済
技術分野 超電導ディバイスとその製造方法 超電導コイル 超電導電磁石
主要キーワード 各遮蔽体 円筒体軸 円筒状曲面 接着剤硬化層 円環状ディスク 継目無し ソレノイド軸 切残し
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

目的

超電導マグネットを内蔵する装置から外側へ磁気漏洩するのを防止する磁気遮蔽体は、円筒状の超電導体マグネットを内包するように構成したのでは、マグネットのボア中心磁界まで低下させるので好ましくない。本発明は、マグネットのボア部磁界減衰を少なくして、軸方向及び半径方向への磁気漏洩を効果的に遮蔽することを目的とする。

構成

円筒状の磁気遮蔽体は、両端部に閉環状の端部超電導磁気遮蔽体と、当該端部磁気遮蔽体の間に捲積状の周面超電導磁気遮蔽体とから構成され、周面磁気遮蔽体が超電導マグネットを共軸状に内包するようになしたものである。

概要

背景

近年、強力な磁場発生源超電導マグネットを利用した装置が実用化され利用されている。このような装置では、超電導マグネットで発生した磁場が装置周辺漏洩して、周辺計器精密電子機器に悪影響を及ぼすことがあり、外部への磁場を低減し遮蔽する必要があった。

このための磁気遮蔽体としては、従来、超電導体円筒体によって、超電導マグネットを同軸状に囲繞内装した超電導磁気遮蔽体が知られ、また、円筒側面スリット切欠部を形成した超電導性磁気遮蔽体が提案されている。

超電導マグネットを利用する装置として、半導体シリコンなど単結晶引上装置磁気冷凍機、SQUIDシステムや、MRI核磁気共鳴断層撮影装置)などがある。

概要

超電導マグネットを内蔵する装置から外側へ磁気が漏洩するのを防止する磁気遮蔽体は、円筒状の超電導体でマグネットを内包するように構成したのでは、マグネットのボア中心磁界まで低下させるので好ましくない。本発明は、マグネットのボア部磁界減衰を少なくして、軸方向及び半径方向への磁気漏洩を効果的に遮蔽することを目的とする。

円筒状の磁気遮蔽体は、両端部に閉環状の端部超電導磁気遮蔽体と、当該端部磁気遮蔽体の間に捲積状の周面超電導磁気遮蔽体とから構成され、周面磁気遮蔽体が超電導マグネットを共軸状に内包するようになしたものである。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

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請求項1

中空部超電導マグネット内装して、当該マグネットの磁場が外部へ漏洩するのを防止する筒状超電導磁気遮蔽体において、当該筒状超電導磁気遮蔽体が、その両端部に閉環状超電導シート環装された一対の端部遮蔽体と、中央部周面に片状超電導シートが周面域に隙間なく且つ超電導体閉環不能に配設された周面遮蔽体と、から成ることを特徴とする超電導磁気遮蔽体。

請求項2

筒状支持体の両端部に上記一対の端部遮蔽体が形成され、端部遮蔽体の間の当該支持体周面に周面遮蔽体が形成されて、上記片状超電導シートが相隣接する当該シートの超電導体同士の接触不能に貼着されて成る請求項1記載の超電導磁気遮蔽体。

請求項3

上記閉環帯状超電導シートが、超電導体薄層と常電導金属薄層との積層体であって、当該積層体の少なくとも超電導体薄層が継目無し閉環状をなしている請求項1記載の超電導磁気遮蔽体。

請求項4

上記閉環帯状超電導シートが、超電導体薄層と常電導金属薄層との積層体の帯状シートを、両端部を切残して、長手方向に切開して形成された閉環状シートである請求項1又は2記載の超電導磁気遮蔽体。

請求項5

上記片状超電導シートが、超電導体薄層と常電導金属薄層との積層体の有端細帯状シートであって、当該細帯状シートが、相隣接する細帯状シートの側縁部が側縁部の超電導体層同士の接触不能に重合する如く、螺旋状に当該支持体周面に捲装されて成る請求項1又は2記載の超電導磁気遮蔽体。

請求項6

上記片状超電導シートが、超電導体薄層と常電導金属薄層との積層体の有端広帯状シートであって、当該広帯状シートが当該支持体周面に少なくとも1回以上捲回されて成る請求項1記載の超電導磁気遮蔽体。

請求項7

上記片状超電導シートが、超電導体薄層と常電導金属薄層との積層体の複数の片状シートを、当該シートの側縁部が、当該側縁部の超電導体層同士の接触不能に重合して、筒状に貼設して成る請求項1記載の超電導磁気遮蔽体。

請求項8

上記超電導体薄層がNb−Ti合金であり、上記常電導金属薄層が金属Al若しくはCuである請求項3乃至6いずれか記載の超電導磁気遮蔽体。

技術分野

0001

本発明は、超電導マグネットなどの磁気発生源を囲繞して、発生磁場装置外漏洩するのを防止するための超電導磁気遮蔽体に関する。

背景技術

0002

近年、強力な磁場発生源に超電導マグネットを利用した装置が実用化され利用されている。このような装置では、超電導マグネットで発生した磁場が装置周辺に漏洩して、周辺計器精密電子機器に悪影響を及ぼすことがあり、外部への磁場を低減し遮蔽する必要があった。

0003

このための磁気遮蔽体としては、従来、超電導体円筒体によって、超電導マグネットを同軸状に囲繞内装した超電導磁気遮蔽体が知られ、また、円筒側面スリット切欠部を形成した超電導性磁気遮蔽体が提案されている。

0004

超電導マグネットを利用する装置として、半導体シリコンなど単結晶引上装置磁気冷凍機、SQUIDシステムや、MRI核磁気共鳴断層撮影装置)などがある。

0005

従来技術の超電導体円筒による磁気遮蔽は、ソレノイド円筒面の反磁性により、ソレイド半径方向の磁界を遮蔽するものであるが、同時に、円筒体の超電導体にはソレノイド軸心回りの遮蔽電流を透起して、ソレノイド軸方向の磁界を遮蔽する。この場合、当該遮蔽電流が形成する磁界によってソレノイド状マグネットボア中心磁界減殺させる問題があり、中心磁界低下の防止のためには、ソレノイド外径より相当大きくして、ソレノイドの外側の弱磁界中に配置するような大径の円筒体を必要とし、大型の超電導マグネットを利用する装置では、装置がさらに大型化する。

0006

また、前記のスリット状切欠き部を側面に備えた円筒状曲面の超電導体は、ソレノイド軸回りの誘起遮蔽電流が切欠部で遮断されて流れないので、ソレノイドのボア部中心磁界を低減させることなく、半径方向への漏洩磁界を有効に遮断できるとされている。

0007

しかしながら、側面を切欠きした超電導体円筒面は、中心磁界を低減させると同時に、後述するように、円筒体軸方向、即ち、ソレノイド軸方向への磁界を却って強めるので軸方向の磁気遮蔽には無力であった。

0008

超電導マグネットを利用する多くの装置は、当該超電導マグネットの中空の強磁界を利用するものであるから、マグネットを囲繞収容する超電導磁気遮蔽体も、マグネット中空部に連通した開口部を一端又は両端に具備している必要がある。この場合にさらに、装置の外側では、マグネットを形成するソレノイドの開口部外側、即ち軸方向も、半径方向と同程度に、低磁場となるように磁気遮蔽できる必要がある。

0009

さらに、一体の円筒あるいは側面切欠き円筒状の超電導体で大型装置用の遮蔽体を形成するとすると、広幅の超電導体板が必要になり、圧延成形が困難で、加工費が高額となるなどの問題があった。

0010

本発明は、以上の問題に鑑み、筒形の中空部に超電導マグネットなど磁気発生源を囲繞内包して、外部漏洩磁界を有効に遮蔽することができる超電導磁気遮蔽体を提供しようとするものである。

0011

本発明の超電導磁気遮蔽体は、中空部に超電導マグネットを内装して外部への磁気漏洩を低減する筒状の超電導磁気遮蔽体であって、当該超電導磁気遮蔽体の両端部に閉環した超電導シート環装された一対の端部遮蔽体と、中央部周面に片状超電導シートが周面域に隙間なく且つ超電導体の閉環不能に配設された周面遮蔽体と、から成ることを特徴とするものである。

0012

上記の超電導磁気遮蔽体は、その周面遮蔽体が当該超電導マグネットをほぼ共軸状に内包して、周面遮蔽体と当該超電導マグネットとの間に相当の内部磁場空間が形成され、当該端部遮蔽体が当該超電導マグネットの中空部の開口部より先側に位置づけられる如くした配置が好ましく採用される。

0013

本発明の超電導磁気遮蔽体は、より具体的には、所望形状の筒状支持体の端部に当該端部遮蔽体が、またその胴部周面に当該周面遮蔽体が、取着されたものが採用される。周面遮蔽体を形成する片状超電導シートは単一である必要はなく、複数若しくは多数の当該シートによる場合には、当該周面域に隙間なく且つ相隣接する当該片状超電導シートの縁部が超電導体同士が接触不能に重合して貼着して、構成する。

0014

本発明を図1概念図により説明すると、まず、周面遮蔽体41は、筒状磁気遮蔽体4の中央部周面に単一の広幅片状超電導シート1を2回捲回して成る捲積体を利用したもので、この捲積体は、周面域に隙間なく片状超電導シート1が配設されているので、その中空部に内装された超電導マグネットの磁気発生源90(図1(B))の磁場9のうち、軸心に垂直な方向の、即ち半径方向の磁場成分9rをそのシート1の超電導体の反磁性により有効に遮蔽する。

0015

しかし、広幅片状超電導シート1の捲積体61は、超電導体が開環状に配設されているので、超電導体を流れる超電導電流路は軸心廻り開環しており、従って、軸方向の磁場成分9zに対しては、超電導体には軸心廻りの超電導電流ループレンツの遮蔽電流)が流れないし、またこの磁場成分9zは、筒面の当該シート1の超電導体面と平行であって反磁性作用を生せず、従って磁気遮蔽効果はない。即ち、周面遮蔽体41(61)を成す片状超電導体シート1の超電導体には、遮蔽電流ループが形成されないので、軸方向の成分の磁界低減が少ない。

0016

他方、筒状の磁気遮蔽体4の両端部の端部遮蔽体42,42の周体は、軸方向磁界9zに対して超電導体が閉環状を成すので、レンツの遮蔽電流ループ91が超電体の周体42,42に流れて、超電導体の周体42,42の開口部から外側への磁界を相殺して、磁気漏れを低減する。しかし、超電導体の周体42,42は、両端に限られて中央部には設けないので、超電導マグネット90の中空部内では、形成する磁界強度の低減は少ない。

0017

本発明においては、周面遮蔽体41を形成する片状超電導シート1は、帯状矩形状又は円形状のシートを含むものとするが、有端長尺の帯状超電導シート10を利用するには、磁気遮蔽体4の中央部周面に、広幅の超電導体シート1を、1回以上捲回して筒状に成形した上記超電導シート捲積体61(図1(A))や、長尺狭幅の超電導シート10を一端から他端にスパイラル状に捲回した筒体とする捲回体62(図2(A))が採用できる。後者のスパイラル状の捲回体62は、超電導シートの側縁部が隣接する超電導シートの側縁部と相互に重なり合い、筒面の法線方向に超電導体が存在しない面域がないことが望ましい。

0018

片状超電導シート1は、所望形状の筒状支持体40の周面に接着剤等で貼着されて、周面遮蔽体41及びその両端部に端部遮蔽体42,42が形成される。この超電導磁気遮蔽体4は超電導性を維持するために冷媒(例えば液体ヘリウム浴)に浸漬されて使用されるが、この場合に冷媒用容器内面が筒状支持体周面を兼ねてもよいのである。この様な支持体40は、可撓性に富む薄い超電導シート1(10)を担持して、所望形状の超電導遮蔽体4に形成するのに有効であり、また、強磁場中での超電導シート1(10)の振動による超電導体の不安定現象を防止する重要な機能を有している。

0019

また、細帯状超電導シート10の捲回体62は、筒面上重積したシート10の超電導体同士が筒体廻りに遮蔽電流ループを形成し得ない程度に相互接触していないことが重要で、このため超電導シート10を超電導体単層とするときは、絶縁材(接着剤硬化層が兼ねてもよい)、又は、常電導性金属層(Al又はCu、ステンレス鋼)を介在させて重積する。

0020

図2(B)に示すような方形状超電導シート19の場合は、多数の矩形状超電導シート19を支持体40の周面に各シート19の周縁同士を重合して敷き並べて、且つ、各シート19の超電導体同士が接触しないように配設する。

0021

他方、磁気遮蔽体4の両端部遮蔽体42,42の閉環状超電導シート3については、超電導体の継目無し環状シートを、筒体中心軸に共軸状に配設される。このような閉環状シート3 は、内側が打ち抜かれた円環状ディスクと、径に比して高さの小さい筒状シートとが利用できる。

0022

閉環状超電導シート3は、帯状超電導シート10の両端部を超電導体同士が接合するように、超電導性の半田合金接して環状に形成したものでもよいが、特に、図3に示したように、超電導性の帯状シート10をその長手方向に平行にかつ両端部21,22を残して切開線16上で切開し、切開したシート片11,13を展開して閉環状シート3が得られる(図3(B,C))。この環状シート3には、継目がないから、超電導電流のループ91が形成され、そのループ経路に沿った超電導体は、上記蝋接による接合部などの接続部がないので、遮蔽電流が減衰せず、漏洩磁場に対する磁気遮蔽能の安定性が良い。この閉環状シート3は筒体半径方向に多数層に積層することにより、磁気遮蔽能を高めることができる。

0023

帯状超電導シート10を切開して形成した閉環状超電導シート3は、その切開長さ、従ってその帯状シート1の長さを適当に調整することによって、所望の直径を備えた円環とすることができる利点があり、これを上記の筒状支持体40の端部の外周または内周に適宜貼着して、端部遮蔽体42と成すのである。

0024

端部遮蔽体42及び周面遮蔽体41を形成するために、本発明の最も好ましい超電導シート1(10)は、超電導体の薄層と、常電導金属の薄層との積層体、特に、多層積層体である。このような超電導シート1(10)は、例えば、液体ヘリウム温度で使用される磁気遮蔽体用として、Nb−Ti合金層51と、金属Al層52,52とを3層に積層した圧延シート1(図3(D))や、適当な基材シート(例えば金属Al箔)上にNb−Ti合金と金属Alとを交互にスパッタ蒸着した多層積層蒸着シートが利用される。Nb−Ti合金とAlなどの金属とから成る圧延シートや蒸着シートは、可撓性があり、軽度の塑性変形が可能であるから、切開や曲折、貼着により端部遮蔽体42及び周面遮蔽体41の成形が容易である。

0025

周面遮蔽体41を形成する積層体の超電導シート1,10,19は、特に、両表面が金属Al層52,52など常電導金属層被覆されているものが、支持体40の周面に重積された各シートの周縁部で超電導体層が常電導金属層が介在して相接触しないので、超電導体の周面廻りの閉環の形成を防止できる。

0026

図4は、25cm幅程度の細幅帯状超電導シート10を用いて形成した、直径2m程度の大径の超電導磁気遮蔽体4の部分断面図を示している。ステンレス鋼製の円筒状支持体40の外周面に、上述のAl層/Nb−Ti層/Al層からなる3層積層の帯状シート10を側縁部が重なり合うように螺旋状に巻回し低温用接着剤44により貼着されて周面遮蔽体41とする。周面遮蔽体41上の端部には、図5(A,B)に示したように、3層積層の帯状シート1を切開して形成し閉環状超電導シート3を同軸状に積層して低温用接着剤44により貼着されて端部遮蔽体42を環装してある。本例は、この閉環状超電導シート3が、端部周面上軸方向に3列に配列されている。このように、本発明は、狭幅の帯状超電導シート10を利用することができるので、任意の径寸法の超電導磁気遮蔽体を容易に形成することができる。

0027

次に、超電導マグネットの形成する磁気が外部に漏洩するのを遮蔽する磁気遮蔽体を作り、以下の要領試験した。

0028

まず、超電導シートは、幅50mm厚み40μmの長尺Al箔の上面にNb−Ti層0.4μmとCu層0.8μmとを交互にスパッタ蒸着により各々25層に積層して作ったものである。この超電導シートは、表面法線方向磁界に対する試料中心の最大遮蔽磁界は単位シート当たり0.12Tであった。

0029

図5(C)に図示するが、外径50mmのアルミニウム製円筒状支持体40の外周面に長さ80mmにわたって帯状の超電導シート1を螺旋状に捲回して貼着して、周面遮蔽体41とした。

0030

この周面遮蔽体41は、この超電導シートを幅20mmに裁断して、上記支持体40の表面に側縁部5mmが相重なるように螺旋状に低温用接着剤で貼着して巻回体に形成し、この巻回体を4層に重積した。

0031

端部遮蔽体42は、幅50mmで長さ170mmの上記超電導シート1をその中心線上長手方向に切開して25mm高さの直径50mmの閉環を形成し、この閉環状シート3を4層重積して(図5(A,B))、上記の周面遮蔽体41の両端部先側に周面間隔50mmを開けて外覆して、一対の端部遮蔽体42,42とした。

0032

比較例として、上記実施例の磁気遮蔽体における螺旋状に巻回した超電導シート1による周面遮蔽体は同じであるが、両端部遮蔽体42,42に代えて、同じ位置に同じく25mm幅の上記帯状超電導シートを4回捲回して、開環状の遮蔽体とした。

0033

従って比較例の超電導磁気遮蔽体は、遮蔽体の半径方向磁場に対する磁気遮蔽能はほぼ等しいが、端部遮蔽体が、軸方向廻りの遮蔽電流ループが形成されないので、軸方向磁場に対する磁気遮蔽能がないと考えられる点で実施例のものと相違する。

0034

図6は、小型の超電導マグネット90の外部磁界を遮蔽するため上記円筒状超電導磁気遮蔽体4を配置した試験装置腰部断面図を示す。超電導マグネット90のソレイドと、磁気遮蔽体の各遮蔽体41,42,42とは共軸軸状にかつ上下対称に配置されて、液体ヘリウム中に浸漬され、各測定位置a,b,c,e,g〜kにホール素子を固定して、各位置のソレイド軸方向の磁界強度を測定した。

0035

磁界測定位置aは超電導マグネット90のソレノイド中空部93の中心位置を、位置bとcは、ソレイド中心軸上で、ソレノイドの中空部外の端部遮蔽体42の中空部と、端部遮蔽体42の中空部外と、をそれぞれ示す。

0036

定位置e,g,hは、同aと同一高さにあって半径方向の磁界分布を示すため、また測定位置i〜kは、端部遮蔽体42の外側近傍位置の磁界分布を調査するためである。

0037

試験は、まず、超電導磁気遮蔽体4を配置しないで、ソレイド中心位置aでの磁界が0.5T,1.0T及び1.5Tとなるように磁界測定を行なってソレノイド電流値を決定して、次に実施例に係る超電導磁気遮蔽体4を配置して、上記ソレノイド電流値に調整して、磁界測定を行なった。同様に比較例の磁気遮蔽体においても測定した。その結果を表1〜3にまとめた。

0038

0039

0040

0041

表1〜3及び図6から次のことが判る。まず、比較例の超電導磁気遮蔽体は、両端部の遮蔽体が細帯状の超電導シートの捲回体であるが、
ソレノイド中心位置から半径方向の当該磁気遮蔽体外の測定位置g,hで漏洩磁界の低減がみられ、
ソレノイド中心位置aでは磁界は僅かに低減するが、ソレノイド軸方向の測定位置b,cでは磁界が増加する傾向が明らかに認められ、
ソレノイドと超電導磁気遮蔽体との間の位置eで磁界が増加する。
この結果から、周面上円周方向に超電導電流ループが形成されない筒状超電導体を以て超電導マグネットを同軸状に囲繞内包したとき、磁束は半径方向には遮蔽されるが、他方、開口部側には却って漏洩磁束伸長するような挙動をとることがわかる。

0042

これに対して、実施例の超電導磁気遮蔽体4は、比較例と対比すると、超電導磁気遮蔽体4の外側の測定位置c,g,h,i,j,kの磁界はいずれも効果的に低減しており、両端部遮蔽体42,42のみを閉環状とすることにより、軸方向の外側の磁界が低減するだけでなく、半径方向の漏洩磁界も有効に低減できることが明らかとなった。

0043

他方、閉環状の端部遮蔽体42は、比較例に比して、超電導マグネットの中空部の中心磁界を僅かに低減させるが、この程度の磁界変化は、マグネット励磁電流の調整により、所定磁界に設定するのは容易である。

発明の効果

0044

本発明の筒状超電導磁気遮蔽体は、両端部のみに環状の超電導遮蔽体を環装し、胴部周面には軸心廻り遮蔽電流ループを形成しない超電導体層が被覆形成されているから、中心磁界の低減を極力小さくして、外部漏洩磁界を有効に遮蔽できるので、超電導マグネットを利用する磁気装置の遮蔽体として極めて有用である。

0045

本発明の筒状超電導磁気遮蔽体は、帯状の超電導シートから端部遮蔽体と周面遮蔽体とを形成して構成できるので、製造容易な細帯状超電導シートを利用して、任意形状の支持体に貼着配設することにより、大型の磁気装置に供し得るような大径の筒状超電導磁気遮蔽体を自在に設計製作することが容易にできる。

図面の簡単な説明

0046

図1本発明の筒状超電導磁気遮蔽体の概念図で、(A)は斜視図で、(B)は断面図である。
図2筒状超電導磁気遮蔽体の実施例に係る斜視図(A,B)。
図3超電導磁気遮蔽器に使用する端部遮蔽体を帯状超電導シート(A)から環状超電導シート(B),(C)を形成する過程を示す図、及び一例として帯状超電導シートの断面図(D)。
図4筒状超電導磁気遮蔽器の部分切欠断面図(A,B)。
図5図3(B)に示した環状体を積層した端部遮蔽体の外観図(A,B)と、これを用いて形成した磁気遮蔽試験用の超電導磁気遮蔽体の外観図(部分切欠断面を含む)(C)。
図6磁気遮蔽試験における筒状超電導磁気遮蔽体と超電導マグネットの配置図。

--

0047

1 片状超電導シート
10帯状超電導シート
19方形状超電導シート
3閉環状超電導シート
4 筒状超電導磁気遮蔽体
40支持体
41 周面遮蔽体
42端部遮蔽体
51超電導体層
52常電導金属層
90超電導マグネット
磁力線
91超電導電流ループ

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